令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題1 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)

問題1

建築工事の施工者は、設計図書に基づき、施工技術力、マネジメント力等を駆使して、要求された品質を実現させるとともに、設定された工期内に工事を完成させることが求められる。
あなたが経験した建築工事のうち、品質を確保したうえで、施工の合理化を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記述したうえで、次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

[ 工事概要 ]
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、
延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、
主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、建物規模、
主な改修内容及び施工数量
ニ.工期 (年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場

1.工事概要であげた工事において、あなたが実施した現場における労務工数の軽減、工程の短縮などの施工の合理化の事例を2つあげ、次の①から④について記述しなさい。

ただし、2つの事例の②から④は、それぞれ異なる内容を具体的に記述するものとする。

① 工種又は部位等
② 実施した内容と品質確保のための留意事項
③ 実施した内容が施工の合理化となる理由
④ ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果

解答試案

工事の概要 [ 略 ]

1)事例1

① 工種又は部位等:鉄筋工事、型枠工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

躯体工事の工程短縮と品質確保のため、鉄筋工事において、梁鉄筋先組工法を採用した。また、型枠工事においては、床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用した。デッキプレート工法は所定の方法で十分に固定され安全であるか確認できるように留意した。

③施工の合理化となる理由:

鉄筋を先組みすることにより、現場作業が軽減できるので、作業効率が上がり工期短縮につながる。また、トラス筋付きデッキプレートを使うことにより、現場での配筋作業・型枠解体作業が軽減できる。

④ 副次的効果:

地組で配筋できるため、施工精度を高くすることができ、各梁の配筋検査も余裕をもって行え、配筋の品質確保につながる。

2)事例2

① 工種又は部位等:木工事(内部間仕切り壁下地)

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

仕上げ工事の工期短縮のため、内部間仕切り壁下地に、パネル枠(壁の長さ、高さに合わせた材木枠内に胴縁を組み込んだもの)を採用した。必要なピッチで胴縁が入っているか、施工図にて十分に確認を行った。

③ 施工の合理化となる理由:

工場内生産品の間仕切りを取り付けるだけなので、造作大工の手間が省略_化でき、工期短縮につながる。

④ 副次的効果:

内部間仕切り壁の品質が均一に保たれ、作業員の技量によるばらつきがなくなるため品質が確保できる。

3)事例3

① 工種又は部位等:コンクリート工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

最上階屋根パラペットのプレキャストコンクリート化を行った。屋根スラブには水勾配があるので、パラペットの部位によって鉄筋の差筋に注意した。

③ 施工の合理化となる理由:

予め工場にて製作することにより、現場での配筋工程を大幅削減することができた。

④ 副次的効果:

プレキャスト工場で製作することにより、現場で施工するよりも高い品質を確保するできた。

4)事例4

① 工種又は部位等:型枠工事、鉄筋工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

型枠工事、鉄筋工事において床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用して施工の合理化を実施した。品質確保のため床開口の大きさ、補強等はメーカーの仕様に従うこと、コンクリート打設前に、上端筋、下筋筋、ラチス材等を切断しないことなどに留意した。

③ 施工の合理化となる理由:

トラス筋付きデッキプレート工法は、デッキプレートとトラス筋が一体となっているので、コンクリート打設時には型枠として、硬化後にはトラス筋がスラブ主筋となる構造であり、型枠工事と鉄筋工事を同時に施工できるので合理化となる。

④ 副次的効果:

鉄筋と型枠デッキの一体化により、配筋の乱れが少なく、かぶり厚さが一定で精度のよい配筋が可能となる。

2. 工事概要にあげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、施工の合理化 の取組みのうち、品質を確保しながらコスト削減を行った事例を 2つあげ、①工種又は部位等、②施工の合理化の内容とコスト削減できた理由について具体的に記述しなさい。

なお、コスト削減には、コスト増加の防止を含む。
ただし、2つの事例は、1.②から④とは異なる内容のものとする。

解答試案

事例1)

①【 工種 】:外壁石張り工事

②【合理化の内容】

湿式石張り工事を乾式石張り工事に切り替えて施工した。

【コスト削減できた理由】

外壁石張り工事の工期を大幅に短縮できたので、総合的にコストの削減につながった。

事例2)

