令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題6 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題

問題6
次の1.から3.の各法文において,[  ] に当てはまる正しい語句を,下の該当する枠内から1つ選びなさい。

1.建設業法(施工技術の確保に関する建設業者等の責務)
第25条の27
建設業者は,建設工事の担い手の [ ① ] 及び確保その他の施工技術の確保に努めなければならない。
2(略)
3 建設工事に従事する者は,建設工事を適正に [ ② ] するために必要な知識及び技術又は技能の向上に努めなければならない。
4(略)


1 参入 2 入職 3 訓練 4 指導 5 育成

1 管理 2 計画 3 実施 4 着手 5 完成
解答

 ① – 5 、② – 3

建設業法
第25条の27(施工技術の確保に関する建設業者等の責務)
建設業者は,建設工事の担い手の育成及び確保その他の施工技術の確保に努めなければならない。
2(略)
3  建設工事に従事する者は,建設工事を適正に実施するために必要な知識及び技術又は技能の向上に努めなければならない。
4(略)

2.建築基準法施行令(根切り工事,山留め工事等を行う場合の危害の防止)
第136条の3
建築工事等において根切り工事,山留め工事,ウェル工事,ケーソン工事その他基礎工事を行なう場合においては,あらかじめ,地下に埋設されたガス管,ケーブル,水道管及び下水道管の損壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。

2 建築工事等における地階の根切り工事その他の深い根切り工事(これに伴う山留め工事を含む。)は,[ ③ ] による地層及び地下水の状況に応じて作成した施工図に基づいて行なわなければならない。

3 建築工事等において建築物その他の工作物に近接して根切り工事その他土地の掘削を行なう場合においては,当該工作物の基礎又は地盤を補強して構造耐力の低下を防止し,[ ④ ] を避ける等その傾斜又は倒壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。

4(略)
5(略)
6(略)


1 測量 2 地盤調査 3 物理探査
4 土質試験 5 標準貫入試験

1 急激な排水 2 急激な湧水 3 地盤の変形
4 地盤の崩壊 5 地盤の沈下
解答

 ③ – 2 、④ – 1

頻出の問題です。第136条の3 の1,4,6項は、H29・R2・5に出題されています。

建築基準法施行令(根切り工事,山留め工事等を行う場合の危害の防止)
第136条の3
建築工事等において根切り工事,山留め工事,ウェル工事,ケーソン工事その他基礎工事を行なう場合においては,あらかじめ,地下に埋設されたガス管,ケーブル,水道管及び下水道管の損壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。
2 建築工事等における地階の根切り工事その他の深い根切り工事(これに伴う山留め工事を含む。)は,地盤調査による地層及び地下水の状況に応じて作成した施工図に基づいて行なわなければならない。
3 建築工事等において建築物その他の工作物に近接して根切り工事その他土地の掘削を行なう場合においては,当該工作物の基礎又は地盤を補強して構造耐力の低下を防止し,急激な排水を避ける等その傾斜又は倒壊による危害の発生を防止するための措置を講じなければならない。
4(略)
5(略)
6(略)

3.労働安全衛生法(特定元方事業者等の講ずべき措置)
第30条
特定元方事業者は,その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる [ ⑤ ] 災害を防止するため,次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
三 作業場所を巡視すること。
四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び [ ⑥ ] を行うこと。
五(略)
六(略)
2(略)
3(略)
4(略)


1 事故 2 重大 3 特定 4 労働 5 公衆

1 支援 2 援助 3 評価 4 改善 5 監督
解答

 ⑤ – 4 、⑥ – 2

労働安全衛生法(特定元方事業者等の講ずべき措置)
第30条
特定元方事業者は,その労働者及び関係請負人の労働者の作業が同一の場所において行われることによって生ずる労働災害を防止するため,次の事項に関する必要な措置を講じなければならない。
一 協議組織の設置及び運営を行うこと。
二 作業間の連絡及び調整を行うこと。
三 作業場所を巡視すること。
四 関係請負人が行う労働者の安全又は衛生のための教育に対する指導及び援助を行うこと。
五(略)
六(略)
2(略)
3(略)
4(略)

令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題5 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題

問題5
次の1.から8.の各記述において,[  ] に当てはまる最も適当な語句又は数値の組合せを,下の枠内から1つ選びなさい。

1.アスファルト防水の保護防水密着工法において,平場部と立上り部で構成する出隅部及び入隅部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅[ a ]mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。
コンクリート打継ぎ部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅50mm程度の[ b ]用テープを張り付けた上に,幅[ a ]mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。
プレキャストコンクリート部材の継手目地部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,ストレッチルーフィングを両側のプレキャストコンクリート部材にそれぞれ[ c ]mm程度張り掛けて,[ b ]増張りをする。

   a   b   c
1  200  補強   50
2  300  補強  100
3  300  絶縁   50
4  300  絶縁  100
5  200  補強  100

解答

  4

(解説)
アスファルト防水の保護防水密着工法において,平場部と立上り部で構成する出隅部及び入隅部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅300mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。
コンクリート打継ぎ部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,幅50mm程度の絶縁用テープを張り付けた上に,幅300mm程度のストレッチルーフィングを増張りする。
プレキャストコンクリート部材の継手目地部は,平場部のルーフィング類の張付けに先立ち,ストレッチルーフィングを両側のプレキャストコンクリート部材にそれぞれ100mm程度張り掛けて,絶縁増張りをする。

2.セメントモルタルによるタイル張りにおいて,まぐさ,庇先端下部など剥落のおそれが大きい箇所に[ a ]タイル以上の大きさのタイルを張る場合,径が0.6mm以上のなまし[ b ]線を剥落防止用引金物として張付けモルタルに塗り込む。

必要に応じて,受木を添えて[ c ]時間以上支持する。

  a      b    c
1 小口平  ステンレス鋼   12
2 小口平  ステンレス鋼   24
3 50二丁     鉄     24
4 50二丁  ステンレス鋼   12
5 50二丁     鉄     12

解答

  2

(解説)
セメントモルタルによるタイル張りにおいて,まぐさ,庇先端下部など剥落のおそれが大きい箇所に小口平タイル以上の大きさのタイルを張る場合,径が0.6mm以上のなましステンレス鋼線を剥落防止用引金物として張付けモルタルに塗り込む。必要に応じて,受木を添えて24時間以上支持する。

3.金属板葺きによる屋根工事の下葺きに使用するアスファルトルーフィングは,軒先から水上側へ葺き進め,縦重ねは100mm以上,横重ねは[ a ]mm以上とする。

仮留めを行う場合のステープルの打込み間隔は,下葺き材の重ね部分で [ b ]mm程度とし,その他の部分では[ c ]mm以内とし,ルーフィングのたるみやしわを生じないように葺く。

  a  b  c
1 200 450 900
2 100 300 600
3 200 300 900
4 100 450 900
5 200 300 600

解答

  3

(解説)
金属板葺きによる屋根工事の下葺きに使用するアスファルトルーフィングは,軒先から水上側へ葺き進め,縦重ねは100mm以上,横重ねは200mm以上とする。
仮留めを行う場合のステープルの打込み間隔は,下葺き材の重ね部分で300mm程度とし,その他の部分では900mm以内とし,ルーフィングのたるみやしわを生じないように葺く。

4.屋内の軽量鉄骨天井下地の吊りボルトの間隔は900mm程度とし,周辺部は端から[ a ]mm以内とする。

野縁の間隔は,下地張りのある場合[ b ]mm程度とし,ボードの一辺の長さが450mm程度以下の場合の直張りは[ c ]mm程度以下とする。

  a  b  c
1 200 300 150
2 150 360 150
3 150 360 225
4 150 300 225
5 200 300 225

解答

  3

(解説)
屋内の軽量鉄骨天井下地の吊りボルトの間隔は900mm程度とし,周辺部は端から150mm以内とする。
野縁の間隔は,下地張りのある場合360mm程度とし,ボードの一辺の長さが450mm程度以下の場合の直張りは225mm程度以下とする。

5.防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げとする場合,下地のセメントモルタル面を[ a ]仕上げとする。

主材の基層塗りは,2回塗りで[ b ]kg/m2とし,だれ,ピンホール及および塗ぬりの残こしのないように下地を覆うように塗り付ける。

主材の模様塗りは,1回塗りで0.9kg/m2とし,見本と同様の模様で均一に仕上がるように塗り付ける。

上塗り材は、[ c ]回塗りで0.3kg/m2とし,色むら,だれ,光沢むらの発生のないように均一に塗り付ける。

   a  b  c
1 木ごて 1.5  1
2 金ごて 1.7  1
3 木ごて 1.7  2
4 金ごて 1.5  2
5 金ごて 1.7  2

解答

  5

(解説)
防水形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(防水形複層塗材E)仕上げとする場合,下地のセメントモルタル面を金ごて仕上げとする。
主材の基層塗りは,2回塗りで1.7kg/m2とし,だれ,ピンホール及および塗ぬりの残こしのないように下地を覆うように塗り付ける。
主材の模様塗りは,1回塗りで0.9kg/m2とし,見本と同様の模様で均一に仕上がるように塗り付ける。
上塗り材は、2回塗りで0.3kg/m2とし,色むら,だれ,光沢むらの発生のないように均一に塗り付ける。

6.防火区画に用いる防煙シャッターは,表面がフラットでガイドレール内での遮煙性を確保できる[ a ]形のスラットが用いられる。

[ b ]の遮煙機構は,シャッターが閉鎖したときに漏煙を抑制する構造で,その材料は不燃材料,準不燃材料又は難燃材料とする。

スラットとガイドレールのかみ合わせ長さは,シャッターの内法寸法が3m以下の場合,左右かみ合わせ長さの合計は,[ c ]mm以上とする。

      a      b  c
1 オーバーラッピング まぐさ 80
2 オーバーラッピング 方立  80
3 インターロッキング まぐさ 90
4 インターロッキング 方立  80
5 オーバーラッピング まぐさ 90

解答

  5

(解説)
防火区画に用いる防煙シャッターは,表面がフラットでガイドレール内での遮煙性を確保できるオーバーラッピング形のスラットが用いられる。
まぐさの遮煙機構は,シャッターが閉鎖したときに漏煙を抑制する構造で,その材料は不燃材料,準不燃材料又は難燃材料とする。
スラットとガイドレールのかみ合わせ長さは,シャッターの内法寸法が3m以下の場合,左右かみ合わせ長さの合計は,90mm以上とする。

7.塗装工事における研磨紙ずりは,素地の汚れや錆,下地に付着している塵埃を取り除いて素地や下地の表面を清浄で[ a ]状態とし,かつ,次工程で適用する塗装材料の[ b ]を確保するための足掛かりをつくり,仕上りを良くするために行う。

研磨紙ずりは,[ c ]塗膜及びパテが十分乾燥した後に行い,塗膜を過度に研がないようにする。

  a   b  c
1 粗面 付着性 下層
2 平滑 付着性 下層
3 粗面 美装性 上層
4 平滑 付着性 上層
5 粗面 美装性 下層

解答

  2

(解説)
塗装工事における研磨紙ずりは,素地の汚れや錆,下地に付着している塵埃を取り除いて素地や下地の表面を清浄で平滑状態とし,かつ,次工程で適用する塗装材料の付着性を確保するための足掛かりをつくり,仕上りを良くするために行う。研磨紙ずりは,下層塗膜及びパテが十分乾燥した後に行い,塗膜を過度に研がないようにする。

8.内装工事において軽量鉄骨下地にせっこうボードを取り付ける場合,下地の裏面に[ a ]mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用いる。

その留付け間隔は,天井では,周辺部150mm,中間部200mm,壁では,周辺部[ b ]mm,中間部300mmとし,いずれもボード周辺部から10mm程度内側の位置で留め付け,ねじの頭がボードの[ c ]ように確実に締め込む。

  a  b    c
1 10  200  表面より少しへこむ
2   5  250  表面と同面となる
3   5  200  表面より少しへこむ
4 10  200  表面と同面となる
5 10  250  表面より少しへこむ

解答

  1

内装工事において軽量鉄骨下地にせっこうボードを取り付ける場合,下地の裏面に10mm以上の余長が得られる長さのドリリングタッピンねじを用いる。その留付け間隔は,天井では,周辺部150mm,中間部200mm,壁では,周辺部200mm,中間部300mmとし,いずれもボード周辺部から10mm程度内側の位置で留め付け,ねじの頭がボードの表面より少しへこむように確実に締め込む。

令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題4 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題

問題4
次の1.から4.の問いに答えなさい。
ただし,1.から4.の解答はすべて異なる内容の記述とし,気象条件による作業の中止及び保護具の使用に関する記述は除くものとする。

1.場所打ちコンクリート杭地業のアースドリル工法において,スライム処理又は安定液についての施工上の留意事項2つ,具体的に記述しなさい。

解答試案

①安定液の配合は、できるだけ「低粘性」「低比重」のものとする。

②掘削はハンマークラブバケットを用いて行い、一次スライム処理は、孔内水が多い場合には、沈殿バケットを用いて処理し、沈殿物が多い場合には、コンクリート打込み直前までに二次スライム処理をおこな行う。

2.コンクリート工事の打込み時において,コールドジョイントの発生を防止するための施工上の留意事項2つ,具体的に記述しなさい。

解答試案

① 打重ねの時間間隔の限度(外気温 25℃未満の場合150分、外気温 25℃以上の場合120分)を厳守する。

② 打重ね時は、棒形振動器の先端を先に打ち込んだ層まで挿入する。

3.鉄骨工事の耐火被覆において,吹付けロックウール工法の施工上の留意事項2つ,具体的に記述しなさい。

解答試案

① 鋼材面に浮き錆、油脂、塵埃などが付着している場合は、ディスクサンダーなどの動力工具、スクレーパー、ワイヤブラシなどの手工具を使用して、付着物を十分に除去する。

②吹付け厚さの確認は、確認ピンを用いて確認し、確認ピンはそのまま残置する。

4.鉄筋コンクリート構造の建物の解体において,外周部を転倒工法で解体する場合の施工上の留意事項2つ,具体的に記述しなさい。

解答試案

仮設工事の安全管理で出題されていた問題である。
①階上作業による解体では、外壁を残しながら中央部分を先行して解体を行い、同時に解体する部分の一体性を確保するとともに、過度な力を加えず内側に安全に転倒させる。

②先行した解体工事で発生したガラ(コンクリート破片)をクッション材として転倒する位置に敷く。

令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題

問題3
鉄筋コンクリート構造の事務所ビル新築工事における基準階の躯体工事について,右の工事概要,工程表及び作業と施工条件を読み取り,次の1.から4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点におけるもので,作業⑦については作業内容を記載していない。
なお,各作業は躯体工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

1.作業⑦の作業内容を記述しなさい。

解答

建築概要によると、鉄筋コンクリート構造である。
ネットワーク工程表と作業と施工条件を確認すると、
ネットワーク工程表の上部記載の経路は型枠工事、中段が配筋工事となっている。
作業⑦は、配筋工事の経路にある。
②柱配筋 → ④壁配筋 → ⑦(   )→ ⑨床配筋
となっているので、⑦は梁配筋
と考えられる。

2.工程表及び作業と施工条件から,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答

まずは、ネットワーク工程表に施工条件をまとめると下記のようになる。

その上で、最早開始時期(EST)の算出をすると下記のようになる。


よって、総所要日数は24日となる。

3.作業③の最早開始時期(EST)及び最遅開始時期(LST)を記入しなさい。

解答

次に、最遅開始時期の(LST)の算出をすると下記のようになる。

作業③(柱の型枠)の開始時刻は②柱配筋開始後1日後から開始できるとあるので、の最早開始時期は1+1 = 2日に開始できる。
最遅開始時期(LST)は [7] – 4 = ③ より 3日には開始する必要がある。

 

4.作業④のトータルフロート及び作業⑧のフリーフロートを記入しなさい。

解答

上記ネットワーク工程表より
なお、◻︎内の数値(最早開始時期) は[ ]で表現している。
作業④のトータルフロート
TF = ⑥ − [ 3 ] − 3 = 0日
作業⑧のフリーフロート
FF = [17] − [15] = 2日

ネットワーク工程検討用

工事概要
用   途:事務所
構造,規模:鉄筋コンクリート構造
地上6階建て,基準階の床面積480.0m2

工程表

作業と施工条件

令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題

問題2
建築工事における次の1.から3.の仮設物の設置を計画するに当たり,検討すべき事項及びその理由を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。

ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,申請手続,届出及び仮設物設置後の運用管理に関する記述は除くものとする。

また,使用資機材に不良品はないものとする。

1.仮設ゴンドラ

解答試案

検討すべき事項:
ケージ自重と積載荷重を十分に支えることができるよう留意して、支持構造体、ワイヤロープ、吊元、吊元からケージに至る経路の強度を検討する。
理由:
強度不足になると、近隣建物、第三者への落下災害が発生する可能性があるため。

検討すべき事項:
ゴンドラ設置場所の下方における落下物対策を検討する。
理由:
第三者に対して落下物による災害が発生する可能性があるため。

 

2.起伏式(ジブ)タワークレーン

解答試案


検討すべき事項:
建物の外部か内部かを含めて、設置位置・台数を検討する。
理由:
全体工程、ダメ工事の量・工程、組立て・解体方法などに影響するため。

検討すべき事項:
機種、設置台数、平面配置を検討する。
理由:
搬出入車両動線、揚重・地組みヤード、重量、作業半径の包含範囲を超えると、
再検討が必要になるため。

3.枠組足場を用いた棚足場

解答試案


検討すべき事項:

自重、積載荷重、作業荷重、風荷重に対し、強度検討を行う。
理由:
強度不足にになると、倒壊する可能性があるため。

検討すべき事項:
壁つなぎの間隔は水平方向 8m以下、垂直方向 9m以下とする配置を検討する。
理由:
強風時における倒壊災害防止のため。

令和7年1級建築施工管理技士 二次検定 問題1 解答速報

令和7年度
1級建築施工管理技術検定
第二次検定問題
令和7年10月19日(日)

[ 注意事項 ]

1.ページ数は,表紙を入れて16ページです。
2.試験時間,13時から16時です。
3.解答用紙は,別紙(両面)になっています。
4.試験問題は,6問題です。
5.問題1から問題4は,記述式です。
解答は,解答用紙の定められた範囲内に,[HB]の黒鉛筆黒シャープペンシルで記入してください。
6.問題5及び問題6は,五肢択一式です。正解と思う肢の番号を1つ選んでください。
解答の記入に当たっては,次によってください。
イ.解答は、選んだ番号を右のマークの塗りつぶし例に従って,[HB]の黒鉛筆か黒シャープペンシルで塗りつぶしてください。
ボールペン,サインペン,色鉛筆等では採点されません。
ロ.マークを訂正する場合は,消しゴムできれいに消して訂正してください。
7.解答用紙は,雑書きしたり,汚したり,折り曲げたりしないでください。
8.この問題用紙は,計算等に使用しても差し支えありません。
9.漢字に付したふりがなは補足であり,異なる読み方の場合があります。
10.この問題用紙は,試験終了時刻まで在席した場合に限り,持ち帰りを認めます。
途中退席する場合は,持ち帰りできません。

問題1
建築工事の施工者は,設計図書等により工事目的物に要求される品質を把握し,品質管理を的確に行うことが求められる。
建築工事の現場を管理していくうえでのあなたの考えについて,今日までの経験を踏まえ,次の1.及び2.の問いに答えなさい。
なお,建築工事には,建築設備工事は含まれないものとする。

1.右の工事概要に示す事務所ビル新築工事で行われる工種又は作業において,あなたが統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として工事を担当するうえで,品質管理上特に重点を置くべきと考える項目を3つあげ,それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし,3つの項目の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。

なお,工事概要に示す工事において,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工上必要としない工事及び作業に関する内容についての記述は不可とする。

工事概要
(表中「〇+△+□」は,〇下地のうえ△面に□仕上げ等,下地と表面仕上げの関係を示す。)
(EP:合成樹脂エマルションペイント,SOP:合成樹脂調合ペイント)
工事名 :事務所ビル新築工事
主要構造:鉄骨構造 地上7階建て 塔屋1階
工  期:2025年2月から2026年9月
主要用途:事務所
用途地域:商業地域 15m道路隣接
屋上工作物
 設備基礎:コンクリート立上り基礎
 外周部 :目隠しルーバー
面  積
 敷地面積: 1,110.0m2
 建築面積:  800.0m2
 延べ面積: 5,720.0m2
最高高さ : 30.5m
階  高 :  3.8m
エレベーター:乗用 11人乗り 2台主な構造仕様
根切深さ:設計GL-3.0m
地下水位深さ:設計GL-3.6m
山留め:鋼矢板(シートパイル)壁工法
基 礎:既製コンクリート杭(PHC杭)
構造部材
 柱:角形鋼管,梁:H形鋼
 床:合成デッキスラブ
耐火被覆:耐火材巻付け工法主な外部仕上げ
屋上:陸屋根
 アスファルト保護断熱防水
 アルミ製笠木,ステンレス製丸環
外 壁
 主な外壁:押出成形セメント板+フッ素樹脂塗装
 目地:変成シリコーン系シーリング
 断熱:内断熱工法現場発泡断熱材吹付け
建 具
 エントランス:ステンレス製自動扉
  強化ガラス+飛散防止フィルム共
 窓:アルミ製サッシ,複層ガラス共
  一部排煙窓主な内部仕上げ
(天井高さ2.9m壁及び天井の下地はすべて軽量鉄骨とする。)

 事務室
  コンクリート直均し+セルフレベリング
  +防塵塗装+OAフロア+タイルカーペット
 廊下
  モルタル下地+タイルカーペット
 給湯室
 モルタル下地+長尺ビニル床シート
 階段室
  モルタル下地+タイルカーペット,
  ステンレス製ノンスリップ
 エントランスホール
  モルタル下地
  +花崗岩ジェットバーナー仕上げ

 事務室
  せっこうボード+EP塗装
 廊下
  けい酸カルシウム板+化粧シート
 給湯室、階段室
  せっこうボード+EP塗装
 エントランスホール
  けい酸カルシウム板
  +ボーダータイル
天井
 事務室・廊下・給湯室
  せっこうボード
  +ロックウール化粧吸音板
 階段室
  鉄骨階段現し+SOP塗装
 エントランスホール
  アルミスパンドレル
その他
 事務室
  一部可動間仕切りパネル
 給湯室
  流し台,吊戸棚
 化粧室
  トイレブース主な外構仕様
構内舗装
 駐車場
  アスファルト舗装 普通車8台
 アプローチ
  インターロッキング舗装
囲障他
 敷地境界
  アルミ製化粧フェンス
  中木,低木混栽

 

工種名又は作業名等

② 特に重点を置くべきと考える品質管理項目及びその品質管理項目について重点を置くべきと考える理由

③ ②の品質管理項目を管理していくうえで実施すべき内容

 

解答試案

②と③が異なる内容との条件文があるので、①工種は同じでもよい。

解答例1)
① 工種名又は作業名等:杭工事

② 品質管理項目:支持層の確認
理由:
杭が支持層まで到達していないと、建物自体の地耐力を満足できなくなり、要求品質を満たせなくなるため。

③ 実施すべき内容:
掘削深度と土質柱状図の比較して、所定の深さまでの掘削が進行しているか、電流値を合わせて確認し、かつ、支持層から採取した土と土質サンプルとが、ほぼ同じであることを確認する。

(解説)
問題文に既製コンクリート杭(PHC杭)とあるが、遠心力高強度プレストレストコンクリート杭のことである。工法には、打込み工法、セメントミルク工法及び特定埋め込み杭工法があるが、ここでは、工法までは指定されていないので、どの工法で記入してもよいものと考えれる。
プレボーリング値固め工法(セメントミルク工法)の品質管理の内容を記載している。

解答例2)
① 工種名又は作業名等:鉄骨工事

② 品質管理項目:柱の倒れ管理(鉄骨建て方精度管理)
理由:
倒れが大きいと、構造体に偏心荷重による曲げ応力が付加され、また、外装材のファスナー調整代を超えると、外装材の適正な取付けが困難になるため。

③ 実施すべき内容:
柱1節ごとにトランシットを用いて柱の建て方精度検査を行い、倒れが高さの1/1000かつ10mm以下であることを確認し、超えている場合は建入れ直しを行う。

解答例3)
① 工種名又は作業名等:鉄骨工事

② 品質管理項目:トルシア形高力ボルト本締め管理
理由:
高力ボルト摩擦接合は、ボルト軸力から生じる板間摩擦力によって荷重を伝達することから、摩擦面の状態確認と適正軸力を導入する本締め管理が重要であるため。
③ 実施すべき内容:
摩擦面処理粗度 50μmRz以上であることを、表面粗さ見本と比較確認し、本締めでは、ピンテール破断、軸・共回りがないこと、ボルト余長、回転角の検査を全数行う。

2.右に示す工事概要の建築工事に係わらず,現場で行う組織的な品質管理活動について,次の①及び②を具体的に記述しなさい。
ただし,1.の③と同じ内容の記述は不可とする。

① 品質管理活動の内容及びそれを協力会社等に伝達する手段又は方法

② ①の品質管理活動によってもたらされる良い影響

 

解答試案

内容
工事の着手前に関連する協力会社を交えて会議を行い、施工計画書を作成し工事監理者の承認を得る。
手段又は方法:
毎朝の朝礼後に当該工事の関連業者を交えてミーティングを行い、承認済み施工計画書の内容を再確認してから工事に着手する、

良い影響:
施工計画書の承認により、作業所、専門業者、工事監理者(よって、設計者及び建築主)の間で情報を共有できるので関係者すべての満足のいくものとなる。

1級建築施工管理技術検定 令和6年度 第二次検定 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技術検定 二次 解答解説 

令和6年10月20日(日)
試験時間:13時-16時

問題1 施工経験 記述問題
    品質を確保しながらの合理化手法
問題2 仮設工事 記述問題
問題3 工程管理 記述問題
問題4 仕上工事 記述問題
問題5 躯体工事 五肢択一式
問題6 法  規 五肢択一式

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題1 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題1

問題1
持続可能な建設業を目指して,働き方改革を推進すべく様々な取組が官民一体となって続けられている昨今,建築工事の現場を管理していく上でのあなたの考えについて,次の1.及び2.の問いに答えなさい。

1.右に示す工事概要の建築工事において,あなたが建設現場における統括的な施工の技術上の管理を求められる立場として,機能,性能等の要求された品質を確保しながら適正,かつ,合理的に進める上で,有効と考える現場作業の軽減策3つ提案し,それぞれ次の①から③について具体的に記述しなさい。

ただし,3つの提案の②及び③はすべて異なる内容を記述するものとする。
なお,次の記述は不可とする。

・工事概要に示す工事において施工上必要としない工事及び作業に関する内容
・計画変更確認申請が必要となる内容
・竣工引渡し時期の遅れに繋がる内容
・工程の短縮は図れるが現場作業の軽減には繋がらない内容
・建築設備工事に関する内容

工事概要
(表中「○+△+□」は○下地の上△面に□仕上げ等,下地と表面仕上げの関係を示す。)
工事名  共同住宅新築工事
主要用途 共同住宅52戸
用途地域 住居地域、6m道路隣接
面  積
敷地面積  2,350.00m2
建築面積  758.85m2
延床面積  4,950.60m2
工  期 2024年1月~2025年6月
主要構造 鉄筋コンクリート構造、地上7階建て
最高高さ 23.25m
階  高 1~4階 3.3m,5~7階 3.0m
エレベーター 乗用8人乗り1台
───────────────────────────────
主な構造仕様
根切深さ 2.5m
山留め  親杭横矢板工法
地 業  現場造成杭(アースドリル工法)
コンクリート 普通コンクリート
型 枠  コンクリート型枠用合板
支保工:パイプサポート
鉄 筋  工場加工,現場組立て
柱,梁主筋:ガス圧接継手
───────────────────────────────
主な外部仕上げ
屋 根
陸屋根:アスファルト露出断熱防水
アルミ製笠木
外 壁
主な外壁:コンクリート打放し+ 防水形複層塗材
断 熱 :内断熱工法 現場発泡断熱材吹付け
手すり壁
バルコニー:アルミ製既製品 H =1.2m
外部廊下 :コンクリート打放し + 防水形複層塗材
外部階段 :コンクリート打放し + 防水形複層塗材
:ステンレス製壁付手すり

バルコニー:モルタル下地 + ウレタン系塗膜防水
外部廊下 :コンクリート直均し + ビニル床シート
外部階段 :モルタル下地 + ビニル床シート
建 具
風除室:ステンレス製オートロック式自動扉
強化ガラス共
玄 関:化粧シート張り鋼製扉
窓  :アルミ製サッシ
1~2階網入りガラス共
3~7階フロートガラス共
───────────────────────────────
主な内部仕上げ
(居室,水廻り:天井高さ2.4m,風除室:天井高さ2.5m)

居室 :コンクリート直均し+ 乾式二重床 + フローリングボード
水廻り:コンクリート直均し+ 乾式二重床 + 耐水合板 + ビニル床シート
風除室:モルタル下地 + ノンスリップタイル

居室 :軽量鉄骨下地 + せっこうボード+ビニルクロス
水廻り:軽量鉄骨下地 + シージングせっこうボード+ビニルクロス
風除室:モルタル下地 + 有機系接着剤による小口タイル
天井
居室,水廻り:軽量鉄骨下地 + せっこうボード+ビニルクロス
風除室:軽量鉄骨下地 + アルミスパンドレル
建具他
居室:化粧シート張り木製扉 枠共
水廻り:ユニットバス,洗面化粧台,システムキッチン
風除室:集合郵便受け,インターホンパネル
───────────────────────────────
主な外構仕様
構内舗装
駐車場:アスファルト舗装
駐輪場:コンクリート舗装
アプローチ:インターロッキング舗装
囲 障:化粧フェンス
駐車場入口:レール式門扉
植栽
敷地境界:中木,低木混栽

① 工種名又は作業名等

② あなたが考える有効な現場作業の軽減策とそれが現場作業の軽減に繋がる理由

③ ②の実施に当たって確保すべき品質とそのための軽減策における施工上の留意事項

解答試案

品質を確保しながら進める合理化の問題である。

※工事概要に記載された工事内容に注意して事例を記載する。

特に、設計図書と変更になるような合理化は不可である。

特定行政庁により、設計変更になるか、軽微変更になるかの判断がわかれる場合があるので、軽微な内容であっても注意が必要である。

事例1)

① 工種名等:鉄筋工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

鉄筋工事において、梁鉄筋先組工法を採用する。躯体工事の工程短縮と品質確保、及び、現場作業が軽減できるため。

③施工上の留意事項:

梁鉄筋先組工法は、柱梁の仕口部分の鉄筋定着が及び補強筋の施工が困難になる場合があるので、事前に各種配筋の位置、所定の長さ、位置等で確実に定着されていることに留意する。

事例2)

① 工種名等:木工事(内部間仕切り壁下地)

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

内部間仕切り壁下地に、パネル枠(壁の長さ、高さに合わせた材木枠内に胴縁を組み込んだもの)を採用した。

工場内生産品の間仕切りを取り付けるだけなので、造作大工の手間が省略_化でき、仕上げ工事の工期短縮ができるため。

③ 施工上の留意事項:

躯体精度のばらつきが悪いとよけいに手間がかかるので、躯体精度の品質管理には十分に注意して施工する。

事例3)

① 工種名等:コンクリート工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

最上階屋根パラペットのプレキャストコンクリート化を行う。予め工場にて製作することにより、現場での配筋工程を大幅削減することができる。

③ 施工上の留意事項:

屋根スラブには水勾配があるので、かぶり厚さを確保するため、パラペットの部位によって鉄筋の差筋に注意する。

事例4)

① 工種名等:型枠工事、鉄筋工事

② 軽減策と軽減に繋がる理由:

トラス筋付きデッキプレート工法は、デッキプレートとトラス筋が一体となっているので、コンクリート打設時には型枠として、硬化後にはトラス筋がスラブ主筋となる構造であり、型枠工事と鉄筋工事を同時に施工できるので合理化となる。

③ 施工上の留意事項:

デッキプレートの梁等への掛り代は所定の長さを確保し、床開口の大きさ、補強等はメーカーの仕様に従って行う。

2.建設業における働き方改革の課題の1つとして,建設現場における時間外労働が挙げられる。右に示す工事概要の建築工事に係わらず,あなたの今日までの経験を踏まえて,建築工事の施工に従事する者の時間外労働の現状に関して,次の①及び②について具体的に記述しなさい。
ただし、1.の②と同じ内容の記述は不可とする。

① これまでの建設現場における施工や工程,管理等の業務において,施工に従事する者の時間外労働を増長させていた要因とそれが時間外労働の増長に繋がっていた理由

② ①の対策として,あなたが有効と考える建設現場における組織としての取組や工夫

解答試案

① 建設現場において、施工方法や手順が徹底されいていないと、その確認のために何度も手戻りすることになり、労働時間の増長につかがる要因となる。

②各工種又は作業について、できるだけ早い段階で関連する作業員を交えて問題点や留意点などを挙げて施工計画を立案し、その施工方法や手順を徹底し、手戻りによる確認作業をなくす。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題2

