1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理

実地 施工管理 攻略法

ネットワークの計算
(1)ネットワークの製作
(2)最早開始時間(EST)の計算
(3)最遅終了時刻(LFT)の計算
(4)余裕(フロート)の計算
(5)クリティカルバスと重点管理作業

ネットワークの利用
(1)山積み・山崩し
(2)日程短縮とエキストラコスト

品質管理の手順
ヒストグラム    管理図
チェックシート 特性要因図
パレート図 相関図(散布図)

演習問題01
問題1 事務所ビル(RC造)
問題2 事務所ビル(RC造5F建)
問題3 事務所ビル(RC造B1,6F建)

演習問題02
問題4 LFT、ESTの計算とCP
問題5 ネットワークの計算 LFT、EST、FF、山崩し
問題6 ネットワークの製作

演習問題03
問題7 ネットワーク・所要工期・TF・FF・工期短縮
問題8 ネットワーク・EST・LST・TF・工期短縮
問題9 ネットワーク・CP・所要工期・FF

演習問題04
問題10 ネットワーク工程表・TF・CP
問題11 ネットワーク工程表・TF・FF・フォローアップ

演習問題05
問題12 ネットワーク工程表の特徴
問題13 ネットワーク工程表・TF・FF・山積み

演習問題06
問題14 品質管理の手法(QC7つ道具)
問題15 品質管理 試験 検査
問題16 品質管理 特性要因図

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【ネットワークの計算】

ネットワークの計算

(1)ネットワークの製作

ネットワークの製作例として、場所打ち杭の施工を考える。

作業A:準備工事2日
作業B:掘削工事5日
作業C:鉄筋工事3日
作業D:コンクリート工事2日
作業の順序は、下記(a)を(b)のように表現する。


作業の開始と終了のとき付ける◯印をイベントという。

→ をアロー(矢線)といい、矢線の上に作業名、下に所要日数を書く。
このイベントと矢線と作業名、所要日数をまとめてアクティビティという。

上記の手順書のとおりにアクティビティを用いて表すと下記のようになる。


アクティビティの連結

イベントの◯の中に、流れの方向に従って、イベント番号1、2、3、4と数字を入れると下記のようになる。

イベント番号の記入.jpg
イベント番号の記入

ところで、ネットワークは、コンピュータ処理をするため、作業名を表示するとき、
作業Aは ① ー ②
作業Bは ② ー ③
作業Cは ② ー ③
作業Dは ③ ー ④
のように表す。

ところが、作業B、Cともに② ー ③と表され、コンピュータは作業Bと作業Cを
区別できなくなる。

このため、作業時間0の仮想の作業であるダミーを挿入し、作業BとCを下記のように分離する。このときのダミーは点線を持つ矢線で作業日数は0と表す。

ネットワークの完成.jpg
ネットワークの完成

この結果、各作業は、
Aは ① ー ②
Bは ② ー ③
Cは ② ー ④
Dは ④ ー ⑤
のように表される。

これが、場所打ち杭のネットワークである。
作業の前後関係は、次のように示す。

①後続作業:
作業Aの後続作業は作業BとCである。
作業BとCの後続作業は作業Dである。

②先行作業:
作業Dの先行作業はBとCである。
作業B、作業Cの先行作業は作業Aである。

③並行作業:
作業Bと作業Cは並行作業である。


(2)最早開始時刻(EST)の計算

各作業が何日目以降開始できるかの時刻を求めることを最早開始時刻(EST)の計算という。

最終の作業Dが終了するときが工期と等しい。

最早開始時刻の計算は、次の手順より求める(実際に自分でイベント番号順に計算してみることが大切である。)と下記のようになる。

最早開始時刻の計算.jpg
最早開始時刻の計算

①全イベントの右上に□を表示する。(形は□でなくても、何でもよい)

②最初のイベント①の□に0を記入し、最初の作業Aの最早開始時刻とする。

③イベント番号の若い順に、□(最早開始時刻)と所要日数との和を記入する。
これが各作業の最早開始時刻となる。
(①→②→③→④→⑤の順に計算する)

④2本以上の矢線がイベントに流入するときは、そのうちの最大値(max)を最早開始時刻とする。こうして計算した、最終イベントの最早開始時刻[ 10 ]が工期となる。

