平成25年1級建築施工管理技士 実地検定 問題6 解答解説

平成25年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題6

問題6
次の 1.から 3.の問いに答えなさい。
1.「建設業法」に基づく特定建設業者の下請代金の支払期日等に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
特定建設業者が [ ① ] となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者又は資本金額が 4,000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、 下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から 20 日を経過した日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされている場合にあっては、その 一定の日。)から起算して[ ② ] 日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内において定められなければならない。

解答

(解答)

 ①注文者 ② 50

(解説)

「建設業法」第24条の5第1項

(特定建設業者の下請代金の支払期日等)

特定建設業者が注文者となった下請契約(下請契約における請負人が特定建設業者または資本金額が4000万円以上の法人であるものを除く。)における下請代金の支払期日は、下請負人からその請け負った建設工事の完成した旨の通知を受け、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が当該建設工事の引渡しを申し出た日(下請契約において定められた工事完成の時期から20日を経過した_日以前の一定の日に引渡しを受ける旨の特約がされいる場合にあっては、その一定の日)から起算して50日を経過する日以前において、かつ、できる限り短い期間内おいて定められなければならない。

2_.「建築基準法施行令」に基づく落下物に対する防護に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
建築工事を行なう場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が 5m 以内で、かつ、地盤面から高さが [ ③ ] m 以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な部分を鉄網又は [ ④ ] でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

解答

(解答)

 ③7   ④帆布

(解説)

「建築基準法施行令」第136条の5第2項

(落下物に対する防護)

建築工事等を行う場合において、建築のための工事をする部分が工事現場の境界線から水平距離が5m以内で、かつ、地盤面からからの高さが7m以上にあるとき、その他はつり、除却、外壁の修繕等に伴う落下物によって工事現場の周辺に危害を生ずるおそれがあるときは、国土交通大臣の定める基準に従って、工事現場の周囲その他危害防止上必要な鉄鋼または帆布でおおう等落下物による危害を防止するための措置を講じなければならない。

3.「労働安全衛生法」に基づく労働者の就労に当たっての措置に関する次の文章において、[  ] に当てはまる語句を記入しなさい。
建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくことになった職長その他の作業中の労働者を直接指導又は監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定め るところにより、安全又は衛生のための教育を行なわなければならない。
1.作業方法の決定及び労働者の [ _⑤ ] に関すること。
2.労働者に対する指導又は監督の方法に関すること。
3.1及び2に掲げるもののほか、 [ ⑥ ] を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

解答

(解答)

 ⑤配置  ⑥労働災害

(解説)

「労働安全衛生法」第60条

(安全衛生教育)

建設業に該当する事業者は、その事業場に新たにつくることになった職長その他の作業中の労働者を直接指導または監督する者(作業主任者を除く。)に対して、次の事項について厚生労働省令で定めるところにより、安全または衛生のための教育を行わなけらばならない。

1.作業方法の決定及び労働者の配置に関すること。

2.労働者に対する指導または監督の方法に関すること。

3.前2号に掲げるもののほか、労働災害を防止するため必要な事項で、厚生労働省令で定めるもの。

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題1解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

※ 問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No.1 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。

2.壁体の含湿率が増加すると、壁体の熱伝導率は小さくなる。

3.外断熱の施された熱容量の大きな壁は、室温の著しい変動の抑制に有効である。

4.熱損失係数は、建物の断熱性能、保温性能を表す数値として用いられる。

答え

  2
壁体の含湿率が増加すると水成分は熱抵抗は小さいので、全体的に熱抵抗が小さくなり熱伝導率は大きくなる。結露なども発生しやすくなる。

1.◯
熱貫流抵抗は熱貫流率の逆数で、壁体の熱の通しにくさを表す数値である。
熱貫流抵抗 = 熱伝達抵抗 + 熱伝導抵抗

3.◯
内断熱に比べて外断熱の方が、壁体内で低温となる部分ができにくく、室温の著しい変動の抑制に有効である。

4.◯
熱損失係数は、建物の断熱性能(保温性)、気密性を総合した熱的性能の評価指標として用いられるもので、各壁及びサッシの貫流熱損失及び換気、ヒートブリッジ等による熱損失の合計を求め、これを延面積で割った値で表す。この値が小さいほど、床面積あたりの熱損失が少なく、エネルギー消費も少ない

[ No.2 ]
照明又は採光に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

2.照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束をいう。

3.グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。

4.光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。

答え

  4
光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)である。反射面を有する受照面の光の面積密度は輝度という。

1.◯
昼光率とは、室内のある点の照度とその時の全天空照度の比を%で表したものである。
昼光率 =(室内の水平面照度)/(全天空照度)×100(%)
例えば、屋外の照度が 5,000 lxで室内のある点の照度が 100 lxのとき、昼光率は2%となる。

2.◯
照度とは、受照面の単位面積当たりの入射する光のエネルギー量、すなわち受照面の単位面積あたりの入射光束をいう。単位はルクス(lx)である。

3.◯
グレアとは、視野内の高輝度な点・面あるいは極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。視力低下や、眼の疲労・不快感などを生じさせる原因となる。

[ No.3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.剛壁と多孔質材料との間に空気層を設けると、低音域の吸音率は上昇する。

2.残響時間は、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。

3.床衝撃音レベルの遮音等級を表す L 値は、値が大きいほど遮音性能が高い。

4.単層壁の透過損失は、一般に壁の面密度が大きいほど大きくなる。

答え

  3
床衝撃音の遮音等級は、音源室で床衝撃音発生装置によって発生させた衝撃音を、下階で測定した音圧レベル、Lr-50、Lr-55等で示す。等級が小さいほど床の遮音性能が高い

1.◯
剛壁と吸音材料である多孔質材料との間に空気層を設けた場合、空気層の厚さが増すほど低温域の吸音率が増加する。

2.◯
音源から発生した音は、天井や壁等で反射を繰り返し、そのたびにそれらの材料に吸収されて減衰するので、音源がなくなっても、室内にはわずかの間、響が残る。音源を停止した後、音のエネルギー密度が 60dB減少するのに要する時間を残響時間という。
残響時間 T(秒)
T = 0.161 V/A
V:室容積(m3
A:室の総吸音力(m2
室容積 V に比例し、室の総吸音力 Aに反比例する。

4.◯
透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの質量(面密度)と、周波数が大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

[ No.4 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.梁のせん断耐力は、一般にあばら筋量を増やすことにより増加する。

2.梁に貫通孔を設けた場合の構造耐力の低下は、せん断耐力より曲げ耐力の方が著しい。

3.柱梁接合部内の帯筋間隔は、原則として 150 mm 以下とし、かつ、隣接する柱の帯筋間隔の 1.5 倍以下とする。

4.普通コンクリートを使用する場合、柱の小径は、原則としてその構造耐力上主要な支点間の距離の 1/15 以上とする。

答え

  2
梁の曲げ耐力は、一般に主筋の位置と断面積により決まるが、せん断耐力はコンクリートの断面積及びせん断補強筋量によって決まる。したがって、貫通孔が設けられると、コンクリートの断面積が減少し、せん断耐力が著しく低下する

1.◯
梁のせん断耐力は、一般にあばら筋の量をふやすことにより、柱のせん断耐力は、一般に帯筋量増やすことにより、増加する。(建築基準法施行令第78条)

3.◯
柱梁接合部内(仕口部)の帯筋間隔は、15cm以下、かつ、最も細い主筋の径の15倍以下とする。(建築基準法施行令第77条第三号)

4.◯
柱の小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の間の長さ)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

[ No.5 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.片面溶接による部分溶込み溶接は、継目のルート部に、曲げ又は荷重の偏心による付加曲げによって生じる引張応力が作用する箇所に使用してはならない。

2.部材の引張力によってボルト穴周辺に生じる応力集中の度合は、普通ボルト接合の場合より高力ボルト摩擦接合の方が少ない。

3.完全溶込み溶接による T 継手の余盛は、溶接部近傍の応力集中を緩和する上で重要である。

4.高力ボルト摩擦接合における許容せん断力は、二面摩擦の場合は、一面摩擦の 1/2 である。

答え

  4
高力ボルト摩擦接合は、ボルトの軸に導入された張力により生じる接合部材間の摩擦力によって力を伝達する方法である。高力ボルト1本当たりの許容せん断力 Rs は次式が与えられ、二面摩擦の耐力は一面摩擦の2倍となる
Rs = nμN/γ
n:摩擦面の数
μ:すべり係数(μ = 0.45)
N:設計ボルト張力
γ:安全率(γ = 1.5)
1.◯
部分溶け込み溶接は、溶接線と直角方向に引張応力が作用する場合や溶接線を軸とする曲げが作用する場合及び繰り返し荷重を受ける箇所には使用できない。

2.◯
高力ボルト摩擦接合は、高力ボルトで継手部材を締め付け、部材間に生じる摩擦力によって応力を伝達する接合法である。特徴は、応力の流れが円滑で、継手の剛性が高いことにある。
せん断力を受けるリベット、あるいは中ボルト接合の場合、外力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルト鋼板が支圧状態になったあとで応力の伝達が行われ、その場合、穴周辺に高い応力集中が生じる。
それに対し、摩擦接合では接触面で応力が伝達され、応力伝達面積が大きいため、高い応力集中は起こらない

3.◯
T継手は、板が直角に交わるため、直交する隅角部には応力集中が生じる。そのため、なだらかな余盛を設けて応力集中を緩和することが重要である。

[ No.6 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.支持杭を用いた杭基礎の許容支持力には、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない。

2.埋込み杭は、打込み杭に比べて極限支持力に達するまでの沈下量が大きい。

3.支持杭を用いた杭基礎の場合、杭周囲の地盤沈下によって杭周面に働く正の摩擦力を考慮する。

4.地盤から求める単杭の引抜き抵抗力には、杭の自重から地下水位以下の部分の浮力を減じた値を加えることができる。

答え

  3
支持杭を用いた杭基礎で上部に圧密を起こす地盤がある場合、地盤の沈下により、杭を引き込もうと杭周面に下向きの働く負の摩擦力が生じる

1.◯
支持杭の許容支持力は、杭の支持力のみによるものとし、基礎スラブ底面における地盤の支持力は加算しない

2.◯
打込み杭は、打撃ハンマー等で杭周辺の土と摩擦力に抵抗して打設するため、荷重に対する沈下は少ないが、埋込み杭はあらかじめオーガーが掘削した孔に埋設するので杭周辺の摩擦力が小さく、沈下が大きい

4.◯
杭の引抜き力は、杭自体の引張り強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭自体も引き抜きに抵抗すると考える。
tRs = 1/3×tRu + Wp
tRs:杭の長期許容引抜き抵抗力
tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力
Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

[ No.7 ]
建築物に加わる荷重、外力に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.雪止めが無い屋根の積雪荷重は、屋根勾配が 60 度を超える場合には 0 とすることができる。

2.風圧力を求めるために用いる風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積により算出する。

3.地震層せん断力は、2階に生じる地震層せん断力より1階に生じる地震層せん断力の方が大きい。

4.保有水平耐力計算において、多雪区域の積雪時における長期応力度計算に用いる荷重は、固定荷重と積載荷重の和に、積雪荷重に 0.7 を乗じた値を加えたものである。

答え

  2
風力係数Cfは、次式により求める。
Cf = Cpe ー Cpi
Cpe:建物の外圧係数
Cpi:建物の内圧係数
風力係数は、建築物の外圧係数と内圧係数の積ではなく、差によって算出する。(建築基準法施行令第87条及び平成12年建設省告示1454号第3)

1.◯
屋根の積雪荷重は、雪止めがある場合を除き、屋根の勾配が60度以下の場合、屋根勾配が緩やかほど大きい。屋根の勾配が 60 度を超える場合は、 0 とすることができる。 (建築基準法施行令第86条第4項)

3.◯
地震時に各階に生じる地震層せん断力は次式で求められる。
Qi = Ci ×Wi
Qi:地震層せん断力
Ci:地震層せん断力係数
Wi:その層が支える荷重
したがって、2階よりも1階の方が支える荷重が大きいので、地震層せん断力も大きくなる

4.◯
保有水平耐力計算より、多雪区域の積雪時の計算に用いる荷重は、
Q(固定荷重) + P(積載荷重) + 0.7×S(積雪荷重)
である。(建築基準法施行令第82条第二号)

[ No.8 ]
図に示す単純梁に等変分布荷重 w 及びモーメント荷重 M が同時に作用するとき、支点 B の反力の大きさとして、正しいものはどれか。

 1.0 kN
 2.1 kN
 3.3 kN
 4.4 kN

答え

  1

解説図1の支点反力を求めるには、分布荷重を集中荷重におきかえる
1kN/m × 6m × 1/2 = 3kN
で、その位置は、A点から 4mの位置である。
B支点の反力は、A点のΣM =0より、
1RB × 6m ー 3kN × 4m = 0となり、
1RB = 12kN・m/6m = 2kN


解説図2より
B支点の反力は上記と同様にA点のΣM = 0として求める。
-12kN・m + 2RB×6m = 0として、
2RB = 2kN
RB1RB ↑ + 2RB↓ = 2kN + 2kN
RB= 0 kN
したがって、正解は1

[ No.9 ]
図に示す梁の AB 間に等分布荷重 w が、C 点に集中荷重 P が同時に作用するとき、曲げ モーメント図として、正しいものはどれか。 ただし、曲げモーメントは材の引張り側に描くものとする。

 


答え

  2
A~B点間の中央に指標としてD点を設け、解説図1と2からD点の値を求める。解説図1のD点の値が大であれば「2」、小であれば「1」が正解となる。また、BーC間の曲げモーメントは、曲がりの外側(解説図 BーC間の上部)になる。
(1)解説図1におけるD点の曲げモーメントを求める。
B点の曲げモーメントは、以下により、9kN・mとなる。
3kN × 3m = 9kN・m
D点は、9kN・mの1/2なので、
4.5 kN・m
(2)解説図2におけるD点の曲げモーメントは以下により、2.25kN・mである。
2MD = ωl 2 × 1/8 = 2 × 32/8 = l8/8
2MD = 2.25
全体の曲げモーメントは、解説図3の通りとなる。

したがって、選択肢2が正解となる。

[ No.10 ]
コンクリートに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.単位水量の小さいコンクリートほど、乾燥収縮が小さくなる。

2.コンクリートに AE 剤を混入すると、凍結融解作用に対する抵抗性が改善される。

3.空気量が 1 % 増加すると、コンクリートの圧縮強度は 4 ~ 6 % 低下する。

4.コンクリートのヤング係数は、圧縮強度が大きくなるほど、小さくなる。

答え

  4
コンクリートのヤング係数は、コンクリートの強度が大きいほど、大きくなる。ヤング係数とコンクリートの強度の関係は次式で表される。
EC = 3.35 × 104 × (γ/24)2× ( Fc/601/3
γ:コンクリートの単位容積重量(kN/m3
Fc:コンクリートの設計基準強度(N/mm2
1.◯
単位水量が小さいコンクリートほど、水分が少ないので乾燥したときの収縮は小さくなる。単位水量は大きくなると、乾燥収縮、ブリージング、打込み後の沈降などが大きくなり、コンクリートの品質、耐久性上好ましくない。(JASS5)
2.◯
AE剤はコンクリート中に無数の独立した微細気泡を連行させることができる。この気泡はコンクリートに次のような効果をもたらす。
①ワーカビリティが良好になる。
②単位水量が低減する。
コンクリートの凍結融解に対する抵抗性が増し、耐久性を向上させる
④中性化に対する抵抗性を増大させる。
3.◯
一般的なコンクリートの場合、空気量は4~5%であるが、AE剤の使用によって、空気量が1%増加すると、4~6%の割合で圧縮強度が低下する。

[ No.11 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.せっこうプラスターは気硬性であり、しっくいは水硬性である。

2.ポルトランドセメントは練り混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。

3.せっこうプラスターは、ドロマイトプラスターに比べ、硬化に伴う乾燥収縮が小さい。

4.ドロマイトプラスターは、しっくいに比べ、粘度が高く粘性がある。

答え

  1
せっこうプラスターは水硬性であり、しっくいは二酸化炭素と反応して硬化する気硬性である

2.◯
ポルトランドセメントは練混ぜ後にアルカリ性を示し、せっこうプラスターは弱酸性を示す。

3.◯
せっこうプラスターは硬化が早く比較的強度もあり針状結晶によって硬化するため収縮ひび割れが生じにくい。(建築工事監理指針)

4.◯
ドロマイトプラスターは、一般的に粘度が高く、のりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。

[ No.12 ]
建築用ガラスに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.複層ガラスは、2枚のガラスの間に乾燥空気層を設けて密封したもので、結露防止に効果がある。

2.合わせガラスは、2枚以上のガラスをプラスチックフィルムを挟み接着したもので、防犯 に効果がある。

3.熱線吸収板ガラスは、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減に効果がある。

4.強化ガラスは、板ガラスを熱処理してガラス表面に強い圧縮応力層を形成したもので、衝撃強度が高い。

答え

  3
熱線吸収板ガラスは、太陽放射熱を吸収させるためガラスの原料の中にニッケル、コバルト、鉄などを入れてあり、熱割れを起こしやすい。なお、板ガラスの表面に金属皮膜を形成したもので、冷房負荷の軽減の効果が高いのは、熱線反射ガラスである。

1.◯
複層ガラスは、2枚のガラスの間に外気圧に近い圧力の乾燥気体を封入し、その周辺を密封したもので、断熱性が高く、結露防止に効果がある

2.◯
合わせガラスは、2枚以上の板ガラスの間に透明プラスチックフィルムを密着させてあり、耐貫通性能が高く、防犯性能も高い

4.◯
強化ガラスは、板ガラスを軟化温度近くまで加熱した後、常温の空気を均一に吹き付け急冷して作られたもので、ガラス表面層に圧縮応力、内部にそれとつりあう引張応力が存在し、耐衝撃性・耐風圧性・耐熱衝撃性が大きい。

[ No.13 ]
防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ストレッチルーフィング 1000 の数値 1000 は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。

2.改質アスファルトルーフィングシートには、I 類とII 類があり、I類の方が低温時の耐折り曲げ性がよい。

3.塗膜防水に用いる補強布は、必要な塗膜厚さの確保と立上り部や傾斜面における防水材の垂れ下がりの防止に有効である。

4.通気緩衝シートは、塗膜防水層の破断やふくれの発生を低減するために用いる。

答え

  2
改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類とⅡ類があり、Ⅱ類の方が低温時の耐折れ曲げ性が良い。(JIS A6013)

1.◯
ストレッチルーフィングは製品の抗張積の値を使用することと定められている。(建築工事監理指針)

3.◯
補強布は、塗膜防水材を均等に塗り込むため、塗膜厚さの確保に有効であり、立上がり部や傾斜面においては未硬化の塗膜防水材を保持するために有効である。(建築工事監理指針)

