令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題2

建築工事における次の1.から3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,保護帽や要求性能墜落制止用器具等の保護具の使用,気象条件,資格,免許及び届出に関する記述は除くものとする。

また,使用資機材に不良品はないものとし,2.を除き保守点検に関する記述は不可とする。

1.バケット容量0.5m3 程度のバックホウ

記述例

①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。

②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。

(解説)

バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。

②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その_者に誘導させる。

③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。

2.工事用の仮設電力設備

記述例

①仮設電力の引込位置は、電力負荷設備の種類・位置を考慮して計画する。

②工事用電力使用の工程計画、負荷設備容量の山積みをもとに、受電容量を検討し計画する。

(解説)

その他、以下のもの等があるので、これを参考に具体的に記述する。

1)着工から竣工まで仮設電力の過不足がないように、仮設計画により、幹線の配線計画、負荷設備の配線計画について検討する。

2)工事完成までの支障のないように、仮設引込の配置、負荷設備の種類、位置について検討し計画する。

3.ホイール式垂直昇降型の高所作業車

記述例

①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。

②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。

(解説)

高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。

②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。

③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。

④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。

⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

市街地での事務所ビル新築工事において,右の工事概要に示す事務所部分の内装工事に関する作業工程について,次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は計画時点におけるもので,対応する作業内容と所要日数,施工条件を合わせて示しているが,作業⑤及び作業⑧については作業内容を記載していない。
また,作業⑦のフリーアクセスフロア敷設作業は,作業(d)及び作業(e)との関係を示すために作業⑦-1,作業⑦-2に分けて工程表及び作業内容と所要日数に示している。

工程表の設備工事は電気設備(照明,コンセント),通信設備,警報設備,空調設備とする。

なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

工事概要

用   途:事務所
構造、規模:鉄筋コンクリート構造,地上6階,
基準階における事務室部分の床面積325m2
事務室仕上:床はフリーアクセスフロア下地,タイルカーペット仕上げ
壁は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り、
塗装仕上げ(壁の軽量鉄骨下地,せっこうボード張り
共に天井軽量鉄骨下地高さまでとする)
天井は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り,
ロックウール化粧吸音板仕上げ
工程表

作業内容と所要日数(各作業に必要な資機材運搬等を含む)

施工条件
作業(a):
天井内の配管,配線,機器設置,ダクト等の設置、高所作業車を使用

作業(b):
間仕切壁内の配管,ボックス取付け工事、作業③の開始2日後に並行作業として着手

作業(c):
作業④の開始3日後に並行作業として着手、天井足場を使用

作業(d):着手は作業⑥の完了後1日の養生日を置き,     作業⑦-1と並行作業として着手
作業(e):作業⑦-2と並行作業として着手
1.作業⑤及び作業⑧作業内容を記述しなさい。

解答試案

⑤ 天井足場撤去

⑧ タイルカーペット張付け

②天井足場架設の作業があり、作業 (c) により 天井足場を使用した設備工事の後の作業⑤である。

また、作業⑤の後には、天井界隈の工事はないので、作業⑤は、天井足場撤去と考えられる。

床の仕上はタイルカーペットであるので、作業⑧はタイルカーペット張付けである。

2.内装工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順と,作業内容と所要日数,施工条件に記載してある条件を読み取り,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

 

解答試案

施工条件に従って、検討用のシートを用いてまとめると

以下のようになる。

 

よって、総所要日数は 28日となる。

3.作業④フリーフロート及び作業⑦トータルフロートを記入しなさい。

解答試案

作業④のフリーフロート  2日

作業⑦のトータルフロート 1日

問題2の検討用の工程表によると作業④には2日の余裕がある。

よって、作業④のフリーフロートは、2日である。

トータルフロート(TF)とは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

作業⑦の最遅終了時刻(LFT)は25日である。

作業⑦-2の作業は、設備工事(d)の終了を待たずしても、作業⑦-1に引き続き作業が可能であるので、

最早終了時刻(EFT)は24日である。

よって、LFT – EFT = 1日

(参考)

検討用のシートをネットワーク工程表で表すと下記のようになる。

4.作業⑦の着手に必要な支持脚(ペデスタル)の墨出しに係る工程を見込んでおらず,作業⑦の所要日数に1日を追加しなければならないことが判明した。
工程追加後の(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答試案

