【 平成28年度 】
問題1 経験記述問題
問題2 施工(仮設)計画
問題3 躯体工事(記述・正誤)
問題4 仕上工事(記述・正誤)
問題5 施工管理
問題6 法 規
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地1
問題1
建築工事の施工者に対して、建築物の施工品質の確保が強く求められている。あなたが経験した建築工事のうち、発注者や設計図書等により要求された品質を実現するため、品質計画に基づき品質管理を行った工事を 1 つ選び、工事概要を具体的に記入したうえで、次の 1.から 2.の 問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。
[ 工事概要 ]
イ.工 事 名
ロ.工 事 場 所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、
延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、
主な改修内容、施工数量又は建物規模
ニ.工 期(年号又は西暦で年月まで記入 )
ホ.あなたの立場
1. 工事概要であげた工事で、あなたが担当した工種において実施した品質管理活動の事例を 2 つあげ、次の①から③についてそれぞれ記述しなさい。ただし、2つの品質管理活動は、それぞれ異なる内容の記述とすること。
① 発注者や設計図書等により要求された品質及びその品質を満足させるために特に設定した 品質管理項目を、工種名をあげて具体的に記述しなさい。
② ①で設定した品質管理項目について取り上げた理由を具体的に記述しなさい。
③ ①で設定した品質管理項目をどのように管理したか、その実施した内容を具体的に記述しなさい。
解答試案と分析
工事概要であげた工事で実施した品質管理活動の事例
【 事例1】
①工種名:鉄筋工事
要求された品質:鉄筋コンクリート躯体の構造強度
品質管理項目:柱・梁鉄筋におけるガス圧接部の形状確認
②取り上げた理由:ガス圧接部の膨らみや長さが規定値を満たさず、圧接する鉄筋相互の偏心量、膨らみの頂部からの圧接面のずれが規定値を超えると、圧接部の強度に影響し、最終的には鉄筋コンクリート躯体の構造強度が低下するため。
③実施した内容:
接続部において、ガス圧接部の形状(膨らみ、長さ等)が仕様書の許容値で現場施工がされるように、鉄筋径の種類ごとに作成した許容値表を圧接工に確認させながら施工させるとともに、全数検査を行い、不良箇所がないことを確認した。
【 事例2】
①工種名:外壁タイル工事
要求された品質:
外壁タイルの竣工後のはく落防止
品質管理項目:
張付けモルタルの時間管理
②取り上げた理由:
張付けモルタルの張付け可能時間を超えてタイルを張ると、接着力が大きく低下するため。
③実施した内容:
張付けモルタルを一度に塗り付ける面積が2m2以内であることを確認するとともに、塗り付け20分後に進捗を確認し、チェックリストに記録した。
未完の部分については、塗り付け30分経過後に再確認し、完了していることを確認した。
(解説)
問題1で出題された「要求された品質」とは、「重要品質」などとして、出題されることもあるが、建物の持つ重要な性能のことで、解答例のほか、「鉄筋コンクリートの耐久性」、「建物の寸法精度」、「建物の居住性」、「外装(外壁)仕上げの美観性」、「内装(内壁)仕上げの美観性」、「建物の断熱性能」、「屋上の防水性能」などがあげられる。
また、「品質管理項目」は、重要品質を確保するために管理した項目を記述する。例えば、「建物の寸法精度の確保」のために「鉄骨の盾入れ精度の管理」などが考えられる。
2. 工事概要にあげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、品質管理目標、 品質管理項目及び活動内容を協力業者等に、周知するため及びそれらに基いて施工されていることを確認するための方法・手段を具体的に記述しなさい。
なお、1.③の「実施した内容」と同一の記述は不可とする。
解答試案と分析
品質管理目標、 品質管理項目及び活動内容を協力業者等に周知するため及びそれらに基づいて施工されていることを確認するための方法・手段
( 1 )周知するための方法・手段
品質管理目標、品質管理項目及び活動内容については、発注条件及び品質管理計画書に基づいて、施工要領書を強力業者に作成させて、重点ポイントについては、毎日の打合せや現場内掲示で全作業員に確実に周知していく。
( 2 )
( 1 )に基づいて施工されていることを確認するための方法・手段
品質管理目標、品質管理項目及び活動内容に盛り込んだ品質管理計画書に基づき、協力業者に自主検査をさせるとともに、さらに検査チェックリストを用いて工程内検査を実施し、品質管理計画書通りか確認する。
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地2
問題2
次の 1.から 3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や安全帯などの保護具の使用、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。
