23章 植栽及び屋上緑化工事 3節 植樹

23章 植栽及び屋上緑化工事

3節 植 樹

23.3.1 一般事項

この節は、樹木の新植並びに樹木の移植工事を対象としている。

23.3.2 材 料

(1) 樹木の品質
樹木は、掘取り・出荷に耐え得るように、あらかじめ根回し若しくは床替えをしたもの又はコンテナにて栽培したものとする。「標仕」23.3.2 (1)では、原則として、栽培品を用いることにしている。ただし、栽培品が得られない場合には、植栽計画 に使用可能で、樹姿、樹勢等が優良な栽培品以外のもの(山採り樹木:山野に自生している樹木を根回し、あるいは移植養生したもの)を用いてもよい。

掘取り後、運搬に先立ち根鉢の崩れを防止するために、こも、わら縄その他有機質根巻き材料等で根鉢を堅固に根巻きをする。根の回りの土をふるい落としても植樹が可能な樹木や苗木では、種類によって根巻きを行わなくてもよい場合もある。(ふるい堀り:休眠期間中の落葉樹を移植する場合、堀り上げてから根巻きせずに、そのまま根付け位置に運んで植付ける方法)

(2) 樹木寸法の測定方法

樹木は、原則として搬入時に確認する。ただし、特殊樹、主木等については事前に写真を提出させ又は必要に応じて圃楊(栽培地)において確認する。

株立物で、幹周の指定がない場合は、樹高(樹冠頂までの寸法)及び枝張(葉張)に重点をおくようにする。

なお、寸法には、一部の突出している枝(徒長枝:とちょうし)は含まないものとする。

「公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)」による各部の寸法等の表示名称は図23.3.1のとおりであり、「標仕」もこれに準拠している。


図23.3.1 樹木の寸法表示名称
((-財)日本緑化センター:公共用緑化樹木等品質寸法規格基準(案)の解説より)

(3) 支柱材

「標仕」では、支柱材の種類は、特記による。特記がなければ、丸太とすると規定している。

(a) 丸太

「標仕」では、防腐処理方法は特記による。特記がなければ、JIS K 1570(木材保存剤)に定める加圧注入用木材保存剤を用いた加圧式防腐処理丸太材を使用すると規定している。加圧処理方法は、JIS A 9002(木質材料の加圧式保存処理方法)による。以前に用いられていたCCA(クロム・銅・ヒ素系木材防腐剤)は、環境汚染物質が含まれていることから使用してはならない。

なお、焼丸太については、衣服を汚すことが懸念されるため、鑑賞を目的とした日本庭園等の人の立ち入らない場所にて使用する。

(b) 真竹

真竹は、腐れのない、真っ直ぐな2年生以上の良質なもので、適期に切り出したものとする。

(4) 幹巻き用材

幹巻き用材料、天然繊維(ジュート)製の幹巻き用テープ又はわら及びわらを粗く編んだこもが使われる。「標仕」では特記がなければ、幹巻き用テープを使用する。

23.3.3 新植の工法

植栽に当たっては、必要に応じ施工図(配植図)の提出を求め、照明灯等関連設備 との関係、樹木特性と植栽地条件との適合性、景観上の納まり等について確認を行う。

(ア) 搬 入

樹木は搬入時に、一部の樹種で用いられているふるい掘りや根巻きを必要としない低木を除き、こも、わら縄、その他有機質根巻き材料で堅固に根巻きされ、根鉢の崩れがないものとする。

(イ) 保護養生
樹木は、搬入後、速やかに植え付けることが原則であるが、やむを得ず直ちに植付けができない場合は、根鉢の保護を行ったうえ、寒冷紗やこも等による蒸散抑制及び養生期間中の散水を行う。

なお、植付けまでに長期間を要する場合は仮植えを行う。

(ウ) 植付け
(a) 植穴の位置の決定から掘削までの手順は、次のとおりである。

① 植付けは、植栽平面図又は施工図に基づいて行うが、初めに景観の主要な部分となる高木等の位置を現場で決める。引き続き残った樹木の位置を、樹種、樹高、間隔、幹ぐせ、幹ぞりを考慮し、周囲との調和を図りながら決める。

② 高木の群植等の場合は、搬入された樹木の性質や形状等を見極め、将来の生長も考慮し、植付け間隔を調整するのが望ましい。

③ 植穴の径は、通常根鉢に十分余裕のあるように掘り、穴底のきょう雑物を取り除いて底部を柔らかにほぐし、植込み用土を中高に盛り上げる。

(b) 立込みの手順は、次のとおりである。

① 樹木は、植付けに先立ち、適切に枝抜きせん定及び必要に応じ幹巻きを行う。

② 樹木の裏・表を見極め、立込みを行う。根鉢の根巻きが厚い場合や二重巻きになっている場合は、細根と植込み用土が密着するよう根巻き材を取り除く。

③ 立込み後は、必要に応じ仮支柱を取り付ける。

(c) 鉢を植込み用土で埋め戻す方法には、次の方法がある。

① 水ぎめは、鉢を埋めながら水を注ぎ、鉢の周辺に植込み用土が密着するように細い棒で土をよく突きながら埋め戻し、これを数回繰り返して鉢を埋めていく方法で、一般的に多く使われる方法である。

② 土ぎめは、水を使わずに細い棒等で植込み用土を鉢回りに密着するように突き入れる植え方で、松類等を植え込む場合に用いられる。

(d) 水鉢の設置

立込み後、鉢を完全に埋め戻してから、樹木の根元を平らに均す。水鉢は、鉢の外周に土を盛り上げ、この中にかん水を行う(図23.3.2参照)。


図23.3.2 水鉢

(エ) 支柱の取付け

支柱の形式は、特記による。

支柱は、風による樹木の倒れや傾きの防止とともに、振動によって新しい根が切られることのないよう保護のために取り付けられる。根部が正常に活着するまで(通常 3~ 4年程度)取り付けておくが、街路や屋上庭園等で風が強く当たる空間や、根が十分に張れない場所は保持を統ける。

① 支柱の取付けは、「標仕」23.3.3(4)並びに図23.3.3から図23.3.5のように行う。支柱の基部は、地中に埋め込み、根杭を設け、釘留め、鉄線掛け等で容易にぐらつかないよう堅固に組み立てる。ただし、島居形は打込みとする。樹幹(主枝)と支柱との取付け部分は杉皮等を当て、しゅろ縄掛け結束とし、丸太相互が接合する箇所は、釘打ちのうえ鉄線掛け又はボルト締めとする。真竹は先端を節止めにして使用する。

支柱(控木、ワイヤ掛け形、地下埋設形等)と樹木の幹周との関係の目安を、表23.3.1に示す。

なお、表はあくまでも目安であり、必要に応じて風荷重を考慮して支柱の形式・形状を決定するものとする。

表23.3.1 支柱形式と使用区分の目安

② ワイヤ掛けには鋼線、被覆鉄線があるが、三~五方に緩みが出ないように張り、活着後は次第に緩める。ワイヤは目に付きにくいため接触事故を起こしやすいため、危険性がある場合は塩ビ管等をかぶせて事故を防止する。ワイヤの太さ及びアンカーは樹木転倒の風荷重計算を行い、風荷重に耐えうる力が得られる形状・寸法のものとする。

③ 地下埋設型

地下埋設型支柱には、大別して支持アンカーを横向きにして打ち込むタイプと鉛直に打ち込むタイプがあり、植栽箇所周辺の構造物、埋設物を調査し、樹木寸法を考慮のうえ、その機能が十分働くものを使用し、樹木の生長に合わせて調整する。

④ 維持管理

支柱設置後は、幹や根鉢を締め付けることのないよう、樹木の生長に合わせて調整又は撤去する必要がある。


図23.3.3 支柱形式(建築工事標準詳細図より)

 


図23.3.4 地下埋設型(参考図)


図23.3.5 根鉢固定方式型(参考図)

(オ) 樹幹の保護矯正

樹幹の保護や向き、曲がりを矯正する場合は、取付け部分にしゅろ縄などを巻き、こずえ丸太や竹の添え木等を結束する。設置後は、幹を締め付けることのないよう樹木の生長に合わせて調整又は撤去する必要がある。

(カ) 幹巻き

幹巻きは、移植後の樹木の幹から水分の蒸散と幹焼け(樹皮組織が破壊されて死滅すること)防止と防寒のため、わら、こもや緑化テープを樹幹、主要枝に、巻き付けることである。

(キ) 防寒対策

厳寒期に常緑広葉樹を植栽せざるを得ない場合は、寒冷紗等による防寒対策を行う。

(ク) 花木植栽の留意点

多彩な花色を有する花木は、設計意図を把握し各樹種のもつ特色と開花期、花色、さらには周囲の景観に十分調和するよう考慮し、より美的効果が発揮できる配植とする。

(ケ) 植付け後の養生

植付け後、完成引渡しまでの期間は、定期的に樹木の状態を観察し、必要に応じて、かん水、病害虫防除、整姿せん定(枯死枝の除去)を行う。

23.3.4 新植樹木の枯補償

(1) 枯補償の期間

「標仕」23.3.4 (1)では、新植樹木の枯補償の期間は、特記がなければ引渡しの日から1年としている。

(2) 枯補償の判定

(ア) 「標仕」23.3.4 (2)の「枯死、枝損傷、形姿不良等となった場合」とは、図23.3.6に示すように、植栽した時の状態で、枯枝が樹冠部の概ね2/3以上となった場合又は真っ直ぐな主幹をもつ樹木については、樹高の概ね1/3以上の主幹が枯れた場合をいい、今後、同様の状態となることが予想されるものも含む。


図23.3.6 枯補償の判断(造園施工管理(技術編)より)

(イ) 「標仕」において、枯補償の対象から除外されている「天災その他やむを得ないと認められる場合」とは、異常気象による干ばつ、土砂災害、盗難や人為的な損傷による枯死等を想定したものである。

(ウ) 維持管理

(a) 一般的に、植栽については、施設の管理者により通常の管理が行われることを前提としている。

(b) かん水等、管理者による通常の管理が明らかに困難な場合は、管理官署、受注者等、設計担当者(国土交通省の場合は計画担当者を含む。)、監督職員等の関係者間で協議し、適切な処置を定めておくとよい。

23.3.5 樹木の移植

(1) 樹木の移植は、樹木を掘り取って直接目的地に植え付ける場合と、根回し(細根の発生を促す処理)後一定期間養生した後、目的地に植え付ける方法がある。大径木や貴重な樹木を移植する場合は、事前に根回しを行うことが望ましい。

工期や現場条件等の関係から根回しができない場合は、移植の時期、枝抜きの程度等について、よりきめ細かい検討が必要である。

なお、移植時期が極めて悪い場合は、移植時期や樹種変更等について検討する。移植の適期は、概ね次のとおりである。

(ア) 暖地(暖温帯に位置する北陸・関東地方以西)では、常緑針葉樹は10月から
4月上旬、落葉樹は11月から3月までが適期であるが、厳寒期は避ける。

常緑広葉樹は、3月末から入梅頃まで及び9月中旬から11月上旬までが適期である。

(イ) 寒地(冷温帯に位層する北海道・東北地方)では、暖地よりも春期は1~2箇月遅くし、秋期は早くするように調整する。

(ウ) 主な樹木の移植の難易度について、表23.3.2に示す。

表23.3.2 移植難易度の例(造園施工管理(技術編)より)
(2) 整姿せん定
移植は地下(根)部を大きく減少させることから、地下部と地上(枝葉)部の水バランスをとるため、樹種特性や樹木の状態に応じて適切に枝抜きを行う必要がある。枝抜きの程度は、移植の時期、根の状態、運搬等を考慮して決定する。

太枝の切断面は、殺歯剤を塗布するなどの腐朽歯の侵入防止対策が必要である。

(3) 根回しには、次のような方法がある。

(ア) 溝掘り式は、幹の根元(接地部)径の3~5層程度の鉢径を定め、支持根となるべき太根を残して掘り下げる。支持根は三~四方にとり、他の根は、根鉢に着って鋭利な刃物で切断する。残した支持根は10~15cmの巾で環状はく皮し、鉢底にも直根があれば断根する。

太根の処理が終わった後、粗めに根巻きを行い、掘り上げた良土で埋め戻す方法である(図23.3.7参照)。

(イ) 断根式は、溝掘り式と同様に鉢径を定め、鉢回りを掘り同して側根だけを切断し切り離すだけの方法で、モッコク、キンモクセイ、サザンカ、ハナミズキ等の比較的浅根性又は非直根性の樹種と幼木に行う方法である。


図23.3.7 溝掘り式根回し

(4) 掘取り、根巻き

根鉢の大きさは、根回しを行った樹木は元鉢径よりやや大きめに、直接に移植する樹木は、根元幹径の3~5層程度の鉢径を定め、幹を中心に円形に掘り回す。根鉢の側面に現れた根は、鉢に着って鋭利なガ物で切断する。

根巻きの方法には、鉢に平行に素縄をたたき込みながら巻いていく「樽巻き」と、樽巻きを行った後、さらに、縦横に鉢をかがるように巻き上げていく「揚巻き」がある。大径木や貴重な樹木を掘り取る場合は、鉢土にじかに縄で樽巻き又は揚巻きを行った後、さらに、わら、こも、緑化テープ等で二重に根巻きを行う(図23.3.8参照)。


図23.3.8 根巻き

(5) 運搬時の保護養生
運搬は枝葉、幹を痛めないように積み込み、夏期に乾燥のおそれがある場合は、根鉢にこもをかけるか散水をするなどの手当をし、枝葉、根鉢をこも、シート等で覆い乾燥防止や蒸散抑制を図る。場合によっては蒸散抑制剤を散布するなどの処理を行う

(6) 植付けについては、23.3.3(3)を参照する。

23.3.6 移植樹木の枯損処置

移植は、発注者が指定する樹木を根回し又は直接目的地に植栽する一連の作業である。

したがって、引渡し後(特記がなければ1年以内)に移植樹木が枯れた場合でも、その原因が不適切な移植作業にあるといえないため、全ての責任を受注者等のみに求めるのは適切でない。このため、「標仕」では樹木の枯補償は求めず、枯損処置としての伐採・抜根及び良質土による埋戻し並びに整地としている。
なお、発生した残材は速やかに搬出し処分する。

23章 植栽及び屋上緑化工事 4節 芝張り、吹付けは種及び地被類

23章 植栽及び屋上緑化工事

4節 芝張り、吹付けは種及び地被類

23.4.1 一般事項

この節は、芝、吹付けは種及び地被類の新植を対象としている。

23.4.2 材 料

(1) 芝
(ア) 種類

「標仕」では、種類はコウライシバ又はノシバの類とし、適用は特記による。特記がなければ、コウライシバの類を使用すると規定している。

コウライシバは、わが国で最も多く使用される。環境適応力や踏圧抵抗性に優れ、茎葉も細く小型で刈込みによってさらに緻密な芝生となる。ただし、冬季休眠し、冬枯れ状態となる。ノシバは同属で、ほぼ同様の性状を有するが、茎葉がより長く粗い。また、改良バミューダグラスがコウライシバ、ノシバと同様の性状を有することから、改良バミューダグラスを用いる場合にはコウライシバ、ノシバと同じ扱いとする。

なお、は種施工が一般的である洋芝の多くは常緑であるが、牧草を起源とするものが多く、芝生として使用する場合、頻繁な刈込みを必要とする。当初から完成度の高い芝生とするため切芝を使用する場合には、設計変更の協議を行う。

(イ) 品質

芝は、土付きの切芝とし、雑草の混入や病虫害の発生がなく、均ーに密生し、一定の高さに刈り込んであるものとする。雑草の混入については、切芝を裏返すと芝と雑草の根を見分けることができるので参考にするとよい。

なお、生育期の切芝は、搬入時に束を重ねて平置きすると、急激に蒸れが生じるおそれがあるため縦置きにする。

(ウ) 標準寸法

コウライシバ、ノシバの標準寸法は、産地により異なるが、概ね、横35 ~ 37cm、縦26 ~ 30cm、1束9~ 10枚である。

(2) 芝串

芝串とは、特に斜面に芝生を造成するため、張りつけた切芝がずり落ちないように細い割竹をさし、地表面に固定するため使用するもので、真竹、もうそう竹で作り、長さが150mm以上で頭部を節止めにしたものである(図23.4.1参照)。


図23.4.1 芝串(竹串)

(3) 吹付けは種用種子等
(ア) 種子

(a) 特記により指定された種子の種類であっても、は種の時期や植栽基盤条件との適合性について検討を行い、問題がある場合には、草種又は施工時期の変更等を検討する。

(b) 種子の標準有効率(発芽率 × 純度)は、80%以上のものがよい。標準有効率に達しないものは、その比率に応じて増量するようにする。標準有効率が 60%以下のものは使用しないことが望ましい。