4.◯
通気緩衝シートは、シートの下面に下地から水蒸気を通気させるための特殊加工したシート状の材料で、下地と防水層の間を挿入し、塗膜防水層の破断や膨れの発生を低減させる。(建築工事監理指針)

[ No.14 ]
日本工業規格(JIS)による建築用シーリング材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.2成分形シーリング材は、基剤と着色剤の2成分を施工直前に練り混ぜて使用するシーリング材である。

2.シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。

3.シーリング材の引張応力による区分で、LM は低モジュラスを表す。

4.シーリング材のタイプは、用途による区分を表し、タイプ G はグレイジングに使用する シーリング材を指す。

答え

  1
2成分形シーリング材は、施工直前に基剤と硬化剤を調合し、練り混ぜて使用するシーリング材をいう。基剤と着色剤ではない。

2.◯
シーリング材のクラスは、目地に対する拡大率、縮小率などで区分されている。(JIS A 5758)

3.◯
シーリング材に引張応力による区分は、クラスに応じてさらに区分され、LMは低モジュラス、HMは高いモジュラスを表す。(JIS A5758)

4.◯
建築用シーリング材にJISによる分類には、タイプFとタイプGがあり、タイプGはグレイジング用(ガラス取付け用)で、タイプFはグレイジング以外に使用するものである。(JIS A 5758)

[ No.15 ]
ボード類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.フレキシブル板は、火山性ガラス質たい積物などの無機質原料及びセメントを原料として製造した板である。

2.けい酸カルシウム板は、石灰質原料、けい酸質原料、石綿以外の繊維、混和材料を原料として製造した板である。

3.シージングせっこうボードは、両面のボード用原紙及び芯のせっこうに防水処理を施したものである。

4.ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、表面化粧をしたものである。

答え

  1
フレキシブル板は、セメント、無機繊維を主原料とし、製造成形後に高圧プレスをかけたもので、強度が高く、可とう性がある。設問の記述は火山性ガラス質複層板(VSボード)のことである。(JASS26)

2.◯
記述の通りである。けい酸カルシウム板は、軽量で耐火・断熱に富み、加工性がよく、温湿度変化による伸縮・反りは小さいが吸水性は高い。(JASS26)

3.◯
シージングせっこうボードは、防水加工したせっこうボード用原紙で被覆され、かつ、せっこう中に適量の防水剤を混入して耐湿性を向上させたボードである。普通せっこうボードが使用できない多湿な場所や水回りの下地に使用する

4.◯
ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料とし、結合材、混和材を用いて成形し、灰華石模様、非貫通孔状、凹凸状、印刷、ラミネート及びそれらの組み合わせ等の表面化粧をしたものである。(建築工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題2解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

※ 問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの 5 問題は、全問題を解答してください。

[ No.16 ]
舗装に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.プライムコートは、路盤の仕上がり面を保護し、その上のアスファルト混合物層との接着をよくするために施す。

2.フィラーは、アスファルトと一体となって、混合物の安定性、耐久性を向上させるために施す。

3.タックコートは、アスファルト混合物からなる基層と表層の接着をよくするために施す。

4.シールコートは、路床の水分が凍結しないように路床の上に施す。

答え

  4
シールコートは、既設の舗装面にアスファルト乳剤を散布して骨材で覆う表面処理工法である。シールコートは、路床の水分が凍結しないために施すものではなく、下のアスファルト舗装への水の侵入、ひび割れ、老化を防ぎ、日射を遮る等の目的で施す。骨材に硬質なものを用いるとすべり止めにもなる。

1.◯
プライムコートは、路盤の上に散布されるもので、路盤の仕上り面を保護し、その上に施工するアスファルト混合物層とのなじみよくするために用いられる

2.◯
記述の通りである。フィラーには、石灰岩やその他の岩石を粉砕した石粉、消石灰、セメント、回収ダクト及びフライアッシュ等が用いられる。この中でも石灰岩を粉砕した石粉がもっとも多く用いられる。

3.◯
タックコートは、基層あるいは路盤とその上に置く混合物との間の付着をよくするためのものである。通常アスファルト乳剤を用い、一般に 0.3〜0.6 L/m2を散布する。

[ No.17 ]
測量に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スタジア測量は、レベルと標尺によって2点間の距離を正確に測定する方法である。

2.トラバース測量は、測点を結んでできた多角形の各辺の長さと角度を、順次測定していく方法である。

3.直接水準測量は、レベルと標尺によって高低を測定する方法である。

4.平板測量は、アリダードと巻尺で測量した結果を、平板上で直接作図していく方法である。

答え

  1
スタジア測量は、2点間の距離・高低差をトランシットやセオドライト等の望遠鏡につけられたスタジア線を用いて間接的に測る測量方法である。細部測量に主として利用され、特に起伏の多い地形に適する。

2.◯
トラバース測量は、既知点から順次、次の点への方向角と距離を測定して、各点の位置を測定する測量法で、角度の測定には、トランシット、距離はテープまたはスタジア法を使う。多角測量ともいい、中小規模の骨組み測量に用いられる。

3.◯
直接水準測量は、レベルと標尺を用いて地表面の2点間の高低差を求める方法である。

4.◯
平板測量は、巻尺で距離測量した結果を、三脚に取り付けた平板上でアリダードを用いて現地で直接作図できる方法である。高い精度は期待できないが、早く作業ができる。

[ No.18 ]
避雷設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.高さが 20 m を超える建築物には、原則として、有効に避雷設備を設けなければならない。

2.危険物を貯蔵する倉庫は、高さや貯蔵量にかかわらず、避雷設備を設けなければならない。

3.鉄骨造の鉄骨は、構造体利用の引下げ導線の構成部材として利用することができる。

4.受雷部は、保護しようとする建築物等の種類、重要度等に対応した4段階の保護レベルに応じて配置する。

答え

  2
指定数量の10倍以上の危険物の貯蔵倉庫には、総務省令で定める避雷設備を設ける。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(危険物の規則に関する政令第10条第1項第十四号)

1.◯
高さ 20mを超える建築物には、有効に避雷設備を設けなければならない。ただし、周囲の状況によって安全上支障がない場合においては、この限りではない。(建築基準法第33条)

3.◯
鉄骨造の鉄骨や鉄筋コンクリート造の断面積が50mm2以上の鉄筋は、構造体利用の引下げ導線として利用することができる。(JIS A4201)

4.◯
受雷部は、保護しようとする建築物等に雷撃が侵入しないように施設するもので、立地条件、建築物等の種類・重要度等によって、JIS A4201の4段階の保護レベルに応じて配置する。

[ No.19 ]
消火設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.連結散水設備は、地下街など、火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難な場所に設置される。

2.水噴霧消火設備は、微細な霧状の水の噴霧による冷却、窒息効果により、自動車車庫などの火災に適している。

3.屋内消火栓設備は、消火活動上必要な消防隊専用の施設として設置される。

4.粉末消火設備は、消炎作用が大きく、油などの表面火災に適している。

答え

  3
屋内消火設備は、消火器とともに在居者による初期消火のための主要な設備である。消防隊専用の施設として設置されるものではない。

1.◯
連結散水設備は地下街には設置が義務づけられている。目的は、地下街や地下階など火災が発生すると煙が充満して消火活動が困難となる場所に設置することで安全を確保するためである。(消防法施行令第28条の2、令別表第1(16の2))

2.◯
水噴霧消火設備は、スプリンクラーより微細な霧状の水を噴霧して消火する消火設備である。汚損や腐食性があり、博物館や図書館の収蔵庫などには適さない。なお、使用箇所としては、指定可燃物の貯蔵取扱所、駐車場等、屋内消火栓やスプリンクラー設備で消火できない防火対象物に用いる。

4.◯
粉末消火設備は、噴射ヘッドやノズルから窒素または炭酸ガスで加圧した消火粉末を放射し、熱で分解発生する炭酸ガスの窒息作用と負触媒効果による抑制作用を有する消火設備で、特に消炎作用が大きく、速効性があるもので油などの表面火災に最も効果的である。また、凍結しないので、寒冷地においても適用できる。

[ No.20 ]
請負契約に関する記述として、「公共工事標準請負契約約款」上、誤っているものはどれか。

1.受注者は、工事の施工に当たり、設計図書に示された施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。

2.受注者は、工期内で請負契約締結の日から 12 箇月を経過した後に、賃金水準又は物価水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、発注者に対して請負代金額の変更を請求することができる。

3.受注者は、発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 12 以上減少したときは、契約を解除することができる。

4.受注者は、工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない。

答え

  3
受注者(請負人)は発注者が設計図書を変更したために請負代金額が 2/3以上減少したときは、契約を解除することができる。(公共工事標準請負契約約款第49条第1項)

1.◯
公共工事標準請負契約約款第第18条第1項第四号により、受注者は工事の施工に当たり、設計図書に示された自然的または人為的な施工条件と実際の工事現場が一致しないことを発見したときは、その旨を直ちに監督員に通知し、その確認を請求しなければならない。

2.◯
工期内で請負契約締結の日から12ヶ月を経過した後、日本国内における賃金水準の変動により請負代金額が不適当となったと認めたときは、相手方に対して請負代金額の変更を請求することができる。(同第25条第1項)

4.◯
公共工事標準請負契約約款第51条により、受注者は工事目的物及び工事材料等を設計図書に定めるところにより、火災保険、建設工事保険その他の保険に付さなければならない

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題3解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※ 問題番号[ No.21 ]~[ No.33 ]までの 13 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.21 ]
墨出しに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.建物四隅の基準墨の交点を上階に移す場合、間違いや誤差を避けるために4点とも下げ振りで移す。

2.仕上げ部材を取り付けるための墨は、近接する既に出された他の部材の仕上げ墨を基準として墨出しを行う。

3.鉄骨鉄筋コンクリート造では、一般に鉄骨柱を利用して躯体工事用の基準高さを表示し、 これによりレベルの墨出しを行う。

4.床面の通り心などの基準墨は、一般に 1 m 離れた位置に返り墨を設ける。

答え

  2
仕上げ部材を取り付けるための墨は、基準墨(地墨や陸墨)を基準として墨出しを行う。近接する他の部材の仕上げ墨にも誤差があるため、それを基準とすると誤差が大きくなる。(JASS26)
1.◯
基準墨の上開への移動は、次のような方法で行われる。
(1)上階の床スラブのコンクリートを打つ際に、建物四隅の基準墨または逃げ墨の交差する場所に15㎝角程度の孔をあけ、コンクリート打込み後この孔から下げ振りを下階の基準墨まで下げ、その位置を上階の床スラブ上にうつす。
(2)四隅に出たXY方向の交差を、トランシット等を用いて結ぶことにより、基準墨を床面にうつす。

3.◯
各階基準高さ(陸墨)は、水平高さ変動のない比較的剛強なものを利用する必要があるので、鉄骨柱を利用したり、柱の主筋を利用したりして躯体工事用の基準高さを上階に移動していく

4.◯
基準墨とは、各階の通り心と高さの基準になるレベルを示す墨をいう。通り心は床の上に出すが、通常は柱や壁の心になることが多く、通り心から 1m離れたところに通り心と平行に返り墨を打っておくのが一般的である

 

[ No.22 ]
地盤調査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.一軸圧縮試験により、砂質土の強度と剛性を求めることができる。

2.電気検層(比抵抗検層)により、ボーリング孔近傍の地層の変化を知ることができる。

3.粒度試験により、細粒分含有率等の粒度特性を求めることができる。

4.常時微動測定により、地盤の卓越周期を把握することができる。

答え

  1
一軸圧縮試験は、粘性土の一軸圧縮強さや変形係数を求めるための試験である。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)

2.◯
電気検層(比抵抗検層)によって、地下水面以深にある軟弱地盤から岩盤までのすべての地盤を対象とすることができる。

3.◯
粒度試験は、土の粒度組成を数量化し、土を構成する土粒子の粒径の分布状態を把握する試験である。均等係数や細粒分含有率など粒度特性を表す指標を得ることができる。(建築基礎設計のための地盤調査計画指針)

4.◯
常時微動とは、工場機械、交通機関等の人工的な振動源で引き起こされ、変位振幅が数μm以下、振動周期が0.05秒ぐらいから数秒ぐらいまでの雑振動である。
その卓越周期は同じ場所での地震動の卓越周期と一致するという性質がある。したがって、常時微動を測定することにより、地震動の周期特性を知り、それを建物の耐震設計や設計用地震波の作成に利用できるとともに、卓越周期から地盤種別が判断できる。

[ No.23 ]
山留めの管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.山留め壁の頭部の変位を把握するために、トランシットやピアノ線を用いて計測を行った。

2.油圧式荷重計は、切梁の中央部を避け、火打梁との交点に近い位置に設置した。

3.山留め壁周辺の地盤の沈下を計測するための基準点は、山留め壁に近接した地盤面に設けた。

4.H形鋼を用いた切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置した。

答え

  3
基準点(不動点)は、掘削に影響のない箇所に設ける。通常、レベル測定の場合には根切り山留め工事の影響を直接受けない位置に建つ支持杭基礎の建物に設けることが多い。(山留め設計施工指針)
1.◯
山留め壁の頭部の変位は、挿入傾斜計等の機器を用いても計測できるが、トランシットとピアノ線を用いた簡易な方法でも計測できる。なお、ピアノ線は常に緊張しておく必要があるのでターンバックルを取り付けておく。(山留め設計施工指針)

2.◯
油圧式荷重計(盤圧計)を切梁の中央に設置すると、切梁にかかる軸力が端部より中央部の方が低くなるため、正確に軸力を計測できず、また安全上の点からも好ましくない。火打梁の基部に設置するのが好ましい

4.◯
切梁の軸力を計測するためのひずみ計は、2台を1組としてウェブに設置する。(山留め設計施工指針)

[ No.24 ]
既製コンクリート杭の施工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.先端が開放されている杭を打ち込む場合、杭体内部への土や水の流入が原因で杭体が損傷することがある。

2.中掘り工法では、砂質地盤の場合、緩みがはげしいので、先掘り長さを少なくする。

3.杭に現場溶接継手を設ける場合、原則としてアーク溶接とする。

4.埋込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より 10 cm 程度小さくする。

答え

  4
埋め込み工法において、プレボーリングによる掘削径は、杭径より100mm程度大きくする。(公共建築工事標準仕様書)
1.◯
杭先端が開放の場合は、中空部に土が入り空気が圧縮されたり、水が入りウォーターハンマー現象等で杭が破損する場合があるので、杭内の土及び水の上昇に対応し十分な空気抜き孔を設けたキャップを使用する。(建築工事監理指針)

2.◯
中堀り工法では、杭の掘削中、必要以上に先掘りすると、周囲の地盤を緩めることになるため、施工中は先端の長さの調整管理が必要である。特に、砂質地盤の場合には緩みがはげしいので、先端の長さを少なくし、杭径以内に調整することが望ましい。(JASS4)

3.◯
杭の継手処理について、溶接とする場合は、原則としてアーク溶接を用いて接合する。(JASS4)

[ No.25 ]
普通コンクリートを用いる構造部材における鉄筋のかぶり厚さに関する記述として、 最も不適当なものはどれか。

1.屋内の梁の最小かぶり厚さは、仕上げの有無にかかわらず 30 mm とする。

2.直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、30 mm とする。

3.設計かぶり厚さは、最小かぶり厚さに 10 mm 程度を加えたものとする。

4.杭基礎の基礎筋(ベース筋)の最小かぶり厚さは、杭天端から確保する。

答え

  2
直接土に接する部分の床スラブの最小かぶり厚さは、40mmとする。(建築基準法施行令第79条)

1.◯
土に接しない柱・梁・耐力壁の最小かぶり厚さは、屋外仕上げなしを除いて30mmとする。(建築基準法施行令第79条)

3.◯
柱・梁等の鉄筋の加工に用いるかぶり厚さは、最小かぶり厚さに10mmを加えた値を標準とする。(JASS5)

4.◯
杭基礎の場合の最小かぶり厚さは、杭天端からとする。(JASS5)

[ No.26 ]
鉄筋(SD 345)のガス圧接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置は、400 mm 以上ずらした。

2.同一径の鉄筋のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の 1.1 倍以上とした。

3.圧接器に鉄筋を取り付ける際、鉄筋突合せ面のすき間は 2 mm 以下とした。

4.径の異なる鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、細い方の鉄筋径の 1.2 倍以上とした。

答え

  4
ガス圧接継手のふくらみの直径は、原則として鉄筋径の1.4倍以上として、片ふくらみがないものとする。なお、鉄筋径が異なる場合は、細い方の径とする。

1.◯
ガス圧接継手の位置は、隣り合う鉄筋のガス圧接継手の位置と400mm以上ずらす

2.◯
同一径のガス圧接部のふくらみの長さは、鉄筋径の1.1倍以上とし、なだらかで、垂れ下がらないものとする。

3.◯
圧接端面のすき間は、2mm以下とし、かつ、偏心及び曲がりのないものとする。

[ No.27 ]
型枠工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.スラブ型枠の支保工に用いる鋼製仮設梁のトラス下弦材の中央部を、パイプサポートで支持した。

2.柱型枠の組立てにおいて、型枠の精度の保持を目的のひとつとして、足元は桟木で固定した。

3.コンクリート表層部をち密にするため、余剰水の排水ができるように透水型枠を採用した。

4.コンクリート表面に残る丸型セパレーターのねじ部分は、ハンマーでたたいて除去した。

答え

  1
鋼製仮設梁のトラス下弦材の支柱は、所定の支点以外のところに立てて用いない。(型枠の設計・施工指針案)

2.◯
柱型枠の足元は、型枠の垂直精度の保持、変更防止、セメントペーストの漏出防止のため、金物や桟木などを用いて根巻きを行う。(型枠の設計・施工指針案)

3.◯
透水型枠は、せき板に細かい孔などをあけ、セメント粒子を通さない特殊な織布を張った型枠を使用し、コンクリート中の気泡や余剰水を排出するので、打ち上がったコンクリート表層部の気泡やあばたが少なくなる。(JASS5)

4.◯
両面仕上げ用丸型セパレーターは、型枠取り外し後、コンクリート表面に座金およびねじ部分が残って露出するので、ねじ部分はハンマーでたたいて除去する。(建築工事監理指針)

[ No.28 ]
普通コンクリートの調合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.球形に近い骨材を用いる方が、偏平なものを用いるよりもワーカビリティーがよい。

2.水セメント比を低減すると、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

3.コンクリートの単位水量は、一般に 185 kg/m 3 以下とする。

4.コンクリートの単位セメント量の最小値は、一般に 250 kg/m3 とする。

答え

  4
単位セメント量は、水和熱および乾燥収縮によるひび割れを防止する観点からできるだけ少なくすることが望ましいが、ワーカビリティの観点からは過少になるとコンクリートの水密性、耐久性が低下するため、最小値が定められており、普通コンクリートでは270 kg/m3である。(JASS5)

