1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題3解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※   問題番号[ No.21 ] ~[ No.33 ] までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 構台の支柱の位置は、使用する施工機械、車両の配置によって決めた。

2. 道路から構台までの乗込みスロープの勾配は、 1/8とした。

3. 1階床面と現状地盤面がほぼ同じ高さなので、構台の床面は1階床面より 1.2 m 高くした。

4. 山留めの切梁支柱と乗入れ構台の支柱は、荷重に対する安全性を確認した上で兼用した。

答え

  1
構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎梁、柱、梁等の位置と重ならないように配置する必要があり、使用する加工機械、車両の配置より決めるものではない。
2 ◯
乗入れ構台の乗り込みスロープの勾配は、工事用機械や車両の出入りに支障を生じないように 1/10〜 1/6 程度が一般的である。使用する重機・車両の種類によって腹を擦らないよう事前に調査を行う。
3 ◯
1階床面と現状地盤面がほぼ同じ高さの場合、構台の床面は1階床面より 1.2m 高くする。
4 ◯
山留めの切梁支柱と構台支柱をやむを得ず兼用する場合は、切梁から伝達される荷重及び切梁支柱に大きな水平力が加わらない対策を考慮して計画、施工する。

[ No. 22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたので、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

2. ボイリング対策として、周辺井戸の井戸枯れや軟弱層の圧密沈下を検討し、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

3. 床付け地盤が凍結したので、凍結した部分は良質土と置換した。

4. ヒービングの発生が予測されたので、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

答え

  4
ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策である。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではない
1 ◯
ディープウェル工法とは、根切り部内あるいは外部に径 500〜 1,000mmの菅を打ち込み、帯水層を削孔して、径300〜600 mmのスクリーン付き井戸ケーシング菅を設置してウェルとし、水中ポンプあるいは水中モーターポンプで帯水層の地下水を排出する工法である。盤ぶくれの防止対策として用いられる工法である。
※盤ぶくれの発生が事前の検討により予測された場合の対策
1)掘削底面(不透水層)下の地下水位(圧)をディープウェル等によって低下させる。
2)止水性の山留め壁を延長し、被圧帯水層の下の不透水槽に根入れする。
3)掘削場内を地盤改良し、地下水を遮断し土被り圧を増加させる。

2 ◯
ボイリング対策として、周辺井戸の井戸枯れや軟弱層の圧密沈下を検討し、ディープウェル工法で地下水位を低下させることは有効である。

3 ◯
凍結した土は、強度的には良質な地盤と間違えやすいが、床付け面が凍結したのち溶けると、体積が減少し沈下する。したがって凍結した部分は乱された土と同様に扱い、良質土と置き換える

[ No. 23 ]
ソイルセメント柱列山留め壁に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 山留め壁の構築部に残っている既存建物の基礎を貫通するためのロックオーガーの径は、ソイルセメント施工径より小さくする。

2. ソイルセメントの硬化不良部分は、モルタル充填や背面地盤への薬液注入などの処置を行う。

3. セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度が大きくなる。

4. ソイルセメントの中に挿入する心材としては、H 形鋼などが用いられる。

答え

  1
山留め壁の構築部に残っている既存建物の基礎を先行解体するためのロックオーガーの径は、ソイルセメント施工径より大きい径のものとする。小さい径のものを使用するとソイルセメント柱列山留め壁断面が不足する。

2 ◯
ソイルセメントの硬化不良部分には、セメントペーストまたはセメントモルタルの充填や薬液注入などの処置を速やかに行う。(山留め設計施工指針)

3 ◯
セメント系注入液と混合撹拌する原位置土が粗粒土になるほど、ソイルセメントの一軸圧縮強度は大きくなる

4 ◯
ソイルセメントの中に挿入する心材としては、H形鋼、I 形鋼、鋼管などが用いられる

[ No. 24 ]
アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 掘削終了後、鉄筋かごを建て込む前に1次孔底処理を行い、有害なスライムが残留している場合には、コンクリートの打込み直前に2次孔底処理を行う。

2. 安定液は、必要な造壁性があり、できるだけ高粘性、高比重のものを用いる。

3. 掘削深さの確認は、検測器具を用いて孔底の2か所以上で検測する。

4. 地下水がなく孔壁が自立する地盤では、安定液を使用しないことができる。

答え

  2
安定液は、孔壁の崩壊を防止する機能とともにコンクリートの打ち込み時にコンクリート中に混入されることなく、コンクリートと良好に置換される機能を合わせ持たねばならない。安定液の配合は、必要な造壁性があるうえで、コンクリートとの置換を考慮して、できるだけ低粘性、低比重のものとするのがよい。

1 ◯
アースドリル工法の掘削終了後、鉄筋かごを建て込む前に底ざらいバケットで1次孔底処理を行い、有害なスライムが残留している場合には、コンクリート打込み直前に2次孔底処理を行う。

3 ◯
アースドリル工法の掘削深さは、検測テープにより検測する。その場合、孔底の2箇所以上で行う

4 ◯
関東ローム層などの安定した地層で、地下水がなく孔壁が自立する地盤の場合には、無水工法で施工することができ、安定液を使用しないことができる

[ No. 25 ]
異形鉄筋の定着等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。

1. 大梁主筋に SD345 を用いる場合の直線定着の長さは、コンクリート強度が同じならば、 同径の SD390 を用いる場合と同じである。

2. 梁下端筋の柱梁接合部への定着は、原則として、梁下端筋を曲げ上げる形状で定着させる。

3. 梁端の上端筋をカットオフする場合には、梁の端部から当該梁の内法長さの 1/4 となる点を起点とし、15 d 以上の余長を確保する。

4. 梁の主筋を柱内に折曲げ定着とする場合には、仕口面からの投影定着長さを柱せいの3/4 倍以上とする。

答え

  1
大梁主筋にSD345を用いる場合の直線定着の長さはSD390を用いる場合より短くなる。(JASS5)

2 ◯
梁下端筋の柱梁接合部への定着は、原則として、梁下端筋を曲げ上げる形状とする。やむを得ず曲げ下げる場合には工事監理者の承認を得る。

3 ◯
梁端の上端筋をカットオフする場合は、梁の端部から当該梁の内法長さの 1/4 となる点を起点として、15d以上の余長を確保する


4 ◯
梁主筋を柱内に折曲げ定着とする場合の投影定着長さは、原則として、柱せいの 3/4倍以上を飲み込ませる。

[ No. 26 ]
鉄筋の機械式継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじ節継手とは、熱間形成されたねじ節鉄筋の端部に鋼管(スリーブ)をかぶせた後、外側から加圧して鉄筋表面の節にスリーブを食い込ませて接合する工法である。

2. 充填継手とは、内面に凹凸のついた比較的径の大きい鋼管(スリーブ)に異形鉄筋の端部を挿入した後、スリーブ内に高強度の無収縮モルタル等を充填して接合する工法である。

3. 端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、あるいは加工したねじ部を端部に圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。

4. 併用継手は、2種類の機械式継手を組み合わせることでそれぞれの長所を取り入れ、施工性を改良したものである。

答え

  1
ねじ筋継手とは、異形鉄筋の節形状がねじ状になるように圧延された鉄筋を雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。カップラーと鉄筋との間の緩みを解消する方法として、ロックナットを締め付けるトルク方式、カップラーと鉄筋の間の空隙にモルタルまたは樹脂を注入するグラウト方式、両者を併用する方式がある。問題文は鋼管圧着継手の説明である。
2 ◯
充填継手とは、内面に凹凸のついた比較的径の大きい鋼管(スリーブ)に異形鉄筋の端部を挿入した後、スリーブ内に高強度の無収縮モルタル等を充填して接合する工法である。
3 ◯
端部ねじ継手とは、端部をねじ加工した異形鉄筋、または加工したねじ部を端部に摩擦圧接した異形鉄筋を使用し、雌ねじ加工されたカップラーを用いて接合する工法である。
4 ◯
併用継手は、2種類の機械式継手を組み合わせ、それぞれの長所を取り入れ施工性を改良したもの。例として、ねじ節、充填併用継手、充填圧着併用継手、圧着・ねじ併用継手などがある。

[ No. 27 ]
型枠の設計に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 固定荷重の計算に用いる型枠の重量は、0.4 kN/m2  とする。

2. 合板せき板のたわみは、単純支持で計算した値と両端固定で計算した値の平均値とする。

3. 型枠に作用する荷重及び外力に対し、型枠を構成する各部材それぞれの許容変形量は、2 mm 以下を目安とする。

4. 型枠の構造計算において、支保工以外の材料の許容応力度は、長期と短期の許容応力度の平均値とする。

答え

  2
合板せき板のたわみは、各支点間を単純梁として計算する。

1 ◯
普通コンクリートでは固定荷重の計算に用いる場合、型枠の自重は 400 N/m2とする。

3 ◯
型枠の強度及び剛性の計算では、コンクリート施工時の鉛直荷重、水平荷重及びコンクリートの側圧について、各部材それぞれの許容変形量の目安を 3mm以下とする。

4 ◯
型枠の構造設計に用いる材料の許容応力度として、支保工以外のものは長期許容応力度と短期許容応力度の平均値を用いる。

[ No. 28 ]
コンクリートの運搬及び打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 粗骨材の最大寸法が 25 mm の普通コンクリートを圧送する場合の輸送管の呼び寸法は、100A 以上とする。

2. コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、品質を低下させるおそれがあるので、型枠内には打ち込まない。

3. マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、40 ℃ 以下となるようにする。

4. 高性能 AE 減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温にかかわらず、原則として、120 分を限度とする。

答え

  3
マスコンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、原則として、35℃以下となるようにする。
1 ◯
コンクリートの輸送菅の径は、コンクリートポンプの圧送性に直接影響し、径が大きいほど圧力損失が少なくなり、圧送性も良くなる。粗骨材の最大寸法が 25mmの場合の輸送菅の呼び寸法は 100A以上とする。

2 ◯
コンクリートの圧送に先立ち圧送される先送りモルタルは、型枠内に打込まず破棄する。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
高性能AE減水剤を用いた高強度コンクリートの練混ぜから打ち込み終了までの時間は、外気温による影響を考慮しないで、原則として120分を限度としている。(JASS5)

[ No. 29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、計画供用期間を指定する場合の級は標準とする。

1. 連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は、コンクリートの凝結が終了した後に行う。

2. 普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの打込み後5日間は、乾燥、振動等によって凝結及び硬化が妨げられないように養生する。

3. 湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合は、普通ポルトランドセメントを用いた場合より短くすることができる。

4. 普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、コンクリートの圧縮強度が5 N/mm2 以上に達したことを確認すれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

答え

  4
短期及び標準の計画供用期間の級で、早強・普通及び中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18㎝以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度を確認すれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)

1 ◯
コンクリートの養生は連続的または断続的に散水、噴霧等を行う。湿潤養生は、セメントの凝結が終了した後に開始する。(JASS5)

2 ◯
コンクリート打込み中及び打込み後5日間は、コンクリートの温度が2℃を下らないようにし、かつ、乾燥、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならないと規定されている。(建築基準法施行令第75条)

3 ◯
コンクリートの湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いた場合には3日以上、普通ポルトランドセメントを用いた場合には5日以上としている。(JASS5)

[ No. 30 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじの呼びが M22 のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに 35 mmを加えた値を標準とした。

2. ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後の本締めによるナット回転量が120 °±45 °の範囲にあるものを合格とした。

3. 摩擦接合面は、すべり係数 0.45 以上を確保するため、グラインダー処理後、自然発生した赤錆状態を確認した。

4. ねじの呼びが M 22 の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約 150 N・m とした。

答え

  2
ナット回転法による締付け完了後の検査は、1次締付け後のナットの回転量120° ± 30° の範囲にあるものを合格とする。(JASS6)
1 ◯
呼び径がM22のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに35mmを加えた値を標準とする。

3 ◯
高力ボルト摩擦接合面のすべり係数は、摩擦面の状態によって違いがあり、自然発生の錆が赤錆状態であれば、すべり係数 0.45が確保できる。

4 ◯
呼び径がM22の高力ボルトの1次締付けトルク値は、約150 N・m(約15,000 N・cm)とする。

[ No. 31 ]
大空間鉄骨架構の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業用の構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

2. スライド工法は、作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、そのユニットを所定位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

3. 移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、構台を移動させ、 順次架構を構築していく工法である。

4. リフトアップ工法は、地組みした所定の大きさのブロックをクレーン等で吊り上げて架構を構築する工法である。

答え

  4
リフトアップ工法は、全体の工事を地上部など安全性の高い作業環境で行い、ジャッキシステムなどで所定の高さまで揚重して完成させる工法である。

1 ◯
総足場工法は、必要な高さまで足場を組み立てて、作業構台を全域にわたり設置し、架構を構築する工法である。

2 ◯
スライド工法は、地上及び一部分に作業構台を組み、その作業構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立て、組み立てられた屋根鉄骨ユニットを軒梁などに沿って所定の位置まで順次滑動横引きしていき、最終的に架構全体を構築する工法である。

3 ◯
移動構台工法は、移動構台上で所定の部分の屋根鉄骨を組み立てたのち、構台を移動させ、順次架構を構築していく工法である。

[ No. 32 ]
大断面集成材を用いる木造建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさについて、ねじの呼びが M16未満の場合は公称軸径に1 mm を加えたものとし、M16 以上の場合は 1.5 mm を加えたものとした。

2. 大規模な木造架構であったため、全体の建方が完了してからの建入れ修正ができなかったので、建方に並行してブロックごとに建入れ直しを行った。

3. 集成材は、現場搬入から建方まで 15 日以上要したので、雨がかからないように防水シートで覆いをかけて保管した。

4. 大断面材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を 5 mm以内とした。

答え

  4
大断面材に設ける標準的なボルト孔の心ずれは、許容誤差を± 2mm以内とする。

1 ◯
接合金物のボルトの孔あけ加工の大きさは、ねじの呼びが M16未満の場合は公称軸径に 1mmを加えたものとし、M16以上の場合は、1.5mmを加える。

2 ◯
大規模な木造架構において、全体の建方が完了してからの建入れ修正ができない場合は、建方に並行してブロックごとに建入れ直しを行う。

3 ◯
集成材は、現場搬入から建方まで日数がかかる場合は、防水シート等で覆って保管する。

[ No. 33 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ロングスパン工事用エレベーターの搬器には、周囲に堅固な手すりを設け、手すりには中さん及び幅木を取り付けなければならない。

2. ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる。

3. 建設用リフトは、土木、建築等の工事の作業に使用され、人及び荷を運搬することを目的とするエレベーターである。

4. 建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。

答え

  3
建設用リフトとは、荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるものと定められている。(労働安全衛生法施工令第1条第十号)人間を運搬することはできない。

1 ◯
ロングスパン工事用エレベーターの搬器は、周囲に堅固な手すりを設け、さらに手すりには中さん及び巾木を取り付けなければならない

2 ◯
ロングスパン工事用エレベーターは、安全上支障がない場合、搬器の昇降を知らせるための警報装置を備えないことができる

4 ◯
建設用リフトの定格速度とは、搬器に積載荷重に相当する荷重の荷をのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。また、建設用リフトの荷重試験は、建設用リフトに積載荷重の1.2倍に相当する荷重の荷をのせて、昇降の作業を行う

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題4解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※   問題番号[ No.34 ] ~[ No.45 ] までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No. 34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 加硫ゴム系シート防水接着工法において、平場のシート相互の接合幅は 100 mmとし、水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ねた。