このことを、計算によって示すと上記ネットワークのようになる。

次に、試験に出題される程度のネットワークの工期を求める計算例を示す。

工期の計算.jpg
工期の計算例

(3)最遅終了時刻(LFT)の計算

遅くても作業を開始しなければ工期内に工事が完成しない時刻を求めることを最遅終了時刻(LFT)の計算という。

場所打ちコンクリート杭のLFTの計算.jpg
最遅終了時刻の計算

上記より考察すると、最遅終了時刻の計算は、次の手順により求める。
(この計算がしっかりできるとネットワークの計算はほぼ終了する)

①全イベントの右上の□の上に◯を表示する。(◯印でなくてもよい)

②最終イベント⑤の□の工期の値を◯に記入することから始める。

③イベント番号の古い順とし、◯(最遅終了時刻)から所要日数を引算して、
前のイベントの最遅終了時刻とする。(⑤→④→③→②→①の順に計算する)

④1つのイベントから2本以上の矢線が流出しているとき、そのうちの最小値(min)を最遅終了時刻とする。まず、⑤のイベント最遅終了時刻を10日にする。

上記は、場所打ち杭の施工の最遅終了時刻の計算例である。

(2)で求めた最早開始時刻計算のすんだネットワークにおいて、各作業の最遅終了時刻を求めると下記のようになる。

最遅終了時刻の計算.jpg
最遅終了時刻の計算

(4)余裕(フロート)の計算

工期に遅れずに、作業の開始を遅らせることのできる日数を、その作業の全余裕という。(TF:トータルフロート)

また、全余裕には、その作業だけに有効な自由余裕(FF:フリーフロート)と、
その作業で遅らせなければ次の作業に持ち越せる独立余裕
(DF:ディペンデントフロート)があり、TF= FF + DF の関係がある。

余裕の計算は、最早開始時刻と最遅終了時刻の計算が終了したあと、
イベント番号に関係なく、どの作業からでも行える。

このときの計算方法は次のようである。

今、作業Qについて、TF、FF、DFを計算すると下図のようになる。

①全余裕(TF)は作業Qを最早開始時刻 [ 6 ]で始め、最遅終了時刻⑭で終了するときの余裕。

TF = ⑭ ー ([6]+3) = 5日

②自由余裕(FF)は作業Qを最早開始時刻 [ 6 ]で始め、次の作業 R の最早開始時刻 [ 11 ] で開始するときの余裕。

FF = [ 11 ] ー( [ 6 ] + 3 ) = 2日

③独立余裕(DF)は、全余裕と自由余裕の差で表される余裕。

DF = TF ー FF

TF,FF,DFの計算.jpg
TF、FF、DF の計算

(5)クリティカルバスと重点管理作業

クリティカルパスは、ネットワークの各作業の全余裕日数 TF が [ 0 ] の作業を結んでいった経路(パス)のことで、ネットワークのなかで、最も時間のかかるパスのことをいう。

この経路上の各作業は、すべて余裕がないので、重点管理作業をいう。

下記に、場所打ち杭のクリティカルパスの色を太線で示し、重点管理作業 A、B、Dを示す。

クリティカルパスと重点管理作業0.jpg
クリティカルパスと重点管理作業

次に、クリティカルパスの重点管理作業の計算例を示す。

クリティカルパスと重点管理作業.jpg
クリティカルパスと重点管理作業

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【ネットワークの利用】


ネットワークの利用

ネットワークの計算は、一般に、工程計画の資源の平滑化をするために、山積み・山崩ししたり、日程を経済的に短縮するために利用される。

下記のネットワーク工程について考える。

(1)山積み・山崩し

ネットワーク0.jpg
ネットワーク

①山積みは、上記のネットワークの計算が終了したあと、次の手順で行う。

山積み・山崩し.jpg
山積み・山崩し

(a)
上記図において、工期を横軸に展開し、この横軸上にネットワークの作業日数と余裕を(同図(a))のように示す。これをタイムスケールで表示するという。(〜〜〜波形は余裕)

(b)
まず、クリティカルパス C、D、E上の資源を各作業の順に山積みし、網掛けをつけて動けないことを表す。(同図(b))

(c)
次に、余裕のある作業A、Bを最早開始時刻(左につめて記入)で山積みする。このとき、最大人数9人、最小人数2人である。(同図(c))

②山崩し(平滑化)
(a)
作業A、作業Bはそれぞれ5日と3日の余裕があり、この余裕の範囲なら、どの日に作業してもよい。作業は1日単位で取り扱えるので、1つの作業を2つに分割して考えてもよい。
(同図(d))

