実戦17 仕上工事10 内装3 海外製作品

1級建築施工管理技士 実戦17 仕上工事10 内装3 海外製作品

2000年以降、アジアの開発途上国の発展は目に見張るものがある。

日本がバブル経済崩壊後足踏みを続けている間に、日本からの技術者の招へい、中古機械の導入などの積極的な対策により、瞬く間に技術と生産設備を備え、日本に迫ってきている。

もともと労務賃金の安い国が多いので、旺盛なアジアの受注に支えられて、人・設備・仕組み・資本力が備わり、急激に成長してきた。

これらは自動車産業や家電産業が開発途上国に根付いた時期と一致し、建設業界にも大きく影響しているとみられる。

今や日本では、建材の海外調達を無視して完成することはできない。
鉄骨・プレキャスト製品・金属加工製品・天井材・間仕切り材・木工品・家具・床材・ガラスなどあらゆる分野の建築建材や製品が海外で製作され、日本に入ってきている。
近くのホームセンターを見ても、建築関係の道具の”メイドインチャイナ”の多さに驚く。

東南アジアからの調達品の現状

アジアの開発途上国から輸入される建築材料は、輸入コストが安いため、建設コスト管理上大きな魅力である。
日本から技術を習得したため、出来上がりもかなり日本製品にちかいが、技術を積み上げないで、そのまま似ている部分があるので、似ているようで同一でない。
現在は改良されているかもしれないが、以下の例がある。
韓国製のサンドイッチパネル、天井パネルなど、一見立派に見える場合でも、実際使用してみると、許容できない問題が発生していた。
例えば、サンドイッチパネルのロールフォーミングの歪みが、光線の加減で見えてしまう。
アルミパネルを天井に貼った後に歪んで見える点などである。
結局、足場や手直しの費用が発生してしまうといったリスクが発生した。
昨今のグローバル化に伴い、現地での生産技術が向上し、基準も統一されてきているので、文化は習慣による品質リスクは減っているものと思われるが、現場管理者としては、工場視察・実大モックアップ作成などによる”目線合わせ”などの対策は必須である。
そん他に、海外調達の具体的な製品としては、外装用パネル、ファンコイルカバー、システム天井、天井岩綿板、アルミパネル、OA床、クリーンルームの壁パネル、床のシステム、ガラスの二字加工品などがある。

東南アジアの工場

中国の沿岸部の都市でも、建築材料の製作が盛んである。
やはり東南アジアに多く輸出しているものと思われる。
中国の工場では、ドイツ製、日本製そして台湾製の機械が混在している。
台湾の資本による工場が多いこともその理由であると考えられる。
海外調達を進めるにあたり、文化と習慣の違いは大きな障壁となる。
国際的には、設計図と仕様書、そして、その国の法律に基づく規格がめざすものである。

しかし、日本のエンドユーザーのニーズは、それを超えている。
そして、日本の建設業界ではそれを認めきてきている。
需要と供給、長い歴史による労使関係がその背景にあると思われ、建物の永久保証の関係まで残っている。

しかし、アジアの開発途上国の関係者にはそんな日本の歴史はなかなか理解できない。
例えば、石の歪みは仕様書では1mm以下となっている。
日本にもってきて天井の蛍光灯のランプの反射がゆがんで見えるものは、取替えを命じられるということもある。
石材の色調にしても、少しばかり隣との色合いが違う場合でも、取替えを命じられる場合がある。
契約した仕様書では、そこまでの仕様を求められておらず、規格項目にも入っていない。
にもかかわらず、日本では「そんなことは常識だろう」と片付けられてしまう。
そんな問題がリスクをして残る。

したがって、開発途上国からの海外品を使用する場合、3段階のリスクヘッジを検討する。
①日本への輸出経験が豊富な現地工場を選択する
②実大モックアップを現地と日本とで実施し、問題点の確認を行う
③再製作が可能な程度の時間的余裕をもつ。

海外での日本品の品質確保
(JIS認定材)
日本の大手メーカーの多くはタイに工場を進出させている。グローバルな競争を勝ち抜くために、円高・電気料金・税金・労働賃金・輸送コストなどに有利な地域を求め、日本から海外に生産拠点を移している。その中で、今やタイは中国に次いで、2番目のアジアの生産拠点になっている。
2011年9月のバンコクの洪水により、多くの日本企業が工場の一時閉鎖に追い込まれた。
その間、日本の生産ラインの増強のために、タイの技能工が日本に短期就労する状況がマスコミにも取り上げられ、中にはタイの若者の技術はすでに日本人の熟練者の技量を超えているという報道もあった。
日本の大型プロジェクトの建築資材の多くが、実はタイで加工されている。
例えば、建築鉄骨の場合、タイから日本への鉄骨の納入実績はすでに20数年ほどになる。
日本の材料、日本製の機械、日本の技術者による指導、日本の品質管理システムの採用、日本の資格の取得などまったく日本の工場とかわらない。
むしろ、最新の管理システムを採用し、3次元CAD化や一品ごとのバーコード管理も導入して、日本のファブを超えている部分もある。
鉄骨工場の場合は、ローカルマーケットにも製品を出しているが、製品規格が違うので混同を避けるため、ラインや技能者を分けて日本品の製造をしている。
その他にガラス、アルミ加工品、家具など、多くの日本向け製品を製造している。
例えば、家具の材料はゴムの木である。ゴムの木は15年ほどでその役割を終えて、若い木に植え替えられる。
その大量にでるゴムの廃材は色はなく、どんな木の色にも染めることができる。
加工と製造の技術を完成するのに苦労したようだが、今やとてもいい家具を製造している。
どの工場も、日本の資格を取得し、規格を守り、品質管理も充実してきている。