1級建築施工管理技士 平成27年 学科 問題5解説

平成27年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

※   問題番号[ No.46 ]~[ No.70 ]までの 25 問題は、全問題を解答してください。

[ No. 46 ]
建築工事における事前調査及び準備工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.根切り計画にあたり、地中障害物の調査のみならず、過去の土地利用の履歴も調査した。

2.洪積地盤であったので、山留め壁からの水平距離が掘削深さ相当の範囲内にある既設構造物を調査した。

3.山留め壁の施工により動くおそれのある道路境界石は、境界ポイントの控えをとる代わりに、境界石をコンクリートで固定した。

4.鉄骨工事計画にあたり、周辺の交通規制や埋設物、架空電線、電波障害について調査した。

答え

  3
山留め壁の施工により動くおそれのある道路境界石は、必ず境界ポイントの控えをとる。境界石をコンクリートで固定しても、動くことは防げない。

1 ◯
根切り計画に先立ち、敷地内及び敷地周辺埋設調査及び過去の土地利用の履歴も調査する。(建築工事監理指針)

2 ◯
洪積地盤では掘削による地盤沈下の影響範囲は、掘削深さの1倍程度とされており、山留め壁からの水平距離が掘削深さの範囲内にある既設構造物及び埋設物の調査を行われなければならない。(山留め設計指針)

4 ◯
鉄骨工事計画にあたり、敷地周辺の交通量や交通規制(特に通学路に注意)及び架設配線等を考慮し、建設機械や資材等の搬出入口の位置が適当かどうか等確認する。

[ No. 47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工事用電気設備のケーブルを直接埋設するので、その深さを、重量物が通過する道路下は1.2 m以上とし、埋設表示をすることとした。

2.仮設照明用のビニル外装ケーブル(F ケーブル)は、コンクリートスラブに直接打ち込む計画とした。

3.工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60 % を実負荷とする計画とした。

4.仮設の照明設備において、常時就業させる普通作業の作業面照度は、100 lx 以上とする計画とした。

答え

  4
労働者を常時就業させる場所の作業面の照度は作業区分に応じて維持する。なお、普通の作業では 150 lx以上とする。

1 ◯
現場内で工事用電気設備のケーブルを直接埋設する場合は、重量物が通過する道路下では 1.2m 以上、その他は 0.6 m以上として埋設表示をする。(JASS 2)

2 ◯
仮設照明設備計画として、仕上げ工事用の照明設備配線を行うため、コンクリート打設時に下ケーブルを埋設しておくと便利である。

3 ◯
工事用の動力負荷は、工程表に基づいた電力量山積みの 60%を実負荷として計画する。

[ No. 48 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.地下躯体工事において、地下平面が不整形で掘削深度が深く軟弱地盤のため、山留め壁の変形が少ない逆打ち工法とする計画とした。

2.鉄骨工事において、部材の剛性が小さい鉄骨のため、大ブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。

3.鉄筋工事において、作業の効率を高めるため、先組工法とする計画とした。

4.型枠工事において、工期短縮のため基礎型枠は、せき板の解体が不要なラス型枠工法とする計画とした。

答え

  2
部材の剛性が小さい鉄骨では、ワイヤーを緊張しても部材が弾性変形するだけで修正されていない場合があるので注意する。このような場合には、できるだけ小ブロックごとに決めていくのがよい。(鉄骨工事技術指針)

1 ◯
逆打ち工法は、1階の床及び梁を先行施工し、それを切梁として順次下部の躯体を施工していく。地下躯体を支保工とするため、不整形な平面形状でも適用できる。

3 ◯
鉄筋先組み工法は、柱、梁等の鉄筋をあらかじめかご状に組み、クレーンを使用して建て込む工法である。なお、この工法は工期短縮と省力化が可能である。

4 ◯
ラス型枠工法は、合板の代わりに特殊リブラスをせき板に使用するもので、せき板の解体作業がないことにより、施工の省力化・工期短縮が可能となる。使用部位としては地中梁、基礎に適している。

[ No. 49 ]
躯体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.透水性の悪い山砂を用いた埋戻しは、埋戻し厚さ 30 cm ごとにランマーで締固めながら行うこととした。

2.リバース工法による場所打ちコンクリート杭における1次スライム処理は、底ざらいバケットにより行うこととした。

3.SD295A の鉄筋末端部の折曲げ内法直径の最小値は、折曲げ角度が 180 °の場合と90 °の場合では、 同じ値にすることとした。

4.鉄骨工事において、高力ボルト接合部の板厚の差により生じる肌すきが 1 mm 以下の場合は、フィラープレートを用いないこととした。

答え

  2
リバース工法の1次スライム処理は、掘削完了後ピットを孔底より若干引き上げて緩やかに空回しするとともに、孔内水を循環させ比重を下げ、鉄筋かごやトレミー管建込み中のスライム沈積量を少なくする。バケットは用いない。

1 ◯
締固めは、川砂及び透水性のよい山砂の類の場合は水締めとし、透水性の悪い山砂の類及び粘土質の場合はまき出し厚さ 300mm程度ごとにローラー、ランマー等で締めながら埋め戻す。(建築工事監理指針)

3 ◯
SD295Aの鉄筋末端部の折曲げ内法直径の最小値は、折曲げ角度 180° と 90° の場合では同じ値である。
径に太さによる。

4 ◯
高力ボルトの接合部の板厚の差により生じる肌すきが 1mm以下である場合は、フィラープレートを用いない。1mmを超える場合は、フィラープレートを挿入する。

[ No. 50 ]
仕上工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.改質アスファルトシート防水トーチ工法において、露出防水用改質アスファルトシートの重ね部は、砂面をあぶり、砂を沈めて重ね合わせることとした。

2.現場錆止め塗装工事において、塗膜厚は、塗料の使用量と塗装面積から推定することとした。

3.タイル工事において、外壁タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、下地コンクリートのひび割れ誘発目地と一致させることとした。

4.内装工事において、せっこうボードをせっこう系接着材による直張り工法で張り付ける場合の一度に練る接着材は、2時間以内に使い切れる量とすることとした。

答え

  4
接着材は水で練りあわせて使用するが、練り具合はやや硬めにして、塗り付けた際、だれの限度とする。一度に練る分量は、1時間以内に使い切れる量とする。(建築工事監理指針)

1 ◯
露出防水用改質アスファルトシートの砂面に改質アスファルトシートを重ねる場合、重ね部の砂面をあぶり、砂を沈めるか、または砂をかき取って改質アスファルトを表面に出したうえに張り重ねる。(建築工事監理指針)

2 ◯
現場における錆止め塗装の塗付け量の確認は、塗り厚測定が困難なため、通常、使用量から塗膜厚さを推定する。(公共建築工事標準仕様書)

3 ◯
躯体コンクリート及び下地モルタルにおける亀裂誘発目地をまたいで張ったタイルにはひび割れが発生するので、タイル面の伸縮調整目地は、躯体コンクリート及び下地モルタルの亀裂誘発目地と一致させる

[ No. 51 ]
工事現場における材料等の保管・取扱いに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.長尺のビニル床シートは、屋内の乾燥した場所に直射日光を避けて縦置きにして保管する。

2.ALC パネルは、平積みとし、所定の位置に正確に角材を用い、積上げ高さは、1段を1.5 m以下とし2段までとする。

3.既製コンクリート杭は、角材を支持点として1段に並べ、やむを得ず2段以上に積む場合には、同径のものを並べるなど有害な応力が生じないよう仮置きする。

4.建築用コンクリートブロックは、形状・品質を区分し、覆いを掛けて雨掛りを避けるように保管する。

答え

  2
ALC板は、パネルに反り、ねじれ、ひび割れ等の損傷が生じやすいので、保管場所は原則として室内とし、水平で乾燥した場所を選び、角材を2本置いて、その上に整理して積み重ねる。積上げ高さは1単位を1.0m以下とし、総高は 2.0m以下とする。

1 ◯
長尺のビニール床シートは、屋内の乾燥した場所に、直射日光を避けて、縦置きにする。(JASS26)

3 ◯
既成コンクリート杭を仮置きする場合、地盤を水平にして、杭の支持点にまくら材を置き、1段に並べ移動止めのくさびを施す。やむを得ず2段以上に積む場合は、有害な応力が生じないようにする。また、杭の荷積み荷下ろしは、必ず杭を2点で支持しながら行う。(JASS4)

4 ◯
建築用コンクリートブロックについては、平坦な場所に、形状・品質により区分し、野積み中は、土などで汚れないように、また、雨水を吸収しないようにする。

[ No. 52 ]
「労働安全衛生法」上、労働基準監督署長へ計画の届出を行う必要があるものはどれか。

1.組立てから解体までの期間が 90 日の張出し足場の設置

2.高さが7m の移動式足場(ローリングタワー)の設置

3.延べ面積が 10,000 m2 で高さが 13 m の工場の解体の仕事

4.高さが 9 m の手すり先行工法による枠組足場の設置

答え

  1
組立てから解体までの期間が60日未満の張出し足場の設置は届出の必要がないが、期間が 90日の場合は届出が必要である。(労働安全衛生法第88条 第2項)

2.×
高さが10m以上かつ存続期間60日以上の移動式足場を設置する場合、開始日の30日前までに足場設置届を提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第1項)

3.×
届出が必要な建築物の解体の作業は、高さが31mを超える場合であり、延べ面積が10,000m2でも、高さが13mの工場の解体の作業は、該当しない。(労働安全衛生法第88条第3項、同規則第90条)

4.×
枠組足場の手すり先行工法による高さが 9mの足場は、届出の必要はない。なお、10m以上の場合は必要である。(労働安全衛生法第88条、同規則第90条)

[ No. 53 ]
突貫工事になると工事原価が急増する原因の記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 材料の手配が施工量の急増に間に合わず、労務の手待ちを生じること。

2.1日の施工量の増加に対応するため、仮設及び機械器具の増設が生じること。

3.一交代から二交代へと1日の作業交代数の増加に伴う現場経費が増加すること。

4.型枠支保工材など消耗役務材料の使用量が、施工量に比例して増加すること。

答え

  4
型枠等の消耗役務材料の使用量は、型枠材や支保工材の転用回数等の減少により、施工量に比例して増加するのではなく施工量が増えなくても増加する。

1 ◯
作業を急激に進めることから、材料をタイミングよく入れないと、早く入れすぎて施工のじゃまになったり、遅く入れて労務の手待ちが生じたりする。

2 ◯
施工量の増加による仮設及び機械機器の増設、監督職員の増員等、施工規模が拡大するため、工事原価が急増する原因となる。

3 ◯
一交代から二交代へと 1日の作業交代数の増加により現場経費等の固定費が増加するため、工事原価が急増する原因となる。

[ No. 54 ]
工程計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工期が指定され、工事内容が比較的容易でまた施工実績や経験が多い工事の場合は、積上方式(順行型)を用いて工程表を作成する。

2.工程短縮を図るために行う工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるようにする。

3.算出した工期が指定工期を超える場合は、作業日数を短縮するため、クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員増員等を検討する。