2. 塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法において、下地とシートの接着には、エポキシ樹脂系の接着剤を用いた。

3. 塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

4. 加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に加硫ゴム系シートで増張りを行った。

答え

  4
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

1 ◯
シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるように張り重ね、その平場の接合幅は、長手、幅方向とも 100mm以上とする。(JASS8)

2 ◯
塩化ビニル樹脂系シート防水接着工法では、下地とシートの接着に、エポキシ樹脂系の接着剤を用いる。

3 ◯
塩化ビニル樹脂系接着工法の場合、シート防水の出隅角の処理は、シートを張り付けた後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No. 35 ]
シーリング工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ワーキングジョイントに装填する丸形のバックアップ材は、目地幅より 20 % 大きい直径のものとした。

2. 先打ちしたポリウレタン系シーリング材に、ポリサルファイド系シーリング材を打ち継いだ。

3. シリコーン系シーリング材を充填する場合のボンドブレーカーは、シリコーンコーティングされたテープとした。

4. ワーキングジョイントの目地幅が 20 mm だったので、目地深さは、12 mm とした。

答え

  3
シリコーン系シーリング材を充填する場合、ポリエチレンテープのボンドブレーカーを用いるのが一般的である。(JASS8)


1 ◯
ワーキングジョイントに装填する丸形ポリエチレン発泡体は、目地幅より 20〜30%大きい直径のものを選定する。(JASS8)

2 ◯
ポリサルファイド系シーリング材に後打ちできるシーリング材には、変成シリコーン系、シリコーン系、ポリウレタン系等がある。(JASS8)

4 ◯
ワーキングジョイントの目地寸法、打ち継ぎ目地及びひび割れ誘発目地は、幅 20mm以上、深さ 10mm以上とする。

[ No. 36 ]
セメントモルタルによる壁タイル後張り工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、縦目地を 3 m 内外に割り付け、横目地を各階ごとの打継ぎ目地に合わせた。

2. マスク張りでは、張付けモルタルを塗り付けたタイルは、塗り付けてから 20 分を限度に張り付けた。

3. 改良圧着張りの化粧目地詰めは、タイル張付け後 24 時間経過したのちとした。

4. モザイクタイル張りの張付けモルタルは2層に分けて塗り付けるものとし、1層目はこて圧をかけて塗り付けた。

答え

  2
マスク張りの特徴の1つが、塗り置き時間を短くできることである。タイルへ張付けモルタルを塗り付け後、タイルを壁面に張付けるまでの時間は5分以内とする。(JASS19)

1 ◯
外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、各階の打継ぎ箇所や柱形・開口部寸法に応じた構造上の要所とし、縦目地を3m 内外、横目地を4m内外ごとに設ける。

3 ◯
化粧目地詰めは、タイル張付け後、24時間以上経過したのち、張付けモルタルの硬化を見計らって行う。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
モザイクタイル張りの張付けモルタルの塗付けは、いかに薄くとも2度塗りとし、1度目は薄く下地面にこすりつけるように塗り、下地モルタル面の微妙な凸凹にまで張付けモルタルが食い込むようにし、ついで張付けモルタルを塗り重ね、3mm程度の厚さとし定規を用いてむらのないように塗厚さを均一にする。(建築工事監理指針)

[ No. 37 ]
心木なし瓦棒葺に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. けらば納めの端部の長さは、瓦棒の働き幅の 2 /3とした。

2. 通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリルねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定した。

3. 棟部の納めに棟包みを用い、棟包みの継手をできるだけ瓦棒に近い位置とした。

4. 水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上がりを 150 mm とした。

答え

  1
けらば部の溝板の幅は、心木なし瓦棒の働き幅の 1/2以下とする。

2 ◯
通し吊り子をマーキングに合わせて平座金を付けたドリリングタッピンねじ下葺野地板を貫通させ母屋に固定する。(JASS12)

3 ◯
棟部の納めは棟包みとし、棟包みの継手はできるだけ瓦棒に近い位置とする。

4 ◯
水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際で120mm程度立ち上げてむだ折りを付ける。(JASS12)

[ No. 38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.  ランナーは、両端部は端部から 50 mm 内側で固定し、中間部は 900 mm 間隔で固定した。

2.  振れ止めは、床ランナーから 1,200 mm 間隔で、スタッドに引き通し、固定した。

3.  スタッドの建込み間隔の精度は、±5 mm とした。

4.  スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、900 mm 間隔に留め付けた。

答え

  4
スペーサーは、各スタッドの端部を押さえ、間隔600mm程度に留め付ける。

1 ◯
軽量鉄骨壁下地ランナーの固定位置は、両端部から 50mm内側とし、中間部は間隔 900mm程度に打込みピンなどで床梁下・スラブ下に固定する。(建築工事監理指針)

2 ◯
振れ止めは、床面ランナー下端より間隔約 1,200mmごとに設ける。ただし、上部ランナー上端から400mm以内に振れ止めが位置する場合は、その振れ止めを省略することができる。

3 ◯
スタッドの建て込み間隔の精度は ±5mm以下、また、スタッドの垂直の精度は ±2mmとする。

[ No. 39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2 とし、専用うすめ液で均一に薄めた。

2. 主材の基層塗りは、所要量を 1.7 kg/m2 とし、2回塗りとした。

3. 増塗りは、主材塗りの後に行い、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、ローラーにより行った。

4. 凸部処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーにより行った。

答え

  3
入隅、出隅、目地部、開口部まわりなど均一に塗りにくい箇所は、はけやコーナー用ローラーなどで、主材塗りの前に増塗りを行う。

1 ◯
下塗材は、所要量を 0.2 kg/m2とし、専用うすめ液で均一に薄める

2 ◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗り残しのないよう下地を覆うように塗り付ける。主材基層の所要量は 1.5〜1.7 kg/m2とする。

4 ◯
凸部の処理は、見本と同様の模様で均一に仕上がるように、ローラーブラシ塗りで行う。

[ No. 40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分はシート状の止水材を使用した。

2. 見え隠れ部分で使用する補強材に、亜鉛めっき処理した鋼材を使用した。

3. 水切り、ぜん板は、アルミニウム板を折曲げ加工するので、厚さを 1.2 mmとした。

4. 建具枠のアンカーは、両端から逃げた位置から、間隔を 500 mm 以下で取り付けた。

答え

  3
アルミニウム板を加工して、枠、かまち、水切り、ぜん板及び額縁に使用する場合の厚さは1.5mm以上とする。(建築工事監理指針)

1 ◯
建具の組立てにおいて、隅部の突付け部分は、漏水防止のためのシーリング材またはシート状の止水材を使用する

2 ◯
補強材、力骨、アンカー等は、鋼製またはアルミニウム合金製とし、鋼製のものは、亜鉛めっきを行う等の接触腐食の防止処置を行う必要がある。

4 ◯
アンカーの位置は、開口部より 150mm内外を端とし、中間は 500mm内外の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

[ No. 41 ]
塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに変性エポキシ樹脂プライマーを使用した。

2. モルタル面のアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り及び上塗りの塗付け量をそれぞれ同量とした。

3. コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいて、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用した。

4. 屋外の木質系素地面の木材保護塗料塗りにおいて、原液を水で希釈し、よく撹拌して使用した。

答え

  4
木材保護塗料塗りは通常屋外で使用される木質系素地に対して適用される。木材保護塗料は、原液で使用するこtを基本とし、希釈はしない

1 ◯
亜鉛めっき鋼面の常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りの下塗りには、変性エポキシ樹脂プライマーを使用する。(JASS18)

2 ◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順に同じ塗料を用い、塗り付け量はともに 0.10 kg/m2とする(JASS18)

3 ◯
コンクリート面のアクリルシリコン樹脂エナメル塗りにおいえ、下塗りに反応形合成樹脂シーラーを使用する。

[ No. 42 ]
合成樹脂塗床に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 樹脂パテや樹脂モルタルでの下地調整は、プライマーの塗布後に行った。

2. 薬品を使用する実験室の塗床は、平滑な仕上げとするため、流しのべ工法とした。

3. 下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂とセメントなどを混合したものとした。

4. エポキシ樹脂のコーティング工法のベースコートは、金ごてで塗り付けた。

答え

  4
エポキシ樹脂のコーティング工法は、主に水性形、溶剤形の塗床材をローラーばけやスプレーで塗り付ける工法である。(建築工事監理指針)

1 ◯
合成樹脂を配合したパテ材や樹脂モルタルで下地調整を行う場合は、プライマーを塗布し乾燥後に行うのが一般的である。(建築工事監理指針)

2 ◯
流しのべ工法とは、塗床材あるいは塗床材に骨材を混合することによって、平滑に仕上げるセルフレベリング工法で、実験室、工場等に使用される。(建築工事監理指針)

3 ◯
下地調整に用いる樹脂パテは、塗床材と同質の樹脂に無機質系充填材あるいはセメント等の水硬性物質またはよう変性付与材等を加えパテ状としたものである。2mm以下のピンホール、巣穴及び、ひび割れ等の目つぶしあるいは不陸の修正に用いる。(建築工事監理指針)

[ No. 43 ]
壁のせっこうボード張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合、ドリリングタッピンねじの留付け間隔は、 中間部 300 mm 程度、周辺部 200 mm 程度とする。

2. せっこう系接着材による直張り工法において、ポリスチレンフォーム断熱材が下地の場合は、プライマー処理をして、ボードを張り付ける。

3. せっこう系接着材による直張り工法において、ボード中央部の接着材を塗り付ける間隔は、 床上 1,200 mm 以下の部分より床上 1,200 mm を超える部分を小さくする。

4. テーパーボードの継目処理において、グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合は、 ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる。

答え

  3
せっこう系接着材直張り工法における張付け用接着材の塗付け間隔は、ボード周辺部を150〜200mm、床上1.2m以下の部分を200〜250mm、床上1.2mを超える部分を250〜300mmとする

1 ◯
軽量鉄骨壁下地にボードを直接張り付ける場合の留付け用小ねじの間隔は、周辺部で 200 mm 程度、中間部で 300 mm 程度であり、中間部の方が間隔が大きい。(JASS26)

2 ◯
ポリスチレンフォーム下地の場合は、打込み工法と現場発泡工法があるが、せっこう系直張り用接着材の製造所が指定するプライマー処理を行う。(建築工事監理指針)

4 ◯
テーパーボードの継目処理で、ジョイントテープにグラスメッシュを用いる場合は、 裏面に粘着剤が塗布されるので、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略してもよい。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 44 ]
屋上露出防水層の上に植栽を行う屋上緑化システムに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2か所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。

2. 施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意するとともに、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

3. 壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上面より5 cm 下がった位置まで立ち上げる。

4. 植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う。

答え

  3
壁面等立上り部に直接土壌が接する場合、敷設する耐根層は、接する土壌仕上げ面より5㎝高い位置まで立ち上げる。

1 ◯
排水のためのルーフドレンは、1排水面積当たり2箇所以上設置し、その口径は目詰まりを考慮して余裕のあるものとする。ドレンの点検・清掃ができるように、ルーフドレンには必ずドレンカバーを設置する。

2 ◯
屋上緑化システムは、耐根層、耐根層保護層、排水層、透水層及び土壌層の5層で構成され、施工に当たっては耐根層を損傷することのないように注意し、耐根層を保護する耐根層保護層(衝撃緩衝層)を敷設してから植栽を行う。

4 ◯
植栽地の見切り材(土留め材)に設ける排水孔には、目詰まり防止、土壌流出防止のための処理を行う

[ No. 45 ]
鉄筋コンクリート造建築物の小口タイル張り壁面の浮きの調査方法と改修工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

2. 赤外線装置法は、タイル張り壁面の内部温度を赤外線装置で測定し、浮き部と接着部における熱伝導の違いにより浮きの有無を調査する方法で、天候や時刻の影響を受けない。

3. アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、タイル陶片の浮きがなく目地モルタル が健全で、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きが発生している場合に用いる工法である。

4. 注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、構造体コンクリートと下地モルタル間に浮きがなく、タイル陶片のみに浮きが発生している場合に用いる工法である。

答え

  2
赤外線装置法は、建物の外壁タイルやモルタル仕上げの壁面において、浮き部と健全部の熱伝導の違いによって生じる表面の温度差を赤外線画像装置により測定して、浮き部を検出する方法で、撮影時の環境温度、壁面が受ける日射強度及び日射の蓄積時間、季節、天候、時刻、気温などの影響を受ける

1 ◯
打診法は、打診用ハンマーなどを用いてタイル張り壁面を打撃して、反発音の違いから浮きの有無を調査する方法である。

3 ◯
アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法は、1箇所の浮き面積が 0.25 m2 未満の浮きに対する工法である。1箇所の浮き面積が 0.25 m2 以上の浮きにはアンカーピンニング全面エポキシ樹脂を使用する。

4 ◯
注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法は、タイル陶片の浮きに適用する唯一の工法で、無振動ドリルの注入口付アンカーピンの開発によって可能になった工法である。タイルの中心に穿孔するので、小口タイル以上の大きさのタイルの浮きの補修に適した工法である。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題5解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

問題番号[ No.46 ] ~[ No.50 ] までの 5 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 塗料や溶剤等の保管場所は、管理をしやすくするため、資材倉庫の一画を不燃材料で間仕切り、設ける計画とした。

2. ガスボンベ類の貯蔵小屋は、壁の1面を開口とし、他の3面は上部に開口部を設ける計画とした。

3. 工事で発生した残材を、やむを得ず高所から投下するので、ダストシュートを設ける計画とした。

4. 仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けない計画とした。

答え

  1
可燃性材料の保管については、次の通りに定めている。(JASS18)
①不燃材料で造った独立した平家建とし、周囲の建物から規定された間隔を確保する。
②屋根は軽量な不燃材料で葺き、天井は設けない。
③建物内の置き場は、耐火構造の室を選ぶ。
④床には、不浸透性の材料を敷く。
⑤消火に有効な消火器や消火砂等を備える。
⑥十分換気を図る。
⑦窓及び出入口には、消火設備を設ける。
⑧出入口には戸締りを設け、「塗装置場」や「火気厳禁」の表示をする。

2 ◯
通気をよくするために、小屋の一面は開口とし、他の三面は上部に開口部を設ける。(JASS2)

3 ◯
建築工事等において工事現場の境界線からの水平距離が 5m以内で、かつ、地盤面からの高さが 3m以上の場所からくず、ごみその他飛散するおそれのある物を投下する場合においては、ダストシュートを用いる等当該くず、ごみ等が工事現場の周辺に飛散することを防止するための措置を講じなければならないと規定されている。(建築基準法施行令第136条の5第1項)

4 ◯
建築基準法施行令第136条の2の20の仮囲いの規定内に「工事現場の周辺若しくは工事の状況により危害防止上支障がない場合においては、この限りでない」とある。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60 % を実負荷とする計画とした。

2.  溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線で、使用電圧が 300 V 以下のものは、1種キャブタイヤケーブルを使用する計画とした。

3.  仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、50 リットル/人・日を見込む計画とした。

4. 仮設の照明設備において、普通の作業を行う作業面の照度は、150 ルクス以上とする計画とした。

答え

  2
一般に使用電圧が低圧の300V以下で、溶接用ケーブル以外の屋外に使用する移動電線は、1種以外のキャプタイヤケーブルを使用する。(電気設備の技術基準の解釈第8条)

