1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題2解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

※ 問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No.16 ]
舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.プライムコートは、路盤の仕上がり面を保護し、その上のアスファルト混合物層との接着をよくするために施す。
2.フィラーは、アスファルトと一体となって、混合物の安定性、耐久性を向上させるために施す。
3.タックコートは、アスファルト混合物からなる基層と表層の接着をよくするために施す。
4.シールコートは、路床の水分が凍結しないように路床の上に施す。

答え

  4
シールコートは、既設の舗装面にアスファルト乳剤を散布して骨材で覆う表面処理工法である。シールコートは、路床の水分が凍結しないために施すものではなく、下のアスファルト舗装への水の侵入、ひび割れ、老化を防ぎ、日射を遮る等の目的で施す。骨材に硬質なものを用いるとすべり止めにもなる。
1.◯
プライムコートは、路盤の上に散布されるもので、路盤の仕上り面を保護し、その上に施工するアスファルト混合物層とのなじみよくするために用いられる
2.◯
記述の通りである。フィラーには、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダクト及びフライアッシュ等が用いられる。この中でも石灰岩を粉砕した石粉がもっとも多く用いられる。
3.◯
タックコートは、基層あるいは路盤とその上に置く混合物との間の付着をよくするためのものである。通常アスファルト乳剤を用い、一般に 0.3〜0.6 L/m2を散布する。

[ No.17 ]
測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スタジア測量は、レベルと標尺によって2点間の距離を正確に測定する方法である。
2.トラバース測量は、測点を結んでできた多角形の各辺の長さと角度を、順次測定していく方法である。
3.直接水準測量は、レベルと標尺によって高低を測定する方法である。
4.平板測量は、アリダードと巻尺で測量した結果を、平板上で直接作図していく方法である。

答え

  1
スタジア測量は、2点間の距離・高低差をトランシットやセオドライト等の望遠鏡につけられたスタジア線を用いて間接的に測る測量方法である。細部測量に主として利用され、特に起伏の多い地形に適する。
2.◯
トラバース測量は、既知点から順次、次の点への方向角と距離を測定して、各点の位置を測定する測量法で、角度の測定には、トランシット、距離はテープまたはスタジア法を使う。多角測量ともいい、中小規模の骨組み測量に用いられる。
3.◯
直接水準測量は、レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求める方法である。
4.◯
平板測量は、巻尺で距離測量した結果を、三脚に取り付けた平板上でアリダードを用いて現地で直接作図できる方法である。高い精度は期待できないが、早く作業ができる。

[ No.18 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.高さが 20 m を超える建築物には、原則として、有効に避雷設備を設けなければならない。
2.危険物を貯蔵する倉庫は、高さや貯蔵量にかかわらず、避雷設備を設けなければならない。
3.鉄骨造の鉄骨は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。
4.受雷部は、保護しようとする建築物等の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。

答え

  2
指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(危険物の規則に関する政令第10条第1項第十四号)
1.◯
高さ 20mを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(建築基準法第33条)
3.◯
鉄骨造の鉄骨や鉄筋コンクリート造の断面積が50mm2以上の鉄筋は、構造体利用の引下げ導線として利用することができる。(JIS A4201)
4.◯
受雷部は、保護しようとする建築物等に雷撃が侵入しないように施設するもので、立地条件、建築物等の種類・重要度等によって、JIS A4201の4段階の保護レベルに応じて配置する。

[ No.19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.連結散水設備は、地下街など、火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難な場所に設置される。
2.水噴霧消火設備は、微細な霧状の水の噴霧による冷却、窒息効果により、自動車車庫などの火災に適している。
3.屋内消火栓設備は、消火活動上必要な消防隊専用の施設として設置される。
4.粉末消火設備は、消炎作用が大きく、油などの表面火災に適している。

答え

  3
屋内消火設備は、消火器とともに在居者による初期消火のための主要な設備である。消防隊専用の施設として設置されるものではない。
1.◯
連結散水設備は地下街には設置が義務づけられている。目的は、地下街や地下階など火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難となる場所に設置することで安全を確保するためである。(消防法施行令第28条の2、令別表第1(16の2))
2.◯
水噴霧消火設備は、スプリンクラーより微細な霧状の水を噴霧して消火する消火設備である。汚損や腐食性があり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。なお、使用箇所としては、指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。
4.◯
粉末消火設備は、噴射ヘッドやノズルから窒素または炭酸ガスで加圧した消火粉末を放射し、熱で分解発生する炭酸ガスの窒息作用と負触媒効果による抑制作用を有する消火設備で、特に消炎作用が大きく、速効性があるもので油などの表面火災に最も効果的である。また、凍結しないので、寒冷地においても適用できる。

[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。
1.受注者は、工事の施工に当たり、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2.受注者は、工期内で請負契約締結の日から 12 箇月を経過した後に、賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、発注者に対して請負代金額の変更を請求することができる。
3.受注者は、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 12 以上減少したときは、契約を解除することができる。
4.受注者は、工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない。

答え

  3
受注者(請負人)は発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 2/3以上減少したときは、契約を解除することができる。(公共工事標準請負契約約款第49条第1項)
1.◯
公共工事標準請負契約約款第第18条第1項第四号により、受注者は工事の施工に当たり、設計図書に示された自然的または人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。
2.◯
工期内で請負契約締結の日から12ヶ月を経過した後、日本国内における賃金水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。(同第25条第1項)
4.◯
公共工事標準請負契約約款第51条により、受注者は工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより、火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題3解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※ 問題番号[ No.21 ]~[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.21 ]
墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.建物四隅の基準墨の交点を上階に移す場合、間違いや誤差を避けるために4点とも下げ振りで移す。
2.仕上げ部材を取り付けるための墨は、近接する既に出された他の部材の仕上げ墨を基準として墨出しを行う。
3.鉄骨鉄筋コンクリート造では、一般に鉄骨柱を利用して躯体工事用の基準高さを表示し、 これによりレベルの墨出しを行う。
4.床面の通り心などの基準墨は、一般に 1 m 離れた位置に返り墨を設ける。

答え

  2
仕上げ部材を取り付けるための墨は、基準墨(地墨や陸墨)を基準として墨出しを行う。近接する他の部材の仕上げ墨にも誤差があるため、それを基準とすると誤差が大きくなる。(JASS26)
1.◯
基準墨の上開への移動は、次のような方法で行われる。
(1)上階の床スラブのコンクリートを打つ際に、建物四隅の基準墨または逃げ墨の交差する場所に15㎝角程度の孔をあけ、コンクリート打込み後この孔から下げ振りを下階の基準墨まで下げ、その位置を上階の床スラブ上にうつす。
(2)四隅に出たXY方向の交差を、トランシット等を用いて結ぶことにより、基準墨を床面にうつす。
3.◯
各階基準高さ(陸墨)は、水平高さ変動のない比較的剛強なものを利用する必要があるので、鉄骨柱を利用したり、柱の主筋を利用したりして躯体工事用の基準高さを上階に移動していく
4.◯
基準墨とは、各階の通り心と高さの基準になるレベルを示す墨をいう。通り心は床の上に出すが、通常は柱や壁の心になることが多く、通り心から 1m離れたところに通り心と平行に返り墨を打っておくのが一般的である

[ No.22 ]
地盤調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。
2.電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。
3.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。
4.常時微動測定により、地盤の卓越周期を把握することができる。

答え

  1
一軸圧縮試験は、粘性土の一軸圧縮強さや変形係数を求めるための試験である。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
2.◯
電気検層(比抵抗検層)によって、地下水面以深にある軟弱地盤から岩盤までのすべての地盤を対象とすることができる。
3.◯
粒度試験は、土の粒度組成を数量化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)
4.◯
常時微動とは、工場機械、交通機関等の人工的な振動源で引き起こされ、変位振幅が数μm以下、振動周期が0.05秒ぐらいから数秒ぐらいまでの雑振動である。
その卓越周期は同じ場所での地震動の卓越周期と一致するという性質がある。したがって、常時微動を測定することにより、地震動の周期特性を知り、それを建物の耐震設計や設計用地震波の作成に利用できるとともに、卓越周期から地盤種別が判断できる。

[ No.23 ]
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.山留め壁の頭部の変位を把握するために、トランシットやピアノ線を用いて計測を行った。
2.油圧式荷重計は、切梁の中央部を避け、火打梁との交点に近い位置に設置した。
3.山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁に近接した地盤面に設けた。
4.H形鋼を用いた切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置した。

答え

  3
基準点(不動点)は、掘削に影響のない箇所に設ける。通常、レベル測定の場合には根切り山留め工事の影響を直接受けない位置に建つ支持杭基礎の建物に設けることが多い。(山留め設計施工指針)
1.◯
山留め壁の頭部の変位は、挿入傾斜計等の機器を用いても計測できるが、トランシットとピアノ線を用いた簡易な方法でも計測できる。なお、ピアノ線は常に緊張しておく必要があるのでターンバックルを取り付けておく。(山留め設計施工指針)
2.◯
油圧式荷重計(盤圧計)を切梁の中央に設置すると、切梁にかかる軸力が端部より中央部の方が低くなるため、正確に軸力を計測できず、また安全上の点からも好ましくない。火打梁の基部に設置するのが好ましい
4.◯
切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置する。(山留め設計施工指針)

[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.先端が開放されている杭を打ち込む場合、杭体内部への土や水の流入が原因で杭体が損傷することがある。
2.中掘り工法では、砂質地盤の場合、緩みがはげしいので、先掘り長さを少なくする。
3.杭に現場溶接継手を設ける場合、原則としてアーク溶接とする。
4.埋込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より 10 cm 程度小さくする。

答え

  4
埋め込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より100mm程度大きくする。(公共建築工事標準仕様書)
1.◯
杭先端が開放の場合は、中空部に土が入り空気が圧縮されたり、水が入りウォーターハンマー現象等で杭が破損する場合があるので、杭内の土及び水の上昇に対応し十分な空気抜き孔を設けたキャップを使用する。(建築工事監理指針)
2.◯
中堀り工法では、杭の掘削中、必要以上に先掘りすると、周囲の地盤を緩めることになるため、施工中は先端の長さの調整管理が必要である。特に、砂質地盤の場合には緩みがはげしいので、先端の長さを少なくし、杭径以内に調整することが望ましい。(JASS4)
3.◯
杭の継手処理について、溶接とする場合は、原則としてアーク溶接を用いて接合する。(JASS4)

[ No.25 ]
普通コンクリートを用いる構造部材における鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.屋内の梁の最小かぶり厚さは、仕上げの有無にかかわらず 30 mm とする。
2.直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、30 mm とする。
3.設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに 10 mm 程度を加えたものとする。
4.杭基礎の基礎筋(ベース筋)の最小かぶり厚さは、杭天端から確保する。

答え

  2
直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、40mmとする。(建築基準法施行令第79条)
1.◯
土に接しない柱・梁・耐力壁の最小かぶり厚さは、屋外仕上げなしを除いて30mmとする。(建築基準法施行令第79条)
3.◯
柱・梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた値を標準とする。(JASS5)
4.◯
杭基礎の場合の最小かぶり厚さは、杭天端からとする。(JASS5)

[ No.26 ]
鉄筋(SD 345)のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置は、400 mm 以上ずらした。
2.同一径の鉄筋のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。
3.圧接器に鉄筋を取り付ける際、鉄筋突合せ面のすき間は 2 mm 以下とした。
4.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、細い方の鉄筋径の 1.2 倍以上とした。

答え

  4
ガス圧接継手のふくらみの直径は、原則として鉄筋径の1.4倍以上として、片ふくらみがないものとする。なお、鉄筋径が異なる場合は、細い方の径とする。
1.◯
ガス圧接継手の位置は、隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置と400mm以上ずらす
2.◯
同一径のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上とし、なだらかで、垂れ下がらないものとする。
3.◯
圧接端面のすき間は、2mm以下とし、かつ、偏心及び曲がりのないものとする。

[ No.27 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スラブ型枠の支保工に用いる鋼製仮設梁のトラス下弦材の中央部を、パイプサポートで支持した。
2.柱型枠の組立てにおいて、型枠の精度の保持を目的のひとつとして、足元は桟木で固定した。
3.コンクリート表層部をち密にするため、余剰水の排水ができるように透水型枠を採用した。
4.コンクリート表面に残る丸型セパレーターのねじ部分は、ハンマーでたたいて除去した。

答え

  1
鋼製仮設梁のトラス下弦材の支柱は、所定の支点以外のところに立てて用いない。(型枠の設計・施工指針案)
2.◯
柱型枠の足元は、型枠の垂直精度の保持、変更防止、セメントペーストの漏出防止のため、金物や桟木などを用いて根巻きを行う。(型枠の設計・施工指針案)
3.◯
透水型枠は、せき板に細かい孔などをあけ、セメント粒子を通さない特殊な織布を張った型枠を使用し、コンクリート中の気泡や余剰水を排出するので、打ち上がったコンクリート表層部の気泡やあばたが少なくなる。(JASS5)
4.◯
両面仕上げ用丸型セパレーターは、型枠取り外し後、コンクリート表面に座金およびねじ部分が残って露出するので、ねじ部分はハンマーでたたいて除去する。(建築工事監理指針)

[ No.28 ]
普通コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.球形に近い骨材を用いる方が、偏平なものを用いるよりもワーカビリティーがよい。
2.水セメント比を低減すると、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.コンクリートの単位水量は、一般に 185 kg/m 3 以下とする。
4.コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に 250 kg/m3 とする。

答え

  4
単位セメント量は、水和熱および乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からできるだけ少なくすることが望ましいが、ワーカビリティの観点からは過少になるとコンクリートの水密性、耐久性が低下するため、最小値が定められており、普通コンクリートでは270 kg/m3である。(JASS5)
1.◯
骨材の形は、できるだけ球形に近いものが理想で、偏平細長のもの、角立っているもの等はコンクリートのワーカビリティを悪くする。(建築工事監理指針)
2.◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。
3.◯
コンクリートの単位水量の最大値は、185kg/m3とする。(JASS5)

[ No.29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生は、ブリージングが終了した後に行う。
2.普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後3日間である。
3.大断面の部材で、中心部の温度が外気温より 25 °C 以上高くなるおそれがある場合は、保温養生により、温度ひび割れの発生を防止する。
4.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、計画供用期間の級が標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が 10 N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

答え

  2
コンクリートの打込み中および打込み後5日間は、乾燥・振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。(建築基準法施行令第75条)
1.◯
膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生はブリージングの終了後に行う。(JASS5)
3.◯
大断面の柱や基礎梁など、コンクリート打込み後セメントの水和熱により部材断面の中心温度が外気温より25℃以上高くなる恐れがある場合、温度ひび割れの発生を防止するために、マスコンクリートの養生の方法で保温養生を行う。(公共建築工事標準仕様書)
4.◯
短期および標準の計画供用期間の級で、早強・普通および中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18㎝以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)

[ No.30 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.裏当て金を用いる柱梁接合部のエンドタブの取付けは、母材に直接溶接した。
2.クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工した。
3.溶接を手溶接とするので、エンドタブの長さは、自動溶接より短くした。
4.完全溶込み溶接の両端に、継手と同じ開先のエンドタブを取り付けた。

答え

  1
柱梁接合部エンドタブを取り付ける場合、裏当て金に取り付け、直接柱梁フランジに溶接は行わない。(鉄骨工事技術指針)
2.◯
エンドタブは、特記のない場合は切断の必要はないが、クレーンガーター(走行クレーンのレールを支えるための梁)のような低応力高サイクル疲労を受ける場合には、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工しなければならない。
3.◯
エンドタブは溶接の始端と終端の欠陥を防ぐために付ける。エンドタブの材質は一般に母材と同等以上とし、同厚、同開先のものが使用される。長さについては自動溶接70mm以上、手溶接35mm以上とする
4.◯
完全溶込み溶接および部分溶込み溶接の場合は、原則として、溶接部の始端および終端部に適切な材質・形状および長さを持った鋼製エンドタブを用いる。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.31 ]
鉄骨の耐火被覆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.柱の耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて、各面に1箇所以上差し込んで確認した。
2.高層建物の耐火被覆材の吹付けは、ロックウール、セメント、せっこう、水を混合して圧送する乾式工法で行った。
3.巻付け工法において、耐火被覆材の取り付けに用いる固定ピンは、鉄骨にスポット溶接により取り付けた。
4.耐火板張り工法において、繊維混入けい酸カルシウム板は、一般に吸水性が大きいため、雨水がかからないよう養生を行い、接着剤と釘を併用して取り付けた。