①【 工種 】:内装工事

②【合理化の内容】

外壁内側の仕上げについて、壁のモルタル塗りを石こうボード直張り工法に変更した。

【コスト削減できた理由】

モルタル塗りと比較して材料の搬入、養生期間が少なく工期短縮がはかれてコスト削減につながった。

事例3)

①【 工種 】:外壁改修工事

②【合理化の内容】

集合住宅の修繕工事における外壁改修工事において、枠組み足場による足場工法からゴンドラによる無足場工法に変更して、施工の合理化を実施した。

【コスト削減できた理由】

足場の組立て、解体の作業が不要となり、ゴンドラの設置費用に比較して、過大な足場の組立て、解体費用がなくなることによるコスト削減ができた。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題2
次の 1.から 3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ 2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や要求性能墜落制止用器具などの保護具の使用、気象条件、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.外部枠組足場

解答試案

[外部枠組足場]

①建地脚部の滑動・沈下防止措置として、足場の足元は十分に突き固めて、平滑さを確認してから敷板を並べる。また、足元は足場用ベース金具で敷角材または敷板に釘止めとし、脚部には根がらみを設ける。

②筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の間隔及び締付け、壁つなぎのアンカーボルトは、躯体にしっかりと打ち込み、控えの間隔は、垂直方向は9m以下、水平方向は8m以下とする。

2.コンクリートポンプ車

解答試案

①転倒防止の為、アウトリガは常に両側を最大に張り出し、アウトリガジャッキは受盤木を敷いて完全に設置させる。

②圧送中の閉塞や破裂がないように、打込み・締固め作業と連携した無理のない吐出量による安全な圧送・配分作業を行う。

3.建設用リフト

解答試案

①建設用リフトの搬器に労働者を乗せない。建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせない。

②建設用リフトのピットをそうじするときは、搬器の落下防止措置を講じる。建設用リフトの運転者を、 搬器を上げたままで、運転位置から離れさせない。

③(訂正有)最大積載荷重、 最大搭乗人員を現地に表示し、 その機能と能力を十分に理解するとともに能力と使用上の制限事項等を厳守させて使用する。→ 建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。

④搬器の昇降及びワイヤロープの走行により作業員の危険が生ずる恐れのある箇所は、 囲いを設け立入り禁止と する。

⑤安全装置が機能を発揮できるように、常に整備されているかを確認する。

————————————————

建設用リフトについては、

クレーン等安全規則第 181,182,184,185,186,187,188 条及び第 190 条に次のように規定されている。下記のうちから、安全に使用するための留意事項を、2 つ 具体的に記述する。

(使用の制限)

第181条

事業者は、建設用リフトについては、厚生労働大臣の定める基準(建設用リフトの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。

(巻過ぎの防止)

第182条

事業者は、建設用リフトについて、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープ の巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

(過負荷の制限)

第184条

事業者は、建設用リフトにその積載荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない

(運転の合図)

第185条

事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、建設用リフトの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。

2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければなら

ない。

3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。

(とう乗の制限)

第186条

事業者は、建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。ただし、建設用リフトの修理、調整、点検等の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者に危険を生ずるおそれのない措置を講ずるときは、この限りでない。

2 労働者は、前項ただし書の場合を除き、建設用リフトの搬器に乗ってはならない

(立入禁止)

第187条

事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、次の場所に労働者を立ち入らせてはならない

一 建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所

二 建設用リフトの巻上げ用ワイヤロープの内角側で、当該ワイヤロープが通っているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しくはその取付具が飛来することにより労働者に危険を生ずるおそれのある箇所

(ピット等をそうじする場合の措置)

第188条

事業者は、建設用リフトのピット又は基底部をそうじするときは、昇降路に角材、丸太等の物をかけ渡してその物の上に搬器を置くこと、止め金付きブレーキによりウインチを確実に制動しておく等搬器が落下することによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

(運転位置からの離脱の禁止)

