1級建築施工管理技士 令和05年 学科 問題1 解説

令和5年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1
(午前の部)令和5年6月11日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.15 ]までの15問題のうちから、12問題を選択し、解答してください。
 
ただし、12問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は、四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
 
[ No.1 ]
日照及び日射に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.北緯35°における南面の垂直壁面の可照時間は、夏至日より冬至日のほうが長い。
 
2.日影規制は、中高層建築物が敷地境界線から一定の距離を超える範囲に生じさせる、冬至日における日影の時間を制限している。
 
3.水平ルーバーは東西面の日射を遮るのに効果があり、縦ルーバーは南面の日射を遮るのに効果がある。
 
4.全天日射は、直達日射と天空日射を合計したものである。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

可照時間とは、障害物のない水平面であれば晴れた日の日の出から日没までの時間に日照があるべき時間をいう。北緯35度における南面の垂直壁の可照時間は、太陽が東西軸より南側にある時間となる。夏至(約7時間)よりも春分または秋分(約12時間)の方が長くなり、冬至はそれよりも長くなる。

2.◯

日影規制とは、中高層建築物により生ずる日影を一定の時間な内に抑えることで、周辺の居住環境を保護する規制である。中高層建築物の敷地境界線から定められた距離を越える範囲(5m及び10m)で、冬至日における日影の時間を制限する。

3.×

羽根が水平に並ぶ水平ルーバーは、日射を遮るために南側の開口部に取り付けると、太陽の高度が高くなる夏季に南面の日射を防ぐのに効果がある。羽根が垂直に並ぶ縦ルーバーは、冬季の高度が低くなった西日を遮るのに効果がある。

4.◯

日射とは、地表面または大気中における太陽放射の総称である。大気層を通り抜けて直接地表面に達する太陽光線の日射量を直達日射量、途中で乱反射されて地上に達する太陽光線の日射量を天空放射量といい、直達日射量と天空放射量を合計したものを全天日射量という。

 
[ No.2 ]
採光及び照明に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.横幅と奥行きが同じ室において、光源と作業面の距離が離れるほど、室指数は小さくなる。
 
2.設計用全天空照度は、快晴の青空のときのほうが薄曇りのときよりも小さな値となる。
 
3.照度は、単位をルクス(lx)で示し、受照面の単位面積当たりの入射光束のことをいう。
 
4.光度は、単位をカンデラ(cd)で示し、反射面を有する受照面の光の面積密度のことをいう。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

室指数とは光源から出た光束がどれぐらい作業面に達するかを示す計算方法の一つで、光源の距離が被照面(作業面)から離れるほど、室指数は小さくなる。室の形による指数で、照明率を求めるために用いられる。

室指数(k) =( X × Y ) / ( H ×( X × Y ) )

 X:室の間口  [ m ]

 Y:室の奥行き [ m ]

 H:被照面から光源までの距離 [ m ]

2.◯

設計用全天空照度は、快晴の青空のときが薄曇りのときよりも小さな値となる。全天空照度とは、直射日光を除いた全天空の照度をいう。

 晴れ 10,000 ルクス

 曇り 30,000 ルクス

 雨   5,000 ルクス

 覚え方:俳句もさまになる雨の甲子園(原口秀明氏より)

     晴 1 雲 3万   雨 5千

3.◯

照度とは、受照面の明るさを表し、単位面積当たりに入射する光束の量をいう。単位はルクス(lx)で示す。

4.×

光度は、光源から発散される光のエネルギーの強さを表す尺度であり、物理的には光源の中のある点からあらゆる方向に向けて発散される単位立体角あたりの光束をいう。単位は cd(カンデラ)で示す。反射面を有する受照面の光の面積密度とは輝度であり、単位はカンデラ毎平方メートル [ cd/m2]で示す。

[ No.3 ]
吸音及び遮音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.吸音材は、音響透過率が高いため、遮音性能は低い。
 
2.多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の吸音に効果がある。
 
3.単層壁において、面密度が大きいほど、音響透過損失は小さくなる。
 
4.室間音圧レベル差の遮音等級はD値で表され、D値が大きいほど遮音性能は高い。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

壁面に音が入射されると、入射音エネルギーは、反射、吸音等により減少し、一部が透過する。

透過率 = 透過音エネルギー/入射音エネルギー

反射率 = 反射音エネルギー/入射音エネルギー

上記の公式により、音を吸収する吸音材は、透過率が高いため、反射音エネルギーは少なくなり、遮音性能は低くなる。

2.◯

多孔質の吸音材は、一般に低音域より高音域の方が吸音率(音を吸収する程度を表す指数)は大きい。すなわち、低い音よりも高い音の方が吸収されやすい

3.×

透過損失とは、壁体等の遮音の程度を示すもので、値が大きいほど、壁体等の遮音性能が高いことを表す。単層壁の透過損失は、単位面積当たりの単位面積あたりの質量(面密度)と、周波数大きいほど大きくなる。これを単層壁の質量則という。

4.◯

室間音圧レベル差とは、音が発生している室の音圧レベルと音が透過する側の室の音圧レベルのをいい、この差が大きいほど、遮音性能が高い。したがって、室間音圧レベル差の遮音等級を表すD値は、その値が大きいほど遮音性能が高い

 
[ No.4 ]
免震構造に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アイソレータは、上部構造の重量を支持しつつ水平変形に追従し、適切な復元力を持つ。
 
2.免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる。
 
3.地下部分に免震層を設ける場合は、上部構造と周囲の地盤との間にクリアランスが必要である。
 
4.ダンパーは、上部構造の垂直方向の変位を抑制する役割を持つ。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

アイソレータは、地震入力に対して絶縁機能を持つもので、地震の水平方向の動きに対して縁を切り、上部構造動かないようにする。水平方向の変位を抑制する役割はダンパーが受け持つことが多い。

2.◯

ねじれ応答とは、地震時に建物全体がねじれるような挙動をいう。免震部材の配置を調整し、上部構造の重心と免震層の剛心を合わせることで、ねじれ応答を低減できる

3.◯

大きな地震動を免震構造が受けた場合、上部構造は長周期で大きく水平移動するため、上部構造と周囲の地盤との接触、衝突を避けるため十分なクリアランスが確保することが必要である。設計で考えられる変位量の1.5 〜 2.0倍程度の離隔寸法を確保する。

4.×

免震構造におけるダンパー(減衰器)の役割は、免震層の過大な変形を抑制し、地震時の応答を安定化させることである。

 
[ No.5 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、その構造耐力上主要な支点間の距り離の1/15以上とする。
 
