学科 施工(躯体工事)型枠工事 6-1 型枠工事(工法・施工)

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
6° 型枠工事

6-1 型枠工事(工法・施工)
下記の正誤を判断せよ。

①スラブ型枠の支保工に用いる鋼製仮設梁のトラス下弦材の中央部をパイプサポートで支持した。

答え

 ×

[ 解説 ]
スラブ型枠の支保工に用いられる鋼製仮設梁は、ラチス構造であり、トラス弦材には支点がないので、両端の支点以外のところには支柱を立ててはならない

②コンクリート表層部をち密にするため、余剰水の排出ができるように透水型枠を採用した。

答え

 ◯

③型枠の組立ては、これらの荷重を受ける下部のコンクリートが有害な影響を受けない材齢に達してから開始する。

答え

 ◯

④支柱として用いるパイプサポートの高さが3.5mを超える場合、水平つなぎを設ける位置は、高さ2.5m以内ごととする。

答え

 ×

[ 解説 ]
支柱にパイプサポートを用いる場合、高さ3.5mを超える時は、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、水平つなぎの変位を防止する。


支柱にパイプサポートを2本継いで用いる時は、4以上のボルト又は専用の金具を用いて継ぐ。

⑤支柱として鋼管枠を使用する場合、水平つなぎを設ける位置は、最上層及び5層以内ごととする。

答え

 ◯

[ 解説 ]
・支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の3/4の値のうち、いづれか小さい値の2/3の値以下とする。

・支柱として鋼管枠を使用する場合、1枠あたりの許容荷重は、荷重の受け方により異なる。

⑥支柱として用いる組立て鋼柱の高さが4mを超えるので、水平つなぎを設ける位置は高さ4mごとにした。

答え

 ◯

[ 解説 ]
型枠支保工の支柱に鋼管の枠組を用いる場合、荷重の枠組の荷重受などを利用して脚注部で直接受け、枠組の横架材で受けないようにする。

⑦コンクリート表面に残る丸型セパレータのねじ部分は、ハンマーでたたいて除去した。

答え

 ◯

⑧柱型枠の組立てにおいて、型枠の制度の保持を目的のひとつとして、足元は桟木で固定した。

答え

 ◯

⑨柱型枠の組立てにおいて、セパレータ端部にコラムクランプを取り付け、せき板を締め付けた。

答え

 ×

[ 解説 ]
コラムクランプは独立柱に用いられる特殊金物で、四方から締め付け、くさびを用いて外側から固定するもので、セパレーターと組合わせて用いることはない

学科 施工(躯体工事)型枠工事 6-2 型枠の設計等

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
6° 型枠工事

6-2 型枠の設計等
下記の正誤を判断せよ。

(型枠の設計)
①合板を型枠に用いる場合は、方向性による曲げヤング係数の低下を考慮する。

答え

  ◯

②型枠設計用のコンクリートの側圧は、打ち込み速さにかかわらずフレッシュコンクリートのヘッドにより決まる。

答え

 ×

[ 解説 ]
型枠にかかるコンクリートの側圧は、打込み速さ、コンクリートの単位容積質量、コンクリートの打込み高さにより決まる

③パイプサポートを支保工とするスラブ型枠の場合、打込み時に支保工の上端に作用する水平荷重は、鉛直荷重の5%とする。

答え

 ◯

④コンクリートの施工時の側圧や鉛直荷重に対する型枠の各部材それぞれの許容変位量は、3mm以下とする。

答え

 ◯

⑤型枠の構造設計において、支保工以外の材料の許容応力度は、長期を短期の許容応力度の平均値とする。

答え

 ◯

⑥型枠合板の構造計算に用いる材料の許容応力度は、短期許容応力度とする。

答え

 ×

[ 解説 ]
型枠合板の構造設計に用いる材料の許容応力度は、長期許容応力度と短期許容応力度の平均値とする

(型枠の存置期間)
⑦せき板の最小存置期間は、基礎、梁側、柱及び壁ではそれぞれ異なる。

答え

 ×

[ 解説 ]
基礎、梁側、柱及び壁のせき板存置期間同じで、計画供用期間の級が短期及び標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が5N/mm2以上に達したことが確認されるまでとする。最小存置期間は、同じである。