第190条

事業者は、建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、 運転位置から離れさせてはならない。

2 前項の運転者は、搬器を上げたままで、運転位置を離れてはならない

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題3
次の 1.から 8.の各記述において、記述ごとの箇所番号①から③の下線部の語句又は数値のうち最も不適当な箇所番号を 1 つあげ、適当な語句又は数値を記入しなさい。
1.つり足場における作業床の最大積載荷重は、現場の作業条件等により定めて、これを超えて使用してはならない。
つり足場のつり材は、ゴンドラのつり足場を除き、定めた作業床の最大積載荷重に対して、使用材料の種類による安全係数を考慮する必要がある。
安全係数は、つりワイヤロープ及びつり鋼線は ① 7.5以上、つり鎖及びつりフックは② 5.0以上、つり鋼帯及びつり足場の上下支点部は鋼材の場合③ 2.5 以上とする。

解答

① 10以上

労働安全衛生規則第562条第2項より

つり部材の種類   安全係数

つりワイヤロープ  10以上

つり鎖(チェーン) 5以上

台付けワイヤロープ 4以上

玉掛けワイヤロープ 6以上

労働安全衛生規則第562条(最大積載荷重)

事業者は、足場の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはならない。

2 前項の作業床のい最大積載荷重は、つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下この説において同じ。)にあっては、つりワイヤロープ及びつり鋼線の安全係数が 10以上、つり鎖及びつりフックの安全係数が 5以上並びにつり鋼帯並びにつり足場の下部及び上部の支点の安全係数が鋼材にあっては 2.5以上、木材にあっては 5以上となるように、定めなければならない。

2.地下水処理における排水工法は、地下水の揚水によって水位を必要な位置まで低下させる工法
であり、地下水位の低下量は揚水量や地盤の①透水性によって決まる。
必要揚水量が非常に②多い場合、対象とする帯水層が深い場合や帯水層が砂礫層である場合には、③ウェルポイント工法が採用される。

解答

③ディープウェル工法

ディープウェル工法は、必要揚水量が非常に多い場合、対象帯水層が深い場合、帯水層が砂_礫層である場合など、ウェルポイント工法で処理できない場合に採用する。(建築工事監理指針)

3.既製コンクリート杭の埋込み工法において、杭心ずれを低減するためには、掘削ロッドの振れ 止め装置を用いることや、杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り、掘削中や杭の建込み時にも 逃げ心からの距離を随時確認することが大切である。
一般的な施工精度の管理値は、杭心ずれ量が① D/4以下(D は杭直径)、かつ、② 150mm以下、傾斜③ 1/100以内である。

解答

② 100mm

杭の施工精度として、一般的に「施工完了後の杭頭の水平方向の位置ずれは D/4 かつ 100 mm以下 」また「杭の傾斜は 1/100 以内」である。(JASS 4)

4.鉄筋工事において、鉄筋相互のあきは粗骨材の最大寸法の 1.25 倍、① 20mm 及び隣り合う鉄筋 の径(呼び名の数値)の平均値の② 1.5倍のうち最大のもの以上とする。
鉄筋の間隔は鉄筋相互のあきに鉄筋の最大外径を加えたものとする。
柱及び梁の主筋のかぶり厚さは D29 以上の異形鉄筋を使用する場合は径(呼び名の数値)の③ 1.5 倍以上とする。

解答

①25mm

鉄筋相互のあき寸法は、次の値のうちの最大のもの以上とする。

・粗骨材の最大寸法の 1.25倍

・ 25mm

・隣り合う鉄筋の平均径の1.5倍

(異形鉄筋の呼び名の数値)

5.型枠工事における型枠支保工で、鋼管枠を支柱として用いるものにあっては、鋼管枠と鋼管枠との間に① 交差筋かいを設け、支柱の脚部の滑動を防止するための措置として、支柱の脚部の固定及び② 布枠の取付けなどを行う。
また、パイプサポートを支柱として用いるものにあっては、支柱の高さが 3.5mを超えるときは、高さ 2m 以内ごとに③ 水平つなぎを2方向に設けなければならない。

解答

②根がらみ

「 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること」(労働安全衛生規則第242条 第2号)とされている。

6.型枠の高さが① 4.5m以上の柱にコンクリートを打ち込む場合、たて形シュートや打込み用ホースを接続してコンクリートの分離を防止する。
たて形シュートを用いる場合、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの約② 1/2以下とする。
また、斜めシュートはコンクリートが分離しやすいが、やむを得ず斜めシュートを使用する場合で、シュートの排出口に漏斗管を設けない場合は、その傾斜角度を水平に対して③ 15度以上とする。

