学科 施工(仕上工事)屋根 2-1 瓦棒葺・瓦葺

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

4 施工(仕上工事)
2° 屋根工事

2-1 瓦棒葺・瓦葺
下記の正誤を判断せよ。

(心木なし瓦棒葺)
①軒先と平行に張付ける下葺きアスファルトルーフィングは、流れ方向の重ね幅を100mmとし、ステープル釘での仮止め間隔は300mm程度とした。

答え

  ◯

②通し吊子の鉄骨母屋への取付けは、平座金を付けたドリリングタッピンねじで、下葺、野地板を貫通させ母屋に固定した。

答え

  ◯

[ 解説 ]
キャップは、溝板と通し吊子になじみよくはめ込み、均一かつ十分にはぜ締めを行う。

  

③水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを45mmとした。

答え

  ×

[ 解説 ]
水上部分と壁の取合い部に設ける雨押えは、強風時に雨水が侵入しないように、壁際の立上り部分は120mm程度立ち上げる
屋根の流れ方向に平行な壁との取合いに設ける幅広の雨押えには、流れ方向と直角方向に水勾配を設ける。

④壁の出隅部分と取合う溝板の立上り部には切欠きができるので、その切欠き部の裏面に当て板をはんだ付けした。

答え

  ◯

(瓦葺き)
⑤瓦の割付けは、葺き上がりが納まるように、「働き幅」や「働き長さ」に基づいて行った。

答え

  ◯

⑥引掛け桟瓦葺きにおいて、桟山補強を行うので、桟木の上に瓦割付けを行い、縦桟木を取り付けた。

答え

  ◯

⑦屋根勾配が4/10未満で流れ長さが10mを超えたので、J形瓦の下葺き材に、改質アスファルトルーフィングを使用した。

答え

  ◯

⑧屋根の谷部の下葺き材は、谷の両側に約100mmずつ振り分けて、幅約200mmにわたって二重葺きとした。

答え

  ×

[ 解説 ]
屋根の谷部の下葺き材は二重葺きとするが、谷の両側に約200mmずつ振り分けて、幅約400mmにわたって二重葺きとする。200mmでは納まらない。

【 参考 】
・平葺の吊子は、葺板と同様、同厚の板で、幅30mm、長さ70mm程度とする。
・平葺の小はぜ掛けの下はぜの返し幅は、18mm程度とする。
・心木なし瓦棒葺の溝板は、通し吊子を介して留め付ける。
・塗装溶融亜鉛めっき鋼板を用いた金属板葺きの留付け用くぎ類は、亜鉛めっき製又はステンレス製を使用する。

学科 施工(仕上工事)屋根 2-2 金属製折板葺屋根工事

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

4 施工(仕上工事)
2° 屋根工事

2-2 金属製折板葺屋根工事
下記の正誤を判断せよ。
(金属製折板葺屋根工事)
①折板の材料による区分には、鋼板製とアルミニウム合金板製がある。

答え

  ◯

②折板の耐力による区分には、1種、2種、3種、4種、5種の5種類があり、1種が最も耐力が大きい。

答え

  ×

[ 解説 ]
折板の耐力による区分には、
1種(980N/m2)、2種~4種、5種(4,900N/m2)
の5種類があり、1種が最も耐力が小さい
折板の結合の形式による区分には、重ね形、はぜ締め形及び嵌合形がある。

③タイトフレームを取り付けるための墨出しは山ピッチを基準に行い、割付けは建物の桁行き方向の中心から行った。

答え

  ◯

[ 解説 ]
梁と折板との固定に使用するタイトフレームには、ボルト付きタイトフレーム、タイトフレームだけのもの及び端部用タイトフレームがある。

  

④梁とタイトフレームの溶接は、タイトフレームの表面の防錆処理が施されたままで行った。

答え

  ◯

⑤タイトフレームの下地への溶接は、タイトフレームの立上り部分の縁から10mm残し、底部両側を隅肉溶接とした。

答え

  ◯

⑥けらば包みの継手位置は、けらば用タイトフレーム間の中央付近とした。

答え

  ×

[ 解説 ]
けらば包みの継手位置は、けらば包み及び端部の折板を固定する下地が必要なので、けらば用タイトフレームの位置とし、継手の重ねは60mm以上とする
梁けらば包みの継手は、60mm以上重ね合わせ、間に定形シール材を挟み込みんで留める。

⑦折板葺屋根の勾配が小さいので、軒先に15° 程度の尾垂れを付けた。

答え

  ◯

[ 解説 ]