1.◯
骨材の形は、できるだけ球形に近いものが理想で、偏平細長のもの、角立っているもの等はコンクリートのワーカビリティを悪くする。(建築工事監理指針)

2.◯
水セメント比を低減すると、緻密な組織のコンクリートになる。これにより水密性が向上し、塩化物イオンの浸透に対する抵抗性を高めることができる。

3.◯
コンクリートの単位水量の最大値は、185kg/m3とする。(JASS5)

[ No.29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生は、ブリージングが終了した後に行う。

2.普通ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合、振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない期間は、コンクリート打込み後3日間である。

3.大断面の部材で、中心部の温度が外気温より 25 °C 以上高くなるおそれがある場合は、保温養生により、温度ひび割れの発生を防止する。

4.普通ポルトランドセメントを用いた厚さ 18 cm 以上のコンクリート部材においては、計画供用期間の級が標準の場合は、コンクリートの圧縮強度が 10 N/mm2 以上になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。

答え

  2
コンクリートの打込み中および打込み後5日間は、乾燥・振動等によってコンクリートの凝結及び硬化が妨げられないように養生しなければならない。(建築基準法施行令第75条)

1.◯
膜養生剤を塗布して水分の逸散を防ぐ湿潤養生はブリージングの終了後に行う。(JASS5)

3.◯
大断面の柱や基礎梁など、コンクリート打込み後セメントの水和熱により部材断面の中心温度が外気温より25℃以上高くなる恐れがある場合、温度ひび割れの発生を防止するために、マスコンクリートの養生の方法で保温養生を行う。(公共建築工事標準仕様書)

4.◯
短期および標準の計画供用期間の級で、早強・普通および中庸熱ポルトランドセメントを用いた厚さ18㎝以上の部材は、10N/mm2以上の圧縮強度になれば、以降の湿潤養生を打ち切ることができる。(JASS5)

[ No.30 ]
鉄骨の溶接に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.裏当て金を用いる柱梁接合部のエンドタブの取付けは、母材に直接溶接した。

2.クレーンガーダーのエンドタブは、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工した。

3.溶接を手溶接とするので、エンドタブの長さは、自動溶接より短くした。

4.完全溶込み溶接の両端に、継手と同じ開先のエンドタブを取り付けた。

答え

  1
柱梁接合部エンドタブを取り付ける場合、裏当て金に取り付け、直接柱梁フランジに溶接は行わない。(鉄骨工事技術指針)

2.◯
エンドタブは、特記のない場合は切断の必要はないが、クレーンガーター(走行クレーンのレールを支えるための梁)のような低応力高サイクル疲労を受ける場合には、溶接後切除してグラインダーで仕上げ加工しなければならない。

3.◯
エンドタブは溶接の始端と終端の欠陥を防ぐために付ける。エンドタブの材質は一般に母材と同等以上とし、同厚、同開先のものが使用される。長さについては自動溶接70mm以上、手溶接35mm以上とする

4.◯
完全溶込み溶接および部分溶込み溶接の場合は、原則として、溶接部の始端および終端部に適切な材質・形状および長さを持った鋼製エンドタブを用いる。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.31 ]
鉄骨の耐火被覆に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.柱の耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて、各面に1箇所以上差し込んで確認した。

2.高層建物の耐火被覆材の吹付けは、ロックウール、セメント、せっこう、水を混合して圧送する乾式工法で行った。

3.巻付け工法において、耐火被覆材の取り付けに用いる固定ピンは、鉄骨にスポット溶接により取り付けた。

4.耐火板張り工法において、繊維混入けい酸カルシウム板は、一般に吸水性が大きいため、雨水がかからないよう養生を行い、接着剤と釘を併用して取り付けた。

答え

  2
吹付けロックウールの乾式工法はロックウールとセメントを工場配合した材料と水を別々に圧送して、ノズルの先端で混合して吹き付ける工法である。(建築工事監理指針)

1.◯
耐火被覆材の吹付け厚さは、確認ピンを用いて確認する。スラブ及び壁面については 2m2程度につき1箇所以上、柱は1面に各1箇所以上、梁は1本あたりウェブ両側に各1本、下フランジ端部両側に各1本差し込んで確認する。なお、確認ピンは、そのまま存置しておく。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯
巻付け工法とは、高耐熱ロックウール、セラミックファイバーブランケットまたはそれらを複合したものを現場で鉄骨に巻き付け、ワッシャー付き鋼製の固定ピンを鉄骨にスポット溶接して留める工法であり、化粧仕上げも可能である。(建築工事監理指針)

4.◯
耐火被覆成形板は一般に吸水性が大きいため、建築物の外周部に当たる鉄骨架構の耐火被覆に使用する場合には、施工時に雨水が掛からないよう養生する必要がある。また、接着剤のみに頼ると施工後の時間経過に伴い耐火被覆成形板のはく落を生じる恐れがあるので、釘やかすがい等の金物で機械的に十分緊結することが重要である。(建築工事監理指針)

[ No.32 ]
揚重運搬機械に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.傾斜ジブ式タワークレーンは、高揚程で比較的重量の大きい荷のつり上げに用いられる。

2.ジブクレーンの定格荷重は、フック等のつり具の重量を含めたものである。

3.ロングスパン工事用エレベーターの定格速度は、毎分 10 m 以下である。

4.建設用リフトの停止階には、荷の積卸口の遮断設備を設ける。

答え

  2
ジブクレーン等ジブを有するものの定格荷重は、負荷させることのできる最大の荷重から、フック等の重量を控除した荷重のことである。(クレーン等安全規則)
1.◯
傾斜ジブ式タワークレーンは、ジブを支点から斜めに突き出して荷をつるため、ジブを支点から水平に突き出した水平ジブ式タワークレーンに比べて高揚程で、比較的重量の大きい荷をつり上げるのに適している。

3.◯
ロングスパン工事用エレベーターは、昇降速度 10m/分以下で、数名の人員と長尺物の材料の運搬ができ、設置が簡単である。積載荷重は1t前後の機種が多い。(建築工事監理指針)

4.◯
建設用リフトの停止階には、安全上、荷の積卸口の遮断設備を設置する。(労働安全衛生規則)

[ No.33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事における柱補強工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.溶接金網巻き工法において、溶接金網に対するかぶり厚さ確保のため、溶接金網は型枠建込み用のセパレーターに結束して固定した。

2.溶接閉鎖フープ巻き工法において、フープ筋の継手は、溶接長さが片側 10 d(d はフープ 筋の径又は呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とした。

3.鋼板巻き工法において、 コ形に加工した2つの鋼板を 形に一体化する際、接合部の溶接は部分溶込み溶接とした。

4.連続繊維補強工法のシート工法において、シートの切り出し長さは、柱の周長にラップ長さを加えた寸法とした。

答え

  3
角形鋼板や円形鋼板補強では、鋼板を2つ割以上に分割して工場製作し、現場にて完全溶込み溶接で一体化する。(建築改修工事監理指針)

1.◯
溶接金網は、型枠立て込み用セパレータ等に結束して、かぶり厚さを確保する。(建築改修工事監理指針)

2.◯
フープ等の継手は、溶接長さが片側10d(dはフープ筋の径または呼び名に用いた数値)以上のフレア溶接とする。(建築改修工事監理指針)

4.◯
シートの切り出しは、シートの割付け図にしたがって、連続繊維シートを切り出す。切り出し長さは、柱の周長にラップ長さ(200mm以上)を加えた寸法とする。(建築改修工事監理指針)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題4解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題4 解答解説

※ 問題番号[ No.34 ]~[ No.45 ]までの 12 問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.34 ]
合成高分子系ルーフィングシート防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.加硫ゴム系シート防水において、接着仕様の防水層立上りの末端部の処理は、押え金物で固定し、シール材を用いた。

2.加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け前に非加硫ゴム系シートで増張りを行った。

3.塩化ビニル樹脂系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付け後に成形役物を張り付けた。

4.塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、クロロプレンゴム系の接着剤により接合した。

答え

  4
塩化ビニル樹脂系シート防水において、シート相互の接合部は、テトラヒドロフラン系溶接剤または熱融着により接合する

1.◯
加硫ゴム系シート防水の末端部は、端部にテープ状シール材を貼り付けた後ルーフィングシートを張り付け、押さえ金物を用いて留め付けて、不定形シール材で処理する。

2.◯
加硫ゴム系シート防水の出隅角の処理は、シートの張付けに先立ち、非加硫ゴム系シートを用いて増張りする。(JASS8)

3.◯
塩化ビニル樹脂系シート防水工法の接着仕様の場合、出隅角はシート施工後、成形役物を張り付け、その端部はシール材を用いて処理する。(JASS8)

[ No.35 ]
塗膜防水に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅を 50mm、補強布の重ね幅は 100mm とした。

2.ウレタンゴム系防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重が 1.0 のものを使用し、 3.0 kg/m2 とした。

3.ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅及び入隅は、補強布を省略しゴムアスファルト系防水材を用いて、増吹きにより補強塗りを行った。

4.ゴムアスファルト系室内仕様の防水材の総使用量は、固形分 60 % のものを使用し、 4.5 kg/m2 とした。

答え

  1
ウレタンゴム系防水材の塗継ぎの重ね幅は、100mm以上とし、補強布の重ね幅は、50mm以上とする。(公共建築工事標準仕様書)

2.◯
ウレタンゴム系塗膜防水材の平場部の総使用量は、硬化物比重 1.0の材料を使用した場合、3.0kg/m2とする。(建築工事監理指針)

3.◯
ゴムアスファルト系地下外壁仕様において、出隅および入隅部は、補強布を省略することができる。補強布を省略する場合は、増吹きにより補強塗りを行う。(建築工事監理指針)

4.◯
ゴムアスファルト系室内仕様防水材の総使用量は、固形分 60%(質量)を使用した場合、4.5kg/m2とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.36 ]
乾式工法による外壁の張り石工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.厚さ 30 mm、大きさ 500 mm 角の石材のだぼ穴のはしあき寸法は、60 mm とした。

2.下地面の寸法精度は、±10 mm 以内となるようにした。

3.だぼ穴からはみ出ただぼ穴充填材は、硬化前に除去した。

4.ファスナーは、ステンレス鋼材の SUS 304 を使用した。

答え

  1
外壁乾式工法において、石材のはしあき寸法は、石材の厚みの3倍以上としバランスよく割り振る。石材の厚さが30mmの場合は、はしあき寸法は90mm以上必要である。(JASS9)

2.◯
外壁乾式工法において、下地面の寸法精度は、±10mmを標準値とする。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯
だぼ穴から充填材がはみ出すと、変位吸収のためのルーズホールをふさいでしまう。このため、充填材の量に留意すると同時に、不要な充填材は硬化前に除去する。(建築工事監理指針)

4.◯
外壁乾式工法のファスナーは、ステンレス(SUS304)製とし、ダブルファスナー形式とする。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.37 ]
金属製折板葺屋根工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.けらば包みの継手位置は、けらば用タイトフレーム間の中央付近とした。

2.屋根の勾配が小さいので、軒先に 15 °の尾垂れを付けた。

3.水上の先端部分には、雨水を止めるために止水面戸を設けた。

4.水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを 150 mm とした。

答え

  1
けらば包みの継手位置は、できるだけタイトフレームに近い位置に設け、継手の重ねは 60mm以上とする。(JASS12)

2.◯
折板葺屋根の折板の勾配はほとんどゼロに近いことが多いので、強風雨時に雨水の一部が折板の裏面を伝わって室内に浸入することがある。これを防ぐため、折板の軒先に 15°程度の尾垂れを付ける。(建築工事監理指針)

3.◯
記述の通りである。止水面戸は、折板の水上端部に堅固に取り付ける。止水面戸の周囲は、不定形シーリング材でシールする。(JASS12)

4.◯
水上部分の壁との取合い部に設ける雨押さえは、壁際で150mm以上立ち上げる。(JASS12)

[ No.38 ]
軽量鉄骨壁下地に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ランナーは、両端部は端部から 50mm 内側で固定し、中間部は 900mm 間隔で固定した。

2.スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付けた。

3.スタッドの間隔は、ボード2枚張りの場合は 600mm とし、ボード1枚張りの場合は300mm とした。

4.スタッドの建込み間隔の精度は、±5mm とした。

答え

  3
スタッドの間隔は、下地張りのある場合は450mm程度とし、仕上げ材料を直張りするか、壁紙または塗装下地の場合は、300mm程度とする。(JASS26)

1.◯
ランナーは、端部から50mm程度内側で押さえ、間隔900mmm程度に折込ピン等で、床・梁下・上階スラブに固定する。(建築工事監理指針)

2.◯
スタッドは、上下ランナーに差し込み、半回転させて取り付ける。仕上げボード類はスタッドに直接タッピングねじの類で取り付けられるため、間隔を精度よく建て込む。また、スタッドにねじれや倒れがあると、仕上げボードに目違いが生じるので、建入れ通りに十分注意する。(JASS26)

4.◯
通常の天井高におけるスタッドの建込み間隔の精度は ±5mm以下とする。また、スタッドの垂直の精度は一般的に±2mm以下とする。(建築工事監理指針)

[ No.39 ]
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材 E)に関する記述として、 最も不適当なものはどれか。

1.下塗材の所要量は、試し塗りを行い、0.2 kg/m2とした。

2.増塗りは、出隅、入隅、目地部、開口部まわり等に、はけ又はローラーにより行った。

3.主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホールがないように均一に塗り付けた。

4.凸部処理は、主材の模様塗り後1日経過してから行った。

答え

  4
凸部処理は、こてまたはローラー押さえにより、見本と同様の模様になるように主材の模様塗り後、1時間以内に適当な時間を選んで行う。(JASS23)

1.◯
下地の種類や状態によって下地材の吸込みが異なるので、下塗材の所要量は一般に 0.1~0.3kg/m2とする。適用に当たっては試し塗りを行って、所要量を確認する。(建築工事監理指針)

2.◯
一般の複層塗材と異なり、下地のひび割れ追従性が要求されるので、塗厚が薄くなったり、不均一になったりしてひび割れ追従性が低下しないよう、主材の基層塗り前に出隅、入隅、目地部の周り等をはけやコーナー用ローラー等で増塗りしておく。(JASS23)

3.◯
主材の基層塗りは2回塗りとし、だれ、ピンホール、塗残しのないように下地を覆うように塗りつける。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.40 ]
アルミニウム製建具に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.アルミニウム合金がコンクリート、モルタルに接する箇所には、ウレタン樹脂系の塗料を施した。

2.建具枠のアンカーは、枠を確実に固定できる構造とし、間隔は 500 mm 以下とした。

3.外部建具周囲のモルタルを充填する際は、仮止め用のくさびを取り除いた。

4.外部建具周囲の充填モルタルは、NaCl 換算 0.06 %(質量比)以下まで除塩した海砂を使用した。

答え

  4
充填モルタルに使用する砂の塩分含有量は、NaCl換算0.04%(質量比)以下とする。海砂等を用いる場合は除塩する。(建築工事監理指針)

1.◯
アルミニウム材がコンクリート、モルタル等アルカリ性材料に接する箇所には、耐アルカリ塗装を施す。耐アルカリ塗装は、一般には透明のアクリル樹脂系が使用される。(JASS16)

2.◯
アンカーの位置は、枠の隅より 150mm以下を端とし、中間は500mm以下の間隔とする。アンカーと差し筋は最短距離で溶接する。(JASS16)

3.◯
コンクリート外壁に建具枠を取り付ける場合、仮止めに用いるくさびは、モルタルを充填する際、必ず取り除かなければならないので、長いくさびを使用し、くさびを残したままでは、モルタル充填の作業ができないようにする。

[ No.41 ]
コンクリート素地面の塗装工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.2液形ポリウレタンエナメル塗りにおいて、下塗り及び中塗りの工程間隔時間の上限は7日とした。

2.常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りにおいて、気温が 20 °Cだったので、塗膜の層間付着性に配慮し、工程間隔時間を 24 時間とした。

3.アクリル樹脂エナメル塗りにおいて、中塗り、上塗りには、同一材料を使用し、塗付け量 は 0.09 kg/m2 ずつとした。

4.合成樹脂エマルションペイント塗りにおいて、流動性を上げるため、有機溶剤で希釈して使用した。

答え

  4
合成樹脂エマルションペイントは、共重合樹脂エマルションやラテックスをベースとして、着色顔料や体質顔料・補助剤・添加剤等を加えた水系塗料で、水による希釈が可能で、加水して塗料に流動性をもたせることができる。(JASS18)

1.◯
下塗りおよび中塗りの工程間隔時間は、16時間以上7日以内とする。(JASS18)

2.◯
気温20℃のとき、標準工程間隔時間は16時間以上7日以内と設定して、塗膜の層間付着性に配慮する。(JASS18)

3.◯
アクリル樹脂エナメル塗りは、下地処理後、塗膜が十分に乾燥していることを確認してから研磨紙を用いて平滑に仕上げる。研磨が終了したのちは、研ぎかすを十分に除去してから次の工程に移る。塗装は、下塗り、中塗り、上塗りに同一材料を使用し、塗り付け量は0.09kg/m2ずつとする。(JASS18)

[ No.42 ]
ビニル床シート張りに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.熱溶接工法の溶接部の溝は、V 字形とし、深さを床シート厚さの 2/3 とした。

2.湯沸室の床への張付けには、酢酸ビニル樹脂系接着剤を使用した。

3.寒冷期に施工する際、採暖を行い、床シート及び下地とも 5 °C 以下にならないようにした。

4.床シートを立ち上げて幅木としたので、天端処理は、シリコーンシーリング材でシールする方法とした。

答え

  2
湯沸室、洗面所等、特に水を扱う部屋、湿気のある部屋、結露しやすい部屋等には耐水性に優れたエポキシ樹脂系、またはウレタン樹脂系接着剤を用いる。(建築工事監理指針)

1.◯
ビニル床シートの溶接の接合部の溝は、V字形またはU字形とし、均一な幅で床シートの厚さの 2/3程度まで溝切りとする。(公共建築工事標準仕様書)

3.◯
施工時の作業環境温度が 5℃以下になると、床タイルは硬く下地になじみにくくなり、割れ・欠けが生じるものもある。されに接着剤のオープンタイム、張付け可能時間が極端に長くなるので、ジェットヒーターなどで採暖を行い室温を10℃以上に保つようにする。(JASS26)

4.◯
ビニル床シート張りは、ビニル床シートを床面から壁に向かって立ち上げて張り付け、幅木と床を一体に仕上げる工法である。この工法の幅木の天端処理は、小端をシリコーンシーリング材でシールする方法とする。(建築工事監理指針)

[ No.43 ]
断熱工事における硬質ウレタンフォームの吹付け工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.コンクリート面に吹き付ける場合、吹付け面の温度は 20 ~ 30 °C が適当である。

2.吹付け作業は、随時厚みを測定しながら作業し、吹付け厚さの許容誤差は0から+10mm とする。

3.換気の少ない場所では、酸欠状態となりやすいので、強制換気などの対策を行う。

4.冷蔵倉庫など断熱層が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは 100 mm とする。

答え

  4
冷蔵倉庫などの断熱材が特に厚い施工では、1日の最大吹付け厚さは80mm以下とする。また、層間でのはく離やフォームのクラック防止のために、メッシュを何層にも入れながら吹き付ける方がよい。(JASS24)
1.◯
下地コンクリート面の温度は、発泡倍率や接着性に大きな影響を及ぼすが、一般的には、温度20〜30℃が最適である。なお、最近では技術の進歩により、原液を調整することによって-5℃でも施工が可能となっている。(JASS24)
2.◯
1回の吹付け厚さは10〜20mmが標準であり、所定の厚みがこれ以上の場合には、多層吹きとする。次の層を吹き付ける時間は、発泡硬化が安定するおよそ1時間以上おいてからとし、必ず所定の厚みの確認をする。作業者は吹付けの作業中ワイヤーゲージ等を用いて随時厚みを測定する。吹付け厚さの許容誤差は0〜+10mmとする。(建築工事監理指針)
3.◯
現場の作業環境を事前にチェックし、換気の少ない場所での施工には、酸欠状態になりやすいので、必ず強制換気を行い、保護マスクを着用し、必要に応じて、送風マスクや自給式マスクを着用する。(建築工事監理指針)

[ No.44 ]
メタルカーテンウォール工事に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。

1.床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収するため、ルーズホールとした。

2.部材の熱伸縮による発音を防止するため、滑動する金物間に摩擦低減材を挟んだ。

3.パネル材は、脱落防止のために3箇所以上仮止めし、本止め後速やかに仮止めボルトを撤去した。

4.組立て方式は、すべての構成部材を工場で組み立てるノックダウン方式とした。

答え

  4
ノックダウン方式とは、製品を部材や半製品の状態で出荷し、現場で組み立てる生産方式である。すべての構成部材を工場で組み立てるのは、ユニット方式である。

1.◯
床面に取り付けるファスナーのボルト孔は、躯体の施工誤差を吸収する大きめの孔(ルーズホール)とし、取付け墨で取付け位置の仮調整を行ってボルト締めを行う。(建築工事監理指針)

2.◯
記述の通りである。滑動する金物間に摩擦低減材を挿入する材料として、テフロン、ステンレス板等が用いられる。(JASS14)

3.◯
カーテンウォール部材は、パネル材では3箇所以上、形材では2箇所以上仮止めし、脱落しないように固定する。取付け位置の調整後、速やかに本止めし、本止め後仮ボルトは速やかに撤去する。(建築工事監理指針)

[ No.45 ]
内装改修工事における既存床仕上げ材の撤去及び下地処理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ビニル床タイルは、ダイヤモンドカッターで切断し、スクレーパーにより他の仕上げ材に損傷を与えないように撤去した。

2.合成樹脂塗床の塗り替えにおいて、下地面に油が付着していたので、油潤面用のプライ マーを用いた。

3.コンクリート下地の合成樹脂塗床材は、電動ケレン棒を使用し、コンクリート下地表面から 3 mm 程度の深さまで削り取った。

4.磁器質床タイルを電動はつり器具により撤去する際に、張替え部をダイヤモンドカッターで縁切りをした。

答え

  1
ビニル床シート、ビニル床タイル、ゴム床タイル等の除去は、カッター等で切断し、スクレーパー等により他の仕上げ材に損傷を与えないように行う。ダイヤモンドカッターは用いない。(公共建築改修工事標準仕様書)

2.◯
プライマーは、下地、コンクリートの湿潤状態、油潤状態により使い分ける必要がある。下地面に用いる場合は、油潤面用のプライマーを用いる。(建築改修工事監理指針)

3.◯
コンクリート下地の合成樹脂塗床材の撤去は、機械で除去する場合、電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用する。下地がモルタル塗りの時はモルタル下地とも、下地がコンクリートの時はコンクリート表面から3mm程度削り取る。(公共建築改修工事標準仕様書)

4.◯
磁器質床タイルは、張替え部をダイヤモンドカッター等で縁切りをして、タイル片を電動ケレン棒、電動はつり器具等を使用し、周囲を損傷しないように削りとる。(公共建築改修工事標準仕様書)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題5解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題5 解答解説

※ 問題番号[ No.46 ]~[ No.70 ]までの 25問題は、全問題を解答してください。

[ No.46 ]
仮設計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.現場に設ける工事用の事務所は、強度や防火性能を満足した上で、経済性や転用性も重視して計画した。

2.作業員の仮設男性用小便所の箇所数は、同時に就業する男性作業員 30人以内ごとに1個を設置する計画とした。

3.仮囲いを設けなければならないので、その高さは地盤面から 1.5 m とする計画とした。

4.仮囲いは、工事現場の周辺や工事の状況により危害防止上支障がないので、設けない計画とした。

答え

  3

工事現場の仮囲いについては、高さが 1.8m以上の板塀その他これに類する仮囲いを設けなければならない。ただし、これらと同等以上の効力を有する他の囲いがある場合は、この限りではない。(建築基準法施行令)

1.◯

工事現場事務所は、工事期間中だけの一時的な仮設であるから、建物の構造の強度、防水、耐火の諸機能を満足した上で、経済性、転用性を重視すべきである。

2.◯

男子用大便所の便器の数は、同時に就業する男性労働者60人以内ごとに1個以上、男性用小便器の個数は、同時に就業する男性労働者 30人以内ごとに1個以上とする。(労働安全衛生規則)

4.◯

工事現場の周辺もしくは工事の状況により、危害防止上支障がない場合は、仮囲いを設けなくてもよい。(建築基準法施行令)

[ No.47 ]
仮設設備の計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.工事用使用電力量が 90 kW 必要となったので、低圧受電で契約することとした。

2.工事用電気設備のケーブルを直接埋設するので、その深さを、重量物が通過する道路下は 1.2 m 以上とし、埋設表示することとした。

3.工事用使用電力量の算出に用いる電灯の同時使用係数は、1.0 とすることとした。

4.工事用使用電力量が工程上で極端なピークを生じるので、一部を発電機で供給することとした。

答え

  1

工事用電力は、電力会社に申し込むことになるが、使用電力により、契約電力が 50kW未満の場合は低圧受電、50kW以上 2,000kW未満の場合は高圧受電、2,000kW以上の場合は特別高圧受電となる。

2.◯

現場内幹線配線設備において、ケーブルを埋設する場合、その深さは、重量物が通過する道路で 1.2m以上、その他では 0.6m以上とし埋設表示をする。(JASS2)

3.◯

工事用使用電力量の算出に用いる電灯や、コンセントから使用する工具類の同時使用係数は、0.7~1.0に設定する。(JASS2)

4.◯

工事用の電力量が工程上で極端なピークを生じることは不経済となるので、一部を発電機から供給するなど電力の平準化を図ることは適切である。例えば、スタッド溶接は、大きな電力を短期間で使用するので、発電機で対応するのが一般的である。

[ No.48 ]
施工計画書の作成に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.総合施工計画書は、施工方針、施工計画、管理計画を含めて作成する。

2.総合施工計画書は、工種別施工計画書を先に作成し、それに基づき作成する。

3.工種別施工計画書は、施工方針に大きく関わる主要な工事について作成する。

4.工種別施工計画に含まれる施工要領書は、専門工事業者が作成してもよい。

答え

  2

総合施工計画書は、工事の着手に先立ち、総合仮設を含めた工事の全般的な進め方や、主要工事の施工方法、品質目標と管理方針、重要管理事項などの大要を定めた総合的な計画書である。また、工種別施工計画書は、一工程の施工着手前に、総合施工計画書に基づいて、工種別の施工計画書を定めたものであり、施工要領書も含む。(建築工事監理指針)

1.◯

施工計画書には、

 ①工事の一般事項

 ②工事の範囲

 ③施工体制

 ④施工計画

 ⑤品質管理の方法

 ⑥安全監理

などを記載する。

3.◯

工事の内容・品質に多大な影響を及ぼすと考えられる工事部分については、監理者と協議した上で、必要工事部分の工種別施工計画書を作成し、監理者の承認を受ける。

4.◯

施工要領書は施工手順等を示したもので、一般には専門工事業者が作成する。元請業者は、施工計画書との整合性等をチェックする。

[ No.49 ]
施工計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.地下躯体の工事において、作業員の通行用の渡り桟橋は、切梁の上に設置する計画とした。

2.乗入れ構台の構造計算に採用する積載荷重は、施工機械や車両などの荷重のほかに、雑荷重として 1kN/m2 を見込む計画とした。

3.部材の剛性が小さい鉄骨は、大ブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした。

4.仮設の荷受け構台は、跳ね出しタイプで上階からワイヤロープでつる構造とし、ワイヤロープの安全係数を 10 で計画した。

答え

  3

建入れ直しは、各節の建方が終わるごとに行い、その上の節の建方を容易にする。また、面積が広くスパンの数が多い場合は、有効なブロックに分けて修正を行うことが望ましい。また、部材の剛性が小さい鉄骨では、ワイヤを緊張しても部材が弾性変形するだけで修正されていない場合があるので注意を要する。このような場合には、できるだけ小ブロックごとに決めていく。(鉄骨工事技術指針)

1.◯

地下躯体工事中、作業員の作業場所への通行路、資材置き場からの小運搬用の通路として、山留め腹起し及び切梁があればその上に渡り桟橋を設けて、作業用の仮設通路を設置することがある。(JASS2)

2.◯

乗入れ構台の構造計算に採用する荷重には、固定荷重、積載荷重、積雪荷重、風圧力、地震力等がある。積載荷重では、施工機械・車両などの荷重、仮置き資材荷重以外の荷重は雑荷重として 1kN/m2を採用する。(期限付き構造物の設計・施工マニュアル)

4.◯

記述の通りである。(労働安全衛生規則第164条第3項)

つり部材の種類   安全係数

つりワイヤロープ  10以上

つり鎖(チェーン) 5以上

台付けワイヤロープ 4以上

玉掛けワイヤロープ 6以上

[ No.50 ]
工事現場における材料の保管に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.車輪付き裸台で運搬してきた板ガラスは、裸台に乗せたまま保管した。

2.ロール状に巻いたカーペットは、屋内の乾燥した場所に、縦置きにして保管した。

3.床シート類は、屋内の乾燥した場所に、直射日光を避けて縦置きにして保管した。

4.防水用の袋入りアスファルトは、積み重ねを 10 段までとして保管した。

答え

  2

カーペットの保管場所は、直射日光や湿気による変色や汚れ防止のため屋内とし、乾燥した平坦な床の上に縦置きせず、2~3段までの俵積みで保管する

1.◯

木箱、パレットあるいは車輪付き裸台で運搬してきたガラスは、そのまま保管する。(JASS17)

3.◯

床シートは、乾燥した室内に直射日光を避けて縦置きにする。転倒を防止するため、ロープで柱等に固定しておく。(JASS26)

4.◯

アスファルトを屋外に保管する場合は、雨露に当たらないように、また、土砂で汚染されないようにシートを掛けるなどの処置をする。なお、袋入りアスファルトを積み重ねるときは、10袋を超えて積まないようにして荷崩れに注意する。(建築工事監理指針)

[ No.51 ]
杭地業工事の支持地盤の確認において、記録すべき事項に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.既製コンクリート杭のセメントミルク工法では、全杭について掘削機駆動用電動機の消費電流値を記録する。

2.鋼杭の打込み工法では、全杭について最終貫入量等を測定したものを記録する。

3.場所打ちコンクリート杭のアースドリル工法では、全杭について掘削機駆動用電動機の消費電流値を記録する。

4.場所打ちコンクリート杭のオールケーシング工法では、全杭について所定の深さから排出される土を確認し、記録する。

答え

  3

アースドリル工法の支持層の確認は、バケット内の土砂を、土質柱状図及び土質試料を照らし合わせて行う。また、その際ケリーバーの振れや回転抵抗も参考にする。(建築工事監理指針)

1.◯

セメントミルク工法では、掘削深度か支持地盤に近づいたら掘削速度を一定に保ち、アースオーガーの駆動用電動機の電流値の変化を読み取って支持地盤絵への到達を確認する。(建築工事監理指針)

2.◯

鋼杭の打込み工法では、最終貫入量等を測定する。(公共建築工事標準仕様書)

4.◯

オールケーシング工法の支持地盤の確認は、ハンマーグラブでつかみ上げた土砂と土質柱状図及び土質試料と対比して行う。(建築工事監理指針)

[ No.52 ]
労働基準監督署長へ提出する計画の届出に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.積載荷重 1 t 以上の人荷用のエレベーターを設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日の 14日前までに届け出なければならない。

2.支柱の高さが 3.5 m 以上の型枠支保工を設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日 の 30日前までに届け出なければならない。

3.高さが 31 m を超える建築物を解体する場合は、その計画を当該仕事の開始の日の 14日前までに届け出なければならない。

4.ゴンドラを設置する場合は、その計画を当該工事の開始の日の 30 日前までに届け出なければならない。

答え

  1

積載荷重 1t 以上のエレベーターを設置する場合、その工事開始日の30日前までに建設物設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法第88条)

2.◯

支柱の高さが 3.5m以上の型枠支保工を設置する場合、当該工事の開始日の 30日前までに、建設物設置届を労働基準監督署長に提出しなければならない。(労働安全衛生報88条、規則第86条)

3.◯

高さが 31mを超える建築物または工作物を建設、改造、解体または破壊する場合は、建設工事計画書を作業開始の日の14日前までに労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生規則第90条)

4.◯

ゴンドラを設置する場合、その工事開始日の30日前までに建設物設置届を労働基準監督署長に届け出なければならない。(労働安全衛生法)

[ No.53 ]
工程管理における進ちょく度管理に関する記述イ.~ニ.を一般的な手順に並べたものとして、最も適当なものはどれか。

イ.作業員の増員、施工方法の改善等の遅延対策を立てる。

ロ.遅れている作業の工程表の作成や工程表によって余裕時間を再検討する。

ハ.工程会議などで遅れの原因がどこにあるか調査する。

ニ.工程表によって進ちょくの現状を把握する。

1.ハ → ニ → イ → ロ

2.ハ → ニ → ロ → イ

3.ニ → ハ → イ → ロ

4.ニ → ハ → ロ → イ

答え

  4

工程管理における進捗度管理は、一般に次の手順で行う。

① 工程表によって進ちょくの現状を把握する

 ↓

② 工程会議などで遅れの原因がどこにあるか調査する

 ↓

③ 遅れている作業の工程表の作成や工程表によって余裕時間を再検討する

 ↓

④ 作業員の増員、施工方法の改善等の遅延対策を立てる

したがって、ニ → ハ → ロ → イ の順序となり、正解は4

[ No.54 ]
高層建築の鉄骨工事において、所要工期算出における各作業の一般的な能率に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり 40 ~ 45 ピースとした。

2.トルシア形高力ボルトの締付けは、3人1組で1日当たり 900 ~ 1,200 本とした。

3.現場溶接は、1日1人当たりボックス柱で2本、梁で5箇所とした。

4.タワークレーンのクライミングの1回に要する日数は、1.5 日とした。

答え

  2

トルシア形高力ボルトの1日における締付け作業効率は、ビルで450~700本、工場建築物で400~600本である。900~1,200本は締付けできない。(鉄骨工事技術指針)

1.◯

高層建築の鉄骨工事において、タワークレーンの揚重ピース数は、1日当たり40~45ピースとする。(鉄骨工事技術指針)

3.◯

一般に現場溶接の1日の平均能率は、溶接技術者1人当たりはコラム柱で2本、梁で5箇所といわれている。(鉄骨工事技術指針)

4.◯

タワークレーンのクライミング1回に要する日数は、準備を含めて 1.5日である。

[ No.55 ]
工程の短縮のための工法として、最も効果の少ないものはどれか。 ただし、建物は一般的な事務所ビルで、鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階、地上9階建とする。

1.地下躯体工事は、逆打ち工法を採用する。

2.柱、梁の鉄筋は、先に鉄骨に取り付ける先組工法を採用する。

3.スラブ型枠には、床型枠用鋼製デッキプレートを採用する。

4.鉄骨建方は、水平積上げ方式を採用する。

答え

  1

逆打ち工法は、地下躯体を山留め支保工に利用して掘削を進める工法である。1階床・梁部分を先行して構築し、次いで下部の掘削を行い、躯体を構築する工法である。地下工事と地上工事を併行して行うことも可能であり、地下の深い場合に採用すると工程の短縮となるが、地下1階程度では工程の短縮にはつながらない

2.◯

鉄筋先組工法は、柱、梁等の鉄筋をあらかじめかご状に組んだものを鉄骨に巻き付け、クレーンを使用して建て込む工法で、工期短縮と省力化が可能である。

3.◯

鋼製のデッキプレートを床型枠として用いる工法は、型枠を支持するための支柱を用いる必要がなく、解体作業も不要のため、現場作業が簡単で経済性に優れ、省力化と工期短縮に有効である。

4.◯

積上げ方式とは、鉄骨を各節ごとに全平面にわたって積み上げていき、後続工事をすぐ下階から追いかけてできるようにする方式で、鉄骨骨組の安定性に優れ、後期工事が早期に着手でき、一定速度で施工ができるという特徴がある。(鉄骨工事技術指針)

[ No.56 ]
ネットワーク工程表に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻 (EFT)を差し引いて求められる。

2.クリティカルパス以外の作業でも、フロートを消費してしまうとクリティカルパスになる。

3.フリーフロートが 0 ならば、トータルフロートも必ず 0 である。

4.クリティカルパスは、必ずしも1本とは限らない。

答え

  3

トータルフロートとは、フリーフロートとディペンデントフロートの和である。したがって、フリーフロートが 0でも、トータルフロートが 0とは限らない。

1.◯

トータルフロートは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早開始時刻(EST)及び作業日数を引いて求める。

2.◯

クリティカルバス以外の作業でも、その作業または経路上の作業においてフロートを使い切ってしまえば、クリティカルパスとなる。

4.◯

クリティカルパスとは、最初の作業から最後の作業に至る最も時間のかかるパスである。違う経路でも同じ日数がかかり、それが最長の経路であれば、それぞれがクリティカルパスとなる。

[ No.57 ]
日本工業規格(JIS)に規定する品質管理の用語に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.許容差とは、許容限界の上限と下限の差である。

2.かたよりとは、計量的な観測値の最大値と最小値の差である。

3.ばらつきとは、観測値・測定結果の大きさがそろっていないこと、又は不ぞろいの程度である。

4.誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である。

答え

  2

かたよりとは、「観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた値」である。計量的な観測値の最大値と最小値の差はレンジである。(JIS Z8101)

1.◯

許容差とは「許容限界の上限と下限の差」である。許容差は、規定された基準値と規定された限界値との差をいうが、交差と同様の意味で使用される場合もある。(JIS A8101)

3.◯

ばらつきとは、「観測値、測定結果の大きさがそろってないこと。または不ぞろいの程度」である。(JIS Z8101)

4.◯

誤差とは、観測値・測定結果から真の値を引いた値である。(JIS Z8101

[ No.58 ]
建築施工における品質管理に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.目標品質を得るための管理項目を設定し、次工程に渡してもよい基準としての管理値を明示する。

2.施工品質管理表(QC 工程表)の作成は、工種別又は部位別とし、一連の作業を重要度の高い順に並べる。

3.確認が必要な項目は、品質管理計画に基づき、試験又は検査を行う。

4.材料・部材・部品の受入れ検査は、種別ごとに行い、必要に応じて監理者の立会いを受ける。

答え

  2

施工品質管理表(QC工程表)は、工程のどこで、何を、誰がどのように管理するかを決め、工程の流れに沿って整理したもので、品質管理の要点を明確にした管理のための標準である。

1.◯

管理のための重点項目を「そこに注意すれば目標とする品質特性が得られる」ポイントとして拾い出し、これを管理項目として設定し、次工程に渡しても良い基準として管理値を明示する。(JASS1)

3.◯

施工管理において、確認が必要な項目は、品質管理計画に基づき、試験・検査等を行う。(建築工事監理指針)

4.◯

材料・部材・部品の受け入れ検査は、種別ごとに行い、試験は必要に応じて行う。その実施に際し、必要に応じて管理者の立会いを受ける。(JASS1)

[ No.59 ]
レディーミクストコンクリートの品質管理に一般的に用いられる管理図として、最も適当なものはどれか。

1.X−R管理図

2.R 管理図

3.X管理図

4.X管理図

答え

  1.◯

X-R 管理図は、平均値の変化を見るためのXバ-管理図とばらつきの変化を見るためのR管理図を同時に併記し管理できるので、高力ボルト、レディーミクストコンクリートの品質管理に適している。

2.×

R管理図は、群のデータのばらつき範囲を用いて工程の分散を評価するための管理図であり、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

3.×

X管理図は、サンプルの個々の測定値を用いて工程を評価するための管理図であり、計量値の管理に使うもので、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

4.×

Xバー管理図は、平均値で群間の違いを評価するための管理図であり、これだけでは、製品の精度のばらつきがわからないので、レディーミクストコンクリートの品質管理には適さない。

[ No.60 ]
JIS Q 9000(品質マネジメントシステム−基本及び用語)の用語の定義に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.品質とは、明示されている、通常、暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている、ニーズ又は期待である。

2.品質特性とは、要求事項に関連する、製品、プロセス又はシステムに本来備わっている特性である。

3.品質保証とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。

4.品質管理とは、品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。

答え

  1

品質とは本来備わっている特性の集まりが要求事項を満たす程度のことで、記述は要求事項のことである。(JIS Q9000)

2.◯

品質特性とは、要求事項に関連する、製品、プロセスまたはシステムに本来備わっている特性である。(JIS Q9000)

3.◯

品質保障とは、品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。(JIS Q9000)

4.◯

品質管理とは、品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた品質マネジメントの一部である。(JIS Q9000)

[ No.61 ]
鉄筋のガス圧接工事の試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.圧接部の抜取検査は、試験方法について特記がなかったので、超音波探傷試験で行った。

2.外観検査は、圧接面のずれ、鉄筋中心軸の偏心量、折れ曲がりなどについて行った。

3.抜取検査の超音波探傷試験は、1検査ロットに対して3箇所無作為に抜き取って行った。

4.抜取検査で不合格となったロットについては、試験されていない残り全数に対して超音波探傷試験を行った。

答え

  3

抜取検査の超音波探傷試験は、非破壊試験で1検査ロットに対して30箇所行う。1検査ロットに対して3箇所行うのは、破壊検査である引張り試験である。(公共建築工事標準仕様書)

1.◯

抜取検査は、超音波探傷試験または引張試験とし、その適用に当たっては、特記がなければ超音波探傷試験とする。(公共建築工事標準仕様書)

2.◯

外観検査は、

 ①圧接部のふくらみの直径

 ②ふくらみの長さ

 ③圧接面のずれ

 ④軸心のずれ

 ⑤圧接部の折れ曲り

について行う。(公共建築工事標準仕様書)

4.◯

抜き取り検査で合格になったロットは、圧接方法、圧接機などに何らかの欠陥要因があるものと考えられる。不合格になった原因を確かめるとともに同じロットの残り全数の圧接部について欠陥がないか超音波探傷試験を行う。(公共建築工事標準仕様書)

[ No.62 ]
壁面の陶磁器質タイル張り工事における試験及び検査に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.外壁のタイル張り及び屋内の吹抜け部分のタイル張りの打音検査は、タイル張り面積の全面について行う。

2.接着力試験の試験体の個数は、300 m2 ごと及びその端数につき1個以上とする。

3.二丁掛けタイルの接着力試験の試験体は、タイルを小口平の大きさに切断して行う。

4.接着力試験の試験体の周辺部は、試験に先立ち、コンクリート面まで切断する。

答え

  2

接着力試験は、引っ張り試験機を用いて引張り接着強度を測定するもので、試験体の個数は、100m2ごと及びその端数につき1個以上として、全体で3個以上とする。(公共建築工事標準仕様書)

1.◯

屋外及び屋内の吹き抜け部分等の壁タイル張り仕上げ面は、施工後2週間以上経過した時点で、全面にわたりテストハンマーを用いて打音検査を行う。

3.◯

測定するタイルの大きさが二丁掛けタイル(227×60mm)のように小口平(108×60mm)の大きさより大きい場合は、試験体のタイルを小口平の大きさに切断して接着力試験を行う。(建築工事監理指針)

4.◯

タイルのはく落がタイルだけでなく下地モルタルから起こることが多いので、試験体は、タイルの周辺をカッターでコンクリート面まで切断したものとする。

[ No.63 ]
品質を確保するための管理値に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.既製コンクリート杭の継手において、現場溶接継手部の開先の目違い量の最大値は、2mm とした。

2.鉄骨梁の製品検査において、梁の長さの限界許容差は、± 5mm とした。

3.普通コンクリートにおいて、荷卸し時の空気量の許容差は、指定した空気量に対して、± 2.5 % とした。

4.高流動コンクリートにおいて、荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、指定したスランプフローに対して、± 7.5 cm とした。

答え

  3

普通コンクリートにおいて、荷卸し時の空気量の許容差は、指定した空気量に対し±1.5%である。

1.◯

既成コンクリート杭の継手において、継手部の開先の目違い量は 2mm以下、許容できるルート間隔は 4mm以下とする。(JASS A7201)

2.◯

鉄骨梁の製品検査で梁の長さの管理許容差は±3mm、限界許容差は ±5mmである。(JASS6)

4.◯

高流動コンクリートにおいて、荷卸し地点におけるスランプフローの許容差は、判定基準に対する目標値が 45~55㎝の場合は±7.5㎝、60㎝の場合は±10㎝である。

[ No.64 ]
建設業における特定元方事業者が、労働災害を防止するため講ずべき措置として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1.特定元方事業者及びすべての関係請負人が参加する協議会を定期的に開催しなければならない。

2.特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡及び調整を行わなければならない。

3.作業場所の巡視を、毎作業日に1回以上行わなければならない。

4.関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対し、雇入れ時の安全衛生教育を行わなければならない。

答え

  4

関係請負人が新たに雇い入れた労働者に対する雇入れ時の安全衛生教育は、雇い入れた事業者が行う。(労働安全衛生規則第35条)

1.◯

協議組織の設置及び運営については、当該協議組織の会議を定期的に開催しなければあらない。(労働安全衛生法第30条、規則第635条)

2.◯

随時、特定元方事業者と関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡及び調整を行わなければならない。(労働安全衛生法第30条、規則第636条)

3.◯

作業場所の巡回については、毎作業日に少なくとも1回、これを行わなければならない。(労働安全衛生法第30条、規則第637条)

[ No.65 ]
建設工事の公衆災害を防止するための措置に関する記述として、「建設工事公衆災害防 止対策要綱(建築工事編)」上、誤っているものはどれか。

1.建設機械の使用に際しては、機械類が転倒しないように、その地盤の水平度、支持耐力の調整などを行った。

2.防護棚(朝顔)は、骨組の外側から水平距離で 1.5 m 突き出し、水平面となす角度を 20 度とした。

3.地盤アンカーの施工において、アンカーの先端が敷地境界の外に出るので、隣地所有者の許可を得た。

4.地下水の排水に当たっては、排水方法及び排水経路を確認し、当該下水道及び河川の管理者に届け出た。

答え

  2

防護柵は、骨組の外側から水平距離で 2m以上突き出させ、水平面とのなす角度を 20° 以上とし、風圧、振動、衝撃、雪荷重等で脱落しないように骨組に堅固に取り付ける。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

1.◯

施工者は建設機械を使用する場合、機械類が転倒しないように、その地盤の水平度、支持耐力を調整するなどの措置を取らなければならない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

3.◯

発注者及び施工者は、地盤アンカーの先端が敷地境界の外に出る場合には、敷地所有者または管理者の許可を得なければならない。(建設工事公衆災害防止対策要綱)

4.◯

施工者は、排水に当たって、排水方法及び排水経路の確認を行い、当該下水道及び河川の管理者等に提出する。さらに土粒子を含む水は、沈砂し、ろ過施設等を経て放流しなければならない、(建設工事公衆災害防止対策要綱)

[ No.66 ]
作業主任者の職務として、「労働安全衛生法」上、定められていないものはどれか。

1.建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、作業を行う区域内には、関係労働者以外の労働 者の立入りを禁止すること。

2.足場の組立て等作業主任者は、器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

3.型枠支保工の組立て等作業主任者は、作業中、安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

4.木造建築物の組立て等作業主任者は、作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

答え

  1

事業者は、建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業を直接指揮すること。

②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

したがって、鉄骨の組立作業を行う区域内に関係労働者以外の立入りを禁止するのは、事業者の業務である。(労働安全衛生法第3条、規則第517条の5)

2.◯

事業者は、足場の組立て等作業主任者に次の事項を行わせなければならない。ただし、解体の作業の時は、①の規定は適用しない。

①材料の欠点の有無を点検し、不良品を取り除くこと。

②器具、工具、安全帯及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③作業の方法及び労働者の配置を決定し、作業の進行状況を監視すること。

④安全帯等及び保護帽の使用形状を監視すること。

(労働安全衛生規則第566条)

3.◯

事業者は、型枠支保工の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法を決定し、作業を直接指揮すること。

②材料の欠点の有無並びに器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと。

③作業仲、安全帯及び保護帽の使用状況を監視すること。

(労働安全衛生規則第247条)

4.◯

事業者は、木造建築物の組立て等作業主任者に、次の事項を行わせなければならない。

①作業の方法及び順序を決定し、作業を直接指揮すること。

②器具、工具、安全帯等及び保護帽の機能を点検し、不良品を取り除くこと。

③安全帯等及び保護帽の使用状況を監視すること。

(労働安全衛生規則第517条の13)

[ No.67 ]
仮設工事に関する記述として、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.作業を行う箇所の深さが 1.4 m であったので、昇降するための設備は設けなかった。

2.高さ5 m の作業構台の床材間のすき間は、3 cm とした。

3.登りさん橋の高さが 15 m であったので、地盤面からの高さ 8 m の位置に踊場を設けた。

4.単管足場の場合、建地を2本組とする部分は、建地の最高部から測って 31 m を超える部分とした。

答え

  3

建設工事に使用する高さ 8m以上の登り桟橋には、高さ 7m以内ごとに踊場を設ける。(労働安全衛生規則第522条第六号)

1.◯

事業者は、高さまたは深さが1.5mを超える箇所で作業を行うときは、当該作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等を設置しなければならない。(労働安全衛生規則第526条)

2.◯

高さ2m以上の作業床の床材間のすき間は、3㎝以下とする。(労働安全衛生規則第575条の6第三号)

4.◯

単管足場の場合、建地の最高部から測って31mを超える部分の建地は、鋼管を2本組としなければならない。(労働安全衛生規則第571条第1項第三号)

[ No.68 ]
建設現場における次の業務のうち、事業者の講ずべき措置について、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.建設用リフトの運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。

2.移動式クレーンを除くつり上げ荷重が 5 t 未満のクレーンの運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。

3.機体重量 3 t 以上のブルドーザーの運転の業務は、当該業務に係る技能講習を修了した者に行わせた。

4.作業床の高さが 10 m 以上の高所作業車の運転の業務は、当該業務に関する安全のための特別の教育を受けた者に行わせた。

答え

  4

作業床の高さが 10m未満の高所作業車の運転の業務は、特別教育を必要とする。(労働安全衛生規則第36条第十の五号)

1.◯

特別教育を必要とする業務に、建設用リフトの運転の業務が規定されている。(労働安全衛生規則第36条第十八号)

2.◯

特別教育を必要とする業務に、つり上げ荷重が 5t未満のクレーン(移動式クレーンを除く)の業務が規定されている。(労働安全衛生規則第36条第十五号のイ)

3.◯

「事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者ま又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を終了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。」とし、機体重量が 3t以上の建設機械で、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものの運転の業務が記載されている。(労働安全衛生法第61条第1項、令第20条第十二号)

[ No.69 ]
ゴンドラに関する記述として、「ゴンドラ安全規則」上、誤っているものはどれか。

1.つり下げのためのワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。

2.ゴンドラ検査証の有効期間は1年であり、保管状況が良好であれば1年を超えない範囲内で延長することができる。

3.ゴンドラを使用して操作を行う者が単独で作業を行う場合は、操作の合図を定めなくてもよい。

4.ゴンドラを使用して作業を行っている箇所の下方には関係労働者以外の者の立ち入りを禁止し、その旨を表示しなければならない。

答え

  2

ゴンドラ検査証の有効期限は1年とする。ただし、製造検査または使用検査を受けた後、設置されていないゴンドラであって、その保管状況が良好であると都道府県労働局長が認めたものについては、当該ゴンドラの検査証の有効期間を製造検査または使用検査の日から起算して2年を超えず、かつ、当該ゴンドラを設置した日から起算して1年を超えない範囲で延長することができる。(ゴンドラ安全規則第9条)

1.◯

つり下げのためのワイヤロープが1本であるゴンドラで作業を行う時は、安全帯等で当該ゴンドラ以外のものに取り付けなければならないとされている。したがって、ワイヤロープが2本のゴンドラでは、安全帯をゴンドラに取り付けて作業を行うことができる。(ゴンドラ安全規則第17条)

3.◯

ゴンドラを使用して作業を行うときは、ゴンドラの操作について一定の合図を定めるが、操作する者に単独で作業を行わせるときは、この限りではない。(ゴンドラ安全規則第16条)

4.◯

ゴンドラを使用して作業を行なっている箇所の下方には、関係労働者以外の者がみだりに立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。(ゴンドラ安全規則第18条)

[ No.70 ]
有機溶剤作業主任者の職務として、「有機溶剤中毒予防規則」上、定められていないものはどれか。

1.屋内作業場で用いる有機溶剤等の区分を、色分け等の方法により、見やすい場所に表示すること。

2.局所排気装置、プッシュプル型換気装置又は全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検すること。

3.作業に従事する労働者が有機溶剤により汚染され、又はこれを吸入しないように、作業の方法を決定し、労働者を指揮すること。

4.当該業務に従事する労働者の送気マスク等の保護具の使用状況を監視すること。

答え

  1

事業者は、屋内作業場で用いる有機溶剤等の区分を、色分け等の区分により、見やすい場所に表示しなければならない。有機溶剤作業主任者の職務としては該当しない。(有機溶剤中毒予防規則第25条)

2.◯

局所排気装置、プッシュプル型換気装置または全体換気装置を1月を超えない期間ごとに点検する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

3.◯

作業に従事する労働者が有機溶剤に汚染され、またはこれを吸入しないように、作業方法を決定して、労働者を指揮する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

4.◯

当該業務に従事する労働者の送気マスク等の保護具の使用状況を監視する。(有機溶剤中毒予防規則第19条の2)

1級建築施工管理技士 平成23年 学科 問題6解説

平成23年 1級建築施工管理技士 学科 問題6 解答解説

※ 問題番号[ No.71 ]~[ No.82 ]までの 12問題のうちから、8問題を選択し、解答してください。

[ No.71 ]
用語の定義に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.倉庫の用途に供する建築物は、特殊建築物である。

2.建築物の屋根は、主要構造部である。

3.地下の工作物内に設ける店舗は、建築物である。

4.構造上重要でない最下階の床の過半の修繕は、大規模の修繕に該当する。

答え

  4
大規模の修繕とは、主要構造部の一種以上について行う過半の修繕である。構造上重要でない最下階の床は主要構造部に含まれないため、大規模の修繕に該当しない。(建築基準法第2条第十四号)

1.◯
特殊建築物とは、学校(専修学校及び各種学校を含む)、体育館、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、市場、ダンスホール、遊技場、公衆浴場、旅館、共同住宅、寄宿舎、下宿、工場、倉庫、自動車車庫、危険物の貯蔵庫、と畜場、火葬場、汚物処理場その他これらの類する用途に供する建築物をいう。専用住宅、事務所以外のほとんどの用途が該当する。(建築基準法第2条第二号)

2.◯
主要構造部とは、壁、柱、床、梁、屋根または階段をいう。(建築基準法第2条第五号)

3.◯
建築物として、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱もしくは壁を有するもの、地下もしくは高架の工作物内に設ける事務所、店舗、興行場、倉庫などが定められている。(建築基準法第2条第一号)

[ No.72 ]
建築確認手続き等に関する記述として、「建築基準法」上、誤っているものはどれか。

1.鉄骨造2階建の新築工事において、特定行政庁の仮使用の承認を受けたときは、建築主は検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建築物を使用することができる。

2.特定工程後の工程に係る工事は、当該特定工程に係る中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、施工することはできない。

3.防火地域及び準防火地域内において、建築物を増築しようとする場合で、その増築部分の床面積の合計が 10 m2 以内のときは、建築確認を受けなくても建築することができる。

4.鉄筋コンクリート造3階建の既存の建築物にエレベーターを設ける場合、建築確認を受けなければならない。

答え

  3
防火地域及び準防火地域外であれば、建築物を増築、改築または移転しようとする場合その部分の床面積の合計が10m2位内であれば、建築確認を受けなくても建築できるが、防火・準防火地域であれば、建築確認を受けなければ建築できない。(建築基準法第6条第2号)

1.◯
建築物(共同住宅以外の住宅及び居室を有しない建築物を除く。)を新築した場合、検査済証の交付を受けた後でなければ、使用することができないが、特定行政庁が安全上、防火上及び避難上支障がないと認めて仮使用の承認をした場合には、検査済証の交付を受ける前に、仮に使用することができる。(建築基準法第7条の6)

2.◯
工事が特定工程を含む場合において、工事が特定工程に係る工事を終えたときは、そのつど、建築主事または指定確認検査機関の検査(中間検査)を申請しなければならない。特定工程後の工程に係る工事は、中間検査合格証の交付を受けた後でなければ、これを施工してはならない。(建築基準法第7条の3第1項、第6項)

4.◯
政令で指定するエレベーターなどを建築基準法(第6条第1項第一号から第三号まで)で定める建築物に設ける場合、建築確認の申請書を提出して建築主事または指定建築検査機関の確認を受け、確認済証の交付を受けなければならない。設問の記述の場合、木造以外の建築物で3以上の階数を有しているので建築確認を受けなければならない。(建築基準法第87条の2)

[ No.73 ]
防火地域及び準防火地域以外の地域に次の建築物を建築する場合、「建築基準法」上、 耐火建築物としなくてもよいものはどれか。

1.マーケットの用途に供する2階建の建築物で、延べ面積が 1,000 m2 のもの

2.劇場の用途に供する建築物で、主階が2階にあるもの

3.3階をホテルの用途に供する建築物

4.公会堂の用途に供する建築物で、客席の床面積の合計が 500 m2 のもの

答え

  1
マーケットの用途に供する建築物で、2階部分が500m2以上の場合は耐火建築物または準耐火建築物としなければならない。設問の記述のマーケットは2階部分が500m2以上であるか不明であるので耐火建築物としなくともよい。(建築基準法第27条)

2.×
劇場、映画館または演芸場の用途に供するもので、主階が1階にないものは耐火建築物としなけばならない。(建築基準法第27条)

3.×
3階以上の階をホテルの用途に供するものは、耐火建築物としなければならない。(建築基準法第27条)

4.×
公会堂の用途に供する建築物は、客席の床面積の合計が200m2以上の場合、耐火建築物としなければならない。(建築基準法第27条)

[ No.74 ]
建設業の許可に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.建設業の許可は、5年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

2.A県で建設業の許可を受けている建設業者が、新たにB県の区域内に営業所を設けて営業をしようとする場合は、B県の知事の許可を受ける必要がある。

3.建設業の許可を受けた建設業者は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合は、当該許可を取り消される。

4.発注者から直接請け負った建設工事を施工するに当たり、下請代金の額が政令で定める金額以上の下請契約を締結する場合は、特定建設業の許可を受けた者でなければならない。

答え

  2
建設業の許可は1の都道府県内に営業所を設けて営業をする場合は都道府県知事の許可を、2以上の都道府県内に営業所を設けて営業する場合は、国土交通大臣の許可を受けなければならない。(建設業法第3条第1項)

1.◯
建設業の許可は5年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失うと定められている。(建設業法第3条第3項)

3.◯
国土交通大臣または都道府県知事は、許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、または引き続いて1年以上営業を休止した場合は、その許可を取り消さなければならない。(建設業法第29条第1項第三号)

4.◯
発注者から直接請け負った建設工事を施工するに当たり、元請業者が特定建設業の許可を受けていない場合、建築工事業で4,500万円以上、その他の業種で3,000万円以上の下請契約の締結はできない。(建設業法第3条第1項第二号、令第2条)

[ No.75 ]
元請負人の義務に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.元請負人が請負代金の出来形部分に対する支払を受けたときは、下請負人に対しこれに相応する下請代金を、当該支払を受けた日から1月以内で、かつ、できる限り短い期間内に 支払わなければならない。

2.発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、建設業法その他法令の規定に違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。

3.元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。

4.元請負人は、下請負人の請け負った建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、1月以内に当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。

答え

  4
特約の場合を除き、元請負人は、検査によって建設工事の完成を確認した後、下請負人が申し出たときは、直ちに、当該建設工事の目的物の引渡しを受けなければならない。(建設業法第24条の4第2項)

1.◯
元請負人は、請負代金の出来形部分に対する支払または工事完成後における支払を受けたときは、下請負人に対し、1ヶ月以内で、かつ、できるだけ短い期間内に下請負人の施工に相応する下請代金を支払わなければならない。(建設業法第24条の3第1項)

2.◯
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事の下請負人が、その下請負に係る建設工事の施工に関し、この法律の規定または建設工事の施工もしくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものに違反しないよう、当該下請負人の指導に努めるものとする。(建設業法第24条の6第1項)

3.◯
元請負人は、前払金の支払を受けたときは、下請負人に対して、資材の購入、労働者の募集その他建設工事の着手に必要な費用を前払金として支払うよう適切な配慮をしなければならない。(建設業法第24条の3第2項)

[ No.76 ]
主任技術者又は監理技術者に関する記述として、「建設業法」上、誤っているものはどれか。

1.公共性のある施設又は多数の者が利用する施設に関する重要な建設工事で政令で定めるものについては、主任技術者又は監理技術者は、工事現場ごとに、専任の者でなければならない。

2.専任の主任技術者を必要とする建設工事のうち、密接な関係のある2以上の建設工事を同 一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工するものについては、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を管理することができる。

3.発注者から直接、塗装工事を 500 万円で請け負った建設業者は、主任技術者を工事現場に置かなければならない。

4.元請負人から鉄骨工事を1億円で請け負った建設業者は、監理技術者を工事現場に置かなければならない。

答え

  4
発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者が工事を施工するために締結した下請契約が一定の金額以上となる場合に監理技術者を置かなければならないが、下請業者は、主任技術者を置けばよい。(建設業法第26条第1項)

1.◯
公共性のある施設または多数の者が利用する施設に関する重要な工事で、工事1件の請負代金の額が2,500万円(建築一式工事の場合は5,000万円)以上のものには、工事現場ごとに、専任の主任技術者または監理技術者を置かなければならない。(建設業法第26条第3項、令第27条第1項)

2.◯
専任の主任技術者を置かなければならない工事の場合において、密接な関係にある2以上の工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所で施工する場合、同一の専任の主任技術者がこれらの工事を管理することができる。(建設業法第26条第3項、令第27条第2項)

3.◯
建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、主任技術者または監理技術者を置かなければならない。設問の記述の場合、請負代金の額が500万円であるから、監理技術者を置く必要はなく、主任技術者を置けばよい。(建設業法第3条第1項、令第1条の2)

[ No.77 ]
次の記述のうち、「労働基準法」上、誤っているものはどれか。

1.労働時間、休憩及び休日に関する規定は、監督又は管理の地位にある者には適用されない。

2.使用者は、クレーンの運転の業務については、1日について2時間を超えて労働時間を延長してはならない。

3.労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

4.使用者は、法に定める休日に労働させた場合においては、通常の労働日の賃金より政令で定められた率以上の割増賃金を支払わなければならない。

答え

  2
使用者は、協定で定めるところによって労働時間を延長し、または休日に労働させることができる。ただし、抗内労働その他厚生労働省令で定める健康上に特に有害な業務の労働時間の延長は、1日について2時間を超えてはならないが、クレーンの運転の業務は、健康上特に有害な業務に含まれていない。(労働基準法第36条第1項)

1.◯
監督もしくは管理の地位にある者または機密の事務を取り扱う者には、労働時間、休憩及び休日に関する規定は適用しない。(労働基準法第41条)

3.◯
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。(労働基準法第38条第1項)

4.◯
使用者は、法に定める休日に労働させた場合においては、割増賃金を支払う。休日労働に対する賃金は3割5分増とする。(労働基準法第37条第1項)

[ No.78 ]
次の記述のうち、「労働安全衛生法」上、誤っているものはどれか。

1.労働災害とは、労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、 又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。

2.作業環境測定とは、作業環境の実態をは握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析をいう。

3.建設用リフトとは、人及び荷を運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるものをいう。

4.石綿等とは、石綿又は石綿をその重量の 0.1 % を超えて含有する製剤その他の物をいう。

答え

  3
建設用リフトとは、「荷のみを運搬することを目的とするエレベーターで、土木、建築等の工事の作業に使用されるもの」と定められている。(労働安全衛生法施行令第1条第十号)

1.◯
労働災害とは、「労働者の就業に係る建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等により、又は作業行動その他業務に起因して、労働者が負傷し、疾病にかかり、又は死亡することをいう。」(労働安全衛生法第2条第一号)

2.◯
作業環境測定とは、「作業環境の実態を把握するため空気環境その他の作業環境について行うデザイン、サンプリング及び分析(解析を含む)をいう。」と定められている。(労働安全衛生法第2条第四号)

4.◯
石綿もしくは石綿をその重量の0.1%を超えて含有する製剤その他のものをいう。(労働安全衛生法施行令第6条第二十三号)

[ No.79 ]
建設業の事業場における安全衛生管理体制に関する記述として、「労働安全衛生法」上、 誤っているものはどれか。

1.事業者は、常時 100 人の労働者を使用する事業場では、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。

2.事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。

3.事業者は、常時 50 人の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を選任しなければならない。

4.事業者は、常時 30 人の労働者を使用する事業場では、産業医を選任しなければならない。

答え

  4
常時50人以上の労働者を使用する全業種の事業場にあっては、医師のうちから産業医を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第5条)

1.◯
林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業で、100人以上の労働者を使用する場合、総括安全衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第2条)

2.◯
事業者は常時50人以上の労働者を使用する事業場では、安全管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第3条)

3.◯
常時50人以上の労働者を使用する全業種の事業場にあっては、総括安全衛生管理者の業務のうち衛生に関する技術的事項を管理する者として、衛生管理者を選任しなければならない。(労働安全衛生法施行令第4条)

[ No.80 ]
次の記述のうち、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」上、誤っているものはどれか。

1.現場事務所から排出される図面、書類は、一般廃棄物である。

2.改築時に発生する木くず、陶磁器くずは、産業廃棄物である。

3.建築物の地下掘削で生じた建設発生土は、産業廃棄物である。

4.軽量鉄骨下地材などの金属くずは、産業廃棄物である。

答え

  3
建築物の地下掘削で生じた建設発生土は、産業廃棄物には該当しない。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)

1.◯
建設業に係る紙くずで産業廃棄物となるものは、工作物の新築、改築または除去に伴って生じたものに限られている。現場事務所からの図面、書類は一般廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)

2.◯
木くず(工作物の新築、改築または除去に伴うもの)、陶磁器くずは、産業廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)

4.◯
軽量鉄骨下地材等の金属くずは、産業廃棄物である。(廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条、令第2条)

[ No.81 ]
「振動規制法」上、指定地域内における特定建設作業に関する記述として、誤っているものはどれか。 ただし、災害その他の非常時等を除く。

1.ブレーカーを使用し、作業地点が連続して移動する作業であって、1日における作業に係る2地点間の最大距離が 60 m を超える作業は、特定建設作業である。

2.当該作業を開始した日に終わる作業は、特定建設作業から除かれる。

3.特定建設作業の実施の届出には、特定建設作業を伴う工程を明示した工事工程表を添付しなければならない。

4.特定建設作業を伴う建設工事の施工者は、特定建設作業開始の日の7日前までに実施の届出をしなければならない。

答え

  1
ブレーカー(手持ち式を除く)を使用する作業は、作業地点が連続的に移動する作業にあっては、1日における当該作業に係る2地点間の最大距離が 50mを超えない作業に限り特定建設作業となる。(振動規制法施行令第2条第4号)

2.◯
この法律において「特定建設作業」とは、建設工事として行われる作業のうち、著しい振動を発生する作業であって政令で定めるものをいうが当該作業がその作業を開始した日に終わるものは除かれている。(振動規制法第2条第3項、令第2条)

3.◯
特定建設作業の実施の届出には、添付書類として特定建設作業の場所の付近の見取図、特定建設作業を伴う建設工事の工程の概要を示した工程表特定建設作業の工程表を添付しなければならない。(振動規制法第14条、規則第10条)

4.◯
指定地域内において特定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該特定建設作業の開始の日の7日前までに、定める事項を市町村長に届出なければならない。(振動規制法第14条第4号)

[ No.82 ]
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する際に、「道路交通法」上、当該車両の出発地を管轄する警察署長(出発地警察署長)の許可を必要とするものはどれか。

1.荷台の高さが 1 m の自動車に、高さ 2.4 m の資材を積載して運搬する場合

2.積載する自動車の最大積載重量を超える資材を運搬する場合

3.長さが 11 m の自動車に、車体の前後に 0.5 m ずつはみ出す資材を積載して運搬する場合

4.資材を看守するため必要な最小限度の人員を、荷台に乗せる場合

答え

  2
車両の運転者は、原則として「積載重量等」の制限を超えて運転してはならず、超える場合は、出発地警察署長の許可を受けなければならない。(道路交通法第57条)

1.×
貨物自動車を使用して、分割できない資材を運搬する場合、当該車両の出発地を管轄する警察署長の許可について、記述の場合、積載物の高さが 3.8mからその自動車の積載する場所の高さを減じたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第1項、令第22条第三号ハ)

3.×
積載物の長さは、自動車の長さにその長さの 1/10の長さを加えたもの以下であるから許可不要である。(道路交通法第57条第1項、令第22条第三号イ)

4.×
車両の運転者は、「貨物自動車」で貨物を積載している場合、当該貨物を看守するため必要な最小限度の人員をその荷台に乗車させて運転することができる。(道路交通法第55条第1項)

1級建築施工管理技士 平成24年 学科 問題1解説

平成24年 1級建築施工管理技士 学科 問題1 解答解説

※ 問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの15問題のうちから、12問題を選択し、解答してください。

[ No.1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.在室者の呼吸による必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求める。

2.室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に10,000 ppm(1%)とする。

3.風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、風上側と風下側の風圧係数の差の平方根に比例する。

4.換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。

答え

  2

室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)

1 ◯

在室者の呼吸作用による必要換気量は、次式で求められ、在室者の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除したものである。

Q = K / ( C1 ー C0

Q:必要換気量 [ m3/h ]

K:在室者のCO2発生量 [ m3/h ]

C1:室内の許容CO2濃度 [ m3/m3 ]

C0:外気のCO2濃度 [ m3/m3 ]

3 ◯

建物に風が吹き付けると風上側では正圧、風下側では負圧が生じ、換気の原動力となる。風上側と風下側に外部開口部がある場合、換気量の関係は次式のようになり、風向きが一定であれば外部風速に比例する。

Q = d A V √ (C1 − C2)× 3,600

Q:換気量 [ m3 ]

d:流量係数

A:開口面積 [ m2 ]

C1:風上側の風圧係数

C2:風下側の風圧係数

V:風速 [ m/s ]

4 ◯

換気回数は次式により求められる。

N = Q / V

N:単位時間あたりの換気回数 [ 回 /h ]

Q:単位時間あたりの換気量 [ m3/h ]

V:室容積 [ m3 ]

換気量が一定の場合、室容積が大きいほど換気回数は少なくなる。

[ No.2 ]
北緯35度付近における日照、日射及び日影に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.東向き鉛直面と西向き鉛直面の終日の直達日射量は、季節にかかわらず西向き鉛直面の方が大きい。

2.建物の高さが同じである場合、東西に幅が広い建物ほど影の影響の範囲が大きくなる。

3.同じ日照時間を確保するためには、緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔を大きくとる必要がある。

4.冬至における南向き鉛直面の終日の直達日射量は、水平面の直達日射量より大きい。

答え

  1

太陽の移動軌跡は、南北軸に対して対称なので、東向き鉛直面と西向き鉛直面の直達日射量は季節にかかわらず同じ値となる。

2 ◯

建築物が冬至に4時間以上の日影を及ぼす範囲は、一般に建築物の高さよりも東西方向の幅に大きく左右される。東西の幅が広い建物ほど、影の影響の範囲が大きくなる。

3 ◯

隣棟間隔を建物高さで除した値を隣棟間隔係数という。たとえば、東京で4時間日照を確保するには、この値が2程度必要であるが、札幌では 2.8 程度必要となる。

4 ◯

日射量は、単位面積の単位時間に受ける熱量で表され、大気層を通り抜けて直接地表に達する日射量を直達日射量という。

直逹日射量は太陽の高度と日射を受ける面の角度により変化する

冬至(12月21日頃)において、北緯35度付近では、南面の直逹日射量は 12 kJ/m2・日であるのに対して、水平面は約 6kJ/m2・日となっている。したがって、南面は水平面より大きい。

[ No.3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.音波の回折現象は、障害物がその波長より小さいと起こりやすい。

2.マスキング効果は、マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど大きい。

3.室内の向かい合う平行な壁の吸音性が高いと、フラッターエコーが発生しやすい。

4.無指向性の点音源からの音の強さは、音源からの距離の2乗に反比例する。

答え

  3

フラッターエコー(鳴き竜)とは、平行した2つの反射面の間でその距離と関連した周波数で反射音が何度も共振し合うて聞こえる現象である。吸音性が高いと反射音が小さくなり、フラッターエコーは生じにくい

1 ◯

障害物が音波の波長より小さいと、音波が障害物の背後に折れて回り込む。この現象を回折という。

2 ◯

マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど、マスキング効果は大きくなる。

4 ◯

無指向性で、まわりに反射物体にない空間中の点音源からの音の強さは、音源の出力の大きさに比例し、点音源からの距離の2乗に反比例する。点音源から距離 r の点における音の強さ I は、音源の放射パワーをWとすると次式で表せる。

 I = W / 4π r2

[ No.4 ]
鉄筋コンクリート造建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.煙突等の屋上突出部は、剛性が急変するため大きな地震力が作用するので、設計震度を増大させて計画する。

2.柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくなるように計画する。

3.地震時の応力集中による変形・損傷を避けるため、各階の剛性に大きな偏りがないように計画する。

4.腰壁、垂れ壁、そで壁等は、柱及び梁の剛性やじん性への影響を考慮して計画する。

答え

  2

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくならないように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は Fc / 3(Fc:コンクリートの設計基準強度)以内に収めることが望ましい。

1 ◯

屋上突出物(煙突、塔屋等)に加わる地震荷重は、建物の高さ方向の剛性が急変する影響で、極めて大きくなるので、設計水平震度を増大させて計画する

3 ◯

耐震壁が上下に連なっていないなど剛性が著しく変化している場合、剛性の小さい方の階が被害を受けやすい。したがって、各階の剛性に大きな偏りがないように計画する

4 ◯

鉄筋コンクリート造で、柱に腰壁や垂れ壁、そで壁がつくと柱の剛性が大きくなり。じん性が低下するなど耐震性に影響する。したがって、柱際にスリットを設けて剛性を上げない工夫が必要である。

[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.大梁は大地震に対してねばりで抵抗させるため、原則として、両端での曲げ降伏がせん断破壊に先行するよう設計される。

2.耐震壁の剛性評価に当たっては、曲げ変形、せん断変形を考慮するが、回転変形は考慮しない。

3.一般に梁の圧縮鉄筋は、じん性の確保やクリープによるたわみの防止に有効である。

4.柱の引張鉄筋比が大きくなると、付着割裂破壊が生じやすくなる。

答え

  2

耐震壁の剛性や耐力の評価に当たっては、曲げ変形、せん断変形、基礎の回転による変形や浮き上がりを考慮する

1 ◯

ラーメン構造の大地震発生時の保有耐力は各大梁の両端部に曲げによる塑性ヒンジを生じさせる全体崩壊形とすることでねばりを確保している。このため大梁は原則として、両端での曲げ破壊がせん断破壊に先行するよう設計する

3 ◯

鉄筋は、ほとんどクリープ変形しないため、圧縮側の鉄筋量を増やすと、鉄筋が負担する圧縮力が増え、コンクリートに生じる圧縮応力度が小さくなり、コンクリートのクリープ変形が小さくなるので、クリープによるたわみは小さくなる。また、圧縮鉄筋により、圧縮側コンクリートの負担を軽減することで曲げ終局時の圧縮縁側コンクリートの圧縮によるじん性の低下を防ぐ。

4 ◯

鉄筋コンクリート柱では、柱の引張鉄筋比が大きくすることは、一辺に多数の鉄筋を配置したり、隅角部に太い鉄筋を配置することになり、付着割裂破壊が生じやすくなる

[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。

2.応力を伝達させる主な溶接継目の形式は、完全溶込み溶接、部分溶込み溶接、隅肉溶接とする。

3.引張材の接合を高力ボルト摩擦接合とする場合は、母材のボルト孔による欠損を考慮して、引張応力度を計算する。

4.根巻き柱脚は、露出柱脚よりも高い回転拘束をもつ柱脚が構成できる。

答え

  1

溶接と高力ボルトを併用する継手では、溶接を後で行う場合は両方の許容耐力を加算できるが、溶接を先に行う場合は、溶接熱で板が反り鉄板が密着せず、摩擦力が低減する。そのため許容せん断応力度を低減する必要がある

2 ◯

応力を伝達できる溶接継目は、完全溶込み溶接、部分溶込み溶接、隅肉溶接の3種類である。

3 ◯

引張材の接合を高力ボルト摩擦接合とする場合、引張応力度を計算する際の引張材の有効面積は、材軸に垂直な面の全断面積からボルト孔による欠損面積を引いて求める

4 ◯

柱脚には、露出柱脚、寝巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚<寝巻き柱脚<埋込み柱脚である。

[ No.7 ]
直接基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.基礎底面の面積が同じであっても、その形状が正方形と長方形とでは、地盤の許容応力度は異なる。

2.基礎梁の剛性を大きくすることにより、基礎フーチングの沈下を平均化できる。

3.建物に水平力が作用する場合は、基礎の滑動抵抗の検討を行う。

4.圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて大きい。

答え

  4

独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

1 ◯

地盤の許容応力度は、土質試験、載荷試験等により地盤が破壊する極限鉛直支持力度を求め、それに安全率を乗じて求める。極限鉛直支持力度には、基礎の形状係数が関係するため、基礎底面の面積が同じであっても、その形状が正方形と長方形とでは、地盤の許容応力度は異なる。(平成13年国土交通省告示第1113号)

2 ◯

独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすが、基礎梁の剛性大きくすることにより、フーチングの沈下を平均化できる。

3 ◯

直接基礎の建物に水平力が作用するときは、根入れ部分の側方抵抗及び基礎底面の摩擦に夜滑動抵抗の検討を行わなければならない

[ No.8 ]
図に示す架構のC点及びD点に水平荷重が作用する場合の記述として、誤っているものはどれか。

1.支点A と支点Bに生じる鉛直方向の反力の大きさは4 kNで、向きも同じである。

2.支点B に生じる水平方向の反力の大きさは3 kNで、向きは右向きである。

3.節点E に生じる曲げモーメントの大きさは、12 kN・mである。

4.支点A から節点D間に生じる軸方向力の大きさは、4 kN である。

答え

  1

静力学の釣合条件(ΣM = 0、ΣV = 0、ΣH = 0)を利用する。

1.×

支点Aの鉛直反力VAは、4kN(上向き)で、支点Bの鉛直反力VBは4kN(下向き)になるので、設問は誤り。

時計回りのモーメントを +、上向き方向の力を +、ΣMA = 0とすると、

MA = -5kN × 4m + 2kN × 2m + VB × 4m = 0

VB =(20kN・m - 4kN・m)/ 4m

 =16 kN・m/4m = 4kN

(↑)VA + (↓)VB = 0 であるから、

(↑)VA = - (↓)VB

したがって、VAとVB値は同じだが向きは異なる

2.◯

支点Bの水平反力HBの向きと値を求める(←を + とする)。

+5kN ー 2kN ー HB = 0 より、

HB =+3 kN であるから HBは→となる。

3.◯

設問の通りで、 HB = +3kN より、節点 E に生じる曲げモーメントMgは、

Mg = HB × 4m = 12 kN・m

4.◯

設問の通りで、軸方向は 4 kNとなる。( A- D ) N はVAの値と同じなので 4kNでる。

[ No.9 ]
図に示す架構に集中荷重が作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは、材の引張り側に描くものとする。

 

 

答え

  3

曲げモーメント図は次のようになる。

1.×

4kN の力が直角で6mの梁(片持)に作用しているため、図のようにB点に24 kN・mの曲げモーメントが生じる

2.×

BC材は、外力(4kN)と平行なので、C点はB点と同じ24 kN・mとなる

3.◯

D点の曲げモーメントは、外力( 4kN)とAD間の水平距離(3m)と乗じて12 kN・mとなる。

4.×

E点の曲げモーメントは、外力( 4kN )とDE材は平行なので、12 kN・mとなる

∴ 3が正解となる。

[ No.10 ]
図に示す材端条件を持つ長柱A、B 及びC が中心圧縮力を受けるときの座屈長さの大小関係として、正しいものはどれか。ただし、柱の材質及び断面は同一とし、長さは等しいものとする。

 1.A>B>C
 2.A>C>B
 3.B>A>C
 4.C>B>A

答え

  1

弾性座屈荷重においてオイラーの公式の座屈長さをℓKとすると、

PK = π2・E・I / ℓK2(ℓK:座屈長さ)

AのℓKは2.0ℓ、BのℓKは1.0ℓ、CのℓKは0.5ℓとなっている

座屈長さの大小については、

A > B > C

となる。

∴ 1が正解となる。

[ No.11 ]
セメントに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ポルトランドセメントは、セメントクリンカーに凝結時間調整用のせっこうを加え、粉砕してつくられる。

2.セメントは、時間の経過とともに水和反応が進行し、強度が発現していく水硬性材料である。

3.セメント粒子の細かさは、比表面積(ブレーン値)で示され、その値が小さいほど、凝結や強度発現は早くなる。

4.セメントの貯蔵期間が長いと、空気中の水分や二酸化炭素を吸収し、風化による品質劣化を起こしやすい。

答え

  3

セメント粒子の細かさは比表面積 = ブレーン値(単位:cm2/g)で表し、粒子が細かいほど、質量当たりの表面積は大きい。ブレーン値が大きくなるほど細かく、早期強度が得られるが、発熱によるひび割れ等の弊害を伴うことがある。(建築工事監理指針)

1 ◯

ポルトランドセメントは、石灰石、粘土、けい石、鉄さいを 1,450℃で燃成したクリンカーとせっこうを混ぜて、粉砕して製造する。せっこうは、セメントに水を加えたとき、瞬時に凝結しないように調整するために加えられている。

2 ◯

セメントは水との化学反応(水和反応)により凝結、硬化して強度を発現する。このように水との化学反応によって硬化する性質を水硬性という

4 ◯

セメント、せっこうプラスター等の水硬性材料は、貯蔵期間が長いと空気中の水分や二酸化炭素等を吸収し、品質が劣化するため、製造後4ヶ月以上経過したものは使用しない

[ No.12 ]
鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.SN鋼のB種及びC種は、炭素当量の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

2.TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、高じん性で溶接性に優れた鋼材である。

3.SM 鋼は、モリブデン等の元素を添加することで耐火性を高めた鋼材である。

4.低降伏点鋼は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度を低くし、延性を高めた鋼材である。

答え

  3

モリブデン等の元素を添加することで耐火性を高めた鋼材は耐火鋼(FR鋼)である。

1 ◯

建築構造用圧延鋼材(SN材)は、溶接性の保証の有無、板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A、B

、Cで表示する。B種及びC種は、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている

2 ◯

建築構造用TMCP(Thermo-Mechanical Control Proces)鋼は、熱加工制御により製造される鋼材で圧延時に焼き戻し加工をすることにより、じん性を増大したもので、同じ降伏点のSN材やSM材に比べて炭素当量が低減されているので、溶接性が向上している。

4 ◯

低降伏点鋼(LY100,LY225)は、添加元素を極力減らした純鉄に近い鋼で、軟鋼に比べて強度は低いが、延性が極めて高いため、塑性変形によるエネルギーの吸収が必要な制振ダンパー等に用いられる

[ No.13 ]
日本工業規格(JIS)に規定される屋根に用いられる材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.粘土がわらの形状による区分は、J形粘土がわら、S形粘土がわら、F形粘土がわらである。

2.プレスセメントがわらの種類は、形状及び塗装の有無によって区分されている。

3.住宅屋根用化粧スレートの吸水率の上限は、平形屋根用スレート、波形屋根用スレートとも同じである。

4.繊維強化セメント板のスレート(波板)の曲げ破壊荷重の下限は、小波板より大波板の方が小さい。

答え

  4

JIS A5430(繊維強化セメント板)のスレート波形の曲げ破壊荷重は、大波板3,920 N以上、小波板 1,470N 以上であるので、小波板より大波板の方た大きい

1 ◯

JIS A5208(粘土がわら)の形状による区分は、J形粘土がわら、S形粘土がわら、F形粘土がわらである。

2 ◯

JIS A5402(プレスセメントがわら)による種類は、和形桟がわらなどの形状による区分塗装の有無によって区分されている。

3 ◯

JIS A5423(住宅屋根用化粧スレート)に規定されている吸水率の上限は、平形屋根用スレート、波形屋根用スレートとも 28%で同じである。

[ No.14 ]
塗膜防水材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.屋根用ウレタンゴム系防水材は、引張強さ、伸び率、抗張積などの特性によって、高伸長形(旧1類)と高強度形に区分される。

2.1成分形のウレタンゴム系防水材は、乾燥硬化によりゴム弾性のある塗膜を形成する。

3.2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の成分に、必要によって硬化促進剤、充填材などを混合して使用する。

4.塗付けタイプゴムアスファルト系防水材は、ゴムアスファルトエマルションだけで乾燥造膜するものと、硬化剤を用いて反応硬化させるものがある。

答え

  2

1成分形ウレタンゴム系防水材は湿気硬化型であり、空気中の水分を利用して常温下で硬化反応してゴム弾性のある塗膜を形成する

1 ◯

屋根用ウレタンゴム系防水材は、引張強さ、伸び率、抗張積などの特性によって、高伸長形(旧1類)と高強度形に区分される。( JIS A6021)

3 ◯

2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤、充填材、着色材、希釈剤などを混合して使用するように調整した防水材である。( JIS A6021 )

4 ◯

ゴムアスファルト系塗膜防水材は、塗り工法用と吹付け工法用がある。このうち、塗り工法用はゴムアスファルトエマルションだけで乾燥造膜するものと、硬化剤を用いて反応硬化させるものがある。( JIS A6021 )

[ No.15 ]
日本工業規格(JIS)に規定されるボード類に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.けい酸カルシウム板は、断熱性、耐火性に優れ、タイプ2は内装用として、タイプ3は耐火被覆用として使用される。

2.パーティクルボードは、木片などの木質原料及びセメントを用いて圧縮成形した板で、下地材、造作材などに使用される。

3.構造用せっこうボードは、強化せっこうボードの性能を満たした上で、くぎ側面抵抗を強化したもので、耐力壁用の面材などに使用される。

4.インシュレーションボードは、主に木材などの植物繊維を成形した繊維板の一種で、用途による区分により畳床用、断熱用、外壁下地用として使用される。

答え

  2

パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。

3 ◯

構造用せっこうボードは、強化せっこうボードの性能を満たしたまま、くぎ側面抵抗を強化したもので、くぎ側面抵抗の大きさによって、A種及びB種がある。主に耐力壁用の面材として用いられる。( JIS A6901 )

4 ◯

インシュレーションボードは、主に木材などの植物繊維を板状に成形した多孔質のボードであり、畳床用、断熱用、外壁下地用として使用される。( JIS A5905)

1級建築施工管理技士 平成24年 学科 問題2解説

平成24年 1級建築施工管理技士 学科 問題2 解答解説

※ 問題番号[ No.16 ]~[ No.20 ]までの5 問題は、全問題を解答してください。

[ No.16 ]
屋外排水設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.排水管を給水管と平行にして埋設する場合は、原則として両配管の間隔を500 mm 以上とし、排水管は給水管の下方に埋設する。

2.遠心力鉄筋コンクリート管の排水管は、一般に、埋設は下流部より上流部に向けて行い、勾配は1/100以上とする。

3.管きょの排水方向や管径が変化する箇所及び管きょの合流箇所には、ます又はマンホールを設ける。

4.雨水用排水ます及びマンホールの底部には、排水管等に泥が詰まらないように深さ50 mm以上の泥だめを設ける。

答え

  4
雨水排水用ます及びマンホールの底部には、排水管等に泥が詰まらないように深さ150mm以上の泥だめを設ける

1 ◯
排水管を給水管と平行にして埋設する場合は、原則として、両配管の間隔を500 mm 以上とし、かつ排水管は給水管の下方に埋設する

2 ◯
遠心力鉄筋コンクリート管の排水管は、下流部より始め、順次上流部に向けて行うのがよい。地中埋設配管の勾配は、やむ得ない場合を除き 1/100以上とする

3 ◯
排水管のます、またはマンホールを設ける箇所は以下である。
①もっぱら雨水を排除すべき管きょの始まる箇所
②下水の流路の方向または勾配が変化する箇所
③管きょの長さが、その内径または内法幅の120倍を超えない範囲内の箇所

[ No.17 ]
植栽に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.樹高は、樹木の樹冠の頂端から根鉢の上端までの垂直高をいう。

2.枝張りは、樹木の四方面に伸長した枝の幅をいい、測定方向により長短がある場合は、最長と最短の平均値とする。

3.幹周は、樹木の幹の周長をいい、根鉢の上端より0.5mの位置を測定する。

4.樹木の幹が2本以上の場合の幹周は、各々の幹の周長の総和の 70%とする。

答え

  3
幹周は、樹木の幹の周長をいい、根鉢の上端より1.2m上がりの位置を測定する。この部分に枝が分岐しているときは、その上部を測定する。

1 ◯
樹高は、樹木の樹冠の頂端から根鉢の上端までの垂直の高さである。

2 ◯
枝張り(葉張り)は、樹木の四方面に伸長した枝(葉)の幅である。測定方向により長短がある場合には、最長と最短の平均値とする。なお、葉張りとは低木の場合についていう。

4 ◯
幹が2本以上の樹木においては、各々の周長の総和の70 %をもって幹周とする

[ No.18 ]
電気設備に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合、金属製の電線接続箱には接地工事を施す。

2.バスダクトは、電流の容量の大きい幹線に使用される。

3.合成樹脂管内、金属管内及び可とう電線管内では、電線に接続点を設けてはならない。

4.大型の動力機器が多数使用される場合の電気方式には、単相3線式100/200 Vが用いられる。

答え

  4
大型の動力機器が多数使用される工場、一般のビルの幹線としては、三相3線式200Vが使用されている。なお、単相3線式100V/200Vは、比較的容量の大きい照明・コンセント用の幹線に用いられてる。

1 ◯
低圧屋内配線の使用電圧が300Vを超える場合の管、その他ケーブルを収める防護装置の金属部分、ラックなどの金属部分及び電線接続などはC種設置工事を施さなければならない

2 ◯
バスダクトは、金属製ダクトの中に絶縁物で覆った銅やアルミの導体を通す部材で、大電流を流す幹線に使用される。

3 ◯
フロアダクト内、セルラダクト内、金属製可とう電線管内では、原則とし電線に接続点を設けてはならない。接続する場合はアウトレットボックス、プルボックス等の内部で行う。(電気設備技術基準)

[ No.19
]給水設備の給水方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.ポンプ直送方式は、水道引込み管に増圧ポンプを接続して、各所に給水する方式である。

2.圧力水槽方式は、受水槽の水をポンプで圧力水槽に送水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。

3.高置水槽方式は、受水槽の水をポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、この水槽からは重力によって各所に給水する方式である。

4.水道直結直圧方式は、上水道の配水管から引き込み、直接各所に給水する方式である。

答え

  1
ポンプ直送方式は、受水槽に貯水し、給水ポンプで直接加圧した水を各所に給水する方式であり、水道管にポンプを直結することは禁止されている

2 ◯
圧力水槽方式は、上水や井戸水を一旦受水槽に貯水し、圧力水槽内の空気を圧縮・加圧して、その圧力によって各所に給水する方式である。建物意匠上や地下街等の高置水槽を設けることができない場合等に設置する。

3 ◯
高置水槽方式は上水や井戸水を一旦受水槽に貯水し、ポンプで建物高所の高置水槽に揚水し、この水槽からは重力によって各所に給水する方式である。中層・中規模以上の建物の最も一般的な給水方式である。

4 ◯
水道直結直圧方式は、上水道の配水管から引き込み、水道の圧力を利用し、直接各水栓に給水する方式で、一般に2階建て程度で水栓の少ない場合に適する。設備費及び維持費が最も安い。

[ No.20 ]
数量積算に関する記述として、公共建築数量積算基準(国土交通省制定)上、誤っているものはどれか。

1.根切り又は埋戻しの土砂量は地山数量とし、掘削による増加、締固めによる減少は考慮しない。

2.鉄骨鉄筋コンクリート造におけるコンクリートの数量は、コンクリート中の鉄骨と鉄筋の体積分を差し引いたものとする。

3.圧接継手による鉄筋の長さの変化はないものとする。

4.ボルト類のための孔明け、開先加工、スカラップ等による鋼材の欠除は、原則としてないものとする。

答え

  2
鉄骨鉄筋コンクリート造の場合のコンクリート量の数量は、鉄骨についての数量は7.85tを1m3として換算した体積を差し引くが、鉄筋の体積は差し引かない
(公共建築数量積算基準第4編第2章第2節1(1)の3)

1 ◯
土の処理による土砂量の増加または減少ないものとする。(公共建築数量積算基準第3編第1章第2節1の3)

3 ◯
圧接継手の加工のための鉄筋の長さの変化はないものとする。(公共建築数量積算基準第4編第3章第2節1の5)

4 ◯
ボルト類のための孔あけ、開先加工、スカラップ及び柱、梁等の接続部のクリアランス等による鋼材の欠除は、原則としてないものとする。1箇所当たり 0.1 m2 以下のダクト孔等による欠除もこれに準ずる。(公共建築数量積算基準第4編第4章第2節1の6)