答え

  2
吹付けロックウールの乾式工法はロックウールとセメントを工場配合した材料と水を別々に圧送して、ノズルの先端で混合して吹き付ける工法である。(建築工事監理指針)
1.◯
耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて確認する。スラブ及び壁面については 2m2程度につき1箇所以上、柱は1面に各1箇所以上、梁は1本あたりウェブ両側に各1本、下フランジ端部両側に各1本差し込んで確認する。なお、確認ピンは、そのまま存置しておく。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
巻付け工法とは、高耐熱ロックウール、セラミックファイバーブランケットまたはそれらを複合したものを現場で鉄骨に巻き付け、ワッシャー付き鋼製の固定ピンを鉄骨にスポット溶接して留める工法であり、化粧仕上げも可能である。(建築工事監理指針)
4.◯
耐火被覆成形板は一般に吸水性が大きいため、建築物の外周部に当たる鉄骨架構の耐火被覆に使用する場合には、施工時に雨水が掛からないよう養生する必要がある。また、接着剤のみに頼ると施工後の時間経過に伴い耐火被覆成形板のはく落を生じる恐れがあるので、釘やかすがい等の金物で機械的に十分緊結することが重要である。(建築工事監理指針)

[ No.32 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷のつり上げに用いられる。
2.ジブクレーンの定格荷重は、フック等のつり具の重量を含めたものである。
3.ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下である。
4.建設用リフトの停止階には、荷の積卸口の遮断設備を設ける。

答え

  2
ジブクレーン等ジブを有するものの定格荷重は、負荷させることのできる最大の荷重から、フック等の重量を控除した荷重のことである。(クレーン等安全規則)
1.◯
傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。
3.◯
ロングスパン工事用エレベーターは、昇降速度 10m/分以下で、数名の人員と長尺物の材料の運搬ができ、設置が簡単である。積載荷重は1t前後の機種が多い。(建築工事監理指針)
4.◯
建設用リフトの停止階には、安全上、荷の積卸口の遮断設備を設置する。(労働安全衛生規則)

[ No.33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における柱補強工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.溶接金網巻き工法において、溶接金網に対するかぶり厚さ確保のため、溶接金網は型枠建込み用のセパレーターに結束して固定した。
2.溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手は、溶接長さが片側 10 d(d はフープ 筋の径又は呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とした。
3.鋼板巻き工法において、 コ形に加工した2つの鋼板を 形に一体化する際、接合部の溶接は部分溶込み溶接とした。
4.連続繊維補強工法のシート工法において、シートの切り出し長さは、柱の周長にラップ長さを加えた寸法とした。

答え

  3
角形鋼板や円形鋼板補強では、鋼板を2つ割以上に分割して工場製作し、現場にて完全溶込み溶接で一体化する。(建築改修工事監理指針)
1.◯
溶接金網は、型枠立て込み用セパレータ等に結束して、かぶり厚さを確保する。(建築改修工事監理指針)
2.◯
フープ等の継手は、溶接長さが片側10d(dはフープ筋の径または呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とする。(建築改修工事監理指針)
4.◯
シートの切り出しは、シートの割付け図にしたがって、連続繊維シートを切り出す。切り出し長さは、柱の周長にラップ長さ(200mm以上)を加えた寸法とする。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題4解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.加硫ゴム系シート防水において、接着仕様の防水層立上りの末端部の処理は、押え金物で固定し、シール材を用いた。
2.加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートで増張りを行った。
3.塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。
4.塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、クロロプレンゴム系の接着剤により接合した。

答え

  4
塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、テトラヒドロフラン系溶接剤または熱融着により接合する
1.◯
加硫ゴム系シート防水の末端部は、端部にテープ状シール材を貼り付けた後ルーフィングシートを張り付け、押さえ金物を用いて留め付けて、不定形シール材で処理する。
2.◯
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)
3.◯
塩化ビニル樹脂系シート防水工法の接着仕様の場合、出隅角はシート施工後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No.35 ]
塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅を 50mm、補強布の重ね幅は 100mm とした。
2.ウレタンゴム系防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重が 1.0 のものを使用し、 3.0 kg/m2 とした。
3.ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅及び入隅は、補強布を省略しゴムアスファルト系防水材を用いて、増吹きにより補強塗りを行った。
4.ゴムアスファルト系室内仕様の防水材の総使用量は、固形分 60 % のものを使用し、 4.5 kg/m2 とした。

答え

  1
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は、100mm以上とし、補強布の重ね幅は、50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)
2.◯
ウレタンゴム系塗膜防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重 1.0の材料を使用した場合、3.0kg/m2とする。(建築工事監理指針)
3.◯
ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅および入隅部は、補強布を省略することができる。補強布を省略する場合は、増吹きにより補強塗りを行う。(建築工事監理指針)
4.◯
ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分 60%(質量)を使用した場合、4.5kg/m2とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.36 ]
乾式工法による外壁の張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ穴のはしあき寸法は、60 mm とした。
2.下地面の寸法精度は、±10 mm 以内となるようにした。
3.だぼ穴からはみ出ただぼ穴充填材は、硬化前に除去した。
4.ファスナーは、ステンレス鋼材の SUS 304 を使用した。

答え

  1
外壁乾式工法において、石材のはしあき寸法は、石材の厚みの3倍以上としバランスよく割り振る。石材の厚さが30mmの場合は、はしあき寸法は90mm以上必要である。(JASS9)
2.◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10mmを標準値とする。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
だぼ穴から充填材がはみ出すと、変位吸収のためのルーズホールをふさいでしまう。このため、充填材の量に留意すると同時に、不要な充填材は硬化前に除去する。(建築工事監理指針)
4.◯
外壁乾式工法のファスナーは、ステンレス(SUS304)製とし、ダブルファスナー形式とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.けらば包みの継手位置は、けらば用タイトフレーム間の中央付近とした。
2.屋根の勾配が小さいので、軒先に 15 °の尾垂れを付けた。
3.水上の先端部分には、雨水を止めるために止水面戸を設けた。
4.水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを 150 mm とした。

答え

  1
けらば包みの継手位置は、できるだけタイトフレームに近い位置に設け、継手の重ねは 60mm以上とする。(JASS12)
2.◯
折板葺屋根の折板の勾配はほとんどゼロに近いことが多いので、強風雨時に雨水の一部が折板の裏面を伝わって室内に浸入することがある。これを防ぐため、折板の軒先に 15°程度の尾垂れを付ける。(建築工事監理指針)
3.◯
記述の通りである。止水面戸は、折板の水上端部に堅固に取り付ける。止水面戸の周囲は、不定形シーリング材でシールする。(JASS12)
4.◯
水上部分の壁との取合い部に設ける雨押さえは、壁際で150mm以上立ち上げる。(JASS12)

[ No.38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ランナーは、両端部は端部から 50mm 内側で固定し、中間部は 900mm 間隔で固定した。
2.スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付けた。
3.スタッドの間隔は、ボード2枚張りの場合は 600mm とし、ボード1枚張りの場合は300mm とした。
4.スタッドの建込み間隔の精度は、±5mm とした。

答え

  3
スタッドの間隔は、下地張りのある場合は450mm程度とし、仕上げ材料を直張りするか、壁紙または塗装下地の場合は、300mm程度とする。(JASS26)
1.◯
ランナーは、端部から50mm程度内側で押さえ、間隔900mmm程度に折込ピン等で、床・梁下・上階スラブに固定する。(建築工事監理指針)
2.◯
スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付ける。仕上げボード類はスタッドに直接タッピングねじの類で取り付けられるため、間隔を精度よく建て込む。また、スタッドにねじれや倒れがあると、仕上げボードに目違いが生じるので、建入れ通りに十分注意する。(JASS26)
4.◯
通常の天井高におけるスタッドの建込み間隔の精度は ±5mm以下とする。また、スタッドの垂直の精度は一般的に±2mm以下とする。(建築工事監理指針)

[ No.39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。
1.下塗材の所要量は、試し塗りを行い、0.2 kg/m2とした。
2.増塗りは、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、はけ又はローラーにより行った。
3.主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホールがないように均一に塗り付けた。
4.凸部処理は、主材の模様塗り後1日経過してから行った。

答え

  4
凸部処理は、こてまたはローラー押さえにより、見本と同様の模様になるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。(JASS23)
1.◯
下地の種類や状態によって下地材の吸込みが異なるので、下塗材の所要量は一般に 0.1~0.3kg/m2とする。適用に当たっては試し塗りを行って、所要量を確認する。(建築工事監理指針)
2.◯
一般の複層塗材と異なり、下地のひび割れ追従性が要求されるので、塗厚が薄くなったり、不均一になったりしてひび割れ追従性が低下しないよう、主材の基層塗り前に出隅、入隅、目地部の周り等をはけやコーナー用ローラー等で増塗りしておく。(JASS23)
3.◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗残しのないように下地を覆うように塗りつける。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.アルミニウム合金がコンクリート、モルタルに接する箇所には、ウレタン樹脂系の塗料を施した。
2.建具枠のアンカーは、枠を確実に固定できる構造とし、間隔は 500 mm 以下とした。
3.外部建具周囲のモルタルを充填する際は、仮止め用のくさびを取り除いた。
4.外部建具周囲の充填モルタルは、NaCl 換算 0.06 %(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。

答え

  4
充填モルタルに使用する砂の塩分含有量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を用いる場合は除塩する。(建築工事監理指針)
1.◯
アルミニウム材がコンクリート、モルタル等アルカリ性材料に接する箇所には、耐アルカリ塗装を施す。耐アルカリ塗装は、一般には透明のアクリル樹脂系が使用される。(JASS16)
2.◯
アンカーの位置は、枠の隅より 150mm以下を端とし、中間は500mm以下の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)
3.◯
コンクリート外壁に建具枠を取り付ける場合、仮止めに用いるくさびは、モルタルを充填する際、必ず取り除かなければならないので、長いくさびを使用し、くさびを残したままでは、モルタル充填の作業ができないようにする。

[ No.41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、下塗り及び中塗りの工程間隔時間の上限は7日とした。
2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、気温が 20 °Cだったので、塗膜の層間付着性に配慮し、工程間隔時間を 24 時間とした。
3.アクリル樹脂エナメル塗りにおいて、中塗り、上塗りには、同一材料を使用し、塗付け量 は 0.09 kg/m2 ずつとした。
4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。

答え

  4
合成樹脂エマルションペイントは、共重合樹脂エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)
1.◯
下塗りおよび中塗りの工程間隔時間は、16時間以上7日以内とする。(JASS18)
2.◯
気温20℃のとき、標準工程間隔時間は16時間以上7日以内と設定して、塗膜の層間付着性に配慮する。(JASS18)
3.◯
アクリル樹脂エナメル塗りは、下地処理後、塗膜が十分に乾燥していることを確認してから研磨紙を用いて平滑に仕上げる。研磨が終了したのちは、研ぎかすを十分に除去してから次の工程に移る。塗装は、下塗り、中塗り、上塗りに同一材料を使用し、塗り付け量は0.09kg/m2ずつとする。(JASS18)

[ No.42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.熱溶接工法の溶接部の溝は、V 字形とし、深さを床シート厚さの 2/3 とした。
2.湯沸室の床への張付けには、酢酸ビニル樹脂系接着剤を使用した。
3.寒冷期に施工する際、採暖を行い、床シート及び下地とも 5 °C 以下にならないようにした。
4.床シートを立ち上げて幅木としたので、天端処理は、シリコーンシーリング材でシールする方法とした。

答え

  2
湯沸室、洗面所等、特に水を扱う部屋、湿気のある部屋、結露しやすい部屋等には耐水性に優れたエポキシ樹脂系、またはウレタン樹脂系接着剤を用いる。(建築工事監理指針)
1.◯
ビニル床シートの溶接の接合部の溝は、V字形またはU字形とし、均一な幅で床シートの厚さの 2/3程度まで溝切りとする。(公共建築工事標準仕様書)
3.◯
施工時の作業環境温度が 5℃以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。されに接着剤のオープンタイム、張付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで採暖を行い室温を10℃以上に保つようにする。(JASS26)
4.◯
ビニル床シート張りは、ビニル床シートを床面から壁に向かって立ち上げて張り付け、幅木と床を一体に仕上げる工法である。この工法の幅木の天端処理は、小端をシリコーンシーリング材でシールする方法とする。(建築工事監理指針)

[ No.43 ]
断熱工事における硬質ウレタンフォームの吹付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.コンクリート面に吹き付ける場合、吹付け面の温度は 20 ~ 30 °C が適当である。
2.吹付け作業は、随時厚みを測定しながら作業し、吹付け厚さの許容誤差は0から+10mm とする。
3.換気の少ない場所では、酸欠状態となりやすいので、強制換気などの対策を行う。
4.冷蔵倉庫など断熱層が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは 100 mm とする。

答え

  4
冷蔵倉庫などの断熱材が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは80mm以下とする。また、層間でのはく離やフォームのクラック防止のために、メッシュを何層にも入れながら吹き付ける方がよい。(JASS24)
1.◯
下地コンクリート面の温度は、発泡倍率や接着性に大きな影響を及ぼすが、一般的には、温度20〜30℃が最適である。なお、最近では技術の進歩により、原液を調整することによって-5℃でも施工が可能となっている。(JASS24)
2.◯
1回の吹付け厚さは10〜20mmが標準であり、所定の厚みがこれ以上の場合には、多層吹きとする。次の層を吹き付ける時間は、発泡硬化が安定するおよそ1時間以上おいてからとし、必ず所定の厚みの確認をする。作業者は吹付けの作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0〜+10mmとする。(建築工事監理指針)
3.◯
現場の作業環境を事前にチェックし、換気の少ない場所での施工には、酸欠状態になりやすいので、必ず強制換気を行い、保護マスクを着用し、必要に応じて、送風マスクや自給式マスクを着用する。(建築工事監理指針)

[ No.44 ]
メタルカーテンウォール工事に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収するため、ルーズホールとした。
2.部材の熱伸縮による発音を防止するため、滑動する金物間に摩擦低減材を挟んだ。
3.パネル材は、脱落防止のために3箇所以上仮止めし、本止め後速やかに仮止めボルトを撤去した。
4.組立て方式は、すべての構成部材を工場で組み立てるノックダウン方式とした。

答え

  4
ノックダウン方式とは、製品を部材や半製品の状態で出荷し、現場で組み立てる生産方式である。すべての構成部材を工場で組み立てるのは、ユニット方式である。
1.◯
床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収する大きめの孔(ルーズホール)とし、取付け墨で取付け位置の仮調整を行ってボルト締めを行う。(建築工事監理指針)
2.◯
記述の通りである。滑動する金物間に摩擦低減材を挿入する材料として、テフロン、ステンレス板等が用いられる。(JASS14)
3.◯
カーテンウォール部材は、パネル材では3箇所以上、形材では2箇所以上仮止めし、脱落しないように固定する。取付け位置の調整後、速やかに本止めし、本止め後仮ボルトは速やかに撤去する。(建築工事監理指針)

[ No.45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ビニル床タイルは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーにより他の仕上げ材に損傷を与えないように撤去した。
2.合成樹脂塗床の塗り替えにおいて、下地面に油が付着していたので、油潤面用のプライ マーを用いた。
3.コンクリート下地の合成樹脂塗床材は、電動ケレン棒を使用し、コンクリート下地表面から 3 mm 程度の深さまで削り取った。
4.磁器質床タイルを電動はつり器具により撤去する際に、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りをした。

答え

  1
ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、カッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは用いない。(公共建築改修工事標準仕様書)
2.◯
プライマーは、下地、コンクリートの湿潤状態、油潤状態により使い分ける必要がある。下地面に用いる場合は、油潤面用のプライマーを用いる。(建築改修工事監理指針)
3.◯
コンクリート下地の合成樹脂塗床材の撤去は、機械で除去する場合、電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用する。下地がモルタル塗りの時はモルタル下地とも、下地がコンクリートの時はコンクリート表面から3mm程度削り取る。(公共建築改修工事標準仕様書)
4.◯
磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッター等で縁切りをして、タイル片を電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用し、周囲を損傷しないように削りとる。(公共建築改修工事標準仕様書)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題5解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説
※ 問題番号[ No.46 ]~[ No.70 ]までの 25問題は、全問題を解答してください。
[ No.46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.現場に設ける工事用の事務所は、強度や防火性能を満足した上で、経済性や転用性も重視して計画した。
2.作業員の仮設男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性作業員 30人以内ごとに1個を設置する計画とした。
3.仮囲いを設けなければならないので、その高さは地盤面から 1.5 m とする計画とした。
4.仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けない計画とした。
答え

  3

工事現場の仮囲いについては、高さが 1.8m以上の板塀その他これに類する仮囲いを設けなければならない。ただし、これらと同等以上の効力を有する他の囲いがある場合は、この限りではない。(建築基準法施行令)