総所要日数 28日

問題3より、作業⑦はトータルフロート 1日あるので、作業日数に1日追加したとしても総所要日数 28日は変わらない。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題4 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題4

次の1.から4.の問いに答えなさい。
ただし,1.から4.の解答はすべて異なる内容の記述とし,材料(仕様,品質,搬入等),作業環境(騒音,振動,気象条件等),清掃及び安全に関する記述は除くものとする。

1.タイル工事において,有機系接着剤を用いて外壁タイル張りを行うときの施工上の留意事項を2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,タイルの割付け,材料の保管及び下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

(1) 接着剤の1回の塗付け面積は3m2以内で30分以内に張り終える面積とする。

(2) 接着剤は金ごて等で厚さ 3mm程度に平坦に塗布し、所定のくし目ごてを用いてくし目をたてる。

2.金属工事において,パラペット天端に押出形材の既製品であるアルミニウム製笠木を設けるときの施工上の留意事項を2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,材料の保管及び防水層に関する記述は除くものとする。
なお,パラペットは現場打うちコンクリートとする。

解答試案

(1) 固定金具は笠木が通りよく、かつ、天端の水勾配が正しく保持されるように、あらかじめレベルを調整して取り付ける。

(2) あと施エアンカーによる固定金具、ジョイント金具の取付けに際して、特に強い風圧の予想される箇所に使用する場合は、風荷重に対して十分な引抜き耐力を有するようアンカーの径・長さ・取付け間隔を検討し、施工に注意する。

(3) 笠木部材の割付けは施工図により、割付け、各部の納まり(端部、壁付き、ほかとの取合い)及び取付け手顛を事前に検討する。

(4) 取付けは、コーナ一部分笠木(通常 l = 500mm程度)を先に取り付け、直線部材については、パラペット全体の形状を勘案し、定尺を中心に割り付ける。調整部分を中心部にもってくる方法、両端に割り振る方法、片端にもってくる方法がある。

3.左官工事において,内装床の張物下地となるセルフレベリング材塗りを行うときの施工上の留意事項を2つ,具体的に記述しなさい。
なお,セルフレベリング材は固定プラント式のスラリータイプとし,専用車両で現場まで輸送供給されるものとする。

解答試案

(1) 水量過多は強度低下や材料分離の原因となるので、製造所の規定する加水量を厳守する。

(2) 塗厚が大きくなると、ひび割れや浮きが発生しやすくなるので、標準塗厚を10mmとする。また、塗厚が均ーでない場合には、硬化時の体積変化(やせ)により塗厚の大きい部分にひび割れが生じるおそれがあるので、塗厚の大きくなる部分は、あらかじめモルタルで補修を行っておく。

(3) 材料の練混ぜ不足は、流動性低下の原因となるので、製造所の指定する方法で十分に練り混ぜる。

(4) セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合があるので、流し込み作業中はできる限り通風をなくし、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、甚だしい通風を避ける。

(5) 5℃以下での施工は、硬化遅延、硬化不良を引き起こすおそれがある。また、夜間の気温低下により凍害を受けるおそれがある。

4.内装床工事において,ビニル床シートを平場部に張り付けるときの施工上の留意事項を2つ,具体的に記述しなさい。
ただし,下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

(1) 床シート類は、長手方向に縮み、幅の方向に伸びる性質があるので、長めに切断して仮敷きし、24時間以上放置して巻きぐせをとり、なじむようにする。

(2) 接着剤は、所定のオープンタイムをとり、床シートを張り付ける。

(3) 接着剤は、製造所の指定するくし目ごてを用いて下地面に均一に塗布する。

(4) 湿気のおそれのある床には、エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤を用いる。

(5) 床シートの張付け後は、表面に出た余分な接着剤をふき取り、45kgローラー等で十分に圧着し、接着面に気泡がの残らないように圧着する。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題5 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題5

次の1.から8.の各記述において,[  ]に当てはまる最も適当な語句又は数値の組合せを,下の枠内から1つ選びなさい。

1.作業場に通ずる場所及び作業場内には,労働者が使用するための安全な通路を設け,かつ,これを常時有効に保持しなければならない。
通路で主要なものには,これを保持するため,通路であることを示す表示をしなければならない。