4.工程表は、休日及び天候などを考慮した実質的な作業可能日数を算出して、暦日換算を行い作成する。

答え

  1
工期が指定され、工事内容が比較的容易でまた施工実績や経験が多い工事の場合は、各工程に所要日数を割り当てる割付方式(逆行型)が多く用いられる。積上方式(順行型)は、工事内容が複雑であったり、施工実績や経験が少ない工事の場合に多く用いられる。

2 ◯
工程短縮を図る各工区の分割は、各工区の作業数量が同等になるようにふりわける。

3 ◯
算出した工期が指定工期を超える場合は、クリティカルパス上に位置する作業を中心に、作業方法の変更作業員の増員工事用機械の台数機種の変更などによるう作業日数の短縮を検討する。

4 ◯
工程表は、休日及び天候等を考慮した実質的な作業可能日数を算出して、延べ日数から暦日換算を行い作成する。

[ No. 55 ]
高層建築の鉄骨工事の所要工期算出にあたっての各作業の一般的な能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トラッククレーンによる建方の取り付けピース数は、1台1日あたり 70 ~80ピースとした。

2.トルシア形高力ボルトの締付け本数は、3人1組で1日あたり 450 ~700本とした。

3.現場溶接は、溶接工1人1日あたりボックス柱で2本、梁で5箇所とした。

4.タワークレーンのクライミングに要する日数は、1回あたり 1.5日とした。

答え

  1
建方で特に制約のない場合、トラッククレーンの1日当たりの鉄骨取付ピース数は、30〜35ピース程度とする。(鉄骨工事技術指針)

2 ◯
トルシア形高力ボルトの 1日における締付け作業効率は、ビルで 450 〜 700本、工場建屋等で 400 〜 600本である。(鉄骨工事技術指針)

3 ◯
一般に現場溶接の 1 日の平均能率は、溶接技術者一人当たり箱形柱で 2本、梁で 5箇所となっている。(鉄骨工事技術指針)

4 ◯
タワークレーンのクライミングの 1 回に要する日数は、準備を含めて 1.5日である。

[ No. 56 ]
ネットワーク工程表におけるフロートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を与えるフロートである。

2.トータルフロートは、フリーフロートからディペンデントフロートを引いたものである。

3.フリーフロートは、その作業の中で使い切っても後続作業のフロートに全く影響を与えない。

4.クリティカルパス上の作業以外でも、フロートを使い切ってしまうとクリティカルパスになる。

答え

  2
トータルフロートは、フリーフロートとディペンデントフロートの和である。トータルフロートが 0 ならば、ディペンデントフロートも 0 である。

1 ◯
ディペンデントフロートは、後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすようなフロートである。いいかえるとディペンデントフロートは使わずにとっておけば、後続する他の工程でその分を使用できるフロートであり、フリーフロートはその作業についてだけしか使えないフロートで、ため込みのきかないものである。

3 ◯
フリーフロート(自由余裕時間)は、作業の中で自由に使っても、後続する作業に全く影響を及ぼさないで消費できる余裕時間のことである。

4 ◯
クリティカルパス以外の作業でも、フロートを使いきってしまえば、その作業を含む経路がクリティカルパスになる。

[ No. 57 ]
施工品質管理表(QC工程表)の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工種別又は部位別とし、管理項目は作業の重要度の高い順に並べる。

2.工事監理者、施工管理者、専門工事業者の役割分担を明確にする。

3.検査の時期、頻度、方法を明確にする。

4.管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

答え

  1
施工品質管理表(QC工程表)は工程のどこで、何を、いつ、だれがどのように管理するかを決め、工程の流れに沿って整理したもので、品質管理の要点を明確にした管理のための標準である。

2 ◯
QC工程表では、管理項目ごとに、工事監理者、施工管理者及び専門工事業者のそれぞれの管理の役割分担を明確にしておく。

3 ◯
QC工程表における管理要領には、管理項目、管理値、検査の時期、頻度、方法を明確にしておく。

4 ◯
異常時の処置として、管理値を外れた場合の処置をあらかじめ定めておく。

[ No. 58 ]
品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.不適合とは、規定要求事項を満たしていないことである。

2.かたよりとは、観測値・測定結果から真の値を引いた値のことである。

3.不確かさとは、測定結果に付与される、真の値が含まれる範囲の推定値のことである。

4.工程(プロセス)管理とは、工程(プロセス)の出力である製品又はサービスの特性のばらつきを低減し、維持する活動のことである。

答え

  2
かたよりとは、観測値・測定結果の期待値から真の値を引いたである。観測値・測定結果から真の値を引いた値は、誤差である。

1 ◯
不適合とは、規定要求事項を満たしていないことをいう。

3 ◯
不確かさとは、それらの測定結果に付与される、そのまま真の値が含まれる範囲の推定値のこと。

4 ◯
工程管理は、プロセス(各工程)の1つ1つを重視し、作業標準を順守して所要の品質が確保できるようにすることである。

[ No. 59 ]
建築施工における品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.材料・部材・部品の受入れ検査は、種別ごとに行い、必要に応じて監理者の立会いを受ける。

2.目標品質を得るための管理項目に対し、次工程に渡してもよい基準としての管理値を設定する。

3.設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、現場内への搬入後、試験を行い記録を整備する。

4.品質計画には、施工の目標とする品質、品質管理及び管理の体制等を具体的に記載する。

答え

  3
設計図書に定められた品質が証明されていない材料は、工事現場に搬入してはならない受入れ検査種別ごとに行い、必要に応じて工事監理者の立会いを受ける。(JASS1)

1 ◯
材料・部材・部品を受け入れる場合、原則として、受入れ検査種別ごとに行い、必要に応じて工事監理者の立会いを受ける。( JASS 1 )

2 ◯
品質管理を行うために、
①品質管理組織
②管理項目及び管理値
③品質管理実施方法
④品質管理評価方法
⑤管理値を外れた場合の措置
などを含む品質管理計画を工事開始前に立案する。
目標・品質を得る管理のための重点項目を拾い出して管理項目とし、次工程に渡しても良い基準を管理値として明示する。( JASS 1 )

4 ◯
品質計画には、設計図書で要求された品質を満たすために、請負業者が施工の目標とする品質管理及び体制などを具体的に記載する。( JASS 1 )

[ No. 60 ]
次の管理図のうち、工程が最も統計的管理状態にあると判断されるものはどれか。 なお、図において UCL は上方管理限界、LCL は下方管理限界、CL は中心線を示す。

答え

  1
管理状態にある。

2.×
CLより一方の側に連続して7点以上あるときは、原因を調査する。

3.×
点が連続して上昇または下降する傾向のあるときは、原因を調査する。

4.×
2点以上が管理限界線の外に出ているので、安定状態ではない。

[ No. 61 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム─基本及び用語)に定める「プロジェクト」についての次の文章中、    [   ]に当てはまる語句の組合せとして、適当なものはどれか。
「開始日及び終了日をもち、調整され、管理された一連の  [ イ ] からなり、時間、 コスト及び  [ ロ ] を含む特定の要求事項に適合する目標を達成するために実施される特有の [ ハ ] 。」
イ   ロ    ハ
1.活動 資源の制約 プロセス
2.組織 資源の制約 マネジメント
3.活動 設計仕様  マネジメント
4.組織 設計仕様  プロセス

答え

  1
JIS Q9000(品質マネジメントシステム 基本及び用語)に、「プロジェクト」について次のように定義されている。
「開始日及び終了日をもち、調整され、管理された一連の(イ)活動からなり、時間、コスト及び(ロ)資源の制約を含む特定の要求事項に適合する目標を達成するために実施される特有の(ハ)プロセス。」
したがって、1が適当である。

[ No. 62 ]
鉄骨工事の溶接の検査方法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.磁粉探傷試験は、磁場を与えて磁粉を散布し、表面あるいは表面に近い部分の欠陥を検出する方法である。

2.放射線透過試験は、放射線が物質内部を透過していく性質を利用し、内部欠陥を検出する方法である。

3.マクロ試験は、液体の毛細管現象を利用し、浸透液を欠陥内に浸透させて欠陥を検出する方法である。

4.超音波探傷試験は、探触子から発信する超音波の反射波を利用して、溶接の内部欠陥を検出する方法である。

答え

  3
マクロ試験(肉眼組織検査)は、溶接部を切断し、鋼材の組織、溶け込み状態、熱影響範囲、欠陥等を目視または数倍の拡大鏡で検査する方法である。なお、設問の記述は、浸透深傷試験のことである。(建築工事監理指針)

1 ◯
磁粉探傷試験は磁粉が欠陥まわりにある程度幅広く付着して、微細な表面欠陥を容易に検出することができる。

2 ◯
放射線透過試験は X線または γ線を用いて溶接部の透視写真に現れた欠陥像に対して判定を行う試験である。(建築工事監理指針)

4 ◯
超音波探傷試験は高い周波数の音波を溶接部内に送信し、反射音の強さと伝搬時間とから内部欠陥の大きさと位置を評価するもの。主に内部欠陥の検出方法であるが、微小な球状欠陥(ブローホール)の検出は難しい。

[ No. 63 ]
屋外又は屋内の吹抜け部分等の壁のセメントモルタルによるタイル後張り工法の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.外観検査は、タイル張り面の色調、仕上がり状態、欠点の有無等について、限度見本の範囲内であることを確認した。

2.打音検査は、施工後2週間以上経過してから、タイル用テストハンマーを用いてタイル張り全面にわたり行った。

3.小口平タイルの引張接着力試験は、タイルの 1 / 2の大きさの鋼製アタッチメントを用いて行った。

4.引張接着力試験は、強度の測定結果がすべて所定の強度以上、かつ、コンクリート下地の接着界面における破壊率が 50 % 以下の場合を合格とした。

答え

  3
小口平タイルの接着力試験は、測定するタイルの大きさが小口平の大きさより大きい場合は、タイルを小口平の大きさに切断し小口平の大きさとする。(JASS19)
小口平以下のタイルの場合は、タイルの大きさをする。試験に用いる鋼製アタッチメントの大きさ・形状は、測定するタイルと同一の大きさ・形状とする。

1 ◯
タイルの外観検査は、タイルの色調の上ぞろい、不陸、汚れ、割れ、浮上がり及び縁欠けの有無、目地幅の上ぞろい、目地深さの均一性などが見本の範囲内であるか検査する。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
タイルの施工面については、不陸、目違い、ひび割れ等の目視確認を行うとともに屋外、屋内の吹抜け等のタイル張りの全面にわたって、たたきによる打音検査を行う。検査方法としては、打診用テストハンマーを用いて行う。(JASS19)

4 ◯
引張り接着力試験は、施工後2週間以上経過してから行い、引張り強度が 0.4 N/mm2 以上、かつ、コンクリート下地接着界面における破壊率が 50%以下の場合を合格とする。(JASS19)

[ No. 64 ]
労働災害に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1. 労働災害の頻度を示す指標として、年千人率や度数率が用いられる。