1 ◯
工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60%を実負荷として計画する。

3 ◯
仮設の給水設備において、工事事務所の使用水量は、40〜50 ℓ/人・日を目安とする。

4 ◯
労働者の常時就業させる場所の作業面の照度は作業区分に応じて維持する。なお、普通の作業では 150 lx以上とする。

[ No. 48 ]
5階建鉄筋コンクリート造建築物の解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 搬出するアスファルト・コンクリート塊及び建設発生木材の重量の合計が 200 t であったため、再生資源利用促進計画を作成しないこととした。
2. 検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3 倍程度に割り増すこととした。
3. 転倒による解体工法の場合は、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収めることとした。
4. 解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置くので、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収めることとした。

答え

  1
建設業に属する事業を行う者の指定副産物に係る再生資源の利用の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令第7条第1項第ニ号に、再生資源利用促進計画を作成しなければならないものとして、コンクリート塊、アスファルト・コンクリート塊または建設発生木材であって、これらの重要の合計が200 t以上であるものと規定がある。

2 ◯
検討用作業荷重は、振動、衝撃を考慮して、解体重機とコンクリート塊の荷重を 1.3倍程度に割り増す

3 ◯
転倒による解体工法の場合、倒す壁の大きさや重量に応じて、解体する部材の大きさを検討し、倒壊時の振動を規制値以内に収める

4 ◯
解体重機やコンクリート塊を同一の床上に長期間置く場合、検討用作業荷重と固定荷重による各部の応力度は、長期許容応力度以下に収める

[ No. 49 ]
鉄筋コンクリート造の躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化していたため、浸透性アルカリ性付与材を塗布することとした。

2.  コンクリートのひび割れ幅が 1.0 mm を超えていたが、挙動しないひび割れであったため、 シール工法を用いることとした。

3. コンクリート表面の欠損深さが 30 mm 以下であったため、ポリマーセメントモルタルによる充填工法を用いることとした。

4. コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり取り、錆を除去した後に防錆剤を塗布することとした。

答え

  2
コンクリートの表面ひび割れ幅が 1.0mmを超え、挙動しないひび割れ部は、Uカットシール材充填工法で可とう性エポキシ樹脂を使用する。

1 ◯
柱のコンクリートが鉄筋位置まで中性化している場合は、浸透性アルカリ性付与材を塗布する。

3 ◯
最大仕上げ厚さが 30mm程度以下の場合は、ポリマーセメントモルタル充填工法を用いる。

4 ◯
コンクリートの欠損部から露出している鉄筋は、周囲のコンクリートをはつり、ワイヤーブラシなどでケレンを行い錆を除去した後に防錆剤を塗布する。

[ No. 50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上げ改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 既存アスファルト防水層を存置する防水改修工事において、ルーフドレン周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から 150mm までの範囲を四角形に撤去することとした。

2. モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られたため、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いることとした。

3. 塗り仕上げの外壁改修工事において、広範囲の既存塗膜と素地の脆弱部を除去する必要があるため、高圧水洗工法を用いることとした。

4. かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.2 mmであったため、既存枠を補強することとした。

答え

  1
既存コンクリート保護層を撤去し、防水層を撤去しないでアスファルト保護防水密着工法を行う場合、ルーフドレンの周囲の既存防水層は、ルーフドレン端部から300mm程度まで四角形に撤去する。(建築改修工事管理指針)

2 ◯
モザイクタイル張り外壁の改修工事において、タイルの浮きやはく落が見られる場合は、繊維ネット及びアンカーピンを併用した外壁複合改修工法を用いる。

3 ◯
塗り仕上げの外壁改修工事において、劣化の著しい既存塗膜の除去や素地の脆弱部分の撤去には、高圧水洗工法を用いる。

4 ◯
かぶせ工法によるアルミニウム製建具の改修工事において、既存鋼製建具の枠の厚さが1.3mm以上残っていることを確認し、既存建具の枠を残してその上から新規建具を取り付ける。枠の厚さが1.3mm未満の場合は、補強材で補強する

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題6解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

問題番号[ No.51 ] ~[ No.70 ] までの 20 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ALC パネルは、平積みとし、1段の積上げ高さは 1.5 m以下とし2段までとする。

2. 砂付ストレッチルーフィングは、屋内の乾燥した場所に、砂の付いていない部分を上にして縦置きとする。

3. ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した平坦な場所に、2段程度の俵積みとする。

4. 木製建具は、取付け工事直前に搬入するものとし、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

答え

  1
ALC板は、パネルに反り、ねじれ、ひび割れ等の損傷が生じやすいので、保管場所は原則として室内とし、台木を水平に置き、水平で乾燥した場所を選び、角材を2本置いて、その上に整理して積み重ねる。積み上げ高さは1単位(1段)を1.0m以下とし2段までとする。

2 ◯
砂付ストレッチルーフィングは、接着不良とならないように砂の付いていないラップ部分(張付け時の重ねの部分)を上に向けて縦置きとし、ラップ部分の保護のため2段積みは行わない。

3 ◯
ロールカーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平坦な床の上に縦置きせず、必ず横に倒して、2〜3段までの俵積みで保管する。

4 ◯
木製建具は、取付け工事直前に搬入し、障子や襖は縦置き、フラッシュ戸は平積みとする。

[ No. 52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 監理者の立会いのうえ施工するものと設計図書で指定された工事において、監理者の指示により立会いなく施工する場合は、工事写真などの記録を整備して監理者に提出することとした。

2. 工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとることとした。

3. 設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、現場内への搬入後に試験を行い、 記録を整備することとした。

4. 既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存すること とした。

答え

  3
材料、部材、部品で設計図書に適合しないものや、適合していてもそれを証明するものがない場合は、工事現場に搬入してはならない。(JASS1)

1 ◯
監理者の立会いのうえ施工するものと指定された工事で、監理者の都合により適切な時期に立会いができない場合には、その後の工程に支障をきたすので、監理者の立会いを受けることなく施工を行うことができるとしている。ただし、この場合は施工を適切に行ったことを証明する記録を整備し、監理者の求めに応じ提出する。(建築工事監理指針)

2 ◯
工事施工により近隣建物への影響が予想される場合は、近隣住民など利害関係者立会いのもと、現状の建物の写真記録をとる。

4 ◯
既成コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接建設工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存する

[ No. 53 ]
突貫工事になると工事原価が急増する原因として、最も不適当なものはどれか。

1. 材料の手配が施工量の急増に間に合わず、労務の手待ちが生じること。

2. 1日の施工量の増加に伴い、労務費が施工量に比例して増加すること。

3. 一交代から二交代、三交代へと1日の作業交代数の増加に伴う現場経費が増加すること。

4. 型枠支保工材、コンクリート型枠等の使用量が、施工量に比例的でなく急増すること。

答え

  2
作業を急激に進めることから、材料を入れるタイミングで労務費が施工量に比例して増加するものではない

1 ◯
作業を急激に進めることから、材料をタイミングよく入れないと、早く入れすぎて施工の邪魔になったり、遅く入れて労務の手待ちた生じたりする

3 ◯
一交代から二交代へと1日の作業交代数の増加により現場経費等の固定費が増加するため、工事原価が急増する原因となる。

4 ◯
型枠等の消耗役務材料の使用量は、型枠材や支保工材の転用回数等の減少により、施工量に比例的でなく急増する

[ No. 54 ]
工程計画及び工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員の増員等を検討する。

2. 工程計画の立案には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式で検討することが多い。

3. 工事に投入する作業員、施工機械、資機材などの量が一定の量を超えないように山崩しを行うと、工期を短縮できる。

4. 工程計画において、山均しは、作業員、施工機械、資機材などの投入量の均等化を図る場合に用いる。

答え

  3
山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない

1 ◯
算出した工期が指定工期を超える場合は、クリティカルパス上に位置する作業を中心に、作業方法の変更、作業員の増員、工事用機械の台数や機種の変更などによる作業日数の短縮を検討する。

2 ◯
工期が指定され、工事内容が比較的容易で、また施工実績や経験が多い工事の場合は、各工程に所要日数を割り当てる割付方式が多く用いられる。積上方式は、工事内容が複雑な場合や施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。

4 ◯
工程計画において、労務、資機材等の山積み工程を考え、効果的な労務、資機材の活用のために山均しによる平準化を行う

[ No. 55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮又は作業者数の削減をすることができる。

2. 設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定する。

3. 各作業は独立して行われるので、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

4. 一連の作業は同一の日程で行われ、次の工区へ移動することになるので、各工程は切れ目なく実施できる。

答え

  3
各作業の進捗が密接に関連しているため、1つの作業の遅れはタクトを構成する工程全体に大きな影響を与える。

1 ◯
作業を繰り返し行うことによって習熟効果が得られ生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮または作業者数の削減が可能となる。

2 ◯
設定したタクト期間では終わることができない一部の作業の場合、作業期間をタクト期間の2倍または3倍に設定することによって、切れ目のない工程を編成することができる。

4 ◯
一連の作業は同一の日程で行われ、各作業が工区を順々に移動することになるので、切れ目のない工程を編成することができる

[ No. 56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

2. ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。

3. クリティカルパス以外の作業でも、フロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。

4. フリーフロートは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業のフリーフロートに影響を与える。

答え

  4
フリーフロート(自由余裕時間)は、作業の中で自由に使っても、後続する作業に全く影響を及ぼさないで消費できる余裕時間のこと。

1 ◯
トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。最遅終了時刻(LFT)とは、工期に影響を与えない範囲で当該作業を終了し得る最も遅い時刻であり、最早終了時刻(EFT)とは、当該作業を終了し得る最も早い時刻である。

2 ◯
ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロートである。言い換えるとディペンデントフロートは使わずにとっておけば、後続する他の工程でその分を使用できるフロートであり、フリーフロートはその作業についてだけしか使えないフロートで、ため込みがきかないものである。

3 ◯
クリティカルパス以外の作業でも、その作業または経路上の作業においてフロートを使い切ってしまえば、クリティカルパスとなる

[ No. 57 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1. 品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらずち密な管理を行う。

2. 品質管理は、計画段階よりも施工段階で施工情報を検討する方がより効率的である。

3. 品質確保のための作業標準が計画できたら、作業がそのとおり行われているかどうかの管理に重点をおく。

4. 品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されていれば、優れた品質管理といえる。

答え

  3
適切な作業標準(工程)が計画できたら、作業がその通り(工程通り、計画通り)行われているかを管理する。

1 ×
品質管理は、品質管理の目標のレベルに見合った管理を行う。緻密な管理を行うことは、工期、コストの面から、必ずしも優れた品質管理とはいえない。

2 ×
品質に与える影響の大きい前段階や生産工程の上流にできるだけ手を打つことを上流管理または川上管理といい、計画段階で検討するほうがより効果的である。

4 ×
品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない

[ No. 58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 誤差とは、試験結果又は測定結果の期待値から真の値を引いた値のことである。

2. 目標値とは、仕様書で述べられる、望ましい又は基準となる特性の値のことである。

3. 不適合とは、要求事項を満たしていないことである。

4. トレーサビリティとは、対象の履歴、適用又は所在を追跡できることである。

答え

  1
誤差とは、試験結果または測定結果から真の値を引いた値であり、試験結果または測定結果の期待値から真の値を引いた差は、かたよりである。

2 ◯
目標値とは、仕様書上目標となる、または基準となる特性の値のことである。

3 ◯
不適合とは、規定要求事項を満たしていないことである。

4 ◯
トレーサビリティとは、考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できることである。製品に問題があった場合、その製品の履歴を追求することにより、どの段階での問題かを限定する際に必要な機能である。

[ No. 59 ]
建築施工の品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、± 3 mm とした。

2. 硬質吹付けウレタンフォーム断熱材の吹付け厚さの許容差を、 ± 5 mm とした。

3. 鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの管理許容差は、± 3 mmとした。

4. 化粧打放しコンクリート仕上げ壁面の仕上がり平坦さを、3m につき 7mm 以下とした。

答え

  2
作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0から+10mmとする。(建築工事監理指針)

1 ◯
鉄骨柱据付け面となるベースモルタル天端の高さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

3 ◯
鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は、±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

4 ◯
コンクリートの仕上がりの平坦さについては、コンクリートが見え掛りとなる場合、または仕上げ厚さが極めて薄い場合、その他良好な表面状態が必要な場合、3mにつき 7mm以下を標準とする。

[ No. 60 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 無試験検査は、工程が安定状態にあり、品質状況が定期的に確認でき、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない場合に適用される。

2. 間接検査は、購入者側が受入検査を行うことによって、供給者側の試験を省略する検査である。

3. 非破壊検査は、品物を試験してもその商品価値が変わらない検査である。

4. 全数検査は、工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に適用される。

答え

  2
間接検査は、供給者の検査システム及び提出された検査結果を評価し、試験することによる合否判定検査をいう。(JIS Z 8101-2)購入検査で、供給者が行った検査結果を必要に応じて確認することによって購入者の試験を省略し、実際の製品の直接的な検査を避ける

1 ◯
無試験検査とは、品質情報・技術情報などに基づいて、サンプルの試験を省略できる検査をいう。検査なしで次の工程に流すものでり、一般に次のような場合に適用する。

①管理図に異常がなく製造工程が安定状態にあり、そのまま次工程に流しても損失は問題にならない状態の場合、ロットの試験を省略する。
②JIS指定商品等、品質保障のある商品の場合、購入検査を省略する。
③長期にわたって検査結果が良く、使用実績も良好な品物の受入検査の場合、供給者の検査成績表の確認によってサンプルの試験を省略する間接検査に切り替える。

3 ◯
非破壊検査は、超音波探傷試験など対象物を破壊しない方法で行う検査である。

4 ◯
全数検査は、選定された特性についての、対象とするグループ内すべてのアイテムに対する検査をいう。アイテムとは、別々に、記述及び検討することができるものをいう。(JIS Z8101-2)
工程の品質状況が悪く継続的に不良率が大きい場合、あらかじめ決めた品質水準に達しない時は、全数検査とする。

[ No. 61 ]
鉄筋のガス圧接工事の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 外観検査は、圧接部のふくらみの直径及び長さ、鉄筋中心軸の偏心量、折曲がりなどについて行った。

2. 超音波探傷試験における抜取検査ロットの大きさは、1組の作業班が1日に施工した圧接箇所とした。

3. 超音波探傷試験の抜取検査は、1検査ロットに対して無作為に3か所抽出して行った。

4. 超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

答え

  3
抜取検査の超音波探傷試験の箇所数は、1検査ロットに対し30箇所とする。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事仕様書)

1 ◯
外観検査は、①圧接部のふくらみの直径、②ふくらみの長さ、③圧接面のずれ、④軸心のずれ、⑤圧接部の折れ曲がり等について行う。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
超音波探傷試験における抜取検査の1検査ロットは、1作業班が1日に行った箇所数とする。(公共建築工事標準仕様書)

4 ◯
超音波探傷試験による抜取検査で不合格となったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格になった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないか超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No. 62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 有機系接着剤によるタイル後張り工法において、引張接着力試験は、タイル張り施工後、2週間経過してから行った。

2. セメントモルタルによるタイル後張り工法において、引張接着力試験に先立ち、試験体周辺部をコンクリート面まで切断した。

3. 引張接着力試験の試験体の個数は、300 m2ごと及びその端数につき1個以上とした。

4. 二丁掛けタイルの引張接着力試験の試験体は、タイルを小口平の大きさに切断して行った。

答え

  3
引張接着力試験の試験体の箇所数は、3個以上、かつ、100m2ごとまたはその端数につき1個以上が必要である。

1 ◯
引張接着力試験は、タイル張り施工後2週間以上経過した時点で行う。(JASS19)

2 ◯
試験体は、タイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。タイルのはく落がタイルだけでなく下地モルタルから起こることが多いので、この部分まで試験する必要がある。