⑧水上の先端部分には、雨水を止めるために止水面戸を設けた。

答え

  ◯

⑨水上部分と壁との取合い部に設ける雨押えは、壁際立上りを150mmとした。

答え

  ◯

⑩けらば包みを用いない重ね形折板葺のけらば先端には、折板の山間隔の3倍の長さの変形防止材を1.8m間隔で取り付けた。

答え

  ×

[ 解説 ]
けらば包みを用いない重ね形折板葺のけらば先端には、変形防止材を設けるが、その長さは折板の山間隔の3倍以上で間隔は1.2m以下とする

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 雨水排水

建築品質 屋根・防水


003)雨水のスムーズな排水は建物の基本

建築の目的は雨をしのぐことであるといっても過言ではない。降った雨を集めて、上階から下階へ、そして下水道に接続する最終会所へスムーズに排水するように計画すること、すなわち雨水の集排水計画は建築の基本である。

1.谷樋は漏水のリスクが大きい

(谷樋:屋根の谷と呼ばれる部分の雨樋)
谷樋は漏水のリスクが大きくて、できるだけ谷樋を設けないような建築計画が望まれる。
しかし、どうしても谷樋をもうける場合は、絶対漏水させないように

①谷樋は十分な雨水負担容積があること
②もし樋がつまっても外部へオーバーフローをできるようにすること
③清掃などのメンテナンスがいつでもできること

が大切である。

2.雨水を受ける屋根面積の算定

屋根面積は水平投影面積とする。
上階の壁にあたった雨水が集まることが懸念される屋上は、上階の壁面積の1/2を屋上(屋根)面積に加える。

3.屋根勾配とルーフドレン(RD)位置の決定

屋根勾配とRD位置を決めることは、雨水をどこに集め、縦菅をどこに設けるかを決めることである。
屋根勾配は、保護アスファルト防水の場合は1/100以上とし、露出防水では1/50以上とする。側溝を設けるときRD間隔は12m以下とする。
RDは1カ所が詰まってももう1ヶ所で排水できるように、必ず2ヶ所以上設ける。屋根面積が小さくRDを1ヶ所しか設けないときは必ずオーバーフロー菅を設けなければならない。

4.縦管径と最大許容屋根面積の確認

雨水縦管は雨水専用とし、縦管径によって負担屋根面積が決まる。その管径による排水能力はSHASE-S206給排水設備基準による。

上の表は100mm/hの場合と180mm/hの場合を示す。
当該敷地での10分間の最大降雨量を理科年表で確認し、時間最大降雨量を設定する。100mm/hを超えるときは、100m/hの面積に(当該敷地の最大降雨量/100)を掛けて許容面積を算出する。
近年局地的な集中豪雨などで過去の実績を上回ることも頻発しているので、直近の気象データを考慮することが必要である。

5.横走り管は配管勾配によって許容最大屋根面積が変わる

横走り管を設ける場合、排水能力がその配管勾配によって変わるため、注意が必要である。(下表)
横走り管は詰まりやすいので、管径100mm以上の管を使う。
なお、横型RDを用いる場合は横走り管がなくても、下記表の配管勾配 1/50を採用する。

6.雨水配管の仕様

雨水配管の仕様は、外部はVP管でもよいが、内部は破損しにくい鋼管を用いて防露巻きとする。耐火2層管もある。

*100mm/hの時の雨水横走り管の管径(( )は180mm/hの時)

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 ルーフドレンの形状

建築品質 屋根・防水


004)ルーフドレインは縦型か横型か

飛んできた落葉やビニール袋などでルーフドレイン(RD)が詰まることがある。
RDのストレーナー(ごみ除け)が低いと詰まりやすく、径が小さくても詰まりやすい。
径が100mm以上のルーフドレンを使いたい。
横型は漏水のリスクが低く、縦型は排水性が良い。

1. 縦型ルーフドレン

縦型RDは集水を確実にするために、水下コンクリート天端より40mm程度下げて設置する。
この時RDまわりの床スラブが薄くなるので、十分鉄筋で補強するか、RDまわりの床スラブを厚くするなどが必要である。
縦型RDのストレーナー(ごみ除け)はごみが詰まりにくい背の高いものを採用する。
縦管は室内になるため、清掃時の破損や、配管ジョイントからの漏水がないように鋼管(白ガス管)を用い、溶接接合する。
また、鋼管は屋内で結露する恐れがあるため、防露巻とする。
縦管に耐火2層管を採用した場合は防露巻きを省略することができる。