2. 労働災害の重篤度を示す指標として、強度率が用いられる。

3. 労働損失日数は、一時全労働不能の場合、暦日による休業日数に 300/365 を乗じて算出する。

4. 労働災害における重大災害とは、一時に2名以上の労働者が死傷又は罹病した災害をいう。

答え

  4
労働災害における重大災害とは、一時に3名以上の労働者が業務上死傷または罹病した災害をいう。
1 ◯
年千人率は、1年の労働者 1,000人当たりに発生した死傷者数の割合を示す。
年千人率= 1年間の死傷者数 / 1年間の平均労働者数 X 1,000
2 ◯
強度率は、1,000 延労働時間当たりの労働損失日数で災害の重さの程度を表すもので、1年間の死傷者 1,000人当たりの死傷者を示すものではない。
強度率 = 労働損失日数 / 延べ労働時間数 × 1,000
3 ◯
労働者が災害事故のため死亡したり負傷したりすると、その結果、永久に労働ができなくなったり、ある期間休業を余儀なくされる。この損失を労働損失という。
労働損失日数 = 休日日数 × 300 /365

[ No. 65 ]
建築工事に伴い施工者が行うべき公衆災害の防止対策に関する記述として、「建築工事公衆災害防止対策要綱(建築工事編)」上、不適当なものはどれか。 ただし、関係機関から特に指示はないものとする。

1.工事現場内に公衆を通行させるために設ける歩行者用仮設通路は、幅 1.5 m、有効高さ 2.1 mとした。

2.道路の通行を制限する必要があり、制限後の車線が2車線となるので、その車道幅員を 4.5 mとした。

3.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るので、隣地所有者の承諾を得た。

4.地下水の排水に当たっては、排水方法及び排水経路を確認し、当該下水道及び河川の管理者に届け出た。

答え

  2
施工者は車両交通対策として、制限後の道路の車線が1車線となる場合にあっては、その車道幅員は3m以上とし、2車線となる場合にあっては、その車道幅員は5.5m以上とする。

1 ◯
工事現場内の歩行者対策として、特に歩行者の多い箇所においては幅 1.5m以上、有効高さを 2.1m以上の歩行者用通路を確保し、必要に応じて交通誘導員を配置する等措置を講じ、適切に歩行者を誘導する。

3 ◯
発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。

4 ◯
施工者は地下水対策として、排水にあたっては、排水方法及び排水経路の確認を行い、当該下水道及び河川の管理者等に届出を行い、かつ、土粒子を含む水は沈砂、ろ過施設等を経て放流しなければならない。

[ No. 66 ]
作業主任者の選任に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.高さが 5 m 以上である鉄骨造の建築物の骨組みの組立作業においては、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

2.軒の高さが 5 m 以上の木造の建築物の解体作業においては、木造建築物の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

3.鉄筋コンクリート造の建築物の型枠支保工の解体作業においては、型枠支保工の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

4.張出し足場の組立作業においては、足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない。

答え

  2
軒の高さが 5m以上木造の建築物の構造部材の組立てまたはこれに伴う屋根下地もしくは外壁下地の取付けの作業においては選任しなければならないが、解体作業においてはその定めはない。(労働安全衛生法施行令第 6条第十五号の四)

1 ◯
作業主任者の選任において、鉄骨造の建築物の骨組または塔であって、金属製の部材により構成される(その高さが 5m以上であるものに限る。)ものの組立て、解体または変更の作業は、作業主任者を選任しなければならない。

3 ◯
型枠支保工(支柱、はり、つなぎ、筋かい等の部材により構成され、建設物におけるスラブ、けた等のコンクリートの打設に用いる型枠を支持する仮設の設備をいう)の組立てまたは解体の作業は作業主任を選任しなければならない。

4 ◯
張出し足場の種類には、アングル等によるトラス式とH形鋼による単材式がある。この足場は足場の組立て等作業主任者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第 6条)

[ No. 67 ]
足場に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.脚立を使用したうま足場における足場板は、長手方向の重ねを踏さん上で行い、その重ね長さを20 cm 以上とした。

2.脚立を使用した棚足場における角材を用いたけた材は、脚立の踏さんに固定し、踏さんからの突出し長さを10 ~20 cmとした。

3.単管足場における建地の間隔は、けた行方向を 2.0 m以下、はり間方向を 1.5 m以下とした。

4.単管を使用した本足場における作業床は、幅を 40 cm 以上、床材間のすき間を 3 cm 以下とした。

答え

  3
単管足場の建地の間隔は、けた行方向 1.85m以下、はり間方向 1.5m以下をしなければならない。(労働安全衛生規則第571条第1項第一号)

1 ◯
脚立は、脚と水平面との角度を75度以下とし、うま足場で足場を長手方向に重ねる時は、踏さん上で重ね、その重ね長さは、20cm 以上とする。(労働安全衛生規則第528条、第536条第4項)

2 ◯
脚立を使用して棚足場として使用する場合、桁材とし、角材は脚立の踏さん等に固定し、角材等の突出し長さは、10cm 以上 20cm 以下とする。

4 ◯
単菅を使用した本足場では、2m 以上の場所に設ける作業床は幅 40cm以上すき間は 3cm以下とする。(労働安全衛生規則第536条第1項第二号)

[ No. 68 ]
事業者が講ずべき措置について、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.岩石の落下等により労働者に危険が生ずるおそれのある場所で、車両系建設機械を使用するときは、機械に堅固なヘッドガードを備えなければならない。

2.車両系建設機械の定期自主検査を行ったときは、検査年月日等の事項を記録し、これを2年間保存しなければならない。

3.車両系建設機械のブームを上げ、その下で修理、点検を行うときは、ブームが不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、安全支柱、安全ブロック等を使用させなければならない。

4.車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、バケット、ジッパー等の作業装置を地上におろさせなければならない。

答え

  2
車両系建設機械の定期自主検査を行ったときは、検査年月日等の事項を記録し、これを3年間保存しなければならない。(労働安全衛生規則第169条)

1 ◯
岩石の落下等により労働者に危険が生ずるおそれのある場所で、車両系建設機械を使用する場合は、岩石の落下に対応するため、機械に堅固なヘッドガードを備えなければならない。

3 ◯
車両系建設機械のブーム、アーム等を上げ、その下で修理、点検を行うときは、ブーム、アーム等が不意に降下することによる労働者の危険を防止するため、当該作業に従事する労働者に安全支柱、安全ブロック等を使用させなければならない。(労働安全衛生規則第166条)

4 ◯
車両系建設機械の運転者が運転位置から離れるときは、バケット、ジッパー等の作業装置を地上におろさせなければならない。 (労働安全衛生規則第160条)

[ No.69 ]
移動式クレーン、エレベーター及び建設用リフトに関する記述として、「クレーン等安全 規則」上、誤っているものはどれか。

1.つり上げ荷重が 3.0 t 以上の移動式クレーンを設置しようとする事業者は、認定を受けた事業者を除き、移動式クレーン設置報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

2.積載荷重 1.0 t 以上のエレベーターの設置における落成検査の荷重試験は、エレベーターの積載荷重の 1.2 倍に相当する荷重の荷をのせて、行わなければならない。

3.積載荷重が 0.25 t 以上 1.0 t 未満のエレベーターを 60 日以上設置しようとする事業者は、認定を受けた事業者を除き、エレベーター設置報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

4.積載荷重が 0.25 t 以上でガイドレールの高さが 10 m の建設用リフトを設置しようとする事業者は、建設用リフト設置届を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。

答え

  4
積載荷重が 0.25 t 以上、ガイドレールの高さが18m以上の建設用リフトは建設用リフト設置届を、30日前までに所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生法第88条第1項、クレーン等安全規則第174条)

1 ◯
つり上げ荷重が 3.0 t 以上の移動式クレーンを用いて作業を行うときは、その移動式クレーン検査証を、当該クレーンに備え付けておかなければならない。(クレーン等安全規則第63条)

2 ◯
エレベーターを設置した者が受けなければならない落成検査における荷重試験は、エレベーターに積載荷重の 1.2倍に相当する荷重の荷をのせて行わなければならない。(クレーン等安全規則第141条3項)
3 ◯
エレベーターの設置について、積載荷重が0.25t 以上( 0.25t 未満は適用除外)で 1t 未満のエレベーターを 60日以上設置する場合は、あらかじめ、エレベーター設置報告書を所轄の労働基準監督署長に提出しなければならない。(クレーン等安全規則第145条)

[ No.70 ]
屋内作業場等において、有機溶剤業務に労働者を従事させる場合における事業者の講ず べき措置として、「有機溶剤中毒予防規則」上、誤っているものはどれか。

1.作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、有機溶剤作業主任者に作業の方法を決定させ、労働者を指揮させなければならない。

2.有機溶剤業務に係る有機溶剤等の区分を、作業中の労働者が容易に知ることができるよう、色分け等の方法により、見やすい場所に表示しなければならない。

3.有機溶剤業務に係る局所排気装置は、3月を超えない期間ごとに、有機溶剤作業主任者に点検させなければならない。

4.有機溶剤業務に係る局所排気装置は、原則として、1年以内ごとに1回、定期に、所定の事項について自主検査を行わなければならない。

答え

  3
屋内作業場等で有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、作業場所に、有機溶剤の蒸気の発生源を密閉する設備、局所排気装置を設けなければならない。有機溶剤作業主任者の職務として、局所排気装置、プッシュプル型換気装置または全体換気装置を1ヶ月を超えない期間ごとに点検しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2第二号)

1 ◯
有機溶剤作業主任者は作業に従事する労働者が有機溶剤に汚染され、またはこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2第一号)

2 ◯
有機溶剤等の業務に労働者を従事させる時は、当該有機溶剤業務に係る有機溶剤等の区分を作業中の労働者が容易に知ることができるよう、色分け及び色分け以外の方法により、見やすい場所に表示しなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第25条第1項)

4 ◯
局所排気装置の定期自主検査は、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行わなければならない。(有機溶剤中毒予防規則第20条第2項)

1級建築施工管理技士 平成27年 学科 問題6解説

平成27年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※   問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12 問題のうちから、8 問題を選択し、解答してください。

[ No. 71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.百貨店の売場は、居室である。

2.請負契約によらないで自ら建築物の工事をする者は、工事施工者である。

3.建築物の基礎は、主要構造部である。

4.道路中心線から1階にあっては 3 m 以下、2階以上にあっては 5 m以下の距離にある建築物の部分は、延焼のおそれのある部分である。

答え

  3
主要構造部とは、壁(構造上重要でない間仕切壁を除く)、柱、床(最下階の床を除く)、はり、屋根、階段(屋外階段を除く)をいう。したがって、基礎は構造耐力上重要な部分であるが、主要構造部には含まれない。(建築基準法第2条第五号)

1 ◯
居室とは、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいう。したがって、百貨店売場は居室である。(建築基準法第2条1項四号)

2 ◯
工事施工者とは、建築物、その敷地もしくは工作物に関する工事の請負人または請負契約によらないで自らこれらの工事をする者をいう。(建築基準法第2条第十八号)

4 ◯
延焼のおそれのある部分とは、隣地境界線、道路中心線または同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500 m2以内の建築物は一つの建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線から1階にあっては 3m以下2階以上にあっては 5m以下の距離にある建築物の部分をいう。(建築基準法第2条第六号)