(b)
作業Aは、1日目と7、8、9日目の合計4日で行い、作業Bは2、3、4日の3日間で行うと、最大人数7人、最小人数5人となり平滑化される。
(同図(e))

(2)日程短縮とエキストラコスト

日程の短縮は、フォローアップの場合や、発注者からの要請により行われることが多い。このとき、最小費用(えきすとらコスト)で短縮することが必要である。この日程を短縮するには、各作業の短縮可能日数と短縮に必要な短縮費用(コストスロープ=(特急費用 ー 標準費用)÷ (標準時間 ー 特急時間))を計算しておくことが必要である。

一般に日程短縮は、単独作業の区間と、並行作業の区間とに分けて考える。このとき、並行作業の区間では、一本の経路だけでなく、並行する経路の日程も同時に、コストスロープの小さい順に短縮していくことが最も大切な点である。

ネットワーク1.jpg
ネットワーク

①場所打ち杭の施工のネットワークの日程短縮の例(上図)のように、Ⅰ、Ⅲの単独作業区間と、Ⅱの並行作業区間に分けて考える。

下記表に、各作業の短縮可能日数と短縮費用を示す。

短縮費用1.jpg
短縮費用

このネットワークをタイムスケールで表示すると下記のようになり、各作業1日ごとの短縮可能日の下に、各作業の尾部から順に短縮費用を記入する。このとき、作業Bの余裕〜〜の部分は短縮しても費用はかからない。

エキストラコスト.jpg
エキストラコスト ×:短縮できない日

次に、各1日ごとにコストスロープを求めると、上図のように、4日間短縮できて、その費用(エキストラコスト)は小さい順に合計すると、
2 + 2 + 5 + 6 = 15万円
である。

②下記ネットワークにおいて、10日間の日程を短縮する例:各作業の短縮可能日数と短縮費用は下記表にようである。

ネットワーク2.jpg
ネットワーク

短縮費用2.jpg
短縮費用

試験に出題される日程短縮の場合、クリティカルパス(最長経路)は容易に見つけれるので、いきなり下記図のように、区間別にタイムスケールを描くことができる。

ネットワーク3.jpg
ネットワーク

(a)区間Ⅰの短縮費用:1日15万円で2日間が可能で、15、15が短縮費用となる。

(b)区間Ⅱの短縮費用:作業B、D経路に5日、作業F経路に10日の余裕がある。

(ⅰ)
作業B、Dの経路では、5日間のフロートで5日間の短縮費は無料、作業Bは4日で各10万円、作業Dは3日で各20万円となり、コストスロープは小さい順に、
0, 0, 0, 0, 0, 10, 10, 10, 10, 20, 20, 20
となる。

(ⅱ)
作業C、Eの経路では、余裕がないので、短縮すると作業Cは5日で各6万円、作業Eは5日で各10万円だから、コストスロープは小さい順に、
6, 6, 6, 6, 6, 10, 10, 10, 10, 10
となる。

(ⅲ)
作業Fの経路は、余裕が35日あり作業Fは1日短縮でき5万円である。
コストスロープは小さい順に、
0, 0, 0, 0, 0, 0, 0, 〜, 0, 5
となる。

区間Ⅱでは、この三者を同時に短縮すると考えると、3経路のコストスロープの小さい順に並べて下記表のようにし、短縮費用を求めえればよい。

短縮費用3.jpg
区間Ⅱのコストスロープ(短縮費用)

このように、並行作業のあるⅡの区間は、各経路別にコストスロープを求め、並行作業がいづれも短縮可能なときに短縮費用を計算する。

(c)区間Ⅲの短縮費用:1日10万円で2日短縮可能、10、10がコストスロープである。

(d)以上のⅠ、Ⅱ、Ⅲの区間のコストスロープの最小値から短縮すればよい。下記表のようになり、これを10日間、小さい順に短縮するとよい。作業Cは5日、作業Gは2日、作業Aは2日、作業BとEを1日を1日を短縮して、
6 + 6 + 6 + 6 + 6+ 10+ 10+ 15+ 15+ 20
=100万円
がエキストラコストとなる。

コストスロープ.jpg
区間Ⅰ、Ⅱ、Ⅲのコストスロープ

以上の計算に慣れると、ネットワークから容易に短縮費用が求められる。

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【品質管理の手順】

品質管理の手順

品質管理の7つの道具を用いて、品質管理を行う。

ヒストグラム:製品の良否の判定

管理図:工程の正常、異常の判定

チェックシート
データのばらつきを早期につかみ、早急に現場での対策を立てるときに用いる。
下記のようなチェックシートによって、レミコンの荷卸しの所要時間を40分台で管理できるようにするなどを改善するための資料となる。