1.◯

工事現場事務所は、工事期間中だけの一時的な仮設であるから、建物の構造の強度、防水、耐火の諸機能を満足した上で、経済性、転用性を重視すべきである。

2.◯

男子用大便所の便器の数は、同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1個以上、男性用小便器の個数は、同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上とする。(労働安全衛生規則)

4.◯

工事現場の周辺もしくは工事の状況により、危害防止上支障がない場合は、仮囲いを設けなくてもよい。(建築基準法施行令)

[ No.47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事用使用電力量が 90 kW 必要となったので、低圧受電で契約することとした。
2.工事用電気設備のケーブルを直接埋設するので、その深さを、重量物が通過する道路下は 1.2 m 以上とし、埋設表示することとした。
3.工事用使用電力量の算出に用いる電灯の同時使用係数は、1.0 とすることとした。
4.工事用使用電力量が工程上で極端なピークを生じるので、一部を発電機で供給することとした。
答え

  1

工事用電力は、電力会社に申し込むことになるが、使用電力により、契約電力が 50kW未満の場合は低圧受電、50kW以上 2,000kW未満の場合は高圧受電、2,000kW以上の場合は特別高圧受電となる。

2.◯

現場内幹線配線設備において、ケーブルを埋設する場合、その深さは、重量物が通過する道路で 1.2m以上、その他では 0.6m以上とし埋設表示をする。(JASS2)

3.◯

工事用使用電力量の算出に用いる電灯や、コンセントから使用する工具類の同時使用係数は、0.7~1.0に設定する。(JASS2)

4.◯

工事用の電力量が工程上で極端なピークを生じることは不経済となるので、一部を発電機から供給するなど電力の平準化を図ることは適切である。例えば、スタッド溶接は、大きな電力を短期間で使用するので、発電機で対応するのが一般的である。

[ No.48 ]
施工計画書の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.総合施工計画書は、施工方針、施工計画、管理計画を含めて作成する。
2.総合施工計画書は、工種別施工計画書を先に作成し、それに基づき作成する。
3.工種別施工計画書は、施工方針に大きく関わる主要な工事について作成する。
4.工種別施工計画に含まれる施工要領書は、専門工事業者が作成してもよい。
答え

  2

総合施工計画書は、工事の着手に先立ち、総合仮設を含めた工事の全般的な進め方や、主要工事の施工方法、品質目標と管理方針、重要管理事項などの大要を定めた総合的な計画書である。また、工種別施工計画書は、一工程の施工着手前に、総合施工計画書に基づいて、工種別の施工計画書を定めたものであり、施工要領書も含む。(建築工事監理指針)

1.◯

施工計画書には、

 ①工事の一般事項

 ②工事の範囲

 ③施工体制

 ④施工計画

 ⑤品質管理の方法

 ⑥安全監理

などを記載する。

3.◯

工事の内容・品質に多大な影響を及ぼすと考えられる工事部分については、監理者と協議した上で、必要工事部分の工種別施工計画書を作成し、監理者の承認を受ける。

4.◯

施工要領書は施工手順等を示したもので、一般には専門工事業者が作成する。元請業者は、施工計画書との整合性等をチェックする。

[ No.49 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.地下躯体の工事において、作業員の通行用の渡り桟橋は、切梁の上に設置する計画とした。
2.乗入れ構台の構造計算に採用する積載荷重は、施工機械や車両などの荷重のほかに、雑荷重として 1kN/m2 を見込む計画とした。
3.部材の剛性が小さい鉄骨は、大ブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。
4.仮設の荷受け構台は、跳ね出しタイプで上階からワイヤロープでつる構造とし、ワイヤロープの安全係数を 10 で計画した。
答え

  3

建入れ直しは、各節の建方が終わるごとに行い、その上の節の建方を容易にする。また、面積が広くスパンの数が多い場合は、有効なブロックに分けて修正を行うことが望ましい。また、部材の剛性が小さい鉄骨では、ワイヤを緊張しても部材が弾性変形するだけで修正されていない場合があるので注意を要する。このような場合には、できるだけ小ブロックごとに決めていく。(鉄骨工事技術指針)

1.◯

地下躯体工事中、作業員の作業場所への通行路、資材置き場からの小運搬用の通路として、山留め腹起し及び切梁があればその上に渡り桟橋を設けて、作業用の仮設通路を設置することがある。(JASS2)

2.◯

乗入れ構台の構造計算に採用する荷重には、固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力等がある。積載荷重では、施工機械・車両などの荷重、仮置き資材荷重以外の荷重は雑荷重として 1kN/m2を採用する。(期限付き構造物の設計・施工マニュアル)

4.◯

記述の通りである。(労働安全衛生規則第164条第3項)

つり部材の種類   安全係数

つりワイヤロープ  10以上

つり鎖(チェーン) 5以上

台付けワイヤロープ 4以上

玉掛けワイヤロープ 6以上

[ No.50 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.車輪付き裸台で運搬してきた板ガラスは、裸台に乗せたまま保管した。
2.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した場所に、縦置きにして保管した。
3.床シート類は、屋内の乾燥した場所に、直射日光を避けて縦置きにして保管した。
4.防水用の袋入りアスファルトは、積み重ねを 10 段までとして保管した。
答え

  2

カーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平坦な床の上に縦置きせず、2~3段までの俵積みで保管する

1.◯

木箱、パレットあるいは車輪付き裸台で運搬してきたガラスは、そのまま保管する。(JASS17)

3.◯

床シートは、乾燥した室内に直射日光を避けて縦置きにする。転倒を防止するため、ロープで柱等に固定しておく。(JASS26)

4.◯

アスファルトを屋外に保管する場合は、雨露に当たらないように、また、土砂で汚染されないようにシートを掛けるなどの処置をする。なお、袋入りアスファルトを積み重ねるときは、10袋を超えて積まないようにして荷崩れに注意する。(建築工事監理指針)

[ No.51 ]
杭地業工事の支持地盤の確認において、記録すべき事項に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.既製コンクリート杭のセメントミルク工法では、全杭について掘削機駆動用電動機の消費電流値を記録する。
2.鋼杭の打込み工法では、全杭について最終貫入量等を測定したものを記録する。
3.場所打ちコンクリート杭のアースドリル工法では、全杭について掘削機駆動用電動機の消費電流値を記録する。
4.場所打ちコンクリート杭のオールケーシング工法では、全杭について所定の深さから排出される土を確認し、記録する。
答え

  3

アースドリル工法の支持層の確認は、バケット内の土砂を、土質柱状図及び土質試料を照らし合わせて行う。また、その際ケリーバーの振れや回転抵抗も参考にする。(建築工事監理指針)

1.◯

セメントミルク工法では、掘削深度か支持地盤に近づいたら掘削速度を一定に保ち、アースオーガーの駆動用電動機の電流値の変化を読み取って支持地盤絵への到達を確認する。(建築工事監理指針)

2.◯

鋼杭の打込み工法では、最終貫入量等を測定する。(公共建築工事標準仕様書)

4.◯

オールケーシング工法の支持地盤の確認は、ハンマーグラブでつかみ上げた土砂と土質柱状図及び土質試料と対比して行う。(建築工事監理指針)

[ No.52 ]
労働基準監督署長へ提出する計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.積載荷重 1 t 以上の人荷用のエレベーターを設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日の 14日前までに届け出なければならない。
2.支柱の高さが 3.5 m 以上の型枠支保工を設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日 の 30日前までに届け出なければならない。
3.高さが 31 m を超える建築物を解体する場合は、その計画を当該仕事の開始の日の 14日前までに届け出なければならない。
4.ゴンドラを設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日の 30 日前までに届け出なければならない。
答え

  1

積載荷重 1t 以上のエレベーターを設置する場合、その工事開始日の30日前までに建設物設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条)

2.◯

支柱の高さが 3.5m以上の型枠支保工を設置する場合、当該工事の開始日の 30日前までに、建設物設置届を労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生報88条、規則第86条)

3.◯

高さが 31mを超える建築物または工作物を建設、改造、解体または破壊する場合は、建設工事計画書を作業開始の日の14日前までに労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生規則第90条)

4.◯

ゴンドラを設置する場合、その工事開始日の30日前までに建設物設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法)

[ No.53 ]
工程管理における進ちょく度管理に関する記述イ.~ニ.を一般的な手順に並べたものとして、最も適当なものはどれか。
イ.作業員の増員、施工方法の改善等の遅延対策を立てる。
ロ.遅れている作業の工程表の作成や工程表によって余裕時間を再検討する。
ハ.工程会議などで遅れの原因がどこにあるか調査する。
ニ.工程表によって進ちょくの現状を把握する。
 1.ハ → ニ → イ → ロ
 2.ハ → ニ → ロ → イ
 3.ニ → ハ → イ → ロ
 4.ニ → ハ → ロ → イ
答え

  4

工程管理における進捗度管理は、一般に次の手順で行う。

① 工程表によって進ちょくの現状を把握する

 ↓

② 工程会議などで遅れの原因がどこにあるか調査する

 ↓

③ 遅れている作業の工程表の作成や工程表によって余裕時間を再検討する

 ↓

④ 作業員の増員、施工方法の改善等の遅延対策を立てる

したがって、ニ → ハ → ロ → イ の順序となり、正解は4

[ No.54 ]
高層建築の鉄骨工事において、所要工期算出における各作業の一般的な能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり 40 ~ 45 ピースとした。
2.トルシア形高力ボルトの締付けは、3人1組で1日当たり 900 ~ 1,200 本とした。
3.現場溶接は、1日1人当たりボックス柱で2本、梁で5箇所とした。
4.タワークレーンのクライミングの1回に要する日数は、1.5 日とした。
答え

  2

トルシア形高力ボルトの1日における締付け作業効率は、ビルで450~700本、工場建築物で400~600本である。900~1,200本は締付けできない。(鉄骨工事技術指針)

1.◯

高層建築の鉄骨工事において、タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり40~45ピースとする。(鉄骨工事技術指針)

3.◯

一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技術者1人当たりはコラム柱で2本、梁で5箇所といわれている。(鉄骨工事技術指針)

4.◯

タワークレーンのクライミング1回に要する日数は、準備を含めて 1.5日である。

[ No.55 ]
工程の短縮のための工法として、最も効果の少ないものはどれか。 ただし、建物は一般的な事務所ビルで、鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階、地上9階建とする。
1.地下躯体工事は、逆打ち工法を採用する。
2.柱、梁の鉄筋は、先に鉄骨に取り付ける先組工法を採用する。
3.スラブ型枠には、床型枠用鋼製デッキプレートを採用する。
4.鉄骨建方は、水平積上げ方式を採用する。
答え

  1

逆打ち工法は、地下躯体を山留め支保工に利用して掘削を進める工法である。1階床・梁部分を先行して構築し、次いで下部の掘削を行い、躯体を構築する工法である。地下工事と地上工事を併行して行うことも可能であり、地下の深い場合に採用すると工程の短縮となるが、地下1階程度では工程の短縮にはつながらない

2.◯

鉄筋先組工法は、柱、梁等の鉄筋をあらかじめかご状に組んだものを鉄骨に巻き付け、クレーンを使用して建て込む工法で、工期短縮と省力化が可能である。

3.◯

鋼製のデッキプレートを床型枠として用いる工法は、型枠を支持するための支柱を用いる必要がなく、解体作業も不要のため、現場作業が簡単で経済性に優れ、省力化と工期短縮に有効である。

4.◯

積上げ方式とは、鉄骨を各節ごとに全平面にわたって積み上げていき、後続工事をすぐ下階から追いかけてできるようにする方式で、鉄骨骨組の安定性に優れ、後期工事が早期に着手でき、一定速度で施工ができるという特徴がある。(鉄骨工事技術指針)

[ No.56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻 (EFT)を差し引いて求められる。
2.クリティカルパス以外の作業でも、フロートを消費してしまうとクリティカルパスになる。
3.フリーフロートが 0 ならば、トータルフロートも必ず 0 である。
4.クリティカルパスは、必ずしも1本とは限らない。
答え

  3

トータルフロートとは、フリーフロートとディペンデントフロートの和である。したがって、フリーフロートが 0でも、トータルフロートが 0とは限らない。

1.◯

トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早開始時刻(EST)及び作業日数を引いて求める。

2.◯

クリティカルバス以外の作業でも、その作業または経路上の作業においてフロートを使い切ってしまえば、クリティカルパスとなる。

4.◯

クリティカルパスとは、最初の作業から最後の作業に至る最も時間のかかるパスである。違う経路でも同じ日数がかかり、それが最長の経路であれば、それぞれがクリティカルパスとなる。

[ No.57 ]
日本工業規格(JIS)に規定する品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.許容差とは、許容限界の上限と下限の差である。
2.かたよりとは、計量的な観測値の最大値と最小値の差である。
3.ばらつきとは、観測値・測定結果の大きさがそろっていないこと、又は不ぞろいの程度である。
4.誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である。
答え

  2

かたよりとは、「観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた値」である。計量的な観測値の最大値と最小値の差はレンジである。(JIS Z8101)

1.◯

許容差とは「許容限界の上限と下限の差」である。許容差は、規定された基準値と規定された限界値との差をいうが、交差と同様の意味で使用される場合もある。(JIS A8101)

3.◯

ばらつきとは、「観測値、測定結果の大きさがそろってないこと。または不ぞろいの程度」である。(JIS Z8101)

4.◯

誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である。(JIS Z8101

[ No.58 ]
建築施工における品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.目標品質を得るための管理項目を設定し、次工程に渡してもよい基準としての管理値を明示する。
2.施工品質管理表(QC 工程表)の作成は、工種別又は部位別とし、一連の作業を重要度の高い順に並べる。
3.確認が必要な項目は、品質管理計画に基づき、試験又は検査を行う。
4.材料・部材・部品の受入れ検査は、種別ごとに行い、必要に応じて監理者の立会いを受ける。
答え

  2

施工品質管理表(QC工程表)は、工程のどこで、何を、誰がどのように管理するかを決め、工程の流れに沿って整理したもので、品質管理の要点を明確にした管理のための標準である。

1.◯

管理のための重点項目を「そこに注意すれば目標とする品質特性が得られる」ポイントとして拾い出し、これを管理項目として設定し、次工程に渡しても良い基準として管理値を明示する。(JASS1)

3.◯

施工管理において、確認が必要な項目は、品質管理計画に基づき、試験・検査等を行う。(建築工事監理指針)

4.◯

材料・部材・部品の受け入れ検査は、種別ごとに行い、試験は必要に応じて行う。その実施に際し、必要に応じて管理者の立会いを受ける。(JASS1)

[ No.59 ]
レディーミクストコンクリートの品質管理に一般的に用いられる管理図として、最も適当なものはどれか。
1.X−R管理図
2.R 管理図
3.X管理図
4.X管理図
答え

  1.◯

X-R 管理図は、平均値の変化を見るためのXバ-管理図とばらつきの変化を見るためのR管理図を同時に併記し管理できるので、高力ボルト、レディーミクストコンクリートの品質管理に適している。

2.×

R管理図は、群のデータのばらつき範囲を用いて工程の分散を評価するための管理図であり、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

3.×

X管理図は、サンプルの個々の測定値を用いて工程を評価するための管理図であり、計量値の管理に使うもので、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

4.×

Xバー管理図は、平均値で群間の違いを評価するための管理図であり、これだけでは、製品の精度のばらつきがわからないので、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

[ No.60 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム−基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.品質とは、明示されている、通常、暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている、ニーズ又は期待である。
2.品質特性とは、要求事項に関連する、製品、プロセス又はシステムに本来備わっている特性である。
3.品質保証とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。
4.品質管理とは、品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。
答え

  1

品質とは本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度のことで、記述は要求事項のことである。(JIS Q9000)

2.◯

品質特性とは、要求事項に関連する、製品、プロセスまたはシステムに本来備わっている特性である。(JIS Q9000)

3.◯

品質保障とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。(JIS Q9000)

4.◯

品質管理とは、品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。(JIS Q9000)

[ No.61 ]
鉄筋のガス圧接工事の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.圧接部の抜取検査は、試験方法について特記がなかったので、超音波探傷試験で行った。
2.外観検査は、圧接面のずれ、鉄筋中心軸の偏心量、折れ曲がりなどについて行った。
3.抜取検査の超音波探傷試験は、1検査ロットに対して3箇所無作為に抜き取って行った。
4.抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。
答え

  3

抜取検査の超音波探傷試験は、非破壊試験で1検査ロットに対して30箇所行う。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事標準仕様書)