2.耐震壁とする壁板のせん断補強筋比は、直交する各方向に関して、それぞれ0.25%以上とする。
 
3.床スラブの配筋は、各方向の全幅について、コンクリート全断面積に対する鉄筋全断面積の割合を0.1%以上とする。
 
4.梁貫通孔は、梁端部への配置を避け、孔径を梁せいの1/3以下とする。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

普通コンクリートを使用する場合の柱の最小径は、構造耐力上主要な支点間の距離(通常上下の梁の内法寸法)の1/15以上とする。(建築基準法施行令第77条第五号)

2.◯

鉄筋コンクリート構造の壁板のせん断補強筋比は、地震力により生ずるせん断ひび割れを分散化し、急激な剛性低下を防ぐため、直交する各方向に関して、それぞれ0.0025(0.25%)以上とする。

3.×

床スラブの配筋は、温度応力収縮応力に対する配筋として、各方向の全幅について、鉄筋全断面積のコンクリート全断面に対する割合は、0.2%以上をする。

4.◯

梁に貫通孔が設けられると、梁断面の欠損によりせん断強度が低下するので、適切に補強を行う必要がある。鉄筋コンクリート構造の場合、円形孔の直径は梁せいの1/3以下とし、梁端部への配置は避ける。

 
[ No.6 ]
鉄骨構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.角形鋼管柱の内ダイアフラムは、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等に用いられる。
 
2.H形鋼は、フランジやウェブの幅厚比が大きくなると局部座屈を生じにくい。
 
3.シヤコネクタでコンクリートスラブと結合された鉄骨梁は、上端圧縮となる曲げ応力に対して横座屈を生じにくい。
 
4.部材の引張力によってボルト孔周辺に生じる応力集中の度合は、高力ボルト摩擦接合より普通ボルト接合のほうが大きい。
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

角形鋼管柱(BCPとBCR)と梁との仕口部には通しダイアフラム方式と内ダイアフラム方式とがある。柱サイズに対して、梁フランジの幅が小さく、せいの異なる梁を1本の柱に取り付ける場合等には、内ダイアフラム方式とする。

鋼管柱とダイヤフラム、梁フランジとダイヤフラム若くは鋼管柱は、一体とするため、完全溶け込み溶接とする必要がある。梁せいが異なるときに通しダイアフラムとすると、その間隔が狭い部分が発生し、完全溶け込み溶接の検査に必要な超音波探傷試験ができなくなる箇所が生じる。

内ダイヤフラムと鋼管内側の溶接も完全溶込み溶接にする必要があるが、溶接の工程を分けることにより、超音波探傷試験を行うことができる。

2.×

H 形鋼は、フランジ及びウェブの幅厚比が大きくなると、部材形状に対し板厚が薄いということになり、局部座屈を生じやすくなる

3.◯

シアコネクタとは、2つの部材を一体化するための接合部材をいう。シアコネクタでコンクリートスラブと結合された鋼製梁は、梁の上端が圧縮となるような曲げ応力に対して、梁の水平方向への座屈である横座屈が生じにくい。

4.◯

普通ボルト接合の場合、部材に引張力が作用すると接合部にずれが生じ、ボルトと鋼板が支圧力で支持するため、ボルト孔周辺に応力が集中する。一方、高力ボルトによる摩擦接合が、ボルトの支圧力ではなく、スプライスプレート(添え板)の摩擦力で支持するため、普通ボルト接合と比較すると小さくなる。

 
[ No.7 ]
杭基礎に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.杭の周辺地盤に沈下が生じたときに杭に作用する負の摩擦力は、支持杭より摩擦杭のほうが大きい。
 
2.杭と杭の中心間隔は、杭径が同一の場合、埋込み杭のほうが打込み杭より小さくすることができる。
 
3.杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力と極限周面摩擦力との和で表す。
 
4.杭の引抜き抵抗力に杭の自重を加える場合、地下水位以下の部分の浮力を考慮する。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

杭周囲の地盤沈下によって杭の沈下より地盤の沈下が大きくなると、杭周囲面には下向き摩擦力が働くが、摩擦杭杭と共に沈下するため、負の摩擦力は支持杭の方が摩擦杭より大きくなる

2.◯

杭と杭との中心間隔の最小値は、埋込み杭の場合は、その杭頭部の径2.0倍以上打込み杭の場合は、その杭頭部の径の2.5倍以上かつ75cm以上とする。よって、埋込み杭の方が打込み杭より、中心間隔を小さくすることができる。

3.◯

杭の極限鉛直支持力は、極限先端支持力極限周面摩擦力加算したものとする。

4.◯

杭の引抜き力は、杭自体の引張強度と、地盤の引抜き抵抗の小さい方で決まる。地盤の引抜き抵抗による値は、極限の引抜き抵抗の1/3を長期許容引抜き力とするが、杭の自重も引抜きに抵抗すると考えてよい。その場合、地下水位以下の部分浮力を考慮する。

tRa = 1/3 × tRu + Wp

tRa:杭の長期許容引抜き抵抗力

tRu:地盤による杭の極限引抜き抵抗力

Wp:杭の自重(地下水位以下の部分については浮力を考慮する)

 
[ No.8 ]
図に示す柱ABの図心Gに鉛直荷重Pと水平荷重Qが作用したとき、底部における引張縁応力度の値の大きさとして、正しいものはどれか。ただし、柱の自重は考慮しないものとする。

1.3N/mm2
2.7N/mm2
3.10N/mm2
4.13N/mm2
 
答え

  2

[ 解答解説 ]

組合わせ応力度の問題


 

鉛直荷重 P による 応力度 P/A

P/ 300×200 = P/6 ×104

      = 180k /6 ×104

      = 3

水平荷重 Qより

M/Z = Q×ℓ/bD2/6

   = Q × 2,000 / 200 × 3002/6

   = Q × 2,000 / 3,000,000

   = Q × 2 / 3,000

   = 15kN × 2 / 3,000

   = 10

P/A < M/Z であるので、

引張側の縁応力度は、

P/A – M/Z となり、

10 − 3 = 7 N/mm2

ゆえに、正答は2となる。

(補足)

Z:断面係数( bD2/6)

  曲げ応力度を求めるときに使う

※柱の縁応力度の問題は、1級建築施工管理技士の試験では、初出題である。

[ No.9 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構のDE間に等分布荷重wが作用したとき、支点Aの水平反力HA及び支点Bの水平反力HBの値として、正しいものはどれか。ただし、反力は右向きを「+」、左向きを「−」とする。