[ No. 72 ]
建築確認手続き等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.防火地域及び準防火地域外において建築物を増築しようとする場合で、その増築に係る部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認申請書の提出は必要ない。

2.建築物の構造上重要でない間仕切壁の過半の修繕をする場合は、建築確認申請書の提出は必要ない。

3.都市計画区域外において建築する場合は、建築物の用途、規模にかかわらずすべての建築物について、建築確認申請書の提出は必要ない。

4.鉄筋コンクリート造3階建の共同住宅の2階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事の工程は、中間検査の申請が必要な特定工程である。

答え

  3
都市計画区域外に建築する場合でも、建築物の用途、規模によっては建築確認申請書を提出する必要がある。(建築基準法第6条)

1 ◯
防火地域及び準防火地域以外では、建築物の増築、改築、移転の場合にはその部分の床面積の合計が 10m2 以内のときには適用しない。(建築基準法第6条第2項)

2 ◯
建築物の構造上重要でない間仕切壁、間柱、付け柱、揚げ床、最下階の床などは主要構造部から除くものとされており、構造上重要でない間仕切壁の過半の修繕は、大規模の修繕に該当しない。(建築基準法第2条第五号、第十四号)

4 ◯
鉄筋コンクリート造3階建共同住宅の2階の床及びこれを支持する梁に鉄筋を配置する工事の工程は、建築主が中間検査を申請しなければならない特定工程に該当する。(建築基準法第7条の3第1項)

[ No. 73 ]
防火区画等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.給水管が準耐火構造の防火区画を貫通する場合は、そのすき間を準不燃材料で埋めなければならない。

2.換気設備のダクトが準耐火構造の防火区画を貫通する場合には、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に自動的に閉鎖する構造の防火ダンパーを 設けなければならない。

3.主要構造部を準耐火構造とし、かつ、3階以上の階に居室を有する建築物の昇降機の昇降路の部分とその他の部分とを、準耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画しなければならない。

4.建築物の 11 階以上の部分で、各階の床面積の合計が 100 m2 を超えるものは、原則として、床面積の合計 100 m2 以内ごとに耐火構造の床若しくは壁又は防火設備で区画しなければならない。

答え

  1
建築物に設ける給水、排水その他の管が準耐火構造の防火区画を貫通する場合において、そのすき間を不燃材料で埋めなければならないと定められている。なお、貫通する部分と両側1m以内の距離にある部分も不燃材料で作ると定められている。(建築基準法施行令第112条第15項、129条の2の5第七号イ)

2 ◯
換気設備の換気、空調設備等のために設けられた風道(ダクト)が準耐火構造の防火区画等を貫通する場合、当該風道が火災により煙が発生した場合または火災により温度が急激に上昇した場合のいずれかの場合に、自動的に閉鎖または作動するものを設けなければならない。(建築基準法第26条、同施行令第112条第16項)

3 ◯
主要構造部が準耐火構造で3階以上の階に居室を有する建築物の昇降機の昇降路の部分は、準耐火構造の床、壁または遮炎性能のある防火戸等の防火設備で区画しなければならない。(建築基準法第26条、同施行令第112条第9項)

4 ◯
建築物の 11階以上の部分で各階の床面積の合計が 100 m2 を超えるものは、原則として床面積の合計 100 m2 以内ごとに耐火構造の床もしくは壁または防火設備で区画しなければならない。(建築基準法施行令第112条第5項)

[ No. 74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000 万円以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有していなければならない。

2.建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。

3.工事1件の請負代金の額が建築一式工事にあっては 1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事のみを請け負う場合は、建設業の許可を必要としない。

4.国又は地方公共団体が発注者である建設工事を請け負う者は、特定建設業の許可を受けなければならない。

答え

  4
建設業において、発注者から直接請け負う1件の工事の下請代金の額の総額が、建設工事業では 6,000万円以上、建築工事以外では 4,000万円以上の場合、「特定建設業」の許可を受けなければならない。発注者が国や地方公共団体であることと特定建設業の許可とは関係がない。(建設業法第3条第1項第二号、同法施行令第2条)

1 ◯
特定建設業の許可を受けようとする者は、発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が 8,000万円以上であるものを履行するのに足りる財産的基盤を有していなければならない。(建設業法第15条第三号)

2 ◯
建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。(建設業法第29条第1項第三号)

3 ◯
軽微な建設工事のみを請け負うことを営業する者は、建設業の許可は必要ない。軽微な建設工事の定義は建築一式工事では、1,500 万円に満たない工事又は延べ面積が150 m2 に満たない木造住宅工事、建築一式工事以外の建設工事では 500万円に満たない工事となっている。(建設業法第3条第1項、同法施行令第1条の2第1項)

[ No.75 ]
元請負人の義務に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.元請負人が請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときは、下請負人に対しこれに相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払 わなければならない。

2.発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、建設業法その他法令の規定に違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。

3.元請負人は、その請け負った建設工事を施工するために必要な工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。

4.元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。

答え

  4
元請負人は、下請負人からその請け負った建設工事が完成した旨の通知を受けたときは、当該通知を受けた日から20日以内で、かつ、できる限り短い期間内に、その完成を確認するための検査を完了しなければならない。(建設業法第24条の4第1項)

1 ◯
元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払いまたは工事完成後における支払いを受けたときは、下請負人に対し、1ケ月以内で、かつ、できる限り短い期間内に下請負人の施工した出来形部分に相応する下請代金を支払 わなければならない。 (建設業法第24条の3第1項)

2 ◯
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、建設業法その他法令の規定に違反しないよう、下請負人の指導に努めるものとする。(建設業法第24条の6第1項)

3 ◯
元請負人は、工程の細目、作業方法その他元請負人において定めるべき事項を定めようとするときは、あらかじめ、下請負人の意見をきかなければならない。 (建設業法第24条の2)

[ No.76 ]
工事現場に置く技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.工事1件の請負代金の額が 4,500 万円である事務所の建築一式工事に置く監理技術者は、工事現場に専任の者でなければならない。

2.下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず、主任技術者を置かなければならない。

3.発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が 4,500 万円以上となる工事を施工する場合、工事現場に置く技術者は、監理技術者でなければならない。

4.専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においても、その日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。

答え

  1
専任の者を監理技術者として置かなければならないのは、建築一式工事が 7,000万円以上のものである
(建設業法第26条第2項、第3項、同法施行令第27条第1項)

平成28年6月1日施行の建設業法施行令改正により、監理技術者の配置が必要となる下請契約の額が、建築一式工事の場合は 6,000万円以上となたので、6,000万円未満の場合は主任技術者を置かなければならないので、設問3 は現在では「 × 」となる。(建設業法第26条第1項、第2項、同法施行令第2条)

2 ◯
下請負人として建設工事を請け負った建設業者は、下請代金の額にかかわらず、主任技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第1項)

3 ◯
発注者から直接建築一式工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が 4,500 万円以上となる工事を施工する場合においては、施工の技術上の管理をつかさどる者として「監理技術者」を置かなければならない。

4 ◯
専任の者でなければならない監理技術者は、当該選任の期間中のいずれの日においてもその日の前5年以内に行われた国土交通大臣の登録を受けた講習を受講していなければならない。(建設業法第26条第4項)

[ No.77 ]
労働契約に関する記述として、「労働基準法」上、誤っているものはどれか

1.法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効であり、法律に定められた基準が適用される。

2.使用者は、試の使用期間中の者で 14 日を超えて引き続き使用されるに至った者を解雇しようとする場合には、原則として、少なくとも 30 日前にその予告をしなければならない。

3.使用者は、労働者が業務上負傷し、休業する期間とその後 30 日間は、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合でも解雇してはならない。

4.労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位等について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。

答え

  3
労働基準法の解雇制限により、労働者が業務上負傷した場合は、休業する期間及びその後30日間は解雇してはならない。なお、やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合は解雇できる。(労働基準法第19条)

1 ◯
労働基準法に定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分はこの法律で定める基準による。(労働基準法第13条)

2 ◯
労働契約において試の使用期間中の者で14日を超えて引き続き使用されるに至った者を解雇しようとする場合は少なくとも30日前に予告しなければならない。(労働基準法第20条第1項)

4 ◯
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金または退職の事由については証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。(労働基準法第22条)

[ No.78 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.特定元方事業者は、統括安全衛生責任者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。

2.安全衛生責任者は、安全管理者又は衛生管理者の資格を有する者でなければならない。

3.統括安全衛生責任者は、事業を行う場所において、その事業の実施を統括管理する者でなければ ならない。

4.一の場所において鉄骨造の建築物の建設の仕事を行う元方事業者は、その労働者及び関係請負人の労働者の総数が常時 20 人以上 50 人未満の場合、店社安全衛生管理者を選任しなければならない。

答え

  2
統括安全衛生責任者を選任すべき事業者以外の請負人は、安全衛生責任者を選任しなければならない。また、安全衛生責任者の選任に、資格の制限はない。(労働安全衛生法第16条)

1 ◯
労働安全衛生法により、特定元方事業者は、労働者の作業が同一の場所において行われることによって生じる労働災害を防止するため、統括安全衛生責任者を選任し、その者に元方安全衛生管理者の指揮をさせなければならない。(労働安全衛生法第15条第1項)

3 ◯
統括安全衛生責任者は、事業を行う場所において、その事業の実施を統括管理する者でなければ ならない。(労働安全衛生法第15条第2項)

4 ◯
店社安全衛生管理者の選任を必要とする現場は、建築工事において鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物の建設の仕事を行う現場等で統括安全衛生責任者の選任を要する現場を除き、規模 20 人以上 50 人未満のものとなっている。 (労働安全衛生法第15条の3)

[ No.79 ]
労働者の就業にあたっての措置に関する記述として、「労働安全衛生法」上、正しいものはどれか。

1.事業者は労働者を雇い入れたとき、法令で定められた安全衛生教育を行うべき事項の全部 又は一部に関し十分な知識と技能を有していると認められる労働者については、当該事項に ついての教育を省略することができる。

2.元方安全衛生管理者は、作業場において下請負業者が雇入れた労働者に対して、雇入れ時の安全衛生教育を行わなければならない。

3.事業者は、作業主任者の選任を要する作業において、新たに職長として職務に就くことになった作業主任者について、法令で定められた職長教育を実施しなければならない。

4.事業者は、最大積載荷重が 1 t 以上のフォークリフトの運転(道路上を走行させる運転を 除く。)の業務については、フォークリフト運転免許を受けた者でなければ当該業務に就か せてはならない。

答え

  1
事業者は、労働安全衛生規則第35条第1項の各号に掲げる事項の全部またはは一部に関し十分な知識と技能を有していると認められる労働者については、当該事項についての教育を省略することができると同法同条第2項に規定がある。

2.×
労働者を雇い入れたときに、当該労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、その従事する業務に関する安全または衛生のための教育は、事業者が行わなければならない。(労働安全衛生法第59条)

3.×
事業者は、その事業場の業種が政令で定めるものに該当するときは、新たに職務につくこととなった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対し、安全または衛生のための教育を行わなければならない。(労働安全衛生法第60条)

