074)浴室の防水と浴槽の防水
下階に室がある場合の浴室の床はアスファルト防水とする。浴室の下階に室がなくても隣室への湿気の防止を考えて、塗膜防水は施したい。
1.浴室の防水立上がりは200mm程度
アスファルト防水の立上りを1m以上高くする設計が見受けられるが、この場合経年によってアスファルト防水が剥がれ、壁仕上げの剥落につながる。アスファルト防水の立上りは浴室床面や浴室天端、洗面台などから200mm程度にし、タイル割の目地等と位置と合わせて決める。立って利用するシャワー部の壁はポリマーセメント系の塗膜防水をして、タイル等の仕上げ材を張る。浴槽は水が抜けないように、浴室防水とは別に塗膜防水をする。浴槽部の断熱材は浴室躯体で押さえる。
2.浴室出入口の防水納まり
浴室出入口部分は、くつずり下及び縦枠下部にステンレス(SUS)製の防水立上り受けプレートを設けて防水を納める。縦枠下部は浴室壁内防水立上り高さに合わせる。浴室内と段差を設けないときは排水溝を設ける。
3.浴室の結露処理
浴室の窓は結露する。結露水を外部へ排水すると外壁を汚すので、浴室ないに排水する。毎日長時間使用する浴室は特に注意を要する。
浴室天井はアルミや樹脂製の天井材で、断熱材を裏打ちした浴室用のものが一般的ではあるが、結露は必ずする。結露した水が天井から滴り落ちないように天井は勾配天井とし、水下側にSUS製結露受けの樋(樹脂製既製品もある)を設けて両サイド等、計画した場所に排水する。天井下地もSUS製にするなど防錆を考慮する。
4.その他浴室での留意点
①床材はJIS A1509-12による滑り抵抗値(C.S.R.B値)0.7以上とする。
②洗面台の奥行き寸法は水栓金具と洗面器の寸法を考慮する。
③浴槽の排水栓は洗い場から抜きやすい位置に設ける。
④洗い場の排水側溝は蓋をせずに清掃しやくする方が清潔である。