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1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】
3.施工(躯体工事)
7° コンクリート工事
7-1 コンクリート工事(コンクリートの調合)
下記の正誤を判断せよ。
①計画供用期間の級が標準供用級において、普通ポルトランドセメントを用いる場合の水セメント比の最大値は、65%とする。
◯
[ 解説 ]
計画供用期間の級が標準の場合、コンクリートのワーカビリティ等を確保するため、ポルトランドセメントでは、水セメント比の最大値は65%とする。
普通コンクリートの調合において、水セメント比を低減すると、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
②普通コンクリートの単位水量は、一般に185kg/m3以下とする。
◯
③骨材に砕石や砕砂を使用し、スランプ18㎝のコンクリートを調合する場合、単位水量を185kg/m3以下にするためには、高性能AE減水剤を使用するとよい。
◯
[ 解説 ]
AEコンクリートにすると、凍結融解作用に対する抵抗性の改善が可能となる。
④普通コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に250kg/m3とする。
×
[ 解説 ]
普通コンクリートの単位セメント量は、ひび割れ等の観点からは少ない方がよい。最小値は270kg/m3と定められている。
単位セメント量が過少なコンクリートは、ガサついたコンクリートで、ワーカビリティが悪くなり、水密性、耐久性の低下の原因となる。
⑤単位セメント量が過少の場合、水密性、耐久性は低下するが、ワーカビリティがよくなる。
×
⑥普通コンクリートの調合において、球形に近い骨材を用いる方が、偏平なものを用いるよりもワーカビリティがよい。
◯
⑦細骨材率を大きくすると、所要のスランプを得るのに必要な単位セメント量及び単位水量を減らすことができる。
×
[ 解説 ]
細骨材率を大きく(高く)する(砂利に比べて砂が多い)と、流動性が悪くなるので、セメントペースト(セメント+水)を多く必要とする。(所要スランプを得るには、単位セメント量及び単位水量を多く必要とする。)
⑧粗骨材の最大寸法が大きくなると、所定のスランプを得るのに必要な単位水量は減少する。
×
[ 解説 ]
砕石を用いるコンクリートでは、砂利を用いる場合に比べ、所要のスランプに対する単位水量が大きくなる。
⑨流動化コンクリートのベースコンクリートを発注する場合は、呼び強度、スランプなどの他、スランプの増大量を指定する。
◯
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学科対策 過去問題【 重要ポイント 】
3.施工(躯体工事)
7° コンクリート工事
7-2 コンクリート工事(打込み・締固め)
下記の正誤を判断せよ。
①スランプ18㎝程度のコンクリートの打込み速度の目安は、一般にコンクリートポンプ工法で打ち込む場合、20〜30m3/h程度である。
◯
②外気温が25℃以上であったので、練混ぜから打込み終了までの時間を120分以内となるようにした。
×
[ 解説 ]
練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満で120分。25℃以上で90分とする。
高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練り混ぜから打ち込み終了までの時間は、外気温にかかわらず、原則として、120分を限度とする。
③組骨材の最大寸法が25mmの普通コンクリートを圧送する場合、輸送管の呼び寸法は100A以上とする。
◯
④コンクリートポンプを用いて圧送する場合、軽量コンクリートは、普通コンクリートに比べてスランプの低下や輸送管の閉そくが起こりにくい。
×
[ 解説 ]
軽量コンクリートは、圧送すると軽量骨材が圧力吸水し、スランプの低下や輸送管内の閉そくが起こりやすい。
また、人口軽量骨材は、吸水性が大きいので、十分吸水(プレソーキング)させたものを使用する。
⑤コンクリートの圧送負荷の算定において、ベント管1箇所当たりの水平換算長さを3mとして計算した。
◯
⑥水平打継ぎ部分は、十分に散水して湿潤状態とするが、水が残っている場合は取り除く必要がある。
◯
⑦梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は、梁及びスラブの端部に設けた。
×
[ 解説 ]
壁・梁及びスラブなどの鉛直打継ぎ部は、欠陥が生じやすいので、できるだけ設けないほうがよい。やむを得ず設ける場合は、構造部材の耐力への影響の最も少ない位置とし、梁、床スラブ・屋根スラブの鉛直打継ぎ部は、スパンの中央または端から1/4付近に設ける。
⑧コンクリート内部振動機(棒形振動機)の挿入間隔は、有効範囲を考慮して60㎝以下とする。
◯
⑨コンクリート内部振動機(棒形振動機)で締め固める場合、一般に加振時間を1か所60秒程度とする。
×
[ 解説 ]
コンクリート内部振動機(棒形振動機)で締め固める場合、過剰加振による材料分離防止上、加振時間は、1か所 5〜15秒の範囲とするのが一般的である。
⑩コンクリート1層の打ち込み厚さは、コンクリート内部振動機(棒形振動機)の長さを考慮して60㎝以下とする。
◯
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学科対策 過去問題【 重要ポイント 】
