1週間でできる攻略法 問題5 仕上工事 択一 8問

問題5の攻略 仕上施工 択一問題 8問

1年おきに「躯体施工」と「仕上施工」の出題形式が 入れ替わりながら出題されており、問題4は留意事項の記述、問題5は択ー形式というかたちになっております。

昨年(令和6年)は、「仕上施工」が問題4で留意事項の記述、「躯体施工」は問題5が択ー形式でしたので、今年(令和7年)は、
問題5は仕上施工 択ー形式 になるものと考えられます。

防水工事
アスファルト防水を中心に、各種工法の特徴をしっかり押さえて、記述形式にも対応できるように準備する必要があります。
左官工事
セメントモルタル塗りは択ー形式、セルフレベリング塗り及び仕上げ塗材は記述形式を念頭において準備しましょう。
タイル工事
セメントモルタルを用いた後張り工法を中心に、検査関係も忘れずに学習しましょう。比較的量は多くありませんので、学習効率の高い分野といえます。
内装工事
天井、壁、床の部位別にみると、いずれかからほぼ毎年出題されている。また、天井関連は記述形式で複数回出題されています。
防水工事
アスファルト防水の施工
施工上の留意点
アスファルトの溶融・施工(H25・R1択一)
溶融がまは、できるだけ施工場所の近くに設置する。

② アスファルトの溶融は、小塊にして溶融がまに投入する。

③ 溶融温度は製造所指定の温度以下とし、低煙・低臭型アスファルトの上限は240℃以下とする。
④ 溶融アスファルトは、施工に適した温度を保つように管理する。
⑤ アスファルトの使用量は、1層につき1.0kg/m2程度とする。
アスファルトルーフィング類の張付け(H25・R1択一)
増張リ
以下の増張りは、平場部のルーフィングの張付けに先行して行う。

出隅、入隅には、幅300mm以上のストレッチルーフィング最下層に増張りする。

出隅・入隅及び出入隅角の増張りの例:
立上りの出隅・入隅に増張りを行う場合(JASS 8より)

プレキャストコンクリート下地の場合には、継手部両側に100mm程度ずつ張り掛ける幅のストレッチルーフィングを絶縁増張りする。

コンクリート打継ぎ部には、幅50mm程度の絶縁用テープを張り付けた後、幅300mm以上のストレッチルーフィングを増張りする。

コンクリート打継ぎ部及びひび割れ部の処理例

ドレンまわりは、防水層の張掛け幅 100mm程度とする。ドレンは、つば先をスラブレベルより30〜50mm下げてコンクリートに打込む。

貫通配管まわりは、最下層に網状アスファルトルーフィングを増張りして、十分にアスファルトで目つぶし塗りを行う。次に、配管の根元の平場にストレッチルーフィングを150mm程度張り掛けて増張りする。立上がりの防水層端部をステンレス製既製バンドで締め付けて密着させた後、上部にシール材を塗り付ける。

貫通配管回りの防水層の納まり例
平場の張付け(H30 記述)
ⅰ) 砂付あなあきルーフィング
砂付き面を下向きに、突き付けて敷き並べる。
ⅱ) 部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート
 はく離紙をはがしながら、突き付けて張り付ける。
ⅲ) 張付けの方向と継ぎ目の重ね幅(一般ルーフィング)

● 溶融アスファルトをロール状ルーフィングの前方にひしゃくを用いて流し、ロールを押し広げながら張る流し張りとする。

● 張付けは水下側から水上側へ、重ね幅は100mm以上とする。

ルーフィング類の千島張り工法
ⅳ) 重ね部が各層で同じ箇所とならないよう、重ね部の位置が千鳥になるように張り重ねる。
ⅴ) 流し張りで張り付ける場合、ルーフィングの重ね部からはみ出たアスファルトはその都度はけを用いて塗りならす。
(7) 改質アスファルトシート防水の施工
改質アスファルトシート防水常温粘着工法・断熱露出仕様の立上がり取合部(H29・R3択一)
立上がり際の風による負圧は平場の一般部より大きくなるため、断熱材の上が絶縁工法となる仕様の場合、立上り際の平場部幅500mm程度は、防水層の1層目に粘着層付改質アスファルトシートを張り付け、密着させる。
なお、入隅部では100mm程度立ち上げ、浮き・口あきが生じないようにする。
(8) 合成高分子系ルーフィングシート防水の施工
合成高分子系ルーフィングシート防水は、一般に「シート防水」と総称される。通常は 1〜2mm厚の合成高分子系シート(合成ゴム系《加硫ゴム系》
合成樹脂系(塩化ビニル樹脂系)など)を接着剤で張り(接着工法)、もしくは金物類で機械的に固定して(機械的固定工法)、防水層を形成する。
ルーフィングシートの接合部の施工
塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート (R5択一)

● 重ね部は、溶着剤テトラヒドロフラン系)による溶着または熱風による融着とし、接合端部は液状シール材でシールする。

● シートの重ね幅は、長手、幅方向ともに40mm以上とする。
(9) 塗膜防水(H27 択一)

塗膜防水は、液状の塗膜防水材(主にウレタンゴム系)を、数層下地に塗布することで防水層を形成する。補強布を使用する高伸長形と補強布を使用しない高強度形の2種類がある。また、通常の密着工法の他に、通気緩衝シートを張り付けた上に、塗膜を構成する絶縁工法がある。

ゴムアスファルト系塗膜防水材には、手塗りタイプと吹付けタイプがある。
手塗りタイプには、ゴムアスファルトエマルションだけで乾燥造膜するものと、硬化剤を用いて反応硬化させるものがある。
吹付けタイプには、乾燥造膜や反応硬化によるものの他に、専用吹付け機でゴムアスファルトエマルション凝固剤同時吹き付けて、凝固・硬化を促進させて防水層を形成するものがあり、地下外壁の防水等に用いる。
左官工事
(1) セメントモルタル塗り
【2】下塗り (H29 択一)
吸水調整材(原則)又はポリマーセメントペースト塗布

