041)金属板の注意点
金属板の外壁には、ステンレス(SUS)、アルミ、鋼板などがある。金属板の外壁におけるトラブルは錆や表面処理の耐久性、止水納まり、雨の音、断熱、熱膨張によるひずみ、層間変位対応に関するものなどがある。
1.パネルの耐候性と耐風圧強度の確認
どんなサイズの外壁パネルであっても、風圧に対してパネル自体が変形しないか、風圧をどう下地に伝えていくか、パネル補強リブや取付けボルト径やピッチを確認する。また、パネルの耐候性は素材と表面仕上げによる。特にアルミの表面処理の仕様は最低でも公共建築工事標準仕様素やJISに適合させる。
2.大型金属パネルはカーテンウォール(CW)にする
大型金属パネルは躯体の層間変位に対応できるようにCW型材を用い、パネル間のジョイント部は水密性を確保する。パネルとCW型材はスタッド(溶接ボルト)を用いてナット留めとする。パネルの裏面には防露・防音材(ひる石)を吹き付ける。
3.小型金属パネルはビス固定の部をルーズにする
小型パネルは取付けビスを1ヶ所固定とし、他をルーズにすることで、熱膨張と変位に対応できるようにする。曲げ加工したパネルや切板パネルのジョイントは基本的にはシール納まりとなる。下地金物は防錆し、取付けビスはSUS製とする。
4.スパンドレルは水切りでジョイントする
スパンドレル(取付けビスが隠れるように成形した金属板)の外壁は層間変位や熱膨張にはそれ自身が変形などで柔軟に対応する。下地ボード(必要に応じて耐火ボード)の上に防水シートを張って、スパンドレルを施工する。水平ジョイントは水切りを設けるが、水切り上下のスパンドレル小口部はケミカル面戸(隙間塞ぎ)を挿入する。仮設足場繋ぎ部やコーナー部は張り終い(被せ張り)を考慮する。