3.施工(躯体工事)
7° コンクリート工事
7-3 コンクリート工事(養生)
下記の正誤を判断せよ。
①打込み後のコンクリート面が露出している部分に散水や水密シートによる被覆を行うことは、初期養生として有効である。
◯
②コンクリートが硬化後に所要の性能を発揮するためには、硬化初期の期間中に十分な湿潤養生を行う。
◯
[ 解説 ]
連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は、コンクリートの凝結が終了した後に行う。
③打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。
◯
④湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合は、普通ポルトランドセメントを用いた場合より短くすることができる。
◯
[ 解説 ]
コンクリートは早強ポルトランドセメントを用いた場合は、普通ポルトランドセメントを用いた場合より湿潤養生の期間を短くすることができる。
湿潤養生を打ち切ることができる圧縮強度は、早強と普通ポルトランドセメントは同じで、例えば、計画供用期間の級が短期及び標準の場合で10N/m2以上である。(ただし、部材厚さが18㎝以上の場合。)
⑤膜養生剤を散布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生は、ブリーディングが終了した後に行う。
◯
⑥普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない期間は、コンクリートの打込み後3日間である。
×
[ 解説 ]
普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの打込み後5日間は、乾燥、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。
⑦大断面の部材で、中心部の温度が外気温より25℃以上高くなるおそれがある場合は、保温養生により、温度ひび割れの発生を防止する。
◯
⑧コンクリート打込み後2日間は、コンクリートの温度が2℃を下がらないように養生しなければならないと定められている。
×
[ 解説 ]
寒冷期のコンクリートの温度は、打込み後5日間以上は、2℃以上に保たなければならない。
⑨寒中コンクリートで加熱養生を行う場合は、コンクリートに散水をしてはならない。
×
[ 解説 ]
寒中コンクリートで加熱養生を行う場合、コンクリートの水分の蒸発が促進されるので、乾燥しないように散水等によって保温する。
1級建築施工管理技士 実戦 コンクリート工事1
①どうしたらコンクリートの調合ミス・発注ミスを防げるか?
コンクリートの調合ミスや発注ミスは、建物の構造強度や品質に大きく関係する。
昨今、経済性を過度に追求するあまり、同じ建物で細かく強度を変えた設計が見受けられる。
これは事前にチェックを受けることによってミスを防止できる。そのためには、図面を確認できる力が必要である。
施工時期によっては温度補正値の調整が加わるため施工部位によってはスランプを変える必要が生じ、最終的な調合パターン数はかけ算的に増えていく。
同じ現場で十数種類の調合計画を行うケースが発生することもある。
こうなると、人手不足の現場では手が回らなくなり自然に難題から遠ざかりがちになり、ひいては、調合ミス・発注ミスにつながる。
この場合、手がまわらないので、現場担当者は、資格をもったコンクリート主任技士によって、調合計画、施工計画、発注管理、受け入れ管理、施工管理を支援してもらう必要がある。
とはいえ、施工管理者自身もコンクリートに対して日頃の勉強を怠ってよいことではない。
コンクリートの誤発注は日常的に起こりうるミスであるが、施工管理技術者が適切な管理ポイントを押さえ、十分な管理体制で臨む必要がある。
②いかに丈夫なコンクリートを作るか
コンクリートのクレームの中で最も多いのは、ひび割れに関するものである。
これは、ほとんどの建設会社の補償工事の中で同様に見受けられる。
コンクリートがセメント水和反応の過程で硬化し収縮することはさけられない
収縮と同時にコンクリートにひび割れが発生する。
近年は建築施工技術の進歩により、コンクリートの収縮によるひび割れ防止には種々の対策がとられるようになった。
(例)
①鉄筋による補強
②水セメント比を下げた硬練りコンクリートの採用
③収縮の少ない中庸熱ポルトランドセメントを使用したコンクリートの使用
④フライアッシュを混入する方法
⑤膨張材を入れて収縮を防ぐ方法
⑥ひび割れを目地によりコントロールする方法
⑦急激な初期乾燥を防ぐための養生により収縮を分散させる方法
⑧硬化に必要な水以外の不要な水を真空装置で吸い取る方法など
③いかに適正な材料を選ぶか
2008年関東地区で、すでに完成後の某マンション工事の際、コンクリートのアルカリ骨材反応による自然爆裂が発生し、大きな問題になった。
その原因は、コンクリートの骨材の中に膨張性のある骨材が混じったことによるものであった。
建物が完成後もしくは完成間近にこのような自然由来の問題が発生すると、建設会社にとって大きな損失となる。
骨材に関して塩分も大きな被害になることがあるが、コンクリートの品質的な部分を分業化して、アウトソーシングしたとしても、建設会社はその最終責任を免がれることはできない。
それらの事故を分析すると、現場担当者にとって骨材の品質管理がいかに重要な事項か認識できる。
製造プラントと連携して骨材を選定し、その品質を十分確認することは建設施工管理者の重要な役割である。