 
1.HA=+9kN
 
2.HA= –6kN
 
3.HB= 0kN
 
4.HB= –4kN
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

A点及びB点における垂直反力をVA、VBとする。

点Aについてのモーメント(ΣMc = 0)を考える

等分布荷重は点Aから 3m離れた集中荷重と考える。

MA = 3 [ kN/m ] × 3 [m] − VB × 6 [m] = 0

これを解くと VB = 9[ kN ]

等分布荷重は、合計で 18 [ kN ] であるから

VA = 9[ kN ]

となる。

点Cについての右側のモーメントを考える

Mc = 3 × 2 × 1 – HB × 3 – 2 × 9 = 0

これを解くと、

HB = 4 [ kN ]

水平方向のつり合いより

HA + HB = 0 なので、

HA = –4 [ kN ]

題意より、反力は右向きを「+」、左向きを「-」

とあるので、

HA = 4 [ kN ]

HB = –4 [ kN ]

ゆえに、正答は4となる。

 
[ No.10 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Dにモーメント荷重Mが作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

 
答え

  2

[ 解答解説 ]

  

点Dのモーメントは梁材DC及び柱材DAを伝わり、ピン節点であるC及びAでゼロになる。

ゆえに、3番ではない。

「曲げモーメントは材の引張側に描くものとする」

とあるので、梁DC材は下側、柱DA材は外側になる。

ゆえに、正答は、2番となる。

 
[ No.11 ]
コンクリート材料の特性に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.減水剤は、コンクリートの耐凍害性を向上させることができる。
 
2.流動化剤は、工事現場で添加することで、レディーミクストコンクリートの流動性を増すことができる。
 
3.早強ポルトランドセメントを用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より硬化初期の水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。
 
4.高炉セメントB種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いた場合より耐海水性や化学抵抗性が大きく、地下構造物に適している。
 
答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

コンクリートなどの中にある多数の微細な独立した空気泡を一様に分布させてワーカビリティ及び耐凍害性を向上させるために用いる化学混和剤は、AE剤である。減水剤は、所要のスランプを得るのに必要な単位水量を減少させるために用いる化学混和剤である。

2.◯

流動化剤は、あらかじめ現場で練り混ぜられたコンクリートに添加する混和剤で、流動性(流れやすさ)を向上させることが目的であり、スランプロスを低減させる効果がある。

3.◯

早強ポルトランドセメントは、粒子の細かさを比表面積(ブレーン値(単位:cm2/g))で表し、粒子が細かいほど質量当たりの表面積が大きい。ブレーン値の値が大きくなるほど細かく早期強度が得られる。水和発熱量が大きく、冬期の工事に適している。

4.◯

高炉セメントB種は、耐海水性化学抵抗性が大きいので、海水の作用を受けるコンクリートや、地下構造物に使用される。普通ポルトランドセメントと比較するとセメントの水和反応時に生成する遊離石灰が少ないので、次のような特徴がある。

①アルカリ骨材反応の抑制に効果がある。

②耐海水性や化学抵抗性が大きい

③初期強度はやや小さいが、4週以降の長期強度は同等以上

 
[ No.12 ]
建築に用いられる金属材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.ステンレス鋼は、ニッケルやクロムを含み、炭素量が少ないものほど耐食性が良い。
 
2.銅は、熱や電気の伝導率が高く、湿気中では緑青を生じ耐食性が増す。
 
3.鉛は、X線遮断効果が大きく、酸その他の薬液に対する抵抗性や耐アルカリ性にも優れている。
 
4.チタンは、鋼材に比べ密度が小さく、耐食性に優れている。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

ステンレスは、ニッケル、クロムを含んだ炭素量の少ない耐食性の極めて大きい特殊鋼である。炭素量が少ないものほど軟質で耐食性がよい。

2.◯

は、軟らかく加工性が大きい。大気中のガスや水分によって緑青の保護被膜がつくられる。

3.×

は、X線・放射線の遮断効果は大きいが、他の金属と比べると錆やすい

4.◯

チタンは、比重が4.51と鋼材に比べて軽い密度が小さい。また、極めて腐食しにくく耐食性が高い。

 
[ No.13 ]
石材に関する一般的な記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.花崗岩は、結晶質で硬く耐摩耗性や耐久性に優れ、壁、床、階段等に多く用いられる。
 
2.大理石は、酸には弱いが、緻密であり磨くと光沢が出るため、主に内装用として用いられる。
 
3.粘板岩(スレート)は、吸水率が小さく耐久性に優れ、層状に剥がれる性質があり、屋根材や床材として用いられる。
 
4.石灰岩は、柔らかく曲げ強度は低いが、耐水性や耐酸性に優れ、主に外装用として用いられる。
 
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

花崗岩はいわゆる御影石と呼ばれ、地下深部のマグマが地殻内で冷却固結した結晶質の石材で、硬く、耐摩耗性耐久性に優れた石材として、建築物外部の壁階段等に最も多く用いられている。ただし、耐火性の点でやや劣る

2.◯

大理石は石灰岩が結晶化したもので、美観に優れ強度も十分ある。しかし、耐酸性、耐火性に劣り、外装材には用いることができないため、主に内装用の材料として用いられる。

3.◯

粘板岩(スレート)(変成岩)は、吸水性が少なく耐久性に優れていることに加えて、剥がれる際は層状となる性質があるため、屋根材床材として用いられる。

4.×

石灰岩(堆積岩)は、軟らかく、加工が容易なため、コンクリートの骨材や、セメント材料に用いられる。一方で、取付け部耐力、曲げ強度等は他の石材に比べて小さく、耐水性、耐酸性に劣る

 
[ No.14 ]
日本産業規格(JIS)に規定する防水材料に関する記述として、不適当なものはどれか。
 
1.2成分形のウレタンゴム系防水材は、施工直前に主剤、硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。
 
2.防水工事用アスファルトは、フラースぜい化点の温度が低いものほど低温特性のよいアスファルトである。
 
3.ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積(引張強さと最大荷重時の伸び率との積)を表している。
 
4.改質アスファルトルーフィングシートは、温度特性によりⅠ類とⅡ類に区分され、低温時の耐折り曲げ性がよいものはⅠ類である。
 
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ウレタンゴム系防水材は、湿気硬化形の1成分形、反応硬化形の2成分形がある。2成分形のウレタンゴム系防水材は、主剤硬化剤を施工直前に配合する。必要に応じて硬化促進剤や充填材等を混合して使用する。

2.◯

フラースぜい化点温度とは、アスファルトの低温における変形しやすさを示すもので、鋼板の表面に作製したアスファルト薄膜を曲げたとき、亀裂の生じる最初の温度を示す。つまり、フラースぜい化点温度が低いものは、低温でも脆性破壊を生じることなく変形する低温特性のよいアスファルトである。

