配筋標準 01一般事項

配筋検査のつぼ① 一般事項


※設計図に詳細図がある場合は設計図を優先する。

1° .一般事項

まず、確認するべきことは
① コンクリートの強度
② 鉄筋の種類
である。

設計図と照合の上、確認を行う。
これは、鉄筋の受入時の間違いを防ぐのと、
コンクリート強度によって、
継手長さや定着長さが違ってくるからである。

例えば、一般的には
継手長さはL1=40d、定着長さ L2=30d
であると覚えている人を見受けらるが、
それは例えば、鉄筋の種類がSD295Aの場合では
Fc=21N/m2以上およびFc=24〜36N/m2の時
となっている。

コンクリート強度が Fc=21N/m2の場合は、
L2=35dになるので、注意が必要。

配筋標準 02 加工と共通事項

配筋検査のつぼ②


※設計図に納まり図がある場合は設計図を優先する。

2° .加工上の共通事項
2−1 折り曲げ形状・寸法

①鉄筋の折り曲げ加工は常温で行う。

②折曲げ内径直径を所定値よりも小さくする場合は、事前に鉄筋の折り曲げ試験を行い、支障がないことを確認した上で、監理者の承認を得る。

③SD490の鉄筋を90° を超える曲げ角度で加工をする場合は、事前に鉄筋の折り曲げ試験を行い、支障がないことを確認した上で、監理者の承認を得る。

表2-1 折曲げ形状・寸法



(注)
1. 片持ちスラブ先端、壁筋の自由端側の先端で90° フックまたは、135° フックを用いる場合には、余長は4d以上とする。

2. 90° 未満の折曲げ内法直径は構造図による。構造図に記載のない場合は、表2-1の90° フックと同じとする。

3. 幅止め筋の折曲げ形状は、図2-1による。

4. スパイラル筋の端部を90° とする場合の余長は12d以上とする



2−2 鉄筋のフック

①丸鋼の端部にはフックを付ける
(フックは180° フックとする。)

②次の部分に使用する異形鉄筋の末端部にはフックを付ける。

( 1 )柱および梁の出角部にある主筋で重ね継手の場合
(フック形状は180° とする。)


    図2-2-1 フックが必要な重ね継手


( 2 )柱の四隅にある主筋で最上階(上階に柱の無い場合を含む)の柱頭にある場合。
(フック形状は180° とする。)


図2-2-2 最上階の柱の柱頭でフックが必要な主筋
(上に柱のない場合を含む)


2−3 あばら筋および帯筋の形状
①あばら筋および帯筋のスパイラル筋形状・寸法は、図3-3-4 による。



図2-3-1 あばら筋・帯筋の形状(末端がフックの場合)




図2-3-2 あばら筋・帯筋の形状(末端部が溶接の場合)



図2-3-3 あばら筋・帯筋の溶接要領


 図2-3-4 あばら筋・帯筋の形状(溶接閉鎖形の場合)




   図2-3-6 5 スラブ付梁のあばら筋
   (末端部がフックの場合)



   図2-3-6 副あばら筋・副帯筋の形状






図2-3-7 梁せいの大きな基礎梁など、
あばら筋を分割する場合のあばら筋・副あばら筋の形状

★ポイント

 

①キャップ筋の90° フックが可能となるのは、梁と同時に打込むスラブの付く側のみとし、取り付くスラブが無い側は135° フックとする。

②取り付くスラブがあっても、段差があり、梁主筋位置から4d以上離れる場合のキャップ筋は135° フックとする。

③梁上にスラブが取り付く場合のキャップ筋は135° フックとする。

④梁上にスラブが取り付く場合でも、梁主筋位置から4d以上梁側面に取り付いてる場合は90° フックとしてもよい。
(上記②〜④をまとめると、梁側面の上端梁主筋心位置から下に8d(dはあばら筋径)の範囲のうち、取り付くスラブとの重なりが4d以上であれば90° フック可となる)