荷卸しのチェックシート.jpg
荷卸しのチェックシート

特性要因図:
墜落災害の原因などを追求するために描かれた魚の骨のような図。

特性要因図.jpg
特性要因図

パレート図
工事の費用の削減の目標を設定するときなどに用いる。経費の累計を求め、出費の多い順に並べたもので、型枠工の経費圧縮が、この場合最も合理的である。

パレート図.jpg
パレート図

相関図(散布図):2つのデータの間の関係を示すもので、で、スランプ値と強度などの関係は、負の強い相関があるといえる。

相関図(散布図).jpg
相関図(散布図)

層別分布図
原因となる要素別に分類して整理する図。

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【 演習問題01 】 

【 演習問題01 】

問題1

鉄筋コンクリート造の一般的な事務所ビルの建設における下記の工程表に関し、次の問に答えよ。

[ 1 ]
表中のA及びBに該当する主要な作業名を1つずつあげよ。

[ 2 ]
終了日が工程上最も不適当な作業名を表の中より選び、適当な工程となるようにその終了の期日を旬日で定めよ。

[ 3 ]
建物の正面は方立て方式のカーテンウォールであるかが、工程は未記入となっている。1次ファスナーの躯体打込み後、本体工事(ガラス及び主要なシーリングを含む)を連続して施工する場合の適当な開始及び終了の期日の旬日で定めよ。

問1.工事工程表.jpg


解答例・解説

[ 1 ]
表中のA、Bの作業名をあげる。
作業A:構台解体
作業B:埋戻し

[ 2 ]
不適当な作業名をあげ、その工事名の終了の期日を旬日で示す。

作業名:外部足場組立解体 1F〜5F
終了日:11月上旬(外壁タイル 1〜5F終了後)

[ 3 ]
一次ファスナーの躯体打込み後、本体工事を連続施工するとき、方立て方式のカーテンウォールの工程を記入する。
ファスナーは躯体に取付ける金具でアングル型をしたものである。アングル型ファスナーを躯体のスラブに打込み固定し、このファスナーに鉛直外面部材(方立て)を取付ける。この方立てにサッシを取付けるものである。

作業開始; 9月上旬
作業終了:10月中旬

問題2

市街地での事務所ビルの建設工事における下記の工程表に関し、次の問いに答えなさい。

ただし、構造規模は、鉄筋コンクリート造地上5階建、延べ面積 2,500m2とし、外壁仕上げは、1階4面は石張り、2階から上部はすべてタイル張りとし、石張りとタイル張りの見切りには金属製のボーダーを設けるものとする。

なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述せよ。

[ 1 ]
表中のA及びBに該当する作業名をあげよ。

[ 2 ]
作業の開始日が工程上、最も不適当な作業名を表の中より選び、適当な工程となるようにその開始日を旬日で定めよ。
ただし、その作業の期間は正しいものとする。

[ 3 ]
外壁タイル張りの作業工程は未記入となっている。外壁タイル張り作業の最早開始日及び最遅終了日の期日を旬日で定めよ。

問題2.工事工程表.jpg


解答例・解説

[ 1 ]
表中のA、Bの作業名をあげる。
A:杭頭処理
B:土間コンクリート工事

[ 2 ]
作業開始日が工程上、最も不適当な作業名を選び、適当な工程となるよう、その開始日を旬日で定める。
作業名:外部建具取付工事
適当な開始日:6月上旬
外壁コンクリート打設終了後に開始できる。