2.横型ルーフドレイン

横型RDは床スラブを貫通せずに横引きで外部縦管と接続するため、室内への漏水リスクは少ない。
横型RDも水下コンクリート天端より40mm下げて床コンクリートに打ち込む。
RD下の梁は、RDと干渉しないように水下コンクリート天端より100mm下げておくことが必要である。
横型RDは縦型よりごみが詰まりやすい。
ストレーナーが高く上がったタイプを用いること。
横型RDの縦管はVP管を用いる。VU管は肉厚が薄く、耐久性に劣る。
VP管の熱伸びによって横型RD接続部に力が加わり破損する事例がある。RD接続の横引き管は鋳鉄製が望ましい。
縦管は12mピッチに伸縮継ぎ手を設ける。また、地上部で縦管を保護する必要のあるときは養生管を設ける。

3.オーバーフロー管

小面積の屋上でRDを1ヶ所しか設けない場合はオーバーフロー(OF)管を設ける。
OF管は、オーバーフローしたものがすぐにわかる位置に設ける。
OF管は、普段の雨で外壁を汚さないように内勾配(1/10)にセットする。また、鳥が巣をつくることもあるので、OF管の両端に防鳥格子を設ける。

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 保護アスファルト防水

建築品質 屋根・防水


005) 保護アスファルト防水

アスファルト防水は釜で溶かしたアスファルトでアスファルトルーフィングを何層にも重ねて張り付けるため、耐久性もあり、最も信頼性が高い防水である。
アスファルト防水層の上に断熱材や保護コンクリートを施工することにより、さらに耐久性が増す。

アスファルトを釜で焚くとき特有の臭気が発生するため、市街地では臭気公害になることもある。アスファルトを焚かない特殊冷工法などを検討する。

1.防水立上りは水上仕上げ面から200mm以上を確保する

屋上の保護アスファルト防水は、1/100以上の躯体勾配を確保する。
屋上のアスファルト防水で最も重要なポイントは立上り部分のおさまりである。風雨や直射日光にさらされ、防水の弱点となりやすい。
アスファルト防水の立上りは水上仕上げ面から200mm以上を確保し、上端部を防水押さえ金物で押さえ、ゴムアスファルトでシールする。パラペットはあごを設けて水を切り、押出成形セメント板等で保護しなければならない。保護アスファルト防水の立上り部を露出仕様にするのは立上り部の劣化を早めるので良くない。

2.保護コンクリートの厚さと排水溝の深さ

保護コンクリートの厚さは、直押え仕上げの時80mmとし、溶接金網(鉄線径6mm、網目寸法100mm)を入れる。排水溝は1/200以上の勾配を確保して、仕上げを行う。
排水溝の水下では40mmのモルタル厚さを確保し、その中に溶接金網(鉄線径2.6mm、網目寸法50mm)を敷き込む。排水溝の勾配代は30mm程度となるので、ルーフドレイン(RD)の間隔は12m以下で設けることになる。

( 勾配 1/200 より 200×30 = 6000mm
排水溝の水上からの振分けで12m )

3.保護コンクリートには伸縮調整目地を設ける

保護コンクリートの熱膨張によって防水層を傷めたり、パラペットを押して躯体をも傷める。保護コンクリート自体のひび割れもあり、必ず伸縮調整目地を設ける。伸縮調整目地の割付けは周辺立上り面から600mm程度の位置と、中間部は縦横間隔3m程度の位置をとする。排水溝部も含め、立上り面まで達するように設ける。

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 露出アスファルト防水

建築品質 屋根・防水


006) 露出アスファルト防水の注意点

露出アスファルト防水は日常歩行しない屋上にも用いられる。防水の最終表層は砂付きアスファルトルーフィングなどにする。防水の信頼性は高い。耐久性においては保護アスファルト防水に劣るが、改修などメンテナンスが容易であるという利点がある。

1.露出アスファルト防水の躯体勾配は 1/50以上

露出アスファルト防水ではアスファルトルーフィングの施工時の重なり部に水が溜まらないように、また躯体コンクリート床の直押え精度を考慮して躯体勾配を1/50以上確保する。

2.露出アスファルト防水では躯体勾配で集水する

露出アスファルト防水では排水溝部分の防水施工ができないので、躯体勾配でルーフドレン(RD)に集水する。したがって、躯体勾配においては勾配をシンプルにし、打増しを少なくするようにする。躯体勾配は1/50を基本勾配とし、集水のための寄せ勾配(補助勾配)は1/100とする。

3.露出アスファルト防水の立上り寸法は300mm確保する。

露出アスファルト防水の防水立上りは水上コンクリート天端から300mmを確保する。これは立上り部に雨水をかかりにくくし、かるアスファルト防水の施工を確実にするため。