● 吸水調整材を塗布することにより、薄い膜を形成させて、塗り付ける材料(セメントモルタル)の水分が急激に下地面に吸水されること(ドライアウト)を防止する。

吸水調整材は、薄塗りとし、塗り回数は2回を限度とする。

→ 塗りすぎると膜が厚くなり、はく落の危険性が増大する。

● 塗装合板や金属製型枠を用いた場合には、付着性を向上させる目的で、ポリマーセメントペーストなどを塗布する。
セメントモルタル下塗り
● 吸水調整材を塗布した場合
 → 吸水調整材が乾燥後、セメントモルタルの下塗りを行う。
 → 下塗り時期は、一般に吸水調整材を塗布後1時間以上とし、1日程度経過後とする。
ポリマーセメントペーストを塗布した場合
 → ポリマーセメントペーストが乾燥しないうちに、セメントモルタルの下塗りを行う。
● 下塗りした面は、金ぐし類(金ぐし、木ごてなど)で荒し目をつける。
● 下塗り後、14日(2週間)以上放置してひび割れなどを誘発させる。
【5】上塗り (H27・R1・5択一)
① 中塗りの硬化の程度を見計らい、吸水調整材を全面に塗り付けた上で、行う。
金ごて仕上げ木ごて仕上げはけ引き仕上げくし目引き仕上げがあり、その上の仕上げに応じて使い分ける。
こて種類と施工箇所
金ごて
 一般塗装下地壁紙張り下地、防水下地、タイル接着剤張り下地
木ごて
 タイル下地(モルタル張り)
※ はけ引きによる仕上げの場合、木ごてでならした後、少量の水を含ませたはけを引き、はけ目の通りよく仕上げる。
※ セメントスタッコなど、総塗り厚の厚いものは、くし目引きとすることもある。
③ 額縁のちりじゃくりの範囲は、こて1枚の厚さだけ透かして仕上げる。
(2) セルフレベリング材塗り(H25・R3択一、H28・R6 記述)
【4】養生 (H25・R3択一)
流し込み作業中施工後も硬化するまでは、窓や開口部をふさぎ、できるだけ通風はなくす。その後は自然乾燥状態とし、人工的な乾燥促進は避ける。
 → 硬化前に風があたると表層部が動き、硬化後にしわが発生するおそれがある。
② 養生期間は、一般に7日以上、低温の場合は14日以上とし、表面仕上げ材の施工までの期間は30日以内を標準とする。
(4) 内装合成樹脂エマルション系薄付け仕上塗材(内装薄塗材E) (H25 択一)
【1】下地
モルタル下地の仕上げは、金ごて又は木ごて仕上げとする。
【2】下塗り
だれ、塗り残しのないように均ーに塗り付ける。
【3】主材塗り
① 見本と同様の模様で均ーに仕上がるように行う。
② 主材2回塗りとする場合の工程内間隔時間2時間以上とする。
③ 1回目で下地を均ーに覆い、乾燥後の色むらや透け等を確認し、2回目で均ーに仕上げる。
吹付けの場合:見本と同様の模様で均ーに仕上がるように、所定の吹付け条件により吹き付ける。吹付けには、専用のスプレーガンを用いて吹きむらがないように行う。
 → スプレーガンは、塗り面に直角よりやや上向きで、平行に動かす。

ローラー塗りの場合:見本と同様の模様で均ーに仕上がるように、所定のローラーを用いて塗り付ける。

こて塗りの場合:見本と同様の模様で均ーに仕上がるように、所定のこてを用いて塗り付ける。
タイル工事
(1) タイル
【4】タイルの検査(H29 択一)
タイルの検査における標準品のタイルは、寸法、厚さ、反り、側反り、ばち、欠陥の有無、吸水率耐凍害性曲げ破壊荷重、色合いなどの品質検査表を提出し、工事監理者の承認を受ける。
特注品は、品質検査表を提出し、外観検査を実施して監理者の承認を得る。
荷口見本(約0.5m2程度の台紙張りした見本)による検査又は工場における立会い検査いずれかを実施する。
(2) セメントモルタルによる後張り工法
【1】各工法共通事項
① 下地調整(R1 択一、H30 記述)
コンクリート下地面の場合は、下地の乾燥の程度に応じ、吸水調整材を塗布する。モルタル下地の場合は、水湿しでもよい。
② タイルの張付け順序は、窓や出入り口まわり、隅、角などの役物を先に張り付ける
③ 下地面側に途るモルタルは2度塗りとし、1層目はこて圧をかけて塗る。
④ モルタルの練混ぜは、原則として機械練りとし、モルタル練りからタイル張りまで60分以内に終える量とする。
【4】改良圧着張り  (H25 択一、H30 記述)
中塗りまで施工した下地モルタル面及びタイル裏面両面に張付けモルタルを塗り、たたき押さえて張り付ける工法。
● 張付けモルタルは、下地面は2度塗りとし、合計塗厚は4〜6mmとする。
● 同様に、タイル裏面は厚さ 1〜3mm程度に塗る。
● 塗付け面積の限度は、触れると手指にモルタルが付く状態のままタイル張りが完了できることとし、2m2/人以内とする。
【5】モザイクタイル張り (R1 択一)
約300mm角の表張りユニットタイル(小口未満のタイル)を、下地面に塗り付けた張付けモルタルが軟らかいうちに、たたき板でたたき押さえて張り付ける工法。
張付けモルタル
● 下地面は2度塗りとし、合計塗厚は3〜5mmとする。
● 1層目はこて圧をかける。
● 塗付け面積の限度は、触れると手指に付く状態のままタイル張りが完了できることとし、3m2/人以内とする。
② たたき押さえは、タイル目地部分に盛り上がった張付けモルタルの水分により、紙張りの目地部分が湿るまで、十分に行う。
③ タイル張り付け後、表面に水湿しを行って、表張り台紙(表紙)をはがす。
【6】マスク張り (R1 択一)
25mm角(通常50mm角)以上のユニットタイルに用いる工法で、ユニットタイル裏面にモルタル塗布用の厚さ4mmマスク板をかぶせて、張付けモルタルを塗り付け、マスク板を外した後、ユニットタイルをたたき押さえて張り付ける工法。
① 張付けモルタル
塗り置き時間はとらず、直ちに5分以内)壁面に張り付け、たたき込む。
② タイル張り付け後、表面に水湿しを行って表張り台紙(表紙)をはがす。
(4) 目地の種類と構造
【1】伸縮調整目地(R1 択一)
温度・湿度変化、外力により建物や建物各部に生ずる変形による、タイルのはく離、ひび割れなどを防止する目的で、下地及び仕上げ層に設ける目地を伸縮調整目地という。
タイル張り面の伸縮調整目地の位置は、下地モルタルの伸縮調整目地及びコンクリート躯体のひび割れ誘発目地の位置と一致するように設ける。
鉛直方向目地は、柱の両側部及び中間3〜4m程度の位置に設ける。
水平方向目地は、各階ごとの打継ぎ目地の位置に設ける。
④ 床タイル張りの場合の目地は、縦、横とも4m以内ごとに設ける。
(5) タイル工事一般
【3】まぐさ等のはく落防止(R3 択一)
まぐさ、ひさし先端下部等は、はく落のおそれが大きいので、原則、タイル張りを避ける。
小口タイル以上の大きさのタイルをまぐさ又はひさし先端下部に張り付ける場合は、はく落防止用引金物を張付けモルタルに塗り込み、必要に応じて、受木を添えて24時間以上支持する。
はく落防止用引金物(なましステンレス鋼線)は、張付けモルタル中に埋め込む場合は0.6mm以上、働き長さ200mm程度、下地側のアンカービス等に緊結する場合は0.8mm程度を使用する。
【3】引張接着試験 (H27・R5択一)
油圧式接着力試験機を用いてはがしたときの接着強度破壊状況を確認する。
① 施工後2週間以上経過した時点で、引張接着強度を確認する。
100m2以下ごとにつき1個以上とし、かつ、全面積で3個以上とする。
③ 試験に先立ち、試験体周辺部(タイル目地部分)をコンクリート面まで切断し、周囲と絶縁する。タイルのはく落がモルタルとコンクリートの界面からの場合が多いので、この部分まで試験するため。
④ 試験機のアタッチメントの大きさはタイルの大きさを標準とする。ただし、二丁掛けタイル等小ロタイルより大きなタイルの場合は、力のかかり方が局部に集中し、正しい結果が得られないことがあるため、タイルを小口平タイル程度の大きさに切断して試験を行う。
⑤ セメントモルタルによるタイル後張り工法において、接着強度の全ての測定結果が 0.4N/mm2以上、かつ、コンクリート下地と張付けモルタル(又は下地モルタル)の接着界面における破壊率が50%以下の場合を合格とする。
接着剤張りの場合は、接着剤とタイル及び下地調整塗材の凝集破壊率50% 以上を合格とし、接着強度は参考値とする。
⑦ タイル先付けプレキャストコンクリート工法では、0.6N/mm2以上の場合を合格とする。
屋根工事
(1) 下 葺