[ 3 ]
外壁タイルの作業工程
最早開始日:7月中旬
最遅終了日:8月下旬

問題3

市街地での事務所ビルの建設工事における工程表に関し、次の問いに答えよ。なお、解答の旬日は、上旬、中旬、下旬で記述せよ。

[ 工事概要 ]
構造・規模:
鉄筋コンクリート造、地下1階建、地上6階建
延べ面積 3,000m2

山留め:
親杭横矢板工法で外部型枠兼用
(片面型枠となる)とし、
親杭は引き抜かないものとする。

仕上げ:
建物正面は全面アルミカーテンウォール、
他の面はコンクリート打ち放しの上、
複層仕上塗材仕上げとする。

1.表中のA及びBに該当する作業名をあげよ。

2.作業の終了日が、工程上最も不適当な作業名を表中より選び、適当な工程となるようにその終了日を旬日で定めよ。
ただし、その作業の期間は正しいものとする。

3.内装工事の床仕上げ(主にビニル床シート張り)作業工程は未記入となっている。適当な工程となるように床仕上げ作業の開始日及び終了日の期日を旬日で定めよ。

問題3.工事工程表.jpg


解答例・解説

[ 1 ]
表中のA及びBに該当する作業名をあげる。
A:2次根切・床付
B:屋上防水

[ 2 ]
作業の終了日が最も適当でない作業名をあげ、適当な工程の終了日を旬日で定める。
作業名:カーテンウォール取付け
適正終了日:9月上旬

[ 3 ]
ビニル床シート張り仕上げの開始日及び終了日
開始日:10月上旬
終了日:11月中旬

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【 演習問題02 】

【 演習問題02 】

問題4

図のネットワークで示される工程表について、次の問に答えよ。
ただし、図において矢線の上段は作業名、下段は所要日数を示す。又、各作業の短縮可能日数、及び1日短縮に要する増加費用は下表のとおりである。

問題4.ネットワーク.jpg

問題4.短縮日数.jpg

[ 1 ]
作業Hの最早開始時刻(EST)を求めよ。

[ 2 ]
作業Gのトータルフロート(TF)を求めよ。

[ 3 ]
最小の増加費用で、所要工期を4日間短縮するには、その作業を何日短縮すればよいか。又、その時の増加費用がいくらになるかを求めよ。


解答例・解説

最早開始時刻と最遅終了時刻の計算とクリティカルパス

問題4.解答ネットワーク.jpg

[ 1 ]
作業Hの最早開始時刻:[ 23 ] → 23日

[ 2 ]
作業Gのトータルフロート
TF = ㉓ ー([12 ] + 7 )= 4日

[ 3 ]
4日日程を短縮すると、クリティカルパスも4日間短縮する。各作業の1日当たりの短縮費用、トータルフロート(TF)のある作業には波線~~で示すと次のような図となる。TFのある作業は短縮費用 0 万円である。

問題4.解答短縮日数.jpg

4日間(①~④を)短縮すると
・作業Fを2日 10万円
・作業Bを2日 16万円
以上より合計、26万円となる。

問題5

図のネットワークで示される工事について、次の問に答えよ。
ただし、矢線の上段は作業名、下段は所要日数、( )内の数字は1日当たりの作業人員数を示す。

問題5.ネットワーク.jpg

①作業Kの最遅終了時刻(LFT)を求めよ。

②作業Kの最早開始時刻(EST)を求めよ。

③作業Hのフリーフロート(FF)を求めよ。

④工期を変えずに③~⑦の作業期間で山崩しを行い、1日当たりの最大作業人員をできるだけ少なくすると、その人数は何人になるか。また、最大作業人員での作業日数は何日になるか。


解答例・解説

ネットワークの計算:
クリティカルパスと余裕の計算

問題5.解答ネットワークの計算.jpg

[ 1 ]
作業Kの最遅終了時刻:[ 26 ] → 26日

[ 2 ]
作業Kの最早開始時刻:[ 18 ] → 18日

[ 3 ]
作業Hのフリーフロート (FF)
FF = [18] ー( [8] + 8 )= 2日

[ 4 ]
山崩し後の作業の必要最小人員数
クリティカルパス、作業B、D、G、Jを最下端部に描き、TF(トータルフロート)のある作業は~~で示し移動範囲を示すと次の山積み図ができる。

問題5.解答 移動前(山積み)
移動前(山積み)

A、C、H、F、I、K、Eの余裕のある作業を~~の範囲で動かして平均化し、必要最小人数を求めるとき、作業Hと作業Kを移動範囲の最終日まで動かし、移動後の山崩し図を描くと次のようになる。したがって、 10人で15日から18日の4日間となる。

問題5.解答 移動後(山崩し).jpg
移動後(山崩し)

問題6

次の条件の工事のネットワーク工程表について、下記の問に答えよ。

条件:
作業B、Cは、作業Aが完了後、同時に着工できる
作業Dは、作業Cが完了後着工できる
作業E、I は、作業Bが完了後、同時に着工できる
作業Fは、作業C、Eが完了後着工できる
作業Jは、作業 I が完了後着工できる
作業Gは、作業F、I が完了後着工できる
作業Hは、作業D、Gが完了後着工できる
作業H、Jが完了した時点で全工事が終了する。