4.×
最大積載量が 1t以上のフォークリフトの運転の業務は、技能講習を修了した者でなければならない。なお、1t未満の場合は安全または衛生のための特別の教育を受けた者であればよい。
(労働安全衛生法第61条第1項、同法施行令第20条第十一号)

[ No.80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。

1.現場事務所から排出される図面、書類は、一般廃棄物である。

2.建具の取替工事に伴って生じたガラスくずは、産業廃棄物である。

3.建築物の地下掘削工事に伴って生じた建設発生土は、産業廃棄物である。

4.軽量鉄骨壁下地工事に伴って生じた金属くずは、産業廃棄物である。

答え

  3
建設工事により発生した土砂は、産業廃棄物に含まれない

1 ◯
現場事務所から排出される図面、書類は、工作物の新築、改築または除去に伴って生じる建設業に係る紙くずに該当しない(産業廃棄物以外の廃棄物)ので一般廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条第一号)

2 ◯
産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油その他政令で定める廃棄物等でガラスくずも該当する。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条第4項)

4 ◯
軽量鉄骨壁下地工事で生じた金属くずは産業廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令第2条第六号)

[ No.81 ]
宅地造成工事規制区域内において行われる宅地造成工事に関する記述として、「宅地造成等規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、都道府県知事とは、指定都市、中核都市又は特例市の区域内の土地については、それぞれ指定都市、中核都市又は特例市の長をいう。

1.擁壁を設置しなければならない崖面に設ける擁壁には、壁面の面積3m2 以内ごとに少なくとも1個の水抜穴を設けなければならない。

2.高さが 4m の擁壁を設置する場合は、擁壁の設置に関する技術的基準に従うとともに、一定の資格を有する者の設計によらなければならない。

3.宅地において、土地の 600 m2 の面積の部分について盛土に関する工事を行い、引き続き宅地として利用する場合は、都道府県知事の許可を受けなければならない。

4.地表水等を排除するための排水施設の全部を除却する工事を行おうとする者は、宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日の 14 日前までに、その旨を都道府 県知事に届け出なければならない。

答え

  2
高さが 5mを超える擁壁の設置、切土または盛土による面積が1,500m2を超える土地における排水施設の設置は、一定の資格を有する者の設計によらなければならない。(宅地造成等規制法施行令第16条)

1 ◯
擁壁の裏面のj排水を良くするためには、壁面の面積 3m2 以内ごとに少なくとも1個、内径が 7.5cm以上の耐水材料を用いた水抜穴を設けなければならない。(宅地造成等規制法施行令第10条)

3 ◯
宅地造成工事規制区域の宅地の 500 m2を超える面積の部分の盛土に関する工事については、造成主は当該工事に着手する前に、都道府県知事の許可を受けなければならない。(宅地造成等規制法第8条第1項、同施行令第3条)

4 ◯
地表水等を排除するための排水施設の全部を除去する工事を行う場合は、宅地造成に関する工事の許可を受けた場合を除き、工事に着手する日の14日前までに、都道府県知事に届け出なければならない。(宅地造成等規制法第15条第2項)

[ No.82 ]
指定地域内における特定建設作業の規制に関する基準として、「振動規制法」上、誤っているものはどれか。 ただし、災害その他非常時等を除く。

1.特定建設作業の振動が、特定建設作業の全部又は一部に係る作業の期間が、当該特定建設作業の場所において連続して6日を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

2.特定建設作業の振動が、日曜日その他の休日に行われる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

3.特定建設作業の振動が、特定建設作業の場所の敷地の境界線において、85 dB を超える大きさのものでないこと。

4.特定建設作業の振動が、当該特定建設作業の場所において、図書館、特別養護老人ホーム等の敷地の周囲おおむね 80 m の区域内として指定された区域にあっては、1日 10 時間を超えて行わ れる特定建設作業に伴って発生するものでないこと。

答え

  3
特定建設作業に伴って発生する振動の大きさの規制基準は、振動規制法施工規則により、75dB以下とされている。(振動規制法施行規則第11条、別表第1第一号)

1 ◯
特定建設作業の振動が、特定建設作業の全部又は一部に係る作業の期間が、当該特定建設作業の場所において連続して6日を超えて行われる特定建設作業に伴って発生するものであってはならない。 (振動規制法施行規則第11条別表第1第四号)

2 ◯
特定建設作業の振動が、日曜日その他の休日に行われる特定建設作業に伴って発生するものであってはならない。 (振動規制法施行規則第11条別表第1第五号)

4 ◯
特定建設作業の振動が、当該特定建設作業の場所において、図書館、特別養護老人ホーム等の敷地の周囲おおむね 80 m の区域内として指定された区域にあっては、1日 10 時間を超えて行わ れる特定建設作業に伴って発生するものでああてはならない。(振動規制法施行規則第11条別表第1第三号)

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題1 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題1


問題1
建築工事の施工者は、発注者の要求等を把握し、施工技術力等を駆使して品質管理を適確に行うことが求められる。

あなたが経験した建築工事のうち、要求された品質を満足させるため、品質計画に基づき品質管理を行った工事を 1 つ選び、工事概要を具体的に記入 した上で、次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。

なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

[ 工事概要 ]
イ.工 事 名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容新築等の場合:
建物用途、構造、階数、延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、主要室の内部仕上げ

改修等の場合:
建物用途、建物規模、主な改 修内容及び施工数量
ニ.工 期 等(工期又は工事に従事した期間を年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場
ヘ.あなたの業務内容

1.工事概要であげた工事で、あなたが現場で重点的に品質管理を行った事例を 3つあげ、それぞれの事例について、次の①から③を具体的に記述しなさい。

ただし、3 つの事例の①は同じものでもよいが、②及び③はそれぞれ異なる内容を記述するものとする。

工種名又は作業名等

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由

③ ②の品質管理項目について実施した内容及びその確認方法又は検査方法

 

解答試案

【 事例1】

① 工種名又は作業名等:鉄筋工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

異鋼種同断面があったため、鉄筋の鋼材種の確認した。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

鉄筋のミルシートの確認とロールマーク及びノギスにて鉄筋の鋼種及び径を確認した。

【 事例2】

① 工種名又は作業名等:コンクリート工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

コンクリート出来形の寸法。構造強度及び仕上げ精度を満足するために必要であるから。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

型枠の脱型後に出来形検査を実施した。柱ついては見えかかり寸法、張りについては梁下端までの高さ及び幅、スラブ及び壁については開口部等を利用して断面寸法を確認した。

【 事例3】

① 工種名又は作業名等:コンクリート工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

外壁のコールドジョイントの発生ゼロ。外壁にコールドジョイントがあると、そこからの漏水により外壁性能に大きく影響を及ぼすため。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

コンクリート打ち込み継続中の打重ね時間間隔(外気温 25℃未満で、150分以内、25℃以上で120分以内)を厳守するため、打重ねが発生した部分に関しては、打ち重ねまでの時間を記録、管理した。

【 事例4】

① 工種名又は作業名等:外壁タイル張り工事

② 施工に当たって設定した品質管理項目及びそれを設定した理由:

密着張りの張付けモルタルの時間管理。張り付けモルタルの可使時間を超えてからの施工は、タイルの密着性に悪影響を与え、タイルの浮きやはく落の原因となるため。

③ 実施した内容及びその確認方法又は検査方法:

張り付けモルタルは、一度に塗り付ける面積を2m2以内とし、塗付け開始後15分で進捗を確認した。さらに20分以内で張り終えたことを確認し、チェックリストに記録した。

2. 事概要であげた工事に係わらず、あなたの今日までの建築工事の経験を踏まえて、次の①及び②を具体的に記述しなさい。

ただし、1.の③と同じ内容の記述は不可とする。

① 品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組

② ①の取組によって得られる良い効果

解答試案

①品質管理を適確に行うための作業所における組織的な取組み:

各種工事に関する施工計画書を作成し、品質管理に関する項目として具体的に施工管理値及び限界値をうたい、施工着手前に品質管理の会議を行い、協力会社にその内容を徹底する。

② ①の取組みによって得られる良い効果

顧客の信頼が得られ社会的な評価を高めることができるとともに、工事に携わるもの全員がより良い品質の建物を施工するということを意識することで、全体としてスキルアップにもつながる。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題2

問題2
建築工事における次の 1.から 3.の仮設物の設置を計画するに当たり、 留意すべき事項及び検討すべき事項を、それぞれ 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。

また、使用資機材に不良品はないものとする。
1. くさび緊結式足場

解答試案

・くさび緊結式足場の建地の間隔は、桁行方向1.85m以下、梁間方向 1.5m以下とする。

・くさび緊結式足場の地上第1の布の高さは、2.0m以下とし、布の上下方向の間隔は、2m以下とする。

など

基本的には、労働安全衛生規則 第571条(くさび緊結式足場)第1項を参照するとよい。

__

2. 建設用リフト

解答試案

・建設用リフトの搬器に労働者を乗せない。建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある部分に労働者を立ち入らせない。

・建設用リフトのピットをそうじするときは、搬器の落下防止措置を講じる。建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、運転位置から離れさせない。

・最大積載荷重を現地に表示し、その機能と能力を十分に理解するとともに能力と使用上の制限事項等を厳守させて使用する。

__

3. 場内仮設道路

解答試案

・資機材の運搬車両、工事用機械等、さまざまな用途の車両の通行を考慮し、道路の位置と幅員について検討する。

・地耐力を確認し、機械接地圧と比較検討を行う。なお、地耐力が不足している場合は、地盤改良工事を行う。

・杭打機など大型の工事用機械は接地圧が大きいので、整地後に切込砂利を敷き、十分転圧してから鋼板を敷く。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

問題3
市街地での事務所ビル新築工事について、右の基準階の躯体工事工程表及び作業内容表を読み解き、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。

工程表は工事着手時のもので、各工種の作業内容は作業内容表のとおりであり、型枠工事の作業④と、鉄筋工事の作業⑦については作業内容を記載していない。
基準階の施工は型枠工 10 人、鉄筋工6人のそれぞれ1班で施工し、③ 柱型枠、壁型枠返しは、⑧壁配筋が完了してから開始するものとし、⑨梁配筋(圧接共)は、⑤床型枠組立て(階段を含む)が完了してから開始するものとする。

なお、仮設工事、設備工事及び検査は、墨出し、型枠工事、鉄筋工事、コンクリート工事の進捗に合わせ行われることとし、作業手順、作業日数の検討事項には含めないものとする。

[ 工事概要 ]
用  途:事務所
構造,規模:鉄筋コンクリート造、地上 6階、延べ面積 3,000 m2
基準階面積 480m2

基準階の躯体工事工程表(当該階の柱及び壁、上階の床及び梁)

作業内容表(所要日数には仮設、運搬を含む)

ネットワーク工程表検討用

1.型枠工事の作業 ④及び鉄筋工事の作業 ⑦の作業内容を記述しなさい。

解答

 ④ 梁型枠組立て

 ⑦ 柱配筋

[ 解説 ]

一般的な型枠組立順序及配筋の順序は、

(型枠)

墨出 → 柱 → 内壁 → 大梁 → 小梁 → 外壁 → 床版

   ↑            ↑

  柱配筋          壁配筋

※覚え方 「鼻の大小が相当愉快」

「一級建築士 スーパー記憶術 原口秀明氏より」

(配筋)