4 ◯
二丁掛け等小口タイル以上の大きさのタイルは、力のかかり方が局部に集中して正しい結果が得られないことがあるので、小口平程度の大きさに切断する必要がある。

[ No. 63 ]
解体工事における振動・騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 現場の周辺地域における許容騒音レベルの範囲内に騒音を抑えるために、外部足場に防音養生パネルを設置した。

2. 振動対策として、壁などを転倒解体する際に、床部分に、先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用した。

3. 内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより、解体する予定の構造物を遮音壁として利用した。

4. 測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとに指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

答え

  4
特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準第1条1項により、騒音の大きさの決定は、騒音計の指示値が周期的または間欠的に変動し、その指示値の最大値が一定でない場合は、その変動ごとの指示値の最大値の90%レンジの上端の数値とする。

1 ◯
騒音防止や粉塵飛散防止を目的に、防音パネルまたは防音シートを使用する。さらに防音パネルの落下防止のために防音パネル上からネット養生を行うこともある。

2 ◯
振動防止のための効果的な養生はあまりないが、振動対策として、壁などを転倒解体する際、床部分に先行した解体工事で発生したガラを敷きクッション材として利用すると振動が軽減できる。

3 ◯
解体工事における手作業・機械作用の併用作業の流れとして、内装材および内側スパンの構造体を撤去した後、外装材、上部構造部材の解体を行う。解体する予定の構造物を遮音壁として利用することは振動・騒音対策に有効である。

[ No. 64 ]
次に示すイ〜ニの災害を、平成28年の建築工事における死亡災害の発生件数の多い順から並べた組合せとして、適当なものはどれか。

(災害の種類)
イ.建設機械等による災害
ロ.墜落による災害
ハ.電気、爆発火災等による災害
ニ.飛来、落下による災害
1.    イ    ロ    ニ    ハ
2.    ロ    イ    ニ    ハ
3.    イ    ハ    ロ    ニ
4.    ロ    ハ    イ    ニ

答え

  2
平成28年建設業における死亡災害の工事の種類・災害の種類別発生状況(建設業労働災害防止協会)によれば、平成28年の建築工事における死亡災害を発生件数の多い順に並べると、ロの墜落による災害が85件(平成29年は81件)、イの建設機械等による災害が11件(同8件)、ニの飛来、落下による災害が8件(同8件)、ハの電気、爆発火災等による災害が4件(同0件)となっており、2のロイニハが正しかったが、平成29年のデータではイとニが同数となる。

[ No. 65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがあるため、十分散水し、シートで覆いをかけた。

2. 落下物による危害を防止するため、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けて、防護棚を道路上空に設けた。

3. 工事現場の境界に接している荷受け構台には、落下物による危害を防止するために手すりを設けたので、幅木は省略した。

4. 落下物による危害を防止するために足場の外側に設けた工事用シートは、日本工業規格(JIS)で定められた建築工事用シートの1類を使用した。

答え

  3
施工者は、荷受け構台が工事現場の境界に近接している場合には、構台の周辺に手すりや幅木を設ける等落下物による危害を防止するための設備を設けなければならない。幅木は省略できない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

1 ◯
工事現場内の表土がむきだしになることによる土埃の発生のおそれがある場合は、十分散水し、シートで覆いをかけ、適切な養生を施さなければならない

2 ◯
施工者は、防護棚を道路上空に設ける場合には、道路管理者及び所轄警察署長の許可を受けなければならない。(建築工事公衆災害防止対策要綱)

4 ◯
飛来落下物の防護や塗装、粉塵などの飛散防止のため、工事現場の周囲その他危害防止上の必要な部分は、ネット類またはシート類で覆う等の措置を講じなければならない。なお建築工事用シートは、帆布製のものと網地製(メッシュシート)の2種類があり、JIS A8952に規定された1類は、シートだけで落下物による危害防止に使用されるものである。

[ No. 66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1. 地山の掘削作業主任者として、作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

2. 石綿作業主任者として、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うこと。

3. 土止め支保工作業主任者として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

4. はい作業主任者として、はい作業をする箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示すること。

答え

  2
石綿作業主任者の職務として、石綿障害予防規則第20条第一号に作業に従事する労働者が石綿等の粉じんにより汚染され、またはこれらを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること、同条第ニ号に局所排気装置、プッシュプル型換気装置、除じん装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を1月を超えない期間ごとに点検すること、同条第三号に保護具の使用状況を監視することが規定されているが、周辺住民の健康障害を予防するため、敷地境界での計測を定期的に行うことは規定されていない

1 ◯
地山の掘削作業主任者の職務は、作業の方法を決定し、作業を直接指揮することと規定がある。(労働安全衛生規則第360条第一号)

3 ◯
土止め支保工作業主任者の職務として、材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くことが規定されている。(労働安全衛生規則第375条第二号)

4 ◯
はい作業主任者の職務として、労働安全衛生規則第429条第三号に、当該作業を行う箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示することと規定がある。

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 単管足場において、建地を鋼管2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31m を超える部分とした。

2. 単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とした。

3. 枠組足場における高さ 2 m 以上に設ける作業床は、床材と建地とのすき間を12 cm 未満とした。

4. 高さが 20 m を超える枠組足場の主枠間の間隔は、 2 m以下とした。

答え

  4
高さが20mを超えるとき及び重量物の積載を伴う作業を行うときは、使用する主枠は、高さ2m以下のものとし、かつ、主枠間の間隔は 1.85m以下とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第571条第1項第七号)

1 ◯
単管足場において、建地の最高部から測って 31m を超える部分の建地は、鋼管2本組とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

2 ◯
単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 1.85m 以下、はり間方向を1.5m 以下とすることと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

3 ◯
床材と建地とのすき間は12 cm 未満とすることと規定がある。(労働安全衛生規則第563条第1項第二号ハ)

[ No. 68 ]
「労働安全衛生規則」上、事業者が、作業を行う区域内に関係労働者以外の労働者の立入りを禁止しなければならないものはどれか。

1. 高さが2m の足場の組立ての作業

2. 高さが3m の鉄骨造建築物の組立ての作業

3. 高さが4m のコンクリート造建築物の解体の作業

4. 軒の高さが5m の木造建築物の解体の作業

答え

  1
労働安全衛生規則第564条第1項に、事業者は、つり足場、張出し足場または高さが 2m以上の構造の足場の組立て、解体または変更の作業を行うときは、措置を講じなければならないとあり、同規則同条同項ニ号に、組立て、解体または変更の作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働者の立入りを禁止することと規定されている。

[ No. 69 ]
ゴンドラに関する記述として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。

1. ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。

2. つり下げのためのワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。

3. ゴンドラの検査証の有効期間は2年であり、保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。

4. ゴンドラを使用する作業を、操作を行う者に単独で行わせる場合は、操作の合図を定めなくてもよい。

答え

  3
検査証の有効期間は、1年とする。(ゴンドラ安全規則第9条第1項)ただし、同条第2項に、製造検査または使用検査を受けた後設置されていないゴンドラで、その間の保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲内で延長することができるとされている。

1 ◯
事業者は、ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)

2 ◯
ゴンドラ安全規則第17条に、事業者は、ゴンドラの作業床において作業を行うときは、当該作業を行う労働者に安全帯その他の命綱を使用させなければならないと規定があり、同条第2項には、つり下げのためのワイヤロープが1本であるあるゴンドラの規定がある。
※労働安全衛生規則の改正(2025年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落制止用器具となる。

4 ◯
事業者は、ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定め、合図を行う者を指名して、その者に合図を行わせなければならない。ただし、ゴンドラを操作する者に単独で作業を行わせる時は、この限りではいと規定されている。(ゴンドラ安全規則第16条第1項)

[ No. 70 ]
工具とその携帯に関する規定のある法律の組合せとして、誤っているものはどれか。

1. ガス式ピン打ち機
ー  火薬類取締法

2. ガラス切り
ー  軽犯罪法

3. 作用する部分の幅が2 cm 以上で長さが 24 cm 以上のバール
ー 特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律

(ピッキング防止法)
4.  刃体の長さが 8 cm を超えるカッターナイフ
ー 銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)

答え

  1
ガス式ピン打ち機は、銃砲刀剣類所持等取締法第2条の空気銃(圧縮した気体を使用して弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう)に相当する。

2 ◯
軽犯罪法第1条第三号に、ガラス切りその他他人の邸宅または建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者は、拘留または科料に処するとある。

3 ◯
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第2条第三号の政令で定める工具として、特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令第2条第二号に定められている。

4 ◯
銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)第22条で、何人も、業務その他正当な理由による場合を除いては、内閣府令で定めるところにより計った刃体の長さが 6cm を超える刃物を携帯してはならないとある。

1級建築施工管理技士 平成30年 学科 問題7解説

平成30年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

*問題番号[ No.71 ] ~[ No.82 ] までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。

[ No. 71 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 床面積の合計が 10 m2 を超える建築物を除却しようとする場合においては、原則として、 当該除却工事の施工者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。

2. 避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前であっても、仮に、当該建築物を使用することができる。

3. 鉄筋コンクリート造3階建共同住宅の3階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事の工程は、中間検査の申請が必要な特定工程である。

4. 木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合においては、確認済証の交付を受けなければならない。

答え

  3
鉄筋コンクリート造その他これに類する構造の官庁中間検査の特定工程は2階床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事である。(建築基準法第7条の3第1項)

1 ◯
建築主が建築物を建築しようとする場合または建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合においては、これらの者は、建築主事を経由して、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。ただし、当該建築物または当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。(建築基準法第15条第1項)

2 ◯
避難施設等に関する工事を含む建築物の完了検査を受けようとする建築主は、建築主事が検査の申請を受理した日から7日を経過したときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用し、または使用させることができる。(建築基準法第7条の6第1項)

4 ◯
木造3階建の戸建て住宅を、大規模の修繕をしようとする場合において、建築主は、当該工事に着手する前に、その計画が建築基準法関係規定その他建築物の敷地、構造または建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであることについて、確認の申請書を提出して建築主事の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。(建築基準法第6条第1項)

[ No. 72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 建築監視員は、建築物の工事施工者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。

2. 建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。

3. 建築主は、延べ面積が 300 m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、一級建築士であ る工事監理者を定めなければならない。

4. 特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放 置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除却を勧告することができる。

答え

  2
特定行政庁は、違反建築物の建築主、工事の請負人などに対して当該工事の施工の停止を命じ、または違反を是正するために必要な措置をとることを命じることができる。(建築基準法 第9条 第1項)

1 ◯
建築監視員は、建築物若しくは建築物の敷地の所有者、管理者若しくは占有者、建築主、設計者、建築材料等を製造した者、工事監理者、工事施工者または建築物に関する調査をした者に、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。(建築基準法第12条第5項)

3 ◯
建築主は、延べ面積 300m2 を超える鉄骨造の建築物を新築する場合は、1級建築士である工事監理者を定めなければならない。(建築基準法第5条の6第4項)

4 ◯
特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 100 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除去等の規定または条件に対する違反を是正するために必要な措置をとることを命ずることができる。(建築基準法第9条第1項)

[ No. 73 ]
建築物の内装制限に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1. 自動車車庫の用途に供する特殊建築物は、構造及び床面積に関係なく、原則として、内装制限を受ける。

2. 主要構造部を耐火構造とした学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。

3. 内装制限を受ける百貨店の売場から地上に通ずる主たる廊下の室内に面する壁のうち、床面からの高さが 1.2 m 以下の部分は、内装制限を受けない。

4. 主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。

答え

  3
居室から地上に通ずる主たる廊下、階段その他の通路の壁及び天井の室内に面する部分は、内装制限を受ける。(建築基準法 施行令 第128条の5)

1 ◯
建築基準法第2条第2号に規定されている特殊建築物である自動車車庫は、すべて内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)

2 ◯
主要構造部を耐火構造として学校の1階に設ける調理室は、内装制限を受けない。建築基準法第35条の2の規定で制限を受けるものは、階数が3以上の建築物に存する調理室である。(建築基準法 施行令第128条の4第4項)

4 ◯
主要構造部を耐火構造とした地階に設ける飲食店は、原則として、内装制限を受ける。(建築基準法 第35条の2)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。

2. 特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業及び造園工事業の5業種である。

3. 特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000 万円以上の下請契約を締結してはならない。

4. 許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10 年の実務の経験を有する者を、 一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。

答え

  2
特定建設業の許可を受けようとする建設業のうち、指定建設業は、土木工事業、建築工事業、電気工事業、菅工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業及び造園工事業の7業種である。(建設業法施行令 第5条の2)

1 ◯
特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。(建設業法第15条第三号、同法施行令第5条の4)

3 ◯
発注者から直接請け負った建設工事を施工する場合、特定建設業の許可を受けた者で建設業が建築工事業である場合においては、下請代金の額の総額が 6,000万円以上の下請契約を締結してはならない。(建設業法第3条第1項第二号、同法施行令第2条)

4 ◯
一般建設業では、営業所ごとに置かなければならない専任の者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年以上の実務経験を有する者とすることができる。(建設業法第7条第二号ロ)

[ No. 75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、情報通信の技術を利用する一定の方法で通知することができる。

2. 特定建設業者は、発注者から直接建築一式工事を請け負った場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者の閲覧に供しなければならない。

3. 注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人である場合であっても、その変更を請求することができる。

4. 注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15 日以上を設けなければならない。

答え

  3
注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。(建設業法 第23条第1項)

1 ◯
請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する一定の方法で国土交通省令で定めるものにより通知することができるとしている。(建設業法第19条の2第1項、第3項)

2 ◯
特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事が建築一式工事である場合に、下請契約の請負代金の総額が 6,000 万円以上になるときは、作成した施工体制台帳を工事現場ごとに備え置き、発注者から請求があったときはその発注者の閲覧に供しなければならない。(建設業法第24条の7第1項、第3項、同法施行令第7条の4)

4 ◯
建設工事の注文者は、請負契約の方法が随意契約による場合であっては契約を締結する以前に、入札の方法により競争に付する場合にあっては入札を行う以前に、建設業者が当該建設工事の見積りをするために必要な政令で定める一定の期間を設けなければならない。工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事については、15日以上である。(建設業法第20条第3項、同法施行令第6条第1項三号)

[ No. 76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1. 工事一件の請負代金の額が 5,000万円である事務所の建築一式工事において、工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは、工事現場ごとに専任の者でなければならない。

2. 下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず、主任技術者を置かなければならない。

3. 専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある二以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。

4. 専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。

答え

  1
建設業者は、元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、請負金額の大小に関係なく、その工事現場の建設工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)

2 ◯
下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)

3 ◯
専任の主任技術者を置かなければならない工事において、密接な関係のある二以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工する場合、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。(建設業法第26条第3項、同法施行令第27条第2項)

4 ◯
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、 その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法第26条第4項、同法施行規則第17条の14)

[ No. 77 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1. この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効であり、この法律に定められた基準が適用される。
2. 労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な契約期間を定めるもののほかは、原則として3年を超える契約期間について締結してはならない。
3. 使用者は、労働者が業務上負傷し、休業する期間とその後 30 日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合でも解雇してはならない。
4. 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位等について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

答え

  3
労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項)

1 ◯
労働基準法で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効となる。無効となった部分は労働基準法に定められた基準による。(労働基準法第13条)

2 ◯
労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、3年を超える契約期間について締結してはならない。(労働基準法第14条)

4 ◯
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金または退職の事由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(労働基準法第22条第1項)

[ No. 78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1. 統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、安全衛生責任者を選任しなければならない。