3.◯

ストレッチルーフィングの種類及び品質はJIS A 6022に定められており、ストレッチルーフィング1000の数値1000は、製品の抗張積引張強さ最大荷重時の伸び率との)を表ている。

4.×

改質アスファルトルーフィングシートにはⅠ類Ⅱ類にがあり、Ⅱ類の方が低温時耐折り曲げ性がよい。(JIS A6013)

 
[ No.15 ]
屋内で使用する塗料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
 
1.アクリル樹脂系非水分散形塗料は、モルタル面に適しているが、せっこうボード面には適していない。
 
2.クリヤラッカーは、木部に適しているが、コンクリート面には適していない。
 
3.つや有合成樹脂エマルションペイントは、鉄鋼面に適しているが、モルタル面には適していない。
 
4.2液形ポリウレタンワニスは、木部に適しているが、ALCパネル面には適していない。
 
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

アクリル樹脂系非水分散形塗料は、屋内のコンクリート面やモルタル面等、平滑な箇所の仕上げには適しているが、微細な隙間のあるガラス繊維補強セメント面やせっこうボード面には適していない。(下地処理が必要となる)

2.◯

クリヤラッカーは、顔料の入っていない透明な塗料である。自然乾燥で、短時間に溶剤が蒸発して塗膜を形成するもので、木部面に適していることが特徴である。コンクリート面には適していない。

3.×

つや有合成樹脂エマルションペイント(EP-G)は、木部(屋内)、鉄鋼・亜鉛めっき鋼面(屋内)、モルタルプラスター面(屋内外共)、コンクリート・ALCパネル・押出成形セメント板面(屋内外共)、せっこうボード・その他ボード面(屋内外共)に適している。

4.◯

2液形ポリウレタンワニスは、主剤と硬化剤を混合させて作る塗料であり、顔料が入っていない透明な塗料である。クリヤラッカーと同様、木部面に適していることが特徴である。ALCパネル面には適していない。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題1 解説

令和6年 1級建築施工管理技士 一次 解答 解説 問題1

(午前の部)令和6年7月21日(日)

問題番号[ No.1 ]〜[ No.6 ]までの6問題は、全問題を解答してください。問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。

[ No.1 ]
中央管理方式の空気調和設備を設けた建築物における居室の室内環境に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.室内空気中の一酸化炭素の濃度は,6ppm以下とする。

2.室内空気中の二酸化炭素の濃度は,1,000ppm以下とする。

3.室内空気の気流の速さは,1.5m/s以下とする。

4.室内空気の相対湿度は,40%以上70%以下とする。

答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

2.◯

室内環境基準において、空気中の二酸化炭素濃度の許容値は、1,000ppm(0.1%)以下と定められている。(建築基準法施行令第129条の2の6第3項)

・二酸化炭素 1,000 ppm以下

一酸化炭素   10 ppm以下

覚え方「銭湯で屁をする」

(原口氏「スーパー記憶術」より)

一酸化炭素は 6 ppm以下に変更になっている。

3.×

室内空気の建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)には以下のように規定されている。

建築物環境衛生管理基準(厚生労働省)

浮遊粉じんの量 0.15mg/m3以下

一酸化炭素の含有率 100万分の6以下(= 6 ppm以下)

二酸化炭素の含有率 100万分の1000以下(=1000 ppm以下

温度(1)17℃以上 28℃以下

  (2)居室における温度を外気の温度より低くする場合は、

     その差を著しくしないこと。

相対湿度 40%以上 70%以下

気  流 0.5 m/秒以下

ホルムアルデヒドの量 0.1mg/m3以下(0.08ppm以下)

4.◯

[ No.2 ]
図に示すような鉄筋コンクリート壁の熱貫流率として,最も近い値はどれか。ただし,熱伝達率は,放射熱伝達率と対流熱伝達率を合わせたものとする。

1.0.3  2.1.3  3.4.0  4.33.6

答え

  3

[ 解答解説 ]

熱貫流率とは、熱伝導抵抗の逆数、つまり熱の通しやすさのことである。

熱伝達率は、壁の室内側と室外側にありその表面近傍部分の熱伝達のしやすさのことである。

その逆数が熱伝達抵抗である。一般的にはそれぞれの部位、仕上面の状況によってことなる。

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(材料の厚さ(m)÷材料の熱伝導率(W/m・K) )

= 1/{ 1/9+(0.150/1.6) +1/23}

= 1/(0.111 + 0,09375+0.0438)

= 1/ 0,24855

= 4.02

又は

熱貫流率(U値)

= 1 /材料の熱抵抗値(m2・K/W)

= 1/(室内側熱伝達抵抗 + 壁の熱伝導抵抗 + 室外側伝達抵抗)

= 1/(0.111 + 0.094 + 0.043)

= 1/0.248

= 4.032

よって、選択枝3の 4.0が最も近い値である。

[ No.3 ]
鉄筋コンクリート構造に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.柱の主筋はD13以上の異形鉄筋を4本以上とし,その断面積の和は柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。

2.柱のせん断補強筋は直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とし,せん断補強筋比は0.2%以上とする。

3.梁の断補強筋の間隔は,梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。

4.梁に孔径が梁せいの1/3の円形の貫通孔を2個設ける場合,その中心間隔は両孔径の平均値の2倍以上とする。

答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

柱の主筋は、柱の軸方向に配筋する鉄筋のこと。異形鉄筋とは、コンクリートの付着性を向上させるために周囲にリブと呼ばれる突起のある鉄筋をいう。柱の主筋は直径がD13以上の異形鉄筋とし、その断面積の和は、柱のコンクリート全断面積の0.8%以上とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

2.◯

梁、柱のせん断補強筋は軽微な場合を除き、直径9mm以上の丸鋼又はD10以上の異形鉄筋とする。せん断補強筋(帯筋及びあばら筋)比は0.2%以上とする。

3.◯

梁の断補強筋とは、梁のせん断応力に対抗する鉄筋のことであばら筋のことである。あばら筋は、せん断やひび割れに対する補強に用いられ、間隔はD10の異形鉄筋を用いて梁せいの1/2以下,かつ,250mm以下とする。(鉄筋コンクリート構造計算基準・同解説)

4.×

梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/3以下とし、孔の中心間隔は孔径の平均値の3倍以上とする。

[ No.4 ]
地盤及び基礎構造に関する記述として,最も不適当なものはどれか。

1.圧密沈下の限界値は,独立基礎のほうがべた基礎に比べて大きい。

2.直接基礎の滑動抵抗は,基礎底面の摩擦抵抗が主体となるが,基礎の根入れを深くすることで基礎側面の受動土圧も考慮できる。

3.直接基礎の地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.基礎梁の剛性を高くすることにより,不同沈下が均等化される。