1. ロングスパンエレベーター
2. 高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
3. バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)
解答試案と分析
1.ロングスパンエレベーター
【記述例】
①荷物を載せるときは、定格荷重(最大積載荷重)以上の荷を載せない。また、転がりやすい荷にはロープ掛けをするなど、荷台から荷が落下、飛散しないようにする。
②荷台から荷物がはみ出すような積込み方をしない。
(解説)
ロングスパンエレベーターを安全に使用するための留意事項としては、ほかに以下のもの等がある。
①作業員を搭乗させる場合は、接触事故を防止するため、その搭乗範囲に堅固なヘッドガードと積載物との遮断設備を設ける。
②搬入器具を積卸しする時は、ロングスパン工事用エレベーター等が停止してから行う。また、墜落の危険があるときは、安全帯を使用して機具の取り込みをする。
☆労働安全衛生規則の改正(2019年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落防止用器具となる。以下2の改正内容も同じ。
③搬器周囲の手すり、中桟、幅木等の設置状況、損傷の有無について、始業前に点検する。
2.高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
【記述例】
①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。
②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。
(解説)
高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。
②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。
③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。
④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。
⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。
3.バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)
【記述例】
①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。
②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。
(解説)
バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。
②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その者に誘導させる。
③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地3
問題3
次の 1.から 8.の各記述において、記述ごとの①から③の下線部の語句又は数値のうち最も不適当な箇所番号を 1 つあげ、適当な語句又は数値を記入しなさい。
1.ラフテレーンクレーンと油圧トラッククレーンを比較した場合、狭所進入、狭隘地作業性に優れるのは、①ラフテレーンクレーンである。
クローラクレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、ブーム下のふところが大きく、より建物に接近して作業が可能なのは、②直ブーム式である。
また、定置式のタワークレーンの水平式と起伏式を比較した場合、吊上げ荷重が大きく揚程が高くとれるのは、③起伏式である。
解答
② タワー式
(解説)
ラフテレーンクレーンと油圧トラッククレーンを比較した場合、狭所進入、狭隘地作業性に優れるのはラフテレーンクレーンである。
クローラクレーンのタワー式と直ブーム式を比較した場合、ブーム下のふところが大きく、より建物に接近して作業が可能なのは、タワー式である。
また、定置式のタワークレーンの水平式と起伏式を比較した場合、吊り上げ荷重が大きく揚程が高くとれるのは、起伏式である。
2. 根切りにおいて、床付け面を乱さないため、機械式掘削では、通常床付け面上 30~50 cm の土を残して、残りを手掘りとするか、ショベルの刃を①爪状のものに替えて掘削する。
床付け面を乱してしまった場合は、粘性土であれば礫や砂質土などの良質土に②置換するか、セメントや石灰などによる③地盤改良を行う。
解答
① 平状
(解説)
機会式掘削をする場合には床付け面の近くでショベルの刃を平状のものに替えて、床付け面までの掘削を行う。一般的に、床付け面より30~50㎝を残し、最終仕上げを水平にする。
3. アースドリル工法は、アースドリル機の①クラウンの中心を杭心に正確に合わせ、機体を水平に据え付け、掘削孔が鉛直になるまでは慎重に掘削を行い、表層ケーシングを鉛直に立て込む。