1級建築施工管理技士 平成24年 学科 問題3解説

平成24年 1級建築施工管理技士 学科 問題3 解答解説

※ 問題番号[ No.21 ]~[ No.33 ]までの13問題のうちから、5 問題を選択し、解答してください。

[ No.21 ]
乗入れ構台に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.車の走行を車線とするため、乗入れ構台の幅を6 mとした。

2.構造計算で地震力を震度法により静的水平力として計算するため、水平震度を0.1 とした。

3.乗入れ構台の高さは、大引下端を1階スラブ上端より30 cm上になるようにした。

4.道路から構台までの乗込みスロープの勾配は、1/8とした。

答え

  2
構造計算において、地震力は震度法により静的水平力として計算するため、水平震度を0.2とする

1 ◯
乗入れ構台の幅員は使用する施工機械、車両・アウトリガーの幅、配置及び動線等により決定するが通常計画される幅員は 4〜10m である。(建築工事監理指針)

3 ◯
躯体コンクリート打込み時に、乗入れ構台の大引下の床の均し作業ができるように、大引下端を1階スラブ上端より 20〜30 cm上に設定する。(建築工事監理指針)

4 ◯
乗込みスロープの勾配が急になると、工事用の機械や車両の出入りに支障を生じるおそれがあるので、その勾配は 1/10 〜 1/6 程度とする。ただし、現場で使用する重機・車両の種類によって腹を擦らないように事前に調査を行う。

[ No.22 ]
土工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.床付け地盤が凍結したので、凍結した部分は良質土と置換した。

2.ボイリングの発生防止のため、止水性の山留め壁の根入れを深くし、動水勾配を減らした。

3.ヒービングの発生防止のため、ウェルポイントで掘削場内外の地下水位を低下させた。

4.根切り底面下に被圧帯水層があり、盤ぶくれの発生が予測されたので、ディープウェル工法で地下水位を低下させた。

答え

  3
ウェルポイントで掘削場内外の地下水を低下させるのは、砂質地盤におけるボイリング発生防止の対策である。粘性土地盤で発生するヒービングの発生防止には有効ではない。

1 ◯
凍結した土は、強度的には良質な地盤と間違えやすいが、床付け面が凍結したのち溶けると、体積が減少し沈下する。したがって凍結した部分は乱された土と同様に扱い、良質土と置き換える

2 ◯
ボイリングの防止策として次のような方法が考えられる。
①止水性の山留め壁の根入れを深くし、動水勾配を減らす
②掘削場内外の地下水位をディープウェルやウェルポイントによって低下させる。
③止水性の山留め壁を不透性地盤まで根入れする。
④掘削場内を地盤改良し、透水性を減少させ強度を増加する。

4 ◯
ディープウェル工法とは、根切り部内あるいは外部に径 500〜1000mmの管を打ち込み、帯水層を削孔して、水中ポンプで地下水を排出する工法である。盤ぶくれの防止対策として適当な工法である
※盤ぶくれの発生が事前の検討により予測された場合の対策
①掘削底面(不透水層)下の地下水位(圧)をディープウェル等によって低下させる。
②止水性の山留め壁を延長し、被圧帯水層の下の不透水層に根入れする。
③掘削場内を地盤改良し、地下水を遮断し土被り圧を増加する。

[ No.23 ]
山留め工事における水平切梁工法に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.集中切梁とする方法は、根切り及び躯体の施工能率の向上に効果がある。

2.井形に組む格子状切梁方式は、一般に掘削平面が整形な場合に適している。

3.鋼製切梁では、温度応力による軸力変化について検討する必要がある。

4.切梁にプレロードを導入するときは、切梁交差部の締付けボルトを締め付けた状態で行う。

答え

  4
プレロード工法は、ジャッキで加圧し切梁交差部のボルトを緩めた状態で行う。加圧する切梁が蛇行しないようにずれ止めを設ける。(JASS 3)

1 ◯
大規模掘削工事の場合、根切り及び躯体の施工能率を向上させるために、切梁を2本以上組み合わせ、切梁間隔を広くした「集中切梁」とする方法がある。(山留め設計施工指針)

2 ◯
格子状切梁方式は、山留め壁を切梁、腹起し等の支保工によって支持し、根切りを進める工法である。対向する山留め壁の側圧荷重に対して切梁でバランスをとるため、根切り平面が不整形な場合や大スパンの場合、また、敷地に大きな高低差がある場合には採用が難しくなる。(山留め設計施工指針)

3 ◯
鋼製切梁に作用する軸力は、温度変化による増加応力を考慮する必要がある。温度応力は概略 1 〜 4 t /℃である。(JASS3)

[ No.24 ]
場所打ちコンクリート杭地業に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.リバース工法における次スライム処理は、一般にトレミー管とサクションポンプを連結し、スライムを吸い上げる。

2.オールケーシング工法において、スライム量が多い場合の次スライム処理は、エアリフトによる方法や水中ポンプによる方法で行う。

3.鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として鉄線結束で結合する。

4.アースドリル工法における鉄筋かごのスペーサーは、D10 以上の鉄筋を用いる。

答え

  4
鉄筋かごには、かぶり厚さを確保するためにスペーサーを深さ方向に3〜5m間隔を目安として、最低1断面で4箇所以上取り付ける。スペーサーはケーシングチューブを用いる場合は、D13以上の鉄筋を用いる。ケーシングチューブを用いない場合に鉄筋を用いると孔壁を損傷するので、杭径 1.2m以下の場合は鋼板4.5 × 38mm、杭径 1.2mを超える場合は鋼板 4.5 × 50mm程度のものを用いる。(建築工事監理指針)

1 ◯
リバース工法の2次スライム処理は、一般にトレミー管とサクションポンプを連結して孔底部の沈殿物であるスライムを吸い上げる。また、エアリフトによる方法で行う場合もある。(JASS4)

2 ◯
オールケーシング工法によるスライム処理には、1次処理2次処理がある。1次処理は掘削完了直後に行うスライム処理、2次処理はコンクリート打込み直前に行うスライム処理で、エアリフト式と水中ポンプ方式による方法がある。(JASS4)

3 ◯
鉄筋かごの主筋と帯筋は、原則として鉄線で結束して組み立てる。(JASS4)

[ No.25 ]
鉄筋の加工及び組立てに関する記述として、最も不適当なものはどれか。ただし、dは異形鉄筋の呼び名の数値とする。

1.先端部に腰壁や垂れ壁の付かない片持ちスラブの上端筋の先端は、90°フックとし、余長を4 d以上とした。

2.D 25 の異形鉄筋を用いる梁主筋をL字に加工する際は、一辺の加工寸法の許容差を±15 mm とした。

3.同径の異形鉄筋相互のあき寸法は、1.5 d、粗骨材最大寸法の1.25倍、25 mmのうち最も大きい数値とした。

4.SD390、D32 の異形鉄筋を90°曲げとする際は、折曲げ内法直径を3d以上とした。

答え

  4
SD390において、D41以下の折曲げ内法の直径は、5d(dは鉄筋径)以上とする。( JASS 5)

1 ◯
片持ちスラブの上端筋の先端、壁筋の自由端側の先端で90° フックまたh135° フックを用いる場合、余長は 4d 以上でよい。(公共建築工事標準仕様書)

2 ◯
D 25以下の梁主筋をL字に加工する際の一辺の加工寸法の許容差は、計画共用期間の級にかかわらず ±15 mm とする。

3 ◯
異形鉄筋相互のあき寸法は、呼び名の数値の 1.5 倍、粗骨材の最大寸法の1.25倍、25 mmのうち、最も大きい数値とする

[ No.26 ]
鉄筋の重ね継手に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.大梁端部の下端筋の重ね継手中心位置は、梁端から梁せい分の長さの範囲内には設けない方がよい。

2.梁の主筋を重ね継手とする場合、隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの1.0 倍ずらす。

3.径の異なる鉄筋を重ね継手とする場合、重ね継手長さは、細い方の径により算定する。

4.梁主筋の重ね継手は、水平重ね、上下重ねのいずれでもよい。

答え

  2
重ね継手は、1箇所に集中することなく、相互にずらして設けることを原則とする。梁の主筋を重ね継手とする場合、隣り合う鉄筋の継手中心位置は、重ね継手長さの約0.5倍ずらすか、または1.5倍以上ずらす

1 ◯
大梁端部の下端筋の重ね継手中心位置は、「その梁端から梁の中心部に向かって梁せいと同じ距離の位置から梁内法長さの 1/4 以内の範囲 」とする。(JASS5)

3 ◯
径の異なる鉄筋を重ね継手とする場合、径の小さい方の鉄筋の応力しか伝わらないので、径の小さい方の径により、重ね継手の長さを算定する。(建築基準法施行令第73条第2項)

4 ◯
重ね継手は、水平重ね、上下重ねのいずれでもよい。
>> 配筋検査のつぼ >>継手及び定着

[ No.27 ]
型枠支保工に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.支柱として用いるパイプサポートの高さが3.5mを超える場合、水平つなぎを設ける位置は、高さ2.5 m以内ごととする。

2.支柱として鋼管枠を使用する場合、水平つなぎを設ける位置は、最上層及び5層以内ごととする。

3.支柱として用いる鋼材の許容曲げ応力の値は、その鋼材の降伏強さの値又は引張強さの値の3/4の値のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下とする。

4.支柱として鋼管枠を使用する場合、1枠当たりの許容荷重は、荷重の受け方により異なる。

答え

  1
支柱として用いる鋼管支柱は、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ水平つなぎの変位を防止する(パイプサポートの場合は高さ 3.5mを超える場合に限る。)(労働安全衛生規則第242条第六号、七号)

2 ◯
支柱として鋼管枠を用いるものにあっては、最上層及び5層以内ごとの箇所に、水平つなぎを設け、かつ水平つなぎの変位を防止することと定められている。(労働安全衛生規則第242条第八号)

3 ◯
鋼材の許容曲げ応力及び許容圧縮応力の値は、その鋼材の「降伏強さの値」又は「引張強さの値の3/4の値」のうち、いずれか小さい値の2/3の値以下とする。(労働安全衛生規則第241条第一号)

4 ◯
支柱として鋼管枠を使用する場合、1枠当たりの許容荷重は、荷重の受け方によって違ってくる。ただし、型枠支保工の支柱に鋼管の枠組みを用いる場合、荷重は枠組みの荷重受け等を利用して、脚柱上部で直接受け、枠組みの横架材で受けてはならない。(型枠の設計・施工指針)

[ No.28 ]
コンクリートの打込みに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.水平打継ぎ部分は、十分に散水して湿潤状態とし、残っている水は取り除いた。

2.外気温が20℃の場合、コンクリートの練混ぜ開始から打込み終了までの時間を120分以内とした。

3.梁及びスラブの鉛直打継ぎ部は、梁及びスラブの端部に設けた。

4.コンクリート1層の打込み厚さは、コンクリート内部振動機(棒形振動機)の長さを考慮して60 cm 以下とした。

答え

  3
特記のない場合、打継ぎ部の位置は、梁、床スラブ及び屋根スラブはそのスパンの中央または端部から1/4付近に設ける。(JASS5 )

1 ◯
打継ぎ部分のコンクリートの一体化及び後打ちコンクリートの水和を妨げないため、打継ぎ部は、レイタンス及びぜい弱なコンクリートを取り除き、打込み前に十分な水湿しを行う。ただし、打継ぎ面に水が残っていると、打継ぎ部の一体化に害を及ぼすので、表面の水は取り除く。( JASS5 )

2 ◯
コンクリートの練混ぜ開始から打込み終了までの時間の限度は、外気温が25℃未満で120分、25℃以上で90分とする。( JASS5 )

4 ◯
コールドジョイントを防止するため、振動機の先端を先に打ち込まれたコンクリートの層に入れるようにする。棒形振動機の長さは 60〜80 cmであるので、1層の打ち込み厚さは 60cm以下とする。(建築工事監理指針)

[ No.29 ]
コンクリートの養生に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.連続的に散水を行って水分を供給する方法による湿潤養生は、コンクリートの凝結が終了した後に行う。

2.コンクリート打込み後の温度を2℃を下らないように養生しなければならないと定められている期間は、コンクリート打込み後日間である。

3.湿潤養生の期間は、早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートの場合は、普通ポルトランドセメントを用いた場合より短くすることができる。

4.打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は、湿潤養生と考えてもよい。

答え

  2
寒冷期におけるコンクリートの養生は、打込み後5日間以上コンクリートの温度を2℃以上に保つこと。(JASS5)

1 ◯
コンクリートの養生として、連続的または断続的に散水や噴霧を行う湿潤養生は、セメントの凝結が終了した後に開始する。( JASS5 )

3 ◯
コンクリートの湿潤養生の期間は、JASS5では、早強ポルトランドセメントを用いた場合には3日以上、普通ポルトランドセメントを用いた場合には5日以上としている。( JASS5 )

4 ◯
打込み後のコンクリートは、透水性の小さいせき板による被覆、養生マットまたは水密シートによる被覆、散水、噴霧、膜養生剤の塗布などにより湿潤養生を行う。打込み後のコンクリートが透水性の小さいせき板で保護されている場合は湿潤養生と考えてもよい。(建築工事監理指針)

[ No.30 ]
高力ボルト接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.呼び径がM20のトルシア形高力ボルトの長さは、締付け長さに20 mmを加えた値を標準とした。

2.高力ボルトの接合部で肌すきが1mmを超えたので、フィラープレートを入れた。

3.座金は、面取りがしてある方を表にして使用した。

4.1次締め及び本締めは、ボルト1群ごとに継手の中央部より周辺部に向かって締め付けた。

答え

  1
トルシア形高力ボルトは、JIS形高力ボルトと比較して、頭側に座金を使用しないため、座金1枚分首下長さを短くできる。締付け長さに加える長さは、M24を例にとると、トルシア形は40mm、JIS形は45mmとする

2 ◯
肌すき量が1mm以下のときは、フィラープレートの挿入は不要である。1mmを超える場合は、フィラープレートを挿入しなければならない

3 ◯
セットを構成する座金及びナットには、表裏があるのでボルトを接合部に組み込むときには、逆使いしないように注意する。座金は、内側面取りのある側が表、ナットは表示記号のある側が表である。( JASS6 )

4 ◯
板の反りを外に逃がすために、1次締め、本締めともに、ボルト1群ごとに継手の中央部から周辺部に向かって締め付ける。

[ No.31 ]
鉄骨の建方に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.建方精度の測定に当たっては、日照による温度の影響を考慮する。

2.梁のフランジを溶接接合、ウェブをボルトの配列が1列の高力ボルト接合とする混用接合の仮ボルトは、ボルト1群に対して1/3程度かつ2本以上締め付ける。

3.梁の高力ボルト接合では、梁の上フランジのスプライスプレートをあらかじめはね出しておき、建方を容易にする。

4.トラスなど重心の求めにくい部材には、危険防止のため重心位置を明示する。

答え

  2
混用接合及び併用継手では、仮ボルトは中ボルト等を用い、ボルト1群に対して1/2程度かつ2本以上をバランスよく配置して締め付ける
混用接合とは、ウェブを高力ボルト、フランジを溶接接合するもので、高力ボルト継手に比べて締め付ける高力ボルトの本数が少ない。そのため、通常の高力ボルト継手ではボルト1群に対して1/3程度だが、混用接合では少し厳しく、ボルト1群に対して1/2程度とする。ただし、ウェブのボルトが2列以上の場合は、安全性を検討の上で1/2以下に減じてよい。(JASS 6)

1 ◯
建方精度の測定では、日照による温度の影響を避けるために、早朝の一定時間に行うなどの考慮を払う。また、長時間にわたる場合は気候も変わるので、測定器の温度補正を行わなければならない。

3 ◯
柱に梁を接合する場合、梁を上から落としこむことになり、梁の上フランジの上側スプライスプレートをあらかじめはね出しておくとつり下げた梁の位置決め、組立てが容易になる。

4 ◯
大型トラスなど、架構の重心を求めにくい部材には、危険防止のため加工工場にて重心位置を明示する。

[ No.32 ]
クレーンに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.クレーンによる作業は、10 分間の平均風速が10 m/s 以上の場合は中止する。

2.建方クレーンの旋回範囲に66,000 Vの送電線がある場合、送電線に対して安全な離隔距離を1.2 m 確保する。

3.クレーンで重量物をつり上げる場合、地切り後に一旦停止して機械の安定や荷崩れの有無を確認する。

4.トラッククレーンを使用する場合、走行時の車輪圧と作業時におけるアウトリガー反力について、その支持地盤の強度を検討する。

答え

  2
送電線とクレーンのジブ等が直接触れなくでも、接近しただけで感電するおそれがある。そのことにより、送電線との離隔距離が定めらている。高圧配線は少なくとも2.2mの離隔距離が必要である。(建築工事監理指針)

1 ◯
強風時には作業を中止hする。厚生労働省の通達によると「強風」とは 10 分間の平均風速が10 m/s 以上の風をいう。(クレーン等安全規則)

3 ◯
クレーンで重量物をつり上げる場合、つり荷を急激につり上げてはならず、地切り後に一旦停止して、機械の安定や台付けワイヤーの状態を確認してからつり上げる。

4 ◯
移動式クレーンを使用する場合には、作業範囲、作業条件を考慮して、安全度、接地圧、アウトリガー反力等の検討及び確認を行い、適切な作業地盤の上で使用しなけばならない。

[ No.33 ]
鉄筋コンクリート造の耐震改修工事に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.鉄筋コンクリート壁の増設工事において、既存梁下と増設壁上部とのすき間のグラウト材の注入は、予定した部分を中断することなく1回で行った。

2.鉄筋コンクリート壁の増設工事において、注入するグラウト材の練上り時の温度は、練り混ぜる水の温度を管理し、10~35℃ の範囲となるようにした。

3.柱の溶接金網巻き工法において、溶接金網は分割して建て込み、金網相互の接合は重ね継手とした。

4.柱の連続繊維補強工法において、躯体表面を平滑にするための下地処理を行い、隅角部は直角のままとした。

答え

  4
柱の連続繊維補強工法においては、連続繊維シートを精度よく貼り付け、破断を生じにくくするため、躯体表面の凸凹を削り取り、断面修復材や下地調整材等で平滑にし、柱の隅角部は面取りとする

1 ◯
既存梁下と増設壁上部とのすき間の補強工事では、注入を中断すると再度それを開始する時に閉塞を起こしたり、無理な加圧が必要であったり、型枠等に局部的に大きな圧力が加わったりするおそれがあるので、中断すことなく、予定した部分は一気に注入する

2 ◯
注入するグラウト材の練上り時の温度が 10~35℃ の範囲となるよう、練り混ぜる水の温度を10℃以上とする

3 ◯
溶接金網は分割して建て込み、相互の接合は重ね継手とする。継手長さは、縦筋間隔に 100mmを加えた長さ以上、かつ 200mm以上とする。