2. 一の場所において鉄骨造の建築物の建設の仕事を行う元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の総数が常時 20人以上 50人未満の場合、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。

3. 事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。

4. 元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

答え

  1
事業者は、統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人で、当該仕事を自ら行うものは、安全衛生責任者を選任し、その者に統括安全衛生責任者との連絡その他の厚生労働省令で定める事項を行わせなければならない。(労働安全衛生法第16条)

2 ◯
店社安全衛生管理者を選任しなければならない労働者数は、労働安全衛生規則第18条の6第1項に、主要構造部が鉄骨造または鉄骨鉄筋コンクリート造である建築物の建設の仕事で、常時 20人以上50人未満と規定されている。

3 ◯
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業で 100人以上の労働者を使用する場合、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法第10条第1項、同法施行令第2条)

4 ◯
元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者を選任しなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

[ No. 79 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1. 事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。

2. 事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。

3. 事業者は、建設業の事業場において新たに職務に就くこととなった作業主任者に対し、作業方法の決定及び労働者の配置に関する事項について、安全又は衛生のための教育を行わなければならない。

4. 事業者は、中高年齢者については、その者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。

答え

  3
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならないと規定があり、作業主任者は除かれている。(労働安全衛生法第60条)

1 ◯
事業者は、事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第60条の2第1項)

2 ◯
事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。(労働安全衛生規則第35条第2項)

4 ◯
事業者は、中高年齢者その他労働災害の防止上その就業に当たって特に配慮を必要とする者については、これらの者の心身の条件に応じて適正な配置を行うように努めなければならない。(労働安全衛生法第62条)

[ No. 80 ]
特定建設資材を用いた建築物等の解体工事又は新築工事等のうち、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、分別解体等をしなければならない建設工事に該当しないものはどれか。

1. アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が 700 万円の工事

2. 建築物の増築工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 500 m2 の工事

3.  建築物の耐震改修工事であって、請負代金の額が 7,000 万円の工事

4. 擁壁の解体工事であって、請負代金の額が 500 万円の工事

答え

  3
建築物の耐震改修工事は分別解体等が義務づけられている建築物の修繕、模様替えに含まれるが、規模の基準の請負代金額は1億円以上であるので、ここでは7,000万円であるため、分別解体等をしなければならない工事には該当しない。(建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(以下建設リサイクル法)第9条第3項、同法施工令第2条第1項第三号)

1 ◯
アスファルト・コンクリートの撤去工事であって、請負代金の額が500万円以上の工事であるため、該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第四号)

2 ◯
建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500 m2 以上であるもに該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第1項第二号)

4 ◯
建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が 500 万円以上であるものは、建設工事に該当する。(建設リサイクル法第9条第3項、同法施行令第2条第第四号)

[ No. 81 ]
指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、「騒音規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、作業はその作業を開始した日に終わらないものとする。

1. 特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、作業の実施の期間や騒音の防止の方法等の事項を、市町村長に届出をしなければならない。

2. 環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

3. さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における作業に係る2地点間の距離が 50m を超えない作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

4. 構台支持杭を打ち込むため、もんけんを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  4
くい打機の場合、もんけんを使用する作業の場合は、届出をしなくてもよい。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第一号)

1 ◯
指定地域内において、特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、環境省令で定めるところにより、
①氏名または名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
②建設工事の目的に係る施設または工作物の種類
③特定建設作業の場所及び実施の期間
④騒音の防止の方法
⑤その他環境省令で定める事項
について、市町村長に届け出なければならない。(騒音規制法第14条第1項)

2 ◯
環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第六号)

3 ◯
さく岩機を使用する作業において、作業地点が連続的に移動する作業で、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が 50m を超えない作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。(騒音規制法第14条、同法施工令別表第二第三号)

[ No. 82 ]
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。 ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。

1.  荷台の高さが1m の自動車に、高さ 2.4 m の資材を積載して運搬する場合

2.  長さ 11m の自動車に、車体の後ろに1m はみ出す長さ12m の資材を積載して運搬する場合

3.  積載する自動車の幅より、左右に 0.25 mずつはみ出す資材を積載して運搬する場合

4. 資材を看守するため必要な最小限度の人員を、自動車の荷台に乗せる場合

答え

  3
必要とする。積載物の幅の限度は、その自動車の車体の左右からはみ出さないことであるから許可は必要である。(道路交通法施行令22条第四号ロ)

1 × 必要としない
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する場合、積載物の高さが 3.8m からその自動車の積載する場所の高さを減じた者以下であるから許可は不要である。(道路交通法第57条第1項、同法施行令22条第三号ハ)

2 × 必要としない
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの 1/10 の長さを加えたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第3項、同法施行令22条第三号イ)

4 × 必要としない
車両の運転者は、貨物自動車で貨物を積載している場合、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(道路交通法第55条第1項)

1級建築施工管理技士 令和02年 学科 問題6 解説

令和2年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※ 問題番号[ No.51 ]~[ No.70 ]までの 20問題は、全問題を解答してください。

[ No.51 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.押出成形セメント板は、平坦で乾燥した場所に平積みとし、積上げ高さを 1 m までとして保管した。

2.板ガラスは、車輪付き裸台で搬入し、できるだけ乾燥した場所にそのまま保管した。

3.長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管した。

4.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の平坦で乾燥した場所に、4段までの俵積みにして保管した。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

押出し成形セメント板の保管は、積み置きは平坦で乾燥した場所を選定し、積上げ高さは1m以内とする。(ECP施工標準仕様書:押出し成形セメント板協会)

2.◯

車輪付き裸台や木箱・パレットで運搬してきた板ガラスは、そのまま保管する。

3.◯

長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管する。

4.×

ロール状に巻いたカーペットは、横置きにし、変形防止のため2~3段までの俵積みで保管する

[ No.52 ]
建設業者が作成する建設工事の記録等に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付したものではないものは、保存しないこととした。

2.承認あるいは協議を行わなければならない事項について、建設業者はそれらの経過内容の記録を作成し、監理者と双方で確認したものを監理者に提出することとした。

3.設計図書に定められた品質が証明されていない材料について、建設業者は現場内への搬入後に試験を行い、記録を整備することとした。

4.既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が保存する期間を定め、当該期間保存することとした。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接工事を請け負った建設業者が作成した発注者との打合せ記録のうち、発注者と相互に交付したものを保存する。

2.◯

承認あるいは協議を行わなければならない事項について、経過内容の記録を作成し、建設業者監理者の双方で確認したものを監理者に提出する。

3.×

設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、工事現場に搬入してはならない受入れ検査種別ごとに行い、必要に応じて工事監理者の立会いを受ける。(JASS1)

4.◯

既製コンクリート杭工事の施工サイクルタイム記録、電流計や根固め液の記録等は、発注者から直接工事を請け負った建設業者が、保存する期間を定めて保存する。

[ No.53 ]
工程管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.バーチャート手法は、前工程の遅れによる後工程への影響を理解しやすい。

2.工事の進捗度の把握には、時間と出来高の関係を示した S チャートが用いられる。

3.間接費は、一般に工期の長短に相関して増減する。

4.どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない時間をクラッシュタイムという。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

バーチャート工程表は、作業間の関連が示されないので、クリティカルパス明確になりにくい

2.◯

Sチャートとは、時間と出来高の関係を示した工程表で、工事の進捗度の把握に用いられる。

3.◯

間接費とは、建築物としては残らないが工事に必要な仮設の費用など間接的な費用のことをいう。間接費は工期の長短に相関して増減し、一般に、工期が長くなると間接費は増加する。

4.◯

クラッシュタイムとは、どんなに直接費を投入しても、ある限度以上には短縮できない時間をいう。なお、直接費とは工事に直接かかる費用のことで、材料費や労務費等が含まれる。

[ No.54 ]
工程計画の立案に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工程計画には、大別して積上方式と割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、割付方式を採用することが多い。

2.算出した工期が指定工期を超える場合は、クリティカルパス上に位置する作業について、作業方法の変更や作業員増員等を検討する。

3.作業員、施工機械、資機材等の供給量のピークが一定の量を超えないように山崩しを行うことで、工期を短縮できる。

4.作業員、施工機械、資機材等の供給量が均等になるように、山均しを意図したシステマティックな工法の導入を検討する。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

工程計画には、大別して、作業ごとにかかる日数を積み上げていく積上方式と、工期を決めて作業ごとの日程を割付ていく割付方式とがあり、工期が制約されている場合は、一般に、割付方式を採用する。

2.◯

算出した工期が指定工期を超える場合には、クリティカルパス上に位置する作業について、作業方法の変更や作業員増員等を検討し、工期短縮を図る。なお、クリティカルパスとは、ネットワーク工程表において、始点から終点に至る経路のうち、最も時間のかかる経路をいう。

3.×

山積工程表における山崩しは、人員、機械、資材の量を考慮して、労働者の投入人数などをなるべく一定にし、バランスの取れた経済的な工程計画にするものであり、工期短縮に用いる手法ではない。

4.◯

各日の作業員、施工機械、資機材等の供給量が均等になるように、山均しを意図したシステマティックな工法の導入を検討する。

[ No.55 ]
タクト手法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工事途中でのタクト期間の短縮や作業者数の削減を検討する。

2.タクト手法は、同一設計内容の基準階を多く有する高層建築物の仕上工事の工程計画手法として、適している。

3.設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定する。

4.各作業が独立して行われているため、1つの作業に遅れがあってもタクトを構成する工程全体への影響は小さい。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

タクト手法は、主に繰り返し作業の工程管理に用いられる。作業を繰り返し行うことによる習熟効果によって生産性が向上するため、工期の途中で、所要日数の短縮や作業者数の削減を検討する。

2.◯

前述したようにタクト手法は、繰り返し作業の工程管理に適しており、同一設計内容の基準階を多く有する高層建築物の仕上工事等の工程計画手法として、適している。

3.◯

設定したタクト期間では終わることができない一部の作業については、タクト期間内で終わるように、当該作業の作業期間をタクト期間の整数倍に設定して計画する。

4.×

各作業が独立して行われてはいない。1つの作業に遅れがあると、タクトを構成する工程全体へ影響する。

[ No.56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロートである。

2.フリーフロートは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業のフリーフロートに影響を及ぼすようなフロートである。

3.クリティカルパスは、トータルフロートが0の作業を開始結合点から終了結合点までつないだものである。

4.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ディペンデントフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)に対する余裕時間であるトータルフロート(TF)と、後続作業の最早開始時刻(EST)に対する余裕時間であるフリーフロート(FF)の差である。したがって、ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロート(余裕時間)である。

ディペンデントフロート

= 当該作業のトータルフロート – 当該作業のフリーフロート

2.×

フリーフロートとは、その作業の中で使い切ってしまうと後続作業の最早開始時刻に影響を及ぼすようなフロートをいう。

フリーフロートは次式で定まる。

フリーフロート

=後続作業の最早開始時刻 – 当該作業の最早終了時刻

したがって、フリーフロートに影響を及ぼすものは、後続作業の最早開始時刻当該作業の最早終了時刻である。

3.◯

クリティカルパスは、ネットワークに工程表において始点から終点に至る経路のうち、最も時間のかかる経路であり、トータルフロートが0の作業を開始結合点から終了結合点までつないだものとなる。

4.◯

トータルフロートは、次式で算定される。

トータルフロート(TF)

= 当該作業の最遅終了時刻(LFT) – 当該作業の最早終了時刻(EFT)

[ No.57 ]
品質管理に関する記述として、最も適当なものはどれか。

1.品質管理は、計画段階より施工段階で検討するほうが、より効果的である。

2.品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理を行う。

3.工程(プロセス)の最適化より検査を厳しく行うことのほうが、優れた品質管理である。

4.品質管理は、品質計画の目標のレベルにかかわらず、緻密な管理を行う。

答え

  2

適切な工程が計画できたら、作業が工程通り行われているか管理を行う。

1.×

品質に与える影響が大きい前段階や生産工程の上流でできるだけ手を打つことを川上管理といい、施工段階より計画段階で検討する方がより効果的である。

2.◯

品質管理では、品質確保のための作業標準を作成し、作業標準どおり行われているか管理をする。

3.×

検査内容を厳しくする方法は、手直し等のコストがかかり、原価が高く、工期もかかり、有効な方法とはいえない。一方、工程(プロセス)を最適化することは、優れた品質管理を行う上で有効である。

4.×

品質の目標値を大幅に上回る品質が確保されている場合、過剰品質として工期、コストの面から優れた品質管理とはいえない。

[ No.58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.目標値とは、仕様書で述べられる、望ましい又は基準となる特性の値のことをいう。

2.ロットとは、等しい条件下で生産され、又は生産されたと思われるものの集まりをいう。

3.かたよりとは、観測値又は測定結果の大きさが揃っていないことをいう。

4.トレーサビリティとは、対象の履歴、適用又は所在を追跡できることをいう。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

目標値とは、仕様書で述べられる、望ましいまたは基準となる特性の値のことをいう。

2.◯

ロットとは、等しい条件下で生産され、または生産されたと思われるものの集まりをいう。

3.×

かたよりとは、観測値・測定結果の期待値から真の値を引いたである。観測値・測定結果から真の値を引いた値は、誤差である。

4.◯

トレーサビリティとは、対象の履歴、適用又は所在を追跡できることをいう。

[ No.59 ]
建築施工の品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.鉄骨工事において、一般階の柱の階高寸法は、梁仕口上フランジ上面間で測り、その管理許容差は、±3 mm とした。

2.コンクリート工事において、ビニル床シート下地のコンクリート面の仕上がりの平坦さは、 3 m につき 7mm 以下とした。

3.カーテンウォール工事において、プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取付け位置の寸法許容差のうち、目地の幅は、±5 mm とした。

4.断熱工事において、硬質吹付けウレタンフォーム断熱材の吹付け厚さの許容差は、 ±5 mm とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

柱の製品検査における一般階の階高寸法は、梁仕口上フランジで測り、管理許容差は ±3mm、限界許容差は ±5mmとする。(JASS6)

2.◯

コンクリート工事において、ビニル系床材張りなど仕上げ厚さが極めて薄い場合、下地コンクリートの仕上がりの平坦さは、3mにつき 7mm以下とする。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯

プレキャストコンクリートカーテンウォール部材の取り付け位置における目地幅の許容差は、特記のない場合は ±5mmとする。(公共建築工事標準仕様書)

4.×

作業者は吹付け作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0から+10mmとする。(建築工事監理指針)

[ No.60 ]
品質管理における検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.中間検査は、不良なロットが次工程に渡らないよう事前に取り除くことによって、損害を少なくするために行う検査である。

2.間接検査は、購入者側が受入検査を行うことによって、供給者側の試験を省略する検査である。

3.非破壊検査は、品物を試験してもその商品価値が変わらない検査である。

4.全数検査は、工程の品質状況が悪いために不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合に適用される検査である。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

中間検査とは、不良なロットや施工が次の工程に引き継がれないように、検査により事前に取り除くことによって、損害を少なくするために行われる。

2.×

間接検査は、購入検査において供給者側が行なった検査結果を必要に応じて確認することによって、購入者の試験を省略する検査をいう。

3.◯

非破壊検査は、品物を破壊することなく行うことができる検査で、品物を試験してもその商品価値が変わらない検査である。

4.◯

全数検査は、工程の品質状況が悪いために不良率が大きく、決められた品質水準に修正しなければならない場合や不良品の混入が許されない場合等に適用される。

[ No.61 ]
普通コンクリートの試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スランプ 18 cm のコンクリートの荷卸し地点におけるスランプの許容差は、± 2.5 cm とした。

