平成25年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題5


問題5

市街地での事務所ビルの建設工事における右に示す工程表に関し、次の問いに答えなさい。 なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述しなさい。

[ 工事概要 ]
構造・規模:鉄筋コンクリート造地下1階、
地上6階、塔屋1階、
延べ面積 3,000 m2 とする。
地 業:アースドリル杭とする。

山 留 め:
親杭横矢板・水平切梁工法で外部型枠兼用とし、
親杭は引き抜かないものとする。
外壁仕上:コンクリート打ち放しの上、
複層仕上塗材吹付け仕上げとし、
アルミニウム製の横連窓建具とする。

屋上防水:アスファルト防水の上、
保護コンクリート仕上げとする。

1.表中の土工事のA及び杭地業工事のBに該当する作業名をあげなさい。

解答

 A:切梁架け

 B:杭頭処理

(解説)

Aについて(土工事)

地下掘削の段取りとしては、1次根切りを開始した後、乗入構台を組み立て、乗入構台を利用して腹起し、切梁を架け、2次掘削へと進めていく。Aは1次根切りと2次根切りの間にある土工事ということから「切梁架け」である。

Bについて(杭地業工事)

地下躯体構築の段取りとしては、2次根切り終了後、杭頭処理をしないと、基礎耐圧盤の工事が開始できない。Bは杭地業工事の最終の作業ということで、「杭頭処理」である。

2.作業の終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び、適当な工程となるようその終了日を月次と旬日で定めなさい。

解答

最も不適当な作業名及び終了日

 作業名:外壁シーリング

 適当な工程となる終了日:

  9月中旬(または下旬)

(解説)

外壁が吹付けの場合の外装工事の段取りとしては、躯体工事が終了した階から、外部建具工事 → 外壁シーリング → 吹付けの順に行われるため、「外壁シーリング」の終了日は外部建具取付け終了後、複層仕上塗材吹付け終了前となる。したがって、外壁シーリングが不適当な作業でその終了日としては「9月中旬」または「9月下旬」が最も適当である。

3.金属製建具工事の内部建具取付け作業の工程は未記入となっている。適当な工程となるように内部建具取付け作業の開始日及び終了日の期日を月次と旬日で定めなさい。

解答

開始日及び終了日

 開始日:8月中旬(または下旬)

 終了日:10月上旬(または中旬)

(解説)

内部建具取付けは内部建具枠の取付けと建具まで含めた取付けが考えられるが、過去の問題として出題されているのは建具枠の取付けのタイミングで工程が書かれているので、建具枠の取付けと考えられる。建具枠は、壁軽量鉄骨下地組みを終了した箇所でないと、取付けることができないため、開始日は8月中旬以降となる。また、建具枠を取付けた部分から壁ボードを張っていくことを考えると8月下旬には開始する必要があるので、開始日は8月中旬から下旬が適当である。また終了日については、天井・壁軽量鉄骨下地組みのうち、壁軽量鉄骨下地組みが天井より早く終了する場合を考えても、終了日は10月上旬以降となる。したがって、「開始日は8月中旬または下旬」「終了日は10月上旬または中旬」が適当である。

平成25年1級建築施工管理技士 実地検定 問題6 解答解説

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題6


問題6

次の 1.から 3.の問いに答えなさい。

1.「建設業法」に基づく特定建設業者の下請代金の支払期日等に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。

特定建設業者が [ ① ] となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が 4,000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、 下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から 20 日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合にあっては、その 一定の日。)から起算して[ ② ] 日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。

解答

(解答)

 ①注文者 ② 50

(解説)

「建設業法」第24条の5第1項

(特定建設業者の下請代金の支払期日等)

特定建設業者が注文者となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者または資本金額が4000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した_日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされいる場合にあっては、その一定の日)から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内おいて定められなければならない。

2_.「建築基準法施行令」に基づく落下物に対する防護に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。

建築工事を行なう場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が 5m 以内で、かつ、地盤面から高さが [ ③ ] m 以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網又は [ ④ ] でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

解答

(解答)

 ③7   ④帆布

(解説)

「建築基準法施行令」第136条の5第2項

(落下物に対する防護)

建築工事等を行う場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が5m以内で、かつ、地盤面からからの高さが7m以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な鉄鋼または帆布でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

3.「労働安全衛生法」に基づく労働者の就労に当たっての措置に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。

建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定め るところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。

1.作業方法の決定及び労働者の [ ⑤ ] に関すること。
2.労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3.1及び2に掲げるもののほか、 [ ⑥ ] を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

解答

(解答)

 ⑤配置  ⑥労働災害

(解説)

「労働安全衛生法」第60条

(安全衛生教育)

建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくることになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定めるところにより、安全または衛生のための教育を行わなけらばならない。