【2】施 工 (H25・29択一)
① 下葺のルーフィング類は、屋根の下地板の上に軒先と平行に敷き、その重ね幅はシートの長手方向(水平方向)は200mm以上、幅方向(勾配方向)は100mm以上とする。
② ステープルによる仮止め間隔は、重ね部分で300mm程度、流れ方向で300mm程度、流れと直角方向その他の部分は必要に応じ900mm以内とする。
棟部:破断を起こしやすい部位であるため、棟の両側に250mm以上折り掛けて、一枚もので左右300mm以上の増張りを行う。
谷部:水が集まる箇所であり、漏水をおこしやすい部位であるため、左右300mm以上の下葺材の一枚ものを先張りし、その上に下葺材を左右に重ね合わせ、谷底から250mm以上延ばす
(2) 金属板葺 (H25・R3択一)
金属板葺には、平葺、横葺、瓦棒葺(心木なし・心木あり)などの長尺金属板葺と折板葺がある。
① 金属板の折曲げは十分曲げ半径をとり、切れ目を入れずに塗装、めっき、地肌にき裂が生じないように行う。
塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺の固定ボルト、ドリリングタッピンねじ等の留付け用部材は、亜鉛めっき製品とする。これは異種金属間の電食を防止するため。
【1】心木なし瓦棒葺