1.◯

抜取検査は、超音波探傷試験または引張試験とし、その適用に当たっては、特記がなければ超音波探傷試験とする。(公共建築工事標準仕様書)

2.◯

外観検査は、

 ①圧接部のふくらみの直径

 ②ふくらみの長さ

 ③圧接面のずれ

 ④軸心のずれ

 ⑤圧接部の折れ曲り

について行う。(公共建築工事標準仕様書)

4.◯

抜き取り検査で合格になったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格になった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないか超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.外壁のタイル張り及び屋内の吹抜け部分のタイル張りの打音検査は、タイル張り面積の全面について行う。
2.接着力試験の試験体の個数は、300 m2 ごと及びその端数につき1個以上とする。
3.二丁掛けタイルの接着力試験の試験体は、タイルを小口平の大きさに切断して行う。
4.接着力試験の試験体の周辺部は、試験に先立ち、コンクリート面まで切断する。
答え

  2

接着力試験は、引っ張り試験機を用いて引張り接着強度を測定するもので、試験体の個数は、100m2ごと及びその端数につき1個以上として、全体で3個以上とする。(公共建築工事標準仕様書)

1.◯

屋外及び屋内の吹き抜け部分等の壁タイル張り仕上げ面は、施工後2週間以上経過した時点で、全面にわたりテストハンマーを用いて打音検査を行う。

3.◯

測定するタイルの大きさが二丁掛けタイル(227×60mm)のように小口平(108×60mm)の大きさより大きい場合は、試験体のタイルを小口平の大きさに切断して接着力試験を行う。(建築工事監理指針)

4.◯

タイルのはく落がタイルだけでなく下地モルタルから起こることが多いので、試験体は、タイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。

[ No.63 ]
品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.既製コンクリート杭の継手において、現場溶接継手部の開先の目違い量の最大値は、2mm とした。
2.鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの限界許容差は、± 5mm とした。
3.普通コンクリートにおいて、荷卸し時の空気量の許容差は、指定した空気量に対して、± 2.5 % とした。
4.高流動コンクリートにおいて、荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、指定したスランプフローに対して、± 7.5 cm とした。
答え

  3

普通コンクリートにおいて、荷卸し時の空気量の許容差は、指定した空気量に対し±1.5%である。

1.◯

既成コンクリート杭の継手において、継手部の開先の目違い量は 2mm以下、許容できるルート間隔は 4mm以下とする。(JASS A7201)

2.◯

鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は±3mm、限界許容差は ±5mmである。(JASS6)

4.◯

高流動コンクリートにおいて、荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、判定基準に対する目標値が 45~55㎝の場合は±7.5㎝、60㎝の場合は±10㎝である。

[ No.64 ]
建設業における特定元方事業者が、労働災害を防止するため講ずべき措置として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議会を定期的に開催しなければならない。
2.特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡及び調整を行わなければならない。
3.作業場所の巡視を、毎作業日に1回以上行わなければならない。
4.関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対し、雇入れ時の安全衛生教育を行わなければならない。
答え

  4

関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育は、雇い入れた事業者が行う。(労働安全衛生規則第35条)

1.◯

協議組織の設置及び運営については、当該協議組織の会議を定期的に開催しなければあらない。(労働安全衛生法第30条、規則第635条)

2.◯

随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡及び調整を行わなければならない。(労働安全衛生法第30条、規則第636条)

3.◯

作業場所の巡回については、毎作業日に少なくとも1回、これを行わなければならない。(労働安全衛生法第30条、規則第637条)

[ No.65 ]
建設工事の公衆災害を防止するための措置に関する記述として、「建設工事公衆災害防 止対策要綱(建築工事編)」上、誤っているものはどれか。
1.建設機械の使用に際しては、機械類が転倒しないように、その地盤の水平度、支持耐力の調整などを行った。
2.防護棚(朝顔)は、骨組の外側から水平距離で 1.5 m 突き出し、水平面となす角度を 20 度とした。
3.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るので、隣地所有者の許可を得た。
4.地下水の排水に当たっては、排水方法及び排水経路を確認し、当該下水道及び河川の管理者に届け出た。
答え

  2

防護柵は、骨組の外側から水平距離で 2m以上突き出させ、水平面とのなす角度を 20° 以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないように骨組に堅固に取り付ける。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

1.◯

施工者は建設機械を使用する場合、機械類が転倒しないように、その地盤の水平度、支持耐力を調整するなどの措置を取らなければならない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

3.◯

発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

4.◯

施工者は、排水に当たって、排水方法及び排水経路の確認を行い、当該下水道及び河川の管理者等に提出する。さらに土粒子を含む水は、沈砂し、ろ過施設等を経て放流しなければならない、(建設工事公衆災害防止対策要綱)

[ No.66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。
1.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働 者の立入りを禁止すること。
2.足場の組立て等作業主任者は、器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。
3.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。
4.木造建築物の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。
答え

  1

事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

したがって、鉄骨の組立作業を行う区域内に関係労働者以外の立入りを禁止するのは、事業者の業務である。(労働安全衛生法第3条、規則第517条の5)

2.◯

事業者は、足場の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。ただし、解体の作業の時は、①の規定は適用しない。

①材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。

②器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。

④安全帯等及び保護帽の使用形状を監視すること。

(労働安全衛生規則第566条)

3.◯

事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

②材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

③作業仲、安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。

(労働安全衛生規則第247条)

4.◯

事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(労働安全衛生規則第517条の13)

[ No.67 ]
仮設工事に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.作業を行う箇所の深さが 1.4 m であったので、昇降するための設備は設けなかった。
2.高さ5 m の作業構台の床材間のすき間は、3 cm とした。
3.登りさん橋の高さが 15 m であったので、地盤面からの高さ 8 m の位置に踊場を設けた。
4.単管足場の場合、建地を2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31 m を超える部分とした。
答え

  3

建設工事に使用する高さ 8m以上の登り桟橋には、高さ 7m以内ごとに踊場を設ける。(労働安全衛生規則第522条第六号)

1.◯

事業者は、高さまたは深さが1.5mを超える箇所で作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設置しなければならない。(労働安全衛生規則第526条)

2.◯

高さ2m以上の作業床の床材間のすき間は、3㎝以下とする。(労働安全衛生規則第575条の6第三号)

4.◯

単管足場の場合、建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は、鋼管を2本組としなければならない。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

[ No.68 ]
建設現場における次の業務のうち、事業者の講ずべき措置について、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.建設用リフトの運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。
2.移動式クレーンを除くつり上げ荷重が 5 t 未満のクレーンの運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。
3.機体重量 3 t 以上のブルドーザーの運転の業務は、当該業務に係る技能講習を修了した者に行わせた。
4.作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。
答え

  4

作業床の高さが 10m未満の高所作業車の運転の業務は、特別教育を必要とする。(労働安全衛生規則第36条第十の五号)

1.◯

特別教育を必要とする業務に、建設用リフトの運転の業務が規定されている。(労働安全衛生規則第36条第十八号)

2.◯

特別教育を必要とする業務に、つり上げ荷重が 5t未満のクレーン(移動式クレーンを除く)の業務が規定されている。(労働安全衛生規則第36条第十五号のイ)

3.◯

「事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者ま又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を終了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。」とし、機体重量が 3t以上の建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転の業務が記載されている。(労働安全衛生法第61条第1項、令第20条第十二号)

[ No.69 ]
ゴンドラに関する記述として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。
1.つり下げのためのワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。
2.ゴンドラ検査証の有効期間は1年であり、保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。
3.ゴンドラを使用して操作を行う者が単独で作業を行う場合は、操作の合図を定めなくてもよい。
4.ゴンドラを使用して作業を行っている箇所の下方には関係労働者以外の者の立ち入りを禁止し、その旨を表示しなければならない。
答え

  2

ゴンドラ検査証の有効期限は1年とする。ただし、製造検査または使用検査を受けた後、設置されていないゴンドラであって、その保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲で延長することができる。(ゴンドラ安全規則第9条)

1.◯

つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行う時は、安全帯等で当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならないとされている。したがって、ワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。(ゴンドラ安全規則第17条)

3.◯

ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定めるが、操作する者に単独で作業を行わせるときは、この限りではない。(ゴンドラ安全規則第16条)

4.◯

ゴンドラを使用して作業を行なっている箇所の下方には、関係労働者以外の者がみだりに立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。(ゴンドラ安全規則第18条)

[ No.70 ]
有機溶剤作業主任者の職務として、「有機溶剤中毒予防規則」上、定められていないものはどれか。
1.屋内作業場で用いる有機溶剤等の区分を、色分け等の方法により、見やすい場所に表示すること。
2.局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。
3.作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。
4.当該業務に従事する労働者の送気マスク等の保護具の使用状況を監視すること。
答え

  1

事業者は、屋内作業場で用いる有機溶剤等の区分を、色分け等の区分により、見やすい場所に表示しなければならない。有機溶剤作業主任者の職務としては該当しない。(有機溶剤中毒予防規則第25条)

2.◯

局所排気装置、プッシュプル型換気装置または全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

3.◯

作業に従事する労働者が有機溶剤に汚染され、またはこれを吸入しないように、作業方法を決定して、労働者を指揮する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

4.◯

当該業務に従事する労働者の送気マスク等の保護具の使用状況を監視する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題6解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※ 問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。
[ No.71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.倉庫の用途に供する建築物は、特殊建築物である。
2.建築物の屋根は、主要構造部である。
3.地下の工作物内に設ける店舗は、建築物である。
4.構造上重要でない最下階の床の過半の修繕は、大規模の修繕に該当する。

答え

  4
大規模の修繕とは、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕である。構造上重要でない最下階の床は主要構造部に含まれないため、大規模の修繕に該当しない。(建築基準法第2条第十四号)
1.◯
特殊建築物とは、学校(専修学校及び各種学校を含む)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵庫、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらの類する用途に供する建築物をいう。専用住宅、事務所以外のほとんどの用途が該当する。(建築基準法第2条第二号)
2.◯
主要構造部とは、壁、柱、床、梁、屋根または階段をいう。(建築基準法第2条第五号)
3.◯
建築物として、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの、地下もしくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫などが定められている。(建築基準法第2条第一号)

[ No.72 ]
建築確認手続き等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。
1.鉄骨造2階建の新築工事において、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。
2.特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、施工することはできない。
3.防火地域及び準防火地域内において、建築物を増築しようとする場合で、その増築部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認を受けなくても建築することができる。
4.鉄筋コンクリート造3階建の既存の建築物にエレベーターを設ける場合、建築確認を受けなければならない。

答え

  3
防火地域及び準防火地域外であれば、建築物を増築、改築または移転しようとする場合その部分の床面積の合計が10m2位内であれば、建築確認を受けなくても建築できるが、防火・準防火地域であれば、建築確認を受けなければ建築できない。(建築基準法第6条第2号)
1.◯
建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)を新築した場合、検査済証の交付を受けた後でなければ、使用することができないが、特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の承認をした場合には、検査済証の交付を受ける前に、仮に使用することができる。(建築基準法第7条の6)
2.◯
工事が特定工程を含む場合において、工事が特定工程に係る工事を終えたときは、そのつど、建築主事または指定確認検査機関の検査(中間検査)を申請しなければならない。特定工程後の工程に係る工事は、中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。(建築基準法第7条の3第1項、第6項)
4.◯
政令で指定するエレベーターなどを建築基準法(第6条第1項第一号から第三号まで)で定める建築物に設ける場合、建築確認の申請書を提出して建築主事または指定建築検査機関の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。設問の記述の場合、木造以外の建築物で3以上の階数を有しているので建築確認を受けなければならない。(建築基準法第87条の2)

[ No.73 ]
防火地域及び準防火地域以外の地域に次の建築物を建築する場合、「建築基準法」上、 耐火建築物としなくてもよいものはどれか。
1.マーケットの用途に供する2階建の建築物で、延べ面積が 1,000 m2 のもの
2.劇場の用途に供する建築物で、主階が2階にあるもの
3.3階をホテルの用途に供する建築物
4.公会堂の用途に供する建築物で、客席の床面積の合計が 500 m2 のもの

答え

  1
マーケットの用途に供する建築物で、2階部分が500m2以上の場合は耐火建築物または準耐火建築物としなければならない。設問の記述のマーケットは2階部分が500m2以上であるか不明であるので耐火建築物としなくともよい。(建築基準法第27条)
2.×
劇場、映画館または演芸場の用途に供するもので、主階が1階にないものは耐火建築物としなけばならない。(建築基準法第27条)
3.×
3階以上の階をホテルの用途に供するものは、耐火建築物としなければならない。(建築基準法第27条)
4.×
公会堂の用途に供する建築物は、客席の床面積の合計が200m2以上の場合、耐火建築物としなければならない。(建築基準法第27条)

[ No.74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
2.A県で建設業の許可を受けている建設業者が、新たにB県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合は、B県の知事の許可を受ける必要がある。
3.建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。
4.発注者から直接請け負った建設工事を施工するに当たり、下請代金の額が政令で定める金額以上の下請契約を締結する場合は、特定建設業の許可を受けた者でなければならない。

答え

  2
建設業の許可は1の都道府県内に営業所を設けて営業をする場合は都道府県知事の許可を、2以上の都道府県内に営業所を設けて営業する場合は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。(建設業法第3条第1項)
1.◯
建設業の許可は5年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うと定められている。(建設業法第3条第3項)
3.◯
国土交通大臣または都道府県知事は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、または引き続いて1年以上営業を休止した場合は、その許可を取り消さなければならない。(建設業法第29条第1項第三号)
4.◯
発注者から直接請け負った建設工事を施工するに当たり、元請業者が特定建設業の許可を受けていない場合、建築工事業で4,500万円以上、その他の業種で3,000万円以上の下請契約の締結はできない。(建設業法第3条第1項第二号、令第2条)

[ No.75 ]
元請負人の義務に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.元請負人が請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときは、下請負人に対しこれに相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に 支払わなければならない。
2.発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、建設業法その他法令の規定に違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。
3.元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。
4.元請負人は、下請負人の請け負った建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、1月以内に当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。

答え

  4
特約の場合を除き、元請負人は、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。(建設業法第24条の4第2項)
1.◯
元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を受けたときは、下請負人に対し、1ヶ月以内で、かつ、できるだけ短い期間内に下請負人の施工に相応する下請代金を支払わなければならない。(建設業法第24条の3第1項)
2.◯
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、この法律の規定または建設工事の施工もしくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものに違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。(建設業法第24条の6第1項)
3.◯
元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。(建設業法第24条の3第2項)

[ No.76 ]
主任技術者又は監理技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。
1.公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で政令で定めるものについては、主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。
2.専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある2以上の建設工事を同 一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。
3.発注者から直接、塗装工事を 500 万円で請け負った建設業者は、主任技術者を工事現場に置かなければならない。
4.元請負人から鉄骨工事を1億円で請け負った建設業者は、監理技術者を工事現場に置かなければならない。

答え

  4
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が工事を施工するために締結した下請契約が一定の金額以上となる場合に監理技術者を置かなければならないが、下請業者は、主任技術者を置けばよい。(建設業法第26条第1項)
1.◯
公共性のある施設または多数の者が利用する施設に関する重要な工事で、工事1件の請負代金の額が2,500万円(建築一式工事の場合は5,000万円)以上のものには、工事現場ごとに、専任の主任技術者または監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第3項、令第27条第1項)
2.◯
専任の主任技術者を置かなければならない工事の場合において、密接な関係にある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所で施工する場合、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができる。(建設業法第26条第3項、令第27条第2項)
3.◯
建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、主任技術者または監理技術者を置かなければならない。設問の記述の場合、請負代金の額が500万円であるから、監理技術者を置く必要はなく、主任技術者を置けばよい。(建設業法第3条第1項、令第1条の2)

[ No.77 ]
次の記述のうち、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。
1.労働時間、休憩及び休日に関する規定は、監督又は管理の地位にある者には適用されない。
2.使用者は、クレーンの運転の業務については、1日について2時間を超えて労働時間を延長してはならない。
3.労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
4.使用者は、法に定める休日に労働させた場合においては、通常の労働日の賃金より政令で定められた率以上の割増賃金を支払わなければならない。

答え

  2
使用者は、協定で定めるところによって労働時間を延長し、または休日に労働させることができる。ただし、抗内労働その他厚生労働省令で定める健康上に特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならないが、クレーンの運転の業務は、健康上特に有害な業務に含まれていない。(労働基準法第36条第1項)
1.◯
監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者には、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しない。(労働基準法第41条)
3.◯
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。(労働基準法第38条第1項)
4.◯
使用者は、法に定める休日に労働させた場合においては、割増賃金を支払う。休日労働に対する賃金は3割5分増とする。(労働基準法第37条第1項)