解答

③ 30度以上

シュートはたて形とし、やむを得ず斜めシュートを用いる場合は、傾斜角度を30度以上とする。これは、コンクリートの横流れを防止するためである。

7.溶融亜鉛めっき高力ボルト接合に用いる溶融亜鉛めっき高力ボルトは、建築基準法に基づき認定を受けたもので、セットの種類は1種、ボルトの機械的性質による等級は① F8T が用いられる。
溶融亜鉛めっきを施した鋼材の摩擦面の処理は、すべり係数が 0.4以上確保できるブラスト処理又は② りん酸塩処理とし、H 形鋼ウェブ接合部のウェブに処理を施す範囲は、添え板が接する部分の添え板の外周から 5mm 程度③ 外側とする。

解答

③内側

JASS6より

8.鉄骨の現場溶接作業において、防風対策は特に配慮しなければならない事項である。
アーク熱によって溶かされた溶融金属は大気中の酸素や① 窒素が混入しやすく、凝固するまで適切な方法で外気から遮断する必要があり、このとき遮断材料として作用するものが、ガスシールドアーク溶接の場合は② シールドガスである。
しかし、風の影響により② シールドガスに乱れが生じると、溶融金属の保護が不完全になり溶融金属内部に③ アンダーカットが生じてしまう。

解答

③ブローホール

風の影響で発生しやす溶接不良はアンダーカットではブローホールである。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題4 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題4
次の 1.から 4.の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1.タイル工事において、有機系接着剤を用いて外壁タイル張りを行うときの施工上の留意事項 2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地及びタイルの割付けに関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①接着剤の1回の塗付け面積は3m2以内で30分以内に張り終える面積とする。

②接着剤は金ごて等で厚さ 3mm程度に平坦に塗布し、所定のくし目ごてを用いてくし目をたてる。

2.屋根工事において、金属製折板屋根葺を行うときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答試案

【 留意事項 】

①タイトフレームの幅、板厚および必要溶接長は、想定される風荷重に対する必要強度で決定されているので、遵守する。

②小梁などの母材に直接タイトフレームを溶接する際には、ショートビートにならないよう溶接長40mm以上を確保する。

3.内装工事において、天井仕上げとしてロックウール化粧吸音板を、せっこうボード下地に張るときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①せっこうボード張りの目地と、ロックウール化粧吸音板の目地の位置が重ならないように、50mm以上ずらす。

②接着剤は15点以上の点付けとし、塗布量は 1m2当たり150~180gを標準とする。

(解説)

室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①段違い、目違い、すき間、角欠けがないように、丁寧に張り付ける。

②ステーブル(白塗装品)の打込み後は、ステーブルの浮きがないことを確認する。

③ステーブルの打込み方向は、仕上げパターンの方向と平行にする。

4.断熱工事において、吹付け硬質ウレタンフォームの吹付けを行うときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①上吹きの際は、ウレタン発泡機により施工面から500mm〜1000mm離し、施工面に対して直角にスプレーアガンを維持し、硬質ウレタンフォーム原料を2回目の吹き付けにより所定の厚さに仕上げる。

②厚み不足の場合は、必要な厚みになるように積層吹きする。但し、各層の厚みは 25mm以下に抑えて施工当日の施工層厚みは 80mm以下とする。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題5
市街地での事務所ビルの内装工事において、各階を施工量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の内装仕上げ工事工程表(3階)に関し、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点のもので、検査や設備関係の作業については省略している。
各作業班の作業内容及び各作業に必要な作業員数は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区同時に行う作業を示すが、作業A4及び作業B4については作業内容を記載していない。
各作業班は、それぞれ当該作業のみを行い、各作業内容共、A工区の作業が完了してからB工区の作業を行うものとする。また、工区内では複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
[ 工事概要 ]
用 途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、
地上6階、塔屋1階、
延べ面積 2,800 m2
仕上げ:床は、フリーアクセスフロア下地、
タイルカーペット仕上げ
間仕切り壁は、軽量鉄骨下地せっこうボード張り、
ビニルクロス仕上げ
天井は、システム天井下地、
ロックウール化粧吸音板取付け
なお、3階の仕上げ工事部分床面積は 455 m2
(A工区:273 m2、B工区 182 m2)である。