① 施工手順
 ⅰ) 溝板を所定の位置に並べ、各溝板の間に通し吊子を入れる。
 ⅱ) 溝板は、通し吊子を介して母屋に留め付ける。
 ⅲ) キャップを溝板と通し吊子にはめ込み、均ーにはぜ締めを行う。
② 通し吊子の鉄骨母屋への留付けは、平座金を付けたドリルねじを用い、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定する。
③ 棟包みは溝板の端部に八千代折りとした水返しを付けた後、棟包みを取り付ける。棟包みの継手の位置は、瓦棒に可能な限り近い位置とする。
④ けらばにおいて、端部の溝板の幅は、瓦棒の働き幅の1/2以下とする。
⑤ 水上部分と壁との取合い部においては、雨押さえを設け、溝板には水返しを設ける。また、雨押さえは壁際立上がりを120mm以上とする。
【2】平葺
平葺の葺き方は右図のとおり。
① 吊子:葺板と同種・同厚、幅30mm、長さ70mm程度とする。
② 小はぜ掛けは、上はぜの折返し幅は15mm程度、下はぜの折返し幅は18mm程度とする。
③ 金属板を小はぜ掛けとする場合は、はぜの折返し寸法と角度に注意し、小はぜ内に 3〜6mmの隙間をつくり、毛細管現象による雨水の浸入を防ぐ。
④ 立て平葺の棟部は、溝板のはぜ締め後、はぜを水平に倒して折り上げ、立上げ部分の先端に水返しを付け、棟覆い(棟包み)を取り付ける。
【3】横葺
横葺は、上下の葺板をはめ合わせ、その部分で吊子を介して下地に留め付ける。葺板の継手位置は、千鳥などとする。
(3) 折板葺 (H27・R1・5択一、H26・R2記述)
鋼板を成形加工した折板を用いる金属屋根の工法で、工場、車庫などの鉄骨の建物に多く用いられる。
① 重ね形折板は、山ごとにタイトフレームに固定する。
折板の重ね部に使用する緊結ボルトの間隔は600mm程度、折板の端部の端空き寸法は50mm以上とする。
※タイトフレーム:折板を受け梁に固定するための部品。
② タイトフレーム取付けのための墨出しは、山ピッチを基準に行い、割付けは建物の桁行方向の中心から行う。
③ タイトフレームと受け梁との接合は、緩みを防ぐため隅肉溶接とし、 タイトフレームの立上り部の縁から10mm程度残し、下底部両側を溶接する。
④ 隅肉溶接のサイズはタイトフレームの板厚と同じ寸法とする。
⑤ 溶接はタイトフレームの防錆処理が施されたままで行ってよい。
⑥ タイトフレームの溶接後はスラグを除去して、錆止め塗料を塗布する。
⑦ 折板の流れ方向には、原則として継手を設けない。
⑧ 折板のけらば納めは、けらば包みによる方法を原則とし、けらば包みは1,000mm程度の間隔で下地(けらば用タイトフレーム)に取り付ける。
⑨ けらば包みの継手は60mm以上重ね合わせ、重ね部に定形シール材又はブチル系などの不定形シール材を挟み込んで、ドリリングタッピンねじ等で締め付ける。継手位置は、けらば用タイトフレームにできるだけ近い位置とする。
⑩ けらば包みを用いない場合、けらば先端部に、1,200mm以下の間隔で、折板の山間隔の3倍以上の長さの変形防止材を取り付ける。
⑪ 軒先の落とし口は、折板の底幅より小さく、尾垂れ寸法を控えた位置に穿孔し、テーパー付きポンチで押し広げ、尾垂れを付ける。
● 尾垂れは、折板の裏面に雨水が伝わらないように、軒先に設けるもので、5〜10mm以上、15゜程度曲げる。
⑫ 水上の壁との取合い部に設ける、雨押さえは 150mm程度立ち上げ、雨水を止めるために止水面戸を設け、周囲にシーリングを施す。
金属工事
(1) 鋼製天井下地(軽量鉄骨天井下地)
【1】つりボルトの取付け(H27 択一)
① 取付け間隔
つりボルトの間隔は900mm程度とし、周辺部は端から150mm以内に取り付ける。
② ダクトやダクト支持金物等に固定・接触させてはいけない。
③ ハンガは、つりボルトにナット2個で挟み込んで固定する。
(2) 鋼製壁下地(軽量鉄骨壁下地)
【1】ランナの取付け (R1・5 択一)
① ランナは、間隔900mm程度でスラブなどに打込みピンなどで固定する。なお、両端部の固定は、端部から50mm内側とする。
② ランナの継手は、突付け継ぎとする。
③ 野縁と平行となる上部ランナは、野縁受けにタッピンねじ又は溶接にて、間隔900mm程度で固定する。なお、野縁と直角となる上部ランナは、野縁に固定する。
④ 鉄骨梁に取り付く上部ランナは、耐火被覆の後、あらかじめ鉄骨に取り付けられた先付け金物にタッピンねじ類又は溶接で固定する。
【2】スタッドの取付け (R1・5択一)
① 上下ランナに差し込み、半回転させて取り付ける。
② 長さが4.0m超4.5m以下の場合は、90形のスタッドを用いる。
③ スタッドの建込み間隔の精度は ±5mm以下、垂直精度は約±2mmとする。
④ スタッドは、上部ランナの高さに合わせて切断する。上部ランナ上端とスタッド天端の隙間は10mm以下となるようにする。
⑤ スタッドの間隔
⑥ コンクリート壁に添え付く端部のスタッドについては、スペーサで振れ止め上部を押さえ、必要に応じて打込みピン等でコンクリート壁に固定する。
【3】振れ止め・スペーサの取付け (R1・5択一)
① 振れ止めは、床面ランナ下端から約1,200mmごとに設ける。
② 上部ランナ上端から400mm以内となる振れ止めは、省略できる。
③ スペーサは、各スタッドの端部を押さえるため上下ランナの近く、及び振れ止め上部を固定する。また、間隔は600mm程度とする。
(4) 手すり (H29 択一)
① 温度変化による伸縮を考慮し、5〜10m間隔に伸縮調整部を設ける。
② 温度差40℃の場合の部材伸縮の目安は、鋼材はO.5mm/m程度、アルミニウムは1.0mm/m程度で、アルミニウムの方が伸縮が大きくなる。
 → 伸縮調整継手の間隔:アルミニウム合金製手すり < 鋼製の手すり
③ 手すり支柱は、コンクリートやモルタルの中に入る部分であっても、できるだけ錆止め処置を行う。
建具工事
(1) アルミニウム製建具
【3】鉄筋コンクリート造への取付け  (R5 択一、R4 記述)
① 躯体付けアンカーを型枠に取り付け、コンクリート中に埋め込む。建具枠、くつずり等のアンカーは、両端から150mm逃げた位置から、間隔500mm以下とする。
② くさびなどで仮留めし、位置・形状を正確に決め、アンカーに溶接して本取付けを行う。また、仮留めのままでは動きやすいため、できるだけ早い時期に固定する。
③ 仮留め用のくさび
→ 外部に面する場合、モルタル充填時、くさびを必ず取り除く。
→ 屋内で水掛かりでない場合、取り除かずモルタルを充填できる。
④ シーリング材の施工
鉄筋コンクリート造のサッシまわりでは、バックアップ材等を用いず、3面接着とする。
⑤ 溶接スパッタ等は、枠材のアルミニウム表面仕上げに悪影響を及ぼすため、養生を行う。
(2) 鋼製建具・鋼製軽量建具
【1】加工・組立て (R5 択一)
① 鋼製建具の戸の表面板は、厚さ1.6mmの鋼板を標準とする。
② 建具枠の補強板及び力骨は、厚さ2.3mm以上とする。
③ 鋼製軽量建具の戸の表面板は厚さ0.6mm、力骨は厚さ1.6mmとする。
④ 鋼製建具(出入り口)のくつずりはステンレス製とし、板厚1.5mm、表面仕上げをヘアライン(HL)とする。
⑤ フラッシュ戸の中骨は厚み1.6mm、間隔は300mm以下とし、構造用接合テープを用いて接合する。
⑥ 外部に面する両面フラッシュ戸の見込み部は、下部を除き三方の見込み部を表面板で包みる(三方曲げ)。
⑦ 組立ては、一般に溶接とし、小ねじ留めは水掛かりでない屋内の鋼製建具には使用することができる。
【2】取付け (R5 択一)
① 心墨、心返り墨、陸墨などを碁準とし、水糸、下げ振り、さしがねを用いて位置決めや精度測定を行う。
② 倒れ精度の許容差は面内、面外とも±2mmとする。
③ くつずりは、裏面に鉄線を付け、あらかじめ(取り付け前に)モルタル詰めを行った後に取り付ける。
④ 溶接完了後、溶接個所に錆止めを施す。
⑤ 外部に面する場合、取付位置調整のために使用したくさびは、モルタル充填時に必ず取り除く。
⑥ 充填モルタルが硬化するまで、衝撃を与えたり、人が乗らないようにする。
⑦ 表面に付着したモルタルは、直ちに柔らかい布と清水で除去する。
(3) ステンレス製建具 (H29 択一)
① 一般部分は厚み1.5mm、裏板は1.6mm以上、補強板は2.3mm以上とする。
② ステンレス鋼板の曲げ加工は普通曲げ又は角出し曲げとし、特記がなければ、普通曲げとする。
角出し曲げ(角曲げ)ができる板厚は一般に1.5mm以上であり、3種類の加工方法がある。切込み後の残り板原が0.5mm (a角)、0.75mm (b角)の場合は裏板で補強する。1.0mm (c角)の場合は補強不要。a角は割
れが生じやすいので、一般的にはb角、c角を用いる。
(4) シャッター (H27・R1 択一)
① 防火シャッターのスラットはインターロッキング形、防煙シャッターにはオーバーラッピング形を用いる。
 → 表面がフラットなため、ガイドレール内での遮煙性を確保できる。
② スラットは板厚1.6mmの溶融亜鉛めっき鋼板とする。
③ 座板にアルミニウムを使用する場合には、鋼板で覆う。
④ 耐風圧性を高めるためには、スラットのはずれ止め機構を設ける。
⑤ 電動式の場合は、リミットスイッチを設ける。
※ リミットスイッチ:シャッターが全開した場合又は全閉した場合に作動し、シャッターを停止させるスイッチ。
⑥ 防煙シャッターのまぐさ部には、一般的に、シャッターが閉じたとき、漏煙を抑制する遮煙装置を付ける。また、その材料は不燃材料、準不燃材料又は難燃材料とする。
⑦ 電動シャッターは、不測の落下に備え、急降下制動装置(ガバナー装置)、又は急降下停止装置を設ける。
⑧ 電動シャッターは、降下中に障害物を感知した場合、自動的に停止する機能を有する障害物感知装置を設ける。
⑨ 防火シャッター及び防煙シャッターは、降下中に障害物を感知した場合、自動的に停止又は反転上昇して停止し、障害物がなくなると降下を開始して閉鎖する機能を有する危害防止装置を設ける。
塗装工事
(1) 塗装施工一般
【3】研磨 (R3 択一)
研磨紙ずりは、下層塗膜及びパテが硬化乾燥した後、素地の汚れや錆、じん埃を除去し、素地や下地を平滑にし、かつ、次工程の塗装材料の付着性を確保するための足掛かりをつくり、仕上がりをよくするために行う。各層ごとに研磨紙で研磨するが、塗膜を過度に研がないように注意する。
【4】穴埋め、パテ処理 (H27・R1・5 択一)
① 穴埋め:深い穴、大きな隙間等に穴埋め用パテなどをへら又はこてで押し込んで埋める。
② パテ処理
パテ塗付けは、不陸、凹凸、穴等を処理して塗装仕上げの精度を高めるために行い、素地面に直接施工する場合と、各工程間に行う場合がある。パテは硬化後に研磨を行うため、厚塗りを行う必要がある。ただし、塗膜性能の向上は期待できないため、塗付け量は必要最小限とする。
パテ処理の工法には、パテかい、パテしごき、パテ付けの3種類がある。
● パテかい:塗装面のくぼみ、隙間、目違い等の部分に、パテをへら又はこてで薄く付け、局部的に処理する。素地とパテ面との肌違いが仕上げに影響するため、注意する。
● パテしごき:パテを全面にへら付けし、表面に過剰のパテを残さないよう、素地が現れるまで十分しごき取る。素地とパテ面との肌がそろう程度に平滑にするようパテを残し、過剰なパテをしごき取る処理。
● パテ付け:パテで全面を平滑にするもので、特に美装性を要求される仕上げの場合に行う。パテが厚塗りされるため、耐久性能を要求される仕上げの場合は適していない。
(2)各種塗料
【4】アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NAD)  (H29 択一)
① 適用素地:主にセメント系(ただし、せっこう素地面には不適)
② 溶解力の弱い溶剤に溶解しないアクリル樹脂を重合分散させた非水分散形ワニスを主要構成要素とし、溶剤の蒸発・乾燥とともに分散された粒子が融着結合し、塗膜を形成する。
③ 常温で比較的短時間で硬化し、耐水性や耐アルカリ性に優れる。
④ 主に内外の壁などにつや消しの平滑仕上げを施す場合に用いる。
⑤ A種の場合には下塗り後中塗り前に、パテかいと研磨紙P220〜240を用いた研磨を行う。これは素地調整の工程で平滑化できなかった凹凸部を平滑化する工程。なお、パテかいは、屋内塗装の場合に限りる。ただし、水掛かり部分には行わない。
⑥ 塗装方法は、はけ塗り、ローラーブラシ塗り又は吹付け塗りとし、吹付け塗りの場合は、塗料に適したノズルの径や種類を選定する。
⑦ 下塗り、中塗り、上塗りの材料は同一で、塗付け量も同量(0.1Okg/m2)とする。エ程間隔は3時間以上(気温20℃)とする。
内装工事
(1)ボード類(せっこうボードなど)の張付け
【5】コンクリート下地などへの直張り工法(GL工法) (H25・R1 択一)
コンクリート面において、せっこう系直張り接着剤を一定間隔で下地面に塗り付け、ボードを直に張り付ける工法。
① 直張り工法は、耐震性、遮音性が劣るため、層間変位の大きいALC外壁、集合住宅の戸境壁などへの採用には十分留意する。
② 床面からの水の吸上げによるボードの濡れ防止及び乾燥のために、ボード下端にスペーサーを置き、10mm程度浮かした状態で張り付ける。
③ コンクリートの下地面からボードの仕上がり面までの寸法(a)は、下地面の凹凸を考慮して、ボードの厚さにより下表のとおりとする。
 ボードの厚さ 仕上がり面までの寸法(a)
  9.5mm 20mm
  12.5mm 25mm
 ※ボード厚の約2倍と覚える。
④ 接着剤はだれない程度の硬さに水と練り合わせ、ボードの仕上がり面の高さの2倍程度の高さにダンゴ状に盛り上げる。
⑤ 一度に練る量は1時間以内に使い切る量とし、1回の塗布面積はボード1枚分とする。
⑥ 調整定規でたたきながら、所定の仕上がり面が得られるように圧着する。
⑦ 下地がポリスチレンフォーム断熱材や現場発泡断熱材、ALCパネルなどの場合は、プライマー処理を行う。
⑧ 乾燥期間:仕上げ材施工までの放置期間
● 仕上げ材に通気性がある場合(布系壁紙など): 7日以上
● 仕上げ材に通気性のない場合(ビニルクロス、塗装など):20日以上
⑨ 寒冷期の施工
寒冷期に接着剤(せっこう系直張り用接着材以外の接着剤も含む)を用いる場合、施工時及び接着剤硬化前に気温が5℃以下になるときは、施工を中止する。やむを得ず施工する場合は、ジェットヒーター等による採暖を行い、室温を10℃以上に保つ。