通路には,正常の通行を妨げない程度に,[ a ] 又は照明の方法を講じなければならない。

ただし,常時通行の用に供しない地下室等で通行する労働者に,適当な照明具を所持させるときは,この限りでない。
また,[ b ] に設ける通路は用途に応じた幅を有し,通路面から高さ[ c ] m以内に障害物を置いてはならない。

   a     b     c
1.採 光   屋 内   2.0
2.換 気   屋 外   1.8
3.採 光   屋 内   1.8
4.換 気   屋 外   2.0
5.採 光   屋 外   1.8

解答試案

 3

作業場に通ずる場所及び作業場内には,労働者が使用するための安全な通路を設け,かつ,これを常時有効に保持しなければならない。(労働安全衛生規則第541条)

通路で主要なものには,これを保持するため,通路であることを示す表示をしなければならない。(同第540条)

通路には,正常の通行を妨げない程度に,採光 又は照明の方法を講じなければならない。
ただし,常時通行の用に供しない地下室等で通行する労働者に,適当な照明具を所持させるときは,この限りでない。
また,屋内に設ける通路は用途に応じた幅を有し,通路面から高さ1.8m以内に障害物を置いてはならない。(同第542条)

2.根切り工事において,掘削底面付近の砂質地盤に上向きの浸透流が生じ,この水の浸透力が砂の水中での有効重量より大きくなり,砂粒子が水中で浮遊する状態を[ a ] という。
[ a ] が発生し,沸騰したような状態でその付近の地盤が破壊する現象を[ b ] という。
また,掘削底面やその直下に難透水層があり,その下にある被圧地下水により掘削底面が持ち上がる現象を[ c ] という。

   a        b       c
1.地盤沈下     パイピング   ヒービング
2.クイックサンド  ボイリング   ヒービング
3.クイックサンド  パイピング   ヒービング
4.地盤沈下     ボイリング   盤ぶくれ
5.クイックサンド  ボイリング   盤ぶくれ

解答試案

 5

根切り工事において,掘削底面付近の砂質地盤に上向きの浸透流が生じ,この水の浸透力が砂の水中での有効重量より大きくなり,砂粒子が水中で浮遊する状態をクイックサンドという。

クイックサンドが発生し,沸騰したような状態でその付近の地盤が破壊する現象をボイリングという。


ボイリング


盤ぶくれ

また,掘削底面やその直下に難透水層があり,その下にある被圧地下水により掘削底面が持ち上がる現象を盤ぶくれという。

3.既製コンクリート杭の埋込み工法において,杭心ずれを低減するためには,掘削ロッドの振止め装置を用いることや,杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り,掘削中や杭の建込み時にも逃げ心からの距離を随時確認することが大切である。

一般的な施工精度の管理値は,杭心ずれ量がD/[ a ] 以下(Dは杭直径),かつ,[ b ] mm以下か、[ c ] が 1/100 以内である。

   a   b     c
1. 3   100   鉛直精度
2. 4   100   鉛直精度
3. 3   150   水平精度
4. 4   150   鉛直精度
5. 4   100   水平精度

解答試案

 2

既製コンクリート杭の埋込み工法において,杭心ずれを低減するためには,掘削ロッドの振止め装置を用いることや,杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り,掘削中や杭の建込み時にも逃げ心からの距離を随時確認することが大切である。

一般的な施工精度の管理値は,杭心ずれ量がD/4以下(Dは杭直径),かつ,100mm以下か、鉛直精度が 1/100 以内である。

4.鉄筋工事において,鉄筋相互のあきは[ a ] の最大寸法の1.25倍、[ b ] mm及び隣り合う鉄筋の径(呼び名の数値)の平均の1.5倍のうち最大のもの以上とする。

鉄筋の間隔は,鉄筋相互のあきに鉄筋の最大外径を加えたものとする。
柱及び梁の主筋のかぶり厚さは,D29以上の異形鉄筋を使用する場合,径(呼び名の数値)の [ c ] 倍以上とする。

   a    b    c
1.細骨材   20   1.25
2.粗骨材   20   1.5
3.粗骨材   25   1.25
4.粗骨材   25   1.5
5.細骨材   20   1.5

解答試案

 4
鉄筋工事において,鉄筋相互のあきは粗骨材の最大寸法の1.25倍、25 mm及び隣り合う鉄筋の径(呼び名の数値)の平均の1.5倍のうち最大のもの以上とする。

鉄筋の間隔は,鉄筋相互のあきに鉄筋の最大外径を加えたものとする。
柱及び梁の主筋のかぶり厚さは,D29以上の異形鉄筋を使用する場合,径(呼び名の数値)の1.5倍以上とする。