答え

  1

[ 解答解説 ]

1.×

独立基礎とは、柱ごとに独立して点で支持する基礎をいう。べた基礎とは、建物の荷重を面で支持する基礎をいう。独立基礎は圧密により不同沈下を生じやすいが、べた基礎は建物と基礎が一体となっているため、不同沈下は生じにくい。圧密沈下の許容値は、独立基礎の方がべた基礎に比べて小さい

2.◯

滑動抵抗とは,基礎底面が土圧により水平に移動しようとする力に抵抗することをいう。根入れを深くすると、基礎底面の摩擦抵抗が主体となり滑動を防止できるが、根入れを深くすることにより、基礎側面に受動土圧は大きくなるので、さらに抵抗力が上がる。

3.◯

直接基礎における地盤の許容応力度は,基礎荷重面の底面積が同じであっても,その底面形状が正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

4.◯

基礎梁とは、基礎部分や地下部分を支える梁のことで、地中に施工される者で、地中梁とも呼ばれる。基礎梁の剛性を高くすると、基礎梁が変形しにくくなるので、不同沈下を均等化することができる。

[ No.5 ]
図に示す3ヒンジラーメン架構の点Cに集中荷重P1及びP2が作用したとき,支点Bに生じる水平反力HBの値の大きさとして,正しいものはどれか。

1.HB=0kN

2.HB=2kN

3.HB=4kN

4.HB=6kN

答え

  3

[ 解答解説 ]

支点A及びBの鉛直荷重及び水平荷重をVA、HA、VB、HBとおく

力のつり合いより

VA + VB = P2 = 3kN

HA + HB = P1 = 4kN

支点Aでは

MA = 8m × -VB + 4m × P1 = 0

よって、VB = 4m × 4kN / 8m = 2kN

ゆえに VA = 1 kN

点Cより右側の部材を考える

Mc = 8m × -VB + 4m ×HB = 0

8VB = 4HB

HB = 2VB = 4kN

よって、正答肢は3となる。

[ No.6 ]
内装材料に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。

1.強化せっこうボードは,せっこうボードの芯に無機質繊維等を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.パーティクルボードは,木毛等の木質原料及びセメントを用いて圧縮成形した板で,屋根の下地材等に使用される。

3.コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じてウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.クッションフロアは,表面の透明ビニル層の下に印刷層,発泡ビニル層をもったビニル床シートである。

答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

強化せっこうボードは,せっこうボードの芯にガラス繊維などの無機質繊維を混入したもので,性能項目として耐衝撃性や耐火炎性等が規定されている。

2.×

パーティクルボードは、木材等の小片を主な原料として、接着剤を用いて熱圧成形した板である。(JIS A5908)設問は、木質系セメント板の記述である。

3.◯

コルク床タイルは,天然コルク外皮を主原料として,必要に応じて塩化ビニル樹脂またはウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

4.◯

クッションフロアはビニル床シートの一種で、表面に透明ビニル層、その下に印刷層,発泡ビニル層をもったものである。

1級建築施工管理技士 令和06年 学科 問題2 解説

問題番号[ No.7 ]〜[ No.15 ]までの9問題のうちから、6問題を選択し、解答してください。
なお、6問題を超えて解答した場合、減点となりますから注意してください。
問題は四肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
[ No.7 ]
換気に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.機械換気における第3種機械換気方式は,自然給気と排気機による換気方式で,浴室や便所等に用いられる。
2.室内外の温度差による自然換気の換気量は,他の条件が同じであれば,流入口と流出口の高低差に反比例する。
3.自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。
4.必要換気量が一定の場合,室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

第3種機械換気方式は,自然給気と排気機によって室内の空気を排出する換気方式で,台所、浴室、便所、給湯室等に室内を負圧にする場所に用いられる。

2.×

自然換気は、自然の力を利用して換気するもので、常に一定の換気量を維持するのは難しいが、維持管理が安い等の特徴がある。室温が外気温より高い場合、温度の高い空気は密度が小さく上昇し、温度の低い外気は下降する。上下の開口の垂直距離が大きいほどこの効果は大きい

3.◯

室内外の温度差による自然換気で、上下に大きさの異なる開口部を用いる場合、自然換気における中性帯の位置は,流入口と流出口の開口面積の大きなほうに近づく。

4.◯

換気回数は換気量を室容積で除した値のことで、必要換気量が一定の場合,室容積が大きなほど換気回数は小さくなる。そのため、室容積が大きな空間に比べて小さな空間のほうが,必要な換気回数が多い。

[ No.8 ]
音に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.人が知覚する主観的な音の大小をラウドネスといい,音圧レベルが一定の場合,100Hzの音よりも1,000Hzの音のほうが大きく感じる。
2.残響時間とは,音源が停止してから音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいう。
3.1つの点音源からの距離が2倍になると,音圧レベルは3dB低下する。
4.マスキング効果は,マスキングする音とマスキングされる音の周波数が近いほど大きい。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

音の大きさの特性をふまえて、ある音の大きさを、これと同じ大きさに聞こえる 1,000Hzの純音の音圧レベル [dB]の値で表したものをラウドネスレベルといい、単位は phonを用いる。同じ音圧レベルの場合、一般に100Hzの音よりも1,000Hzの音の方が大きく感じる。

2.◯

残響時間とは,音源が停止した後、音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間のことをいい、室容積に比例し、室内の総吸音力に反比例する。

3.×

点音源からの距離が 2倍になると、音の強さのレベルは約 6dB (デシベル)減衰する。

4.◯

マスキング効果とは,目的の音が別の音によって聞こえなくなる現象をいう。隠ぺい効果ともいう。それぞれの音の周波数が近いほど効果が大きくなる。

[ No.9 ]
鉄筋コンクリート構造の建築物の構造計画に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.ねじれ剛性は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。
2.耐震壁に換気口等の小開口がある場合でも,その壁を耐震壁として扱うことができる。
3.腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する。
4.柱は,地震時の脆性破壊の危険を避けるため,軸方向圧縮応力度が大きくなるようにする。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

ねじれ剛性(ねじれの力に対して歪まない性能)は,耐震壁等の耐震要素を,平面上の中心部に配置するよりも外側に均一に配置したほうが高まる。剛性より、ねじれ剛性の方が、柔軟性があるため、外側に配置する。

2.◯

耐力壁(耐震壁)の構造としては、建築基準法施行令第78条の2に定められており、耐力壁の構造は、第1項第二号で開口部周囲に径12mm以上の補強筋を配置する。したがって、壁に換気口等の小開口がある場合でも,所定の条件下ではその壁を耐震壁として扱うことができる。