1.作業A4及び作業B4の作業内容を記述しなさい。

解答

上記の仕上げ工事の項目より「ビニルクロス仕上げ」とあるので、

作業A4及び作業B4の作業は「壁ビニルクロス張り」

と考えられる。

2.作業B2のフリーフロートを記入しなさい。

解答

フリーフロートとはその作業にだけ自由な余裕のことである。

B2の作業は、壁せっこうボード張りであるが、

次の工程B3 システム天井の作業の開始前に終了しておく必要がある。

A工区におけるA3作業終了日数が

2(A2)+ 5(A3) = 7 日なので

B工区におけるB2作業のフリーフロートは

7 – 2(B1)- 3(B2)= 2 (日)

となる。

ただし、A2及びB1にフリーフロートがないことに注意する。

3.(始)から(終)までの総所要日数と、工事を令和3年2月8日(月曜日)より開始するときの工事完了日を記入しなさい。ただし、作業休止日は、土曜日、日曜日及び祝日とする。
なお、2月8日以降3月末までの祝日は、建国記念の日(2月11日)、天皇誕生日(2月23日)、春分の日(3月20日)である。

解答

総所要日数 24日

工事完了日 3月15日

[ 解説 ]

クリティカルパスは以下のようになる

1(C1)+3(A1)+2(A2) +5(A3)+3(A4)+4(A5)+3(B5)+2(B6)+1(C2)

=24日

これにより、土曜日、日曜日、及び祝日を除いた日をカウントし、3月15日となる。

4. 次の記述の [  ] に当てはまる数値をそれぞれ記入しなさい。
総所要日数を変えずに、作業B2及び作業B4の1日当たりの作業員の人数をできるだけ少なくする場合、作業 B2の人数は [ あ ] 人に、作業B4の人数は [ い ] 人となる。ただし、各作業に必要な作業員の総人数は変わらないものとする。

解答

あ.3人

い.2人

[ 解説 ]

・B2の作業内容は壁せっこうボード張りで、 1日あたりの作業人数は 5人である。

B2の作業は、3日 × 5人工であるのに対して、B2の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、5日ですればよい作業である。

∴ 3日 × 5人工 = 5日 × 3人工

・B4の作業内容はビニルクロス仕上げで、 1日あたりの作業人数は 4人である。

B4の作業は、2日 × 4人工であるのに対して、B4の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、4日ですればよい作業である。

∴ 2日 × 4人工 = 4日 × 2人工

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題6 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題6
次の 1.から 3.の問いに答えなさい。
1.「建設業法」に基づく建設工事の完成を確認するための検査及び引渡しに関する次の文章において、[  ]に当てはまる語句又は数値を記入しなさい。
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から[ ① ]日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。
元請負人は、前項の検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、 直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から [ ① ]日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の[ ② ]がされている場合には、この限りでない。

解答

① 二十

② 特約

建設業法 第24条の4(検査及び引渡し)

元請負人は、下請負人からその請け負つた建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から二十日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。

第2項

元請負人は、前項の検査によつて建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。ただし、下請契約において定められた工事完成の時期から二十日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合には、この限りでない。

2「建築基準法施行令」に基づく山留め工事等を行う場合の危害の防止に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施工中必要に応じて [ ③ ] を行ない、山留めを補強し、排水を適当に行なう等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の [ ④ ] による危害を防止するための措置を講じなければならない。

解答

③ 点検

④ 沈下

建築基準法施行令

第136条の3 根切り工事、山留め工事等を行う場合の危害の防止

第6項

建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施行中必要に応じて点検を行ない、山留めを補強し、排水を適当に行なう等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。

3.「労働安全衛生法」に基づく総括安全衛生管理者に関する次の文章において、[  ]に当てはまる語句を記入しなさい。
事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。
一 労働者の[ ⑤ ]又は健康障害を防止するための措置に関すること。
二 労働者の安全又は衛生のための[ ⑥ ]の実施に関すること。
三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。
五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

解答

⑤ 危険

⑥ 教育

労働安全衛生法

第十条 (総括安全衛生管理者)

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第二十五条の二第二項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

一 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

二 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの。