1級建築施工管理技士 ガラス工事 ガラスで怪我をしないために

建築品質 ガラス工事


066)ガラスで怪我をしないために

ガラスは割れるものである。ついうっかりガラススクリーンに衝突したり、つまづいてガラススクリーンに当たったり、浴室で滑ってガラス戸で怪我をするなどの事故のケースがある。

1.ガラスを用いた開口部の安全設計指針

特に出入口まわりの事故が多く、これを防止するため、ガラスを用いた開口部の安全設計指針(建設省昭和61年5月31日付通達、平成3年4月4日付改定)が定められている。出入口とその近傍ではガラスが割れても怪我をしないように安全ガラスを使わなければならない。また、床面の近くにまでガラスが入った窓も安全ガラスにする。安全ガラスとは、割れても怪我をしにくいガラス、割れないガラスなどで、強化ガラス、飛散防止フィルム張りのガラス、合わせガラス、ポリカーボネート板などの樹脂ガラスをいう。


安全ガラスの範囲

2.人や物が当たる危険性がある場合は、衝突防止策

ガラスとわかり難いケースや、うっかり物を当てる可能性がある場合には、衝突防止のシールや安全柵の設置などが必要である。鉢植えの設置やディスプレイなどで、設置しないように運用上の配慮もできるが、これは次の対策である。

3.鏡は枠で固定する

壁や扉に鏡を張るとき、下地(合板や金属パネルなど)に接着材だけで取り付けるのはNGである。突然剥がれ落ち、怪我につながる。原因は接着材の経年劣化により接着力が無くなるため、或いは下地不良による接着力不足などのためであると考えられる。したがって、鏡の取付けは、接着力が無くなった時にも剥離、剥落しないように支持金物で機械的に固定することが重要である。また、鏡は湿気で裏面の銀引きが腐食する。湿気の多いところでは防湿性を有する鏡を使用する。鏡厚は5mm以上とする。


鏡の支持金物