柱 → 壁 → 梁 → 床

(垂直のもの)→(水平のもの)

である。

問題文に記載のない作業は、梁型枠組立て及柱配筋である。

__

2.型枠工事の ③柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST)を記入しなさい。

解答

 柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST):5日

[ 解説 ]

題意より、ダミーアローを記載すると下記のようになる。

よって、柱型枠、壁型枠返しの最早開始時期(EST)は、5日となる。

__

3.型枠工事の ⑥型枠締固め及び鉄筋工事の ⑦床配筋のフリーフロートを記入しなさい。

解答

⑥型枠締固めのフリーフロート 5日

⑩床配筋のフリーフロート 0日

[ 解説 ]

型枠締固めの最早終了時期は14日+ 3日=17日

コンクリート打設の最早開始時期は 22日なので、

22日 - 17日 = 5日

よって、⑥型枠締固めのフリーフロートは 5日となる。

⑩床配筋はクリティカルパス上にあるので、フリーフロートは 0日

__

4. 次の記述の [  ] に当てはまる数値を記入しなさい。
ある基準階において、②片壁型枠建込み及び ③柱型枠、壁型枠返しについて、当初計画した型枠工の人数が確保できず、②片壁型枠建込みでは2日、③柱型枠、壁型枠返しでは1日、作業日数が増加することとなった。
このとき、墨出しからコンクリート打込み完了までの総所要日数は[  ]日となる。

解答

 24

[ 解説 ]

②片壁型枠建込みはクリティカルパス上にはなく

2日 → 3日

となっても、クリティカルになくことなく

総所要日数に影響はない。

③柱型枠、壁型枠返しはクリティカルパス上にあり、

3日 → 4日

と作業日数が1日増えると、総所要日数も1日増え、

23日 → 24日

となる。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題4 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題4

問題4
次の 1.から 4.の問いに答えなさい。

ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、搬入、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象 条件等)、養生及び安全に関する記述は除くものとする。

1.土工事において、山留め壁に鋼製切梁工法の支保工を設置する際の施工上の留意事項2 つ、具体的に記述しなさい。

ただし、地下水の処理及び設置後の維持管理に関する記述は除くものとする。

解答例

山留め壁に鋼製切梁工法の支保工を設置する際の留意事項

・腹起しは連続して設置することとし、継手の設置位置は曲げ応力の小さい箇所となるようにする。

・切りばりの継手は切りばり支柱間に2ヵ所以上設けないようにし、同一方向の継手は同じ位置に並ばないようにする。

(その他の解答例)

・接合部が変形している場合は、端部の隙間にライナーなどを挿入し、切りばりの軸線が直線になるようにする。

・ 同一方向の切りばりの継手は、同じ位置に並ばないようにし、継手位置はできる限り切りばり交差部の近くに設ける。

__

2.鉄筋工事において、バーサポート又はスペーサーを設置する際の施工上の留意事項2 つ、具体的に記述しなさい。

解答例

バーサポート又はスペーサーを設置する際の留意事項

・柱又は壁は、上段は梁下より0.5m程度の範囲に、中段は上段よりl.5m間隔程度とし、横間隔は1.5m程度、端部は0.5m程度に配置する。

・梁は、間隔1.5m程度、端部は0.5m程度の位置に、上又は下いずれかと、側面の両側へ対象に配置する。

(その他の解答例)

・スラブにおいては、上端筋、下端筋それぞれ、間隔は0.9m程度、端部は0.1m以内に配置する。

・スラブにおいては、バーサポートは上端、下端とも、交差する鉄筋の下側の鉄筋を支持する。

・柱筋、壁筋のスペーサーは、上階に建ち上がる場合の台直しを避けるため、上階の梁底になるべく近く、柱では柱頭から500mm程度に、壁では最上段の横筋位置に設置する。

__

3.鉄筋コンクリ—ト造の型枠工事において、床型枠用鋼製デッキプレート(フラットデッキプレート)を設置する際の施工上の留意事項 2つ、具体的に記述しなさい。

解答例

床型枠鋼製デッキプレートを設置する際の留意事項

・フラットデッキには10mm程度のむくりがついているため、梁とのすき間からノロ漏れ等が生じないように施工する。

・フラットデッキが施工中に落下しないように、エンドクロース部分を型枠の上にのせ、かかり代を50mm以上確保する。

(その他の解答例)

・現場における切込み等の作業ができるだけ少なくなるように割付計画を行い、必要に応じてリブの切断を行う場合はデッキ受けを設け、確実に荷重が伝わるようにする。

・設備配管の貫通孔が規則的な場合又は集中している場合は、局部破壊の原因となるため補強を行う。

__

4.コンクリート工事において、普通コンクリートを密実に打ち込むための施工上の留意事項2 つ、具体的に記述しなさい。

解答例

普通コンクリートを密実に打ち込むための留意事項

・柱の打設は、自由落下高さを抑えて、コンクリートが分離するのを防ぐため、一度スラブ又は梁で受けた後に、柱各面から打込む。

・打重ね時に棒型振動機を先打ちコンクリートの中に10cm程度挿入して、後打ちコンクリートとの一体化をはかり、十分に締め固める。

(その他の解答例)

・柱壁は、スラブと梁との境目のひび割れ防止のため、梁下で一度打込みを止めてコンクリートを沈降させてから打ち重ねる。

・SRC造の梁への打設は、フランジの下部が空洞とならないように、フランジ片側から流し込み、反対側にコンクリートが上昇するのを待って全体に打ち込む。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題5 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題5

問題5
次の 1.から 8.の各記述 において、[  ] に当てはまる最も適当な語句又は数値の組合せを、下の枠内から 1 つ選びなさい。

1.塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において、シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるよう張り重ねる。

また、シート相互の接合幅は、幅方向、長手方向とも、最小値 [ a ] mm とし、シート相互の接合方は、 [ b ] と [ c ] を併用して接合する。

解答

 4

[ 解説 ]

塩化ビニル樹脂系シート防水の接着工法において、シート相互の接合部は、原則として水上側のシートが水下側のシートの上になるよう張り重ねる。

また、シート相互の接合幅は、幅方向、長手方向とも、最小値 40mm とし、シート相互の接合方は、接着剤又は熱風液状シール材を併用して接合する。

2. セメントモルタルによる外壁タイル後張り工法の引張接着 強度検査は、施工後2 週間以上経過した時点で、油圧式接着力試験機を用いて、引張接着強度と [ a ] 状況に基づき合否を判定する。

また、下地がモルタル塗りの場合の試験体は、タイルの目地部分を [ b ] 面まで切断して周囲と絶縁したものとし、試験体の数は 100 m2 以下ごとに1個以上とし、かつ、全面積で [ c ] 個以上とする。

解答

3

[ 解説 ]

セメントモルタルによる外壁タイル後張り工法の引張接着 強度検査は、施工後2 週間以上経過した時点で、油圧式接着力試験機を用いて、引張接着強度と 破壊状況に基づき合否を判定する。

また、下地がモルタル塗りの場合の試験体は、タイルの目地部分をコンクリート面まで切断して周囲と絶縁したものとし、試験体の数は 100 m2 以下ごとに1個以上とし、かつ、全面積で 個以上とする。__

3. 鋼板製折板葺屋根におけるけらば包みの継手位置は、端部用タイトフレームの位置よりできるだけ [ a ]ほうがよい。

また、けらば包み相互の継手の重ね幅は、最小値 [ b ]mm とし、当該重ね内部に不定形又は定形シーリング材をはさみ込み、 [ c ] 等で留め付ける。

解答

3

[ 解説 ]

鋼板製折板葺屋根におけるけらば包みの継手位置は、端部用タイトフレームの位置よりできるだけ近いほうがよい。

また、けらば包み相互の継手の重ね幅は、最小値60mm とし、当該重ね内部に不定形又は定形シーリング材をはさみ込み、ドリリングタッピンねじ等で留め付ける。__

4.軽量鉄骨壁下地のランナー両端部の固定位置は、端部から [ a ] mm 内側とする。ランナーの固定間隔は、ランナーの形状、断面性能及び軽量鉄骨壁の構成等により [ b ] mm程度とする。

また、上部ランナーの上端とスタッド天端の隙間は 10 mm以下とし、スタッドに取り付けるスペーサーの間隔は [ c ]mm 程度とする。

解答

2

[ 解説 ]

軽量鉄骨壁下地のランナー両端部の固定位置は、端部から50mm 内側とする。ランナーの固定間隔は、ランナーの形状、断面性能及び軽量鉄骨壁の構成等により900mm程度とする。

また、上部ランナーの上端とスタッド天端の隙間は 10mm以下とし、スタッドに取り付けるスペーサーの間隔は 600mm 程度とする。

5. 仕上げ材の下地となるセメントモルタル塗りの表面仕上げには、金ごて仕上げ、木ごて仕上げ、はけ引き仕上げがあり、その上に施工する仕上げ材の種類に応じて使い分ける。

一般塗装下地、壁紙張り下地の仕上げの場合は、 [ a ] 仕上げとする。
壁タイル接着剤張り下地の仕上げの場合は、 [ b ]仕上げとする。
セメントモルタル張りタイル下地の仕上げの場合は、 [ c ] 仕上げとする。

解答

4

[ 解説 ]

仕上げ材の下地となるセメントモルタル塗りの表面仕上げには、金ごて仕上げ、木ごて仕上げ、はけ引き仕上げがあり、その上に施工する仕上げ材の種類に応じて使い分ける。

一般塗装下地、壁紙張り下地の仕上げの場合は、金ごて仕上げとする。

壁タイル接着剤張り下地の仕上げの場合は、金ごて仕上げとする。

セメントモルタル張りタイル下地の仕上げの場合は、木ごて仕上げとする。

6.アルミニウム製建具工事において、枠のアンカー取付け位置は、枠の隅より 150 mm 内外を端とし、中間の間隔を [ a ]mm 以下とする。
くつずりをステンレス製とする場合は、厚さ [ b ] mm を標準とし、仕上げはヘアラインとする。

また、一般的に、破損及び発音防止のためのくつずり裏面のモルタル詰めは、取付け [ c ] に行う。

解答

5

[ 解説 ]

アルミニウム製建具工事において、枠のアンカー取付け位置は、枠の隅より 150 mm 内外を端とし、中間の間隔を 500mm 以下とする。

くつずりをステンレス製とする場合は、厚さ1.5mm を標準とし、仕上げはヘアラインとする。

また、一般的に、破損及び発音防止のためのくつずり裏面のモルタル詰めは、取付けに行う。

7.せっこうボード面の素地ごしらえのパテ処理の工法には、パテしごき、パテかい、パテ付けの3種類がある。

[ a ] は、面の状況に応じて、面のくぼみ、隙間、目違い等の部分を平滑にするためにパテを塗る。

また、パテかいは、 [ b ] にパテ処理するもので、素地とパテ面との肌違いが仕上げに影響するため、注意しなければならない。
なお、パテ付けは、特に [ c ] を要求される仕上げの場合に行う。