一般に掘削孔壁の保護は、地盤表層部はケーシングにより、ケーシング下端以深は、②ベントナイトや CMC を主体とする安定液によりできるマッドケーキ(不透水膜)と③水頭圧により保護する。
解答
① ケリーバ
(解説)
アースドリル工法においては、ケリーバの中心を杭心に正確に合わせて機体を水平に据え付ける。
4. 鉄筋のガス圧接を行う場合、圧接部の膨らみの直径は、主筋等の径の ①1.2 倍以上とし、かつ、その長さを主筋等の径の②1.1 倍以上とする。
また、圧接部の膨らみにおける圧接面のずれは、主筋等の径の③1/4 以下とし、かつ、鉄筋中心軸の偏心量は、主筋等の径の1/5 以下とする。
解答
① 1.4
(解説)
ガス圧接において、膨らみの直径は、原則として、鉄筋径の1.4倍以上とする。
5.型枠に作用するコンクリートの側圧に影響する要因として、コンクリートの打込み速さ、比重、 打込み高さ、柱や壁などの部位等があり、打込み速さが速ければコンクリートヘッドが①大きくなって、最大側圧が大となる。
また、せき板材質の透水性又は漏水性が②大きいと最大側圧は小となり、打ち込んだコンクリートと型枠表面との摩擦係数が③大きいほど、液体圧に近くなり最大側圧は大となる。
解答
③ 小さい
(解説)
打ち込んだコンクリートと型枠表面との摩擦係数が小さいほど、流動性が高くなることから液体圧に近くなり、最大側圧は大きくなる。
6. 型枠の高さが①4.5 m以上の柱にコンクリートを打ち込む場合、たて形シュートや打込み用ホースを接続してコンクリートの分離を防止する。
たて形シュートを用いる場合、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの約②1/2 以下とする。
やむを得ず斜めシュートを使用する場合、その傾斜角度は水平に対して③15 度以上とする。
解答
③ 30
(解説)
シュートは縦型シュートとし、やむを得ず斜めシュートを用いる場合は、傾斜角度を30度以上とする。
7. 鉄骨工事におけるスタッド溶接部の15°打撃曲げ検査は、①150本又は主要部材1個に溶接した本数のいずれか②少ない方を1ロットとし、1ロットにつき③1本行う。
検査の結果、不合格になった場合は同一ロットからさらに2本のスタッドを検査し、2本とも合格の場合はそのロットを合格とする。
解答
① 100
(解説)
スタッド溶接部の15°打撃曲げ検査は「100本」または「主要部材1本または1台に溶接した本数」のいずれか少ない方を1ロットとし、1ロットにつき1本行う。
8. トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、すべてのボルトについてピンテールが①破断されていることを確認し、1次締付け後に付したマークのずれを調べる。
ナット回転量に著しいばらつきが認められる群については、そのボルト一群の②すべてのボルト のナット回転量を測定し、平均回転角度を算出し、ナット回転量が平均回転角度±③45 度の範囲のものを合格とする。
解答
③ 30
(解説)
トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、ピンテールの破断を確認するとともに、1次締付け後に付したマークのずれによって、共回り、軸回りの有無、ナット回転量及びナット面から突き出したボルトの余長の過不足を目視で検査し、いずれについても異常が認められないものを合格とする。その結果、ナット回転量に著しいばらつきの認められる群については、そのボルト一群のすべてのボルト回転量を測定し、平均回転角度を算出する。この結果、平均回転角度±30度の範囲のものを合格とする。
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地4
問題4
次の 1.から 4.の問いに答えなさい。 ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、気象条件等による作業の中止及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1. 屋上アスファルト防水保護層の平場部の工事における施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、保護層の仕上げはコンクリート直均し仕上げとする。
解答試案
【 記述例 】
①屋根保護防水押えコンクリートは、一般には無筋コンクリートが使われているが、温度上昇によるひび割れが発生しやすくなるため、溶接金網を伸縮調整目地の区画内ごとに敷き込む。
②平場の保護コンクリートの厚さはコンクリートこて仕上げの場合は80mm以上、タイル等の仕上げを行う場合は60mm以上とし、所要の勾配に仕上げる。
(解説)
屋上アスファルト防水保護層の平場部の工事における施工上の留意事項として、他に以下のもの等がある。
①パラペット及び塔屋等の立ち上がり際には、成形緩衝材(コーナークッション)を取り付ける。
②成形伸縮目地材の割付けは、縦・横の間隔 3m程度、パラペット周辺の際及び塔屋等の立上がり際から600mm程度の位置とする。