(2) 壁紙張り

【1】材料 (R3 択一)
① 壁紙のホルムアルデヒド放散量は、特記がなければF☆☆☆☆とする。
② 壁紙張り用接着剤は、でんぷん系接着剤に合成樹脂エマルションを配合したもので、ホルムアルデヒド放散量区分F☆☆☆☆のものを用いる。モルタル下地やコンクリート下地に使用する場合は、防カビ剤を混合する。
③ 壁紙の保管:
巻いた状態の壁紙は、乾燥した室内で、雨水や直射日光が当たらない場所にくせがつかないように立置きとし、ビニルシートなどで養生する。
(3) 床工事
【3】カーペット敷き
<タイルカーペット全面接着工法> (H27・29・R5 択一)
● タイルカーペットには、粘着はく離形(ピールアップ形)接着剤を用いる。
● 特記がない場合、原則として、市松敷きとする。
● 割付け及び張付けは、基準線に沿って方向をそろえ、中央部から行う。
● 出入り口部分の割付けは、2/3以上の大きさのタイルカーペットが配置されるようにする。
● カーペットの張付けは、粘着はく離形の接着剤を下地(床パネルなど)全面に塗布し、適切なオープンタイムをとり、圧着しながら行う。
<フリーアクセスフロア(二重床)への施工> (R5 択一)
● 張付けに先立ち、床パネルの段差と隙間を1mm以下に調整する。
● タイルカーペットの割付けは、下地のフリーアクセスフロアのパネルの目地とタイルカーペットの目地を100mm程度ずらして、またがるように張り
付ける。
その他のテーマ
(1) ガラス工事
【2】構造ガスケット構法 (H25 択一)
構造ガスケットは、ジッパーガスケットとも呼ばれ、クロロプレンゴムなどの押出成形によってつくられる。ガラスの保持機能とガラス周囲のシール材としての水密機能を兼ねた、ガラスの支持材兼防水材。
ジッパーを取り付ける際には、ジッパーとジッパー溝に滑り剤を塗布する。
● ガラスのエッジクリアランスが大きくなると、ガラスのかかり代が小さくなる。かかり代が小さい場合には、風圧を受けたときの構造ガスケットのリップのころびが大きくなるので、止水性が著しく低下する。また、ガラスが外れたり、構造ガスケットがアンカー溝又は金属枠から外れるおそれが生じる。
(2) ALCパネル工事
【2】横壁アンカー構法 (H25 択一)
躯体の層間変位に対し、上下段のパネル相互が水平方向にずれ合い追従する構法で、横壁バネルの両端部をフックボルトなどにより躯体に固定する。パネル重量はパネル下部の両端に位置する自重受け金物により、積上げ段数5段以下ごとに支持する。
なお、自重受け鋼材を設けた横目地には、伸縮目地を設ける。
(4) カーテンウォール工事
カーテンウォール(以下、CW)は、工場生産された部材で構成される非耐力外壁のうち、地震や強風による建物変形に追従できる壁をいう。CWは、主要構成部材の材料により、メタルCWとプレキャストコンクリートCWの2つに大別される。
【1】取付け形態
③ プレキャストコンクリートCWの取付け方式 (R3 択一)
上下の層間に架け渡す面内剛性の高いCW部材(プレキャストコンクリート部材など)は、一般にロッキング方式、スライド(スウェイ)方式などにより構造躯体に取り付け、層間変位に追従させる。なお、スパンドレルパネルを用いる場合は、一般に固定式となる。
● ロッキング方式
パネルを回転(ロッキング)させることにより、層間変位に追従させる方式。
● スライド(スウェイ)方式
上部あるいは下部のファスナーのどちらかをスライドホールなどでスライドさせる(すべらせる)ことにより、層間変位に追従させる方式。
(5) コンクリートの「ひび割れ部」の改修工事 (R3 択一)
ひび割れ部の改修に適用する工法は、ひび割れ幅、 ひび割れの挙動の有無などにより、以下から選択する。
【1】シール工法
0.2mm未満の微細なひび割れに用いる改修工法で、プライマー塗布後、シール材をパテヘらなどで塗布し、表面を平滑に仕上げる。
● シール工法は、一時的な漏水防止処理に適し、改修後の耐用年数は長期には期待できない。
【2】エポキシ樹脂注入工法
低・中粘度で、挙動のある場合は軟質形、挙動のない場合は硬質形のエポキシ樹脂を用いて、ひび割れ部に樹脂を注入する工法。
シール工法やUカットシール充填工法に比べて耐久性が期待できる。自動式、手動式、機械式の3種類があり、特記がなければ「自動式低圧エポキシ樹脂注入工法」とする。
① 自動式低圧エポキシ樹脂注入工法
自動的に注入できる機能をもった注入用器具を、ひび割れに所定の間隔で取り付け、樹脂を低圧で注入する工法。
● 注入用器具の取付け間隔(注入間隔)は、ひび割れの幅を考慮して決めるが、特記がない場合は、200〜300mm間隔とする。
● 注入完了後は、注入用器具を取り付けたまま硬化養生する。
② 手動式エポキシ樹脂注入工法
ひび割れにパイプを取り付けて注入口とし、手動式のポンプを用いて樹脂を注入する工法。
● 垂直方向のひび割れは下部の注入口から上部へ、水平方向のひび割れは片端部の注入口から他端へ順次注入し、注入口を密封し、硬化養生する。
【3】Uカットシール材充填工法
ひび割れ部を中心としてU字形に溝切り(Uカット)を行い、その部分にシーリング材などを充填する。