作業名と所要日数.jpg
作業名と所要日数

①クリティカルパス上の工期は、何日か。

②その工期を2日縮める場合、A以外の1つだけの作業で2日縮めるとすれば、どの作業を縮めればよいか。

③最初の条件で工事を進めていた途中で、工事を着手してから6日終了後に1の作業を4日延ばさなければならなくなった。その場合1つの作業だけを縮めて元の工期にもどすには、その作業を何日縮めればよいか。


解答・解説

ネットワークの製作
先行作業と後続作業および所要日数を整理する。

先行作業と後続作業.jpg

この表(テープル)に作業Aからネットワークを順次描いていく。ネットワークを計算すると次のようになる。

ネットワーク工程表.jpg

①クリティカルパスの日数:28日

②工期を2日短縮するとき、クリティカルパス上の作業を2日短縮する。作業A以外の1つだけで2日縮められる作業は、TFが2日ある作業 I および 作業Jに並行するもので、単独で短縮できるのは、作業Hである。

③作業 I を6日から10日にかえてネットワークを再計算する。各作業のTFを求めると次のようになる。作業 I は短縮しないので、作業Bまたは作業Jを短縮するが、TFが2日あるのは作業Cで、それに並行する作業Bを2日間短縮する。

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【 演習問題03 】

【 演習問題03 】

問題7

図のネットワークで示される工事について、次の問に答えよ。なお、図において矢線の上段へ作業名、下段は所要日数を示す。

①所要工期を求めよ。

②作業Bのトータルフロートを求めよ。

③作業Dのフリーフロートを求めよ。

④着工後7日経過した段階で工程の見直しを行ったところ、表1のように各作業の当初見積りの所要日数(イ)に対して、見直し後の所要日数は(ロ)のとおりとなった。全体の所要工期は何日になるか。

⑤次にネットワークを当初工期に納めるように検討したところ、各作業の短縮可能日数は表1(ハ)のようになった。当初工期に納めるには、その作業を何日短縮したらよいか。作業E~Hの短縮日数を記入せよ。
ただし、作業ごとの短縮日数の合計は、最小になるようにする。

問題7 ネットワーク.jpg

問題7 表1.jpg


解答例・解説

ネットワークを計算すると、次のようになる。

問題7 解答ネットワーク.jpg

①工期:26日

②作業BのTF(トータルフロート)は
⑪ ー ( [0] + 8 ) = 3日

③作業DのFF(フリーフロート)は
[14] ー ( [10] + 3 ) = 1日

④(ロ)の日程で再度ネットワークを計算すると
次のようになる。よって、工期は29日となる。

問題7 解答ネットワーク2.jpg

⑤短縮日数を最小にするには、フロートを利用し、クリティカルパスを工期の29日 ー 26日 = 3日を短縮する。
クリティカルパスEを4日、Gを1日だけ短縮可能で、Bは短縮できない。
このため、次の図のように、作業Gを1日、作業Eを2日および作業Hを1日短縮する。

問題7 解答短縮図.jpg

問題8

図のネットワークで示される工事について、次の問に答えよ。なお、図において矢線の上段へ作業名、下段は所要日数を示す。

問題8 ネットワーク.jpg

[ 1 ]
作業 L の最早開始時刻を求めよ。

[ 2 ]
作業 I の最遅終了時刻を求めよ。

[ 3 ]
作業 K のトータルフロートを求めよ。

[ 4 ]
作業 J を4日間短縮し、作業 B を3日間及び作業 H を5日間それぞれ延長した場合、次の問に答えよ。

( 1 )
当初の所要工期より何日間短縮又は延長するか。

( 2 )
その場合のクリティカルパスを
AーBーCのように作業名を示せ。


解答例・解説

ネットワークを解くと次のようになる。

問題8解答ネットワーク.jpg

[ 1 ]
作業 L の最早開始時刻:19日

[ 2 ]
作業 I の最遅終了時刻:23日

[ 3 ]
作業 K のトータルフロート:
㉗ ー ( [16] + 8 ) = 3 より 3日

[ 4 ]
作業 J を4日間短縮し、作業 B を3日間及び作業 H を5日間延長してネットワークを解くと、次のようになる。J は7日、Bは7日、Hは8日となる。