なお、発芽率とは、一定の条件下で発芽試験を行い、試験に用いた供試粒数に対する発芽した総発芽粒数のことをいう。純度とは、種子に含まれるきょう雑物を除いた純粋の種子の重さと全体の重さに対する割合をいう。

(c) 吹付けは種工に用いる主な植物の性状を、表23.4.1に示す。
(イ) ファイバー

ファイバーは、木材を粉砕した木質繊維の養生材で、有害なものを含まず、種子の発芽、生長に支障のないものとする。

(ウ) 粘着材

粘着材は、種子、ファイバーが吹付け面に十分に密着するものを使用する。また、植物の生育に有害な成分を含まないものとする。

(エ) 肥料

吹付けは種の肥料は、「標仕」23.4.2(3)(エ) では、有機質系肥料又は化成肥料とすると規定している。一般的には、基肥は緩効性肥料又は遅効性肥料が用いられる。

(4) 地被類

地被類とは、地表面を低く緻密に覆う植物をいい、グラウンドカバープランツ又は地被植物という。「標仕」では、コンテナ栽培品としている。

地被類の品質は次を参考にするとよい。

(a) 植物は、コンテナで一定期間、育成栽培を行ったもので、植物の特性に応じた形態であること。

(b) 葉は、正常な葉形、葉色、密度(着葉)を保ち、しおれ(変色、変形)や軟弱葉がなく、生き生きしていること。

(c) 病虫害の発生がないもの。過去に発生したことのあるものについては、発生が軽微で、そのこん跡がほとんど認められないよう育成されたものであること。

(d) 根は、根系の発達が良く、細根が多く、乾燥していないこと。

なお、容器の壁に沿ってぐるぐる回り、過根巻現象(ルーピング)となったものや、容器から根が外に出ているものは使用しないこと。

表23.4.1 吹付けは種工に用いる主な植物の性状(のり面保護工より)

23.4.3 芝張りの工法

(1) 芝張りの種別

芝張りの種別は、特記がなければ平地は目地張り、法面はべた張りとする。芝は、図23.4.2に示すように、横目地をとおし、縦目地は芋目地にならないようにする。


図23.4.2 芝張りの種別

(2) 平地の芝張り(目地張り)

(ア) 地ごしらえ

張付け場所は、耕うんを行い、きょう雑物を取り除き、水勾配をとり、レーキ等で丁寧に均す。また、客土を行う場合も同様の状態とする。

(イ) 芝張り

土壌が乾燥している場合は、事前に散水を行う。芝を敷き並べた後、ハンドローラー等で転圧し、芝の根を土壌に密着させる。

(ウ) 目土
目土は芝の葉先が隠れない100m2につき2m3程度均ーに散布する。目土は、石やきょう雑物、雑草の種子を含まない黒土や山砂とする。芝が活着するまでは適宜かん水を行う。また、必要に応じ施肥を行う。

なお、引渡しに際しては、除草を行う。

(3) 法面の芝張り(べた張り)

(ア) 地ごしらえ

地ごしらえは、表面の緩んだ転石や岩塊を取り除き、レーキ等で不陸を均す程度とし、法面が緩むような行為は避けなければならない。

(イ) 芝張り

土壌が乾燥している場合は、事前に散水を行う。芝を敷き並べた後、土羽板等でたたき、法面と密着させ、目土を均ーにかけ敷き均す。法肩には耳芝を張る。耳芝とは、法肩の崩れを防止するため法肩に着って天端に横一列に芝を張る芝をいう。

芝串は、節を上部に向け、切芝1枚に4本以上打ち付けて芝を固定する(図23.4.3 参照)。


図23.4.3 芝串の固定例

23.4.4 吹付けは種の工法

(1) 機械は種工による植生工の種類と特徴を、表23.4.2に示す。

(2) 機械は種工による種子吹付けの施工は、次の事項に留意する。

(ア) 種子吹付けに着手する前に、法面の土壌硬度(山中式)、水素イオン濃度指数(pH)の測定を行い、発芽に支障のないことの確認

(イ) 施工時期と種子の発芽適温の確認

(ウ) 吹付け面の浮土、きょう雑物の取除き及び不陸の整正

(エ) 吹付け面が乾燥している場合は、吹き付ける前の散水

(オ) 材料の均ーな吹付け

(カ) 発芽に不ぞろいの箇所がある場合は、発芽の悪い場所の追いまき

表23.4.2 機械は種工による植生工の種類と特徴(道路土工 – 切土工・斜面安定工指針より)

 

23.4.5 地被類の工法

地被類の植付けは、次の事項に留意する。

(ア) 地ごしらえは、23.4.3 (2)(ア) に準じて行う。

(イ) 肥料は、基肥を適宜施す。

(ウ) ササ類、ツル植物類、草本等の植付けは、面積当たりの所定数量を、植付け模様、植付け密度や間隔に留意し、根部は、土とよく密着するよう軽く押さえ込みながら茎葉を損傷させないよう丁寧に植え付ける(図23.4.4参照)。


図23.4.4 ササ類、ツル性植物類等の植付け

23.4.6 養生その他

(1) 除 草

除草は、吹付けは種地を除き、芝生地、地被類植栽地について行い、原則として手抜きとし、完成引渡し直前に行う。

(2) 工事期間中の養生

施工後、完成引渡しまでの期間は、受注者等に適切な養生を行わせる。特に、乾燥期には、植物の葉のしおれに注意し、必要に応じてかん水を行わせる。

23.4.7 芝張り、吹付けは種及び地被類の枯補償

枯損した芝及び地被類の処置は、23.3.4に準ずる。

23章 植栽及び屋上緑化工事 5節 屋上緑化

23章 植栽及び屋上緑化工事

5節 屋上緑化

23.5.1 一般事項

(1) この節は、設計許容荷重が比較的大きい建物の構造的な負担を軽減するために構築された屋上緑化システム及び植物種を限定し60kg /m2以下での植栽を可能にした屋上緑化軽量システムを使用して、屋上防水層の上に植栽を行う屋上緑化工事を対象としている。

「標仕」では、荷重の大きな屋上緑化システムは、緑化工事の施工時及び施工後の維持管理作業中に衝撃等により防水層損傷のおそれがあるため、保護コンクリートのある保護防水工法の場合に限って、使用できると規定している。したがって、「標仕」では、屋上緑化システムを採用する場合の屋上の防水は、保護防水工法が認められているアスファルト防水のみとなっている。

しかし、「標仕」では規定されていないが、民間工事では、各種防水層の上にも、屋上緑化システムが施工されている場合がある。

(2) 屋上緑化(植栽基盤 + 植栽)でよく行なわれる分類には、形態によるもの、必要な管理の程度によるものなどがあるが、それらの分類と「標仕」で規定している屋上緑化システム及び屋上緑化軽量システムとの関係を次に示す。

(ア) 形態による分類

屋上緑化は形態により、庭園型、芝生型、菜園型、ビオトープ型、粗放型等に分類される。

屋上緑化システムは、植栽基盤荷重を大きく設定できることから、全ての形態に対応可能であるが、庭園型、菜園型及びビオトープ型を中心に適用される。

一方、屋上緑化軽量システムは、粗放型や芝生型を中心に適用される。

各型の概要を次に示す。

① 庭園型(屋上緑化システム用)

庭園型の屋上緑化は、地上に設けられる庭園と同等の心安らぐ美的空間を屋上に実現しようとするものである。長期にわたり美観性、利用性等の機能を維持する必要がある。また、高木を使用することも多く、植物の生長による建物への荷重の増加、病虫害等にも対処しなければならない。

② 芝生型(屋上緑化システム用及び屋上緑化軽量システム用)

芝生型の屋上緑化は、芝生に覆われた明るくのびのびとした空間を屋上に実現しようとするものである。常に人がその上に乗る(歩く、座る、寝そべる、体操等の軽い運動を行う)ため、植物及び植栽基盤に踏圧が掛かるとともに、人の利用により芝生が荒れやすい。また、雑草が侵入し、繁茂しやすい。これらに対処した種々の維持管理作業が必要になる。

③ 菜園型(屋上緑化システム用)

菜園型の屋上緑化は、野菜等の作物を栽培し収穫の喜びを味わうことのできる空間を屋上に実現しようとするものである。短期間で栽培する作物が変わるため、その都度土壌を掘り返すことになる。維持管理作業を使用者が自己の楽しみ、喜びとして行うことができる。

④ ビオトープ型(屋上緑化システム用)

ビオトープ型の屋上緑化は、多様な生物が生息する空間を屋上に実現しようとするものである。生物多様性に寄与するために、人為による周到な管理が必要になる。

⑤ 粗放型(屋上緑化軽量システム用)

粗放(そほう)型の屋上緑化は、緑のもつ修景性、熱環境等の環境改善効果を維持しながら、維持管理作業の負担の軽い緑地を屋上に実現しようとするものである。一般的に、乾燥に強いセダム類や芝草等の植物種を用い、植栽基盤もかなり薄くして軽量化したものを採用することが多い。

(イ) 管理の程度による分類
屋上緑化は必要となる管理の程度によっても、分類される。

屋上緑化システムは、土壌厚が厚く、草本類や木本類等様々な植物が植栽されることから、一般的に管理項目が多いシステムといえる。すなわち、所定の維持管理作業を継続して行うことにより、屋上緑化を特定の好ましい状態に維持することを前提としたシステムである。

一方、屋上緑化軽量システムは、屋上緑化システムと比較して、管理項目の少ないシステムといえる。すなわち、土壌厚が薄いことから、植栽できる植物種が限定されるからである。例えば、セダム類を植栽した場合では、かん水の程度を少なくでき、雑草の繁茂を抑制できることから、比較的維持管理の省力化を図ることが可能となる。

23.5.2 植栽基盤

(1) 「標仕」では、屋上緑化用植栽基盤は、目的、用途、緑化形態等を踏まえて、屋上緑化システムと屋上緑化軽量システムの2種類としている。

(ア) 屋上緑化システム

屋上緑化システムは、草本類だけでなく低木から高木までの木本類も植栽できる基盤で構成されることから、土壌厚も厚く質量も大きくなる。このため、様々な環境改善効果が期待できる反面、屋上床面の点検、補修、改修等にはかなりの手間と労力が必要になる。

なお、防水層や耐根層を衝撃等による損傷から保護するために、保護コンクリート等の耐根層保護層(衝撃緩衝層)が必要である。

(イ) 屋上緑化軽量システム

屋上緑化軽量システムは、主に特殊成形パネル等のユニット化されたシステムを用いたもので、「標仕」では植栽基盤の質量は60kg/m2以下とすると規定している。植栽される植物は、セダム類、芝等の地被植物が中心になる。屋上緑化システムに比較して環境改善効果は小さいものの、屋上床面のメンテナンスを比較的容易に実施することができる。

なお、屋上緑化システムと同様に、防水層や耐根層を衝撃等による損傷から保護するための耐根層保護層(衝撃緩衝層)の敷設が必要になる。

(2) 「標仕」では、土壌層の厚さについて、屋上緑化システムでは特記による、屋上緑化軽量システムではシステムの製造所の仕様によるとしているのは、屋上緑化での必要な土壌層の厚さは土壌と植物の種類によって決まるためである。植物の種類と土壌厚による生育状況の相違を表23.5.1に示すが、望ましい土壌厚は表の凡例Cに相当するものである。

表23.5.1 植物の種類と土壌厚による生育状況の相違(目安)

また、土壌層の質量は、土壌の湿潤時の比重から求められる。土壌等の比重を参考に表23.5.2に示す。

表23.5.2 土壌、排水材及び見切り材の比重(新・緑空間デザイン技術マニュアル:一部改編)

23.5.3 材 料

(1) 屋上緑化システムは、次の(ア) から(オ) の各層により構成される。

(ア) 耐根層

(a) 耐根層には、その材料特性等から、不透水性のものと透水性のもの、根茎侵入を材料強度等によって物理的に防止するものと植物ホルモン系の根茎調節資材の使用によって化学的に防止するものに分類できる。しかしながら現状では、建物屋上やルーフバルコニーに使用できる耐根層は、物理的に根茎侵入を防止する不透水性のものに限定されている。

なお、防水層の中には耐根層を兼ねるものもある。

(b) 耐根層(耐根シート)に求められる性能は、植物根茎が防水層を貫通しないこと、防水層重ね合せ部に根茎が侵入しないことであり、この性能が長期(2年以上)にわたり維持されることである。そのため、クマザサとノシバの2種類の草本類を性能指標植物の1つとしている。これは、これら植物の地下茎先端部が鋭いとともに、その押し付け力が強く、防水層を貫通するおそれがあるためである。また、タブノキとヤシャブシの2種類の木本類をもう一方の性能指標植物としている。これは、木本類の根は根先端部の押し付け力は小さいものの、根系の肥大生長が防水層に与える影響を無視できないためである。すなわち防水層重ね合せ部を肥大生長した根系が押し広げることが懸念されるためである。同試験方法と判定方法の詳細は、「JASS 8 防水工事」のJASS 8 T-401(屋上緑化用メンブレン防水工法の耐根性試験方法(案))に記述されている。したがって適用する耐根層は、この耐根性試験に合格したものを用いるか、公的認定機関でその使用が認可されているものが適当である。

(c) 耐根層は、技術的なデータや施工実績を基にして、重ね合せ部の接合方法等を検討し、場合によっては防水層の材質の硬さや平たん性等も考慮に入れ、総合的に判断して採用されるものである。

(イ) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)

(a) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)は、緑化工事の施工中及び施工後の維持管理作業中の衝撃や器具による損傷から耐根層や防水層を守る目的で、耐根層の上に設置されるものである。

なお、「標仕」では、「耐根層を保護コンクリートの下に設ける場合は、保護コンクリートを耐根層保護層とすることができる。」と規定している。しかし、屋上緑化システムの施工面積が屋上の一部分又は小面積の場合で、保護コンクリートの上に、耐根層を設置した場合には、耐根層の下となる保護コンクリートは、耐根層保護層とならない。

(b) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)の材料として、「標仕」では、合成樹脂等と規定されている。合成繊維の不織布マットは、衝撃の吸収可能な厚手のものとし、厚さ5mm以上、かつ、600g/m2以上のものがよい。このほかの材料には、アス ファルト成形板、ゴムマット、コンクリート平板等がある。

(c) 緑化工事で大型機械工具を使用しない場合は、耐根層保護層(衝撃緩衝層)は合成繊維の不織布マット程度でもよいが、車両や大型の機械工具で高木を植栽する場合は、アスファルト成形板、ゴムマット等にするほうがよい。さらに 安全な保護機能を必要とする場合は、保護コンクリートにすることが望ましい。

(ウ) 排水層

(a) 近年頻発する集中豪雨に対しても、屋上に滞水することがないように、土壌表面及び土壌中の余剰水を速やかに排水するための排水層が必要になる。屋上における排水層の機能不備は、植物には根腐れを、建物には漏水などをもたらす危険性がある。

屋上は、地上のように雨水の地下浸透がないため、排水層の排水機能の不備は直ちに過湿状態を招き、植物にとっては根腐れ、建物にとっては荷重の増大や漏水の原因となる。

(b) 排水層には、保水機能を有しない「排水型」及び一定量の水をためることのできる「貯留排水型」がある。

排水型と貯留排水型の特徴等を表23.5.3に、その説明図を図23.5.1に示す。

表23.5.3 排水型と貯留排水型の特徴等

 


図23.5.1 排水型と貯留排水型の説明図

(c) 「標仕」では、排水層の種類は、軽量骨材、透水排水管(合成樹脂系透水管、黒曜石パーライト詰め透水管)又は板状成形品(成型パネル)とし、種類は特記によるとされている。

① 軽量骨材

1) 「標仕」では、軽量骨材の種類は、火山砂利、黒曜石パーライト、膨張性頁岩等の粒径3~25mm程度のものと規定しており、砂利及び砕石は質量(かさ密度)が大きいことから除外している。

また、「標仕」で層の厚さは、特記によるとされているのは、排水層の厚さは、スラプの排水勾配や勾配方向の排水経路の距離等を勘案した水平方向の必要排水能力によって決まるためである。

2) 排水層は、集中豪雨への対応及び目詰まり防止の観点から広い面積を緑化する場合、透水排水管を併用する。透水排水管は、合成樹脂系透水管、黒曜石パーライト詰め透水管等とされているが、円形の合成樹脂系透水管の管径は75mm以上、板状の透水管は200 × 30(mm)以上、黒曜石パーライト詰め透水管の管径は150mm以上とするのがよい。

② 透水排水管は、合成樹脂系透水管、黒曜石パーライト詰め透水管等とする。

③ 板状成形品(成型パネル)

1) 板状成形品(成型パネル)には、二重構造のものや卵パックのような形状のものなど様々な形態の製品があり、大きく分けると、水をためないタイプと皿状部分に水をためるタイプがある。