覚え方)「あきのこないお稽古も最大のニコニコで(By 原口秀昭氏)」
(径 1.5 最大の1.25、25mm以上)

5.型枠支保工において,鋼管枠を支柱として用いるものにあっては,鋼管枠と鋼管枠との間に[ a ] を設け,支柱の脚部の滑動を防止するための措置として,支柱の脚部の固定及び[ b ] の取付け等を行う。

また,パイプサポートを支柱として用いるものにあっては,支柱の高さが[ c ] mを超えるときは,高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

   a      b      c
1.中 桟    布 枠    3.0
2.交差筋かい  根がらみ   3.0
3.交差筋かい  根がらみ   3.5
4.交差筋かい  布 枠    3.5
5.中 桟    布 枠    3.5

解答試案

 3

型枠支保工において,鋼管枠を支柱として用いるものにあっては,鋼管枠と鋼管枠との間に交差筋かいを設け,支柱の脚部の滑動を防止するための措置として,支柱の脚部の固定及び根がらみの取付け等を行う。

また,パイプサポートを支柱として用いるものにあっては,支柱の高さが 3.5mを超えるときは,高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設けなければならない。

6.コンクリートポンプ工法による1日のコンクリートの打込み区画及び[ a ] は,建物の規模及び施工時間,レディーミクストコンクリートの供給能力を勘案して定める。

コンクリートの打込み速度は,スランプ18cm程度の場合,打ち込む部位によっても変わるが,20m3/hから[ b ] m3/hが目安となる。

また,スランプ10cmから15cmのコンクリートの場合,公称棒径45mmの棒形振動機1台当たりの締固め能力は,10m3/hから[ c ] m3/h程度である。

   a     b    c
1.打込み量   30   15
2.打込み順序  40   20
3.打込み順序  30   20
4.打込み量   40   15
5.打込み量   30   20

解答試案

 1

コンクリートポンプ工法による1日のコンクリートの打込み区画及び打込み量は,建物の規模及び施工時間,レディーミクストコンクリートの供給能力を勘案して定める。

コンクリートの打込み速度は,スランプ18cm程度の場合,打ち込む部位によっても変わるが,20m3/hから30m3/hが目安となる。

また,スランプ10cmから15cmのコンクリートの場合,公称棒径45mmの棒形振動機1台当たりの締固め能力は,10m3/hから15m3/h程度である。

7.コンクリート工事において,寒中コンクリートでは,レディーミクストコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は,原則として[ a ] °C以上20°C未満とし,加熱した材料を用いる場合,セメントを投入する直前のミキサ内の骨材及び水の温度は,40°C以下とする。

打込み後のコンクリートは,初期凍害を受けないよう,必要な保温養生を行う。
初期養生の期間は,コンクリートの圧縮強度が[ b ] N/mm2が得られるまでとし,この間は,打ち込んだコンクリートのすべての部分が0°Cを下回らないようにする。

また,[ c ] 養生中は,コンクリートが乾燥しないように散水等で湿潤養生する。

  a    b    c
1.10    5   断熱
2.10    5   加熱
3. 5   10   加熱
4. 5    5   加熱
5. 5   10   断熱

解答試案

 2

コンクリート工事において,寒中コンクリートでは,レディーミクストコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は,原則として10°C以上20°C未満とし,加熱した材料を用いる場合,セメントを投入する直前のミキサ内の骨材及び水の温度は,40°C以下とする。

打込み後のコンクリートは,初期凍害を受けないよう,必要な保温養生を行う。

初期養生の期間は,コンクリートの圧縮強度が 5 N/mm2が得られるまでとし,この間は,打ち込んだコンクリートのすべての部分が0°Cを下回らないようにする。

また,加熱養生中は,コンクリートが乾燥しないように散水等で湿潤養生する。

8.鉄骨の完全溶込み溶接において,突合せ継手の余盛高さの最小値は[ a ] mmとする。

裏当て金付きのT継手の余盛高さの最小値は,突き合わせる材の厚さの1/4とし、材の厚さが40mmを超える場合は[ b ] mmとする。
裏はつりT継手の余盛高さの最小値は,突き合わせる材の厚さの1/[ c ] とし,材の厚さが40mmを超える場合は5mmとする。

   a   b   c
1. 0    8    8
2. 0    8   10
3. 2   10    8
4. 2    8   10
5. 0   10    8