1週間でできる攻略法 問題4 躯体工事 記述

問題4の攻略 躯体施工 記述問題 

1年おきに「躯体施工」と「仕上施工」の出題形式が 入れ替わりながら出題されており、問題4は留意事項の記述、問題5は択ー形式というかたちになっております。

昨年(令和6年)は、「仕上施工」が問題4で留意事項の記述、「躯体施工」は問題5が択ー形式でしたので、今年(令和7年)は、
問題4 躯体施工 留意事項の記述形式
問題5 仕上施工 択ー形式
になるものと考えられます。

過去の出題例より

地業工事
【 地盤アンカーを用いる場合の施工上の留意事項 】
①敷地境界からアンカー部分が出る場合、事前に隣地管理者等関係者の了解を得て施工する。

② 地盤アンカーの引抜き耐力は、全数について設計アンカー力の1.1倍以上であることを確認する。

③ 山留め壁には鉛直力が作用することから、山留め壁は十分な鉛直支持性能を有する地盤に支持させる。

【 山留め壁に鋼製切梁工法の支保工を設置する際の留意事項 】
① 腹起しは連続して設置することとし、継手の設置位置は曲げ応力の小さい箇所となるようにする。

② 切りばりの継手は切りばり支柱間に2ヵ所以上設けないようにし、同一方向の継手は同じ位置に並ばないようにする。

③ 接合部が変形している場合は、端部の隙間にライナーなどを挿入し、切りばりの軸線が直線になるようにする。

鉄筋工事
【 バーサポート又はスペーサーを設置する際の施工上の留意事項 】
①使用部位や所要かぶり厚さに応じて、スペーサーの材種や形状・サイズを使い分ける。

②スラブに用いるバーサポート及びスペーサーの材種は、原則として、コンクリート製か鋼製とする。

③ 下端が打放し仕上げとなる場合のスラブ用スペーサーは、露出面が大きくならないようなものを使用する。

コンクリート工事
【 支保工にパイプサポートを使用する場合の施工上の留意事項 】
① 支柱は垂直に立て、上下階の支柱は平面上の同一の位置とする。

② パイプサポートは3本以上継いではならない。

③ 高さが 3.5mを超えるパイプサポートには、高さ2m以内ごとに水平つなぎを2方向に設け、かつ、つなぎの変位を防止する。

【 コンクリートを密実に打ち込むための施工上の留意事項 】
① 1層の打込み厚さは、公称棒径 45mmの棒型振動機の長さ( 60~80mm)以下とし、打ち込んだコンクリートの下層まで振動機の先端が入るようにする。

② コンクリートは打込む位置の近くに落とし込むようにし、1箇所に多量に打ち込み、横流ししないようにする。

③ コンクリートの練混ぜから打込み終了までの時間は、外気温が 25°C以下の場合 120分以内、25°C を超える場合は 90分以内とする。

【 コールドジョイントの発生を防止するための施工上の留意事項 】
① 練混ぜから打込み終了までの時間の限度(外気温 25℃以下の場合 120分、外気温 25℃超える場合 90分)を厳守する。

② 打重ねの時間間隔の限度(外気温 25℃未満の場合150分、外気温 25℃以上の場合120分)を厳守する。

③ 打重ね時は、棒形振動器の先端を先に打ち込んだ層まで挿入する。

鉄骨工事
【 仮ボルトの施工上の留意事項 】
① 本締め用の高力ボルトを仮ボルトに兼用してはならない。

② 高力ボルト継手(高力ボルト接合)では、中ボルト等を使用してボルト1群に対して 1/3程度かつ2本以上をバランスよく配置して、締め付ける。

③ 溶接継手におけるエレクションピース等に使用する仮ボルトは、高力ボルトを使用して全数締め付ける。

【 頭付きスタッドをアークスタッド溶接する場合の施工上の留意事項 】
① スタッド溶接は、アークスタッド溶接の直接溶接とし、原則として、下向き姿勢とする。

② 溶接面に、著しい錆・塗料・亜鉛めっき等がある場合は、グラインダー等により除去する。

③ 午前と午後の作業開始前に、適切な溶接条件を確認するために試験溶接を行う。

【 建入れ直しを行う場合の施工上の留意事項 】
① 建入れ直しのために加力するときは、加力部分を養生し、部材の損傷を防止する。

② ターンバックル付き筋かいを有する場合は、その筋かいを用いて建入れ直しを行わない。

③ 建入れ直しは、溶接歪みなどを考慮した本接合終了後の精度を満足できるように行う。

出題のされ方
過去問題と解答試案
令和5年  令和3年  令和元年

平成29年  平成27年  平成25年  平成23年

1週間でできる攻略法 問題3 工程管理 ネットワーク

問題3の攻略 工程管理 ネットワーク

工程管理の問題は、ネットワーク工程表とバーチャート工程表が出題されており、近年は、ネットワーク工程表が出題されています。

作成中のネットワーク工程表」と「作業内容と所要日数表
が与えられる。
作業内容と所要日数表は作業内容が空欄の箇所が2箇所あります。

ひとつめの問題は、その作業内容を解答する問題。

コンクリート工事の場合は、型枠工事と配筋工事の内容が多いです。
多少の前後はありますが、一般的には下記の順番。

ⅰ)型枠工事の流れ
柱型枠型枠(内側) → 大梁小梁型枠(外側)→ 床板
(「鼻の大小が相当愉快」と覚える)

ⅱ)配筋工事の流れ
配筋 → 配筋 → 大梁配筋 → 小梁配筋 → 床板配筋

ふたつ目の問題は、総所要日数を求める問題
ますは、ネットワーク工程表を完成させますが、
さまざまな条件が記載されてますので、問題文をじっくりと読みます。

その条件に従って、ダミーアローを記入します。
ここが間違ってしまうと、全てに影響するので、慎重にする必要があります。

次に、開始作業の初めのイベントの右肩に①を記入する。
この数字は、最初の作業の開始の日付を示します。
EST(最早開始日)といって、最初の作業は必ず①になります。

順次、次のイベントのEST(最早開始日)を記入していく。
その作業のEST(最早開始日)に作業所用日数を加えた日数が、
次の作業の最も早く開始できる日付(EST)になります。

注意点は、2本以上のアロー(矢線)がイベントに流入しているときは、
そのうちの最大値を最早開始時刻とする。

この作業で最終の作業まで、記入していくと最終イヴェントの日数が
総所要日数となります。

3つめの問題は、トータルフロート(TF)やフリーフロート(FF)を求める問題。

求める問題がフリーフロート(FF)のみであれば、
上記の作業で作成したネットワーク工程表から求まります。

トータルフロート(TF)を求める必要があれば、
各イベントのLFT(最遅終了時刻)を求める。

最終のイベントに、◻︎を記入して、LFT((最遅終了時刻)を記入する。
ここで記入する日数は、総所有日数です。
ネットワーク工程表に右端から、
LFT((最遅終了時刻)ー その作業の作業日数
を計算し、前のイベントのLFT((最遅終了時刻)を求める。
順次、◻︎を記入して、日付を記入していき、最初の作業の開始イヴェントで
◻︎の日付が「0」になれば、途中に計算間違いはありません。