建築工事における次の1.から3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,保護帽や要求性能墜落制止用器具等の保護具の使用,気象条件,資格,免許及び届出に関する記述は除くものとする。

また,使用資機材に不良品はないものとし,2.を除き保守点検に関する記述は不可とする。

1.バケット容量0.5m3 程度のバックホウ

記述例

①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。

②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。

(解説)

バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。

②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その_者に誘導させる。

③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。

2.工事用の仮設電力設備

記述例

①仮設電力の引込位置は、電力負荷設備の種類・位置を考慮して計画する。

②工事用電力使用の工程計画、負荷設備容量の山積みをもとに、受電容量を検討し計画する。

(解説)

その他、以下のもの等があるので、これを参考に具体的に記述する。

1)着工から竣工まで仮設電力の過不足がないように、仮設計画により、幹線の配線計画、負荷設備の配線計画について検討する。

2)工事完成までの支障のないように、仮設引込の配置、負荷設備の種類、位置について検討し計画する。

3.ホイール式垂直昇降型の高所作業車

記述例

①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。

②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。

(解説)

高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。

②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。

③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。

④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。

⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。

令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和6年 1級建築施工管理技士 二次 解答解説 問題3

市街地での事務所ビル新築工事において,右の工事概要に示す事務所部分の内装工事に関する作業工程について,次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は計画時点におけるもので,対応する作業内容と所要日数,施工条件を合わせて示しているが,作業⑤及び作業⑧については作業内容を記載していない。
また,作業⑦のフリーアクセスフロア敷設作業は,作業(d)及び作業(e)との関係を示すために作業⑦-1,作業⑦-2に分けて工程表及び作業内容と所要日数に示している。

工程表の設備工事は電気設備(照明,コンセント),通信設備,警報設備,空調設備とする。

なお,各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし,施工中に必要な試験や検査については記載を省略している。

工事概要

用   途:事務所
構造、規模:鉄筋コンクリート構造,地上6階,
基準階における事務室部分の床面積325m2
事務室仕上:床はフリーアクセスフロア下地,タイルカーペット仕上げ
壁は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り、
塗装仕上げ(壁の軽量鉄骨下地,せっこうボード張り
共に天井軽量鉄骨下地高さまでとする)
天井は軽量鉄骨下地,せっこうボード張り,
ロックウール化粧吸音板仕上げ
工程表

作業内容と所要日数(各作業に必要な資機材運搬等を含む)

施工条件
作業(a):
天井内の配管,配線,機器設置,ダクト等の設置、高所作業車を使用

作業(b):
間仕切壁内の配管,ボックス取付け工事、作業③の開始2日後に並行作業として着手

作業(c):
作業④の開始3日後に並行作業として着手、天井足場を使用

作業(d):着手は作業⑥の完了後1日の養生日を置き,     作業⑦-1と並行作業として着手
作業(e):作業⑦-2と並行作業として着手
1.作業⑤及び作業⑧作業内容を記述しなさい。

解答試案

⑤ 天井足場撤去

⑧ タイルカーペット張付け

②天井足場架設の作業があり、作業 (c) により 天井足場を使用した設備工事の後の作業⑤である。

また、作業⑤の後には、天井界隈の工事はないので、作業⑤は、天井足場撤去と考えられる。

床の仕上はタイルカーペットであるので、作業⑧はタイルカーペット張付けである。

2.内装工事における建築工事と設備工事の一般的な施工手順と,作業内容と所要日数,施工条件に記載してある条件を読み取り,(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

 

解答試案

施工条件に従って、検討用のシートを用いてまとめると

以下のようになる。

 

よって、総所要日数は 28日となる。

3.作業④フリーフロート及び作業⑦トータルフロートを記入しなさい。

解答試案

作業④のフリーフロート  2日

作業⑦のトータルフロート 1日

問題2の検討用の工程表によると作業④には2日の余裕がある。

よって、作業④のフリーフロートは、2日である。

トータルフロート(TF)とは、当該作業の最遅終了時刻(LFT)から当該作業の最早終了時刻(EFT)を差し引いて求められる。

作業⑦の最遅終了時刻(LFT)は25日である。

作業⑦-2の作業は、設備工事(d)の終了を待たずしても、作業⑦-1に引き続き作業が可能であるので、

最早終了時刻(EFT)は24日である。

よって、LFT – EFT = 1日

(参考)

検討用のシートをネットワーク工程表で表すと下記のようになる。

4.作業⑦の着手に必要な支持脚(ペデスタル)の墨出しに係る工程を見込んでおらず,作業⑦の所要日数に1日を追加しなければならないことが判明した。
工程追加後の(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

解答試案

総所要日数 28日

問題3より、作業⑦はトータルフロート 1日あるので、作業日数に1日追加したとしても総所要日数 28日は変わらない。