令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

市街地での事務所ビル新築工事において,右の工事概要に示す事務所部分の内装工事に関する作業工程について,次の1.から4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点におけるもので,対応する作業内容と所要日数,施工条件を合わせて示しているが,作業⑤及び作業⑧については作業内容を記載していない。
また,作業⑦のフリーアクセスフロア敷設作業は,作業(d)及び作業(e)との関係を示すために作業⑦-1,作業⑦-2に分けて工程表及び作業内容と所要日数に示している。
工程表の設備工事は電気設備(照明,コンセント),通信設備,警報設備,空調設備とする。
なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

工事概要

用   途:事務所
構造、規模:鉄筋コンクリート構造,地上6階,
基準階における事務室部分の床面積325m2
事務室仕上:床はフリーアクセスフロア下地,タイルカーペット仕上げ
壁は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り、
塗装仕上げ(壁の軽量鉄骨下地,せっこうボード張り
共に天井軽量鉄骨下地高さまでとする)
天井は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り,
ロックウール化粧吸音板仕上げ
工程表

作業内容と所要日数(各作業に必要な資機材運搬等を含む)

施工条件
作業(a):
天井内の配管,配線,機器設置,ダクト等の設置、高所作業車を使用

作業(b):
間仕切壁内の配管,ボックス取付け工事、作業③の開始2日後に並行作業として着手

作業(c):
作業④の開始3日後に並行作業として着手、天井足場を使用

作業(d):着手は作業⑥の完了後1日の養生日を置き,     作業⑦-1と並行作業として着手
作業(e):作業⑦-2と並行作業として着手
1.作業⑤及び作業⑧作業内容を記述しなさい。

解答試案

⑤ 天井足場撤去

⑧ タイルカーペット張付け

②天井足場架設の作業があり、作業 (c) により 天井足場を使用した設備工事の後の作業⑤である。

また、作業⑤の後には、天井界隈の工事はないので、作業⑤は、天井足場撤去と考えられる。

床の仕上はタイルカーペットであるので、作業⑧はタイルカーペット張付けである。

2.内装工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順と,作業内容と所要日数,施工条件に記載してある条件を読み取り,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

 

解答試案

施工条件に従って、検討用のシートを用いてまとめると

以下のようになる。

 

よって、総所要日数は 28日となる。

3.作業④フリーフロート及び作業⑦トータルフロートを記入しなさい。

解答試案

作業④のフリーフロート  2日

作業⑦のトータルフロート 1日

問題2の検討用の工程表によると作業④には2日の余裕がある。

よって、作業④のフリーフロートは、2日である。

トータルフロート(TF)とは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

作業⑦の最遅終了時刻(LFT)は25日である。

作業⑦-2の作業は、設備工事(d)の終了を待たずしても、作業⑦-1に引き続き作業が可能であるので、

最早終了時刻(EFT)は24日である。

よって、LFT – EFT = 1日

(参考)

検討用のシートをネットワーク工程表で表すと下記のようになる。

4.作業⑦の着手に必要な支持脚(ペデスタル)の墨出しに係る工程を見込んでおらず,作業⑦の所要日数に1日を追加しなければならないことが判明した。
工程追加後の(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答試案

総所要日数 28日

問題3より、作業⑦はトータルフロート 1日あるので、作業日数に1日追加したとしても総所要日数 28日は変わらない。