注意点は、1つのイベントから2本以上のアロー(矢線)が流出しているとき、
そのうちの最小値を最遅終了時刻とする。

そこまで、完成すれば、トータルフロート(TF)、フリーフロート(FF)を求めることができます。

トータルフロート・フリーフロートの計算方法

トータルフロート(TF):全余裕
工期に遅れずに、作業の開始を遅らせることのできる日数

トータルフロートの計算:
[14] ー ⑥ ー 3 = 5日

フリーフロート(FF):自由余裕
その作業で自由に使っても後続作業に影響を及ぼさない範囲の自由な日数
後続作業の最早開始時刻に全く影響を与えない余裕時間であり、
その作業の中で使い切っても後続作業のフロートに全く影響を与えない。

フリーフロートの計算:
⑪ ー ⑥ ー 3 = 2日
この計算方法の形を覚えること。

たまに出題されるディペンデントフロート(DF)の計算は、
[14] ー ⑪  = 3日
となります。

以上までの問題(4問中3問題)は、得点する必要があります。

問題4で出題されることの多い山積み、山崩しの問題は、
余裕があれば、ぐらいの気持ちでよいかと思います。

検討用グラフ用紙にクリティカルパスの
横軸(日数)× 縦軸(人数)の図を記入する

その上、開始時間に注意しながら、同様に、別工程もしくは別工区の
横軸(日数)× 縦軸(人数)の図を記入する

その図を見て、平滑になるように、山崩しを検討する

令和6年 令和5年 令和4年

令和3年 令和2年 令和元年

平成30年 平成29年

平成28年以前はバーチャート工程表が出題されている。

1週間でできる攻略法 問題2 仮設計画 記述問題

問題2の攻略  仮設・安全
問題2も記述問題が出題され、
仮設物の設置計画のおける留意事項または安全管理の留意事項
年毎に交互に出題されています。
奇数年度は、仮設物の設置計画、偶数年度は安全管理の留意事項です。
重複する部分もありますが、
令和7年度は、仮設物の設置計画する上での留意事項の記述が求められる予定です。
━━━━━━━━━━━━━━
過去に出題された
仮設物の設置計画の留意事項
━━━━━━━━━━━━━━
 場内仮設事務所
 ゲート(車両出入り口)
 仮設ゴンドラ
 荷受け構台
 鋼板製仮囲い
 工事用エレベーター
 吊り足場
 起伏式(ジブ)タワークレーン
 外部枠組足場
 仮設電力設備
 場内仮設道路
 揚重機(クレーン)
 排水処理設備
 単管足場建設用リフト
など(平成23年以降のもの)
解答試案
[ 場内仮設道路 ]
・資機材の運搬車両、工事用機械等、さまざまな用途の車両の通行を考慮し、道路の位置と幅員について検討する。
・地耐力を確認し、機械接地圧と比較検討を行う。なお、地耐力が不足している場合は、地盤改良工事を行う。
・杭打機など大型の工事用機械は接地圧が大きいので、整地後に切込砂利を敷き、十分転圧してから鋼板を敷く。
[ ゲート(車両出入口)]
・ 周辺道路事情(車両交通、歩道、道路上の公共物等含む)に留意して、車両等の入出場に支障のない位置を検討する。
・通行人や一般車両の安全性に留意して、工事車両が余裕をもって入出場できる有効高さ、有効幅を検討する。
・通行人や一般車両の安全性、工事用車両の円滑な入出場に留意して、前面道路の幅貝も考慮した有効幅を検討する。
[ 仮設ゴンドラ ]
・ケージ自重と積載荷重を十分に支えることができるよう留意して、支持構造体、ワイヤロープ、吊元、吊元からケージに至る経路の強度を検討する。
・近隣建物、第三者への落下災害の防止に留意して、ゴンドラ作業範囲の外面の養生方法を検討する。
・第三者に対して落下物による災害を及ぼさないように留意して、ゴンドラ設置場所の下方における落下物対策を検討する。
[ 荷受け構台 ]
・構造的な安全性確保に留意して、自重、積載荷重、作業荷重、風荷重等に対して構造検討を行う。
・継続的な荷重に対して十分な安全性を持たせることに留意して、材料置場と兼用することを検討する。
・資機材荷取り作業中における構台からの墜落防止に留意して、高さ85cm以上(90cm以上が望ましい)の手すり及び中桟を設けるなどの対策を検討する。
[ 鋼板製仮囲い ]
・第三者に対する災害の防止、盗難防止などに留意して、仮囲い高さ(地盤面から1.8m以上)を検討する。
・強風時の転倒防止に留意して、下地や控えの構造的な検討を行う。
・外部からの侵入防止、資機材、土砂、粉塵の場外への逸出防止に留意して、仮囲い下部の隙間には、幅木取付けや土台コンクリート打設などを検討する。
[ 工事用エレベーター ]
・揚重物の形状、数量、積載人数や積載物の最大荷重に留意し、機種・台数を検討する。
・ゲートからの距離、荷卸しから作業場までの距離など運搬の効率性に留意して、設置位置を検討する。
・工事用エレベーターの乗入れ口に段差がある場合、資機材の積込作業及び乗降の安全性に留意して、ステップやスロープなどの段差解消措置を検討する。
[ 吊り足場 ]
・強度不足による作業床の落下防止に留意して、作業床の計画積載荷重に基づき、各部材や吊元の強度を検討する。
・作業員の墜落防止、物の落下防止、作業床上の安全作業に留意し、作業床は幅40cm以上とし、かつ、隙間がないように足場板を敷きつめるなどの措置を検討する。
・吊り足場自体の落下防止に留意し、吊り材の安全係数は、吊りワイヤロープの場合10以上、吊り鎖(チェーン)及び吊りフックの場合5以上とするよう強度を検討する。
[ 起伏式(ジブ)タワークレーン> ]
・建物の概要、工期、立地条件、揚重資機材の種類・数量・重量、作業半径、揚程、工区割り、効率性に留意して、機種、設置台数を検討する。
・搬出入車両動線、揚重・地組みヤード、重量、作業半径を留意して、平面配置を検討する。
・全体工程、ダメ工事の量・工程、組立て・解体方法などに留意して、建物の外部か内部かを含む設置位置・台数を検討する。
[ 外部(枠組)足場 ]
・強度不足による倒壊を防止することに留意して、自重、積載荷重、作業荷重、風荷重に対し、強度検討を行う。
・脚部の滑動や沈下を防止することに留意して、建地は敷板、ベース金物を用いて釘止めすることなどを検討する。
・強風時における倒壊防止に留意して、壁つなぎの間隔は水平方向 8m以下、垂直方向 9m以下とする配置を検討する。
[ 仮設電力設備 ]
・効率的で経済的な電力計画とすることに留意して、使用量に極端なビークがある場合の発電機併用など、合理的な給電計画を検討する。
・着工から竣工まで仮設電気の過不足が発生しないように留意して、仮設電力山積み工程表を作成の上で、受電容量を検討する。
・搬出入の安全作業性、転倒防止に留意して、搬出入・据付けが容易で、地盤が強固なキュービクル設置場所を検討する。
[ 場内仮設道路 ]
・建物の平面計画、周辺道路や歩道の交通状況、作業所内での効率的な工事動線に留意して、道路配置計画を検討する。
・搬出入土量の最小化、外構工事の工期短縮に留意して、本設構内道路の路盤までを先行施工して仮設道路として利用することを検討する。
・車両、重機の大きさ、通行量、使用期間に留意し、適正な道路幅員、仕様を検討する。
[ 揚重機(クレーン) ]
・建物概要、工期、立地条件、揚重資機材の種類・数量・重量、安全性、効率性に留意して、作業半径、揚重能力(定格荷重)、機種、設置場所を検討する。
・搬出入車両動線、揚重・地組みヤード、重量、作業半径に留意して、平面配置を計画する。
・揚重物の種類・数量・重量、工程、工区割に留意して、設置台数を検討する。
[ 排水(濁水)処理設備 ]
・公共下水道、放流先の水質汚染防止に留意して、排水先、放流先を十分調査し、その排水基準に見合った水質で排水できる設備を検討する。
・共下水道、放流先の水質汚染防止に留意して、沈殿槽を設け、濁水中の土粒子を沈降させてから排水するためのノッチタンクの配置などを検討する。
・公共下水道、放流先の水質汚染防止に留意して、高いアルカリ性を示す可能性がある場合には、中和処理設備の配置を検討する。
[ くさび緊結式足場(単管足場)]
・部材の強度及び安定性に留意し、建地の間隔:けた行方向1.85m以下、はり間方向1.5m以下となるように部材構成を検討する。
・足場の倒壊による第三者災害防止に留意し、壁つなぎの間隔は、水平方向 5.5m以下、垂直方向5m以下となるように検討する。
・建地の強度に留意して、建地間の積載荷重は、400kg以下(一側足場の場合、200kg以下)となるように検討する。
[ 建設用リフト ]
・昇降路内への資材落下、作業員の墜落・転落に留意して、出入口及び各階の荷降ろし口に遮断装置を検討する。
・過積載防止、安全操作の徹底に留意して、積載荷重や操作方法についての掲示物を検討する。
・積載物の最大荷重に応じた揚重能力確保に留意して、定格荷重を検討する。
上記の内容を記述できるようにしておく。

