1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 ルーフドレンの形状

建築品質 屋根・防水


004)ルーフドレインは縦型か横型か

飛んできた落葉やビニール袋などでルーフドレイン(RD)が詰まることがある。
RDのストレーナー(ごみ除け)が低いと詰まりやすく、径が小さくても詰まりやすい。
径が100mm以上のルーフドレンを使いたい。
横型は漏水のリスクが低く、縦型は排水性が良い。

1. 縦型ルーフドレン

縦型RDは集水を確実にするために、水下コンクリート天端より40mm程度下げて設置する。
この時RDまわりの床スラブが薄くなるので、十分鉄筋で補強するか、RDまわりの床スラブを厚くするなどが必要である。
縦型RDのストレーナー(ごみ除け)はごみが詰まりにくい背の高いものを採用する。
縦管は室内になるため、清掃時の破損や、配管ジョイントからの漏水がないように鋼管(白ガス管)を用い、溶接接合する。
また、鋼管は屋内で結露する恐れがあるため、防露巻とする。
縦管に耐火2層管を採用した場合は防露巻きを省略することができる。

2.横型ルーフドレイン

横型RDは床スラブを貫通せずに横引きで外部縦管と接続するため、室内への漏水リスクは少ない。
横型RDも水下コンクリート天端より40mm下げて床コンクリートに打ち込む。
RD下の梁は、RDと干渉しないように水下コンクリート天端より100mm下げておくことが必要である。
横型RDは縦型よりごみが詰まりやすい。
ストレーナーが高く上がったタイプを用いること。
横型RDの縦管はVP管を用いる。VU管は肉厚が薄く、耐久性に劣る。
VP管の熱伸びによって横型RD接続部に力が加わり破損する事例がある。RD接続の横引き管は鋳鉄製が望ましい。
縦管は12mピッチに伸縮継ぎ手を設ける。また、地上部で縦管を保護する必要のあるときは養生管を設ける。

3.オーバーフロー管

小面積の屋上でRDを1ヶ所しか設けない場合はオーバーフロー(OF)管を設ける。
OF管は、オーバーフローしたものがすぐにわかる位置に設ける。
OF管は、普段の雨で外壁を汚さないように内勾配(1/10)にセットする。また、鳥が巣をつくることもあるので、OF管の両端に防鳥格子を設ける。