3.◯

鉄筋コンクリート構造の構造計画において、腰壁,垂れ壁,そで壁等は,柱及び梁の剛性や靭性への影響を考慮して計画する必要がある。

4.×

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No.10 ]
鉄骨構造の設計に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。
2.梁のたわみは,部材断面と荷重条件が同一の場合,材質をSN400AからSN490Bに変更しても同一である。
3.柱脚に高い回転拘束力をもたせるためには,根巻き形式ではなく露出形式とする。
4.トラス構造を構成する軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものとする。
答え

  3

[ 解答解説 ]

1.◯

座屈とは、縦長の部材が縦方向に圧縮荷重を受けた時、横方向に曲がる現象をいう。座屈長さとは、部材の座屈が生じる長さをいう。柱頭が水平移動するラーメン構造の柱の座屈長さは,節点間の距離より長くなる。

2.◯

梁の変形は曲げ、圧縮、せん断変形のいずれも荷重条件、部材断面が同じであれば、ヤング係数に比例する。鋼材のヤング係数は、材質に関係なく、2.05 × 105 N/mm2で一定あり、材質を変えてもたわみは変わらない。SN400AとSN490Bでは、強度は異なるが同じ鋼材である。部材断面と荷重条件が同一であれば、梁のたわみは同一である。

3.×

柱脚には、露出柱脚、根巻き柱脚、埋込み柱脚がある。柱脚の固定度(回転拘束)の大小関係は、露出柱脚 < 根巻き柱脚 < 埋込み柱脚である。露出柱脚より根巻き柱脚の方が高い回転拘束力をもつ

4.◯

トラス構造とは、直線の鋼材をピン節点で組み上げた骨組構造のことである。この軸材は,引張りや圧縮の軸力のみを伝達するものである。

[ No.11 ]
表に示す角形鋼管柱の座屈荷重の値として,正しいものはどれか。

ただし,図に示すとおり,支点は両端固定とし水平移動は拘束されているものとする。

 1.  600π kN
 2.  600π2 kN
 3. 2,400π kN
 4. 2,400π2 kN
答え

  4

[ 解答解説 ]

水平移動の拘束されている、両端固定の座屈長さは 0.5ℓで与えられる。

(ℓは材料の長さ)

座屈荷重Pは

P = π2×E× I /ℓ2

で与えられる。

よって、
π2×2.0 ×105×3.0×108/(0.5×10×103)2

2×2400 kN

よって、解答枝4が正解である。

[ No.12 ]

図に示す梁のAB間及びAC間に等分布荷重wが作用したときの曲げモーメント図として,正しいものはどれか。ただし,曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

答え

  1

[ 解答解説 ]

梁部材ABは等分布荷重により下部引張が生じる

よって、2と4は不正解

キャンティ梁部材CAは等分布荷重により梁上部に引張が生じる

よって3は不正解

∴ 選択肢1が正解となる。

[ No.13 ]
鋼材に関する一般的な記述として,最も不適当なものはどれか。
1.鋼は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,靱性は低下する。
2.SN490BやSN490Cは,炭素当量の上限の規定がない建築構造用圧延鋼材である。
3.鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。
4.低降伏点鋼は,制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮する。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

鋼材は,炭素量が多くなると,引張強さは増加し,伸びや靱性は低下する。炭素量が少なくなると、粘りが増大し、加工しやすくなる。

2.×

SN材は、建築構造用圧延鋼材で、溶接性の保証の有無板厚方向の引張特性の保証等を強度区分の末尾記号 A,B,Cで表示する。A種は溶接を行わない部材に使用される。B種及びC種は、塑性変形性能と溶接性の確保が要求される部材に使用されるので、JISにより化学成分、炭素当量の上限等が規定されている。

3.◯

鋼材の材質を変化させるための熱処理には,焼入れ,焼戻し,焼ならし等の方法がある。焼入れとは、鋼材を加熱後、水などで急冷して硬度を大きくする熱処置である。焼戻しとは、焼入れ後に再加熱して、じん性を高める熱処理でである。焼ならしとは、加熱後、空冷し、鋼の組織の均一化を図る熱処理である。

4.◯

低降伏点鋼は,添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼材である。従来の軟鋼に比べ強度が低いが、延性が極めて高いため、制振装置に使用され,地震時に早期に降伏させることで制振効果を発揮させる。座屈補剛ブレース等に用いられる。

[ No.14 ]
左官材料に関する記述として,最も不適当なものはどれか。
1.消石灰を混和材として用いたセメントモルタルは,こて伸びが良く,平滑な面が得られる。
2.ドロマイトプラスターは,それ自体に粘りがないため,のりを混ぜる必要がある。
3.メチルセルロースは,水溶性の微粉末で,セメントモルタルに添加することで作業性を向上させる。
4.適切な粒度分布を持った細骨材は,セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。
答え

  2

[ 解答解説 ]

1.◯

セメントモルタルの混和材として、消石灰、ドロマイトプラスターを用いると、こて伸びが良く,平滑な面が得られる。また、貧調合とすることで、保水性は向上し、ヤング率を減少させることで収縮によるひび割れ、発生応力を低減させる等の目的で一般に用いられる。

2.×

ドロマイトプラスターは、一般に粘度が高くのりを用いずに水と練り合わせて施工することができる。

3.◯

メチルセルロースは,水溶性の微粉末でセメントモルタルに添加すると水量を減らすことができ、作業性がよくなる。吸水の大きい下地や、平滑な下地面の処理に用いる。

4.◯

セメントモルタルは、普通セメントと細骨材(砂)に水を加えて練り混ぜて作られる。細骨材が適切な粒度分布の場合、セメントモルタルの乾燥収縮やひび割れを抑制する効果がある。

[ No.15 ]
日本産業規格(JIS)のドアセットに規定されている性能項目に関する記述として,不適当なものはどれか。
1.スイングドアセットでは,日射熱取得性が規定されている。
2.スイングドアセットでは,気密性が規定されている。
3.スライディングドアセットでは,遮音性が規定されている。
4.スライディングドアセットでは,ねじり強さが規定されている。
答え

  4

[ 解答解説 ]

1.◯

スイングドアセットの性能項目には、日射熱取得性が規定されている。

日射熱取得性は JIS A 4702(ドアセット)及びJIS A 4706(サッシ)の性能値として令和3年2月の改正において追加されている。(建築工事監理指針)