水をためないタイプは、厚さ7 ~ 50mm程度と薄く、軽量で施工性に優れている。

水をためるタイプは、厚さ25 ~ 70mm程度で、貯水能力は 3~20ℓ/m2程度と幅がある。また、このタイプには製造所独自の工夫が施された製品が多いが、土壌との間に空気層ができるものが望ましい。

2)「標仕」では、排水性能は、鉛直方向で 240ℓ/m2・h 以上とし、水平方向は直ちに排水可能なものと規定している。この鉛直方向の排水性能値 0.24m3/m2・ h ( 240ℓ/m2・h )は、換言すると降雨強度240mm/h までの降雨を排水できる能力を示すものである。近年の日本における局地的大雨の記録によれば、40~ 50mm/10min( 240~300mm/h)程度が最大値になっており、この値に相当するものである。すなわち排水層の排水性能を検討する場合は、このような10分程度の短時間における排水性能を満足することが不可欠になっている。

3) 板状成形品(成型パネル)の強度は、積載荷重に対して、破損、有害なひずみ等がなく、材質は合成樹脂等のものとする。

(エ) 透水層(フィルター層)

(a) 透水層(フィルター層)の役割は、排水層への土壌の流れ込みを防止するとともに、土壌層の重力水を滞りなく排水層に移行させることであり、目詰まりがなく土壌粒子を確実に遮断するものでなければならない。

(b) 「標仕」では、材質は合成樹脂等としており、通常、フィルター(ろ過)機能を備えた合成繊維不織布系のものが多く使用されている。

(c) 透水層(フィルター層)は、十分な目詰まり防止性能を備え、透水性能に優れ、耐腐食性や耐久性があるものの中から、技術的なデータと施工実績により、総合的に判断して採用されるものである。

(d) 透水層(フィルター層)の品質・性能については、(-社)公共建築協会の「建築材料・設備機材等品質性能評価事業」の評価項目に透水フィルターの透水性能試験の方法が規定されているので参考にするとよい。

(オ) 土壌層

(a) 屋上緑化用土壌は、限られた土壌厚でより健全な植物の生育を確保するため、高い透水性や保水性が要求される。また、使用場所を考慮に入れ、湿潤時のかさ比重、土壌の飛散と目減り、耐久性、コスト及び再使用の可否等について検討し、総合的に判断して採用されるものである。

(b) 屋上緑化に用いられる土壌には、自然土壌、人工軽量土壌及び改良土壌があるが、「標仕」では、人工軽量土壌又は改良土壌を使用すると規定している。

① 各種土壌の特徴等を表23.5.4に示す。

表23.5.4 土壌の種類と特徴等

② 人工軽量土

1) 人工軽量土壌は、無機質系、有機質・無機質混合系及び有機質系に分類されるが、「標仕」では、無機質系、有機質・無機質混合系を使用すると規定している。各種人工軽量土壌の特徴等を、表23.5.5に示す。

なお、人工軽量土壌の場合、その種類に関係なく、一般的に常設のかん水施設が必要となる。

表23.5.5 人工軽量土壌の種類と特徴等

2) 「標仕」では、人工軽量土壌の性能として、飽和透水係数と水素イオン濃度指数(pH)が規定されている。この項目以外には、人工軽量土壌として明確に規定された性能表示項目や性能値はなく、また、性能の測定方法についても統一されていないためである。参考として、性能の目安及び性能の測定方法の例を、表23.5.6及び表23.5.7に示す。

表23.5.6 人工軽量土壌の性能評価項目と目安の例
表23.5.7 人工軽量土壌の性能の測定方法の例
③ 改良土

改良土壌とは、黒土等の自然土壌にパーライト、ピートモス、パーク堆肥等の軽量な土壌改良材を混入して軽量化した土壌をいう。土壌及び土壌改良材の種類とその混合割合は、表23.5.8を参考にして品質計画を作成する。

屋上緑化においては、地上部での緑化と異なる資材、改良項目、考え方があるため、表23.2.6とは異なるので注意する。

表23.5.8 土壌改良材と改良項目

(2) 「標仕」では、屋上緑化軽量システムは、次に示す(ア) から(オ) までの層により構成されたものとし、その工法はシステムの製造所の仕様によると規定している。

なお、このシステムでは強風によるシステム全体の飛散に対する対応が不可欠であり、耐風強度及びその対策が明記されたものを選定する。

(ア) 耐根層

耐根層については、(1)(ア) を参照する。

(イ) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)

(a) 露出防水層は、機械的衝撃に弱く、施工中についたわずかな傷からも漏水する危険性がある。耐根層保護層(衝撃緩衝層)は、緑化工事の施工中及び施工後の維持管理作業中における衝撃から、防水層、耐根層を保護するためのものである。

(b) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)は、長期にわたり機能を維持しなければならないため、耐久性のある材料とする。簡易な保護材としては質量 600g/m2以上の不織布があるが、資材の運搬、スコップ等の使用を考慮する場合には、厚さ 4mm以上の合成樹脂、アスファルト成形板、ゴムマット等が望ましい。

(ウ) 排水層

(a) 排水機能のほかに保水機能を備えた成形パネルは、それぞれにシステムの製造所独自の工夫が施されたものが多い。

(b) 成型パネルは、供用時の載荷重に対して有害な変形や損傷が生じない適度な強度を有するものとする。

(c) 鉛直方向の排水性能は、毎時 240ℓ/m2が確保されること、水平方向の排水性能は、植栽部の水上から水下までの水平方向の長さ、集水面積、排水空間断面積、水勾配等を勘案し、雨水を速やかに排水できること、見切り材の水抜き管も同様に対応することが望ましい。

(エ) 透水層

透水層については、(1)(エ) を参照する。ただし、ユニットタイプには、ユニット内で土壌流失を防ぐ工夫がされたものもある。

(オ) 土壌層(培地)

屋上緑化軽量システムでは、セダム類、芝等の植物が多く用いられているが、それぞれに植物特性が異なる。セダム類は乾燥に耐えるため、かん水は比較的少なくてすむが、芝は定期的なかん水と刈込みが必要である。このように、植物によって土壌(培地)に要求される性能に違いがあるため、「標仕」では、植込み用土はシステムの製造所の仕様によると規定している。土壌を使用した場合の性能の目安は、表23.5.6を参考にするとよい。

(カ) 屋上緑化軽品システムについては、「標仕」で要求する品質を満たすものとして、(-社)公共建築協会の「建築材科・設備機材等品質性能評価事業」(1.4.4 (5)参照)で評価した製品があるので参考にするとよい。

(3) 屋上緑化に用いる樹木

(ア) 屋上の植物の生育環境は、制約された植栽基盤、建物の祖熱やふく射熱による熱ストレス、強風の影響やこれらの現象によって引き起こされる水分蒸散量の増大等厳しい条件下にあり、植物の環境適応特性に配慮した植栽計画が求められる。

使用できる植物種は、可能性としては多くの種があるが、経年変化も含めた実績のある植物の使用が望ましい。植物種は、求められるデザインや機能あるいは文献調査や使用実績調査に基づき、植栽地の環境、植栽基盤条件、植物特性、植栽の形態、維持管理の頻度、コスト等について検討し、総合的に判断して採用されるものである。

(イ) 「標仕」では、樹木は「標仕」23.3.2 (1)によるとして地上と同等としているが、屋上緑化は、生育環境が厳しいことや枯死した場合の植替えの困難さ等から、地上より厳しい品質が求められる。屋上緑化に用いる樹木に要求される品質には、次のようなものがある。

(a) 樹木は、根回し又は床替えをしたもので十分に細根が発達し、根鉢の崩れがないものとする。ただし、細根性の低木については、根回し又は床替えの必要はない。

(b) 樹木の根鉢の厚みは、植栽基盤の土層厚より薄いものとする。

(c) 植栽地の土壌と根鉢土壌は、なじみのよいものとし、かさ比重の軽い土壌層に植栽する樹木は、粘土質土壌の根鉢は避ける。

(d) 樹木は必要以上に徒長したり、肥大生長したものでなく、それぞれの樹種の特性に応じて枝葉が適度に密生し、バランスの良い状態に育成栽培されたものとする。

(ウ) 屋上緑化では、地上と違って樹木の質量にも注意を払わなくてはならない。樹木の質量は、生長するにつれて増加していく。また、植栽の維持管理の仕方によっても異なってくる。

(a) 中高木等の質量

中高木等の質量は、地上部の幹、枝及び葉の質量と地下部の根を取り込んだ根鉢の質量に分けられるが、一般的には、地下部の質量の方がはるかに大きく、根鉢の大きさが樹木の質量を大きく左右するといえる。

(b) 低木等の質量

低木等の質量については、明確な資料はないが、ある実測値によると、1m以下の低木で500g ~12kg/株(地上部+地下部)と幅がある。

(4) 屋上緑化に用いる芝及び地被類

「標仕」では、芝及び地被類は、「標仕」23.4.2 (1)及び(4)によるとし、地上と同様としているが、屋上緑化の場合、これらに加えて要求される品質には、次のようなものがある。

(a) 冬期に地上部が休眠して冬枯れ状態になっても土壌の緊縛力があり、丈があまり高くならないで密に表面を覆うものとする。

(b) 薄層の植栽基盤に使用する植物種は、耐乾性に優れているものとする。

(5) 見切り材(土留め材)

(ア) 植栽地の見切り材(土留め材)には、現場打ちコンクリート、コンクリートブロック、れんが等を用いた造成型、組立式のシステムコンテナ型、金属成形型等があり、「標仕」では、特記によると規定している。見切り材は、風による飛散防止策、質量、強度、耐転倒性、固定方法、経年変化、取替えの簡便さ、デザイン性等を考慮して、使用する材料が選定される。

(イ) 屋上緑化軽量システムの場合、見切り材もシステムの部材として組み込まれているものが多い。

(ウ) 見切り材の排水孔は、雨水の集水面積、排水勾配、見切り材置材等を考慮し、費材、形状、間隔、寸法が決められる。排水孔には目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う。

(6) 舗装材(床材)

屋上の舗装材(床材)に要求される品質は、次のようなものがある。

(a) 屋外の使用に耐える素材とする。
(b) 強風時でも風に飛ばされない構造とする。
(c) 雨水を速やかに排水できる構造とする。
(d) 階下への騒音等が発生しにくいものとする。
(e) 防水層に影響を与えないものとする。
(f) 降雨時においても防滑性能を有するものとする。

※屋上での転倒事例は、降雨時や表面が湿潤時に多く発生する。特に、ウレタン途膜防水、塩ビシート防水層の表面は湿潤状態になるとかなり滑りやすくなるので、メンテナンス通路とする場合には注意が必要である。

(7) 支柱材

支柱には、植栽基盤上に設置する地上支柱と地下に埋設する地下支柱とがある。土層厚が40cm以上あるような場所では、従来型の八ッ掛け支柱、布掛け支柱又はワイヤ掛け支柱を行う場合もある。

(8) マルチング材

(ア) マルチングとは、地表面の乾燥防止、雑草防止、土壌の飛散・流失防止、保温等の目的で地表面を覆うことをいい、そのための材料をマルチング材という。屋上緑化は、特に土壌が薄く、水分保持量も少ないことから、可能な限りマルチングを実施することが望ましい。

(イ) マルチング材は、素材によってそれぞれ特徴があり、使用に当たっては、目的に応じた適切な材料とする。一般的には、松のバークチップ、ヤシガラ、間伐材や伐採木のチップ等が使用されている。風が強い場所では、火山砂利、人工骨材の比較的重いもの、接着剤入り樹皮繊維等を使用するとよい。また、火気について懸念される場合、難燃性の資材を使用する。

(9) かん水装置

(ア) 屋上緑化における植栽地への水の供給は、自然状態においては雨水によるが、無降雨の日が続くときを考慮して、可能な限りかん水装置を設けることが望ましい。かん水装置は、植物の維持に必要な水分の補給のため、植栽規模に応じた管径の給水管、かん水制御装置及びかん水装置により構成されている。

(イ) かん水に使用できる水には、上水、貯留雨水、井戸水、中水があるが、多くは上水が使用される。上水以外の水を使用する場合、相応の対策が必要となる。

(ウ) かん水の制御方法には、手動と自動があり、自動にはタイマ一方式と土壌水分計の設定値による管理方式等がある。管理方法と密接にかかわるため、制御方法と管理方法の両者を勘案して選定される。

(エ) かん水方式には、地表・地中・底面かん水がある。地表かん水は、スプリンクラーや散水パイプ等があるが、水が風で流されたり、植物の根元に行きわたらないなどの問題がある。かん水装置は、上水の飲料水の配管設備及びこれと給水系統をおなじくする配管設備と直接連結させないこと(建築基準法施行令第5章の四 建築設備等、水道法施行令第五条による)。すなわち給水タンクを設置し、上水(飲料水)の吐出口と水面を離し、給水タンク内の水をポンプで加圧してかん水する方法になる。ただし、給水後の管内残留水をオートドレンで排出し、(公社)日本水道協会が認定するストレーナー、バキュームバルブなどのバルブ類、逆止弁を設層した場合では、上水配管との直結が認められることがある。

23.5.4 工 法

(1) 設計内容について次のようなことを確認するとよい。

(ア) 植栽部及び舗装部の総積載荷重が、設計時に想定した荷重以内になっていること。特に次のことに注意して確認する。

(a) ベンチ、パーゴラ等、付帯施設も含んだ荷重になっていること。

(b) 樹木の荷重は、植栽時ではなく生長して成木になったときの荷重になっていること。

(c) 使用する土壌の種類及び土壌厚の湿潤状態における荷重になっていること。屋上緑化空間では、風が吹くと植裁基盤や樹木に風圧力が作用する。とりわけ屋上緑化軽量システムを採用する場合では、軽量な植栽基盤そのものが風による負の風圧力によって飛ばされることが懸念される。植栽基盤に作用する負圧は、国土交通省告示第1231号「屋根ふき材及び屋外に面する帳壁の風圧に対する構造耐力上の安全性を確かめるための構造計算の基準を定める件」に準拠して求めることができる。同基準によれば、植栽基盤には大きな負圧が作用するため、植栽基盤の確実な固定は必須になる。以上の観点から、屋上緑化軽量システムを採用する場合は、屋上面の風圧力を計算し、耐根層を含む植栽基盤の固定方法を確認することが不可欠といえる。

(イ) 防水層に適した耐根対策、保護対策が取られていること。

(ウ) 防水立上り上端は、最も漏水等の事故が多い箇所である。植栽の土壌面は防水立上り上端より低くなっていること。安全を考慮すると土壌面は防水立上り上端より150mm以上低くすることが望ましい。

防水立上り上端と土壌面との納まりの例を、図23.5.2に示す。

図23.5.2 防水立上り上端と土壌面との納まりの例
(エ) 耐根層は、特に次のことに注意して確認する。

(a) 耐根層が平面部、重ね合せ部、立上り入隅部、貫通パイプ周囲等において同等の性能をもつようになっていること。

(b) 耐根層が保護コンクリートの上部又は防水層直上部に設置されるようになっていること。

(c) 植栽が部分的な場合、植栽範囲が耐根層の敷設範囲に納まること。耐根層は、植栽範囲の周囲 1m程度まで、敷設することが望ましい。

(d) 立上り部に直接土壌が接する場合は、耐根層は土壌面より高く立ち上げてあること。

(オ) 耐根層保護層(衝撃緩衝層)が耐根層の上部に設置されていること。予想される衝撃の種類、現場状況等に応じて、適切な耐根層の保護処置が講じられていること。

(カ) かん水装置の設置は、特記によるが、屋上緑化は植物の生育環境が極めて厳しいことから、かん水装置の設置が望ましい。

かん水装置の設置に当たっては、かん水装置と上水(飲料水)の給水系統と同じくする配管設備を直接に連結させないこと(建築基準法施行令第5章の4、水道法施行令第5条による)及びかん水管の引込み箇所、かん水装置、かん水方法及びかん水量が適切であること。

(キ) 屋上緑化工事以外ではあるが、排水関係については、次のようなことを確認するとよい。

(a) ルーフドレンは、排水面に最低2箇所以上設置されていること。ルーフドレンの口径は目詰まりを考慮して余裕のある管径になっていること。

(b) 皿形ストレーナーは、目詰まりを起こしやすいので、山形又はドーム形ストレーナーになっていること。

(c) 植込み内にルーフドレンを設置する場合は、土壌の流入や落葉による目詰まりを防止するため、点検可能な桝を取り付けるようになっていること。

(d) オーバーフロー管が設置されている場合は、オーバーフロー管の排出孔には目詰まり防止用の対策がなされていること。

(e) パラペットや壁面に直接土壌が接する場合は、壁面等の雨水を速やかに排水できる対策がなされていること。流速のついた雨水による土壌の流失、ルーフドレンの排水阻害を防ぐため、壁面等と土壌の間に排水溝の設置又は雨水が浸透しやすい砂利の敷設等の排水対策がなされていること。