[ No.78 ]
次の記述のうち、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。
1.労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、 又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。
2.作業環境測定とは、作業環境の実態をは握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析をいう。
3.建設用リフトとは、人及び荷を運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるものをいう。
4.石綿等とは、石綿又は石綿をその重量の 0.1 % を超えて含有する製剤その他の物をいう。

答え

  3
建設用リフトとは、「荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるもの」と定められている。(労働安全衛生法施行令第1条第十号)
1.◯
労働災害とは、「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。」(労働安全衛生法第2条第一号)
2.◯
作業環境測定とは、「作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む)をいう。」と定められている。(労働安全衛生法第2条第四号)
4.◯
石綿もしくは石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他のものをいう。(労働安全衛生法施行令第6条第二十三号)

[ No.79 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、 誤っているものはどれか。
1.事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。
2.事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。
3.事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。
4.事業者は、常時 30 人の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければならない。

答え

  4
常時50人以上の労働者を使用する全業種の事業場にあっては、医師のうちから産業医を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第5条)
1.◯
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業で、100人以上の労働者を使用する場合、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第2条)
2.◯
事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第3条)
3.◯
常時50人以上の労働者を使用する全業種の事業場にあっては、総括安全衛生管理者の業務のうち衛生に関する技術的事項を管理する者として、衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第4条)

[ No.80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。
1.現場事務所から排出される図面、書類は、一般廃棄物である。
2.改築時に発生する木くず、陶磁器くずは、産業廃棄物である。
3.建築物の地下掘削で生じた建設発生土は、産業廃棄物である。
4.軽量鉄骨下地材などの金属くずは、産業廃棄物である。

答え

  3
建築物の地下掘削で生じた建設発生土は、産業廃棄物には該当しない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)
1.◯
建設業に係る紙くずで産業廃棄物となるものは、工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものに限られている。現場事務所からの図面、書類は一般廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)
2.◯
木くず(工作物の新築、改築または除去に伴うもの)、陶磁器くずは、産業廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)
4.◯
軽量鉄骨下地材等の金属くずは、産業廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)

[ No.81 ]
「振動規制法」上、指定地域内における特定建設作業に関する記述として、誤っているものはどれか。 ただし、災害その他の非常時等を除く。
1.ブレーカーを使用し、作業地点が連続して移動する作業であって、1日における作業に係る2地点間の最大距離が 60 m を超える作業は、特定建設作業である。
2.当該作業を開始した日に終わる作業は、特定建設作業から除かれる。
3.特定建設作業の実施の届出には、特定建設作業を伴う工程を明示した工事工程表を添付しなければならない。
4.特定建設作業を伴う建設工事の施工者は、特定建設作業開始の日の7日前までに実施の届出をしなければならない。

答え

  1
ブレーカー(手持ち式を除く)を使用する作業は、作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が 50mを超えない作業に限り特定建設作業となる。(振動規制法施行令第2条第4号)
2.◯
この法律において「特定建設作業」とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい振動を発生する作業であって政令で定めるものをいうが当該作業がその作業を開始した日に終わるものは除かれている。(振動規制法第2条第3項、令第2条)
3.◯
特定建設作業の実施の届出には、添付書類として特定建設作業の場所の付近の見取図、特定建設作業を伴う建設工事の工程の概要を示した工程表特定建設作業の工程表を添付しなければならない。(振動規制法第14条、規則第10条)
4.◯
指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、定める事項を市町村長に届出なければならない。(振動規制法第14条第4号)

[ No.82 ]
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長(出発地警察署長)の許可を必要とするものはどれか。
1.荷台の高さが 1 m の自動車に、高さ 2.4 m の資材を積載して運搬する場合
2.積載する自動車の最大積載重量を超える資材を運搬する場合
3.長さが 11 m の自動車に、車体の前後に 0.5 m ずつはみ出す資材を積載して運搬する場合
4.資材を看守するため必要な最小限度の人員を、荷台に乗せる場合

答え

  2
車両の運転者は、原則として「積載重量等」の制限を超えて運転してはならず、超える場合は、出発地警察署長の許可を受けなければならない。(道路交通法第57条)
1.×
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する場合、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可について、記述の場合、積載物の高さが 3.8mからその自動車の積載する場所の高さを減じたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第1項、令第22条第三号ハ)
3.×
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの 1/10の長さを加えたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第1項、令第22条第三号イ)
4.×
車両の運転者は、「貨物自動車」で貨物を積載している場合、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(道路交通法第55条第1項)

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題1解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。
[ No.1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.室内空気の気流は、0.5 m/s 以下となるようにする。
2.室内空気の二酸化炭素の濃度は、1.0 % 以下となるようにする。
3.室内空気の相対湿度は、40 %以上 70 % 以下となるようにする。
4.室内空気の浮遊粉じんの量は、0.15 mg/m3 以下となるようにする。

答え

 2 ×
室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)
・二酸化炭素 1,000 ppm以下
・一酸化炭素   10 ppm以下
覚え方「銭湯で屁をする」
(原口氏「スーパー記憶術」より)
また、室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。
建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)
浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下
一酸化炭素の含有率 100万分の10以下(=10 ppm以下)
二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下
温度(1)17℃以上 28℃以下
  (2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、
     その差を著しくしないこと。
相対湿度 40%以上 70%以下
気  流 0.5 m/秒以下
ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

[ No.2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.壁体内の中空層の片面にアルミ箔を貼り付けると、壁体全体の熱抵抗は大きくなる。
2.熱放射は、電磁波による熱移動現象であり、真空中でも生じる。
3.壁体内にある密閉された中空層の熱抵抗は、中空層の厚さに比例する。
4.総合熱伝達率は、対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものをいう。

答え

 3 ×
1.◯
壁体の熱抵抗は、部材の熱伝導抵抗の和に、中空層の熱伝達抵抗を加えたものとなる。よって中空層内にアルミ箔を貼り付けることで熱抵抗は大きくなる
2.◯
熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる。太陽の熱は、熱放射により真空の宇宙空間を通って地球に到達している。
3.×
壁の中空層(空気層)の熱抵抗は、中空層の厚さが20〜30mmを超えると、厚さに関係なくほぼ一定となる。
4.◯
対流熱伝達とは、固体表面から空気に熱が移動することである。放射熱伝達とは、空気中や真空中で物体から他の物体に直接熱伝達されることである。総合熱伝達率とは、壁体表面から空気へ伝えられる対流熱伝達率と放射熱伝達率を合計したものである。

[ No.3 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.均等拡散面上における輝度は、照度と反射率との積に比例する。
2.演色性とは、光がもつ物体の色の再現能力のことで、光の分光分布によって決まる。
3.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。
4.設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りの日よりも大きな値となる。

答え

 4 ×
1.◯
ある光源が理想的な均等拡散面上における輝度 L [ cd/m2 ]は、反射面の照度 E [ lx ] と、反射率 ρとの積に比例するため、輝度観察方向にかかわらず、次の式で表される。
 L = ρ / π・E
2.◯
光源による物体色の見え方を演色性という。演色性は演色評価数で表し、数値が大きいものほど色の見え方に関する光源の特性が自然光に近いことを表す。白熱電球やハロゲン電球は最高値の 100であり演色性がよい。
3.◯
全天空からの直射日光を除く照度を全天空照度といい、昼光率とは屋外の全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比を百分率で表したものである。
4.×
設計用全天空照度は、快晴の青空のときより、薄曇りの日の値の方が大きい。
設計用全天空照度の覚え方
・快晴 10000 lx
・曇り 30000 lx
・雨   5000 lx
「俳句もサマになる雨の甲子園」
 晴 1万、曇3万、雨 5千
(原口氏「スーパー記憶術」より)

[ No.4 ]
積層ゴムを用いた免震構造の建築物に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.水平方向の応答加速度を大きく低減することができるが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない。
2.軟弱な地盤に比べ強固な地盤では大地震時の地盤の周期が短くなるため、応答加速度を低減する効果が低下する。
3.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合せることで、ねじれ応答を低減できる。
4.免震層を中間階に設置する場合は、火災に対して積層ゴムを保護する必要がある。

答え

 2 ×
1.◯
積層ゴム(アイソレータ)を用いた免震構造は固有周期が長くなるため、水平方向の応答加速度を低減することができ、建築物に作用する地震力も小さくなる。ただし、免震構造は一般に、水平地震動に効果を発揮するが、上下方向の応答加速度を低減する効果は期待できない
2.×
地盤の周期とは、卓越周期といって、地盤の種類によって異なり、地盤が軟弱なほどその値は長く、岩盤では短くなる。地震時の揺れはその地盤の「卓越周期」と建物の「固有周期」が一致した場合に、「共振」をおこし、建物が揺れが強められる。
それに対して、応答加速度とは、入力振動に対して振動解析に用いる応答スペクトルのファクターであり、応力加速度を低減する効果とは関係はない。
3.◯
重心とはその物体にかかる重力の中心であり、剛心とは建築物に地震のような回転させる力がかかった場合の回転の中心となる位置である。この位置のずれ(偏心距離)が大きいほどゆがみが大きくなる。よって、重心と剛心は、なるべく一致させ、偏心距離を小さくするのが望ましい。免震構造の場合も上部構造の重心と免震層の剛心を極力近づける計画とし、建築物のねじれの悪影響を避けている
4.◯
中間階の免震層に積層免震ゴム(アイソレータ)を用いた場合、アイソレータは柱に設置する。このとき、アイソレータに耐火被覆を施すか、防火区画により免震層に火災が及ばないようにするなどの配慮が必要である。なお、基礎免震の場合は、耐火被覆の必要はない。

[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.柱のせん断補強筋の間隔は、柱の上下端から柱の最大径の 1.5 倍又は最小径の 2倍のいずれか大きい範囲を 100 mm 以下とする。
2.柱及び梁のせん断補強筋は、直径 9 mm 以上の丸鋼又は D 10 以上の異形鉄筋とし、せん断補強筋比は 0.2 % 以上とする。
3.一般の梁で、長期許容応力度で梁の引張鉄筋の断面積が決まる場合、原則として引張鉄筋の断面積はコンクリート断面積の 0.2 % 以上とする。
4.貫通孔の中心間隔は、梁に2個以上の円形の貫通孔を設ける場合、両孔径の平均値の3倍以上とする。

答え

 3 ×
1.◯
柱のせん断補強筋(帯筋)の間隔は、100mm以下とする。ただし、柱の上下端より柱の最大径の1.5倍または最小径の2倍のいずれか大きい方の範囲外では、帯筋間隔を前記数値の1.5倍まで増大することができる。(鉄筋コンクリート構造計算基準)
2.◯
梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径 9mm以上の丸鋼、またはD10以上の異形鉄筋を用いる。梁、柱のせん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は 0.2%以上とする。(柱の軸を含むコンクリートの断面の面積に対する帯筋の断面積の和の割合)
3.×
引張鉄筋断面積は、0.004bdまたは存在応力によって必要とされる量の4/3のうち、小さい値以上であるので、コンクリート断面積の 0.4%以上とする。
4.◯
梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. H形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じやすい。
2. 角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
3. 部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合の場合より普通ボルト接合の方が大きい。
4. H形鋼梁は、荷重や外力に対し、せん断力をフランジが負担するものとして扱う。

答え

 4 ×
1.◯
H形鋼のフランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、相対的に板の厚さが薄くなり、圧縮材は部材としての耐力を発揮する前に局部座屈を生じやすくなる
2.◯
ダイヤフラムとは、梁と柱の相互で曲げ応力を伝達できるように配置する鉄骨プレートで、通しダイアフラム内ダイヤフラムがある。通しダイアフラムは、切断された柱がダイヤフラムを挟んで取り付くタイプであり、角形鋼管柱の仕口部に多用されている。内ダイアフラムは柱の板材を挟んで梁のフランジと柱内部のダイアフラムとが取り付くタイプであり、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる
3.◯
普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するてめ、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合は、ボルトの支圧力ではなく、添え板(スプライスプレート)の摩擦力で支持するため、ボルト孔周辺の応力は、普通ボルト接合と比較すると小さくなる
4.×
H形鋼梁は、荷重や外力に対し、フランジが曲げモーメントを、ウェブがせん断力を負担するものとして扱う。梁ウェブはあまり薄いとせん断による座屈するため、梁の材軸方向と直角に中間スチフナを配置し、ウェブプレートのせん断座屈補強を行う。ただし、市販のロールH形鋼では、補強は必要ない程度のウェブの板厚になっている。

[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1. 基礎杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、一般に摩擦杭の場合より支持杭の方が大きい。
2. 杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合、杭径の 1.5 倍とする。
3. 基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい。
4. 外殻鋼管付きコンクリート杭の鋼管の腐食代は、有効な防錆措置を行わない場合、1 mm 以上とする。

答え

 2 
1.◯
杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向きの摩擦力が働くが、摩擦杭は杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる
2.×
杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.0倍以上、打込み杭の場合は、その杭頭部の径の 2.5倍以上かつ 75cm以上とする。
3.◯
杭の先端支持力は
打込み杭 :300・Ne/3 [ kN/m2 ]
埋込み杭 :200・Ne/3 [ kN/m2 ]
場所打ち杭:150・Ne/3 [ kN/m2 ]
である。ただし、Ne:杭先端地盤の平均N値とする。
よって、基礎杭の先端の地盤の許容応力度は、アースドリル工法による場所打ちコンクリート杭の場合よりセメントミルク工法による埋込み杭の方が大きい
4.◯
外殻鋼管付きコンクリート杭は有効な防錆措置を行わない場合、鋼管の腐食代を 1mm以上としなければならない。

[ No.8 ]
図に示す長方形断面部材の図心軸(X 軸)に対する許容曲げモーメントの値として、 正しいものはどれか。 ただし、許容曲げ応力度 fb は 9.46 N/mm2 とする。
R01-8許容曲げモーメント.jpg
1. 9.46 × 105 N・mm
2. 5.68 × 105 N・mm
3. 4.73 × 105 N・mm
4. 2.84 × 105 N・mm

答え

  1
[ 解法 ]
許容曲げ応力度 fb = 9.46 N/mm2より
 曲げ応力度の式
  σ = M / Z
 断面係数の式
  Z = BH2 / 6
より
 M = σ × Z
  = (9.46 N/mm2) × (60 × 1002) / 6 mm3
  = 9.46 × 105 N・mm
∴ 1が正解

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の DE 間に等変分布荷重が、AD 間に集中荷重が同時に作用したとき、支点 A 及び B に生じる水平反力(HA、HB)、鉛直反力(VA、VB)の値 として、正しいものはどれか。 ただし、反力は右向き及び上向きを「+」、左向き及び下向きを「−」とする。
 R01-9.3ヒンジラーメン.jpg
1.HA=+ 15kN
2.HB =− 60kN
3.VA=+ 60kN
4.VB =+120kN

答え

 1
ΣMA = 0 より
40 × 1.5 + 60 × 6 /2 × 4.0 – 6 × VB = 0
60 + 720 -6VB =0
VB = 130
Σ Y = VA + VB – 60 × 6/2 =0
VA + VB = 180
∴ VA = 50
MC(左)
= – 30 × 3/2 × 1 – 40 × 1.5 + VA × 3 +HA× 3=0
= -45 – 60 +3VA +3HA =0
= -105 + 3VA +3HA =0
VA +HA =35
HA =35 – 50 = -15(左向き)
ΣX = HA + HB = 40 より
HB = 55(右向き)
∴ 正解は1番(向きが逆)

[ No.10 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、点 C に集中荷重 P が同時に作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。
 R01-10.等分布荷重・集中荷重.jpg
  R01-10.M図1.jpg
  R01-10.M図2.jpg
  R01-10.M図3.jpg
  R01-10.M図4.jpg

答え

  3
平成23年度 問題 No.9 と全く同じ問題である。
[ 解法 ]
等分布荷重w と集中荷重Pを分けて考える。
集中荷重Pにより、B点には
MB(P) = 3m × 3kN = 9 kN・m
のモーメントが発生する。
一方、等分布荷重w による両端ピンのAB間の
モーメントは中央部でM = ωL2/8
より
2 × 32/8 = 2.25 kN・m
よって、
AB間の中点のモーメントは
4.5 – 2.25 =2.25
選択肢3及び4は点Mにおいて
回転運動が発生するので不適。
∴ 正答枝 2 が適当である。

[ No.11 ]
建築に用いられる金属材料に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、亜鉛が 30 〜 40 % のものである。
2.ステンレス鋼の SUS 304 は、SUS 430 に比べ磁性が弱い。
3.銅の熱伝導率は、鋼に比べ著しく高い。
4.アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約4倍である。