問題文の内容に沿った記述としてださい。

出題のされ方
過去問題と解答試案
令和5年  令和3年  令和元年

平成29年  平成27年  平成25年  平成23年

1週間でできる攻略法 問題1 品質管理 経験記述

問題1の攻略

令和7年は、品質管理の問題が出題されると想定されます。
建築概要は、昨年より課題文により与えられているので、
本年も同様の形式が与えられるものと考えられます。

よって、記述内容は一昨年までの過去形の記述「〜した」
から、現在形の記述「〜する。」や「〜と考える。」
とすること。

品質管理の記述問題では、
①「工 種

②「要求される品質」又は「要求品質」(←同じ内容)

③「重点品質管理目標」及び「品質管理目標

④「品質管理項目

⑤「実施した内容」及び「施工上の留意事項

④’上記、それらを「設定した理由」などの記述
が求めらる場合があります。

これらの記述は、
上へいく程、抽象度が高いもので、
下へいく程、より具体的な内容となっています。

まず、①「工種」は
鉄筋工事、コンクリート工事、防水工事など
工事名称を記入する。

②「要求される品質」又は「要求品質
は、設計図に記載されている建物を担保するために要求される品質のこと。
・鉄筋コンクリートの耐久性
・コンクリート強度
・ひび割れの防止
・屋根の防水性能
・外壁の防水性能
・漏水の防止
・仕上精度
など

③「重点品質管理目標」及び「品質管理目標
は、上記②(「要求される品質」又は「要求品質」)を達成するため
特に重点的に管理が必要なものを特定し、具体的な目標を定めます。

例えば、
要求品質:外壁の防水性能
としたときは、
重点品質管理目標は、
「外壁のコールドジョイントの発生ゼロ」
「外壁のひび割れを抑える」
などが考えらます。

④「品質管理項目」とは、
実際の施工中に管理する項目を定めたもののこと。

例えば、
重点品質管理目標
「外壁のコールドジョイントの発生ゼロ」
に対しては、
「打設中のコンクリート打重ね時間間隔の管理」
など

④’の「設定した理由」を求めらた場合は、

例えば、上記例に対しては、
「打設中のコンクリート打重ね時間間隔が長いと、コールドジョイントが発生し、そこからの漏水は外壁性能に大きく影響するため。」
など

⑤「実施した内容」及び「施工上の留意事項」は

例えば、上記例に対しては、
「コンクリートの打込み継続中の打重ね時間間隔(外気温25℃未満で150分以内、25℃以上で120分以内)を厳守する。打重ねが発生した部分に関しては、打重ねまでの時間を記録、管理することに留意する。

問題2の攻略

① 協力会社等へ周知するための方法・手段
「協力会社等へ周知するための方法・手段」は、事前検討会、事前説明会、作業前ミーティング、日例打ち合わせなどの手段などを具体的に記述する。

②確認するための手段・方法
「確認するための手段・方法」はプロセス確認、チェックリスト、自主検査内容の確認、検査等を記述する。
※ 自主検査は、誰がどのタイミングで行うのかを明記する。
元請けが行う検査、協力会社が行う検査とを区別する。

③組織的な品質管理活動
「組織的な品質管理活動」は、品質管理のPDCA(計画・実施・確認・処置)を設計者、工事監理者、店社の関連部門などとシステム的に実施した内容を記述する。

【 具体例 】
・各種検討会:設計説明会、施工計画検討会、設計図書検討会など
・各種検査指導:社内検査、下地確認会、工事指導など
・施工後の反省会、フィードバック会、見直し会など

④組織的な品質管理活動による効果
「組織的な品質管理活動による効果」は、作業所内での効果や他作業所も含めた全社的な効果を記述する。

【 具体例 】
・品質の平準化や不具合予防が図られたこと
・品質を確保した状態で次工程へ移れたこと
・好事例などが展開されることにより、品質管理活動が合理化されたこと
・発注者の信頼を得ることができたこと

過去問題と解答試案
令和5年  令和3年  令和元年

平成28年  平成26年  平成23年

1級建築施工管理技士 二次検定 施工経験記述の攻略

【 施工経験記述の攻略 】

1-1 出題の分析と考え方

2-1 問題1の解き方

2-2 仮設備
1)仮設備の安全確保

2)仮設備の具体的な安全処置
・墜落災害防止の具体的な処置
・ 飛来・落下災害防止の具体的な処置
・ 建設機械による災害防止の具体的な処置
・ 足場・型枠倒壊災害防止の具体的な処置

3)仮設備の具体的な工程上の制約条件
・ 合理的な工程管理を満足する仮設備の具体的な配置
・ 合理的な工程管理を満足する仮設物の設置

4)仮設備の具体的な工程上の制約条件
・ 仮設電力設備の検討事項
・ 給排水設備の検討事項

2-3 環境保全
1)公衆災害防止対策
・騒音・振動を提言する具体的な処置
・ 再三者災害を防止する具体的な処置
・ 沿道障害防止の具体的な処置

2)建設副産物の処理
建設副産物の分類
・ 建設発生土(土砂)の取扱い上の留意点
・ 指定副産物と有効な利用の具体例
・ 資源の有効な利用に関する計画作成と記録保存の義務
・ 再資源化すべき特定建設資材
・ 産業廃棄物の委託処分に関する事業者の留意点
・産業廃棄物の処分方法についての具体例

合理化【傾向分析】
1.労働生産性向上
1)「労働生産性向上」記述上のポイント

2)「労働生産性向上」で過去に要求された記述

3)「労働生産性向上」で要求される記述

4)「労働生産性向上」の記述例

品質管理【傾向分析】①

品質管理【傾向分析】②(記述例)

環境管理【傾向分析①】環境管理

環境管理【傾向分析②】建設副産物(記述例)

環境管理【傾向分析③】環境管理に関する法体系

環境管理 サーマルリサイクル

施工計画【記述例】

施工経験記述 解答例

施工経験記述① 合理化

施工経験記述② 工程管理、仮設工事、欠陥・瑕疵

施工経験記述③ 労働災害

施工経験記述④ 地球環境保全