⑧スラブ下の支柱を早期に取り外す場合、コンクリートの圧縮強度が、設計基準強度の85%以上、又は12N/mm2以上であり、かつ、施工中の荷重及び外力について、構造計算により安全であることを確認する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
スラブ下支柱存置期間は、コンクリートの圧縮強度が告示では設計基準強度の85%以上、JASS5では100%又は12N/mm2で、かつ、施工中の荷重、外力について、構造計算で安全が確認されるまでである。

実戦4 型枠工事1

1級建築施工管理技士 実戦 型枠工事1

①躯体図(コンクリート施工図)

躯体図は、一般的にはコンクリート施工図、型枠施工図とも呼ばれていて、コンクリートの最終形状を表し、型枠工事の基本となる図面である。
本来は、所長もしくは次席のものが自ら作図して、頭の内部に躯体のおさまりを
すみからすみまで入れることが望ましいが、一般的には、専門の作図担当者が作図していることが多い。

躯体図は意匠図、構造図、仕様書、施工計画などから必要情報を抜き出し、
組み合わせて最終形とする。

したがって、
①それぞれの設計図書の齟齬と干渉チェック
②ほかの工事との寸法調整
③施工に必要な情報
も加え、実際現場で施工する各専門業者に、正確な情報を図面にして伝えるなどの重要な意味をもつ。

ゆえに、符号や寸法の間違いは許されず、設計者はもちろん構造や設備のエンジニアにも確認の義務があり、承認の責任がある。
承認後は、各ファブや、サブコンにもこの躯体図が渡され、おのおのの工作図との整合性が図られるため、寸法的な意味合いはきわめて重要で、真の設計図ともいえる。

また、建築施工管理者としては小さい工事であれば、その施工図面の作成を自ら行うことが必要である。

躯体図を自ら作成するためには、意匠図と構造図の整合性を確認し、次に設備図中の躯体取合い部の情報を収集し、把握する。

最近のCADソフトは、手順にのっとってこれらの情報を入力すれば、かなりの部分の作図が自動的に行える。
その作業や設計者との打ち合わせまでも専門のスタッフにすべて任せていては、基本となる各所の寸法が記憶されないために、現場での十分な指導ができない。
したがって、躯体図の作成および設計者との打ち合わせの作業は、きわめて重要な建築施工管理者の仕事なので、常にリーダーシップをとるように心がけ、議事録の把握、躯体図のチェックは建築施工管理者が自ら行うべきである。

材料発注計画

鉄筋コンクリート工事の中で、もっとも工事費の割合が大きく、多くの仮設材料を使用する工事は型枠工事である。
コンクリート工事が終われば、型枠材料は不要になり廃棄される。
したがって自然保護を考え、天然の材料はできるだけ減らし、鋼製型枠の利用を採用することも考える。

型枠工事計画を策定するにあたり、いかにして転用効率を上げ、投入材を減らし、面材の材料選定も吟味し、廃材を出さない方法をとる、ということも大事な視点である。

鋼製型枠、アルミ型枠、表面強化合板などがある。

コンクリート見下げ図の重要性

コンクリートを打設する前の準備として、大切なことに、打設する範囲の「見下げ図」を必ず作成する必要がある。
見下げ図の本来の目的は、コンクリート工事施工の完成形が見えることで、関係者全員に情報の共有ができることである。

その図面には
①差し筋の位置と種類
②床勾配と排水管の位置
③床の段差と逃げ寸法
④コンクリート天端の押さえの種類
などの必要な情報を詳しく記入し、配筋検査の道具としても使用する。

この作業手順による見下げの躯体図作成と確認があって初めて、最終段階でのミスが防げる。
見下げの躯体図は、コンクリート打設当日の作業の指示書としても使用できるので、一石二鳥である。

もし、現場マンが見下げの完成形図の作成に取り組めば、作成中に図面の不整合を発見でき、不具合の未然防止ができる。

例えば、上の階との柱や壁の位置や大きさなどの矛盾があれば、コンクリート打設までに十分修正が可能なのである。

型枠工事期間中、それまで用意周到に準備してきても、最終段階でミスを犯すと、今までのプロセスすべての信用を失う。
それが、コンクリート工事の特徴であり、厳しさである。