答え

  4
1.◯
黄銅(真ちゅう)は、銅と亜鉛の合金であり、銅:60~70%、亜鉛:30~40%の合金である。展性・延性に富み、侵食されにくく、耐食性も高い。絞り加工・機械・器具等に用いられる。また、流動性に富み精密な鋳物にも使用される。
2.◯
ステンレス鋼SUS430(フェライト系)は、鉄とクロムの合金で磁性があり、磁石に付く強磁材料である。SUS304(オーステナイト系)は、鉄とクロムとニッケルの合金であり、若干の磁性を帯びる。よって、SUS304は、SUS430に比べて磁性は弱い。
3.◯
室温20℃における熱伝導率は、銅:約360~390W/m・K程度、鋼:約30~60 W/m・K程度である。
4.×
[ 材料 ]    線膨張係数α [ 10-6/K ]
鋼      11.3 ~ 11.6
ステンレス鋼  9.0  ~ 17.3
鋳鉄      9.2 ~ 11.8
アルミニウム  23.6
∴ アルミニウムの線膨張係数は、鋼の約2倍である。

[ No.12 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
1.花こう岩は、耐摩耗性、耐久性に優れるが、耐火性に劣る。
2.大理石は、ち密であり、磨くと光沢が出るが、耐酸性、耐火性に劣る。
3.石灰岩は、耐水性に優れるが、柔らかく、曲げ強度は低い。
4.砂岩は、耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る。

答え

  3
1.◯
花こう岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐磨耗性、耐久性に優れた石材として、建築物の外部等に最もも多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る
2.◯
大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分あるが、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができない。
3.×
石灰岩(堆積岩)は、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく耐水性に劣る
4.◯
砂岩は、主に砂が続成作用により固結してできた堆積岩である。耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る

[ No.13 ]
日本工業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として、不適当なものはどれか。
1.スイングドアセットでは、「気密性」が規定されている。
2.スイングドアセットでは、「開閉力」が規定されている。
3. スライディングドアセットでは、「鉛直荷重強さ」が規定されている。
4.スライディングドアセットでは、「遮音性」が規定されている。

答え

  3
スライディングドアセットには、「鉛直荷重強さ」が規定されていない。
スイングドアセット、スライディングドアセット、スイングサッシ、スライディングサッシの種類(普通)における性能項目は下表のとおりである。「鉛直荷重強さ」が規定されているのはスイングドアセットだけとなる。したがって、3が不適当である。
R01-13各ドアセット・サッシの性能項目.jpg
☆日本工業規格は、令和元年7月1日施行の法改正で日本産業規格に名称変更。
>> 日本工業規格(JIS)ドアセット規定

[ No.14 ]
アスファルト防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.改質アスファルトシートは、合成ゴム又はプラスチックを添加して性質を改良した改質アスファルトを原反に含浸、被覆させたシートである。
2.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3. 防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。
4.アスファルトルーフィング 1500 の数値 1500 は、製品の単位面積当たりのアスファルト含浸量を表している。

答え

  4
1.◯
改質アスファルト防水工事は、アスファルト防水と比較して臭いや煙の発生がほぼない。合成ゴムまたはプラスチックをアスファルトに添加し、耐久性・耐候性を向上させた改質アスファルトシートを使用する。熱工法用、トーチ工法用、及び常温粘着工法用の3種類がある。
2.◯
ストレッチルーフィングの種類及び品質は JIS A6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
3.◯
フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製されたアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラーズぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることもなく変形する、低温特性のよいアスファルトである
4.×
アスファルトルーフィングの種類及び品質は JIS A6005に定められており、アスファルトルーフィング1500は、製品の単位面積質量が 1,500 g/m2以上のものをいう。

[ No.15 ]
塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.合成樹脂エマルションペイントは、モルタル面に適しているが、金属面には適していない。
2.つや有合成樹脂エマルションペイントは、屋内の鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。
3.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。
4.合成樹脂調合ペイントは、木部に適しているが、モルタル面には適していない。

答え

  2
1.◯
合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料、補助剤、添加剤等を加えた水系塗料である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しているが、耐酸性は弱いため、鉄鋼面には適さない
2.×
つや有合成樹脂エマルションペイントの塗膜硬化機構は、合成樹脂エマルションペイントと同様である。耐アルカリ性があり、コンクリート、モルタル、プラスター、せっこうボード等に適しており、鉄鋼面にも適している
3.◯
アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面や塗装には適さない。(下地処理が必要となる)
4.◯
合成樹脂調合ペイントは、はけ塗り作業に適しており、はけ目やだれが少なく、表面光沢をもつ平滑な仕上がり塗膜が得られるのが特徴である。特に鉄鋼面や木部面塗装に適しているが、耐アルカリ性が弱く、コンクリート、モルタル面等には適さない

チェックポイント
常日頃、過去問題10年分を最低5回すれば、合格できると言ってますが、市販されている過去問題の問題集が一般的には、過去5年、若しくは、過去7年であるので、なかなか難しい事ですが、今回のように8年前の問題が全く同じに出題される事を考慮すると、やはり10年分の過去問題に取り組んでおく方が、望ましい。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題2解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説
問題番号[ No.16 ]〜[ No.20 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No.16 ]
水準測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.直接水準測量は、レベルと標尺を用いて、既知の基準点から順に次の点への高低を測定して、必要な地点の標高を求める測量である。
2.間接水準測量は、計算によって高低差を求める測量方法であり、鉛直角と水平距離を用いる三角高低測量などがある。
3.公共測量における直接水準測量では、レベルは視準距離を等しくし、できる限り両標尺を結ぶ直線上に設置して、往復観測とする。
4.直接水準測量において、標尺は両手で支えて目盛を隠さないように持ち、左右にゆっくり動かして最大の値を読み取る。
答え

  4

1.◯

直接水準測量は、レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求めることで、既知の基準点から必要な地点の標高を求める測量である。

2.◯

間接水準測量では、トータルステーションなどで2点間の鉛直角と水平距離または斜距離を測定し、三角法により高低差を求める三角高低測量がある。直接水準測量より測定精度がかなり低くなるため、直接水準測量を行うことができない渡海水準測量や渡河水準測量などで用いられる。

3.◯

公共測量における直接水準測量は、視準距離は等しく、かつ、レベルはできる限り両標尺を結ぶ直線上に配置する。観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする。

4.×

直接水準測量において、標尺は両手で支えて目盛を隠さないように持ち、鉛直に立て、前後にゆっくり動かして最小の値を読み取る

[ No.17 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ビニル電線(IV)は、地中電線路に用いることができる。
2.低圧屋内配線のための金属管は、規定値未満の厚さのものをコンクリートに埋め込んではならない。
3.合成樹脂製可とう電線管のうち PF管は、自己消火性があり、屋内隠ぺい配管に用いることができる。
4.合成樹脂管内、金属管内及び金属製可とう電線管内では、電線に接続点を設けてはならない。
答え

  1

1.×

直接埋設式による地中埋設工事で使う電線は、VVFケーブル、VVRケーブル、EM-EEFケーブル、CVケーブルなどのケーブルを用いる。ビニル電線(IV)、屋外用ビニル絶縁電線(OW)、引込用ビニル絶縁電線(DV)などの電線は用いることができない。

2.◯

低圧屋内配線に使用する金属菅の厚さは、コンクリートに埋め込む場合、1.2mm以上とする。

3.◯

合成樹脂製可とう電線菅には、CD菅やPF菅が用いられている。PF菅は自己消火性がある(耐熱性)ため、屋内隠ぺい配管に用いることができる。

4.◯

フロアダクト内、セルラダクト内、合成樹脂菅内、金属菅内及び金属製可とう電線菅内等では、電線に接続点を設けない。接続する場合は、アウトレットボックス、プルボックス等の内部で行う。

[ No.18 ]
給水設備の給水方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.水道直結増圧方式は、水道本管から分岐した水道引込み管に増圧給水装置を直結し、各所に給水する方式である。
2.高置水槽方式は、一度受水槽に貯留した水をポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、高置水槽からは重力によって各所に給水する方式である。
3. ポンプ直送方式は、水道本管から分岐した水道引込み管にポンプを直結し、各所に給水する方式である。
4. 圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。
答え

  3

1.◯

水道直結増圧方式は、水道本管から分岐した水道引込み菅に増圧給水装置を直結し、各所に給水する方式である。低中層、中規模建物向きで受水槽、高置水槽ともに不要である。

2.◯

高置水槽方式(高置タンク方式)は、上水や井水を一度受水槽に貯水し、ポンプで屋上等の高置水槽に揚水し、この水槽から重力によって各所に給水する方式で、中層、中規模以上の建物の一般的な給水方式である。

3.×

ポンプ直送方式は、受水槽に貯水し、給水ポンプで直接加水した水を各所に給水する方式である。設問の記述は直結直圧方式である。

4.◯

圧力水槽方式は、上水や井水を一旦受水槽に貯水し、これをポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力により各所に給水する方式である。建物の意匠上や地下街等の高置水槽を設けることができない場合等に設置する。

[ No.19 ]
建築物に設ける昇降設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、特殊な構造及び使用形態のものを除くものとする。
1.乗用エレベーターの昇降路の出入口の床先とかごの床先との水平距離は、4 cm 以下とする。
2.群管理方式は、エレベーターを複数台まとめた群としての運転操作方式で、交通需要の変動に応じて効率的な運転管理を行うことができる。
3.火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを最寄階に停止させる機能である。
4.乗用エレベーターには、1人当たりの体重を 65 kg として計算した最大定員を明示した標識を掲示する。
答え

  3

1.◯

人または物が昇降路内に落ちることを防ぐため、昇降路の出入り口の床先と搬器の床先との間隔は、4㎝ 以下とする。

2.◯

エレベーターの群管理方式とは、絶えず変動するビル内の交通需要に応じて、エレベーター運転方式を適応的に選定し、複数台あるエレベーターを効率的に運転することを目的とする。

3.×

火災時管制運転は、火災発生時にエレベーターを避難階に呼び戻す機能である。この装置は防災センターで切換スイッチによる火災報知器の防炎信号によってすべてのエレベーターを一斉に避難階に呼び戻し帰着させる物である。(機械設備工事監理指針)

4.◯

常用エレベーターにあっては、1人当たりの体重を65kgとして計算する。最大積載量750kgのエレベーターの場合は、750÷ 65=11.54となるため、最大定員11名と明示する。

[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、正しいものはどれか。
1.設計図書とは、設計図及び仕様書をいい、現場説明書及び現場説明に対する質問回答書は含まない。
2.検査の結果不合格と決定された工事材料は、受注者が所定の期日以内に工事現場外に搬出しなければならない。
3.受注者は、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 1/3 以上減少したときは、契約を解除することができる。
4.発注者又は受注者は、工期内で請負契約締結の日から6月を経過した後に、賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。
答え

  2

1.×

設計図書とは、図面、仕様書、現場説明書及び現場説明に対する質疑応答書をいう。(公共工事標準請負契約約款第1条現寸図その他これらに類する物(施工図・施工計画書等)を除く。)

2.◯

受注者は、検査の結果不合格と決定された工事材料については、当該決定を受けた日から所定の期日以内に工事現場外に搬出しなければならない。(同約款第13条第5項)

3.×

受注者(請負人)は発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 2/3以上減少したときは、契約を解除することができる。(同約款第52条第二号)

4.×

発注者または受注者は、工期内で請負契約締結の日から12月を経過した後に日本国内における賃金水準または物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。(同約款第26条第1項)

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題3解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説
問題番号[ No.21 ]〜[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.21 ]
乗入れ構台の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.乗入れ構台の支柱の位置は、基礎、柱、梁及び耐力壁を避け、5m 間隔とした。
2.乗入れ構台の幅は、車の通行を2車線とするため、5m とした。
3.垂直ブレース及び水平つなぎの設置は、所定の深さまでの掘削ごとに行うこととした。
4.垂直ブレースの撤去は、支柱が貫通する部分の床開口部にパッキング材を設けて、支柱を拘束した後に行うこととした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

乗入れ構台の支柱の位置は、地下構造図と重ね合わせるなどして、基礎、柱、梁及び耐力壁の位置と重ならないように配置し、支柱の間隔は 3~6m程度として計画する

2.×

使用する施工機械、車両、アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定する。通常、計画される幅員は、4~10mである。最小限1車線で 4m、2車線で 6m程度は必要である。

3.◯

垂直ブレース及び水平つなぎの設置は、取り付けられるようになったら、所定の深さまでの掘削ごとに取り付ける

4.◯

床開口部を貫通する支柱を床スラブパッキング材を設けて拘束し、水平荷重及び鉛直荷重に対して十分安全な剛性を保つことにより、固定度を高めた上であれば、ブレースを撤去することはできる。その場合、水平変形に対して十分留意する必要がある。

[ No.22 ]
土質試験に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。
2.液性限界試験及び塑性限界試験により、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類をすることができる。
3.三軸圧縮試験により、粘性土のせん断強度を求めることができる。
4.圧密試験により、砂質土の沈下特性を求めることができる。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

粒度試験は、土の粒度組成をグラフ化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)

2.◯

液性限界試験、塑性限界試験の結果は、土の物理的性質の推定や塑性図を用いた土の分類(固体状・半固体状・塑性状・液体状)に用いられる。液性限界とは、土が塑性体から液体に移るときの境界の含水比である。また、塑性限界とは、土が塑性体から半固体に移るときの境界の含水率である。

3.◯

粘性土のせん断強度は、一面せん断試験、一軸圧縮試験、三軸圧縮試験によって求めることができる

4.×

圧密試験粘性土に荷重を加え、地盤の沈下を解析するために、必要な沈下特性(沈下量と沈下速度)を測定する試験である。

[ No.23 ]
地下水処理工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.釜場工法は、根切り部への浸透水や雨水を根切り底面に設けた釜場に集め、ポンプで排水する工法である。
2.ウェルポイント工法は、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層までの地盤に用いられる。
3.ディープウェル工法は、透水性の低い粘性土地盤の地下水位を低下させる場合に用いられる。
4.止水工法は、山留め壁や薬液注入などにより、掘削場内への地下水の流入を遮断する工法である。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

釜場工法は、根切り部へ浸出する地下水や雨水を、根切り底面よりやや深い集水ピット(釜場)に集め、ポンプで排水する工法である。

2.◯

ウェルポイント工法は、吸水菅を地中に設置し、真空ポンプにより強制的に地下水を集めて排水する工法で、透水性の高い粗砂層から低いシルト質細砂層程度の地盤に適用可能である。

3.×

ディープウェル工法は、掘削溝内・外にディープウェル(深井戸)を設置し、ウェル内に流入する地下水をポンプで排水させる工法である。砂層や砂礫層など、透水性の高い地盤で、排水量が多い場合に適している

4.◯

止水工法は、山留め壁や薬液注入などにより、掘削場内への地下水の流入を遮断する工法で、止水効果と地盤を強化うす効果が期待できる。

[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.中掘り工法では、砂質地盤の場合、先掘り長さを杭径よりも大きくする。
2.PHC 杭の頭部を切断した場合、切断面から 350 mm 程度まではプレストレスが減少しているため、補強を行う必要がある。
3.セメントミルク工法では、アースオーガーは掘削時及び引上げ時とも正回転とする。
4.杭の施工精度は、傾斜を 1/100以内とし、杭心ずれ量は杭径の 1/4 、かつ、100 mm以下とする。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

中掘り工法においては、周囲の地盤を緩めることになるため、掘削中に必要以上に先掘りを行ってはならない。特に砂質地盤の場合には、緩みやすいため、先掘り長さは、杭径以内になるよう掘削する

2.◯

PHC杭(プレテンション方式遠心力高強度プレストレストコンクリート杭)の杭頭を切断した場合は、切断面から350mm程度プレストレスが減少しているので、設計図書により補強を行う。(建築工事施工監理指針)

3.◯

オーガーを逆回転すると、オーガーに付着した土砂が落下するので逆回転させてはならず、オーガーの引上げ時にも正回転とする

4.◯

杭の施工精度として、一般的に施工完了後の杭心ずれ量(杭頭の水平方向の位置のずれ)は杭径の 1/4かつ100mm以下とし、杭の傾斜は 1/100以内とする。(JASS4)

[ No.25 ]
鉄筋コンクリート構造の配筋に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.径の異なる鉄筋を重ね継手とする場合、重ね継手長さは細い方の径により算定する。
2.壁縦筋の配筋間隔が下階と異なる場合、重ね継手は鉄筋を折り曲げずにあき重ね継手とすることができる。
3.180 °フック付き重ね継手とする場合、重ね継手の長さはフックの折曲げ開始点間の距離とする。
4.梁主筋を柱にフック付き定着とする場合、定着長さは鉄筋末端のフックを含めた長さとする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