問題8解答延長工期.jpg

( 1 )工期は当初より5日間延長

( 2 )クリティカルパスは
B → E → H → K → N
となる。

問題9

図のネットワークにおいて、次の問いに答えよ。

問題9ネットワーク.jpg

問題9所要日数表.jpg

[ 1 ]
( 1 )クリティカルパスを、AーBーCのように
作業名で示せ。

( 2 )所要工期は何日か。

( 3 )作業Eのフリーフロートは何日か。

[ 2 ]
作業Gが4日延びた場合、所要工期は何日延びるか。

[ 3 ]
工期を変えずに山崩しを行い、1日当りの最大人数をできるだけ少なくすると、その人数は何人になるか。


解答・解説

ネットワークを解くと、次のようになる。

問題9解答ネットワーク.jpg

[ 1 ]
( 1 )クリティカルパスは、
A → C → F → J → K
となる。

( 2 )所要工期:19日

( 3 )作業Eのフリーフロート:
FF = [9] ー ( [3] + 4 ) = 2 より 2日

[ 2 ]
作業GのTF = 3 なので、4日延長すると、
4 ー TF(3) = 1 より 1日延長する。

[ 3 ] 最大 9人

問題9山積み.jpg

問題9山崩し.jpg

1級建築施工管理技士 二次検定 仕上工事 攻略法

仕上げ工事 攻略法

実地(演習問題①)

問01 仕上げ工事全般
・シーリング工事
・ガラスはめ込み工法
・RC造 内断熱と外断熱
・塗装工事 シーラー
・PCa (石張り)
・PC カーテンウォール ファスナー形式
・軽量鉄骨壁下地
・タイル目地 ムーブメント

問02 仕上げ工事全般
・タイル工事 密着張り工法
・木材の密度
・コンクリート工事 ルーフドレインの取付け
・コンクリート壁のモルタル塗り
・アルミニウム製建具の取付け
・軽量鉄骨天井下地
・カーペットの接着剤
・合成樹脂調合ペイント
・舗装工事 アスファルト

実地(演習問題②)

問03 仕上げ工事全般
・アスファルト防水のコンクリート下地
・壁紙張りの下地シーラー
・あと施工アンカー
・亜鉛めっき面塗装の素地ごしらえ

問04 仕上げ工事全般
・外壁タイル モルタル剥離防止対策
・シーリング材の種類
・集合住宅の乾式遮音耐火間仕切壁

問05 仕上げ工事全般
・露出アスファルト防水
・張り石工事 石材製品検査
・アルミニウム製建具 性能項目

実地(演習問題③)

問06 仕上げ工事全般
・合成高分子系ルーフィング防水
・屋根工事 長尺金属板
・セルフレベリング
・アルミニウム製建具 枠アンカー
・内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材
・グリッパー工法
・カーテンウォールのファスナー形式
・外壁改修 タイル部分張替え工法

問07 仕上げ工事全般
・防水工事 保護コンクリート 絶縁用シート
・二丁掛けタイル 密着張り
・せっこう系接着直張り工法
・アルミサッシ 枠回り充填モルタル

問08 仕上げ工事全般
・非加硫ゴム系ルーフィング
・タイル密着張り工法
・甲種防火シャッター
・合成樹脂調合ペイント
・熱線吸収板ガラス はめ込み工法

実地(演習問題④)

問09 仕上げ工事全般
・ALC板等へのアルファルト防水
・壁モルタル塗り
・タイル圧着張り
・油性調合ペイント
・網入りガラスの小口処理

問10 仕上げ工事全般
・フラーズぜい化点
・モルタル塗り各層の調合
・グリッパー工法の仕舞
・アスファルトルーフィングの継目
・アルミニウム製建具の品質

問11 仕上げ工事全般
・ガラス工事 バックアップ材
・エッチングプライマー
・ユニットタイル改良積上げ張り
・ALCパネル下地 防水用プライマー
・ビニル床タイル張り

問12 仕上げ工事全般
・屋上アスファルト防水工事
・タイル型枠先付け工法
・モルタル 混和剤
・アルミサッシ取付 防水モルタル充填方式
・合成樹脂調合ペイント 塗膜流れの原因

実地(演習問題⑤)

問13 仕上げ工事全般
・防水工事用アスファルト 針入度指数
・建具の気密性、水密性
・外壁タイル密着張り工法
・ウィルトンカーペットのはぎ合わせ
・ウレタン樹脂塗り床