壁際の排水溝の例を図23.5.3に示す。

(f) 植栽部が排水勾配と直交又は排水路を分断する場合は、雨水が停滞しないように、排水経路が確保されていること。

(g) 土壌の種類によっては、集中豪雨時に地中に浸み込みきれずに、あふれて表面を流れる場合があるため、排水溝や排水桝等の表面排水設備が設置されていること。

(ク) 屋上緑化のメンテナンス通路の安全性が確保されていること。

(ケ) 屋上緑化利用者の安全対策が図られていること。


図23.5.3 壁際の排水溝の例

(2) 施工上、次のようなことに注意する。

(ア) 屋上緑化システムの場合は、耐根層が損傷を受けると耐根層を貫通した根が防水層へ達して防水層を損傷させる危険性があるため、施工に当たっては不用意に耐根層を損傷することのないよう細心の注意を払うとともに、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから、工事を行うことが必要である。

(a) 保護コンクリートの上に耐根層を配置する場合で、植栽部と舗装部が一体となったものは、メンテナンス時に舗装部への根の侵入を確認できないため、植栽部と舗装部を連続して耐根層を敷設する。植栽部が見切り材で仕切られ、植栽部からの根の侵出が確認できメンテナンス時に根を切り取ることができるものは、見切り材外部下まで耐根層を敷設する。耐根層上部には施工中及び管理時の損層防止のため耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設する。

(b) 保護コンクリートの下の防水層直上に耐根層を設置する場合は、保護コンクリートが防水層及び耐根層の保護機能を兼ねているため、耐根層保護層(衝撃緩衝層)を設置する必要はない。この場合は、耐根層は立上りを含む防水層全面に施工することになり、庭園型、菜園型、ビオトープ型等全ての緑化形態に対応することができる。

(イ) 屋上緑化軽量システムでは、アスファルト保護防水と露出防水の2種類が適用される。アスファルト保護防水の場合では、防水層の上に耐根層が敷設され、保護コンクリートが耐根層保護層(衝撃緩衝層)を兼ねることになる。一方、露出防水の場合では、耐根性がある防水層又は耐根層の上に耐根層保護層(衝撃緩衝層)が敷設されることになる。

なお、適用する耐根層は、23.5.3[材料](1)(ア) [ 耐根層]による。

また、風に対する抵抗性に関しては、23.5.4[工法](1)(ア)を満足する仕様とする。図23.5.4に風圧力を考慮した屋上緑化軽量システムの設置方法の一例を示す。


図23.5.4 シート防水(接着工法)の場合の連結固定の対応例

(ウ) 土壌については、飛散と水分量について注意する。

屋上空間は、風が強く、乾燥しやすい環境のため土壌が飛散しやすい。特に人工軽量土壌は軽く飛散しやすいため注意する。土壌の飛散は建築設備への汚れ、ルーフドレンヘの流入による排水管の詰まり等の原因となる。また、近隣周辺への影響も配慮する必要がある。施工中、土壌の飛散が予想される場合には、あらかじめ水を吸わせてから施工したり、頻繁に散水するなどして飛散防止に努める。

また、粒径の大きな土壌に一時に大量の水を掛けると微粒子分が洗い流されて底に堆積し、フィルターやルーフドレンの目詰まりを起こすため注意する。

気乾状態の人工土壌の場合、必ず十分に水分を含ませてから植物を植え付ける。これをしないと、気乾状態の土壌が、植物、根鉢から水分を奪うため、急激に枯死に至ることがあるため注意する。

(エ) 屋上は、一般的に風が強いため、樹木の転倒防止及びパーゴラやトレリス等の構築物の飛散防止のため固定する必要がある。

(a) 樹木の固定方法としては、幹を押さえる方法、根鉢を押さえる方法等がある。

(b) 土壌厚があり従来型支柱により固定する場合は、屋上には耐根層があるためそれらを傷つけることがないよう、根杭やアンカーの留め方に十分注意して施工する。

(c) 地際で幹をベルトで固定する地下支柱の場合は、樹木の生長に伴いベルトが幹に食い込むおそれがあるため、数年経過後、ベルトを緩めるなどの対策が必要となる。

(d) 必要に応じて、施工者から、樹木等の固定方法、樹木等の風圧力計算書等を施工計画書とともに提出させるとよい。

23.5.5 新植樹木、芝及び地被類の枯補償

(1) 屋上緑化工事における新植樹木、芝及び地被類の枯補償は、23.3.4を参照する。

(2) 「標仕」では、屋上緑化工事の枯補償についても地上と同じ扱いとしているが、屋上は、植物の生育環境として極めて厳しい条件下にある。したがって、完成引渡し後の管理不備による植物の枯損等が起こらないように、維持管理体制及び管理方法について、発注者、施設管理者及び受注者等間で協議しておくとよい。

23.5.6 屋上緑化の維持管理

(1) 施設管理者への引継ぎ
植物を健全な状態で維持するためには、関連施設を含めた維持管理計画書を作成し、施設管理者に確実に引き継ぐ必要がある。

なお、維持管理計画書とは、機器類等の取扱い説明書に当たるものである。

(2) 維持管理計画

維持管理計画書に記載する主な内容は、次のとおりである。

(a) 定期点検及び台風や強風前後の臨時点検の実施
植物・植栽基盤の状態及び防水層・耐根層の健全性の確認並びにルーフドレンの点検、かん水設備等の動作・設定確認を行い、管理作業に反映させる。
なお、ルーフドレンの清掃、目立つ害虫の捕殺、障害枝の切除等の簡易な作業は、点検時に処置するのがよい。点検の頻度は、1回/月を目安とする。

台風や強風のおそれがある場合は、事前に飛散物の有無や、ルーフドレン回りの堆量物を点検して必要な処置を行い、風が収まった後に再点検し、必要に応じて復旧作業を行う。

(b) 施設管理

① 防水層及び耐根層の健全性の確認

外観診断により、防水層等の破損及び固定状態を確認する。

② ルーフドレン

ごみ詰まりの有無を点検し、必要に応じて清掃を行う。

③ かん水設備

かん水の制御方法には、ソーラー、AC100V及び電池式がある。主な管理作業は次のとおりである。

1) 春夏秋冬の季節の変わり目にタイマーの設定を変更し、1回/年フィルターの清掃を行う。

2) 寒冷地においては、冬期はかん水装置の破損を防ぐため、水抜きやヒーティング処理を行い、春先に給水を開始する。

3) 電池式制御の場合は、電池交換の時期を取扱い説明書等で確認し、電池切れが生じないよう早めに交換する。

4) ソーラー式制御の場合は、ソーラーセル(太陽光が当たる部分)の清掃、日当たりの確認、充電器の寿命等を確認し、必要な処置を行う。

5) かん水パイプ等が破損した場合は、発見次第直ちに復旧作業を行う。

6) 給水元栓に「常時開」の札を付け、点検時に開となっていることを確認する。

④ デッキ、ベンチ、手すり等施設

腐食、塗装、固定状態等の確認を行い、問題があれば早急に補修する。

(c) 植物管理
① 屋上緑化システム
植栽基盤、植栽形態、植栽樹種等、多種・多様であり、また、利用目的及 び利用状況によって異なるため、それぞれの条件によって管理内容は異なる。

本項では、一般的、かつ、基本的な管理(東京標準)について概要を述べる。

1) 高中木せん定
常緑樹は、新葉が固まった5月下旬~6月上旬、落葉樹は落葉している休眠期に、樹種固有の美しさを維持するための透かしせん定を行い、夏期に混み過ぎた部分の枝抜きと樹冠から突出した枝を切り詰める。

なお、花木については、花芽の分化期を考慮してせん定時期を決定する。

2) 生垣・低木刈込み
6月下旬と10月の2回を標準とする。なお、花木については、前項に準ずる。
x
3) 芝刈り

ノシバ及びコウライシバの場合、5月~9月の生長期に毎月1回を目安に刈り込む。

4) かん水
夏期は日中の暑い時間帯を避け、朝夕の涼しい時間帯に行う。冬期は朝にかん水する。c
自動かん水の場合は、間隔及び量が過剰にならないようにセットする。

手動かん水の場合は、無降雨日の連続状況、土壌厚、土壌の保水性等を勘案し、適切にかん水する。1回のかん水量は、植栽基盤底部まで十分に届く量とする。

5) 除草

樹木の植栽地については、2回/年、芝生地については3回/年を標準とする。

6) 施肥
樹木の植栽地の施肥量は、積載荷重を勘案し急激に伸長しないよう、樹木の大きさや状態に応じて決定する。

頻繁に利用する芝生地については2回/年を標準とし、1回当たり低度化成肥料を適宜施す。

7) 病害虫防除

病害虫の早期発見に努め、発見したら直ちに適切な方法にて防除する。

8) その他の作業

必要に応じ、高中木の支柱結束直しを行う。芝生地のエアレーション及び目土かけは、積載可能荷重、かん水装層の状況等を勘案し判断する。

② 屋上緑化軽量システム
代表的な植物である芝生並びにセダム類の管理概要は、次のとおりである。
なお、持管理方法の詳細については、システムの製造所によって屋上緑化軽量システムの仕様が異なるので、システムの製造所に相談するとよい。
1) かん水

①4)に準ずる。

2) 除草

芝生については、3回/年を標準に行う。また、セダムの場合、施工後、繁茂するまでの1 ~2箇月は、特に雑草が侵入しやすいので注意する。その後は1~2回/年の手抜き除草を行う。

3) 施肥
芝生については、2回/年を標準とし、1回当たり低度化成肥料を適宜施す。

なお、セダムの場合、過剰な施肥は、徒長を助長し、蒸れの原因となるので避ける。

4) 病害虫防除
発見したら直ちに適切な方法にて防除する。

なお、セダムの代表的な病気としては白絹病がある。害虫で特に問題となるのは、ヨトウガの幼虫(ヨトウムシ)の大量発生である。

5) その他の作業

利用者の踏圧により芝が損耗した場合には、日土かけ、エアレーション、補植・張替え作業等が必要となるが、積載可能荷重、かん水装置の状況等を勘案し対応する。枯死した箇所には補植を行う。また、セダム類が繁伐し蒸れが懸念される場合、シュートの大半が花茎に発達した場合には、刈込みを行う。

土壌の飛散によって厚みにムラが生じた場合、薄い場所には土壌を補充する。

参考文献

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著 者:(-財)日本緑化センター
発行所:(-財)日本緑化センター
植栽基盤整備技術マニュアル (2013)
著 者:(-財)日本緑化センター
発行所:(-財)日本緑化センター
植栽基盤整備ハンドプック (2017)
著 者:(-社)日本造園建設業協会
発行所:(-社)日本造園建設業協会
道路土工一切土工・斜面安定工指針 (2009)
著 者:(公社)日本道路協会
発行所:(公社)日本道路協会
造園施工管理(技術編)(2021)
著 者:(-社)日本公園緑地協会
発行所:(-社)日本公園緑地協会
建築工事標準詳細図(令和4年版)
著 者:(-社)公共建築協会
発行所:(-社)公共建築協会
建築工事標準仕様書・同解説 JASS 8 防水工事(2022)
著 者:(-社)日本建築学会
発行所:(-社)日本建築学会
新版知っておきたい屋上緑化のQ&A (2012)
著 者:(公財)都市緑化機構、特殊緑化共伺研究会
発行所:鹿島出版会
新版屋上緑化設計・施工ハンドプック(2014)
著 者:特定非営利活動法人、屋上開発研究会
発行所:(株)マルモ出版

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題4解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.加硫ゴム系シート防水において、接着仕様の防水層立上りの末端部の処理は、押え金物で固定し、シール材を用いた。

2.加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートで増張りを行った。

3.塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

4.塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、クロロプレンゴム系の接着剤により接合した。

答え

  4
塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、テトラヒドロフラン系溶接剤または熱融着により接合する

1.◯
加硫ゴム系シート防水の末端部は、端部にテープ状シール材を貼り付けた後ルーフィングシートを張り付け、押さえ金物を用いて留め付けて、不定形シール材で処理する。

2.◯
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

3.◯
塩化ビニル樹脂系シート防水工法の接着仕様の場合、出隅角はシート施工後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No.35 ]
塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅を 50mm、補強布の重ね幅は 100mm とした。

2.ウレタンゴム系防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重が 1.0 のものを使用し、 3.0 kg/m2 とした。

3.ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅及び入隅は、補強布を省略しゴムアスファルト系防水材を用いて、増吹きにより補強塗りを行った。

4.ゴムアスファルト系室内仕様の防水材の総使用量は、固形分 60 % のものを使用し、 4.5 kg/m2 とした。

答え

  1
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は、100mm以上とし、補強布の重ね幅は、50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)

2.◯
ウレタンゴム系塗膜防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重 1.0の材料を使用した場合、3.0kg/m2とする。(建築工事監理指針)

3.◯
ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅および入隅部は、補強布を省略することができる。補強布を省略する場合は、増吹きにより補強塗りを行う。(建築工事監理指針)

4.◯
ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分 60%(質量)を使用した場合、4.5kg/m2とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.36 ]
乾式工法による外壁の張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ穴のはしあき寸法は、60 mm とした。

2.下地面の寸法精度は、±10 mm 以内となるようにした。

3.だぼ穴からはみ出ただぼ穴充填材は、硬化前に除去した。

4.ファスナーは、ステンレス鋼材の SUS 304 を使用した。

答え

  1
外壁乾式工法において、石材のはしあき寸法は、石材の厚みの3倍以上としバランスよく割り振る。石材の厚さが30mmの場合は、はしあき寸法は90mm以上必要である。(JASS9)

2.◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10mmを標準値とする。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯
だぼ穴から充填材がはみ出すと、変位吸収のためのルーズホールをふさいでしまう。このため、充填材の量に留意すると同時に、不要な充填材は硬化前に除去する。(建築工事監理指針)

4.◯
外壁乾式工法のファスナーは、ステンレス(SUS304)製とし、ダブルファスナー形式とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.けらば包みの継手位置は、けらば用タイトフレーム間の中央付近とした。

2.屋根の勾配が小さいので、軒先に 15 °の尾垂れを付けた。

3.水上の先端部分には、雨水を止めるために止水面戸を設けた。

4.水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを 150 mm とした。

答え

  1
けらば包みの継手位置は、できるだけタイトフレームに近い位置に設け、継手の重ねは 60mm以上とする。(JASS12)

2.◯
折板葺屋根の折板の勾配はほとんどゼロに近いことが多いので、強風雨時に雨水の一部が折板の裏面を伝わって室内に浸入することがある。これを防ぐため、折板の軒先に 15°程度の尾垂れを付ける。(建築工事監理指針)

3.◯
記述の通りである。止水面戸は、折板の水上端部に堅固に取り付ける。止水面戸の周囲は、不定形シーリング材でシールする。(JASS12)

4.◯
水上部分の壁との取合い部に設ける雨押さえは、壁際で150mm以上立ち上げる。(JASS12)

[ No.38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ランナーは、両端部は端部から 50mm 内側で固定し、中間部は 900mm 間隔で固定した。

2.スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付けた。

3.スタッドの間隔は、ボード2枚張りの場合は 600mm とし、ボード1枚張りの場合は300mm とした。

4.スタッドの建込み間隔の精度は、±5mm とした。

答え

  3
スタッドの間隔は、下地張りのある場合は450mm程度とし、仕上げ材料を直張りするか、壁紙または塗装下地の場合は、300mm程度とする。(JASS26)

1.◯
ランナーは、端部から50mm程度内側で押さえ、間隔900mmm程度に折込ピン等で、床・梁下・上階スラブに固定する。(建築工事監理指針)

2.◯
スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付ける。仕上げボード類はスタッドに直接タッピングねじの類で取り付けられるため、間隔を精度よく建て込む。また、スタッドにねじれや倒れがあると、仕上げボードに目違いが生じるので、建入れ通りに十分注意する。(JASS26)

4.◯
通常の天井高におけるスタッドの建込み間隔の精度は ±5mm以下とする。また、スタッドの垂直の精度は一般的に±2mm以下とする。(建築工事監理指針)

[ No.39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。

1.下塗材の所要量は、試し塗りを行い、0.2 kg/m2とした。

2.増塗りは、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、はけ又はローラーにより行った。

3.主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホールがないように均一に塗り付けた。

4.凸部処理は、主材の模様塗り後1日経過してから行った。

答え

  4
凸部処理は、こてまたはローラー押さえにより、見本と同様の模様になるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。(JASS23)

1.◯
下地の種類や状態によって下地材の吸込みが異なるので、下塗材の所要量は一般に 0.1~0.3kg/m2とする。適用に当たっては試し塗りを行って、所要量を確認する。(建築工事監理指針)