主筋等の継手の重ね長さは、径の異なる主筋等を継ぐ場合にあっては細い主筋等の径を用いることが規定されている。

2.◯

上・下階の縦筋の位置が異なるとき等、壁縦筋の配筋間隔が異なる場合は、あき重ね継手を用いてよく、配筋間隔の異なる鉄筋を無理に折り曲げることは避ける

3.◯

180° フック付き重ね継手の長さは、フックの折曲げ開始点間の距離とする。

4.×

梁主筋を柱にフック付き定着とする場合の定着長さは、鉄筋末端のフックは定着長さに含まない

[ No.26 ]
鉄筋のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、鉄筋の種類は SD 490 を除くものとする。
1.同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とする。
2.同一径の鉄筋の圧接部のふくらみの直径は、鉄筋径の 1.4 倍以上とする。
3.圧接端面の加工を圧接作業の当日より前に行う場合には、端面保護剤を使用する。
4.鉄筋の圧接部の加熱は、圧接端面が密着するまでは中性炎で行い、その後は還元炎で行う。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

圧接部のふくらみの長さ鉄筋径の 1.1倍以上とする。

2.◯

圧接部のふくらみの直径鉄筋径の 1.4倍以上とする。

3.◯

圧接端面は圧接の付着を害するものと取り除き、平滑に仕上げ、その周辺を軽く面取りする。この圧接端面の加工を圧接作業の当日より前に行う場合には、端面保護剤を使用する

4.×

圧接部の加熱は、圧接端面が相互に密着するまでは還元炎(アセチレン過剰炎)で行い、その後は火力の強い中性炎(標準炎)で、圧接面を中心としてバーナー揺動幅を鉄筋径の2倍程度としながら加熱する。

[ No.27 ]
型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.支柱に使用する鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値とする。
2.スラブ型枠の支保工に軽量型支保梁を使用する場合、支保梁の中間部を支柱で支持してはならない。
3.支柱に鋼管枠を使用する場合、水平つなぎを設ける位置は、最上層及び5層以内ごととする。
4.支柱に鋼管枠を使用する型枠支保工の構造計算を行う場合、作業荷重を含む鉛直荷重の 2.5/100 に相当する水平荷重が作用するものとする。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の 3/4 の値のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下としなければならない。

2.◯

軽量型支保梁を用いる場合は、支保梁の両端を支持する。中間部に鉛直上部方向の応力が生じると端部が外れる可能性があるため、中間部を支柱で支持してはならない。

3.◯

「最上階及び5層以内ごとの箇所において、型枠支保工の側面並びに枠面の方向及び交差筋かいの方向における5枠以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ、水平つなぎの変位を防止すること。」と定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号のロ)

4.◯

「鋼管枠を支柱として用いるものであるときは、当該型枠支保工の上端に、設計荷重の2.5/1000に相当する水平方向の荷重が作用しても安全な構造のものとすること。」と定められている。(労働安全衛生規則第240条第3項第三号)

[ No.28 ]
コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.単位水量は、185 kg/m3 以下とし、コンクリートの品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。
2. 単位セメント量が過小の場合、ワーカビリティーが悪くなり、水密性や耐久性の低下などを招きやすい。
3. コンクリートの調合管理強度は、品質基準強度に構造体強度補正値を加えたものである。
4. コンクリートの調合強度を定める際に使用するコンクリートの圧縮強度の標準偏差は、コンクリート工場に実績がない場合、1.5 N/mm2 とする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

コンクリートの品質を確保するために、単位水量は一般に185kg/m3以下とし、所要の品質が得られる範囲内で、できるだけ小さくする。単位水量が大きくなると乾燥収縮、ブリーディング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、特に耐久性上好ましくない。

2.◯

単位セメント量は、水和熱及び乾燥収縮によるひび割れを防止する観点から、できるだけ少なくすることが必要である。しかし、単位セメント量が過小であると、コンクリートのワーカビリティが悪くなり、型枠内へのコンクリートの充填性の低下、じゃんか、す、打継ぎ部における不具合の発生、水密性の低下等を招きやすい。

3.◯

コンクリートの調合管理強度は、調合強度を管理する場合の基準となる強度で、品質基準強度(設計基準強度を耐久設計基準強度の大きい方)に構造体強度補正値を加えた値とする。(JASS5)

4.×

コンクリートの調合強度は、コンクリートの調合を決定する際に目標とする圧縮強度であり、コンクリートの調合管理強度とコンクリートの圧縮強度の標準偏差から定められる。コンクリート工場に実績がない場合、2.5N/mm2または(調合管理強度)× 0.1の大きい値とする。

[ No.29 ]
コンクリートの運搬及び打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度は、40 °C 以下とした。
2.コンクリートの圧送負荷の算定に用いるベント管の水平換算長さは、ベント管の実長の 3倍とした。
3.コンクリート内部振動機(棒形振動機)による締固めにおいて、加振時間を1箇所当たり 10 秒程度とした。
4.外気温が 25 °C を超えていたため、練混ぜ開始から打込み終了までの時間を 90 分以内とした。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

暑中コンクリートの荷下し時のコンクリート温度は、原則として35℃以下とする。(JASS5)

2.◯

コンクリートポンプによる圧送には、圧送負荷を算定し、ポンプの能力と対比し判定する。圧送負荷の算定時、ベンド菅の水平換算長さは実長の3倍の長さがあるものとして計算する。

3.◯

コンクリート内部振動機で締め固める場合の加振時間は、打ち込まれたコンクリートがほぼ水平になり、コンクリート表面にセメントペーストが浮き上がる時間を標準とし、1箇所5〜15秒の範囲とするのが一般的である。

4.◯

コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満で120分以内、25℃以上で90分以内とする。(JASS5)

[ No.30 ]
鉄骨工事の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.現場溶接において、風速が 5 m/s であったため、ガスシールドアーク半自動溶接の防風処置を行わなかった。
2.490 N/mm2 級の鋼材の組立て溶接を被覆アーク溶接で行うため、低水素系溶接棒を使用した。
3.溶接部の表面割れは、割れの範囲を確認したうえで、その両端から 50 mm 以上溶接部をはつり取り、補修溶接した。
4.完全溶込み溶接の突合せ継手における余盛りの高さが 3 mm であったため、グラインダー 仕上げを行わなかった。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

風速が 2 m/s 以上は禁止である。適切な防風処置を行なえば、可能である。

2.◯

490 N/mm2級以上の高張力鋼の組立て溶接を被覆アーク溶接で行う場合には、耐割れ性、耐気孔性、耐衝撃性に優れた低水素系の溶接棒を使用する。延性や靭性等の機械的性能も良好であり、重要構造物や、良好な耐割れ性が要求される高強度鋼や低合金鋼、厚板の溶接等にも広く使用されている。

3.◯

溶接部の表面割れの範囲を確認した上で、その両端から 50mm以上をアークエアガウジングではつり取って船底型の形状に仕上げ、補修溶接する。

4.◯

余盛りは応力集中を避けるため、過大であったり、ビード表面形状に不整がある場合は、滑らかに仕上げるが、3mm以下の場合は不陸がなければグラインダー仕上げは不要である。完全溶込み溶接の突合わせ継手における余盛りの高さは、溶接幅が15mm未満のときは3mm以下、15mm以上25mm未満のときは4mm、25mm以上のときは(4/25)×B(B:溶接幅)

[ No.31 ]
鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.スパン間の計測寸法が正規より小さい場合は、ワイヤによる建入れ直しの前に、梁の接合部のクリアランスへのくさびの打込み等により押し広げてスパンを調整する。
2.柱の溶接継手のエレクションピースに使用する仮ボルトは、普通ボルトを使用して全数締め付ける。
3.梁のフランジを溶接接合、ウェブを高力ボルト接合とする工事現場での混用接合は、原則として高力ボルトを先に締め付け、その後溶接を行う。
4.建方時の予期しない外力に備えて、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

計測寸法が正規より小さいスパンは、ボルト接合部のクリアランスに矢(くさび)を打ち込む、またはジャッキ等を用いて押し広げる。柱のねじれを伴う場合は、ねじれを修正する側に矢(くさび)を打ち込む。

2.×

柱の溶接継手のエレクションピースの仮ボルトは、建方に必要な本数だけが設けられているので、高力ボルトを使用して全数締め付ける

3.◯

ウェブを高力ボルト接合、フランジを工事現場溶接とする混用接合は、原則としてウェブの高力ボルトを先行して本締めまで行った後に、フランジ溶接を行う。

4.◯

建方直後の鉄骨の軸組は、仮ボルトのみによって架構の安全が保たれている。建方中のクレーンブームや吊り荷の接触、または強風・突風等の予想外の外力に対して最低限の安全を確保するため、1日の建方終了ごとに所定の補強ワイヤを張る。

[ No.32 ]
木造建築物に用いる大断面集成材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.梁材の曲がりの許容誤差は、長さの 1/1,000 とした。
2.ボルトの孔の間隔の許容誤差は、± 2 mm とした。
3.柱材の長さの許容誤差は、± 3 mm とした。
4.集成材にあけるドリフトピンの孔の径の許容誤差は、0 mm 〜 + 2 mm とした。
答え

  4

木造建築物に用いる大断面集成材の許容誤差は下表のとおりである。

R01.32木造建築物における大断面集成材の許容誤差.jpg

集成材にあるドリフトピンの孔の径の許容誤差は、特記がなければピン径と同径とする。したがって、4が不適当である。

[ No.33 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.工事用エレベーターは、定格速度が 0.75 m/s を超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。
2.ロングスパン工事用エレベーターは、搬器の傾きが 1/8 の勾配を超えた場合、動力を自動的に遮断する装置を設ける。
3.ジブクレーンの定格荷重は、負荷させることができる最大の荷重から、フック等のつり具の重量に相当する荷重を控除したものである。
4.傾斜ジブ式タワークレーンは、重量物のつり上げに用いられ、狭い敷地で作業することができる。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

工事用エレベーターは、定格速度が 0.75 m/s を超える場合、次第ぎき非常止め装置を設ける。非常止め装置には、「早ぎき式(はやぎきしき)」と「次第ぎき式(しだいぎきしき)」があり、次第ぎき式は、かごの落下を徐々に減速させる。

2.×

ロングスパン工事用エレベーターは、機械自体の傾きが 1/10の勾配を超えると自動停止装置が作動するように設定しなければならない。(エレベーター構造規格第32条)

3.◯

クレーンの定格荷重とは、その構造及び材料並びにジブ若しくはブームの傾斜角及び長さまたはジブの上におけるトロリの位置に応じて負荷させることができる最大の荷重から、それぞれフック等のつり具の重量に相当する荷重を控除した荷重をいう。(クレーン等安全規則第1条第六号)

4.◯

傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。建物の敷地が狭く重機などの設置スペースのない建物の建設に適している。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題4解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説
問題番号[ No.34 ]〜[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。
[ No.34 ]
改質アスファルトシート防水トーチ工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ALC パネル下地のプライマーは、使用量を 0.4 kg/m2とし、2回に分けて塗布した。
2.コンクリート下地の入隅に、角度 45 度の成形キャント材を使用した。
3.絶縁工法による ALC パネル下地の短辺接合部は、あらかじめ幅 50 mmの絶縁用テープを張り付けた。
4.密着工法による平場部の張付けにおいて、シートの3枚重ね部は、中間の改質アスファルトシート端部を斜めにカットした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

アスファルトプライマーの塗り付け量は、ALC パネル下地では、吸込みを考慮して 0.4 kg/m2 とし、2回に分けて塗布する。

2.×

改質アスファルトシート防水では、入隅は直角、出隅 45度の面取りとする。(建築工事監理指針)

3.◯

ALCパネル下地の短辺接合部は、ルーフィングシート張付けに先立ち、目地部に幅 50mm程度の絶縁用テープを張付ける

4.◯

改質アスファルトシートの3枚重ね部は、水みちになりやすいので、中間の改質アスファルトシートの端部を斜めにカットするか、焼いた金ごてを用いて角部を滑らかにするなどの処理を行う

[ No.35 ]
塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ゴムアスファルト系防水材の室内平場部の総使用量は、固形分 60 % のものを使用するため、4.5 kg/m2 とした。
2. ウレタンゴム系絶縁工法において、通気緩衝シートの相互の重ね幅は、50mm とした。
3. ゴムアスファルト系吹付工法において、防水材の塗継ぎの重ね幅は、100mm とした。
4. ウレタンゴム系防水材の立上り部の総使用量は、硬化物密度1.0 Mg/m3 のものを使用するため、2.0 kg/m2 とした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分 60 %(質量)を使用した場合、4.5 kg/m2 とする。 ただし、固形分がこれ以外の場合にあっては、所要塗膜厚を確保するように使用量を換算する。(公共建築工事標準仕様書)

2.×

通気緩衝シートの継ぎ目は突付けとし、突付け部分は 50 mm以上の幅の接着剤付きポリエステル不織布または織布のテープを張り付ける。

3.◯

塗膜防水では、防水材の塗継ぎの重ね幅は 100mm以上、補強布の重ね幅は50mm以上とする。

4.◯

ウレタンゴム系防水材の立上がり部の総使用量は、硬化物密度 1.0 Mg/m3のものを使用する場合は、 2.0 kg/m2とし、平場部では 3.0 kg/m2 とする。

[ No.36 ]
外壁張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.湿式工法において、石厚 40mm の花こう岩の取付け用引金物は、径 4.0mm のものを使用した。
2.乾式工法のロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、径 4.0mm のものを使用した。
3.湿式工法において、流し筋工法の埋込みアンカーは、設置位置を 450mm の間隔とし、縦筋を通り良く設置した。
4.乾式工法において、コンクリート躯体の表面の精度を± 10mm とし、石材の裏面から躯体の表面までの取付け代は、40mm とした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

花こう岩の湿式工法において、石厚40mm以上の場合の取付け用引金物は、径 4.0mm長さ50mmのものを使用する。

2.◯

乾式工法のロッキング方式において、ファスナーの通しだぼは、上下固定で、径 4.0mm埋め込み長さ20mmのものを使用する。

3.◯

湿式工法における、流し筋工法の埋込みアンカーは、縦横 450mm 程度の間隔であらかじめコンクリート躯体に打ち込み、縦筋を通りよく溶接にて設置する。 これを引金物緊結下地とする。

4.×

乾式工法における、石材の裏面から躯体の表面までの取付け代は、70 mmを標準とする。外壁湿式工法では 40mm程度とする。

[ No.37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.重ね形折板の重ね部分の緊結ボルトは、流れ方向の間隔を 600mmとした。
2.端部用タイトフレームは、けらば包みの下地として、間隔を 1,800mmで取り付けた。
3.けらば包みの継手は、60mm 以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留めた。
4.軒先の落とし口は、折板の底幅より小さく穿孔し、テーパー付きポンチで押し広げ、 5mmの尾垂れを付けた。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

重ね形折板は、各山ごとにタイトフレームに固定し、重ね部の緊結ボルトは流れ方向の間隔を 600 mm程度とする。

2.×

端部用タイトフレーム(けらば用タイトフレーム)は、けらば包みの下地として、間隔を 1,200mmで取り付ける

3.◯

けらば包みの継手は、60mm以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込んで留める。

4.◯

折板の底に設ける雨水の落とし口は円形にし、孔の周囲に 5~15mm程度の尾垂れを付け、裏側への雨水の回り込みを防止する。

[ No.38 ]
特定天井に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、特定天井の構造方法は仕様ルートによるものとする。
1.野縁受けの接合は、相互にジョイントを差し込んだうえでねじ留めとし、ジョイント部を1 m 以上の間隔で千鳥状に配置した。
2.吊り材は、天井面の面積 1 m2 当たり1本以上とし、釣合いよく配置した。
3.勾配屋根における吊り材は、勾配をもつ屋根面に対して垂直に設置した。
4.地震時に有害な応力集中を生じさせないため、天井面の段差部分にクリアランスを設けた。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