①コンクリートのパラペットに溶融アスファルトで確実に張り付ける。
②先端を金物で押さえる。
③ゴムアスファルト系シールをする。

露出防水の立上り部で、あごを設けないときは防水押さえの金物の上に大きめの水切りを付けて納める。または笠木を被せる。

4.防水立上り高さが確保できないとき

建物の高さ制限などで立上り高さが確保できないろきは、全体でオーバーフローしてもいように納める。パラペット天端外壁際まで防水を張りあげ、金物で押さえるなどの工法を検討する。

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 パラペット

建築品質 屋根・防水


008 )パラペットは外壁扱いに

防水を立ち上げる下地と水切りとしてのあごを総称してパラペットという。パラペットは外壁と防水の接点にあたり、雨仕舞上重要な部位である。パラペットの外壁が汚れた、クラックが入って漏水した。水が切れずに防水端部に水が廻った、保護コンクリートの膨張でパラペットが外壁から押し出されたなどの事例がある。

1.パラペットはあご先端までを外壁扱いにする

外壁は、通常クラックが入りにくいようにダブル配筋で180mm程度の厚さを確保している。パラペットも同じように、クラックが入って雨水が侵入しないように、あごの先端までが外壁という扱いで、ダブル配筋し、3〜4m程度ごとにひび割れ誘発目地を設ける。


パラペット

2.パラペットの天端は防水する

パラペット天端は雨に叩かれ、強い日射にさらされ、屋根と同じく最も過酷な部位である。微細なクラックが入りやすく、劣化が早い。その天端を保護し、雨水を侵入させないように塗膜防水しなければならない。

3.パラペットの天端勾配は 1/10以上

パラペットの天端についた粉塵が、雨で外壁側に押し流されて外壁を汚さないように、屋上側に向けて 1/10以上の勾配を確保したい。

4.金属笠木はジョイント部の納まりを確認する

パラペットに金属笠木を取り付けることができれば、あごを省略することができる。金属笠木は笠木と笠木のジョイント部の納まりを確認する。金属笠木の熱膨張を考慮するとともに、天端のシールが切れた場合でも漏水に至らないような排水機構を設けるなど配慮が必要である。張り終い部を数ヶ所設けると、そこから外せるのでメンテナンスがしやすくなる。既製品の笠木は天端先端に水返しがあり、内外両側に水切りもある。


金属笠木(既製品)


金属笠木(製作品)


笠木ジョイント部 ディテール

5.パラペットは屋上床と一体打ちにする

パラペットを屋上床面で打ち継ぐと、その打ち継ぎ目地からの漏水だけでなく、防水の保護コンクリートが膨張して躯体パラペットを押し出すこともある。したがって、屋上パラペットは下階と一体打ちとし、打継ぎを設けないことが原則である。どうしても打継ぐ場合は、屋上水上コン天より100mm上がって位置で打ち継ぐ。

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 屋上断熱防水

建築品質 屋根・防水


009) 屋上断熱防水は油断大敵

屋上スラブは昼間の日射熱によって躯体が蓄熱し、直下階は熱負荷が大きくなる。躯体は熱膨張し、最上階妻壁にクラックを発生させる。アスファルト防水自体も熱による膨張収縮で劣化する。屋上断熱防水はそうしたマイナスを小さくする。すなわし最上階を快適な空間にし、防水の耐久性を高め、躯体に対する熱影響を小さくする効果がある。

1.屋上断熱防水には断熱欠損部が発生する

屋上には断熱できない部分が発生する。機械基礎、ハト小屋、ルーフドレンまわり、目隠し壁の支柱基礎などの部分などである。その断熱が欠損したままだと、スラブ下(天井裏)で結露する恐れがあるため、断熱欠損部のスラブ下には断熱を設けなければならない。
屋上に機械基礎が多い場合は、外断熱にこだわらず、内断熱の方が効率よく、効果的な場合もある。

屋上断熱防水の断熱欠損部の処置

2.ヒートブリッジ(熱橋)部は内部断熱を重ねる

ヒートブリッジとは外部の熱を内部に橋渡しする(伝える)部分で、熱橋という。外壁断熱と屋上断熱との取合い部や、屋上断熱が欠損した部分などが熱橋となる。熱橋部分は内断熱を屋上断熱に600mm程度※重なる位置まで断熱する。

※省エネルギー申請図書、住宅性能評価図書に記載した熱橋範囲の長さは確保する。
(熱橋用断熱材、部位、建築地域によって異なる。)