解答

3

[ 解説 ]

せっこうボード面の素地ごしらえのパテ処理の工法には、パテしごき、パテかい、パテ付けの3種類がある。

パテかいは、面の状況に応じて、面のくぼみ、隙間、目違い等の部分を平滑にするためにパテを塗る。

また、パテかいは、局部的にパテ処理するもので、素地とパテ面との肌違いが仕上げに影響するため、注意しなければならない。

なお、パテ付けは、特に美装性を要求される仕上げの場合に行う。

8.タイルカーペットを事務室用フリーアクセスフロア下地に施工する場合、床パネル相互間の段差と隙間を [ a ] mm 以下に調整した後、床パネルの目地とタイルカーペットの目地を [ b ] mm 程度ずらして割付けを行う。

また、カーペットの張付けは、粘着剥離形の接着剤を [ c ] の全面に塗布し、適切なオープンタイムをとり、圧着しながら行う。

解答

1

[ 解説 ]

タイルカーペットを事務室用フリーアクセスフロア下地に施工する場合、床パネル相互間の段差と隙間を1 mm 以下に調整した後、床パネルの目地とタイルカーペットの目地を100mm 程度ずらして割付けを行う。

また、カーペットの張付けは、粘着剥離形の接着剤を床パネルの全面に塗布し、適切なオープンタイムをとり、圧着しながら行う。

令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題6 解答解説

令和5年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題6

問題6
次の 1.から 3.の各法文において、[  ] に当てはまる正しい語句又は数値を、下の該当する枠内から 1 つ選びなさい。

1. 建設業法(下請代金の支払)
第24条の3 元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払 を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から [ ① ] 以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。

2 前項の場合において、元請負人は、同項に規定する下請代金のうち [ ② ] に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。

3 ( 略)

1. 10 日 2. 20 日 3. 1月 4. 3月 5. 6月

1. 労務費 2. 交通費 3. 材料費 4. 事務費 5. 諸経費
解答

① 3、② 1

[ 解説 ]

建設業法

第24条の3(下請代金の支払)

元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払又は工事完成後における支払 を受けたときは、当該支払の対象となった建設工事を施工した下請負人に対して、当該元請負人が支払を受けた金額の出来形に対する割合及び当該下請負人が施工した出来形部分に相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に支払わなければならない。

2 前項の場合において、元請負人は、同項に規定する下請代金のうち労務費に相当する部分については、現金で支払うよう適切な配慮をしなければならない。

3 ( 略)

2. 建築基準法施行令 (根切り工事、山留め工事等を行う場合の危害の防止)

第136条の3
建築工事等において根切り工事、山留め工事、ウエル工事、ケーソン工事その他基礎工事を行なう場合においては、あらかじめ、地下に埋設されたガス管、ケーブル、水道管及び下水道管の損壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。

2 (略)

3 (略)

4 建築工事等において深さ [ ③ ] メートル以上の根切り工事を行なう場合においては、地盤が崩壊するおそれがないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないときを除き、山留めを設けなければならない。この場合において、山留めの根入れは、周辺の地盤の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。

5 (略)

6 建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施工中必要に応じて点検を行ない、山留めを補強し、排水を適当に行なう等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の [ ④ ] による危害を防止するための措置を講じなければならない。

1. 0.5  2. 1.0  3. 1.5  4. 2.0  5. 2.5

1. 沈下 2. ゆるみ 3. 崩落 4. 陥没 5. 倒壊
解答例

③ 3、④ 1

[ 解説 ]

建築基準法施行令

第136条の3 (根切り工事、山留め工事等を行う場合の危害の防止)

建築工事等において根切り工事、山留め工事、ウエル工事、ケーソン工事その他基礎工事を行なう場合においては、あらかじめ、地下に埋設されたガス管、ケーブル、水道管及び下水道管の損壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。

2 (略)

3 (略)

4 建築工事等において深さ1.5メートル以上の根切り工事を行なう場合においては、地盤が崩壊するおそれがないとき、及び周辺の状況により危害防止上支障がないときを除き、山留めを設けなければならない。この場合において、山留めの根入れは、周辺の地盤の安定を保持するために相当な深さとしなければならない。

5 (略)

6 建築工事等における根切り及び山留めについては、その工事の施工中必要に応じて点検を行ない、山留めを補強し、排水を適当に行なう等これを安全な状態に維持するための措置を講ずるとともに、矢板等の抜取りに際しては、周辺の地盤の沈下による危害を防止するための措置を講じなければならない。

3. 労働安全衛生法(総括安全衛生管理者)

第 10 条 事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

一 労働者の [ ⑤ ] 又は健康障害を防止するための措置に関すること。
二 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。
三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。
四 労働災害の原因の調査及び [ ⑥ ] 防止対策に関すること。
五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

2 ( 略)

3 ( 略)

1. 危害 2. 損傷 3. 危機 4. 損害 5. 危険

1. 発生 2. 拡大 3. 頻発 4. 再発 5. 被害
解答例

⑤ 5、⑥ 4

[ 解説 ]

労働安全衛生法

第10条(総括安全衛生管理者)

事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、厚生労働省令で定めるところにより、総括安全衛生管理者を選任し、その者に安全管理者、衛生管理者又は第25条の2第2項の規定により技術的事項を管理する者の指揮をさせるとともに、次の業務を統括管理させなければならない。

一 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること。

二 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること。

三 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること。

四 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること。

五 前各号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な業務で、厚生労働省令で定めるもの

2 ( 略)

3 ( 略)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題1解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

※ 問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No.1 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。

2.壁体の含湿率が増加すると、壁体の熱伝導率は小さくなる。

3.外断熱の施された熱容量の大きな壁は、室温の著しい変動の抑制に有効である。

4.熱損失係数は、建物の断熱性能、保温性能を表す数値として用いられる。

答え

  2
壁体の含湿率が増加すると水成分は熱抵抗は小さいので、全体的に熱抵抗が小さくなり熱伝導率は大きくなる。結露なども発生しやすくなる。

1.◯
熱貫流抵抗は熱貫流率の逆数で、壁体の熱の通しにくさを表す数値である。
熱貫流抵抗 = 熱伝達抵抗 + 熱伝導抵抗

3.◯
内断熱に比べて外断熱の方が、壁体内で低温となる部分ができにくく、室温の著しい変動の抑制に有効である。

4.◯
熱損失係数は、建物の断熱性能(保温性)、気密性を総合した熱的性能の評価指標として用いられるもので、各壁及びサッシの貫流熱損失及び換気、ヒートブリッジ等による熱損失の合計を求め、これを延面積で割った値で表す。この値が小さいほど、床面積あたりの熱損失が少なく、エネルギー消費も少ない

[ No.2 ]
照明又は採光に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

2.照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいう。

3.グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。

4.光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。

答え

  4
光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)である。反射面を有する受照面の光の面積密度は輝度という。

1.◯
昼光率とは、室内のある点の照度とその時の全天空照度の比を%で表したものである。
昼光率 =(室内の水平面照度)/(全天空照度)×100(%)
例えば、屋外の照度が 5,000 lxで室内のある点の照度が 100 lxのとき、昼光率は2%となる。

2.◯
照度とは、受照面の単位面積当たりの入射する光のエネルギー量、すなわち受照面の単位面積あたりの入射光束をいう。単位はルクス(lx)である。

3.◯
グレアとは、視野内の高輝度な点・面あるいは極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。視力低下や、眼の疲労・不快感などを生じさせる原因となる。

[ No.3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.剛壁と多孔質材料との間に空気層を設けると、低音域の吸音率は上昇する。

2.残響時間は、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。

3.床衝撃音レベルの遮音等級を表す L 値は、値が大きいほど遮音性能が高い。

4.単層壁の透過損失は、一般に壁の面密度が大きいほど大きくなる。

答え

  3
床衝撃音の遮音等級は、音源室で床衝撃音発生装置によって発生させた衝撃音を、下階で測定した音圧レベル、Lr-50、Lr-55等で示す。等級が小さいほど床の遮音性能が高い

1.◯
剛壁と吸音材料である多孔質材料との間に空気層を設けた場合、空気層の厚さが増すほど低温域の吸音率が増加する。

2.◯
音源から発生した音は、天井や壁等で反射を繰り返し、そのたびにそれらの材料に吸収されて減衰するので、音源がなくなっても、室内にはわずかの間、響が残る。音源を停止した後、音のエネルギー密度が 60dB減少するのに要する時間を残響時間という。
残響時間 T(秒)
T = 0.161 V/A
V:室容積(m3
A:室の総吸音力(m2
室容積 V に比例し、室の総吸音力 Aに反比例する。

4.◯
透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの質量(面密度)と、周波数が大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

[ No.4 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.梁のせん断耐力は、一般にあばら筋量を増やすことにより増加する。

2.梁に貫通孔を設けた場合の構造耐力の低下は、せん断耐力より曲げ耐力の方が著しい。

3.柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔の 1.5 倍以下とする。

4.普通コンクリートを使用する場合、柱の小径は、原則としてその構造耐力上主要な支点間の距離の 1/15 以上とする。

答え

  2
梁の曲げ耐力は、一般に主筋の位置と断面積により決まるが、せん断耐力はコンクリートの断面積及びせん断補強筋量によって決まる。したがって、貫通孔が設けられると、コンクリートの断面積が減少し、せん断耐力が著しく低下する

1.◯
梁のせん断耐力は、一般にあばら筋の量をふやすことにより、柱のせん断耐力は、一般に帯筋量増やすことにより、増加する。(建築基準法施行令第78条)

3.◯
柱梁接合部内(仕口部)の帯筋間隔は、15cm以下、かつ、最も細い主筋の径の15倍以下とする。(建築基準法施行令第77条第三号)

4.◯
柱の小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の間の長さ)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

[ No.5 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.片面溶接による部分溶込み溶接は、継目のルート部に、曲げ又は荷重の偏心による付加曲げによって生じる引張応力が作用する箇所に使用してはならない。

2.部材の引張力によってボルト穴周辺に生じる応力集中の度合は、普通ボルト接合の場合より高力ボルト摩擦接合の方が少ない。

3.完全溶込み溶接による T 継手の余盛は、溶接部近傍の応力集中を緩和する上で重要である。

4.高力ボルト摩擦接合における許容せん断力は、二面摩擦の場合は、一面摩擦の 1/2 である。

答え

  4
高力ボルト摩擦接合は、ボルトの軸に導入された張力により生じる接合部材間の摩擦力によって力を伝達する方法である。高力ボルト1本当たりの許容せん断力 Rs は次式が与えられ、二面摩擦の耐力は一面摩擦の2倍となる
Rs = nμN/γ
n:摩擦面の数
μ:すべり係数(μ = 0.45)
N:設計ボルト張力
γ:安全率(γ = 1.5)
1.◯
部分溶け込み溶接は、溶接線と直角方向に引張応力が作用する場合や溶接線を軸とする曲げが作用する場合及び繰り返し荷重を受ける箇所には使用できない。

