013) 屋上目隠し壁は耐風型にする
ビルの屋上に空調屋外機や電気設備機器を設置する場合、美観上の配慮から目隠し壁や目隠しルーバーなどを設置する。この目隠し壁は正の風圧に加えて負の風圧を受けるため、台風時などに破損することがある。
鉄骨造の場合、支柱や耐風梁などの耐風強度だけでなく、強風による揺れや振動などの繰り返し変位も金物の耐力に大きく影響するので、注意が必要である。
1.目隠しパネル壁の耐風圧は正圧と負圧を考慮する
ALCやECPなどのパネル壁は正面側からの正圧には強いが、取付け金物側からの風圧には弱い、パネルの取付け金物側からの正圧とパネルにかかる負圧を合算した耐風圧に耐えることができるか支持部の強度検討が必要である。
外壁を立上げた目隠し壁では耐風強度に加えて雨仕舞を考慮する必要がある。屋上側に塞ぎ壁を設けるとおさまりが良い。
2.鉄骨造の目隠し壁やルーバーは緩み止めボルトで固定する
ルーバーやマリオン、化粧格子、機械の目隠しパネル、軽微な庇などは風によって振動し、固定しているビスやボルトが緩む。騒音の原因にもなるが、何よりも怖いのは飛散または落下である。
ナットの現場溶接や、ナットまわり止め、頭押さえなども緩み止め効果がある。緩み止め機能付きナットや緩み止め接着材付きビスもある。これらはそれぞれ性能が異なるので、部材に適したものを使う。
また、ダブルナットも緩み止めとして効果があるが、締め付け方に技術が要るため、信頼性に欠ける。スプリングワッシャーは緩み止めとして効果が小さいので使わない。
3.ルーバーは風切り音にも注意する
目隠しルーバーでは風切り音が問題になることがある。一般的に薄く角が鋭角なものに風切り音が発生しやすい。メーカーに確認するか実験で確認する。
目隠しルーバーの向きを間違えると、せっかくの目隠しも透けて内部が良く見えるケースがある。羽根の向きを人の視線が通らない向きにするのは基本である。