解答試案

 5

鉄骨の完全溶込み溶接において,突合せ継手の余盛高さの最小値は 0 mmとする。

裏当て金付きのT継手の余盛高さの最小値は,突き合わせる材の厚さの1/4とし、材の厚さが40mmを超える場合は 10mmとする。

裏はつりT継手の余盛高さの最小値は,突き合わせる材の厚さの1/8とし,材の厚さが40mmを超える場合は5mmとする。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題6 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題6

次の1.から3.の各法文において,[  ]に当てはまる正しい語句を,下の該当する枠内から1つ選びなさい。

1.建設業法(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)
第24条の8
特定建設業者は,発注者から直接建設工事を請け負った場合において,当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が2以上あるときは,それらの請負代金の額の総額)が政令で定める金額以上になるときは,建設工事の適正な施工を確保するため,国土交通省令で定めるところにより,当該建設工事について,下請負人の商号又は名称,当該下請負人に係る建設工事の内容及び [ ① ] その他の国土交通省令で定める事項を記載した施工体制台帳を作成し,工事現場ごとに備え置かなければならない。

2(略)

3(略)

4.第1項の特定建設業者は,国土交通省令で定めるところにより,当該建設工事における各下請負人の施工の[ ② ] 関係を表示した施工体系図を作成し,これを当該工事現場の見やすい場所に掲げなければならない。

[  ①  ]
1.施工範囲 2.施工方法 3.竣工時期 4.工期 5.納期

[  ②  ]
1.共有 2.分担 3.配分 4.上下 5.前後

 ①ー4
②ー2

解答試案

建設業法(施工体制台帳及び施工体系図の作成等)

第24条の8

特定建設業者は,発注者から直接建設工事を請け負った場合において,当該建設工事を施工するために締結した下請契約の請負代金の額(当該下請契約が2以上あるときは,それらの請負代金の額の総額)が政令で定める金額以上になるときは,建設工事の適正な施工を確保するため,国土交通省令で定めるところにより,当該建設工事について,下請負人の商号又は名称,当該下請負人に係る建設工事の内容及び工期その他の国土交通省令で定める事項を記載した施工体制台帳を作成し,工事現場ごとに備え置かなければならない。

2(略)

3(略)

4.第1項の特定建設業者は,国土交通省令で定めるところにより,当該建設工事における各下請負人の施工の分担関係を表示した施工体系図を作成し,これを当該工事現場の見やすい場所に掲げなければならない。

2.建築基準法施行令(建て方)
第136条の6
建築物の建て方を行なうに当たっては,[ ③ ] を取り付ける等荷重又は外力による倒壊を防止するための措置を講じなければならない。
2 鉄骨造の建築物の建て方の[ ④ ] は,荷重及び外力に対して安全なものとしなければればならない。
[ ③ ]1.仮筋かい 2.仮設梁 3.火打ち 4.支保工 5.仮設柱
[ ④ ]1.方法 2.本締 3.仮締 4.仮組 5.手順

 ③ー1
④ー3

解答試案

建築基準法施行令(建て方)

第136条の6

建築物の建て方を行なうに当たっては,仮筋かいを取り付ける等荷重又は外力による倒壊を防止するための措置を講じなければならない。

2 鉄骨造の建築物の建て方の仮締は,荷重及び外力に対して安全なものとしなければればならない。

3.労働安全衛生法(事業者の講ずる措置)
第71条の2
事業者は,事業場における安全衛生の水準の向上を図るため,次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより,快適な[ ⑤ ] 環境を形成するように努めなければならない。

一 作業環境を快適な状態に[ ⑥ ] するための措置

二 労働者の従事する作業について,その方法を改善するための措置

三 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備

四 前三号に掲げるもののほか,快適な[ ⑤ ] 環境を形成するため必要な措置

[  ⑤  ]
1.事業 2.現場 3.労働 4.衛生 5.職場

[  ⑥  ]
1.維持管理 2.運営管理 3.構築 4.確立 5.保守

 ⑤ー5
⑥ー1

解答試案

労働安全衛生法(事業者の講ずる措置)

