069)高窓の清掃方法
窓は建物のデザイン要素として重要である。高い位置に設けるハイサイドライトや枠をシンプルにした外壁同面のFIX窓、景色を額縁に納めたような窓、連窓でパノラマのような窓、大きな片開き窓など、どれも意匠を考えた窓である。しかし、窓ガラスの清掃について考慮されていないケースも見受けられるので注意したい。
1.清掃しやすい窓にする
最も清掃しやすいのは引き違い窓で、網戸の清掃やガラスの取替えも容易である。軸回転窓、滑り出し窓も清掃しやすい。大型の窓ではドレーキャップ窓のような、換気時内倒し、清掃時内開きにできる機構が付いた窓もある。一方片引き窓は、障子が外動でも内動でも、室内側からガラスの外面を清掃することができない。片開きの窓も清掃しにくい。FIX窓はもちろん不可能である。特に住宅では清掃のしやすが重要である。
清掃しやすい窓、しにくい窓
2.清掃方法は設計時に確認する
室内から安全に清掃できるのが望ましい。もちろん1階であれば、外部から清掃できれば良い。3階までは高所清掃具を用いれば清掃は可能である。
高所清掃具による清掃
屋上からぶらさがって清掃する場合は、屋上に吊環(メンテナンス用金物)を計画することも必要である。高層ビルでは自走式清掃ゴンドラが必要になる。屋上に自走式ゴンドラを設置するときは走行振動音が下階に伝わらないように防振機構を設けたり、速度制限を設けるなども考慮する。低層部の高い吹抜けや軒天井の下のガラス面は、天井吊りのチェアーゴンドラなどを検討する。
高所の清掃
設計段階で建築主に窓ガラスのメンテナンスに対する考えや方法を説明し確認する。施工者も工事の早い段階で確認すれば対応が可能である。