⑤副あばら筋、副帯筋の末端部は、両端とも135° 以上のフックを設けるか、フレア溶接とする。

⑥あばら筋を分割する場合のあばら筋・副あばら筋にはフックをつける。重ね継手の場合、フックの角度は180° 、135°、90° のいずれとしてもよい。



2−4 主筋のあき・2段筋の間隔および幅止め筋の形状と間隔

①主筋相互のあき a は粗骨材最大寸法の1.25倍以上、隣り合う鉄筋 d の平均径の1.5倍以上とする。

②2段筋の間隔P2は構造図による。構造図に記載のない場合は、下記による。

③幅止め筋はLD10を用い、柱は@500程度、梁は@1000とし、形状は片側は片側135°フック、他方は90°フックとする。

表2-4 主筋のあきaの最小値および2段筋の間隔P2



(注)粗骨材の最大寸法が25mmの場合を示す。



図2-4 柱梁主筋のあきと間隔


2−5 2段筋位置保持金物の形状および配置

①2段筋がある場合は、原則として2段筋位置保持金物を図2-5-1にならって取り付ける。



図2-5-1 2段筋位置保持金物の配置例

図2-5-2 2段筋位置保持金物の形状例

★ポイント


①2段筋の間隔P2は、構造図に記載される。構造図に記載のない場合は表2-4の値となる。

②P2は、標準値を原則とし、施工は最小値〜最大値の間で管理する。

③柱脚の2段筋位置保持金物は、当該床のコンクリート打込み前に取り付ける。

④梁の2段筋位置保持金物は、柱面近傍とカットオフ筋先端近傍に設け、その間を@2000程度で割り付ける。

※表2-4のP2の許容値(または構造図の記載)を満足する2段筋位置保持金物を使用する。



2−6 腹筋の配筋要領

①腹筋の末端部は、第1あばら筋から30mm程度のみこみとする。

②腹筋の重ね継手長さは、150mm程度とする。

③腹筋が梁貫通孔と干渉する場合は、所定のかぶり厚さを確保した位置で切断してよい。

★ポイント


・腹筋は、梁成にかかわらず全ての梁に必要となるので、注意する。
(ドーナツ型スペーサーを縦使いで取り付け、梁側面のかぶり厚さを確保するため)

・梁側面の鉄筋をねじれや横曲げに有効な主筋として用いる場合は本項を適用せず、構造図による。

配筋標準 03 継手および定着

配筋検査のつぼ③ 継手および定着


3° .継手および定着

3−1 継手

①対象とする継手は重ね継手・ガス圧接継手・フレア溶接継手とし、その他の仕様は構造図による。

②柱・梁の主筋の重ね継手長さは、構造図による。柱・梁の主筋以外の鉄筋の重ね継手長さは表3-1-1 による。

③D35以上の異形鉄筋には原則てとして重ね継手は用いない。

④SD490の重ね継手長さは構造図による。

⑤径の異なる鉄筋の重ね継手長さは、細い方の鉄筋の径(d)を用いる。

⑥あき重ね継手は、原則としてスラブ筋・基礎スラブ筋・壁筋に適用する。

⑦重ね継手は水平重ね継手を原則とし、上下重ね継手とする場合は監理者と協議する。


図3-1-1 梁主筋の重ね継手

⑧ガス圧接およびフレア溶接の形状は、表3-1-2による。

⑨径の異なる鉄筋のガス圧接は、細い方の鉄筋の径(d)を用いる。径の差は原則として7mm以下とする。

⑩鉄筋のフレア溶接は、原則として鉄筋の種類はSD345まで、鉄筋の径はD22までとする。

⑪フレア溶接は被覆アーク溶接またはガスシールドアーク溶接により、使用する溶接材料は表3-1-3による。

⑫隣り合う鉄筋の位置は、図3-1-2による。ただし、壁の場合およびスラブ筋の(基礎スラブ筋を含む)でD16以下の場合は除く。

⑬杭に用いる鉄筋の重ね継手長さは構造図による。

表3-1-1 鉄筋の重ね継手長さ L1、L1h



(注)
1.軽量コンクリートの場合は、上表の数値に5dを加えた値とする。
2.継手位置は、継手の好ましい位置に設けること。

表3-1-2 ガス圧接・フレア溶接の形状



表3-1-3 フレア溶接に用いる鉄筋と溶接材料の組み合わせ


圧接の継手位置


主筋(柱梁を除く)のあきが確保できる場合の継手位置


主筋(柱梁を除く)のあき確保が困難な場合の継手位置
図3-1-2 隣り合う継手位置

★ポイント

 

①機械式継手、突合わせアーク溶接継手(主筋)、突合わせ抵抗溶接継手(帯筋、あばら筋)の仕様(継手の種別・使用箇所、継手の位置、継手の工法、試験の要否・試験機関・試験項目・試験要項・判定基準・報告の要否など)を構造図で確認する。

②柱・梁の主筋の重ね継手長さ、SD490の重ね継手長さ、杭に用いる鉄筋の長さは構造図による。

③重ね継手長さはの最小値は40d(軽量コンクリートの場合は50d)としている。

④重ね継手長さは、水平を原則とし、上下とする場合は監理者と協議する。

⑤全ての壁筋、D16以下のスラブ筋(基礎スラブを含む)は、図3-1-1のように継手位置をずらさなくてもよい。

⑥フレア溶接に用いる溶接棒は低水素系とし、溶接棒の種類を確認する。


3−2 定着

①異形鉄筋の定着長さは、表3-2-1の鉄筋の定着長さによる。ただし、小梁、スラブの下端筋の定着長さは表3-2-2による。

②梁主筋の柱への定着要領は、構造図による。構造図に記載のない場合は以下(1)(2)による。

(1)定着長さ全長において、L2を確保すること。梁主筋の柱への定着長さL2は表3-2-1による。

(2)梁主筋の柱への定着は、原則として折り曲げ定着とする。(表3-2-3)。
ただし、監理者の承認を得た場合は直線定着とすることができる。
上端筋、下端筋共にL2かつ(3/4)D以上

表3-2-1 鉄筋の定着長さ L2、L2h



表3-2-2 小梁・スラブの下端筋の定着長さ L3、L3h

< >は片持ちの場合を示す。

表3-2-3 折曲げ定着長さ La、Lb


(注)
La:梁主筋の柱内折曲げ定着長さ(基礎梁、片持ち梁及び片持ちスラブの上端筋を含む)
Lb:小梁及びスラブの上端筋の梁内折曲げ定着の投影長さ(片持ち小梁及び片持ちスラブの上端筋を除く)
軽量コンクリートの場合は、表の値に5dを加えたものとする。

★ポイント

①一般部の定着長さL2は表3-2-1による。

(直線定着長さL2を、直線定着に限らず、折り曲げ定着の全長や余長などの各部の定着長さとして用いている)

②小梁・スラブの下端筋の定着長さL3、L3hは表3-2-2による。

③片持小梁のL3は25d(L3hは10d)であり、長いので注意する。

④片持ちスラブのL3は25d(L3hは10d)であり、長いので注意する。

⑤梁主筋の柱への定着長さL2は表3-2-1、定着要領は表3-2-3による。

・原則として上端筋、下端筋ともに表3-2-3①の90°曲げ定着とする。(直線定着する場合は、構造図に記載があるか、または監理者の承認が必要)

・折り曲げ定着は上端筋・下端筋ともに、投影定着長さを(3/4)D以上、余長8d以上、柱面からの全長をL2以上とする。

※投影定着長さの定義
折り曲げ定着で、定着起点(仕口面)から折り曲げ部の鉄筋外面までの投影長さ。
(ベンドRの中心点までではない)

★ポイント


⑥小梁・スラブの上端筋と基礎小梁の上・下端筋は、投影定着長さを20dかつB/2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。

⑦小梁が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は、投影定着ながさを8dかつ150mmかつB/2以上、余長をL2以上とする。

⑧小梁の下端筋はL3直線定着、L3hフック付き定着のいずれでもよい。

⑨スラブの下端筋はL4直線定着とする。

⑩基礎スラブの下端筋は、投影定着長さを20dかつ(3/4)B以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。

⑪梁幅が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は、投影定着長さを8dかつ150mmかつ(3/4)B以上、余長をL2以上とする。

⑫基礎スラブの上端筋は、投影定着長さをB/2以上確保した上で、L2直線定着、折り曲げ定着(余長8d以上、全長L2以上)、L2hフック付き定着のいずれかとする。

⑬梁幅が小さく投影定着長さ20dを確保できない場合は⑦に従う。


3−3 その他の継手および定着

①溶接金網の重ね継手は構造図による。構造図に記載のない場合は図3-3-1(a)応力伝達による。
溶接金網の合わせ面は図3-3-2タイプA、タイプBのいずれとしてもよい。

②溶接金網の定着は図3-3-3による。

③帯筋にスパイラル筋を用いる場合の定着、継手養老は図3-3-4による。

④鉄筋格子については3-1継手、3-2定着による。



図3-3-1 溶接金網の重ね継手



図3-3-2 溶接金網の重ね継手の合わせ面


図3-3-3 溶接金網の定着




図3-3-4 スパイラル筋の末端定着・重ね継手要領

★ポイント


⑭溶接金網の重ね継手は構造図による。構造図に記載のない場合は図3-3-1(a)応力伝達用による。

⑮スパイラル筋端部の90° フックの余長は12d必要。(8dではないので注意)


配筋標準 04 かぶり厚さ

配筋検査のつぼ④ かぶり厚さ


4° .かぶり厚さ

4−1 鉄筋のかぶり厚さ

①鉄筋のかぶり厚さは表4-1による。

②柱・梁の主筋に対するかぶり厚さは表4-1を満足し、かつ主筋に対する最小かぶり厚さは主荕径の1.5倍以上とする。

③設計かぶり厚さ = 最小かぶり厚さ + 施工誤差(10mmを標準)とする。

④配筋は構造体寸法(打増しを除いた寸法)から所定の設計かぶり厚さを確保する。

⑤耐久性上有効な仕上げがある場合、表4-1の*の値を10mm減じてもよい。
ただし、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の劣化対策等級を取得する場合は、耐久性上有効な仕上げがあってもスラブ(屋外)、屋上面の柱・梁水平面の*1の値は10mm減じることはできない。

【 耐久性上有効な仕上げの例 】
・タイル張り・モルタル塗り(10mm以上)
・打増し(10mm以上)

⑥軽量コンクリートを用いる場合は表4-1の*2の値に10mm加えた値とする。

⑦ひび割れ誘発目地・打継ぎ目地・化粧目地等がある場合は、目地底からのかぶり厚さを確保する。
壁の目地部の施工誤差は5mmとして、重点管理すること。
壁の目地部の設計かぶり厚さ
= 最小かぶり厚さ + 施工誤差(5mmを標準)
とする。
屋外面の目地部に耐久性上有効なシールがある場合は、表4-1の*3及び*4の値は10mm減じてよい。
ただし、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」の劣化対策等級を取得する場合は、耐久性上有効なシールがあっても屋外面の柱・梁の目地部の*3の値は10mm減じることはできない。
(耐久性上有効なシールとは、材料は規定しないが、メンテナンスが行われているシール等がこれにあたる。)

⑧柱・梁で打継ぎ目地を設ける場合は、構造体寸法に目地深さ分(20mm標準)を打増しとする。また、目地を設けない柱・壁で耐久性上有効な仕上げがない場合の屋外面は構造躯体寸法に10mm打増しとする。この打増しは、上記⑤により耐久性上有効な仕上げと考えることができる。

⑨直均し仕上げの場合のスラブの打増しは、10mmとする。

⑩コンクリートの塩化物量が0.3kg/m 3を超える場合は、表4-1にかかわらず、スラブの下端筋の設計かぶり厚さ40mm、最小かぶり厚さ30mmとする。

⑪捨てコンクリートはかぶり厚さに含まない。

⑫杭鉄筋の設計かぶり厚さは構造図による。



図4-1-2 設計かぶり厚さ 分類図(一覧)

★ポイント


★最小かぶり厚さを満足しないものは、
建築基準法違反となり、
検査済み証が降りず、建物が使用できないので、
特に注意を要する。

①柱・梁の主筋に対するかぶり厚さは表4-1を満足し、かつ主筋に対する最小かぶり厚さは主筋径の1.5倍以上とする。

②配筋は構造体寸法(打増しを除いた寸法)から所定のかぶり厚さを確保できる位置にて行う。

③目地底からのかぶり厚さを確保する。目地部を避けて配筋する。

④柱・梁で、打継ぎ目地を設ける場合は構造体寸法に目地深さ分(20mm標準)打増しを行い、設けない場合で耐久性上有効な仕上げがない場合の屋外面は10mm打増しとする。

⑤直均し仕上げの場合のスラブの打増しは、10mmとする。

⑥品確法対象建物では、屋外のスラブ(柱・梁の屋上面を含む)かぶり厚さは、耐久性上有効な仕上げがあっても、10mm減じることができない。

⑦品確法対象建物では、屋外面の柱・梁の目地部のかぶり厚さは、目地に耐久性有効なシールがあっても、10mm減じることができない。










  

  
  











図4-1-2 設計かぶり厚さ 分類図

★ポイント


①基礎スラブが付く場合の基礎梁底の設計かぶり厚さは70mmとなるので注意する。
(基礎スラブがつかない場合は50mm)

②免震材料の上部・下部躯体の設計かぶり厚さは50mmとする。

③杭基礎の場合の基礎下端筋の設計かぶり厚さは、杭天端から70mm確保する。

④基礎の設計かぶり厚さは、土に接する・接しないに関係なく70mmとする。


4−2 バーサポート・スペーサー・結束線

①バーサポート・スペーサーのサイズは設計かぶり厚さを満足するものを使用する。

②バーサポート・スペーサーの種類は設計基準強度以上のコンクリート製または鋼製を使用する。

③バーサポート・スペーサーの数量、配置は図4-2-1〜図4-2-4による。

④短辺方向の内法長さℓxが4mを超えるスラブは連続バーサポートを使用する。

⑤側面スペーサー(ドーナツ形)は縦使いとする。

⑥断熱材打込み時のバーサポートは断熱材用の製品(プレート付き)を使用するか、またはバーサポート下に樹脂パッドを設置し、断熱材にめりこまないようにする。

⑦鋼製バーサポートは在来型枠との接触面に防錆処理を施した製品を使用する。

⑧結束線は内側に折り曲げることを原則とする。










図4-2-1 柱・梁のバーサポート等の取付要領

   

図4-2-2 壁のスペーサーの取付要領



図4-2-3 基礎のバーサポートの取付要領


図4-2-4 スラブのバーサポートの取付要領

★ポイント


①コンクリート製のバーサポート・スペーサーは、その部材のコンクリートの設計基準強度以上のものとする。(高強度コンクリートを使用する場合は注意が必要)

②鉛直荷重を受ける部位(基礎・スラブ・梁底)には、プラスチック製のバーサポートは使用禁止は禁止。

③ドーナツ形スペーサーは、縦使いとする。

④断熱材打込み時のバーサポートは、断熱材にめりこまないようにする。

⑤鋼製バーサポートは、在来型枠との接触面に防錆処理した製品を使用する。バルコニースラブ底面はポリキャップ付きが望ましい。

⑥結束線は内側に折り曲げる。

⑦目地部のかぶりを確保するために、目地の両側にスペーサーを配置するとともに、タテ筋・ヨコ筋を強固に結束する。

⑧スラブ筋及び基礎荕のバーサポートは短辺・長辺とも@1000程度に配置する。

※壁で、タテ筋が外側に位置する場合、スペーサーのサイズに注意する。(タテ筋径分大きめのドーナツ形スペーサーが必要)

※機械式継手を使用する場合は、カフラー部およびスリーブ部の帯筋・あばら筋の確保を確実に行う。

※建築主仕様、設計事務所仕様により、ドーナツ形スペーサーの外部タテ筋への取付(ヨコ使い)を指定される場合は、コンクリート充填性確保のために星形スペーサーの採用を監理者を協議する。

配筋標準 05 基礎

配筋検査のつぼ⑤ 基礎


5° .基礎

5−1 直接基礎(独立基礎)


5−2 直接基礎(連続基礎)

①連続基礎の側柱交差部は外周部の基礎主筋を連続して配置する。

②中央交差部における基礎主筋を連続する方向は構造図による。

③隅柱交差部は、両方向の基礎主筋を連続して配置する。


  

 

 

5−3 杭基礎

★ポイント


①基礎梁の上下の位置関係は、構造図に従う。

②はかま筋端部の水平投影長さは15d以上。
[ 5-2 直接基礎(連続基礎)のみ ]

③側柱交差部は、外周部の基礎主筋を連続して配置する。

④中柱交差部における基礎主筋を連続する方向は、構造図による。

⑤隅柱交差部は、両方向の基礎主筋を連続して配置する。

⑥連続基礎の第1基礎主筋の位置は、躯体面からP/2以内とする。
[ 5-3 杭基礎のみ ]

⑦2本以上の場合の杭基礎の基礎筋端部のおさまりは、柱面からの全長L2かつ20d以上曲げ上げとし、末端を90° フック(余長8d以上)とする。さらに、基礎筋とはかま筋は、直線部分で20doの重ね継手長さが必要なので注意する。
(※doは、はかみ筋と基礎筋の細い方の径)

⑧2本杭以上の場合の外周の基礎筋で曲げ上げない方は、出隅部で水平に折り曲げ、柱面から全長L2以上を確保し、かつ20d以上の重ね継手長さが必要。

⑨基礎筋およびはかま筋の側面の鉄筋は出隅部で20dの重ね継手長さが必要。


5−4 基礎スラブの定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①採用するタイプは、構造図による。

②基礎スラブの第1鉄筋は基礎梁のコンクリート面より50mm程度の位置とする。

③基礎スラブの上端筋・下端筋の定着長さはL2以上とする。

④基礎スラブ筋が定着される梁の梁幅が小さい場合の定着要領は図5-4-4による。


図5-4-1 べた基礎の耐圧版などの場合(タイプA)


★ポイント
①採用する標準図のタイプは構造図による。

・タイプA:
上向きの荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の中央、下端の端部にある場合

・タイプB:
下向きの荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の端部、下端の中央部にある場合
(タイプAとタイプBでは、カットオフ筋長さ及び継手位置が上下逆となる。定着要領は同じ。)


②下端筋の基礎梁内への定着は折り曲げ定着とし、投影定着長さ20dかつ(3/4)B以上、余長8d以上、基礎梁面からの全長をL2以上とする。
(「(3/4)B以上」であることに注意★)

③上端筋の基礎梁内への定着は、直線定着・折り曲げ定着・フック付き定着のいずれでもよい。
・直線定着の場合は、定着長さを、L2かつB/2以上とする。

・折り曲げ定着の場合は、投影定着長さB/2以上、余長8d以上、基礎梁側からの全長をL2以上として曲げ上げる。

・フック付き定着の場合は、投影定着長さB/2以上、余長8d以上とし、L2hは表3-2-1に従う。

④基礎スラブの第1鉄筋位置は、基礎梁のコンクリート面より50mm程度とする。

⑤継手の好ましくない位置に重ね継手を設ける場合の継手長さがL1+5dであることに注意する。

⑥基礎スラブが基礎梁両側にある場合の下端筋の定着長さは、L2かつ(B/2+150)以上となるので注意する。上端筋はL2でよい。

⑦梁幅が小さく、投影定着長さ20dが確保できない場合の定着要領は、図5-4-4による。

配筋標準 06 基礎梁

配筋検査のつぼ⑥ 基礎梁


6° .基礎梁

6-1 基礎大梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①採用する標準図のタイプは構造図による。

②中央部で両側カットオフ筋が重なる場合は通し筋としてもよい。





★ポイント
①採用する標準図のタイプは構造図による。

・タイプA:
上向き荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の中央部、下端の端部にある場合

・タイプB:
下向き荷重が支配的で、カットオフ筋が上端の端部、下端の中央にある場合

・タイプC:
地震荷重等が支配的で、カットオフ筋が上端・下端とも端部にある場合


②カットオフ筋長さは、端部が柱面からL0/4 + 15d、中央部はL0/2 + 両側20d

③場所打ち杭がある・なしに関わらず、L0は柱内法寸法とする。

④基礎梁のタイプにより、継手位置が変わることに注意する。
[ タイプAのみ ]

⑤下端1段筋の柱への定着長さは、投影定着長さ3/4D以上、かつ、余長(折り曲げ開始点から)のみでL2を確保する。

⑥上歯筋端部のガス圧接継手位置は、施工機械の納まりを考慮して柱面より500mm以上離す。
※基礎梁が柱より大きい場合の端部の配筋方法は、構造図に示されるので注意する。示されていない場合は、監理者と協議する。


6-2 基礎小梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①採用する標準図のタイプは構造図による。

②基礎小梁の上端筋・下端筋の定着長さはL2以上とする。

③基礎小梁主筋が定着される梁の梁幅が小さい場合の定着要領は、表3-2-4としてもよい。


図6-2-1 タイプA1


図6-2-2 タイプA2


図6-2-3 タイプB1


図6-2-4 タイプB2

★ポイント

①採用する標準図のタイプは構造図による。
・タイプA:
上向き荷重が支配的な連続小梁の場合

・タイプB:
上向き荷重が支配的な単独小梁の場合

・タイプC:
下向き荷重が支配的な連続小梁の場合

・タイプD:
下向き荷重が支配的な単独小梁の場合


②基礎小梁主筋の基礎大梁への定着は、上下主筋共、投影定着長さを20dかつB/2以上、余長8d以上、基礎大梁面からの全長をL2以上とする。
(一般小梁下筋の定着方法は、基礎小梁とは異なるので注意する。)

③梁幅が小さく、投影定着長さ20dが確保できない場合の定着要領は、表3-2-4に従う。

④タイプA1、A2(荷重上向き)は、下端筋の継手を中央L0/2の範囲に、上端筋の継手を外端・端部L0/6、連続端L0/4の範囲に設ける。

⑤タイプB1、B2(荷重下向き)は、上端部の継手を中央L0/2の範囲に、下端筋の継手を外端・端部L0/6、連続端L0/4の範囲に設ける。
★中央カットオフ筋の余長は20d
(端部カットオフ筋の余長は15d)


6-3 基礎梁と基礎の取合部補強要領

①基礎梁と基礎の取取合い部補強要領は構造図による。構造図にない場合は図6-3による。

②取合部補強の幅は基礎梁を同じとする。

★ポイント
⑥取合い部補強筋の基礎、柱、基礎梁への定着長さはL2とする。
※補強筋を忘れずに配筋する。

配筋標準 07 柱

配筋検査のつぼ⑦ 柱


7° .柱

7-1 柱の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置

①継手はガス圧接、重ね継手を示し、それ以外の継手の仕様は構造図による。

②H0はすべての方向の柱内法高さの最大値とする。

③柱主筋の定着は以下による。

( 1 ) 柱頭主筋の定着:
柱に取り付く最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上とする。

( 2 )柱脚主筋の定着:
柱に取り付く最も低い梁天端からL2かつ最も低い梁下端から15d以上とする。

④カットオフ筋長さは以下による。

( 1 )柱頭カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上とする。

( 2 )柱脚カットオフ筋:
柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。


★ポイント


①取り付く梁にレベル差がある場合の柱内法高さH0は、各方向(中柱では通常4方向)の柱内法高さを比較して、最大となる寸法とする。
(最も低い柱脚側梁天端~最も高い柱頭側梁下端ではない。)

②柱頭主筋の定着長さは、最も高い梁下端からL2以上かつ最も高い梁天端から15d以上。

③柱脚主筋の定着長さは、最も低い梁天端からL2以上かつ最も引く梁下端から15d以上。

④柱頭主筋のカットオフ筋長さは、柱に取り付く大梁の最も低い梁下端からH0/2 + 15d以上。

⑤柱脚主筋のカットオフ筋長さは柱に取り付く大梁の最も高い梁天端からH0/2 + 15d以上とする。

⑥柱脚に継手を設けられない範囲を決定するためのDは、X、Yで大きい方の柱成とする。

⑦継手を設けられない範囲の起点は、柱脚側は柱に取り付く大梁の最も高い梁天端、柱頭側は最も引く梁下端である。(取り付く大梁にレベル差がある場合は継手可能範囲が小さくなるため、加工等に注意する)



7-2 柱の仕口部(柱・梁の接合部)

①柱の仕口部の範囲は構造図による。構造図に記載のない場合は柱に取り付く全ての梁成が重なる範囲を柱の仕口部とする。(図 7-2-1)

②直交梁がない場合、柱の仕口部の範囲はないものとする。( 図 7-2-2)

③柱の仕口部帯筋の範囲は、図7-2-3 による。

④柱の仕口部帯筋は構造図による。





★ポイント


⑧柱に取り付け全ての梁成が重なる範囲を仕口部とする。(構造図に記載のある場合はそれに従う)

⑨直交梁がない場合は仕口部なし。(上、下階柱の帯筋仕様が異なり、その境界が構造図に記載されていない場合は、監理者と協議する。)

⑩梁上第1帯筋位置は、最も低い低い梁の上端直上(2方向の梁主筋が接している場合はその上)とし、梁下第1帯筋位置は、最も高い梁下端(コンクリート面)とする。その間を仕口部帯筋とする。

⑪第1帯筋は、上(下)階の柱の帯筋を同じ配筋とする。

⑫仕口部帯筋の配筋要領は、構造図による。(種類、径、ピッチ、副帯筋の本数)

★柱帯筋と仕口部帯金の配筋が異なる場合は、仕口部帯金の範囲に特に注意する。

★上階の梁上第1帯金は下階コンクリート打込み前に梁種菌直上に配筋する。(第1帯筋は、スラブ筋の下にくるので梁配筋時(スラブ配筋前)にセットする)


7-3 定着

①最上階柱頭の柱主筋の定着は構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②柱脚部の定着は 図7-3-2~図7-3-5による。

★ポイント


①最上階柱頭の柱主筋の定着は、構造図による。構造図に記載のない場合は、 図7-3-1 による。

②四隅の柱主筋は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下までのばし、180° フック定着とする。
柱成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

③四隅以外の主筋は、梁成が十分大きく、梁成内でL2以上確保できる場合は、梁上端筋直下まで伸ばして直線定着としてよい。

直線定着できない場合は、梁成内に直線部分でL2h以上かつ梁上端筋直下まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。
さらに梁成が小さく、直線部分でL2hが確保できない場合は監理者と協議する。

★途中階で上に柱がない場合も 図7-3-1に従う。

★最上階で逆梁が取り付く柱の主筋は、スラブ天端で止めず、逆梁上端筋直下まで伸ばす。

★水勾配がある場合は、柱主筋の止まりの位置が低くならないように、主筋長さを勾配に合わせて調整する。

★2段筋がある場合は、フックが特に混み合うので事前に納まりの検討が必要。




★ポイント


④梁幅が柱幅より大きい場合は、仕口部に梁のあばら筋を配筋する。
梁内の柱帯筋の有無・仕様は構造図による。

⑤陸立ち柱の主筋は、梁成内に直線定着でL2h以上かつ梁下端筋直上まで伸ばし、90° フック定着(余長8d以上)とする。(梁成が小さく、直線部分L2hが確保できない場合は監理者と協議する)


7-4 柱主筋の折り曲位置および帯筋

①柱主筋の折り曲げ位置は、梁の主筋間隔内でとる。
(図7-4-1)

②柱主筋を折り曲げて通し筋をする場合(図7-4-1)の梁上帯筋は、上端柱帯筋と同径・同本数とし2セットとする。



★ポイント


⑥柱主筋を折り曲げて通し筋とする場合の梁上端筋直上の帯筋は、上階柱帯筋と同径・同本数で2セットとする。

⑦柱主筋を通し筋としない場合の定着方法は、図7-4-2に従う。
(図7-3-1 の最上階柱頭主筋の定着方法と、図7-1-1の柱脚主筋の定着方法の組み合わせとなっている。)

配筋標準 08 大梁

配筋検査のつぼ⑧ 大梁


8° .大梁

8-1 大梁のカットオフ筋長さおよび継手位置

①カットオフ筋長さは構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-1(a)、図8-1(b)による。

②大梁の継手範囲は、図8-1(c)による。

★ポイント


①カットオフ筋長さは構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-1(a)、図8-1(b)に従い、
端部 :L0/4 + 15d
中央部:L0/2 + 両側20d
とする。
L0はその大梁と取り合う上下階柱内法寸法の小さい方とする。

②下端筋の梁端部(柱面から梁成Dの間)には継手を設けない。


8-2 梁主筋の柱への定着

①梁主筋の柱への定着は原則として折り曲げ定着とし、定着要領は構造図による。構造図に記載のない場合は、図8-2-1、図8-2-2による。

②下端筋の定着筋は曲げ上げを原則とする。曲げ上げ筋がおさまらず、曲げ下げとする場合は、監理者と協議する。






★ポイント

③梁主筋の柱への定着は、原則として折曲げ定着とする。(直線定着とするには監理者の承認が必要)

④下端筋の定着は、曲げ上げを原則とする。
(曲げ下げとする場合は、監理者と協議)

⑤最上階での外柱への定着は、上端1段筋の余長(折り曲げ開始点から)をL2以上とする。

⑥ハンチ部は、コーナー主筋を折り曲げて通し筋とし、吊上げ筋をかける。その他の主筋は真直ぐ伸ばしてL2 + 5d定着とし、吊上げ筋は不要。(その他の主筋を折り曲げて通し筋とする場合は、それぞれに吊上げ筋が必要。)

⑦最上階の柱頭部には、柱内補強筋を両方向の梁に設ける。ただし、交差部は上側となる梁主筋に設ける。(中間階で上に柱がない場合も同様)


8-3 梁主筋が真直ぐ通らない場合のおさまり

①梁主筋は原則として通し筋とするが、鉄筋のあき寸法が確保できる場合は折曲げ定着としてもよい。


★ポイント


⑨高さ方向や水平方向のずれが小さく、
勾配(e/D)が1/6以下の場合は、梁主筋は原則として折り曲げて通し筋とする。鉄筋のあき寸法が確保できる場合は、折曲げ定着としてもよい。

⑩勾配(e/D)が1/6を超える場合は、柱内に折曲げ定着とする。

配筋標準 09 小梁・片持梁

配筋検査のつぼ⑨ 小梁・片持梁の配筋


9° .小梁・片持梁

9-1 小梁の定着・カットオフ筋長さおよび継手位置


★ポイント


①外端・端部の上端筋の定着は、折曲げ定着とし、投影定着長さをLb(20d)かつB/2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2以上とする。

②梁幅が小さく、投影定着長さ20dが確保できない場合の上端筋の定着要領は、図9-2-2に従う。

③下端筋の定着筋はL3またはL3hとする。(定着長さは表3-2-2による。)

④上端筋の継手は、中央L0/2の範囲に設ける。

★カットオフ筋長さ継手をもうけられない範囲に上端筋は15d、下端筋は両側20dを加えた長さとなっている。

★カットオフ筋の長さは単独小梁、連梁及びその端部で異なるので注意が必要である。
(連続梁の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+L0/2+20d
(連梁端部の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+7L0/12+20d
(単独梁の下端、中間部にカットオフ筋がある場合)
 カットオフ長さ 20d+2L0/3+20d

 ※下へいくほど長いので、一番上で覚えていたら、長さが足りない。
  例えば、L0=5000 主筋 HD25 の場合
  下端中央部のカットオフ長さは、上から
  3500、3917、4333と違ってくる。


9-2 小梁と大梁の取合い

①小梁主筋の定着で垂直に余長が確保できない場合は、上端筋は斜め定着、下端筋は斜め定着あるいは水平定着としてもよい。


9-3 片持大梁・片持小梁の定着・カットオフ筋の長さおよび継手位置

★ポイント


①片持梁先端の上端筋は、梁先端からの距離を100mm以下とし、下端筋直上まで曲げ下げる。

②片持大梁の元端は、上端筋・下端筋ともに折曲げ定着とし、定着長さの全長はL2とする。(直線定着する場合は、監理者の承認が必要)

③片持小梁の元端は、直線定着・折曲げ定着のいずれとしてもよく、定着長さの全長は上端筋L2、下端筋L3とする。

④片持梁のカットオフ長さは、
(2/3)L + 15d(L:持出し長さ)
とする。

⑤片持梁の上端筋には継手は設けてはならない。


9-4 片持ち梁・先端小梁のさおまり


★ポイント


⑥先端小梁上部筋の出隅側主筋は、片持梁出隅側主筋近傍までのみ込ませ、水平に折り曲げ、余長をL2とする。その他の上端筋は、投影定着長さをB/2以上確保し、水平に折り曲げ、余長をL2とする。

⑦先端小梁下端筋の出隅側主筋は、片持梁出隅側主筋近傍までのみ込ませ、水平に折り曲げ、余長をL3とする。その他の下端筋は、余長をL3とする。

⑧片持梁と先端小梁の取合い部には、先端小梁の側面にコ形筋を配筋する。

配筋標準 10 スラブ

配筋検査のつぼ⑩ スラブの配筋


10° .スラブ

10-1 定着

①スラブ筋の定着は、図10-1-1による。

②スラブ筋が定着される梁の梁幅が小さい場合の定着要領は図10-1-2としてもよい。



10-2 カットオフ筋長さと継手位置

★ポイント


①外端の上端筋の定着は、折り曲げ定着とし、投影定着長さを20dかつB.2以上、余長8d以上、梁面からの全長をL2とする。

②梁幅が小さく投影定着長さ20dが確保できない場合の定着長さは に従う。

③スラブ上端筋の連続端への定着は、梁面からL2かつ(B/2 + 150mm)以上とする。

④長辺方向上端第1鉄筋は、D13以上かつスラブ筋の最大径(当該スラブでの短辺・長辺両方向の最大径)以上とし、バーサポートを設置する。片持ちスラブも同様なので注意する。

⑤4辺固定スラブの継手位置は原則、上端筋は柱間帯、下端筋は柱列帯とする。

⑥継手の好ましくない位置(梁で囲まれた範囲で、斜線部以外)で重ね継手を行う場合は、継手長さL1 + 5d 必要。

⑦梁両側のスラブ配筋が同じで、梁上で重ね継手を設ける場合は継手長さをL1 + 5dとする。(梁両側のスラブ配筋が異なる場合は、上記③のように梁に定着させる。)

★原則として、スラブは短辺方向を主筋方向とするたが、長辺方向を主筋方向おtするスラブは、伏図に主筋方向を明示することになっているため注意する。

★片持ちスラブのL4は、25dであることに注意する。


10-3 高低差のある場合のスラブ筋のおさまり

①高低差のある場合のスラブ筋のおさまりは、図10-3-1〜図10-3-4による。

★ポイント


①スラブ上端筋は、スラブ下端から梁下端の高低差hが150mm未満の場合、投影定着長さを20dかつB/2以上とし、余長8d以上、全長L2で曲げ上げとする。

②スラブ下端筋は、梁下端主筋の下を通る場合、投影定着長さをB/2以上とし、梁内に投影長さでL4定着させる。

★ポイント

③ 図10-3-2(2)のうち、かかり代(b) < スラブ厚( t ) の場合の補強要領は複雑なので、
特に注意する。

・上端斜め補強筋とスラブ上端筋の重ね継手長さはL1+5d
・下端斜め補強筋のスラブへの定着長さはL2+5d


④スラブ下にハンチを設ける必要がある場合は、コンクリート躯体図に反映させる。
(厚さ 1.5tを確保する)

⑤スラブ下端と梁天端の距離が70mm以上の場合は、構造図による。

★ポイント
⑥スラブ下端と梁天端の距離が70mm以上の場合は、構造図による。

⑦梁に定着する鉄筋は、梁主筋の内側へ入れて、梁天端からL2定着とする。

★ポイント

⑧ハッチングで示した打増し部は、図13-3-2に準じて配筋する。

⑨スラブ中間部の高低差がスラブ厚さの2倍を超える場合や、段差部の重なり幅が上記を満足しない場合は、構造図による。

★高低差によって、段差部の重なり幅が定められているので、コンクリート躯体図に反映させる。


10-4 補強筋

①片持ちスラブの出隅および入隅補強筋は構造図による。構造図に記載がない場合は、図10-4-1〜図10-4-3による。

②屋根スラブの出隅部および入隅部は構造図による。構造図に記載のない場合は、図10-4-4、図10-4-5による。





★ポイント

[ 片持ちスラブ ]
①片持ちスラブの出隅部及び入隅部補強は構造図による。構造図に記載のない場合は図10-4-1、2による。

②斜め補強筋はスラブ上端筋直下に入れる。

③直交補強筋タイプは「出隅部の配力筋」と「出隅受け部の主筋」の両方を補強する。

④片持スラブ入隅部補強要領のうち、屋根スラブの場合は、本数及び厚さが増すので注意する。
( 5-D13@100、ℓ= 2,500mm)


[ 屋根スラブ ]
⑤屋根スラブの出隅部及び入隅部補強は構造図による。構造図にない場合は図10-4-3、4による。

⑥斜め補強筋タイプは、5-D13@100、ℓ=2,500mmをスラブ上端筋の下に入れる。

⑦出隅部の直交補強筋タイプは、上端筋間隔が100mm以下となるように、スラブ筋と同径筋(ℓ=2,500mm)を図示の範囲に追加する。

※もとの上端筋間隔が100mm以下の場合は、監理者と協議する。

⑧入隅部の直交補強タイプは、上端筋間隔が100mm以下となるように 5-D13@100、ℓ= 2,500mmを追加する。

※もとの上端筋間隔が100mm以下の場合は、監理者と協議する。

★片持ちスラブ出隅部補強は構造補強、その他はひび割れ対策補強である。