2.◯

スイングドアセットの性能項目には、気密性が規定されている。

3.◯

スライディングドアセットの性能項目には、遮音性が規定されている。

4.×

スライディングドアセットの性能項目には、ねじりの強さは規定されていない。

一次対策 建築学

1.建築学
1°.計画原論
 1-1.換気
 1-2.伝熱・結露
 1-3.日照・日射・日影
 1-4.採光・照明
 1-5.音に関すること
 1-6.マンセル表色系

2°.一般構造
 2-1. 建築物に加わる荷重、外力
 2-2.基礎構造
 2-3.鉄筋コンクリート構造1
 2-4.鉄筋コンクリート構造2
 2-5.鉄骨構造1
 2-6.鉄骨構造2

3°.建築材料
 3-1.セメント・骨材・コンクリート
 3-2.鋼材
 3-3.建築用ガラス
 3-4.防水材料
 3-5.シーリング材
 3-6.石材・左官材料
 3-7.床材料・屋根材料
 3-8.ボード類

学科 建築学 計画原論 1-1 換気

1級建築施工管理技士 学科対策 過去問題
【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-1.換気
下記の正誤を判断せよ。

①建材や接着剤などから発生するホルムアルデヒドは、室内空気汚染の原因となり、室内空気環境を評価するための対象物質の一つである。

答え

 ◯

②室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に10,000ppn( 1% )とする。

答え

 ×

[ 解説 ]
二酸化炭素濃度(含有量)は、1000ppm以下
一酸化炭素濃度(含有量)は、10ppm以下

③第2種機械換気方式は、室内圧を負圧に保つことができるので、クリーンルームや病院の手術室などに用いられる。

答え

 ×

[ 解説 ]
第2種機械換気方式は、給気は給気機等の機械で行い、排気は自然排気とする方式で、クリーンルーム、手術室、ボイラー室、発電室等に使用し、室内圧正圧となる。

第3種機械換気方式は、自然給気と排気機による換気方式で、浴室便所などに用いられる。

④室内外の温度差による自然換気量は、他の条件が同じであれば、流入口と流出口の高低差が大きいほど多い。

答え

 ◯

[ 解説 ]
温度差による自然換気の場合、室内外の圧力差が0になる垂直方向の位置を中性帯といい、この部分に開口部を設けても換気はほとんど起こらない。

⑤風上側と風下側に外部開口部をもつ室における、風力による自然換気量は、風向きが一定であれば、外部風力に比例する。

答え

 ◯

[ 解説 ]


風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、
風上側と風下側の風圧係数の差(Cf −Cb)の平方根比例する。

⑥静穏時の呼吸による二酸化炭素濃度をもとにして定めた場合、成人一人あたりの必要換気量は、30m3/h程度。

答え

 ◯

⑦在室者の呼吸による必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、室内の許容二酸化炭素発生量を室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求める。

答え

 ◯

[ 解説 ]
必要換気量は、室内の空気環境を良好な状態に保つために必要とされる最小限の取入れ外気量である。

一次検定 建築学 計画原論 1-2 伝熱・結露

1級建築施工管理技士 学科対策 過去問題
【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-2,伝熱・結露
下記の正誤を判断せよ。

①壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。

答え

 ◯

②壁体の含湿率が増加すると、壁体の熱伝導率は小さくなる。

答え

 ×
[ 解説 ]
壁体内に含まれる空気は熱伝導率は小さいが、含湿率増加することにより、水分を含ことににあるので熱伝導率大きくなり、結露の原因ともなる。

 

③外断熱の施された熱容量の大きな壁は、室温の著しい変動の抑制に有効である。

答え

 ◯

④外皮平均熱貫流率は、建物の断熱性能評価の指標であり、この値が小さいほど断熱性能が高い。

答え

 ◯

⑤相対湿度は、湿り空気中に含まれている水蒸気分圧のその温度における飽和水蒸気分圧に対する割合で示される。

答え

 ◯

⑥露点温度とは、湿り空気が冷やされて空気中に存在する一部の水蒸気が凝縮し水滴となり始める温度をいう。

答え

 ◯

⑦絶対湿度を一定に保ったまま乾球温度を上昇させると、相対湿度は高くなる。

答え

 ×

[ 解説 ]
水蒸気量に変化がなく、気温を上昇させると、相対湿度低くなる

⑧冬季の暖房時に、外壁出隅部の室内側は、温度が低下し結露しやすい。

答え

 ◯

[ 解説 ]
壁体比べ大きな熱伝導率を持つ部材が壁内部にあると熱が集中して流れ、熱橋となり結露しやすい

⑨表面結露は、壁面で空気が冷却され露点温度以下になると壁表面に生じる。

答え

 ◯

⑩内部結露は、壁体内部の水蒸気圧が温度に応じた飽和水蒸気圧より低い場合に生じる。

答え

 ×

[ 解説 ]
内部結露は、壁体内部の水蒸気圧が、壁体内部の温度に応じた飽和水蒸気圧より高い場合に生じる

一次検定 建築学 計画原論 1-3.日照・日射・日影

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1°.計画原論

1-3.日照・日射・日影
下記の正誤を判断せよ。

①日照率とは、1日(24時間)に対する日照時間の比を百分率で表した値である。

答え

 ×

[ 解説 ]
日照率 = 日照時間/可照時間 × 100 (%)
日の出から日没までの時間を可照時間、
実際に日照のあった時間を日照時間という。
1日(24時間)に対する比ではない。

②同じ日照時間を確保するためには、緯度が高くなるほど南北の隣棟間隔を大きくする必要がある。

答え

 ◯

③建物の高さを高くした場合、日影は遠くに伸びるが、一定の高さを超えると長時間影となる
範囲はあまり変化しない。

答え

 ◯

④日差し曲線は、地平面上のある地点が周囲の建物によって、日照時間にどのような影響を受けるか検討するのに用いられる。

答え

 ◯

⑤日照図表を用いると、冬至などの特定日に、対象となる建物が特定の地点に及ぼす日照の影響を知ることができる。

答え

 ◯

⑥南面の垂直壁の可照時間は、春分より夏至の方が長い。

答え

 ×

[ 解説 ]
北緯35°付近の終日の直達日射量の変化は、下記。

・南面の垂直壁の可照時間は、春秋分では12時間夏至では7時間なので、春分より夏至の方が短い。

・夏至における南向き鉛直面の終日の直達日射量は、水平面の直達日射量より大きい。

東向き鉛直面西向き鉛直面終日の直達日射量は、季節にかかわらず同じ。

⑦冬至における南向き鉛直面の終日の直達日射量は、水平面の直達日射量より大きい。

答え

 ◯

⑧東向き鉛直面と西向き鉛直面の終日の直達日射量は、季節にかかわらず西向きの鉛直面のほうが大きい。

答え

 ×

[ 解説 ]
東向き鉛直面西向き鉛直面終日の直達日射量は、季節にかかわらず同じ。

⑨建物の高さが同じである場合、東西に幅が広い建物ほど影の影響の範囲が大きくなる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
東西に隣接した建物間の北側の少し離れた場所に生じる。
長時間日影となる領域を、島日影という。