実戦5 型枠工事2

1級建築施工管理技士 実戦5 型枠工事2


杉板の本実工法

打放し型枠工法には、ベニヤ合板と本実板とがあるが、杉板の本実型枠コンクリート打放し仕上げは、もっとも管理が難しい型枠工法の一つである。
コンクリート壁の型枠として杉板もしくは檜板を使用するので、木目をコンクリートに転写させるための工夫を求められる。
また、杉板の選定・前処理・加工・建込み方・打設時の技量など、もっとも高い技術が要求される。特に、杉板は自然素材であるため、木材がもつ性質やアクがコンクリートに影響しないように、入念な準備と選定が要求される。
更に、コンクリート打設までに雨などで濡らさないように、施工時期と雨養生に特に注意を払う必要がある。

①杉(檜)材面材の選定とコンクリートの調合

現場マンにとって、型枠工事の担当をすることは、最高の学びの機会である。
鉄筋コンクリート工事と型枠工事は、もっとも関係が深く、型枠工事を語らずして、コンクリート工事は語れない。
その中でも、杉板本実型枠コンクリート打放し仕上げは、もっとも高い技量を要する。
工法の成功のためにもっとも大切なことは、施工計画をきちんと立案することであり、そのためには必要な調査を含めて関係者との打合わせ・施工方法の確認などの調査を十分に行い、自分なりに大切な管理ポイントを把握することが大切である。
杉(檜)面材は、赤身の強い部分は使用せず、十分な自然乾燥をしたものを選ぶ。
そして、石灰水によるアク出しを行うことで、コンクリートの凝結に配慮する。
コンクリートの調合は試験練りを行って決定するが、充填性を考慮すれば、スランプは18~21㎝が望ましい。
セメントを指定される場合があるが、その際には、今までの実績と問題点をあらかじめ調査しておく。

美しい転写とシャープな感じを出すための工夫

杉板の本実型枠コンクリート打放しの狙いは、コーティングしたベニヤ板の時と比べて、杉の木目がコンクリートに転写することで、木目の柔らかな表情を醸し出すところにある。
したがって、木目の転写が美しくきれいに仕上がるには、「コンクリートの凝結水を逃がさない」ことが、もっとも大切である。

そのためには、まず十分乾燥した材料を使用し、木材のねじれを防止する。

更に、出隅、入隅のコーナー部や型枠の足元から凝結水が逃げ出さないように留意する。

特に足元は濡れやすいので、隙間にはテープなどを張って凝結水の流出防止に努める。
その他、型枠工事作業では、施工要領書に沿った、型枠大工の注意深い施工も求められる。
そして、コンクリート打設においては、コールドジョイントを作らないような打設順序が大切であり、コンクリートが十分鉄筋と型枠の間に回るように、必要以上のかぶりを確保することが大切である。

杉板本実コンクリートの型枠の脱型時期は、木目を美しくコンクリートに転写させるために、通常より長めにとる。

何日間型枠を存置させるかは、JASS-5の規定に加えて決定する必要がある。
シーズンによって異なるが、夏場では5日、冬場では7日以上を確保したい。

いずれにしても、施工計画書に基づき、実物材のモックアップを実施し、打上がりの色や転写の具合、そしてエッジの出来上がりと型枠存置期間の関係などを確認し、「計画書の修正」を行うなど用意周到に行うことが望ましい。

きれいな素肌を長く維持するための対策

打放しコンクリート表面に塗布する浸透性吸水材には、コンクリートの中性化を抑制し、表面の吸水を抑えてカビの発生を遅らせる効果がある。
コンクリートは、アルカリ性であるが、内部の鉄筋が長期間の空気にさらされ、コンクリートの中性化が進み、その結果、内部の鉄筋が錆びるようになってくる。
その錆でコンクリートが爆裂し、躯体の強度が弱くなり建物全体の寿命が短くなる。といった中性化の問題がある。

浸透性吸水材には、その中性化を遅らせるねらいがある。
打放しコンクリート表面に塗布する浸透性吸水材には、いくつかの種類があるが、それぞれ耐用年数と値段の関係で大別する。

①シリコン系の浸透性吸水防止材:耐用年数は5年程度
②アクリルシリコン系の浸透性吸水防止材:耐用年数は10年程度
③フッ素系の浸透性吸水防止材:耐用年数は10〜15年程度