1級建築施工管理技士 く体工事 鉄骨工事 / 製品検査

第7章 鉄骨工事 鉄骨の製品検査

鉄骨の製品検査

鉄骨造の製品検査には中間検査と受入検査というのがある。

中間検査というのは製作の途中で行うもので、全数作ってしまってからの検査で不良が発生した場合に被害が大きくなるようなケースで行うもので、比較的規模の大きいものの場合に行う。

受け入れ検査というのは
すべての鉄骨部材ができあがった(原則出来高 100%)時、現場へ受け入れる前に行う検査である。

製品検査で行う内容は
大きく分けて書類検査と現物の検査がある。
鉄骨製造工場へついて、まず行うのが書類検査である。

1)書類検査
・承認済みの鉄骨製作図の確認
・鋼材のミルシートの確認
・鉄骨部材の流通経路の確認
・溶接部分の試験結果の確認
・その他、防錆塗装の膜厚検査記録

2)対物検査
実際の物の寸法などの検査を行う。
一般には、対物検査2と呼ばれる検査である。

「対物検査2」とは、鉄骨業者の自主検査済みの材料から
柱・梁を5本づつ抽出する。(設計者による)

その製品と承認図との製品誤差が規定の範囲内にあるのを確認します。

つぎに、同じ製品を今度は作業所側の人が検測を行い、その製品誤差と、鉄骨業者の製品誤差とを比較する。

その誤差が規定値の範囲にあることで判断する。(「t 検定、F検定」)

この「t 検定、F検定」というのは、抽出した5本の検査の誤差のばらつき度合いを確認することにより、検査対象部材の全数が適合範囲内にあると判断できる統計的手法である。

その他、対物検査では、
加工状況や、溶接の状況なども、目視、検測して確認する。

材料の材質検査として、サムスチール、溶接部の内部の状態の確認として超音波探傷検査(UT検査)、膜厚の検査などにより製品の適合性を確認する。
以上で問題がなければ、作業所が出荷を許可します。その検査は、監理者の立会いの元で行う。

以上が、鉄骨の製品検査の流れになる。

検査内容については、それぞれ細かく設計図書(構造図)(契約図)に記載されている場合があるので、その内容に従って行う。
(参考)下記書籍