⑩ブラインドは、窓面の内側より外側に設置するほうが室内への熱負荷を軽減できる。

答え

 ◯

[ 解説 ]

一次検定 建築学 計画原論 1-4.採光・照明

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-4.採光・照明

下記の正誤を判断せよ。

①全天空照度とは、天空光が遮断されることのない状況で、直接日光を除いた全天空による、ある点の水平面照度をいう。

答え

 ◯

[ 解説 ]
照度とは、受照面の単位面積当たりの入射光束。

②光度とは、反射面を有する受照面の光の面積密度をいう。

答え

 ×

[ 解説 ]
光度とは、点光源のある方向の光の強さを示す量

③昼光による室内の採光では、一般に天空光を活用することを考える。

答え

 ◯

[ 解説 ]



昼光率D = E/Es × 100 (%)
室内の採光計画においては、一般に変動しない明るさの指標である昼光率を用いる。

④昼光率とは、全天空照度に対する室内のある点の天空光による照度の比をいう。

答え

 ◯

⑤ある点における間接昼光率は、壁や天井などの室内表面の反射率の影響を受ける。

答え

 ◯

⑥形状と面積が同じ側窓は、その位置を高くしても、昼光による室内の照度分布の均斉度は変わらない。

答え

 ×

[ 解説 ]
均斉度は、室内の明るさが均一かどうかを知るための指標で、室内の最大照度と最小照度の比。窓が高い位置にあるほど窓付近と室奥との照度差が少なくなるので明るさが均一となり、均斉度上がる。窓が低い位置にある場合は、窓直下の照度が最大となり室奥にいくにしたがって急激に照度が小さくなるかめ、照度差が大きく均斉度が小さくなる。

天窓は側窓に比べて採光量や照度分布等が優れている。建築基準法では、天窓の面積は側窓の3倍の面積に相当するとみなす。

⑦人工照明は、人工光源の直接光と反射光を利用して行われる。

答え

 ◯

⑧グレアとは、高輝度な部分、極端な輝度対比や輝度分布などによって感じられるまぶしさをいう。

答え

 ◯

一次検定 建築学 計画原論 1-5.音に関すること

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-5.音に関すること

下記の正誤を判断せよ。

①室内の向かい合う平行な壁の吸音性が高いと、フラッターエコーが発生しやすい。

答え

 ×

[ 解説 ]
室内の天井と床、両側の壁などが互いに平行でかつ反射材料でできている場合、音の反射が規則的に繰り返され、二重、三重に聞こえる現象を、フラッターエコー(鳴き竜)という。室内の向かい合う平行な壁の吸音性高いと、発生しにくい

②障害物が音波の波長より小さいと、音波が障害物の背後に回り込む現象を回折という。

答え

 ◯

[ 解説 ]
音波の回折現象は、障害物がその波長より小さいと起こりやすい。

③聞こうとしている音が、それ以外の音の影響によって聞きにくくなることをカクテルパーティ効果という。

答え

 ×

[ 解説 ]
カクテルパーティ効果とは、2つ以上の音を同時に聞いているとき、その中の1つの音を選択して、聴取できることをいう。
設問の記述は、マスキング現象

④無指向性の点音源からの音の強さは、音源からの距離の二乗に反比例する。

答え

 ◯

[ 解説 ]
音の強さ ∝ 1/ ℓ2

⑤同じ音圧レベルの騒音源が2つになった場合、音圧レベルは1つの場合より約3dB大きくなる。

答え

 ◯

⑥室内騒音の程度を評価するためにNC値が用いられるが、NC値は大きいほど静かに感じる。

答え

 ×

[ 解説 ]
騒音のオクターブバンドごとの音圧レベルの測定結果を図にプロットしてすべての点を上回る最小の曲線をNC値を呼び、大きいほど許容する騒音はうるさく感じる

⑦吸音率は、壁などの境界面に入射する音のエネルギーに対する反射されなかった音のエネルギーの比で表される。

答え

 ◯

⑧同じ透過損失の値をもつ2枚の壁を一定の距離以上に離すと、1枚の時に比べて透過損失は2倍の値となる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
床衝撃音レベルの遮音等級と表すL値は、値が小さいほど遮音性能高い

⑨コンクリート間仕切り壁の音の透過損失は、一般に高周波数域より低周波数域のほうが大きい。

答え

 ×

[ 解説 ]
コンクリート間仕切り壁の透過損失は、低周波数域より高周波数域の方が大きい

⑩残響時間とは、音が鳴り止んでから、はじめの音圧レベルより60dB減衰するのに要する時間のことをいう。

答え

 ◯

[ 解説 ]
残響時間は、室容積比例し、室内の総吸音力反比例する。

一次検定 建築学 計画原論 1-6.マンセル表色系

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

1.建築学
1-6.マンセル表色系

下記の正誤を判断せよ。

①マンセル色相環において、対角線上にある2つの色は、補色の関係にある。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル色相環では、RとBG、YRとB等のように向かい合わせの色どうしは補色になっており、向い合う色相は、混色すると無彩色になる。

②明度は、色の明るさを表し、理想的な黒を10とし、理想的な白を 0 として、10段階に分けている。

答え

 ×

[ 解説 ]
マンセル表色系では、無彩色は記号Nと明度だけで表す。
(例)白:N9、灰:N5、黒:N1
明度は理想的な黒を0、理想的な白を10として、0〜10の11段階に分ける。
しかし、実際には理想的な黒や白は得られないので、1〜9の値になる。

③彩度は、色の鮮やかさの程度を表し、マンセル色立体では、無彩色軸からの距離で示す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
中心の無彩色軸から距離が離れるほど、鮮やかさが増す。

④鮮やかさが増すにつれて、彩度を表す数は大きくなる。

答え

 ◯

[ 解説 ]
中心の彩度は0であり、中心から離れるほど鮮やかさが増し、数値も大きくなる。

⑤マンセル記号「5Y8/10」のうち、数値「8」は明度を表す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル記号「 5Y8/10」を表し、5Yは色相、8は明度、10は彩度を示している。
(覚え方)マンセルの 鮮やか
マンセル色立体



⑥「5R6/10」の記号のうち、「5R」は色相を表す。

答え

 ◯

[ 解説 ]
マンセル記号「 5R6/10」を表し、5Rは色相、6は明度、10は彩度を示している。