2.◯
一般の複層塗材と異なり、下地のひび割れ追従性が要求されるので、塗厚が薄くなったり、不均一になったりしてひび割れ追従性が低下しないよう、主材の基層塗り前に出隅、入隅、目地部の周り等をはけやコーナー用ローラー等で増塗りしておく。(JASS23)

3.◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗残しのないように下地を覆うように塗りつける。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.アルミニウム合金がコンクリート、モルタルに接する箇所には、ウレタン樹脂系の塗料を施した。

2.建具枠のアンカーは、枠を確実に固定できる構造とし、間隔は 500 mm 以下とした。

3.外部建具周囲のモルタルを充填する際は、仮止め用のくさびを取り除いた。

4.外部建具周囲の充填モルタルは、NaCl 換算 0.06 %(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。

答え

  4
充填モルタルに使用する砂の塩分含有量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を用いる場合は除塩する。(建築工事監理指針)

1.◯
アルミニウム材がコンクリート、モルタル等アルカリ性材料に接する箇所には、耐アルカリ塗装を施す。耐アルカリ塗装は、一般には透明のアクリル樹脂系が使用される。(JASS16)

2.◯
アンカーの位置は、枠の隅より 150mm以下を端とし、中間は500mm以下の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

3.◯
コンクリート外壁に建具枠を取り付ける場合、仮止めに用いるくさびは、モルタルを充填する際、必ず取り除かなければならないので、長いくさびを使用し、くさびを残したままでは、モルタル充填の作業ができないようにする。

[ No.41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、下塗り及び中塗りの工程間隔時間の上限は7日とした。

2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、気温が 20 °Cだったので、塗膜の層間付着性に配慮し、工程間隔時間を 24 時間とした。

3.アクリル樹脂エナメル塗りにおいて、中塗り、上塗りには、同一材料を使用し、塗付け量 は 0.09 kg/m2 ずつとした。

4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。

答え

  4
合成樹脂エマルションペイントは、共重合樹脂エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

1.◯
下塗りおよび中塗りの工程間隔時間は、16時間以上7日以内とする。(JASS18)

2.◯
気温20℃のとき、標準工程間隔時間は16時間以上7日以内と設定して、塗膜の層間付着性に配慮する。(JASS18)

3.◯
アクリル樹脂エナメル塗りは、下地処理後、塗膜が十分に乾燥していることを確認してから研磨紙を用いて平滑に仕上げる。研磨が終了したのちは、研ぎかすを十分に除去してから次の工程に移る。塗装は、下塗り、中塗り、上塗りに同一材料を使用し、塗り付け量は0.09kg/m2ずつとする。(JASS18)

[ No.42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.熱溶接工法の溶接部の溝は、V 字形とし、深さを床シート厚さの 2/3 とした。

2.湯沸室の床への張付けには、酢酸ビニル樹脂系接着剤を使用した。

3.寒冷期に施工する際、採暖を行い、床シート及び下地とも 5 °C 以下にならないようにした。

4.床シートを立ち上げて幅木としたので、天端処理は、シリコーンシーリング材でシールする方法とした。

答え

  2
湯沸室、洗面所等、特に水を扱う部屋、湿気のある部屋、結露しやすい部屋等には耐水性に優れたエポキシ樹脂系、またはウレタン樹脂系接着剤を用いる。(建築工事監理指針)

1.◯
ビニル床シートの溶接の接合部の溝は、V字形またはU字形とし、均一な幅で床シートの厚さの 2/3程度まで溝切りとする。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯
施工時の作業環境温度が 5℃以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。されに接着剤のオープンタイム、張付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで採暖を行い室温を10℃以上に保つようにする。(JASS26)

4.◯
ビニル床シート張りは、ビニル床シートを床面から壁に向かって立ち上げて張り付け、幅木と床を一体に仕上げる工法である。この工法の幅木の天端処理は、小端をシリコーンシーリング材でシールする方法とする。(建築工事監理指針)

[ No.43 ]
断熱工事における硬質ウレタンフォームの吹付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート面に吹き付ける場合、吹付け面の温度は 20 ~ 30 °C が適当である。

2.吹付け作業は、随時厚みを測定しながら作業し、吹付け厚さの許容誤差は0から+10mm とする。

3.換気の少ない場所では、酸欠状態となりやすいので、強制換気などの対策を行う。

4.冷蔵倉庫など断熱層が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは 100 mm とする。

答え

  4
冷蔵倉庫などの断熱材が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは80mm以下とする。また、層間でのはく離やフォームのクラック防止のために、メッシュを何層にも入れながら吹き付ける方がよい。(JASS24)
1.◯
下地コンクリート面の温度は、発泡倍率や接着性に大きな影響を及ぼすが、一般的には、温度20〜30℃が最適である。なお、最近では技術の進歩により、原液を調整することによって-5℃でも施工が可能となっている。(JASS24)
2.◯
1回の吹付け厚さは10〜20mmが標準であり、所定の厚みがこれ以上の場合には、多層吹きとする。次の層を吹き付ける時間は、発泡硬化が安定するおよそ1時間以上おいてからとし、必ず所定の厚みの確認をする。作業者は吹付けの作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0〜+10mmとする。(建築工事監理指針)
3.◯
現場の作業環境を事前にチェックし、換気の少ない場所での施工には、酸欠状態になりやすいので、必ず強制換気を行い、保護マスクを着用し、必要に応じて、送風マスクや自給式マスクを着用する。(建築工事監理指針)

[ No.44 ]
メタルカーテンウォール工事に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収するため、ルーズホールとした。

2.部材の熱伸縮による発音を防止するため、滑動する金物間に摩擦低減材を挟んだ。

3.パネル材は、脱落防止のために3箇所以上仮止めし、本止め後速やかに仮止めボルトを撤去した。

4.組立て方式は、すべての構成部材を工場で組み立てるノックダウン方式とした。

答え

  4
ノックダウン方式とは、製品を部材や半製品の状態で出荷し、現場で組み立てる生産方式である。すべての構成部材を工場で組み立てるのは、ユニット方式である。

1.◯
床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収する大きめの孔(ルーズホール)とし、取付け墨で取付け位置の仮調整を行ってボルト締めを行う。(建築工事監理指針)

2.◯
記述の通りである。滑動する金物間に摩擦低減材を挿入する材料として、テフロン、ステンレス板等が用いられる。(JASS14)

3.◯
カーテンウォール部材は、パネル材では3箇所以上、形材では2箇所以上仮止めし、脱落しないように固定する。取付け位置の調整後、速やかに本止めし、本止め後仮ボルトは速やかに撤去する。(建築工事監理指針)

[ No.45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ビニル床タイルは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーにより他の仕上げ材に損傷を与えないように撤去した。

2.合成樹脂塗床の塗り替えにおいて、下地面に油が付着していたので、油潤面用のプライ マーを用いた。

3.コンクリート下地の合成樹脂塗床材は、電動ケレン棒を使用し、コンクリート下地表面から 3 mm 程度の深さまで削り取った。

4.磁器質床タイルを電動はつり器具により撤去する際に、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りをした。

答え

  1
ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、カッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは用いない。(公共建築改修工事標準仕様書)

2.◯
プライマーは、下地、コンクリートの湿潤状態、油潤状態により使い分ける必要がある。下地面に用いる場合は、油潤面用のプライマーを用いる。(建築改修工事監理指針)

3.◯
コンクリート下地の合成樹脂塗床材の撤去は、機械で除去する場合、電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用する。下地がモルタル塗りの時はモルタル下地とも、下地がコンクリートの時はコンクリート表面から3mm程度削り取る。(公共建築改修工事標準仕様書)

4.◯
磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッター等で縁切りをして、タイル片を電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用し、周囲を損傷しないように削りとる。(公共建築改修工事標準仕様書)

1級建築施工管理技士 平成24年 学科 問題4解説

平成24年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの12問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.34 ]
改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法)に関する記述として、最も不適なものはどれか。

1.防水下地がプレキャストコンクリート部材の接合目地部には、あらかじめ、部材の両側に100 mmずつ張り掛けられる幅の増張り用シートを用いて絶縁増張りを行った。

2.露出防水用改質アスファルトシートの重ね部は、砂面をあぶり、砂を沈めて重ね合わせた。

3.防水層の下地は、入隅部はR面とし、出隅部は直角とした。

4.改質アスファルトシート相互の重ね幅は、長手、幅方向とも100 mm となるように張り重ねた。

答え

  3
入隅は、アスファルト防水層の場合は通りよく三角形の面取り(丸面も可)とし、それ以外の防水層では直角とする。出隅は面取り(丸面も可)とする。(建築工事監理指針)

1 ◯
プレキャストコンクリート部材の接合目地部は、部材の両側に100mm程度ずつ張り掛けることのできる幅の増張り用シートを用いて絶縁増張りを行う。(建築工事監理指針)

2 ◯
露出防水用改質アスファルトシートの砂面に改質アスファルトを重ね合わせる場合、重ね部の砂面のあぶり砂を沈めるか、または砂をかき取って改質アスファルトを表面に出した上に張り重ねる。

4 ◯
改質アスファルトシート相互の重ね幅は、長手、幅方向とも100 mm 以上とする。(建築工事監理指針)

[ No.35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、シリコーンテープとした。

2.ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より20%大きい直径のものとした。

3.プライマーの塗布及びシーリング材の充填時に、被着体が5℃ 以下になるおそれが生じたので、作業を中止した。

4.シーリング材の打継ぎ箇所は、目地の交差部及びコーナー部を避け、そぎ継ぎとした。

答え

  1
シリコーン系シーリング材を充填する場合、ポリエチレンテープのボンドブレーカーを用いるのが一般的である。(JASS8)

2 ◯
ワーキングジョイントに装填する丸形ポリエチレン発泡体は、目地幅より20〜30%大きい直径のものを選定する。( JASS8 )

3 ◯
プライマーの塗布及び充填時に被着体が、5℃ 以下または 50℃以上になるおそれのある場合は作業を中止する。やむを得ず作業を行う場合は、仮囲い、シート覆い等による保温または遮熱を行うなどの必要な装置をとる。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
シーリング打止め位置は打継ぎを考慮し、目地の交差部やコーナー部を避け、接続面を斜めにして接合するそぎ継ぎとなるように斜めに仕上げる。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.36 ]
壁のタイル張り工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.改良圧着張りでは、張付けモルタルを下地面側に5 mm 程度、タイル裏面に3mm程度の厚さで塗り、たたき押えを行い張り付けた。

2.マスク張りでは、張付けモルタルを塗り付けたタイルは、塗り付けてから20分を限度に張り付けた。

3.タイル張り面の伸縮調整目地は、縦目地を3m内外、横目地を4 m内外ごとに設けた。

4.モザイクタイル張りのたたき押えは、タイル目地に盛り上がった張付けモルタルの水分で目地部の紙が湿るまで行った。

答え

  2
マスク張りの特徴の1つが、塗り置き時間を短くできることである。タイルへ張付けモルタルを塗り付け後、タイルを壁面に張り付けるまでの時間は5分以内とする。( JASS 19)

1 ◯
改良圧着張りでは、張付けモルタルを下地側とタイル裏面の両方に塗ってタイルを張り付ける工法である。下地側には、軟らかめに練ったモルタルを金ごてを用いて 4 〜6 mm程度こすり付けたのち、張り付けモルタル 3〜4mm をタイル裏面にのせ、下地面に押さえつけ、木づち等でタイルの周辺からモルタルがはみ出すまで、たたき押える。(建築工事監理指針)

3 ◯
タイル張り面の伸縮調整目地を設ける位置は、各階の打継ぎ箇所や柱形・開口部寸法に応じた構造上の要所とし、縦目地を3m内外、横目地を4 m内外ごとに設ける

4 ◯
モザイクタイル張りのたたき押えは、全面にわたって十分に行う必要があるが、その目安は、タイル目地に盛り上がった張付けモルタルの水分で紙張りの目地部分が濡れてくることによって判断する。(建築工事監理指針)

[ No.37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.軒先と平行に張り付ける下葺きアスファルトルーフィングは、流れ方向の重ね幅を100 mmとし、ステープル釘での仮止め間隔は300 mm 程度とした。

2.通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリリングタッピンねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定した。

3.キャップは、溝板と通し吊子になじみよくはめ込み、均一かつ十分にはぜ締めを行った。

4.水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上がりを45 mmとした。

答え

  4
水上部分と壁との取合い部に設ける雨押さえは壁部で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)

1 ◯
長尺金属板葺きの下葺きアスファルトルーフィングは、軒先からこれに平行に張付けを開始し、順次棟の方へ梁進める。ルーフィングの重ね幅はシートの長手方向 200mm以上、流れ方向の重ね幅を100 mmとする

2 ◯
通し吊子のマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)

3 ◯
キャップは溝板と通し吊子になじみよくはめ込み、均一かつ十分にはぜ締めを行う。(JASS12)

[ No.38 ]
軽量鉄骨天井下地工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.屋内の天井のふところが1,500 mm以上ある吊りボルトは、径が6mmの丸鋼を用いて振れ止め補強を行った。

2.下り壁による天井の段違い部分は、2,700 mm 程度の間隔で斜め補強を行った。

3.照明器具の開口のために、野縁及び野縁受けを切断したので、それぞれ同材で補強した。

4.野縁受け用のハンガーは、吊りボルトにナット2個を用いて挟み込んで固定した。

答え

  1
天井ふところが 1.5m以上ある場合は、吊りボルトの水平補強、斜め補強を行う。水平補強は縦横方向に間隔 1.8m程度に配置し、振れ止め補強材は相対する斜め材を1組とし、縦横方向に間隔 3.6m程度に配置する。振れ止め補強材は、丸鋼または溝形鋼を吊りボルトに溶接する。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
下り壁、間仕切り壁等を境として、天井の段違いがある場合は野縁受けと同材または L-30×30×3 (mm) 程度で、間隔 2.7m程度に斜め補強を行う。(公共建築工事標準仕様書)

3 ◯
点検口、照明器具、空調の吹出し口等の開口部のために野縁または野縁受けを切断する場合には、強度の不足を補うとともに、野縁の乱れを防止するため、野縁または野縁受けと同材で補強を行う。(建築工事監理指針)

4 ◯
野縁受け用のハンガーは、吊りボルトにナット2個を用いて挟み込んで固定する。(JASS26)

[ No.39 ]
コンクリート壁の現場調合のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.下塗りは、吸水調整材を塗布後1時間以上おいた後に、乾燥を確認してから行った。

2.モルタルの収縮によるひび割れを防ぐため、できるだけ粒径の小さい骨材を用いた。

3.中塗り用のモルタルは、セメントと砂の調合(容積比)を1:3とした。

4.総塗り厚が35 mmを超えるので、アンカーピンを打ち込んで金網を取り付け、補修塗りを行った。

答え

  2
粒径の大きいものの方がセメントペーストの量を少なくでき、収縮ひび割れを抑えることができる。こて塗り仕上げに支障のない限り粒径の大きいものを使用する。(JASS 15)

1 ◯
吸水調整材を塗布後、下塗り開始までの間隔は施工時の気象条件によって異なるが、一般的には1時間以上とする。長時間放置するとほこり等が付着し、接着を阻害することがあるので1日程度で下塗りをすることが望ましい。なお、吸水調整材塗りを行った場合、下塗りについては吸水調整材が乾燥した後に行う。(建築工事監理指針)

3 ◯
モルタルのセメントと砂の調合(容積比)は、下塗りを 1:2.5 とし、中塗りを1:3とする。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
つけ送り厚さが 25mm以下の場合でも、モルタルの総塗り厚さが 35 mmを超える場合は、溶接金網、アンカーピンまたはネット等を取り付けた上で、モルタルを塗り付ける。(JASS15)

[ No.40 ]
自動扉に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スライディングドアなので、開速度、閉速度とも500mm/s に設定した。

2.取付け及び調整完了後、ドアを手で100N 以下の力で開けられるか確認した。

3.押しボタンスイッチ式のスライディングドアには、安全性を考慮して、補助センサーを設置した。

4.車いす使用者用の押しボタンスイッチは、ドアより90 cm 後退した位置で、床より110 cmの高さに設置した。

答え

  1
スライディングドア用自動ドアの開閉速度は開速度500mm/s以下、閉速度350mm/s以下とする。(建築工事監理指針)

2 ◯
取付け及び調整完了後の確認項目として、「ドアを手で100N 以下の力で開けられるか確認しする」というのがある。(建築工事監理指針)

3 ◯
自動ドア開閉装置のセンサーは、自動検出方式及び人為操作方式(押しボタンスイッチ、タッチスイッチ等)がある。ドア走行部の安全性を考慮して、すべてのセンサーには補助センサーを併用する。(建築工事監理指針)

4 ◯
車いす使用者用の押しボタンスイッチは、ドアより 70〜100 cm 後退した位置で、床より 60〜120 cmの高さに設置する。(建築工事監理指針)

[ No.41 ]
塗装工事の素地ごしらえに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.けい酸カルシウム板の吸込止めとして、反応形合成樹脂ワニスを全面に塗布した。

2.亜鉛めっき鋼面は、付着性を向上させるためエッチングプライマーを塗布した。

3.透明塗料塗りの木部の素地面で、仕上げに支障のおそれがある甚だしい変色は、漂白剤を用いて修正した。

4.鉄鋼面に付着した溶接のスパッタは、りん酸塩溶液により取り除いた。

答え

  4
鉄鋼面の素地ごしらえにおいて、溶接・溶断時のスパッタやスラグの除去は、ディスクグラインダー等の動力工具やスクレーパー、ワイヤブラシ等を用いて行う。りん酸塩溶液やアルカリ性水溶液では除去できない。(JASS 18)

1 ◯
けい酸カルシウム板は表面がぜい弱な板で、塗装においては汚れや付着物を除去したのち、吸込み止め処理として表面補強効果のある反応形合成樹脂ワニスを全面に塗布する。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
亜鉛めっき鋼面の素地ごしらえには、A、B、Cの3種類が規定されている。A種は工場で行われる化成被膜処理、B種は主として現場塗装でエッチングプライマー塗布、C種は汚れ、付着物の除去と脱脂のみを実施する。(公共建築工事標準仕様書)

3 ◯
透明塗料塗りの素地面で、仕上げ支障をきたすおそれがあるはなはだしい色むら、汚れ、変色等がある場合は、漂白剤を用いて修正する。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート下地表面のぜい弱層は、研磨機などで削り取る。

2.下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂とセメントなどを混合したものとする。

3.プライマーは、下地の吸込みが激しく塗膜とならない部分には、先に塗ったプライマーの硬化前に再塗布する。

4.エポキシ樹脂モルタル塗床で防滑仕上げに使用する砂は、最終仕上げの一つ前の工程と同時に均一に散布する。

答え

  3
プライマーの吸込みが激しく塗膜を形成しない場合は、全体が硬化したのち、吸込みが止まるまで数回にわたり塗る。(建築工事監理指針)

1 ◯
コンクリート床下地の表層部分はレイタンスやぜい弱層があるため、あらかじめ研磨機、研削気などでコンクリート表層のぜい弱な層を除去し強固な層とする。また、油分などが付着している場合は脱脂処理をする。(建築工事監理指針)

2 ◯
下地調整に用いる樹脂パテは、塗り床材と同質の樹脂に無機質系充填材あるいはセメントなどの水硬性物質またはよう変性付与材等を加えパテ状としたものである。2 mm以下のピンホール、巣穴及び、ひび割れ等の目つぶしあるいは不陸の修正に用いる。(建築工事監理指針)

4 ◯
滑り止めを目的とした仕上げを施す場合、エポキシ樹脂モルタル塗床仕上げは、最終仕上げの一つ前の工程と同時に砂を散布し、余剰の砂を除去してから最終仕上げを行う。(JASS26)

[ No.43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.軽量鉄骨下地にボードを直接張り付ける場合、ドリリングタッピンねじは、下地の裏面に10 mm以上の余長の得られる長さのものを用いる。

2.テーパーボードの継目処理で、グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる。

3.せっこう系接着材による直張り工法の接着材の盛上げ高さは、接着するボードの仕上がり面までの高さとする。

4.せっこうボードを曲率の小さな下地に張る場合は、ボードの片面の紙に切れ目を入れて曲面にする。

答え

  3
接着材の盛上げ高さは、ボード仕上がり面の2倍以上の高さに接着材を盛り上げ、ボード裏面との接着面が直径 120〜150mm 得られるように押さえつける。盛上げ高さをボードの仕上がり面までの高さとすると、十分押さえつけられない。(建築工事監理指針)

1 ◯
せっこうボードを軽量鉄骨下地に直接張り付ける場合は、鋼製下地の裏面に10 mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用い、頭がボード面より少しへこむように確実に締め込む。(JASS26)

2 ◯
テーパーボードの継目処理で、ジョイントテープにグラスメッシュを用いる場合は、裏面に粘着剤が塗布されるので、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略してもよい。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
せっこうボードの曲面施工は、曲率の大きい場所は損傷することなく曲面下地に取り付けて行うことができる。曲率が小さくなった場合は、片面の紙を 10〜15 cm間隔に切って曲面を形成する。(JASS26)

[ No.44 ]
ALCパネル工事の間仕切壁フットプレート構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.パネルは、パネル上部の間仕切チャンネルへのかかりしろを 20 mm確保して取り付けた。

2.パネルは、パネル上部と間仕切チャンネルの溝底との間に 20 mmのすき間を設けて取り付けた。

3.出隅・入隅のパネル取合い部には、20 mmの伸縮目地を設けた。

4.耐火性能が要求される伸縮目地には、モルタルを充填した。

答え

  4
耐火性能が要求される間仕切り壁の伸縮目地には耐火目地材を用いる。一般に、耐火目地材は、JIS A9504に定めるロックウール保温板に適合するものとする。(建築工事監理指針)

1 ◯
間仕切り壁用パネルは、パネル面外方向の荷重に対してパネルを支持するために、上部の間仕切チャンネルへのかかりしろを 20 mm程度確保するようにする。(JASS21)

2 ◯
パネル上部を支持する梁やスラブの曲げ変形及びクリープ変形等を吸収する目的で、パネル上部は 20 mm程度のすき間を設けて取り付ける。(JASS21)

3 ◯
出隅部・入隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、20 mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS21)

[ No.45 ]
鉄筋コンクリート造建物の外壁仕上げの改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.タイル張り外壁において、漏水がなく、浮きも見られず、単にタイル表面のひび割れ幅が 0.3 mmだったので、美観上該当タイルをはつって除去し、タイル部分張替え工法で改修した。

2.タイル張り外壁において、1箇所当たりの下地モルタルと下地コンクリートとの浮き面積が 0.2 m2 だったので、アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法で改修した。

3.コンクリート打放し仕上げの外壁において、コンクリート表面に生じた幅が 0.3 mmの挙動のおそれのあるひび割れは、硬質形エポキシ樹脂を用いた樹脂注入工法で改修した。

4.コンクリート打放し仕上げの外壁において、コンクリート表面のはく落が比較的浅い欠損部分は、ポリマーセメントモルタルを充填し、全面を複層仕上塗材塗りで改修した。

答え

  3
樹脂注入工法は、ひび割れ幅が0.2mm以上1.0mm以下に適用される。挙動あるひび割れには軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動がないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。(建築改修工事監理指針)

1 ◯
漏水がなく、ひび割れ周辺のタイルにも浮きが見られない、単にタイル裏面に 0.2mm以上のひび割れがある場合には、美観上該当タイルをはつり除去し、タイル部分張替え工法で改修するか、そのまま樹脂注入工法で改修する。(建築改修工事監理指針)

2 ◯
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m2 未満の浮きに対する工法である。1箇所の浮き面積が 0.25 m2 以上の浮きには、アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法等が用いられる。(建築改修工事監理指針)

4 ◯
ポリマーセメントモルタル充填工法は、軽微な剥がれや比較的浅い欠損部を美観上の観点からポリマーセメントモルタルを充填して改修する工法である。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成25年 学科 問題4解説

平成25年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ALC 屋根パネル面に塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを接着工法で施工するので、ALCパネル面にプライマーを塗布した。

2.エポキシ樹脂系接着剤を用いて平場に塩化ビニル樹脂系ルーフィングシートを張り付けるので、下地面のみに接着剤を塗布した。

3.加硫ゴム系ルーフィングシートの接合部は、重ね部を熱融着し、接合端部を液状シール材でシールした。

4.軽歩行が可能となるように、加硫ゴム系ルーフィングシート防水層の上にケイ砂を混入した厚塗り塗料を塗布した。

答え

  3
加硫ゴム系ルーフィングシートの接合部は、接着剤及びテープ状シール材を用いて行う。(建築工事監理指針)

1 ◯
塩化ビニル樹脂系のルーフィングシートを接着工法で、下地のプライマー塗布は下地表面を清掃したのち、その日のうちに塗り付けるルーフィングの範囲にローラーはけまたは毛ばけ等を用いて、規定量をむらなく塗布する

2 ◯
エポキシ樹脂系接着剤を用いた接着剤塗布は、プライマーの乾燥を確認したのち、下地面及びルーフィングの裏面に、ローラーはけまたはくし後手等を用いてむらなく塗布する。また、ルーフィングシートの重ね部分には接着剤を塗布しないように注意する。

4 ◯
仕上塗材には、ケイ砂等を混ぜ、軽度の歩行ができるように耐衝撃性を向上させた厚塗り塗料がある。(JASS8)

[ No. 35 ]
ウレタンゴム系塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.低温時で防水材の粘度が高く施工が困難なため、防水材製造業者の指定する範囲で希釈剤で希釈して使用した。

2.通気緩衝工法において、立上り部の補強布は、平部の通気緩衝シートの上に 100mm 張り掛けて防水材を塗布した。

3.通気緩衝工法において、防水層の下地からの水蒸気を排出するための脱気装置は、200m2に1箇所の割合で設置した。

4.密着工法において、平部に張り付ける補強布は、仮敷きをしたうえで、防水材を塗りながら張り付けた。

答え

  3
通気緩衝工法における脱気装置は、一般に50〜100m2ごとに設置し、屋上の構造、用途、防水下地の乾燥状況等によっては増設する場合がある。

1 ◯
ウレタンゴム系塗膜防水において、気温が著しく低い場合は、粘度が高く施工が困難であるため、製造業者の指定する範囲で希釈剤で希釈して使用する。

2 ◯
通気緩衝工法において、立上り部、ドレーン回り及びパイプ回りなどでは、補強布を通気緩衝シートの上に 100mm 程度張り掛けて防水材を塗布する。(JASS8)

4 ◯
密着工法において、平部に張り付ける補強布(合成繊維またはガラス繊維の織布)は、仮敷きのうえに防水材を塗りながら張り付ける

[ No. 36 ]
外壁のタイル密着張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.張付けは、目地割に基づき水糸を引き通し、下部から上部へ順次連続して張り付ける。

2.下地面への張付けモルタルの塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗り厚は 5~8 mmとする。

3.小口タイルの張付けは、振動工具による衝撃位置をタイルの両端と中間の3箇所とする。

4.引張接着強度検査の試験体数は、100m2以下ごとに1個以上とし、かつ全面積で3個以上とする。

答え

  1
密着張りによる張付けは、上部より下部へ1段置きに張り、その後、間を埋めるようにして張り付ける

2 ◯
外壁タイルの密着工法は、張付けモルタルの下地面に対する塗付けは、2度塗りとし、その合計の塗厚は 5~8 mmとする。

3 ◯
小口タイルの密着張付けで振動工具(ヴィブラート)を用いて行う場合、振動工具による加振の位置は、タイルの両端と中間の3箇所とする

4 ◯
引張接着強度検査の試験体の数は、100m2以下ごとに1個以上とし、かつ全面積で3個以上とする。

[ No. 37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.タイトフレームの下地への溶接は、タイトフレームの立上り部分の縁から10mm残し、底部両側を隅肉溶接とした。

2.軒先の折板の先端部には亜下底を 15度程度曲げて尾垂れを付けた。

3.けらば包みの継手は、60mm 以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留めた。

4.重ね形折板の重ね部分の緊結のボルトは、流れ方向の間隔を 900mmとした。

答え

  4
重ね形折板の重ね部の緊結ボルトは、流れ方向の間隔を600mm程度とする

1 ◯
金属製屋根折板葺きのタイトフレームの取付けは、一般に、受梁にアーク溶接接合とする。下地への溶接は、タイトフレームの立上り部分の縁から10 mm残し、底部両側を隅肉溶接とする。溶接サイズはタイトフレームの板厚と同寸法である。(JASS12)

2 ◯
折板葺屋根は勾配が小さいので、軒先に 15度程度曲げて尾垂れを付ける。

3 ◯
折板の取付けでは、けらば包みの継手位置はタイトフレーム等の下地が必要で、タイトフレームにできるだけ近くする。けらば包みの継手の重ねは 60mm以上とし、重ね内部にシーリング材を挟み込む

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ランナーを軽量鉄骨天井下地に取り付ける場合は、タッピンねじの類又は溶接で、間隔 900mm 程度に固定する。

2.スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔 600mm 程度に留め付ける。

3.スタッドは、上部ランナーの上端とスタッド天端のすき間が 20 mm 程度となるように切断する。

4.振止めは、床面から 1,200 mm 程度の間隔でスタッドに引き通し、スペーサーで固定する。

答え

  3
スタッドは、スタッドの天端と上部ランナーの天端のすき間が10mm以下となるように切断する

1 ◯
ランナーは端部から 50mm内側を押さえ、間隔 900mm程度に打ち込みピン等で、床、梁下、スラブ下に固定する。ただし、鉄骨、軽量鉄骨天井下地に取り付ける場合は、タッピンねじの類または溶接で固定する

2 ◯
スペーサーの取付けは、各スタッドの端部を押さえ、間隔 600mm 程度に留め付ける。

4 ◯
振止めは、床面ランナー下端から 1,200 mm ごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から 400mm以内に振止めが位置する場合は、その振止めを省略することができる。

[ No. 39 ]
建築用仕上塗材の主材の一般的な塗付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.複層塗材Eの凹凸状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。

2.可とう形外装薄塗材Eのさざ波状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。

3.軽量骨材仕上塗材の砂壁状仕上げは、吹付け工法により行う。

4.内装薄塗材Eの平坦状仕上げは、こて塗り工法により行う。

答え

  1
複層塗材Eの凸凹状仕上げは、吹付け工法により行う

2 ◯
可とう形外装薄塗材Eのさざ波状仕上げは、ローラー塗り工法により行う。

3 ◯
軽量骨材仕上塗材の砂壁状仕上げ及び内装薄塗材Wの京壁状じゅらく仕上げは、吹付け工法により行う。

4 ◯
内装薄塗材Eの平坦状仕上げの上壁の仕上げは、こて塗り工法により行う。

[ No. 40 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.建具枠は、くつずりの裏面に鉄線を付け、あらかじめモルタル詰めを行った後、取り付けた。

2.枠及び戸の取付け精度は、ねじれ、反り、はらみともそれぞれ許容差を 2mm以内とした。

3.フラッシュ戸の表面板と中骨は、構造用接合テープを用いて接合した。

4.外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、上下を除いた左右2方向のみ、表面板で包んだ。

答え

  4
外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。(建築工事監理指針)

1 ◯
建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行ったのち取り付ける。

2 ◯
鋼製建具の取付け精度は次の通りとする。
①枠の対角寸法差は 3mm以内
②枠及び戸のねじれ、反り、はらみは 2mm以内
③枠の倒れ(面外、面内とも)は 2mm以内

3 ◯
フラッシュ戸の表面板と中骨は、溶接または構造用接合テープで接合する。 (建築工事監理指針)

[ No. 41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.2 液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、塗料は所定の可使時間内に使い終える量を調合して使用した。

2.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cであったため、中塗り後2時間の間隔をあけて次の工程に入った。

3.つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗装場所の気温が 5 °C以下となるおそれがあったので、施工を中止した。

4.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りにおいて、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとした。

答え

  2
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、気温が20°Cのときの標準工程間隔は3時間以上とする

1 ◯
主剤と硬化剤を混合した塗料は、塗料製造所が指定する可使時間内に使用する

3 ◯
つや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 5℃以下、湿度が 85%以上のとき、または換気が十分でないなどの塗料の乾燥が不適切な場合は、塗装作業を行わない

4 ◯
常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りは、塗料を素地に浸透させるため、 ローラーブラシ塗りとする。

[ No. 42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.張付けに先立ち、仮敷きを行い室温で24時間以上放置して、床シートの巻きぐせをとった。

2.熱溶接工法において、床シートの溶接作業は、床シートを張付け後、直ちに行った。

3.床シートの張付けは、圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45kg ローラーで圧着した。

4.防湿層のない土間コンクリートの床への床シートの張付けには、ウレタン樹脂系の接着剤を使用した。

答え

  2
溶接作業は、床シートを張り付けた後、接着剤の硬化がある程度進んでから行う。接着剤中の溶剤または水が残留している段階で熱風溶接を行うと、溶剤または水が急激に蒸発するため、継目部分が腫れたり、接着不良が発生する。そのため、12時間以上放置し、接着が落ち着いてから行う。(JASS26)

1 ◯
ビニル床シートは、施工に先立って温度20℃以上の室温にて仮敷きし、24時間以上放置して巻きぐせをとる

3 ◯
圧着は、床シートを送り込みながら圧着棒を用いて空気を押し出すように行い、その後 45kg ローラーで圧着する。

4 ◯
防湿層のない土間コンクリートの床への床シートの張付けには、耐水性に優れたエポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系接着剤を使用する。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
鉄筋コンクリート造の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、ウレタンフォームが厚く付きすぎて表面仕上げ上支障となるところは、カッターナイフで除去した。