2.1回の構造体コンクリート強度の判定に用いる供試体は、複数の運搬車のうちの1台から採取した試料により、3個作製した。

3.構造体コンクリート強度の判定は、材齢 28 日までの平均気温が 20 ℃であったため、工事現場における水中養生供試体の1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とした。

4.空気量 4.5 % のコンクリートの荷卸し地点における空気量の許容差は、± 1.5 % とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートスランプ 18cm のスランプの許容差は、±2.5cmである。(8㎝以上18㎝以下のとき)(JIS A5308)

*スランプ 21㎝のときは±1.5㎝(ただし、呼び強度27以上で、高性能AE減水剤を使用する場合は、±2㎝とする。)

2.×

構造体のコンクリート強度の推定試験において、1回の試験に用いる3個の供試体は、適当な間隔をおいた3台の運搬車から1個ずつ採取する

3.◯

材齢 28日までの平均気温が 20 ℃以上の場合は、構造体コンクリート強度の判定は、工事現場における水中養生供試体の1回の試験結果が調合管理強度以上のものを合格とすることができる。

4.◯

コンクリートの空気量の許容差は、±1.5% である。(JIS A5308)

空気量が許容差を超えた場合は、調合の調整等を行う。ただし、調合の調整に当たり、水セメント比を変えてはならない。

[ No.62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.引張接着力試験の試験体の個数は、300 m2 ごと及びその端数につき1個以上とした。

2.接着剤張りのタイルと接着剤の接着状況の確認は、タイル張り直後にタイルをはがして行った。

3.セメントモルタル張りの引張接着力試験は、タイル張り施工後、2週間経過してから行った。

4.二丁掛けタイル張りの引張接着力試験は、タイルを小口平の大きさに切断した試験体で行った。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

引張接着力試験の試験体の箇所数は、3個以上、かつ、100m2ごとまたはその端数につき1個以上が必要である。

2.◯

接着剤張りのタイルと接着剤の接着状況の確認は、タイル張り直後にタイルをはがして行う。

3.◯

引張接着力試験は、タイル張り施工後、2週間以上経過して時点で行う。(JASS19)

4.◯

二丁掛け等小口タイル以上の大きさのタイルは、力のかかり方が局部に集中して正しい結果が得られないことがあるので、小口平程度の大きさに切断する必要がある。

[ No.63 ]
鉄筋コンクリート造建築物の解体工事における振動、騒音対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより、解体する予定の躯体を防音壁として利用した。

2.周辺環境保全に配慮し、振動や騒音が抑えられるコンクリートカッターを用いる切断工法とした。

3.振動レベルの測定器の指示値が周期的に変動したため、変動ごとに指示値の最大値と最小値の平均を求め、そのなかの最大の値を振動レベルとした。

4.転倒工法による壁の解体工事において、先行した解体工事で発生したガラは、転倒する位置に敷くクッション材として利用した。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

内部スパン周りを先に解体し、外周スパンを最後まで残すことにより、解体する予定の外周スパンの躯体を防音壁として利用することは、振動、騒音対策として有効である。

2.◯

鉄筋コンクリート造建築物の解体工事におけるコンクリートカッターを用いる切断工法は、粉塵や騒音の発生を抑制できるので、周辺環境保全に配慮した工法である。

3.×

特定工場等において発生する騒音の規制に関する基準第1条1項により、騒音の大きさの決定は、騒音計の指示値が周期的または間欠的に変動し、その指示値の最大値が一定でない場合は、その変動ごとの指示値の最大値の90%レンジの上端の数値とする。

4.◯

転倒工法による壁の解体工事において、先行した解体工事で発生したガラ(コンクリート破片)をクッション材として転倒する位置に敷くことは、振動、騒音の発生抑制に有効である。

[ No.64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.労働損失日数は、一時労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365 を乗じて算出する。

2.労働災害における労働者とは、所定の事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。

3.度数率は、災害発生の頻度を表すもので、100 万延べ実労働時間当たりの延べ労働損失日数を示す。

4.永久一部労働不能で労働基準監督署から障がい等級が認定された場合、労働損失日数は、その等級ごとに定められた日数となる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

厚生労働省の統計調査では、労働損失日数は次の基準により算出される。

死 亡・・・・・・・・7,500日

永久全労働不能・・・・身体障害

等級1~3級の日数(7,500日)

永久一部労働不能・・・身体障害

等級4~14級の日数

級に応じて 50~5,500日

一時労働不能

暦日の休日日数に 300/365を乗じた日数

(うるう年は 300/366)

2.◯

労働者とは、職業の種類を問わず、事業または事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。(労働基準法第9条)

3.×

度数率は、100万延労働時間当たりの労働災害による死傷者数を表すもので、災害発生の頻度を示す。

度数率 = 死傷者数 / 延労働時間数 × 1,000,000

4.◯

選択肢1の記述のとおり、永久一部労働不能で労働基準監督署から障がい等級が認定された場合の労働損失日数は、その等級ごとに定められた日数により算出される。

[ No.65 ]
市街地の建築工事における公衆災害防止対策に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工事現場周囲の道路に傾斜があったため、高さ 3m の鋼板製仮囲いの下端は、隙間を土台コンクリートで塞いだ。

2.飛来落下物による歩行者への危害防止等のために設置した歩道防護構台は、構台上で雨水処理し、安全のために照明を設置した。

3.鉄筋コンクリート造の建物解体工事において、防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音パネルを設置した。

4.外部足場に設置した防護棚の敷板は、厚さ 1.6 mm の鉄板を用い、敷板どうしの隙間は 3 cm 以下とした。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

仮囲いの高さは 1.8m以上としなければならない。(建築基準法施行令第136条の2の20)また、傾斜地に設置した鋼板製仮囲いの下端に生じた隙間は、土台コンクリート等で塞ぐ計画とする。

2.◯

歩道防護構台は、飛来落下物による歩行者への危害防止等のために設置され、雨水は構台上で処理し、安全のために照明を設置して照度を確保する。

3.◯

建物解体工事における防音と落下物防護のため、足場の外側面に防音パネルを設置する。

4.×

防護柵(朝顔)の敷板は、厚さ30mm程度のひき板、合板足場板または厚さ1.6mm以上の鉄板を用い、足場板または鉄板は、隙間のないようにする。(JASS2)

[ No.66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視すること。

2.有機溶剤作業主任者は、作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。

3.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を作業計画として定めること。

4.はい作業主任者は、はい作業をする箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示すること。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、要求性能墜落制止用器具等及び保護帽の使用状況を監視することと規定されている。(労働安全衛生規則第247条第三号)

2.◯

有機溶剤作業主任者は、作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、またはこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮することと規定されている。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2第一号)

3.×

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者の業務は、建築物の骨組み又は塔であって、高さが5m以上である金属製の部材により構成されるものの組立て、解体又は変更の作業を行う場合において労働災害の防止などを行うこと。

4.◯

はい作業のはいとは、倉庫等に積み重ねられた荷をいい、はい作業とは、袋や箱の荷を積み上げたり、移動のために崩したりする作業のことをいう。はい作業主任者は、はい作業をする箇所を通行する労働者を安全に通行させるため、その者に必要な事項を指示することと規定されている。(労働安全衛生規則第429条第三号)

[ No.67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.単管足場の建地を鋼管2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31m を超える部分とした。

2.くさび緊結式足場の支柱の間隔は、桁行方向 2 m、梁間方向 1.2 m とした。

3.移動式足場の作業床の周囲は、高さ 90 cm で中桟付きの丈夫な手すり及び高さ 10 cm の幅木を設置した。

4.高さが 8m のくさび緊結式足場の壁つなぎは、垂直方向 5 m、水平方向 5.5 m の間隔とした。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は、鋼管を2本組とすること。ただし、建地の下端に作用する設計荷重(足場の重量に相当する荷重に、作業床の最大積載荷重を加えた荷重をいう。)が当該建地の最大使用荷重(当該建地の破壊に至る荷重の2分の1以下の荷重をいう)を超えないときは、この限りでないと規定されている。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

2.×

建地の間隔は、桁行方向 1.85m 以下、梁間方向 1.5m 以下とする。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

3.◯

作業床の周囲には、高さ90㎝以上で中桟付きの丈夫な手すり及び高さ10㎝以上幅木を設けること。ただし、手すりと作業床との間に上部な金網等を設けないことができる。(移動式足場の安全基準に関する技術上の指針)

4.◯

一側足場、本足場または張り出し足場であるものにあっては、次に定めるところにより、壁つなぎまたは控えを設けることとあり、間隔は、表の上欄に掲げる鋼管足場の種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる値以下とすること。(労働安全衛生規則第570条第1項第五号イ)

[ No.68 ]
事業者が行わなければならない点検に関する記述として、「労働安全衛生規則」上、 誤っているものはどれか。

1.作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検を行わなければならない。

2.高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。

3.つり足場における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、脚部の沈下及び滑動の状態について点検を行わなければならない。

4.繊維ロープを貨物自動車の荷掛けに使用するときは、その日の使用を開始する前に、繊維 ロープの点検を行わなければならない。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

事業者は、作業構台における作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、作業を行う箇所に設けた手すり等及び中桟等の取り外し及び脱落の有無について点検し、異常を認めたときは、直ちに補修しなければならない。(労働安全衛生規則第575条の8第1項)

2.◯

事業者は、高所作業車を用いて作業を行うときは、その日の作業を開始する前に、制動装置、操作装置及び作業装置の機能について点検を行わなければならない。(労働安全衛生規則第194条の27)

3.×

事業者は、つり足場における作業の開始前に、チェーンの亀裂、変形、錆、伸び、曲がり、開き等を点検しなければならない。(労働安全衛生規則第568条)

☆令和5年10月1日施行の同規則第567条・第568条の改正により、事業者が自ら点検する義務が、点検者を指名して、点検者に点検させる義務に変更された。したがって、現在でも、この選択肢が誤りとなる。

4.◯

事業者は、繊維ロープを貨物自動車の荷掛けに使用するときは、その日の使用を開始する前に、当該繊維ロープの点検し、異常を認めた時は、直ちに取り替えなければならない。(労働安全衛生規則第151条の69)

[ No.69 ]
ゴンドラを使用して作業を行う場合、事業者の講ずべき措置として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。

1.ゴンドラの操作の業務に就かせる労働者は、当該業務に係る技能講習を修了した者でなければならない。

2.ゴンドラを使用して作業するときは、原則として、1月以内ごとに1回自主検査を行わなければならない。

3.ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。

4.ゴンドラについて定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

ゴンドラの操作の業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行わなければならない。(ゴンドラ安全規則第12条)

2.◯

事業者は、ゴンドラについて、1月以内ごとに1回、定期に、次の事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1月を超える期間使用しないゴンドラの当該使用しない期間においては、この限りでない。(ゴンドラ安全規則第21条1項)

3.◯

事業者は、ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を保持しなければならない。(ゴンドラ安全規則第20条)

4.◯

事業者は、定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない。(ゴンドラ安全規則第21条3項)

[ No.70 ]
酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときの事業者の責務として、「酸素欠乏症等防止規則」上、誤っているものはどれか。

1.酸素欠乏危険作業については、所定の技能講習を修了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。

2.酸素欠乏危険作業に労働者を就かせるときは、当該労働者に対して酸素欠乏危険作業に係る特別の教育を行わなければならない。

3.酸素欠乏危険場所で空気中の酸素の濃度測定を行ったときは、その記録を3年間保存しなければならない。

4.酸素欠乏危険場所では、原則として、空気中の酸素の濃度を 15 % 以上に保つように換気しなければならない。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

事業者は、酸素欠乏危険作業については、第1種酸素欠乏危険作業にあっては酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習を終了した者のうちから、第2種酸素欠乏危険作業にあっては、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任技能者講習を終了した者のうちから、酸素欠乏危険作業主任者を選任しなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第11条第1項)

2.◯

事業者は、第1種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、特別の教育を行わなければならない。(酸素欠乏症等防止規則第12条第1項)

3.◯

事業者は、労働安全衛生法施行令第21条第九号に掲げる作業場について、その日の作業を開始する前に、当該作業場における空気中の酸素(第2種酸素欠乏危険作業に係る作業場にあっては、酸素及び硫化水素)の濃度を測定しなければならない。事業者は、測定を行ったときは、そのつど、測定日時、測定方法、測定箇所、測定条件、測定結果などを記録して、これを3年間保存しなければならない。

4.×

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させる場合は、当該作業を行う場所の空気中の酸素の濃度を18 %以上(第2種酸素欠乏危険作業に係る場所にあっては、空気中の酸素の濃度を18%以上、かつ、硫化水素の濃度を100万分の10以下)に保つように換気しなければならない。ただし、爆発、酸化等を防止するため換気することができない場合または作業の性質上換気することが著しく困難な場合は、この限りでない。(酸素欠乏症等防止規則第5条第1項)

1級建築施工管理技士 令和02年 学科 問題7 解説

令和2年 1級建築施工管理技士 学科 問題7 解答解説

 

※ 問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。

[ No.71 ]
建築確認等の手続きに関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.防火地域及び準防火地域内において、建築物を増築しようとする場合、その増築部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認を受ける必要はない。

2.延べ面積が 150 m2 の一戸建ての住宅の用途を変更して旅館にしようとする場合、建築確認を受ける必要はない。

3.鉄筋コンクリート造3階建ての共同住宅において、2階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する特定工程に係る工事を終えたときは、中間検査の申請をしなければならない。

4.確認済証の交付を受けた建築物の完了検査を受けようとする建築主は、工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように、検査の申請をしなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

建築物を増築しようとする場合の増築部分の床面積の合計が 10 m2 以内であっても、防火地域及び準防火地域内においては、建築確認を受ける必要がある。

2.◯

延べ面積が 200m2 を超えない一戸建ての住宅の用途を変更して旅館にしようとする場合、建築確認を受ける必要はない。(建築基準法第6条第1項第一号,第87条第1項)

3.◯

建築基準法第7条の3第1項に次のように規定されている。

「建築主は、第6条第1項の規定による工事が次の各号のいずれかに該当する工程(以下「特定工程」という。)を含む場合において、当該特定工程に係る工事を終えたときは、その都度、国土交通省令の定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。」

同法同条第一号に「階数が3以上である共同住宅の床及び梁に鉄筋を配置する工事の工程のうち政令で定める工程」と規定されている。

4.◯

建築基準法第7条第1項、第2項に次のように規定されている。

「建築主は、第6条第1項の規定による工事を完了したときは、国土交通省令で定めるところにより、建築主事の検査を申請しなければならない。」

「前項の規定による申請は、第6条第1項の規定による工事が完了した日から4日以内に建築主事に到達するように、しなければならない。ただし、申請をしなかったことについて国土交通省令で定めるやむを得ない理由があるときは、この限りでない。」

[ No.72 ]
次の記述のうち、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.建築主は、延べ面積が 1,000 m2 を超え、かつ、階数が2以上の建築物を新築する場合、一級建築士である工事監理者を定めなければならない。

2.特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 200 m2 を超える建築物の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となると認める場合、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除却を勧告することができる。

3.建築監視員は、建築物の工事施工者に対して、当該工事の施工の状況に関する報告を求めることができる。

4.建築主事は、建築基準法令の規定に違反した建築物に関する工事の請負人に対して、当該工事の施工の停止を命じることができる。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