第71条の2

事業者は,事業場における安全衛生の水準の向上を図るため,次の措置を継続的かつ計画的に講ずることにより,快適な職場環境を形成するように努めなければならない。

一 作業環境を快適な状態に維持管理するための措置

二 労働者の従事する作業について,その方法を改善するための措置

三 作業に従事することによる労働者の疲労を回復するための施設又は設備の設置又は整備

四 前三号に掲げるもののほか,快適な職場環境を形成するため必要な措置

1級建築施工管理技士 令和06年 一次 問題6 解説

問題番号[ No.41 ]〜[ No.44 ]までの4問題全問題を解答してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.41 ]
建築工事における事前調査や準備作業に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設けることとしたため,隣接建物の基礎構造形式の調査を省略した。

2.軒の高さが9mの木造住宅の解体工事計画に当たって,石綿等を含有する建材がなかったため,建設工事計画届は提出しないこととした。

3.敷地内の排水工事計画に当たって,排水管の勾配が公設桝まで確保できるか調査することとした。

4.請負代金が1,000万円のアスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって,再資源化施設の場所を調査することとした。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

掘削深さや地盤条件に応じた山留めを設ける場合は,隣接建物の基礎構造形式や深さの調査をする必要がある

2.◯

労働安全衛生法第88条第3項の厚生労働省令で定める仕事のうち、建築物、工作物または船舶に張り付けられている石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材(耐火性能を有する被覆材をいう。)等の除去、封じ込めまたは囲い込みの作業(石綿等の粉じんを著しく散布するおそれのあるものに限る。)を行う仕事は建設工事計画届を提出しなければならないが、石綿などを含有する建材が無い場合は、当該届を提出しなくてよい。(労働安全衛生規則第90条第五の三号)

3.◯

一般に、敷地内の排水工事の事前調査では、公設桝まで排水管の勾配確保に関する調査等が実施される。

4.◯

アスファルト舗装駐車場の撤去後、建設副産物アスファルトがらが発生する。アスファルトがら再資源にするため、アスファルト舗装駐車場の撤去工事計画に当たって、再資源化施設の場所調査する必要がある。(建設工事に係る資材の再資源化に関する法律第16条、同施行規則第3条)

[ No.42 ]
施工計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.大深度の土工事において,不整形な平面形状であったため,逆打ち工法とした。

2.土工事において,3次元の測量データ,設計データ及び衛星位置情報を活用するICT建設機械による自動掘削とした。

3.鉄筋工事において,工期短縮のため,柱や梁の鉄筋を先組み工法とし,継手は機械式継手とする計画とした。

4.鉄骨工事において,鉄骨の建方精度を確保するため,できるだけ大きなブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

地下躯体工事と並行して上部躯体を施工する逆打ち工法は、大規模大深度の工事で不整形な平面形状において工期短縮が有効な計画である。

2.◯

土工事の施工計画において、TS(トータルステーション)やGNSS(衛星測位システム)を用いた3次元の測量データ、設計データ及び衛星位置情報を活用して、ICT建設機械による自動掘削が可能となっている。

3.◯

鉄筋工事において、柱や梁の鉄筋を先組み工法とし、継手は機械式継手とする計画は、工期短縮に有効である。

4.×

鉄骨工事における建方精度を確保するためには、建方の進行とともにできるだけ小区画に区切って建入れ直しを行う計画とする。

[ No.43 ]
施工者が作成する工事の記録等に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち,発注者と相互に交付したものではないものは,保存しないこととした。

2.建設工事の施工において作成した施工体系図は,元請の特定建設業者が当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間保存することとした。

3.建設工事の施工において必要に応じて作成した完成図は,元請の建設業者が建設工事の目的物の引渡しをしたときから5年間保存することとした。

4.設計図書に定められた内容に疑義が生じたため,監理者と協議を行った結果,設計図書の訂正に至らない事項について,記録を整備することとした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付したものを保存する。

2.◯、3.×

建設工事の施工上の必要において作成し、または発注者から受領した完成図、建設工事の施工上の必要に応じて作成した工事内容に関する発注者との打ち合わせ記録、施工体系図の保存はの保存期間は、請け負った建設工事ごとに、当該建設工事の目的物の引渡しをしたときから10年間とする。(建設業法施行規則第28条第2項)

4.◯

設計図書に定められた内容に疑義が生じた場合は、監理者と協議を行い、設計図書の訂正に至らない事項があった場合は、記録を整備する。

[ No.44 ]
工程の実施計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.高層集合住宅のタクト手法による工程計画において,作業期間がタクト期間の2倍となる作業には,その作業の作業班を2班投入して,切れ目のない工程とした。

