1級建築施工管理技士 タイル工事 打継ぎ目地部は剥離しやすい

建築品質 外壁タイル


048) 打継ぎ目地部のタイルは剥離しやすい

45角や45二丁などのモザイクタイル張り外壁において、打継ぎ目地まわりが最も剥離、剥落しやすい。

要因として、
①打ち継ぎ目地の躯体精度不足
②タイルと張付けモルタルとの接着面不足
③躯体の微小な動きの伝搬
などがある。

打ち継ぎ目地の位置と幅は、意匠的な見えかかりはもちろんのこと、他の部位(バルコニーや開放廊下やアプローチなど)との取合いを総合的に判断して、最初に決めなければならない。

1.躯体施工精度を上げる

躯体打継ぎ部の水平精度を確保すること。通常の±10mmでは大きすぎで、最低でも± 5mm以下となるよう施工管理を徹底することが重要である。

2.打継ぎ部のタイル目地幅を大きくする

目地上と目地下のタイルが下地モルタルにしっかり張りつくように、タイル目地幅はできれば打継ぎ目地幅と同じ20mmにすることを推奨する。
打継ぎ部のシール目地が目立たないように一般部と同じ目地幅の5mmにすると、片方のタイルは15mmが打継ぎ目地と重なり、実質は30mmしかモルタルに接着しない。

3.タイルの割り付けを目地芯にする

タイルの割り付けの基準を目地上端にすると、目地下側のタイルの付着面積が小さくなる。さらに躯体誤差が重なるとさらに付着面積は小さくなる。したがって、タイルの目地芯は躯体の目地の中心を基準に割り付けたい。

4.目地部の張り方を上下だけ45二丁を張りする

目地の上下のモザイクタイルを45二丁縦張りとすることによって、張付けモルタルとの付着面積を大きく確保し、剥離の危険性を少なくできる。また、縦張りを入れることによってタイル目地を20mmにしても目立たなくなる。最も現実的な方法の一つである。