2.◯
高力ボルト摩擦接合は、高力ボルトで継手部材を締め付け、部材間に生じる摩擦力によって応力を伝達する接合法である。特徴は、応力の流れが円滑で、継手の剛性が高いことにある。
せん断力を受けるリベット、あるいは中ボルト接合の場合、外力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルト鋼板が支圧状態になったあとで応力の伝達が行われ、その場合、穴周辺に高い応力集中が生じる。
それに対し、摩擦接合では接触面で応力が伝達され、応力伝達面積が大きいため、高い応力集中は起こらない

3.◯
T継手は、板が直角に交わるため、直交する隅角部には応力集中が生じる。そのため、なだらかな余盛を設けて応力集中を緩和することが重要である。

[ No.6 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。

2.埋込み杭は、打込み杭に比べて極限支持力に達するまでの沈下量が大きい。

3.支持杭を用いた杭基礎の場合、杭周囲の地盤沈下によって杭周面に働く正の摩擦力を考慮する。

4.地盤から求める単杭の引抜き抵抗力には、杭の自重から地下水位以下の部分の浮力を減じた値を加えることができる。

答え

  3
支持杭を用いた杭基礎で上部に圧密を起こす地盤がある場合、地盤の沈下により、杭を引き込もうと杭周面に下向きの働く負の摩擦力が生じる

1.◯
支持杭の許容支持力は、杭の支持力のみによるものとし、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない

2.◯
打込み杭は、打撃ハンマー等で杭周辺の土と摩擦力に抵抗して打設するため、荷重に対する沈下は少ないが、埋込み杭はあらかじめオーガーが掘削した孔に埋設するので杭周辺の摩擦力が小さく、沈下が大きい

4.◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張り強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭自体も引き抜きに抵抗すると考える。
tRs = 1/3×tRu + Wp
tRs:杭の長期許容引抜き抵抗力
tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力
Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

[ No.7 ]
建築物に加わる荷重、外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.雪止めが無い屋根の積雪荷重は、屋根勾配が 60 度を超える場合には 0 とすることができる。

2.風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。

3.地震層せん断力は、2階に生じる地震層せん断力より1階に生じる地震層せん断力の方が大きい。

4.保有水平耐力計算において、多雪区域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に 0.7 を乗じた値を加えたものである。

答え

  2
風力係数Cfは、次式により求める。
Cf = Cpe ー Cpi
Cpe:建物の外圧係数
Cpi:建物の内圧係数
風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)

1.◯
屋根の積雪荷重は、雪止めがある場合を除き、屋根の勾配が60度以下の場合、屋根勾配が緩やかほど大きい。屋根の勾配が 60 度を超える場合は、 0 とすることができる。 (建築基準法施行令第86条第4項)

3.◯
地震時に各階に生じる地震層せん断力は次式で求められる。
Qi = Ci ×Wi
Qi:地震層せん断力
Ci:地震層せん断力係数
Wi:その層が支える荷重
したがって、2階よりも1階の方が支える荷重が大きいので、地震層せん断力も大きくなる

4.◯
保有水平耐力計算より、多雪区域の積雪時の計算に用いる荷重は、
Q(固定荷重) + P(積載荷重) + 0.7×S(積雪荷重)
である。(建築基準法施行令第82条第二号)

[ No.8 ]
図に示す単純梁に等変分布荷重 w 及びモーメント荷重 M が同時に作用するとき、支点 B の反力の大きさとして、正しいものはどれか。

1.0 kN
2.1 kN
3.3 kN
4.4 kN

答え

  1

解説図1の支点反力を求めるには、分布荷重を集中荷重におきかえる
1kN/m × 6m × 1/2 = 3kN
で、その位置は、A点から 4mの位置である。
B支点の反力は、A点のΣM =0より、
1RB × 6m ー 3kN × 4m = 0となり、
1RB = 12kN・m/6m = 2kN


解説図2より
B支点の反力は上記と同様にA点のΣM = 0として求める。
-12kN・m + 2RB×6m = 0として、
2RB = 2kN
RB1RB ↑ + 2RB↓ = 2kN + 2kN
RB= 0 kN
したがって、正解は1

[ No.9 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、C 点に集中荷重 P が同時に作用するとき、曲げ モーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。

 


答え

  2
A~B点間の中央に指標としてD点を設け、解説図1と2からD点の値を求める。解説図1のD点の値が大であれば「2」、小であれば「1」が正解となる。また、BーC間の曲げモーメントは、曲がりの外側(解説図 BーC間の上部)になる。
(1)解説図1におけるD点の曲げモーメントを求める。
B点の曲げモーメントは、以下により、9kN・mとなる。
3kN × 3m = 9kN・m
D点は、9kN・mの1/2なので、
4.5 kN・m
(2)解説図2におけるD点の曲げモーメントは以下により、2.25kN・mである。
2MD = ωl 2 × 1/8 = 2 × 32/8 = l8/8
2MD = 2.25
全体の曲げモーメントは、解説図3の通りとなる。

したがって、選択肢2が正解となる。

[ No.10 ]
コンクリートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.単位水量の小さいコンクリートほど、乾燥収縮が小さくなる。

2.コンクリートに AE 剤を混入すると、凍結融解作用に対する抵抗性が改善される。

3.空気量が 1 % 増加すると、コンクリートの圧縮強度は 4 ~ 6 % 低下する。

4.コンクリートのヤング係数は、圧縮強度が大きくなるほど、小さくなる。

答え

  4
コンクリートのヤング係数は、コンクリートの強度が大きいほど、大きくなる。ヤング係数とコンクリートの強度の関係は次式で表される。
EC = 3.35 × 104 × (γ/24)2× ( Fc/601/3
γ:コンクリートの単位容積重量(kN/m3
Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2
1.◯
単位水量が小さいコンクリートほど、水分が少ないので乾燥したときの収縮は小さくなる。単位水量は大きくなると、乾燥収縮、ブリージング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、耐久性上好ましくない。(JASS5)
2.◯
AE剤はコンクリート中に無数の独立した微細気泡を連行させることができる。この気泡はコンクリートに次のような効果をもたらす。
①ワーカビリティが良好になる。
②単位水量が低減する。
コンクリートの凍結融解に対する抵抗性が増し、耐久性を向上させる
④中性化に対する抵抗性を増大させる。
3.◯
一般的なコンクリートの場合、空気量は4~5%であるが、AE剤の使用によって、空気量が1%増加すると、4~6%の割合で圧縮強度が低下する。

[ No.11 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.せっこうプラスターは気硬性であり、しっくいは水硬性である。

2.ポルトランドセメントは練り混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。

3.せっこうプラスターは、ドロマイトプラスターに比べ、硬化に伴う乾燥収縮が小さい。

4.ドロマイトプラスターは、しっくいに比べ、粘度が高く粘性がある。

答え

  1
せっこうプラスターは水硬性であり、しっくいは二酸化炭素と反応して硬化する気硬性である

2.◯
ポルトランドセメントは練混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。

3.◯
せっこうプラスターは硬化が早く比較的強度もあり針状結晶によって硬化するため収縮ひび割れが生じにくい。(建築工事監理指針)

4.◯
ドロマイトプラスターは、一般的に粘度が高く、のりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。

[ No.12 ]
建築用ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.複層ガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気層を設けて密封したもので、結露防止に効果がある。

2.合わせガラスは、2枚以上のガラスをプラスチックフィルムを挟み接着したもので、防犯 に効果がある。

3.熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減に効果がある。

4.強化ガラスは、板ガラスを熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層を形成したもので、衝撃強度が高い。

答え

  3
熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。

1.◯
複層ガラスは、2枚のガラスの間に外気圧に近い圧力の乾燥気体を封入し、その周辺を密封したもので、断熱性が高く、結露防止に効果がある

2.◯
合わせガラスは、2枚以上の板ガラスの間に透明プラスチックフィルムを密着させてあり、耐貫通性能が高く、防犯性能も高い

4.◯
強化ガラスは、板ガラスを軟化温度近くまで加熱した後、常温の空気を均一に吹き付け急冷して作られたもので、ガラス表面層に圧縮応力、内部にそれとつりあう引張応力が存在し、耐衝撃性・耐風圧性・耐熱衝撃性が大きい。

[ No.13 ]
防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。

2.改質アスファルトルーフィングシートには、I 類とII 類があり、I類の方が低温時の耐折り曲げ性がよい。

3.塗膜防水に用いる補強布は、必要な塗膜厚さの確保と立上り部や傾斜面における防水材の垂れ下がりの防止に有効である。

4.通気緩衝シートは、塗膜防水層の破断やふくれの発生を低減するために用いる。

答え

  2
改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類とⅡ類があり、Ⅱ類の方が低温時の耐折れ曲げ性が良い。(JIS A6013)

1.◯
ストレッチルーフィングは製品の抗張積の値を使用することと定められている。(建築工事監理指針)

3.◯
補強布は、塗膜防水材を均等に塗り込むため、塗膜厚さの確保に有効であり、立上がり部や傾斜面においては未硬化の塗膜防水材を保持するために有効である。(建築工事監理指針)

4.◯
通気緩衝シートは、シートの下面に下地から水蒸気を通気させるための特殊加工したシート状の材料で、下地と防水層の間を挿入し、塗膜防水層の破断や膨れの発生を低減させる。(建築工事監理指針)

[ No.14 ]
日本工業規格(JIS)による建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。

2.シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。

3.シーリング材の引張応力による区分で、LM は低モジュラスを表す。

4.シーリング材のタイプは、用途による区分を表し、タイプ G はグレイジングに使用する シーリング材を指す。

答え

  1
2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。

2.◯
シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。(JIS A 5758)

3.◯
シーリング材に引張応力による区分は、クラスに応じてさらに区分され、LMは低モジュラス、HMは高いモジュラスを表す。(JIS A5758)

4.◯
建築用シーリング材にJISによる分類には、タイプFとタイプGがあり、タイプGはグレイジング用(ガラス取付け用)で、タイプFはグレイジング以外に使用するものである。(JIS A 5758)

[ No.15 ]
ボード類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.フレキシブル板は、火山性ガラス質たい積物などの無機質原料及びセメントを原料として製造した板である。

2.けい酸カルシウム板は、石灰質原料、けい酸質原料、石綿以外の繊維、混和材料を原料として製造した板である。

3.シージングせっこうボードは、両面のボード用原紙及び芯のせっこうに防水処理を施したものである。

4.ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。

答え

  1
フレキシブル板は、セメント、無機繊維を主原料とし、製造成形後に高圧プレスをかけたもので、強度が高く、可とう性がある。設問の記述は火山性ガラス質複層板(VSボード)のことである。(JASS26)

2.◯
記述の通りである。けい酸カルシウム板は、軽量で耐火・断熱に富み、加工性がよく、温湿度変化による伸縮・反りは小さいが吸水性は高い。(JASS26)

3.◯
シージングせっこうボードは、防水加工したせっこうボード用原紙で被覆され、かつ、せっこう中に適量の防水剤を混入して耐湿性を向上させたボードである。普通せっこうボードが使用できない多湿な場所や水回りの下地に使用する

4.◯
ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、灰華石模様、非貫通孔状、凹凸状、印刷、ラミネート及びそれらの組み合わせ等の表面化粧をしたものである。(建築工事監理指針)