2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが 50mmの箇所は、1層吹きとした。

3.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止した。

4.押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの防水剤入りモルタル詰めを行った部分には、現場発泡の硬質ウレタンフォームを充填した。

答え

  2
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹付け厚さが30mm以上の場合には多層吹きとする。(JASS24)

1 ◯
硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、厚く付き過ぎて表面仕上げ上支障となる箇所は、ウェーブナイフまたはカッターナイフで表面を除去し、表面仕上げ材の施工が可能な空間を保持するようにする。 (建築工事監理指針)

3 ◯
押出法ポリスチレンフォーム打込み工法の場合には、断熱材の継目は突付けとするが、テープ張り等の処理を講じてコンクリートの流出を防止する。(JASS24)

4 ◯
押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、窓枠回りの防水剤入りモルタル詰めを行った場合は、曲面や窓枠回り等複雑な形状には硬質ウレタンフォームを充填する。

[ No. 44 ]
メタルカーテンウォール工事に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.アルミニウム合金形材で長さ 3 mの単一材の長さの寸法許容差は、±3.0 mm とした。

2.ファスナーを緊結する躯体付け金物は、あらかじめ各階の型枠に取り付け、コンクリートを打込み固定した。

3.形材の取付けは、脱落しないよう仮止めボルトで2箇所以上仮止めし、本止め後、仮止めボルトを速やかに撤去した。

4.屋内側の鋼製ファスナーは、12μm以上の厚さの電気亜鉛めっきを施した。

答え

  1
アルミニウム合金押出形材の単一材の長さが1.5mを超え4mまでの場合の寸法許容値は±1.5 mm とする。(JASS24)

2 ◯
躯体付け金物は、必要な強度が得られるよう、あらかじめ各階の型枠に取り付け、躯体付け金物のアンカーと躯体鉄筋の位置がずれないように注意する。(建築工事監理指針)

3 ◯
カーテンウォール部材は、パネルでは3箇所以上、形材では2箇所以上仮止めし、脱落しないよう固定する。取付け位置の調整後は速やかに本止めする。性能上支障のある仮止めボルト等は、本止め後速やかに撤去する。

4 ◯
屋内側の鋼製ファスナーは、内側の発錆防止のため 12μm以上の電気亜鉛めっきを施す。(建築工事監理指針)

[ No. 45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.新規仕上げが合成樹脂塗床なので、下地のコンクリート面の凹凸部の補修は、エポキシ樹脂モルタルで行った。

2.既存合成樹脂塗床面に同じ塗床材を塗り重ねるので、接着性を高めるため、既存仕上げ材 の表面を目荒しした。

3.ビニル床シート張りの下地モルタルの浮き部分の撤去の際、健全部分と縁を切るために用 いるダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以上とした。

4.下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、アスベストを含有していなかったので、 ディスクサンダーを用いて除去した。

答え

  3
ビニル床シート張りの下地モルタルの浮き部分の撤去の際、ダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とする。(公共建築改修工事標準仕様書)

1 ◯
下地のコンクリート面の凹凸部の補修は、エポキシ樹脂モルタルまたはエポキシ樹脂パテを用いる。(公共建築改修工事標準仕様書)

2 ◯
既存合成樹脂塗床面に同じ塗床材を塗り重ねる場合、既存仕上げ材に表面を目荒らしすることで接着性が高まる。

4 ◯
既存床仕上げ材の撤去に関して、下地面に残ったビニル床タイルの接着剤は、アスベストを含有していない場合、新規仕上げの施工に支障のないように、ディスクグラインダー等により除去する。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成26年 学科 問題4解説

平成26年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※   問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 34 ]
改質アスファルトシート防水工事(トーチ工法)に関する記述として、最も不適当なもの はどれか。

1.コンクリート下地の入隅の形状は通りよく直角とし、出隅は通りよく 45 度の面取りとした。

2.平場の張付けにおいて、シートの3枚重ね部は、中間の改質アスファルトシート端部を斜めにカットした。

3.シートの張付けに先立ち、立上り部の出入隅角部に 200 mm 角の増張り用シートを張り付けた。

4.露出防水密着工法において、ALC パネルの短辺接合部は、あらかじめ幅 150 mm の増張り用シートを密着張りした。

答え

  4
ALCパネルの短辺接合部は、幅300mm程度の増張り用シートを用いて接合部両端に150mm程度ずつ張り掛け絶縁増張りをする。

1 ◯
コンクリート下地の入隅の形状は通りよく直角とし、出隅は通りよく45度の面取りとする。

2 ◯
改質アスファルトシートの3枚重ね部は、水みちになりやすいので、中間の改質アスファルトシートの端部を斜めにカットするか、焼いた金ごてを用いて角部を滑らかにするなどの処置を行う。

3 ◯
出入隅角部には、幅200mm程度の増張り用シートを100mm程度ずつ張り掛けて増張りをする。(JASS8)

[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.外壁 ALC パネル張りに取り付けるアルミニウム製建具の周囲の目地シーリングは、3面接着とした。

2.マスキングテープは、プライマーの塗布前に張り付け、シーリング材の表面仕上げ直後に除去した。

3.先打ちしたポリサルファイド系シーリング材に、変成シリコーン系シーリング材を打ち継いだ。

4.目地深さが所定の寸法より深い箇所は、バックアップ材を用いて、所定の目地深さになるように調整した。

答え

  1
一般に、ALCパネルに取り付けるサッシ回りの目地はワーキングジョイントであり、目地シーリングは2面接着とする。

2 ◯
マスキングテープは、目地周辺の構成材の汚れを防止し、かつシーリング材が通りよく仕上がるように張り付ける。マスキングテープ張りは、プライマー塗布前に所定の位置にその日の工事範囲分を通りよく張り付ける。マスキングテープの除去は、へら仕上げ後直ちに行う。シーリング材の可使時間を超えてから除去すると、目地ぎわがきれいに仕上がらず、また、除去しにくくなる。

3 ◯
ポリサルファイド系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、アクリルウレタン系等がある。(JASS8)

4 ◯
目地の深さがシーリング材の寸法より深い場合は、バックアップ材を装着し、所定の深さが得られるようにする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 36 ]
壁のタイル張り工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.モザイクタイル張りの張付けモルタルは、2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、次いで張付けモルタルを塗り重ね、総塗厚を3 mm程度とした。

2.マスク張りの張付けモルタルは、ユニットタイル裏面に厚さ4mm のマスク板をあて、金ごてで塗り付けた。

3.改良積上げ張りの張付けモルタルは、下地モルタル面に塗厚 4mm 程度で塗り付けた。

4.改良圧着張りの化粧目地詰めは、タイル張付け後 24 時間経過したのちとした。

答え

  3
改良積上げ張りは、張付けモルタルを塗厚7~10mmとしてタイル裏面に塗り付けた状態で張り付ける。(JASS19)

1 ◯
モザイクタイル張りの張り付けモルタルの塗り付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張り付けモルタルが食い込むようにし、ついで張り付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらのないように塗厚を均一にする。(建築工事監理指針)

2 ◯
マスク張りの張り付けモルタル、ユニットタイル裏面にタイルの大きさに見合ったマスク(マスク厚さ4mm程度)を用い、張り付けモルタルを金ごてで下地に均一に塗りつける。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
化粧目地詰めは、タイル張り付け後、24時間以上経過したのち、張り付けモルタルの硬化を見計らって行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 37 ]
金属板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.心木なし瓦棒葺のけらばは、溝板のけらば端部を唐草につかみ込んで納めた。

2.立て平葺の棟部は、溝板のはぜ締め後、はぜを水平に倒して折り上げ、立上げ部分の先端に水返しを付け、棟覆いを取り付けた。

3.平葺の葺板の上はぜと下はぜは、折返し幅を同寸法とし、すき間なく十分に掛け合わせ均一に叩き締めた。

4.横葺の葺板の継手位置は、縦に一直線状とならないよう千鳥に配置した。

答え

  3
平葺きの葺板の周囲四辺には、はぜを付け、上はぜは15mm、下はぜは18mm程度とする。

1 ◯
心木なし瓦棒葺きのけらばは、唐草を軒先同様に仮葺きの前に下地に長さ32mm程度の釘止めとする。溝板の先端部は唐草につかみ込んで納める。溝板の先端部も唐草につかみ込んで納める。(公共建築木造工事標準仕様書)

2 ◯
立て平葺きの棟部は、棟覆いとし、溝板のまぜ締め後、水返しをつける。棟覆いは、屋根の葺板または棟覆い板相互にはぜ掛けとして吊子で留め付ける。(公共建築木造工事標準仕様書)

4 ◯
横葺の葺板の継手位置は、目違い継ぎ、一文字継ぎ、廻し継ぎとし、直線継ぎは行わない

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ランナーは、両端部を端部から 50 mm 内側で固定し、中間部は 900 mm 間隔で固定した。

2.スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下ランナーに差し込み、打込みピンで コンクリート壁に固定した。

3.65 形のスタッド材を使用したそで壁端部は、垂直方向の補強材の長さが 4.0 mを超えたので、スタッド材を2本抱き合わせて溶接したもので補強した。

4.振れ止めは、床ランナーの下端から間隔約 1,200 mm ごとに取り付け、上部ランナーの上端から 400 mm以内に位置するものは取付けを省略した。

答え

  3
そで壁端部や開口部の補強材、スタッド、ランナー等の種類はスタッドの高さにより区分がある。65形は、スタッドの高さ区分が4.0m以下で、スタッド65×45×0.8、ランナー67×40×0.8、開口部の補強材は、C-60×30×10×2.3であるので、65形スタッドでは、厚さが薄すぎて補強材とならない。スタッドの高さが4.0mを超え4.5m以下では90形を、4.5mを超え5.0m以下では100形とする。(公共建築工事標準仕様書)

1 ◯
軽量鉄骨下地ランナーの固定位置は、両端部から 50 mm 内側とし、中間部は 間隔 900 mm 程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2 ◯
スタッドがコンクリート壁に添え付く場合は、上下ランナーに差し込み、ランナーと同様に、振れ止め上部(間隔 1.2m程度)を打込みピンで固定する。(建築工事監理指針)

4 ◯
振れ止めは、床ランナーの下端より間隔 1,200mmごとに設けるが、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。

[ No. 39 ]
内壁コンクリート下地におけるセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なもの はどれか。

1.下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1対砂 2.5 とした。

2.モルタルの塗厚の合計は、30 mm を標準とした。

3.中塗り・上塗りの塗厚を均一にするため、下塗りの後、むら直しを行った。

4.額縁のちりじゃくりの周囲は、こて1枚の厚さだけ透かして仕上げた。

答え

  2
内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値を20mmとする。(公共建築工事標準仕様書)

1 ◯
下塗り用モルタルの調合(容積比)は、セメント1:砂 2.5 とし、むら直し・中塗り・上塗りはセメント1:砂 3とする。(公共建築工事標準仕様書)

3 ◯
セメントモルタル塗りの工程は、下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの順で行う。

4 ◯
柱・鴨居・回縁・額縁・幅木等にちりじゃくりがある場合は、上塗り面をこて1枚の厚さだけすかして、ちりじゃくりの奥まで塗り込む。すかさず塗ると木部がやせたときにちり切れが起こり、しゃくりの効果がなくなる。(JASS15)

[ No. 40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.建具の組立てにおいて、隅部の突付け小ねじ締め部分にはシーリング材を充填した。

2.アルミニウム製建具の見え隠れ部で用いる補強材は、亜鉛めっき鋼材を用いた。

3.建具枠のアンカーは、枠を確実に固定できる構造とし、間隔は 500mm 以下とした。

4.水切り、ぜん板は、アルミニウム板を折り曲げ加工するので、厚さを 1.2 mm とした。

答え

  4
アルミニウム板を加工して、枠、框、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)
1 ◯
アルミニウム製建具の隅部の突き付け部は、小ねじ止めとし、漏水防止のためシーリング材またはシート状の止水材を使用する。(建築工事監理指針)

2 ◯
アルミニウム製建具の見え隠れ部分の補強材、力骨、アンカーなどは、鋼製またはアルミニウム合金製とし、鋼製のものは接触腐食の防止処置として亜鉛めっきを行ったものとする。(JASS18)

3 ◯
アンカーの位置は、枠の隅より 150mm内外を端とし、中間は 500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS18)

[ No. 41 ]
金属系素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.屋内の鉄鋼面の見え掛り部分のつや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、2回目の錆止め塗装の前に、研磨紙ずりを行い付着物を除去した。

2.屋内のつや有り合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を向上させるため、溶剤で希釈して使用した。

3.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、中塗りの工程間隔時間の上限は7日とした。

4.屋内の鉄鋼面の合成樹脂調合ペイント塗りにおいて、鉛・クロムフリーさび止めペイント1種の錆止め塗料を使用した。

答え

  2
合成樹脂エマルションペイントの希釈には、水が用いられる。(JASS18)

1 ◯
鉄鋼面の錆止め塗料塗りにおいて、見掛かり部分はA種として、その工程は、素地ごしらえ、錆止め塗料塗り、研磨紙ずり、錆止め塗料塗りとする。(建築工事標準仕様書)

3 ◯
下塗り及び中塗りの工程間隔時間は、16時間以上7日以内とする。(JASS18)

4 ◯
鉄鋼面の合成樹脂調合ペイント塗りにおいて、錆止め塗料の種別は1種とし、鉛・クロムフリー錆止めペイントを使用する。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 42 ]
合成樹脂塗り床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.厚膜型のエポキシ樹脂系塗り床における主剤と硬化剤の1回の練混ぜ量は、2時間で使い切れる量とした。

2.弾性ウレタン樹脂系塗り床において、ウレタン樹脂の1回の塗布量は 2 kg/m2  を超えないようにした。

3.塗り床の施工中、ピンホールを防ぐため、直射日光が当たる部分に仮設の日除け設備を設置した。

4.薬品を使用する実験室の塗り床において、平滑な仕上げとするため、流しのべ工法とした。

答え

  1
樹脂における主剤と硬化剤等の1回の練混ぜ量は、通常30分以内に使い切れる量とする。夏季は硬化速度が早くなるので、これよりも短時間を設定することが望ましい。(JASS26)

2 ◯
ウレタン樹脂は、硬化する時にガスを発生することがあり、1回の塗厚があまり厚いと内部にガスを封じ込めて仕上がり不良となるので、1回の塗付け量は 2 kg/m2(硬化物比重 1.0 の場合で塗付け厚さ 2mm)以下とし、これを超える場合は塗り回数を増す。(建築工事監理指針)

3 ◯
直射日光を受けると下地の温度と気温の差が大きくなり、下地コンクリートなどの表面付近やまだ固まらない塗膜に含まれた空気が膨張して塗膜の外に放出され、ピンホールを生じる。このため、日射を受ける開口部には日除けを設ける

4 ◯
流しのべ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.軽量鉄骨下地にボードを直接張り付ける際、ボード周辺部を固定するドリリングタッピンねじの位置は、ボードの端部から 5 mm 程度内側とした。

2.外壁の室内面におけるせっこう系接着材による直張り工法では、躯体に打ち込んだポリスチレンフォーム断熱材にプライマー処理をして、ボードを張り付けた。

3.下張りボードに上張りボードを張り付ける際には、接着剤を主体としてステープルを併用して張り付けた。

4.せっこう系接着材による直張り工法において、1回の接着材の塗付けは、張り付けるボード 1枚分とした。

答え

  1
軽量鉄骨下地にボードを直接張り付ける場合、ボード周辺部を固定するドリリングタッピンねじの位置は、ボードの端部から10mm程度内側の位置で留め付ける。(JASS26)

2 ◯
ポリスチレンフォーム下地の場合は、打ち込み工法と現場発泡工法があるが、せっこう系直張り用接着材の製造所が指定するプライマー処理を行う。(建築工事監理指針)

3 ◯
ボード類を下地張りの上に張る場合、接着剤を主とし、小ねじ類やタッカーによるステープルを併用して張り付ける。間隔は縦、横 200〜300mm程度とする。このとき上張りと下張りのジョイントが同位置にならないようにする。

4 ◯
直張り工法において、1回の接着剤の塗付けは、張り付けるボード1枚分とする。

[ No. 44 ]
ALC パネル工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.横壁ボルト止め構法では、パネル積上げ段数5段以内ごとに受け金物を設けた。