1.作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

2.労働者に対する指導または監督の方法に関すること。

3.前2号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

令和元(2019)年度 実地試験 合格発表☆

令和元(2019)年度
 1級 建築施工管理技術検定
 実地試験 合格発表

令和2年 1月31日(金)に令和元(2019)年度の
1級 建築施工管理技術検定の実地試験
合格発表がありました。
(一般)建設業振興基金 合格発表
尚、令和2年度の受験申し込みも始まっています。
令和2年度 1級 建築施工管理技術検定のご案内
※年中行事になってしまわないようにご注意です☆

1級建築施工管理技士 実地 躯体工事【演習問題03】

【 演習問題03 】

問題6

 鉄筋コンクリート造の建物のコンクリート工事において、コールドジョイントの発生を防止するための処置または対策を具体的に4つ記述しなさい。
ただし、コンクリートの材料・調合に関する記述は除くものとする。


【 攻略のポイント 】

コールドジョイントは、コンクリートの打継ぎ面において、下層が硬化してのち、打継いで上層と下層が一体化していない打継ぎ面をいう。コールドジョイントは、主に、暑中コンクリートやマスコンクリートに生じることが多い。
コールドジョイントを防止するには、主に次の対策がとられる。

①コンクリートを打込み時間(JASS)は外気温が25℃以上のとき練り始めてから打ち終わるまでを90分以内、25℃未満のときでも2時間以内とする。

②コンクリートの運搬中にスランプ値の低下を減少させるため、高性能AE減水剤を用いる。

③上層のコンクリート打込み後、下層のコンクリートの表面から10㎝程度の深さに振動棒を挿入して締固め、上下層を一体化する。

④1回の打込み量、打込み区画および打込み順序を適切に定める。

解答例

①コンクリートの打込み終了時間は、外気温度によって制限をする。

②運搬中のスランプの低下を防止するため、高性能AE減水剤を適量用いる。

③上下層のコンクリートが一体化するように振動棒は下層に挿入して締め固める。

④コンクリートの1回の打込み量、打込み区画を考慮して打継時間を短縮する。

問題7

鉄骨の高力ボルト継手において、建方から本締めまでの間に使用する仮ボルトに関する施工上の留意事項を具体的に2つ記述しなさい。
ただし、仮ボルトの材質は品質上問題ないものとする。


【 攻略のポイント 】

仮ボルトは、本締めの完了するまでの間、仮締めするために用いる普通(中)ボルトで、本締めする高力ボルトと同軸形のもを用いる。しかし、溶接箇所に用いる仮止め用のエレクションピースには仮ボルトとして高力ボルトが用いられる。

①仮ボルト(普通ボルト)の使用本数は、1ボルト群に対して高力ボルト継手の本数の1/3以上とし、かつ2本以上を適正に配置する。

②溶接継手に用いるエレクションピース用の仮ボルトは、高力ボルトを用い全数締め付ける。

解答例

①仮ボルトの使用本数は、1ボルト群の本数の1/3以上で2本以上とする。

②エレクションピース用の仮ボルトは高力ボルトとし、全数を締め付ける。

問題8

根切り工事に伴う地下水の排水工法の名称を1つあげ、それについて具体的に説明せよ。


【 攻略のポイント 】

地下水を排水してドライの状態で掘削を行うもので、地下水の排水工法を用いることで、ヒーリングやボイリングを防止できる。排水工法の分類を示すと次のとおりである。

排水工法

・重力排水工法
釜場排水工法(水中ポンプ、集水桝)
ディープウェル工法(水中ポンプ、深井戸)

・強制排水工法
ウェルポイント工法
(真空ポンプ、ウェルポイント)
バキュームディープウェル工法
(真空ポンプ、鋼菅井)

釜場排水工法:砂質系の透水性の大きい地盤に用い、釜場という集水桝を設け、ここに湧水を集め水中ポンプで排水する工法。

ディープウェル工法:地下水を広い範囲にわたり低下させて掘削するとき、砂質系の透水性の大きい地盤層を貫いて深井戸を掘り、深井戸から水中ポンプで排水する工法。

ウェルポイント工法:ウェルポイントに圧力水を送り、圧力水でシルト質の地盤を掘削し自らの自重で貫入し、ウェルポイントに接合したライザパイプのまわりに透水性の高い砂を均等に投入し、表土は粘土で密封する。その後ライザパイプと真空ポンプを連結して、地下水を排水する工法で一段6m程度とし、必要により多段として排水する。

バキュームディープウェル工法:ウェルポンプの替わりに、鋼菅井を打込み広い範囲の地下水を低下させるときに用いる。

解答例

[ 工法名 ]
ウェルポイント工法

[ 具体的説明 ]
主にシルト質の地盤の地下水位を低下させるため、ウェルポイントを挿入し、1段で6m程度の深さの地下水を真空ポンプで排水する。