建築基準法第5条の6第4項に、「建築主は、第1項に規定する工事をする場合においては、それぞれ建築士法第3条第1項、第3条の2第1項もしくは第3条の3第1項に規定する建築士または同法3条の2第3項の規定に基づく条例に規定する建築士である工事監理者を定めなければならない。」と規定があり、建築士法第3条第1項には、「各号に掲げる建築物(建築基準法第85条第1項又は第2項に規定する応急仮設建築物を除く。)を新築する場合においては、一級建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。」同法同条第四号に、「延べ面積が 1,000m2 を超え、かつ、階数が2以上の建築物」と規定されている。したがって、建築主は、延べ面積が1,000 m2 を超え、かつ、階数が2以上の建築物を新築する場合、一級建築士である工事監理者を定めなければならない。

2.◯

建築基準法第10条第1項に次のように規定されている。

「特定行政庁は、第6条第1項第一号に掲げる建築物その他政令で定める建築物の敷地、構造または建築設備(いずれも第3条第2項の規定により次章の規定またはこれに基づく命令もしくは条例の規定の適用を受けないものに限る。)について、損傷、腐食その他の劣化が進み、そのまま放置すれば著しく保安上危険となり、または著しく衛生上有害となるおそれがると認める場合においては、当該建築物またはその敷地の所有者、管理者または占有者に対して、相当の猶予期間を付けて、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替、使用中止、使用制限その他保安上または衛生上必要な措置を取ることを勧告することができる。」とあり、同法第6条第1項第一号に「別表第一(い)欄に掲げる用途に供する特殊建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が100m2を超えるもの」と規定されている。

したがって、特定行政庁は、飲食店に供する床面積が 200 m2 を超える建築物について、著しく保安上危険となると認める場合には、相当の猶予期限を付けて、所有者に対し除却を勧告することができる

3.◯

特定行政庁、建築主事または建築監視委員は、建築物の工事の計画もしくは施工の状況等に関する報告を、工事施工者に求めることができる。(建築基準法第12条第5項)

4.×

施工の停止を命じることができるのは、特定行政庁である。(建築基準法第9条第1項)

[ No.73 ]
避難施設等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.小学校には、非常用の照明装置を設けなければならない。

2.集会場で避難階以外の階に集会室を有するものは、その階から避難階又は地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。

3.映画館の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならない。

4.高さ 31 m を超える建築物には、原則として、非常用の昇降機を設けなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

特殊建築物の居室、階数が3以上で延べ面積が500m2を超える建築物の居室等及びこれらの居室から地上に通ずる廊下、階段等の部分には、非常用の照明装置を設けなければならないが、学校、病院の病室等は除かれている。(建築基準法施行令第126条の4)

2.◯

建築物の避難階以外の階が、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂または集会場の用途に供する階で、その階に客席、集会室その他これらに類する物を有するものに該当する場合においては、その階から避難階または地上に通ずる2以上の直通階段を設けなければならない。(建築基準法施行令第121条第1項第一号)

3.◯

劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂または集会場の客用に供する屋外への出口の戸は、内開きとしてはならないと規定されている。(建築基準法施行令第125条第2項)

4.◯

高さ31mを超える建築物(政令で定めるものを除く。)には、非常用の昇降機を設けなければならないと規定されている。(建築基準法第34条第2項)

[ No.74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10 年の実務の経験を有する者を、一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。

2.建設業の許可を受けようとする者は、複数の都道府県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合、それぞれの都道府県知事の許可を受けなければならない。

3.内装仕上工事など建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても、特定建設業の許可を受けることができる。

4.特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業にあっては下請代金の額の総額が 6,000 万円以上となる下請契約を締結してはならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

建設業の許可を受けようとする者は、許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関して 10年の実務の経験を有する者を、一般建設業の営業所に置く専任の技術者とすることができる。(建設業法第7条第二号)

2.×

建設業の許可を受けようとする者は、複数の都道府県の区域内に営業所を設けて営業する場合、国土交通大臣の許可を受けなければならない。(建設業法第3条)

3.◯

許可は、別表第一の上欄に掲げる建設工事の種類ごとに、それぞれ同表の下欄に掲げる建設業に分けて与えるものとする。(建設業法第3条第2項)建設業の許可は、内装仕上工事など建設業の種類ごとに与えられ、建築一式工事以外の工事を請け負う建設業者であっても、特定建設業の許可を受けることができる。

4.◯

特定建設業の許可を受けた者でなければ、発注者から直接請け負った建設工事を施工するために、建築工事業であっては下請代金の総額が政令で定める金額(建築一式工事の場合 6,000万円)以上となる下請契約を締結してはならない。(建設業法第16条第1項)

[ No.75 ]
請負契約に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人である場合を除き、その変更を請求することができる。

2.注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の請負契約の方法が随意契約による場合であっても、契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15日以上を設けなければならない。

3.元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、注文者の意見をきかなければならない。

4.請負人は、請負契約の履行に関し工事現場に現場代理人を置く場合に、注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、省令で定める情報通信の技術を利用する方法で通知することができる。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

注文者は、請負人に対して、建設工事の施工につき著しく不適当と認められる下請負人があるときは、その変更を請求することができる。ただし、あらかじめ注文者の書面等による承諾を得て選定した下請負人については、この限りでない。(建設業法第23条第1項)

2.◯

請負契約の方法が随意契約による場合であっても、注文者は、工事一件の予定価格が 5,000 万円以上である工事の契約の締結までに建設業者が当該建設工事の見積りをするための期間は、原則として、15日以上を設ける必要がある。(建設業法第20条第3項、同法施行令第6条第三号)

3.×

元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。(建設業法第24条の2)

4.◯

請負人は、第1項の規定による書面による通知に代えて、政令で定めるところにより、同項の注文者の承諾を得て、現場代理人に関する事項を、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定めるもにより通知することができる。この場合において、当該請負人は、当該書面による通知をしたものとみなす。(建設業法第19条の2第3項)

[ No.76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が 6,000万円以上の工事を施工する場合、監理技術者を工事現場に置かなければならない。

2.工事一件の請負代金の額が 6,000 万円である診療所の建築一式工事において、工事の施工の技術上の管理をつかさどるものは、工事現場ごとに専任の者でなければならない。

3.専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある2以上の建設工事を同 一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。

4.発注者から直接防水工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が 3,500万円の工事を施工する場合、主任技術者を工事現場に置かなければならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が政令で定める金額(建築一式工事の場合 6,000万円)以上の工事を施工する場合には、工事現場に監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第2項、同法施行令第2条)

2.×

建設業者は、元請、下請にかかわらず請け負った建設工事を施工するときは、請負金額の大小に関係なく、その工事現場の建設工事施工の技術上の管理をつかさどるものとして主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)

3.◯

専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある2以上の建設工事を同 一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。(建設業法施行令第27条第2項)

4.◯

発注者から直接工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の総額が政令で定める金額(建築一式工事以外の場合 4,000万円)以上の工事を施工する場合は監理技術者を、下請契約の総額で政令で定める金額(建築一式工事以外の場合 4,000万円)未満の工事を施工する場合は主任技術者を、工事現場に置かなければならない。(建設業法第26条第1項、第2項)

[ No.77 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。

1.使用者は、労働者の退職の場合において、請求があった日から、原則として、7日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。

2.満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約は、契約期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、5年を超える期間について締結してはならない。

3.使用者は、労働者が業務上負傷し、休業する期間とその後 30日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合においても解雇してはならない。

4.使用者は、試の使用期間中の者で 14 日を超えて引き続き使用されるに至った者を解雇しようとする場合、原則として、少なくとも 30 日前にその予告をしなければならない。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

使用者は、労働者の死亡または退職の場合において、権利者の請求があった場合において、7日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。(労働基準法第23条第1項)

2.◯

契約期間等について、満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、5年を超える期間について締結してはならない。(労働基準法第14条第1項第二号)

3.×

労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条第1項)

4.◯

解雇の予告について、使用者は、試の使用期間中の者であっても、14日を超えて引き続き使用されるに至った者については、解雇しようとする場合には、原則として、少なくとも30日前にその予告をしなければならない。(労働基準法第21条)

[ No.78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、 誤っているものはどれか。

1.統括安全衛生責任者を選任すべき特定元方事業者は、元方安全衛生管理者を選任しなければならない。

2.安全衛生責任者は、安全管理者又は衛生管理者の資格を有する者でなければならない。

3.統括安全衛生責任者は、その事業の実施を統括管理する者でなければならない。

4.元方安全衛生管理者は、その事業場に専属の者でなければならない。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

統括安全衛生責任者を選任した事業者で、建設業その他政令で定める業種に属する事業を行う者は、厚生労働省令で定める資格を有する者のうちから、厚生労働省令で定めるところにより、元方安全衛生管理者を選任し、その者に技術的事項を管理させなければならない。(労働安全衛生法第15条の2第1項)

2.×

統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人は、安全衛生責任者を選任しなければならない。また、安全衛生責任者の選任に、資格の制限はない。(労働安全衛生法第16条)

3.◯

統括安全衛生責任者は、当該現場においてその事業の実施を統括管理する者をもって充てなければならない。(労働安全衛生法第15条第2項)

4.◯

元方安全衛生管理者の選任は、その事業場に専属の者を選任して行わなければならない。(労働安全衛生規則第18条の3)

[ No.79 ]
労働者の就業に当たっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、正しいものはどれか。

1.事業者は、従事する業務に関する安全又は衛生のため必要な事項の全部又は一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての雇入れ時の安全衛生教育を省略することができる。

2.就業制限に係る業務に就くことができる者が当該業務に従事するときは、これに係る免許証その他その資格を証する書面の写しを携帯していなければならない。

3.元方安全衛生管理者は、作業場において下請負業者が雇入れた労働者に対して、雇入れ時の安全衛生教育を行わなければならない。

4.事業者は、作業主任者の選任を要する作業において、新たに職長として職務に就くことになった作業主任者について、法令で定められた安全又は衛生のための教育を実施しなければならない。

答え

  1 ◯

[ 解答解説 ]

1.◯

雇入れ時等の教育について、事業者は、前項各号に掲げる事項の全部または一部に関し十分な知識及び技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができると規定されている。(労働安全衛生規則第35条第2項)

2.×

事業者が就業制限に係る業務につくことができる者を当該業務に従事させるとき、当該業務につくことができる者は、これに係る免許証その他資格を証する書面を携帯していなければならない

3.×

労働者を雇い入れたときに、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育は、事業者が行わなければならない。(労働安全衛生法第59条)

4.×

事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならない。(労働安全衛生法第60条)

[ No.80 ]
「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」上、特定建設資材を用いた建築物等 の解体工事又は新築工事等のうち、分別解体等をしなければならない建設工事に該当しないものはどれか。

1.建築物の増築工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 500 m2 の工事

2.建築物の大規模な修繕工事であって、請負代金の額が 8,000万円の工事

3.建築物の解体工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 80 m2 の工事

4.擁壁の解体工事であって、請負代金の額が 500万円の工事

答え

  2

[ 解答解説 ]

分別解体等実施義務について、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律第9条第1項に、「特定建設資材を用いた建築物等に係る解体工事又はその施工に特定建設資材を使用する新築工事等であって、その規模が第3項又は第4項の建設工事の規模に関する基準以上のもの(以下「対象建設工事」という。)の受注者(当該対象建築工事の全部または一部について下請契約が締結されている場合における各下請負人を含む。以下「対象建設工事受注者」という。)又はこれを請負契約によらないで自ら施工する者(以下、「自主施工者」という。)は、正当な理由がある場合を除き、分別解体等をしなければならない。」と規定されている。また、分別解体等をしなければならない建設工事については、建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令第2条第1項に、建設工事の規模に関する基準は以下のとおりとする規定されている。

一.

建築物に係る躯体工事については、当該建築物(当該解体工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が80m2であるもの

二.

建築物に係る新築または増築の工事については、当該建築物(増築の工事にあっては、当該工事に係る部分に限る。)の床面積の合計が 500m2であるもの

建築物に係る新築工事等であって前号に規定する新築または増築の工事に該当しないものについては、その請負代金の額が1億円であるもの

四.

建築物以外のものに係る解体工事または新築工事等については、その請負代金の額が500万円であるもの

1.◯

建築物の増築工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 500 m2 の工事は、前記二号により該当する

2.×

建築物の大規模な修繕工事であって、請負代金の額が 8,000万円の工事は、前記三号により該当しない

3.◯

建築物の解体工事であって、当該工事に係る部分の床面積の合計が 80 m2 の工事は、前記一号により該当する

4.◯

擁壁の解体工事であって、請負代金の額が 500万円の工事は、前期四号により該当する

[ No.81 ]
「騒音規制法」上、指定地域内における特定建設作業の実施の届出に関する記述として、 誤っているものはどれか。ただし、作業はその作業を開始した日に終わらないものとする。

1.さく岩機を使用する作業であって、作業地点が連続的に移動し、1日における当該作業に 係る2地点間の距離が 50m を超える作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

2.さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW 以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

3.環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 40 kW 以上のブルドーザーを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

4.環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW 以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出をしなければならない。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

さく岩機を使用する作業は、市町村長に実施の届出をしなければならない。最大距離が50mを超える作業は特定建設作業から除かれているので実施の届出をしなくてもよい。(騒音規則法施行令別表第二第三号)

2.◯

さく岩機の動力として使用する作業を除き、電動機以外の原動機の定格出力が 15kW以上の空気圧縮機を使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第四号)

3.◯

環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 40 kW 以上のブルドーザーを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第八号)

4.◯

環境大臣が指定するものを除き、原動機の定格出力が 80 kW以上のバックホウを使用する作業は、特定建設作業の実施の届出が必要である。(騒音規制法第14条、同法施行令第2条、別表第二第六号)

[ No.82 ]
貨物自動車に分割できない資材を積載して運転する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可を必要とするものはどれか。ただし、貨物自動車は、軽自動車を除くものとする。

1.長さ 11 m の自動車に、車体の前後に 0.5 m ずつはみ出す長さ 12 m の資材を積載して運転する場合

2.荷台の高さが 1 m の自動車に、高さ 2.7 m の資材を積載して運転する場合

3.幅 2.2 m の自動車に、車体の左右に 0.1 m ずつはみ出す幅 2.4 m の資材を積載して運転する場合

4.積載された資材を看守するため、必要な最小限度の人員として1名を荷台に乗車させて運 転する場合

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.不要

積載物の長さは、自動車の長さにその長さの10分の1の長さを加えたものを超えないことと規定されており、長さ11mの自動車に、車体の前後に0.5mずつはみ出す長さ12mに資材を積載して運転する場合は、積載物の前後のはみ出し0.5mは11×0.1=1.1m以下、積載物の長さ12mは 11×1.1 = 12.1以下であり許可は不要である。(道路交通法施行令第22条第三号イ、第四号イ)

2.不要

積載物の高さは、3.8mからその自動車の積載をする場所を減じたものを超えないことと規定されており、荷台の高さが1mの自動車に、高さ 2.7mの資材を積載して運転する場合は、高さ3.8m以下なので、許可は不要である。(道路交通法施行令第22条第三号ハ)

3.必要

積載物の幅は自動車の幅であること、左右からはみ出さないことと規定されており、幅2.2mの自動車に、車体の左右に0.1mずつはみ出す幅2.4mの資材を積載して運転する場合は、許可が必要である。(道路交通法施行令第22条第四号ロ)

4.不要

積載された資材を看守するため、必要な最小限度の人員として1名を荷台に乗車させて運転する場合は、道路交通法の規定により不要である。(道路交通法第55条)

1級建築施工管理技士 令和3年 一次検定 解答解説

1級建築施工管理技士 令和3年度 第一次試験 解答解説

 