2.高層事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンによる鉄骨の取付け歩掛りは,1台1日当たり80ピースとして計画した。

3.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,建方用機械の鉄骨建方作業での稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画した。

4.一般的な事務所ビルの鉄骨建方計画において,タワークレーンの鉄骨建方作業のみに占める時間の割合を,65%として計画した。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上する。作業期間がタクト期間の2倍となる作業は、その作業班を2班投入し、切れ目のない工程としなければならない。

2.x

タワークレーンは、1日当たり 40~50ピース程度とされている。トラッククレーンの揚重ピース数は、1日当たり 20~30ピース程度とされている。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)

3.◯

現場の作業時間を午前8時〜午後5時までの9時間とすると、9時間の60%は5時間24分となる。 (鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)したがって、鉄骨建て方機械の稼働時間を1台1日当たり5時間30分として計画するのは不適当ではないと判断される。

4.◯

ビルの鉄骨建て方において、タワークレーンの鉄骨建方作業占有率(鉄骨建て方作業のみに占める時間の割合)は、同時期作業が多く、補助クレーンを用いる場合でおおむね60%前後とされている。(鉄骨工事技術指針・工場現場施工編)

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題1 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題1


問題1
建築工事の施工者は、発注者の要求等を把握し、施工技術力等を駆使して品質管理を適確に行うことが求められる。

あなたが経験した建築工事のうち、要求された品質を満足させるため、品質計画に基づき品質管理を行った工事を 1 つ選び、工事概要を具体的に記入 した上で、次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。

なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

[ 工事概要 ]
イ.工 事 名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容新築等の場合:
建物用途、構造、階数、延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ

改修等の場合:
建物用途、建物規模、主な改 修内容及び施工数量
ニ.工 期 等(工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.あなたの業務内容

1.工事概要であげた工事で、あなたが現場で重点的に品質管理を行った事例を 3つあげ、それぞれの事例について、次の①から③を具体的に記述しなさい。

ただし、3 つの事例の①は同じものでもよいが、②及び③はそれぞれ異なる内容を記述するものとする。

工種名又は作業名等

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由

③ ②の品質管理項目について実施した内容及びその確認方法又は検査方法

 

解答試案

【 事例1】

① 工種名又は作業名等:鉄筋工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

異鋼種同断面があったため、鉄筋の鋼材種の確認した。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

鉄筋のミルシートの確認とロールマーク及びノギスにて鉄筋の鋼種及び径を確認した。

【 事例2】

① 工種名又は作業名等:コンクリート工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

コンクリート出来形の寸法。構造強度及び仕上げ精度を満足するために必要であるから。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

型枠の脱型後に出来形検査を実施した。柱ついては見えかかり寸法、張りについては梁下端までの高さ及び幅、スラブ及び壁については開口部等を利用して断面寸法を確認した。

【 事例3】

① 工種名又は作業名等:コンクリート工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

外壁のコールドジョイントの発生ゼロ。外壁にコールドジョイントがあると、そこからの漏水により外壁性能に大きく影響を及ぼすため。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

コンクリート打ち込み継続中の打重ね時間間隔(外気温 25℃未満で、150分以内、25℃以上で120分以内)を厳守するため、打重ねが発生した部分に関しては、打ち重ねまでの時間を記録、管理した。

【 事例4】

① 工種名又は作業名等:外壁タイル張り工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

密着張りの張付けモルタルの時間管理。張り付けモルタルの可使時間を超えてからの施工は、タイルの密着性に悪影響を与え、タイルの浮きやはく落の原因となるため。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

張り付けモルタルは、一度に塗り付ける面積を2m2以内とし、塗付け開始後15分で進捗を確認した。さらに20分以内で張り終えたことを確認し、チェックリストに記録した。

2. 事概要であげた工事に係わらず、あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて、次の①及び②を具体的に記述しなさい。

ただし、1.の③と同じ内容の記述は不可とする。

① 品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組

② ①の取組によって得られる良い効果

解答試案

①品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組み:

各種工事に関する施工計画書を作成し、品質管理に関する項目として具体的に施工管理値及び限界値をうたい、施工着手前に品質管理の会議を行い、協力会社にその内容を徹底する。

② ①の取組みによって得られる良い効果

顧客の信頼が得られ社会的な評価を高めることができるとともに、工事に携わるもの全員がより良い品質の建物を施工するということを意識することで、全体としてスキルアップにもつながる。