野縁や野縁受けの隣り合うジョイントの位置は、互いに 1m以上離し、千鳥状に配置しなければならない

2.◯

吊りボルト、斜め部材等が釣合いよく(天井面の面積 1 m2 当たり1本以上)配置され、また天井面が十分な面内剛性を有し、一体的に挙動するものであること。

3.×

勾配屋根における吊り材は、勾配をもつ屋根面に対して垂直ではなく、天井面構成部材を鉛直方向に支持するように設置しなければならない。

R01.38_天井吊り材の設置方向.jpg

  勾配屋根における吊り材の設置方法

4.◯

地震時に有害な応力集中を生じさせないため、天井面の段差や折れ曲がりで吊り長さが異なる天井部分が隣接する場合は、クリアランス(一定のすき間)を確保する。

[ No.39 ]
内壁コンクリート下地のセメントモルタル塗りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.モルタルの塗厚の合計は、20 mm を標準とした。
2.下塗りは、吸水調整材の塗布後、乾燥を確認してから行った。
3.下塗り用モルタルの調合は、容積比でセメント1:砂3とした。
4.中塗りや上塗りの塗厚を均一にするため、下塗りの後に、むら直しを行った。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

内壁をモルタル仕上げとする場合、塗厚の標準値は 20 mmとする。

2.◯

吸水調整材塗布後の下塗りまでの間隔は、一般に1時間以上とし、乾燥を確認してから行う。

3.×

下塗り用モルタルの調合(容積比)は、セメント:砂=1:2.5 とし、むら直し・中塗り・上塗りはセメント:砂=1:3 とする。

4.◯

むら直しとは、塗厚または仕上げ厚が大きいとき、あるいは塗りむらが著しいときに下塗りの上にモルタルを塗り付けることをいう。これにより中塗り、上塗りの塗厚が均一となる。セメントモルタル塗りの工程は、下塗り → むら直し → 中塗り → 上塗りの順で行う。

[ No.40 ]
鋼製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mm とした。
2. 丁番やピポットヒンジなどにより、大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さを 2.3 mm とした。
3. 外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、下部を除いた三方を表面板で包んだ。
4. 外部に面する両面フラッシュ戸の表面板は、鋼板製のものを用い、厚さを 0.6 mm とした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ステンレス鋼板製のくつずりは、表面仕上げをヘアラインとし、厚さを 1.5 mmとする。建具枠は、くつずり、下枠等あとでモルタル充填が困難な部分では、あらかじめ裏面に鉄線等を取り付けてモルタル詰めを行ったのちに取り付ける。

2.◯

丁番やピポットヒンジなどにより、大きな力が加わる建具枠の補強板は、厚さは 2.3 mmとする。

3.◯

外部に面する戸は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包む。 (建築工事監理指針)

4.×

鋼製建具に使用する戸の表面板の厚さは、特記による。特記がなければ、片開き、親子開き及び両開き戸の1枚の有効開口幅が 950mm、または有効高さが 2,400mmを超える場合そ除き 1.6mmとする。鋼製軽量建具に使用する戸の表面板の厚さは、0.6mmとする。

[ No.41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、塗料に流動性をもたせるため、水で希釈して使用した。
2.2 液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、気温が 20 °C であったため、下塗り及び中塗りの工程間隔時間を3時間とした。
3.アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りにおいて、下塗り、中塗り、上塗りともに同一材料を使用し、塗付け量はそれぞれ 0.10 kg/m2 とした。
4.つや有合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、気温が 20 °C であったため、中塗りの工程間隔時間を5時間とした。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

合成樹脂エマルションペイントは、合成樹脂共重合エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や添加剤等を加えた水系塗料で、溶剤ではなく、水による希釈で塗料に流動性をもたせることができる

2.×

2液形ポリウレタンエナメル塗り(2-UE)においては、中塗りの工程間隔時間の上限は7日である。

気温20℃の場合、中塗り後の工程間隔時間は3時間以上とするのはアクリル樹脂系非水分散形塗料塗りである。

3.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料塗りの工程は、下塗り、中塗り、上塗りの順に同じ塗料を用い、塗付け量はともに 0.10 kg/m2 とする。 (JASS18)

4.◯

つや有合成樹脂エマルションペイント塗りの中塗りの工程間隔時間は5時間以上とする。

[ No.42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.防湿層のない土間コンクリートへの床シートの張付けには、ゴム系溶剤形の接着剤を使用した。
2.熱溶接工法において、溶接作業は、床シートを張付け後 12 時間以上経過してから行った。
3.床シートを立ち上げて幅木としたため、幅木天端は、シリコーンシーリング材で処理した。
4.寒冷期の施工で、張付け時の室温が5°C以下になることが予想されたため、採暖を行い、 室温を 10 °C 以上に保った。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

湯沸室洗面所等の湿気及び水の影響を受けやすい箇所に用いる接着材は、耐水性に優れたエポキシ樹脂系接着材を用いる

2.◯

溶接作業は、床シートを張付け後 12 時間以上経過し、接着が硬化してから行う。

3.◯

床シートを立ち上げて幅木とする場合、天端処理は、シリコーンシーリング材で行う。

4.◯

施工時の作業環境温度が5°C以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。されに接着剤のオープンタイム、張り付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで採暖を行い、 室温を 10 °C 以上に保つようにする。(JASS26)

[ No.43 ]
鉄筋コンクリート造建築物の内部の断熱工事に関する記述として、最も不適当なものは どれか。
1.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、厚さ 5 mm の下吹きの後、多層吹きの各層の厚さは各々 30 mm 以下とした。
2.硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、冷蔵倉庫で断熱層が特に厚かったため、1日の最大吹付け厚さを 100 mm とした。
3. 押出法ポリスチレンフォーム打込み工法において、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止した。
4.押出法ポリスチレンフォーム張付け工法において、躯体面とのすき間が生じないように断熱材を全面接着とし、密着させて張り付けた。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

硬質ウレタンフォーム吹付け工法において、断熱材の吹き付け厚さが 30mmの場合は多層吹きとし、1層の厚さは各々 30 mm以下とする。(JASS24)

2.×

冷蔵倉庫など断熱層が特に厚い施工であっても、1日の総吹付け厚さ80mmを超えないものとする

3.◯

押出法ポリスチレンフォーム打込み工法の場合には、断熱材の継目は突付けとし、テープ張りをしてコンクリートの流出を防止する。

4.◯

押出法ポリスチレンフォーム張付け工法においては、躯体面と躯体との境界面にすき間が生じるとその部分に結露が生じやすくなるため、接着は全面接着とし、密着させて張り付ける

[ No.44 ]
ALC 間仕切壁パネルの縦壁フットプレート構法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.間仕切壁パネルの上部は、面内方向に可動となるように取り付けた。
2.間仕切壁パネルを一体化するため、パネル長辺側面相互の接合にアクリル樹脂系接着材を用いた。
3.間仕切壁パネルの上部は、間仕切チャンネルへのかかり代を確保して取り付けた。
4.外壁パネルと間仕切壁パネルの取合い部は、パネル同士のすき間が生じないように突付けとした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

縦壁フットプレート構法は、パネル上部が面内(水平)方向に可動となるように取り付ける。その取付け方法は、間仕切チャンネル、間仕切L形金物及び定規アングルの3種類の方法による。

2.◯

縦壁パネルを一体化するため、パネル長辺側面相互の接合にアクリル樹脂系接着材を用いる。

3.◯

間仕切壁フットプレート構法では、パネル上部と間仕切チャンネルの溝底との間に20mmのクリアランスを設けると共に、パネル上部の間仕切チャンネルへ10〜20mm程度のかかり代を確保して取り付ける

4.×

間仕切壁パネルの出隅部、入り隅部の縦目地及び外壁や柱等とパネルとの間には、20mm程度の伸縮目地を設けてパネルを取り付ける。(JASS21)

[ No.45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.ビニル床シートは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーを用いて撤去した。
2.モルタル塗り下地の合成樹脂塗床材は、ケレン棒と電動はつり器具を用いて下地モルタルと共に撤去した。
3.乾式工法のフローリング張り床材は、丸のこで適切な寸法に切断し、ケレン棒を用いて撤去した。
4.磁器質床タイルは、目地をダイヤモンドカッターで縁切りし、電動はつり器具を用いて撤去した。
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

ビニル床シート、ビニル床タイル等の既存床仕上げ材の撤去は、一般のカッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは、下地モルタルの浮き部分等を撤去するために、健全部分と縁を切る場合などに用いる。その場合、ダイヤモンドカッターの刃の出は、モルタル厚さ以下とする。

スクレーパー.jpg

2.◯

合成樹脂塗床材の撤去には、ケレン棒、電動ケレン棒、電動はつり器具、ブラスト機械などを用いる。撤去範囲は、下地がモルタル塗りの場合はモルタル下地とも、コンクリート下地の場合はコンクリート表面から 3mm程度とする。

3.◯

乾式工法のフローリング張り床材は、丸のこで適切な寸法に切断し、ケレン棒を用いて撤去する。 フローリング張り床材の撤去・モルタル埋込み工法によるフローリングの場合は、電動ピック、のみなどを用いて、フローリングとモルタル部分をはつり取り、切片などを除去する。

4.◯

磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りし、タイル片を電動はつり器具により周囲を損傷しないように撤去する。

1級建築施工管理技士 令和元年 学科 問題5解説

令和元年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説
問題番号[ No.46 ]〜[ No.50 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。
[ No.46 ]
建築工事における事前調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.鉄骨工事の計画に当たり、周辺道路の交通規制や架空電線について調査した。
2.セメントによって地盤改良された土の掘削に当たり、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水することとしたため、水質調査を省略した。
3.解体工事の計画に当たり、近隣建物の所有者の立会いを得て、近隣建物の現状について調査した。
4.工事車両出入口、仮囲い及び足場の設置に伴う道路占用の計画に当たり、歩道の有無と道路幅員について調査した。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鉄骨工事の施工計画に際しては、周辺道路の交通規制や電気・ガスなどの埋設物、道路幅員や電柱・架空電線の状況、電波障害などの周辺環境への影響などにについて、あらかじめ調査・確認しておかなければならない。

2.×

セメントによって地盤改良された土の掘削においては、沈砂槽を設置して湧水を場外へ排水する場合でも、水質調査を行って、pHの値が水質基準を満足していることを確認し、必要がある場合は中和処理を実施してから排水処理をする。

3.◯

解体工事に伴い、境界杭の変動、地盤の沈下、既存構造物の損傷などのおそれがあるため、事前に近隣建物の所有者の立会いのもと、近隣建物の現状について調査を行う。

4.◯

工事用の車両出入口計画は、通行人や安全な交通の妨げにならないように配慮し、建築物敷地の前面道路の電柱その他の設備や交差点の位置などを確認して計画する。

[ No.47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.女性作業員用の仮設便房数は、同時に就業する女性作業員 20人以内ごとに1個を設置する計画とした。
2.工事用使用電力量の算出に用いる、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、 1.0 として計画した。
3.工事用使用電力が 60kW 必要となったため、低圧受電で契約する計画とした。
4.アースドリル工法による掘削に使用する水量は、1台当たり10 m3/h として計画した。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

便所の設置に関しては以下のように労働安全衛生規則第628条に定められている。

・男性用と女性用に区別すること。

男性用大便器の便房の数は、同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1箇所以上とすること。

男性用小便器の箇所数は、同時に就業する男性労働者30人以内ごとに1箇所以上とすること。

女性用便所の便房の数は、同時に就業する女性労働者20人以内ごとに1箇所以上とすること。

2.◯

工事用使用電力量の算出において、コンセントから使用する電動工具の同時使用係数は、0.7~1.0とする。(JASS2)

3.×

工事用電力は、電力会社に申し込むことになるが、供給約款では、一般に、契約電力が 50 kW未満の場合は低圧受電50kW以上-2,000kW未満の場合は高圧受電、2000kW以上の場合は特別高圧受電となる。

4.◯

アースドリル工法による掘削は、ドリリングバケットを回転させて地盤を掘削、バケット内部に収納された土砂を地上に排土する方法で行う。孔壁は、表層部では表層ケーシングを用い、それ以深は安定液で保護する。掘削時に使用する水量の目安は、1台当たり 10 m3/h として計画する。

[ No.48 ]
鉄筋コンクリート造建築物の躯体解体工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体することとした。
2.階上作業による解体では、解体重機の移動にコンクリート塊を集積したスロープを利用するため、解体重機と合わせた最大荷重に対して補強することとした。
3.地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保することとした。
4.地上外周部の転倒解体工法では、1回の転倒解体を高さ2層分とし、柱3本を含む2スパンとした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体を行う。外壁の転倒工法等を用いる場合は、同時に解体する部分の一体性を確保するとともに、過度な力を加えず内側に安全に転倒させる。

2.◯

階上作業による解体では、解体に重機等を使用する場合は、重機、コンクリート塊等の重量、振動または衝撃に対して、床・はり等にサポートジャッキ等を使用し適切な補強を行い、安全性を確保する。

3.◯

地上作業による解体では、作業開始面の外壁から1スパンを上階から下階に向かって全階解体し、解体重機のオペレーターの視界を確保する。

4.×

外壁の転倒解体は、安全上、転倒体の大きさが過大とならないように、高さは1層分以下とし、1回の転倒解体部分は、原則として、柱2本以上を含み、幅は1~2スパン程度とする。また、転倒体の壁の縁切り、柱脚部の転倒視点の欠き込み等に当たっては、事前に転倒防止措置を講ずる。(建築物解体工事共通仕様書第3章第8節)

[ No.49 ]
鉄筋コンクリート造建築物の耐震補強にかかる躯体改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。 ただし、d は異形鉄筋の呼び名の数値とする。
1.壁上部と既存梁下との間に注入するグラウト材の練混ぜにおいて、練上り時の温度が 10 ~ 35 °C となるように、練り混ぜる水の温度を管理することとした。
2.既存壁に増打ち壁を設ける工事において、シアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用することとした。
3.柱の溶接閉鎖フープ巻き工法に用いるフープ筋の継手は、溶接長さが 4d の両側フレア溶接とすることとした。
4.柱の連続繊維補強工法に用いる炭素繊維シートの水平方向の重ね継手は、柱の各面に分散して配置することとした。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

耐震改修工事における現場打ち鉄筋コンクリート耐震壁の施工においては、現場施工時に水温管理を十分に行い、水温10℃以上の水を用いてグラウト材を練り上げ、練り上げ時の温度が10~35℃の範囲のものを注入する。

2.◯

既存壁に増打ち壁を設ける工事において、アンカーとして用いるシアコネクタを型枠固定用のセパレータとして兼用してよい

3.×

溶接閉鎖フープ巻き工法のフープの継手は、溶接長さが片側10d以上もしくは両側 5d以上のフレア溶接とる。

また、端部は共に2d以上の余長が必要である。鉄筋径D16以下に使用できる。(標準仕様書)※ 建告1463号では D25以下

>> 配筋検査のつぼ >> 継手及び定着

4.◯

連続繊維補強工法において、炭素繊維シートの重ね長さは、母材破断を確保できる長さとし、200mm以上とする。また、重ね継手位置は各面に分散させる。

[ No.50 ]
鉄筋コンクリート造建築物の仕上改修工事の施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
1.外壁コンクリートに生じた幅が 1.0 mm を超える挙動しないひび割れは、可とう性エポキシ樹脂を用いた Uカットシール材充填工法を用いることとした。
2.タイル張り仕上げ外壁の改修工事において、1箇所の張替え面積が 0.2 m2 であったため、タイル部分張替え工法を用いることとした。
3. 既存合成樹脂塗床面の上に同じ塗床材を塗り重ねるため、接着性を高めるよう、既存仕上げ材の表面を目荒しすることとした。
4. 防火認定の壁紙の張替えは、既存壁紙の裏打紙の薄層の上に防火認定の壁紙を張り付けることとした。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

Uカットシール充填工法は、コンクリートやモルタルなどのひび割れをダイヤモンドカッターなどで U字型にカッティングして弾性シーリング材等を充填する工法で、挙動しない 1.0mmを超えるひび割れ、及び挙動する 0.2mm以上 1.0mm以下のひび割れに適用する。挙動のおそれのあるひび割れには可とう性エポキシ樹種、軟質形エポキシ樹脂、ほとんど挙動しないひび割れには硬質形エポキシ樹脂を用いる。(※設問では、「挙動しないひび割れに可とう性エポキシ樹脂を用いることとした」となっているが、一般的に可とう性エポキシ樹脂は「挙動するひび割れに用いる」。最も不適当なもののは「4」であるので、正解は「4」となる。

2.◯

タイル部分張り替え工法は、既存の下地モルタル等がある場合及び1箇所当たりの張替え面積が 0.25m2程度以下の場合に適用する。

3.◯

既存合成樹脂塗床材を除去せずに同じ塗床材で塗り重ねる場合は既存仕上げ材の表面をディスクサンダー等により目荒らしして接着性を高める

4.×

防火認定の壁紙の張替えは、既存の壁紙を残さず撤去し、下地基材面を露出させてから新規の壁紙を張り付けなければ防火材料に認定されない。裏打紙の薄層は、水を塗布し糊を溶解させて残さず撤去する。