③ひび割れの発生を防止するために用いる溶接金網は、保護コンクリート厚さの中間部にコンクリート製スペーサーを用いて設置する。
④成形伸縮目地材は、保護コンクリート表面から防水層上面の絶縁用シートに達するものとする。
2. 内装床の張物下地のセルフレベリング材塗りにおける施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、セルフレベリング材は固定プラント式のスラリータイプとし、専用車両で現場まで輸送供給されるものとする。
解答試案
【 記述例 】
①施工前日に製造業者の指定する合成樹脂エマルションを用いて1~2回給水調整材塗りを行い、乾燥させる。
②セルフレベリング材の流し込み作業中はできる限り通風をなくす。施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、はなはだしい通風を避ける。
(解説)
内装床の張物下地のセルフレベリング材塗りにおける施工上の留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①セルフレベリング材は、塗り厚が大きいとひび割れや、浮きを発生しやすくなるので、塗り厚は10mm程度とする。
②セルフレベリング材の硬化後、打継ぎ部の突起及び気泡跡の周辺の突起等は、サンダーで削り取る。
③下地の乾燥期間は、コンクリート下地の場合は1ヶ月以上とする。
3. 鉄筋コンクリート造の内壁モルタル下地面への有機系接着剤によるタイル後張り工法における施工上の留意事項を 2 つ、具体的に記述しなさい。ただし、ユニットタイル張りに関する記述は除くものとする。
解答試案
【 記述例 】
①接着剤の1回の塗付け面積は3m2以内で30分以内に張り終える面積とする。
②接着剤は金ごて等で厚さ 3mm程度に平坦に塗布し、所定のくし目ごてを用いてくし目をたてる。
(解説)
鉄筋コンクリート造の内壁モルタル下地面への有機系接着剤によるタイル後張り工法における施工上の留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①タイル張りに先立ち、下地面の清掃を行い、下地面は十分に乾燥させる。
4. 室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項を 2 つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地材の調整、開口部補強及び張付け後の養生に関する記述は除くものとする。
解答試案
【 記述例 】
①せっこうボード張りの目地と、ロックウール化粧吸音板の目地の位置が重ならないように、50mm以上ずらす。
②接着剤は15点以上の点付けとし、塗布量は 1m2当たり150~180gを標準とする。
(解説)
室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①段違い、目違い、すき間、角欠けがないように、丁寧に張り付ける。
②ステーブル(白塗装品)の打込み後は、ステーブルの浮きがないことを確認する。
③ステーブルの打込み方向は、仕上げパターンの方向と平行にする。
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地5
問題5
市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の 1.から 3.の問いに答えなさい。なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。
[ 工事概要 ]
用 途:事務所
構造・規模:鉄骨造 地上5階、地下1階
延べ面積 3,200 m2
ただし、地下1階は
鉄骨鉄筋コンクリート造とする
基 礎:直接基礎(べた基礎)
山 留 め:ソイルセメント壁水平切梁工法とし、
応力材の鋼材は引き抜かない。
山留め壁は、
地下外周壁の外型枠として兼用する。
揚 重:鉄骨建方
及び PC カーテンウォールの取付けは、
クライミング式ジブクレーンで行う。
外部仕上げ:屋根はアスファルト防水のうえ、
保護コンクリート直均し仕上げ、
外壁のうち2面はスパンドレル方式の
50 角モザイクタイル打込み
PC カーテンウォ ール、
他の2面は工場で仕上げ済みの
ALC パネルとする。
1. 工程表中の鉄骨工事のA及び内装工事のBに該当する作業名をあげなさい。
2. 作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を工程表の中より選び、適当な工程となるように、その終了日を月次と旬日で定めなさい。
3. 建具工事における 2~5 F外部建具取付けの作業工程は、未記入となっている。適当な工程と なるように、その作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。
解答
1.A及びBに該当する作業名
A:アンカーボルト設置
B:床仕上がり張り
2.最も不適当な作業名及び終了日
作業名:クライミング式ジブクレーン
終了日:8月中旬
3.2〜5F 外部建具取付けの作業工程日
開始日:7月下旬
終了日:8月中旬
(解説)
1.