2.床パネルの孔あけ加工は、1枚当たり1箇所とし、主筋の位置を避け、パネル短辺幅の 1 /6 の大きさとした。

3.パネルの取扱い時に欠けが生じたが、構造耐力上は支障がなかったので、製造業者が指定する補修モルタルで補修して使用した。

4.床パネルで集中荷重が作用する部分は、その直下にパネル受け梁を設け、パネルは梁上で分割して割り付けされていることを確認した。

答え

  2
屋根及び床パネルの孔あけ加工は、補強鉄筋を切断しない範囲で1枚当たり1箇所、かつ、直径50mm以下とする。設問の記述は、外壁パネル及び間仕切りの記述である。

1 ◯
ALCパネルの横壁ボルト止め構法においては、パネル重量による下段パネルの損傷を避けるため、パネルの積み上げ段数は 5段以内ごとに受け金物を設ける

3 ◯
取扱い時に欠けが生じたパネルは、直接構造耐力上の支障がない場合、製造業者の指定した補修モルタルで補修して使用する。

4 ◯
床パネルに集中荷重が作用する部分では、その直下にパネル受け梁を設ける。その際、パネルが3点支持とならないように、パネルの割付けも受け梁上で分割する必要がある。(JASS21)

[ No. 45 ]
屋根防水改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.既存の保護コンクリート層及び防水層を撤去し、アスファルト保護防水絶縁工法を行うので、 撤去後の下地コンクリート面の 2 mm 以上のひび割れ部は、U カットしてポリウレタン系 シーリング材を充填した。

2.既存の保護コンクリート層を撤去し、既存アスファルト防水層の上にアスファルト保護防水密着工法を行うので、ルーフドレン周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から 150 mmまで四角形に撤去した。

3.既存の露出アスファルト防水層の上に、アスファルト露出防水密着工法を行うので、既存の砂付ルーフィングの表面の砂は可能な限り取り除き、清掃後、アスファルト系下地調整材を塗布した。

4.既存の保護コンクリート層の上にアスファルト露出防水絶縁工法を行う際、二重ドレンを設けないので、保護コンクリート層は、ルーフドレン端部から 500 mm 程度まで撤去した。

答え

  2
既存コンクリート保護層を撤去し、防水層を撤去しないでアスファルト保護防水密着工法を行う場合、ルーフドレンの周囲の既存防水層はルーフドレン端部から300mm程度まで四角形に撤去する。(建築改修工事監理指針)

1 ◯
ひび割れ幅が 2mm以上の大きなものについては Uカットしてポリウレタン系シーリング材、ゴムアスファルト系シール材またはシリコーン系シーリング材を充填する。(建築改修工事監理指針)

3 ◯
既存露出アスファルト防水層表面の砂は、既存防水層を損傷しないよう可能な限り取り除き、清掃を行う。清掃後、溶融アスファルトまたはアスファルト系下地調整材を 1.0kg/m2程度塗布する。(公共建築改修工事標準仕様書)

4 ◯
平場の既存保護層等を残してアスファルト露出防水絶縁工法を行う場合に、改修用の二重ドレンを設けない場合は、ルーフドレン端部から 500mm程度まで保護コンクリート等の既存保護層を四角形に撤去してから、ルーフドレン回りの処理を行う。(建築改修工事監理指針)

令和4年1級建築施工管理技士 二次検定 問題4 解答解説

令和4年 1級建築施工管理技士 二次 問題4 解答 解説

問題4
次の1.から4.の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、運搬、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。

1.屋根保護防水断熱工法における保護層の平場部の施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。
なお、防水層はアスファルト密着工法とし、保護層の仕上げはコンクリート直均し仕上げとする。

解答例

① アスファルト防水密着工法の出隅及び入隅においては、平場部のルーフィング類の張付けの前に、幅300mm程度のストレッチルーフィングを増し張りする。

② コンクリートスラブの打継ぎ部については、絶縁テープを張り付けた上に、幅300mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。

③ 低煙・低臭タイプのアスファルトの溶融温度の上限は、煙の発生を抑制するために 240〜260℃程度とする。

2.木製床下地にフローリングボード又は複合フローリングを釘留め工法で張るときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答例

①必要に応じて接着剤を下地に塗布し、釘と接着剤を併用して留め付ける。

②釘留め工法によるフローリングボード張りは、張込みに先立ち、板の割付けを行い、隣接する板の継手は150mm程度離して通りよく敷き並べる。

③フローリング類の割付けは、室の中央から両端へ行い、割付けが半端になる場合は、目立ちやすい出入口を避け、壁際の見え隠れとなる場所で行う。

④フローリング類は木質材であり、湿度の変化によって膨張・収縮するので、幅木・敷居等との取り合い部ではエキスパンションをとる。

⑤板そば、木口のさね肩を損傷しないように、根太に向けて雄ざねの根付けから45度の傾斜に隠し釘で留める。

3.外壁コンクリート面を外装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(外装薄塗材E)仕上げとするときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答例

①下塗りは、だれ、塗り残しのないように均一に塗り付ける。

②凸部分処理は、こてまたはローラー押さえにより、見本と同様の模様となるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。

③上塗りの塗り回数は、2回塗りを標準をし、色むら、だれ、光沢むらのないように、均一に塗り付ける。

④模様塗りは、見本と同様の模様となるよう適切な工具を使用し、適切な条件の下で塗り付ける。

⑤5℃以上で塗装する。乾燥途中で結露すると塗面に異常を発生するおそれがあるので多湿時の塗装は避ける。

4.鉄筋コンクリート造の外壁に鋼製建具を取り付けるときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答例

[ 解答解説 ]

外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。(建築工事監理指針)

※内部建具の両面フラッシュ戸の見込み部は、上下部の除いた2方を表面板で包めばよい。

鋼製建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開口幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合そ除き 1.6mmとする。鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、0.6mmとする。

③ 鋼製建具の戸において、中骨は厚さ 1.6mm、間隔 300mmとする。

④ ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さは 1.5mmとする。建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行なったのち取り付ける。

鋼製建具の取付け精度は次の通りとする。

①枠の対角寸法差は 3mm以内

②枠及び戸のねじれ、反り、はらみは 2mm以内

③枠の倒れ(面外、面内とも)は 2mm以内

 (建築工事監理指針)

令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題5 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題5 解答 解説

問題5
次の1.から8.の各記述において、(a)から(e)の下線部のうち最も不適当な語句又は数値の下線部下の記号とそれに替わる適当な語句又は数値との組合せを、下の枠内から1つ選びなさい。
1.改質アスファルトシート防水常温粘着工法・断熱露出仕様の場合、立上り際の風による(a)圧は平場の一般部より大きくなるため、断熱材の上が絶縁工法となる立上り際の平場部の幅(b)300mm程度は、防水層の(c)層目に粘着層付改質アスファルトシートを張り付ける。
なお、(d)入隅部では立上りに(e)100mm程度立ち上げて、浮きや口あきが生じないように張り付ける。

1.(a) 正
2.(b) 500
3.(c) 2
4.(d) 出隅
5.(e) 150
(解答)

 2

立上がり際の風による負圧は平場の一般部より大きくなるため、立上がり際の幅500mm程度は、防水層の1層目に粘着層付改質アスファルトシートを張り付ける。

2.セメントモルタルによるタイル張りにおいて、まぐさ、庇先端(a)下部など剥落のおそれが大きい箇所に(b)小口タイル以上の大きさのタイルを張る場合、径が(c)0.6mm以上のなまし(d)鉄線を剥落防止用引金物として張付けモルタルに塗り込み、必要に応じて、受木を添えて(e)24時間以上支持する。

1.(a) 見付
2.(b) モザイク
3.(c) 0.4
4.(d) ステンレス
5.(e) 72
(解答)

 4

まぐさ及び庇先端下部に小口タイル以上の大きさのタイルを張る場合は、径が0.6mm以上のなましステンレス鋼線をモルタルに塗り込み、必要に応じて、受け木を添えて24時間以上支持する。(建築工事監理指針)

3.長尺金属板葺の下葺のアスファルトルーフィングは軒先と(a)平行に敷き込み、軒先から順次棟へ向かって張り、隣接するルーフィングとの重ね幅は、流れ方向(上下)は(b)100mm以上、長手方向(左右)は(c)150mm以上重ね合わせる。
金属板を折曲げ加工する場合、塗装又はめっき及び地肌に亀裂が生じないよう切れ目を(d)入れないで折り曲げる。金属板を小はぜ掛けとする場合は、はぜの折返し寸法と角度に注意し、小はぜ内に 3~6mm程度の隙間を設けて毛細管現象による(e)雨水の浸入を防ぐようにする。

1.(a) 垂直
2.(b) 200
3.(c) 200
4.(d) 入れて
5.(e) 風
(解答)

 3

長尺金属板葺の下葺のアスファルトルーフィングは軒先と平行に敷き込み、軒先から順次棟へ向かって張り、隣接するルーフィングとの重ね幅は、流れ方向(上下)は100mm以上、長手方向(左右)は200mm以上重ね合わせる。

長尺金属板を現場等で折り曲げる場合は、地肌に亀裂が生じないように十分曲げ半径を取り、切れ目を入れずに塗装、めっきを行う。(建築工事監理指針)

図13.2.7_下葺材の施工例

図13.2.8_下葺材の施工例(粘着層による仮留め例)

※建築工事監理指針 13章2節 長尺金属板葺より

4.内装の床張物下地をセルフレベリング材塗りとする場合、(a)度を一定に練り上げたセルフレべリング材を、レベルに合わせて流し込む。流し込み中はできる限り通風を(b)良くして作業を行う。施工後の養生期間は、常温で (c)日以上、冬期間は (d)14日以上とし、施工場所の気温が (e) 5°C以下の場合は施工しない。

1.(a) 硬
2.(b) 避けて
3.(c) 3
4.(d) 28
5.(e) 3
(解答)

 2

セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流し込み作業中はできる限り通風をなくして、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、はなはだしい通風は避ける。(建築工事監理指針)

5.PCカーテンウォールの (a)ファスナー方式には、ロッキング方式、スウェイ方式がある。
ロッキング方式はPCパネルを (b)回転させることにより、また、スウェイ方式は上部、下部ファスナーの (c)両方をルーズホールなどで (d)滑らせることにより、PCカーテンウォールを(e)層間変位に追従させるものである。

1.(a) 取付
2.(b) 滑らせる
3.(c) どちらか
4.(d) 回転させる
5.(e) 地震
(解答)

 3

ロッキング方式はPCパネルを回転させることにより、また、スウェイ方式は上部、下部ファスナーのどちらかをルーズホールなどで滑らせることにより、PCカーテンウォールを層間変位に追従させるものである。

6.塗装工事における研磨紙ずりは、素地の汚れや錆、下地に付着している(a)塵埃を取り除いて素地や下地を(b)粗面にし、かつ、次工程で適用する塗装材料の (c) 付着性を確保するための足掛かりをつくり、(d) 仕上りを良くするために行う。
研磨紙ずりは、下層塗膜が十分 (e)乾燥した後に行い、塗膜を過度に研がないようにする。

1.(a) 油分
2.(b) 平滑
3.(c) 作業
4.(d) 回転させる
5.(e) 硬化
(解答)

 2

塗装工事における研磨紙ずりは、素地の汚れや錆、下地に付着している塵埃を取り除いて素地や下地を平滑にし、かつ、次工程で適用する塗装材料の付着性を確保するための足掛かりをつくり、仕上りを良くするために行う。(JASS18)

7.居室の壁紙施工において、壁紙及び壁紙施工用(a)でん粉系接着剤の(b)ホルムアルデヒド放散量は、一般に、F(c)☆☆☆☆としている。また、防火材の認定の表示は防火製品表示 (d)ラベルを1区分(1室)ごとに(e)枚以上張り付けて表示する。

1.(a) 溶剤
2.(b) シンナー
3.(c) ☆☆☆
4.(d) シール
5.(e) 2
(解答)

 5

昭和44年、当時の建設省住宅指導課長通達の「現場施工後の防火材料の表示については各室又はこれに準ずる用途上の区分ごとに少なくとも2カ所以上に表示マークを付すること。」に基づき行われている。

8.コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修における樹脂注入工法は、外壁のひび割れ幅が0.2mm以上 (a) 2.0mm以下の場合に主に適用され、シール工法や(b)Uカットシール材充填工法に比べ(c)耐久性が期待できる工法である。
挙動のあるひび割れ部の注入に用いるエポキシ樹脂の種類は、(d) 質形とし、粘性による区分が(e) 粘度形又は中粘度形とする。

1.(a) 1.0
2.(b) V
3.(c) 耐水
4.(d) 硬
5.(e) 高
(解答)

 1

樹脂注入工法は、ひび割れ幅が0.2mm以上 1.0mm以下の場合に主に適用される。

平成24年1級建築施工管理技士 実地検定 問題4 解答解説

平成24年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題4


問題4

次の 1.から 4.の問いに答えなさい。

ただし、留意事項は、それぞれ異なる内容の記述とし、材料の保管、作業環境(気象条件等)、安全に関する記述は除くものとする。

1.鉄筋コンクリート造建物のアルミサッシの枠回り目地に、2成分形変成シリコーン系シーリング 材を充填するときの施工上の留意事項を 2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、被着面の確認及び清掃、充填後の養生に関する記述は除くものとする。

解答例

各留意事項は以下の通りで、これらの中から2つ記述する。

(建築工事監理指針)

①充填したシーリング材は、内部まで十分に伝わるようにへら押さえして下地と密着させた後、平滑に仕上げる。

②練り混ぜは、可使時間に合わせた量とする。

③シーリング材の打継ぎは目地の交差部及び角部は避ける。

④充填前には、プライマーが十分乾燥していることを確認する。

⑤基材及び硬化材の配合割合は、製造所の指定するものとする。

⑥練混ぜは、専用の機械を使用して、空気を巻き込まないようにかくはんする。

⑦目地幅に合ったノズルを装着したガンを用い、目地底部から加圧しながら入念に行う。

2.壁のタイル張り下地モルタル面に、陶磁器質タイル(小口タイル)を密着張りで張るときの 施工上の留意事項を 2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、下地の調整、張付けモルタルの調合、タイルの割付けに関する記述は除くものとする。

解答例

各留意事項は以下の通りで、これらの中から2つ記述する。

(建築工事監理指針)

①張付けモルタルの下地面に対する塗付けは二度塗りとし、その塗厚さは 5〜8mm(小口タイルなので5mm)とする。

②一度に塗り付ける面積は、3m2以内または30分以内に張り付ける面積とする。

③振動機による加振は、張付けモルタルの周囲から目地部分に盛り上がる状態になるまで行う。

④タイルの張付けは、上部より下部へと行い、一段おきに数段張り付けた後、間のタイルを張る。

⑤タイル張りと同時に目地の押さえを行う場合は、目地からの盛り上がりを十分にとる。

3.鉄筋コンクリート造建物(階高4m程度)に、間仕切壁の軽量鉄骨下地を取り付けるときの 施工上の留意事項を 2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、施工箇所の点検、修正及び墨出しに関する記述は除くものとする。

解答例

各留意事項は以下の通りで、これらの中から2つ記述する。

(建築工事監理指針)

①ランナーは、端部から50mm程度内側を押さえ、間隔900mm程度に打込みピン等で、床・_梁下・上階床スラブ下固定する。

②スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔600mm程度に取り付ける。

③スペーサーは、スタッドのねじれを防止し、振止めを固定するために用いる。

④スタッドは、スタッドの天端と上部ランナーの溝底とのすきまが10mm以下となるように、間仕切り壁の高さに合わせて切断する。

⑤スタッドをコンクリート壁等に取り付ける場合は、端部及び間隔900mm程度に打込みピン等で固定する。

⑥振止めは、床ランナーから間隔1,200mm程度の箇所にフランジ側を上向きにしてスタッドを引き通し、スペーサーで固定する。

⑦溶接した箇所に錆止め塗料を塗布する。

⑧開口部等の鉛直方向の補強材は、床から上階スラブ下(または_梁下)まで伸ばして固定する。

⑨同一壁において壁の高さが異なる場合等、スタッドの高さに高低たある場合は、高い_ほうの部材に適用する。

4.内装床工事において、ビニル床シートを平場部に張り付けるときの施工上の留意事項を2 つ具体的に記述しなさい。

ただし、下地の調整・補修、張付け後の清掃に関する記述は除くものとする。

解答例

各留意事項は以下の通りで、これらの中から2つ記述する。

(建築工事監理指針)

①床シート類は、長手方向に縮み、幅の方向に伸びる性質があるので、長めに切断して仮敷きし、24時間以上放置して巻きぐせをとり、なじむようにする。

②接着剤は、所定のオープンタイムをとり、床シートを張り付ける。

③接着剤は、製造所の指定するくし目ごてを用いて下地面に均一に塗布する。

④湿気のおそれのある床には、エポキシ樹脂系またはウレタン樹脂系の接着剤を用いる。

⑤床シートの張付け後は、表面に出た余分な接着剤をふき取り、45kgローラー等で十分に圧着し、接着面に気泡がの残らないように圧着する。