問14 仕上げ工事全般
・陶磁器質タイル張りの改良積上げ張り工法
・壁のモルタル塗り
・アルミニウム製建具 周囲充填用モルタル
・塗装工事 塗装表面のしわの原因
・ビニル床シート張り等の接着剤

問15 雨がかりとなる外壁 窓回り

1級建築施工管理技士 二次検定 施工管理【 演習問題04 】

【 演習問題04 】

問題10

図のネットワークにおいて、次の問に答えよ。

問題10ネットワーク.jpg

[ 1 ]
クリティカルパスを、
A→B→Cのように作業名で答えよ。

[ 2 ]
所要工期は何日か。

[ 3 ]
作業Dのトータルフロートは何日か。


解答・解説

ネットワークを解くと次のようになる。

[ 1 ]クリティカルパス:
A → C → E → F → H → K → M

[ 2 ]工期:48日

[ 3 ]作業Dのトータルフロート:
TF = ㉘ ー ( [ 5 ] + 6 ) = 17日

問題11

図のネットワークについて、次の問に答えよ。
なお、図において矢線の上段は作業名、下段は所要日数を示す。

問題11ネットワーク.jpg

[ 1 ]
工期を求めよ。

[ 2 ]
作業 A の最遅終了時刻を求めよ。

[ 3 ]
作業Dのトータルフロートを求めよ。

[ 4 ]
作業Dのフローフロートを求めよ。

[ 5 ]
着工後 7日の作業を終えた段階で工程のフォローアップを行ったところ、各作業の残所要日数は次の表のとおりとなった。
所要工期は何日になるか。

問題11残所要日数.jpg


解答例・解説

ネットワークを解くと次のようになる。

問題11解答ネットワーク.jpg

[ 1 ]工期:26日

[ 2 ]作業 A の最遅終了時刻:9日

[ 3 ]作業Dのトータルフロート
TF = ⑰ ー ( [7] + 8 ) = 2日

[ 4 ]作業Dのフローフロート
FF = ⑯ ー( [7] + 8 ) = 1日

[ 5 ]
7日目以降のフォローアップのため
工期を求める。

3日間工期が延びて、
工期29日となる。

問題11解答修正ネットワーク.jpg

★監理技術者とは

監理技術者とは?

建設業法により、
全ての現場には「主任技術者」を配置する必要があり(法第26条第1項)、また、元請け建設業者は、下請契約の額が4000万円以上(建築一式工事の場合は6000万円以上)の場合は、「主任技術者」に代えて「監理技術者」を配置しなければならない。(法第26条第2項)

その上で、主任技術者、監理技術者となり得る国家資格等を規定しており、例えば、建築工事では主任技術者は、一級又は二級建築士、1級又は2級建築施工監理技士、監理技術者は、一級建築士又は 1級建築施工監理技士である。

> 主任技術者、監理技術者となり得る国家資格等

主任技術者及び監理技術者の職務等は、施工計画の作成、工程管理、品質管理及び技術上の管理及び技術上の指導監督であり、「それらを誠実に行わなければならない。」と規定されている。

また、作業に従事する者は、主任技術者又は監理技術者が その職務として行う指導に従わなければならない。とも規定されている。(法第26条第3項)

以上のように、主任技術者、監理技術者の果たすべき役割は重大であるので、請負代金額によっては、法令の定めにより「専任」義務を負う。「専任」とは、兼任を認めないことであり、元請下請に関わりなく継続的に工事現場に置かれてなければならない。

(法第27条)
専任義務が必要な工事は、戸建ての個人住宅を対象とする工事を除いて、請負代金の額が3500万円(建築一式工事の場合は、7000万円)以上の工事。

> 技術者制度 Q&A

以上が、建設業法による監理技術者の規定であるが、
一般的には、現場作業所の中では、次席にあたる者が監理技術者となっている場合が多い。

現場作業所内においては、作業所所長が建設現場の経営責任があり、技術的な責任は監理技術者になる。

大雑把にいうと、
現場所長は
【 CEO(Chief Executive Officer):最高経営責任者】、
監理技術者は
【COO(Chief Operation Officer):最高執行責任者】
に近いもの。

設計事務所でいう、経営者と管理建築士にあたるもの。

欧米社会とは契約システム上異なるので、ピタリと当てはまる訳語は難しいが、現場所長 =Construction site director、
現場代理人=Site agent、監理技術者=Supervisor Engineer

工事監理者は、Construction Supervisorとなります。