Aについて(鉄骨工事)
鉄骨造の建築物であれば耐圧盤のコンクリートの打設後、地中梁・B1F床配筋の前にアンカーボルトを設置する必要がある。したがって、Aは「アンカーボルト設置」である。
Bについて(内装工事)
Bは、塗装仕上げや内部壁紙張りを追いかけての作業であり、内装工事の最終工程である。床仕上げ張りは汚損防止の観点から内装工事の最終工程とし、完了検査前に終了すればよい。したがって、Bは「床仕上げ張り」である。
2.(仮設工事)
出題文に、鉄骨建方及びPCカーテンウォールの取付けはクライミング式ジブクレーンで施工する。とあることから、クライミング式ジブクレーンの解体日は、PCカーテンウォール取付けが終了した後となる。PCカーテンウォール取付けは8月中旬に終了しており、また、揚重機開口閉鎖が8月中旬〜下旬であることから、クライミング式ジブクレーンの終了日(解体日)は、8月中旬となる。
3.(建具工事)
外部建具は外壁のALCパネル取付け、PCカーテンウォール取付けが終了した部分から、その作業を追いかけての作業となる。ALCパネル取付け、PCカーテンウォール取付けは7月中旬、2〜5F ガラス取付けが 8月中旬に開始しており、開始日は7月下旬(8月上旬)が好ましい。また、2〜5Fガラス取付けが8月下旬に終了していることから、その前には終了している必要があり、終了日は8月中旬(下旬の場合ガラス取付けより早い時期)となる。
1級建築施工管理技士 過去問解説 H28 実地6
問題6
次の 1.から 3.の問いに答えなさい。
1.「建設業法」に基づく主任技術者及び監理技術者に関する次の文章において、[ ] にあてはまる語句を記述しなさい。
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の [ ① ] の作成、[ ② ] 、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
2.「建築基準法施行令」に基づく建て方に関する次の文章において、 [ ] にあてはまる語句を記述しなさい。
建築物の建て方を行なうに当たっては、 [ ③ ] を取り付ける等荷重又は外力による[ ④ ] を防止するための措置を講じなければならない。
3.「労働安全衛生法」に基づく健康診断に関する次の文章において、[ ] にあてはまる語句を記述しなさい。
事業者は、[ ⑤ ] な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、 [ ⑥ ] による特別の項目についての健康診断を行なわなければならない。
解答
1.①施工計画 ②工程管理
2.③仮筋かい ④倒壊
3.⑤有害 ⑤医師
(解説)
1.建設業法第26条の3第1項
(主任技術者及び監理技術者の職務等)
主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
2.建築基準法施工令第136条の6第1項
(建て方)
建築物の建て方を行なうにあたっては、仮筋かいを取り付ける等荷重又は外力による倒壊を防止するための措置を講じなければならない。
3.労働安全衛生法第66条第2項
(健康診断)
事業者は、有害な業務で、政令で定めるものに従事する労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による特別の項目についての健康診断を行わなければならない。