3.断熱防水でも鉄骨床梁が結露する

鉄骨造の屋上に鉄骨支柱を立てるとき、鉄骨支柱は鉄骨床梁から立つ。この場合支柱と床梁は外気温と同じように冷え込み、支柱位置で梁が結露する。支柱位置から両側約1mの範囲は断熱を考慮する必要がある。梁の耐火被覆が吹き付けであれば断熱性もあるが、巻き付け耐火被覆の場合は内部結露する可能性がある。

屋上鉄骨の断熱

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 屋上 設備基礎

建築品質 屋根・防水


010) 屋上設備基礎は最小限に

屋上に設備基礎を置く場合、屋上防水のやり替えや補修の際に設備機器を移動したり停止させたりしないために、躯体立上げ式の基礎(以下機械基礎という)を設け、その基礎に防水を立ち上げる。機械基礎が多いと漏水のリスクや、躯体コスト、防水コストも高くなる。設備設計の機械配置に基づいて単純に基礎を設置するため、基礎の数も多く、屋上排水も考慮されていないことがある。

1.機械基礎の数は極力少なくする

機械基礎の上に鉄骨架台を組んで設備機器をのせるようにすれば、機械基礎の数は大幅に少なくできる。また、機械荷重や基礎と梁位置などの調整も必要で、設備担当者任せにしてはならない。

機械基礎の配置


機械基礎 断面

※機械基礎の配筋は一般的にはスラブへL2以上の定着必要である。
その折り曲げ位置はスラブ厚さの中心を超えた位置とする。
(スラブ上端筋の上に置くのでは定着にならない)

2.屋上の水勾配の向きに沿わせる

機械基礎が雨水の集水を妨げているのを見かける。機械基礎を布基礎とする場合は屋上勾配の流れに沿って配置し、雨水の集水をスムーズにしたい。できれば布基礎より独立基礎にした方が雨水の集水はスムーズとなる。

3.基礎間隔は防水の施工性を考慮する

機械基礎の間隔及び機械基礎とパラペットの間隔は防水の立上りが確実にできるように、またメンテナンスもできるように十分に(600mm以上)確保しておく。

4.露出防水では点検ルートに歩廊を設ける

露出防水や断熱露出防水などでは、機械のメンテナンスのための点検歩廊や配管類も鉄骨架台と一体にすると、防水を傷めないので理想的である。

5.軽微な機械の固定は保護コンクリートの上の基礎でよい

防水のメンテナンス時などに容易に移動できる軽微な機器は、防水の保護コンクリートと一体の置式基礎でもよい。ただし、伸縮目地をまたがない計画とする。

軽微な機械基礎

1級建築施工管理技士 屋根・防水工事 ハト小屋

建築品質 屋根・防水


011) ハト小屋は雨水が入りやすい

屋内の設備機器と屋上の設備機器とを接続する配管類を、防水を傷めないで屋上に取り出すための小屋を一般にハト小屋という。ハト小屋室内から多くの配管を取り出すため、その配管まわりから雨水が侵入しやすい。また、ハト小屋内部での結露などのトラブルも多い。

1.ハト小屋の庇は深くする

はと小屋の防水の立上りのあごの上から設備配管を取り出し、その配管の周囲はアルミパネルなどの金属板で塞ぐ。配管のパネルの取合いはシールに頼るため、そこに雨水がかからないようにハト小屋の庇を深くする。


ハト小屋


ハト小屋の例

2.ハト小屋の屋根、庇は防水する

小規模のハト小屋の屋根はウレタンの塗膜防水程度でよいが、屋根の規模が大きくなったらクラックが入りやすいため、塩ビシート防水が安心である。

3.ハト小屋の内部には結露防水の断熱を

ハト小屋内部には室内天井内の暖気が上ってくるため、結露する可能性が大きい。したがって、ハト小屋内部は結露しないように断熱する必要がある。ハト小屋の面積が大きいときは、室内の気密性を高めるために床を設け、点検口を設けることも検討する。

4.ペントハウス(塔屋)の外壁から配管取り出しは水切りを設ける

ペントハウスはどの外壁から設備配管を取り出す場合は、大きく囲うような水切りを設け、配管まわりのシール部分に雨水がかからないようにする。また、配管は外部側を低くするように外勾配を設ける。

外壁からの配管の取り出し

5.小規模の配管取り出しには既製品のハト小屋を検討

屋上への配管取り出しが少ない場合は、既製品のハト小屋の利用も検討する。或いは、逆に数が多い場合は、PC化を検討も視野に入れる。

既製品ハト小屋の例