1級建築施工管理技士 令和4年 一次検定 解答解説

1級建築施工管理技士 令和4年度 第一次試験 解答解説

 

1級建築施工管理技士 令和04年 一次 問題1 解説

令和4年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1

(午前の部)令和4年6月 12 日(日)

問題番号 [ No.1 ]~ [ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No. 1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。

2. 温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。

3. 全熱交換器は、冷暖房を行う部屋で換気設備に用いると、換気による熱損失や熱取得を軽減できる。

4. 室内の効率的な換気は、給気口から排気口に至る換気経路を短くするほうがよい。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

必要換気量は、1時間当たりに必要な室内の空気を入れ替える量で表される。なお、必要換気量とは、室内空気の衛生を保つために、換気時に求められる必要な空気量のことを示す。

2.◯

温度差による自然換気は、冬期には中性帯より下部から外気が流入し、上部から流出する。なお、中性帯とは、ある高さにおいて室内外の圧力差がゼロになる部分をいう。

3.◯

全熱交換器とは、換気により失われる熱エネルギーの一部を回収するもので、全熱交換器を用いると、冷暖房時に換気による熱損失や熱取得を軽減できる。

4.×

令和2 No.1と類似の解答選択肢

給気口から排気口に至る換気経路を短くすると、取り込んだ新鮮な外気が空間内に行き渡ることなく、そのまま排出されるため換気効率は悪くなる換気経路は長くするほうがよい

[ No. 2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 熱放射は、電磁波による熱の移動現象で、真空中においても生じる。

2. 壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は小さくなる。

3. 壁体の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和の逆数を、熱貫流率という。

4. 物質の単位体積当たりの熱容量を、容積比熱という。

答え
  2

[ 解答解説 ]

1.◯ 熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。

 

2.×

壁体の含湿率が増加すると、その壁体の熱伝導率は大きくなる。含湿率は、含水率ともいい、材料に含まれる水分の割合を示す。また、熱伝導率とは、熱の伝わりやすさを示す値である。熱伝導率が大きいと断熱性が低くなる。(熱を通しやすくなる)水分は熱を通しやすい。

 

3.◯

熱伝導抵抗とは、熱の伝わりにくさを示す値のことである。また、熱伝達抵抗とは、熱の伝達のしにくさを表す値のことである。熱貫流率は、壁体の熱の通しやすさを示す値である。熱貫流率は、室内外の熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の合計の逆数で表される。

 

4.◯

ある物体の温度を1K上昇させるのに必要な熱量 [ J/K ]熱容量という。

熱容量 = 比熱 [ J/g・K ](単位質量当たりの物質の熱容量)× 質量 (g)

で求められる。熱容量が大きいと熱しにくく、冷めにくいため、熱容量の大きな建物は、外気温度の変動に対する室内温度の変動が緩やかな変化となる。コンクリート造のような壁が厚く重いものほど熱容量は大きくなる。

[ No. 3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 音波は、媒質粒子の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。

2. 音速は、気温が高くなるほど速くなる。

3. 音波が障害物の背後に回り込む現象を回折といい、低い周波数よりも高い周波数の音のほうが回折しやすい。

4. ある音が別の音によって聞き取りにくくなるマスキング効果は、両者の周波数が近いほどその影響が大きい。

答え  3

[ 解答解説 ]

1.◯

音波は、音の波を指し、媒質粒子(波動を伝搬する粒子)の振動方向と波の伝搬方向が等しい縦波である。

2.◯

音速は、気温が高くなるほど速くなる

1気圧下での乾燥空気で、0℃〜30℃付近ではおおよそ、次の式がなりたつ。

音速 [ m/s ] = 331.5 + 0.6T

T 温度 [ ℃ ]

3.×

音波が波の性質によって障害物の裏側まで回り込んで伝わる回折現象は、すき間の間隔や障害物の大きさが波長に比べて小さいと起こりやすい。また、高い周波数の音よりも低い周波数の音の方が回折しやすい

4.◯

マスキング効果とは、目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう、それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなり、低い音は高い音をマスキングしやすい。

[ No. 4 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ねじれ剛性は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。

2. 壁に換気口等の小開口がある場合でも、その壁を耐震壁として扱うことができる。

3. 平面形状 が極めて長い建築物には、コンクリートの乾燥収縮や不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。

4. 柱は、地震時の脆性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ねじれ剛性(ねじれの力に対する剛性)は、耐震壁等の耐震要素を、平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置するほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。

2.◯

耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置することとある。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも、定められた条件では、その壁を耐震壁として扱うことができる。

3.◯

平面形状が極めて長い建築物には、不同沈下等による問題が生じやすいため、エキスパンションジョイントを設ける。エキスパンションジョイントは、一般的には異なる構造計算による建物をつなぐものである。

4.×

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No. 5 ]
木質構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 同一の接合部にボルトと釘を併用する場合の許容耐力は、両者を加算することができる。

2. 2階建ての建築物における隅柱は、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合、通し柱としなくてもよい。

3. 燃えしろ設計は、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証するものである。

4. 直交集成板(CLT)の弾性係数、基準強度は、強軸方向であっても、一般的な製材、集成材等の繊維方向の値と比べて小さくなっている。

答え
  1
[ 解答解説 ] 1.× ボルト接合では、材がすべってボルト軸にぶつかるまで(初期すべり)、ボルトは効かない。一方釘接合では、材が動かなくても初めから効いている。釘とボルトを併用すると、材がすべらずにボルトが効かない恐れがある。よって、単純にボルトと釘の耐力を足し算することはできない

 

2.◯

階数が2以上の建築物における隅柱またはこれに準ずる柱は、通し柱としなければならない。ただし、接合部を通し柱と同等以上の耐力を有するように補強した場合においてはこの限りでない。(建築基準法施行令第43条第5項)

 

3.◯

燃えしろ設計とは、木質材料の断面から所定の燃えしろ寸法を除いた断面に、長期荷重により生じる応力度が、短期の許容応力度を超えないことを検証する方法である。

 

4.◯

直交集成板(CLT)は、ひき板(ラミナ)を幅方向に並べたものを、その繊維方向が直交するように積層接着した木質系材料である。一般的な製材の繊維方向の値と比べ、弾性係数や基準強度は小さい

[ No. 6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 梁の材質をSN 400A からSN 490B に変えても、部材断面と荷重条件が同一ならば、構造計算上、梁のたわみは同一である。

2.  節点の水平移動が拘束されているラーメン構造では、柱の座屈長さは、設計上、節点間の距離に等しくとることができる。

3. トラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

4. 柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには、根巻き形式ではなく露出形式とする。

答え

  4

[ 解答解説 ]
1.◯

梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤンク係数は、材料に関係なく、2.05 × 105 N/mm2一定であり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400A とSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一ならば、梁のたわみは同一である。

2.◯

座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けたとき、限度を超えて横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる部分の長さをいう。節点の水平移動が拘束され、回転に対して両端自由なラーメン構造の柱の場合、座屈長さは設計上、節点間の距離となる。

3.◯

鉄骨造におけるトラス構造の節点は、構造計算上、すべてピン接合として扱う。

4.×

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ

[ No. 7 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 圧密沈下の許容値は、独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。

2. 粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により長時間かかって土中の水が絞り出され、間隙が減少するために生じる。

3. 直接基礎の滑動抵抗は、基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが、基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も期待できる。

4. 地盤の液状化は、地下水面下の緩い砂地盤が地震時に繰り返しせん断を受けることにより間隙水圧が上昇し、水中に砂粒子が浮遊状態となる現象である。

答え
  1

[ 解答解説 ]

1.×

独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

圧密沈下とは、粘性土地盤が荷重を受け、土中の水が排出されて体積が減少することにより沈下する現象をいう。直接基礎下における粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により、長時間かかって徐々に土中の水が絞り出されて、間隙が減少するために生じる

3.◯

滑動抵抗とは、基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすることにより、基礎底面の摩擦抵抗が大きくなり抵抗力があがるとともに、基礎側面の受動土圧も期待できる。

4.◯

地盤の液状化は、地震時に地下水面下の緩い砂地盤が振動を受け、地盤が液体状になる現象である。地盤上の比重の大きい構造物が倒れたり、比重の小さい構造物が浮き上がったりする。

[ No. 8 ]
建築物に作用する荷重及び外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。

2. 雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。

3.  劇場、映画館等の客席の単位床面積当たりの積載荷重は、実況に応じて計算しない場合、固定席のほうが固定されていない場合より小さくすることができる。

4. 速度圧の計算に用いる基準風速は、原則として、その地方の再現期間 50年の 10分間平均風速値に相当する。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

風力係数Cfは、次式により求める。
Cf = Cpe ー Cpi
 Cpe:建物の外圧係数
Cpi:建物の内圧係数

風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)

2.◯

雪下ろしを行う慣習のある地方において、垂直積雪量 が1m を超える場合、積雪荷重は、雪下ろしの実況に応じ垂直積雪量を1m まで減らして計算することができる。(建築基準法施行令第86条第6項)

3.◯

例えば、床の構造計算に用いる積載荷重は、劇場、映画館等の固定席の場合、2,900N/m2その他の場合3,500N/m2であり、客席の積載荷重は、固定席の方が固定されていない場合より小さい。

4.◯

建築基準法施行令第87条第2項に基づいた告示に、速度圧の算出等に用いる基準風速V0は、その地方における過去の台風の記録に基づく風害の程度その他の風の性状に応じて、毎秒30mから46mの範囲内に定められている。これは、その地方の50年再現期間(1年間の発生確率が 1/50)の10分間平均風速値に相当する。

[ No. 9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の AD間及び DC 間に集中荷重 が同時に作用するとき、支点B に生じる水平反力 HB 、鉛直反力 VB の値 の大きさの組合せとして、正しいものはどれか。

1. HB = 2kN、VB = 6kN

2. HB = 3kN、VB = 9kN

3. HB = 4kN、VB = 12kN

4. HB = 5kN、VB = 15kN

答え

  1

[ 解答解説 ]

点Aにおけるモーメントは

MA = −6kN × 2m − 6kN × 4m + VB × 6m = 0

  −12 − 24 − 6VB = 0

       6VB = −36

        VB = −6 kN(上向き)

点Cにおける右側モーメントは

Mc右 = VB × 2m − HB × 6m= 0

    2VB − 6HB= 0

       6HB=2VB

VB = −6 より  HB=2 kN(左向き)

ゆえに、正答は1となる。

[ No.10 ]
図に示す単純梁 AB のCD 間に等分布荷重 w が、点Eに集中荷重 P が同時に作用するときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは、材の引張側に描くものとする。

答え
  2

[ 解答解説 ]

力は合成・分解することができる。

等分布荷重 w= 2kN/mによる力と

集中荷重 P = 6kN

とに分けて考えると次のようになる。

ゆえに、解答は2番が想定される。

[ No.11 ]
鋼材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1. ある特定の温度以上 まで加熱した後、急冷する焼入れ処理により、鋼は硬くなり、強度が増加する。

2. 鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、靱性は低下する。

3. SN 490B やSN 490C は、炭素当量等の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

4. 低降伏点鋼は、モリブデン等の元素を添加することで、強度を低くし延性を高めた鋼材である。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材の熱処理には、焼入れ、焼戻し、焼なまし、焼ならしがある。焼入れは、ある特定の温度以上まで鋼を加熱した後、急冷する方法である。効果は鋼が硬くなり。強度が増加する。

2.◯

鋼は、炭素量が多くなると、引張強さは増加し、伸びや靭性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。

3.◯

SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。

4.×

低降伏点鋼(LY100,LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟鋼に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる

[ No.12 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. しっくいは、消石灰を主たる結合材料とした気硬性を有する材料である。

2. せっこうプラスターは、水硬性であり、主に多湿で通気不良の場所の仕上げで使用される。

3. セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加した材料である。

4. ドロマイトプラスターは、保水性が良いため、こて塗りがしやすく作業性に優れる。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

しっくい(漆喰)とは、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする建築材料で、気硬性を有し、左官材料などに使用される。

2.×

せっこうプラスターやドロマイドプラスターは空気中の湿気を吸い取る性質があるため浴室や外壁にはむかない。また、せっこうプラスターは、自硬性セメントに属し、主成分は焼せっこうである。したがって、硬化が早く、比較的強度もあり、収縮ひび割れが生じにくい

3.◯

セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤等を添加し、セルフレベリング性を付与し、これを床面に流し簡単に均すだけで平坦・平滑で精度の高い床下地をつくるものである。

4.◯

ドロマイトとは、炭酸カルシウムと炭酸マグネシウムを主成分とした鉱物をいい、左官材料に用いられる。ドロマイトを用いたドロマイトプラスターは、粘性があり、保水性がよい。そのため、こて塗りがしやすく作業性に優れる

[ No.13 ]
建築用板ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて製板する透明、かつ、平滑なガラスである。

2. 複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、断熱効果のあるガラスである。

3. 熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いガラスである。

4. 倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、強度を約2倍に高めたガラスである。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

フロート板ガラスは、溶融した金属の上に浮かべて(フロートさせて)製板する透明、かつ、平滑なガラスである。一般的な板ガラスを指し、1.9mm、2.5mmなどの薄いガラスから、22mm、25mmなどの厚いガラスが製板できる。

2.◯

複層ガラスは、複数枚の板ガラスの間に間隙を設け、大気圧に近い圧力の乾燥気体を満たし、その周辺を密閉したもので、冷房負荷の軽減、結露防止、断熱効果のあるガラスである。

3.×

熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。

4.◯

倍強度ガラスは、フロート板ガラスを軟化点まで加熱後、両表面から空気を吹き付けて冷却加工するなどにより、ガラス表面に適切な大きさの圧縮応力層をつくる。強度を約2倍に高め、かつ、破損した時に細片となるようにしたガラスである。

[ No.14 ]
建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. シーリング材のクラスは、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。

2. 1成分形シーリング材の硬化機構には、湿気硬化、乾燥硬化及び非硬化がある。

3. 2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。

4. 2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

シーリング材のクラスは、JIS(日本産業規格)により、目地幅に対する拡大率及び縮小率で区分が設定されている。(JIS A5758)

2.◯

1成分形シーリング材は、あらかじめ施工に供する状態で調整されている成分形シーリング材である。硬化機構には、湿気硬化(シリコーン系、変成シリコーン系、ポリサルファイド系、ポリウレタン系)、乾燥硬化(エマルションタイプ(アクリル系、SBR系)、溶剤タイプ(ブチルゴム系))及び非硬化(油性コーキング)がある。

3.◯

2面接着とは、シーリング材が相対する2面で被着体と接着している状態をいう。2面接着はワーキングジョイントに適しており、バックアップ材やボンドブレーカーが用いられる。

4.×

2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。

[ No.15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率を高くした床タイルである。

2. 段通は、製造法による分類では、織りカーペットの手織りに分類される。

3. ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料 とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。

4. 強化せっこうボードは、せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンポジションビニル床タイルは、単層ビニル床タイルよりバインダー含有率(含有量)が低い。バインダー含有率は、単層ビニル床タイルが30%以上、コンポジションビニル床タイルが30%未満である。バインダーとは、ビニル樹脂に可塑剤安定剤を加えたものである。(建築工事監理指針)

2.◯

段通とは、厚手の手織りで作られた織物で、カーペットの一種である。なお、織りカーペットは手織り機械織りがある。

3.◯

ロックウール化粧吸音板は、人造鉱物繊維のロックウールを結合材及び混和材を用いて成形し、表面を化粧加工した吸音板をいう。

4.◯

強化せっこうボードは、せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので、性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている