学科/施工(躯体工事)その他の工事 9-1 ALCパネル工事

1級建築施工管理技士
学科対策 過去問題【 重要ポイント 】

3.施工(躯体工事)
9° その他の工事

ALCパネル工事
下記の正誤を判断せよ。

①縦使いの外壁パネルの取付けにおいて、スライド工法では、パネルの上端部が可動となる目地用鉄筋付き特殊金物で接合する。

答え

 ◯

②フットプレート構法において、パネル上部の取付けは、面内方向に可動となるように取付けた。

答え

 ◯

③躯体の層間変位が大きいので、外壁パネルは変形に対する追従性能が高いロッキング構法で取付けた。

答え

 ◯

[ 解説 ]
躯体の層間変位大きい場合は、ロッキング構法及びスライド構法が採用される

④間仕切りパネルの長辺方向に、パネルの強度上支障とならない程度の溝掘りを行った。

答え

 ◯

⑤横壁ボルト止め構法において、パネル積上げ段数5段ごとに受け金物を設けた。

答え

 ◯

[ 解説 ]
パネルを横使いにして施工するボルト止め構法は、3〜5段ごとに下地鋼材に取付けた受け金物により支持する。

⑥外壁パネルと間仕切りパネルの取合い部は、パネル同士のすき間がないように突付けとした。

答え

 ×

[ 解説 ]
外壁パネルと間仕切りパネルとの取合い部は、パネル同士のすき間を20mm伸縮目地とする。外壁パネルの孔あけ加工は、1枚当たり1箇所とし、主筋の位置を避け、パネルの短編幅の1/6以下の大きさとする。

⑦外壁の出隅及び入隅部のパネル接合部は、伸縮目地を設け、耐火目地材を挟み込んだ。

答え

 ◯

[ 解説 ]
耐火性能が要求される外壁パネルの伸縮目地には、目地幅より大きな耐火目地材を20%程度圧縮して充填した後にシーリングを施工する。

⑧取扱い時に欠けが生じ、補強鉄筋が露出して構造耐力上支障がある外壁パネルは、製造業者が指定する補修モルタルで補修して使用する。

答え

 ×

[ 解説 ]
ALCパネルの幅又は全体にわたりひび割れのあるもの、補強筋の露出している欠けのある構造耐力上支障のあるパネルは、補修モルタルで補修しても使用してはならない

 

⑨屋根及び床パネルは、表裏を正しく置き、有効な掛かりしろを確保して、長辺は突き合わせ、短辺小口相互の接合部に20mm程度の目地を設け、敷き並べる。

答え

 ◯

1級建築施工管理技士 外壁工事 PCa板のカーテンウォール

建築品質 パネル外壁


038)PCa板のカーテンウォールは等圧に

プレキャストコンクリート板(PCa板)のカーテンウォールは耐久性や強度は十分にあるが、自重が重い。取付けは上部躯体にパネル荷重を預ける上吊り方式と、下部躯体にパネルを預ける下置き方式がある。どちらもPCa板の荷重を鉄骨に預けるため、鉄骨の撓みや回転を起こさないように注意する。

1.PCa板はファスナーと一体にする

PCa板は以下のポイントが重要である。

①正確な配筋と鉄筋のかぶりの確保
②ファスナーをPCa板と一体に定着する
③寸法精度の確保
④脱型時強度を確認し、養生する

2.層間変位に対して、ロッキング方式で追随する

PCa板のファスナーは鋼材を組み合わせたものや鋳造製のものがある。ファスナーは躯体の層間変位に対してロッキング方式で追随する。ファスナーは防錆処理し、耐火被覆する。
ファスナーは以下のポイントが重要である。

①面内外の層間変位にスムーズに追随できること
②躯体変形に追随する時に異音を発生しないこと
③取付けボルトやナットが緩まないこと
④取付け時に鉄骨レベルや位置の施工誤差を吸収
⑤確実な施工ができること

上部または下部を固定して層間変位に対応するスライド方式は変位時に水平目地が切れやすく、建物コーナー部の縦目地も大きくなるので採用しない。

3.PCa板ジョイント部は水密性を確保する

PCa板のジョイントはシールジョイントとオープンジョイント(等圧方式)がある。シールジョイントは外部側のシールで雨水が入らないようにする。シールが切れた時はメンテナンスが必要である。オープンジョイントは、水を切るレインバリアと気密性を確保するウインドバリアの間を外部と等しい気圧にして、レインバリアから入った水をスムーズに排水する方式である。現場打ちシールがなく、長期的に安心である。

4.施工図には仮設材と施工管理のための情報を盛り込む

PCa板の施工図には吊りインサートなどの施工に必要な仮設部材と、溶接長さ、変位対応のルーズ孔の確保、目地交叉部の納まり、取付け精度や取付け順序など施工管理のための情報を盛り込まなければならない。

1級建築施工管理技士 外壁工事 ALCパネルの注意点

建築品質 パネル外壁


039)ALCパネルの注意点

ALC(軽量気泡コンクリート:Autoclaved Light -weight aerated Concrete)パネルは軽量で、断熱性があり、穴あけや切断などの加工が容易である。縦張りと横張りの工法があり、どちらも層間変位に追随するが、ALCパネルの目地は切れやすく、雨水が侵入する可能性がある。パネル厚さは支点間距離と耐風圧によって決まる。

1.ALCパネルの横張り

横張りはパネル幅に合わせて間柱を設け、パネル3段ごとに荷重を間柱に預ける。層間変位に対してはスライド工法で追随する。


パネル横張りスライド工法

2.ALCパネルの縦張り

縦張りは階高がパネル高さになり、パネルの自重は床で支持される。層間変位に対しては、ロッキング工法で追随する。


パネル縦張りロッキング工法

3.最下部は侵入水の排水をする

縦張りでも横張りでもALCパネルのジョイントはシールで止水する。シールが切れた場合、侵入水はALCパネルをつたって最下部に集まる。したがって最下部ではALCの下端はRCの立上りを設け、内部へ染み出さないようにする。

4.ALCパネルの外壁は下地金物をしっかり構造体に付ける

パネルの下地金物は、鉄骨加工工場で先付けされた下地取付け金物に、現場溶接で取り付けられる。その現場溶接がしっかりしていないと外壁強度不足になる。施工図には溶接箇所と溶接長さなど管理のポイントを明記することが重要である。

5.ALCパネルの仕上げ

ALCパネルの表面は水を吸って風化しやすいので、防水性の塗装や塗材などで保護する必要がある。ALCパネルにタイルを張る場合はモザイクタイルが望ましい。ALCメーカーの管理のもとにタイルを張らなければ剥落等保証ができなくなる。タイル張りは低層建物もしくはバルコニー付きの外壁などにするほうが賢明である。

1級建築施工管理技士 外壁工事 成形セメント板(ECP)の注意点

建築品質 パネル外壁


040)成形セメント板(ECP)の注意点

成形セメント板(ECP:Extruded Cement Panel )は一般に厚さ 60mm(75mmもある)で内部が空洞で軽く、丈夫である。ALC板と同様に縦張りと横張りがあり、層間変位に対応して動くので、パネルの目地は切れやすく雨水が侵入しやすい。

1.ECPの横張り

ECPの横張りはスライド工法となる。パネル3段以内ごとに荷重を受ける。横目地は外部側をシール、内部側はガスケットを通す。縦目地はロックウールを挟んで外部側をシール、内部側にガスケットを通す。横目地から入った水は縦目地のロックウールをつたい、最下部に集まる。最下部は水切りで受けて、ステンレス(SUS)製の排水パイプで外部へ排水する。

2.ECPの縦張り

ECPの縦張りはパネルの下部両側2箇所で荷重を受け、ロッキングさせることで層間変位に対応する。縦目地は本実(凹凸ジョイント)になっており、外部側そシール、内部側はガスケットを施工する。横目地部分はパネル小口にステンレス(SUS)製水切りを差し込み、横目地から入った雨水を下部へと導く。横目地のバックアップ材は櫛状の水抜き型を使用する。最下部に落ちてきた水は、水切りで受けた外部へ排水する。

3.ECP外壁の仕上げ

ECPは素地仕上げやタイル張りや塗装仕上げが可能であり、それぞれの仕上げに適したECPがある。

①ECPにタイルを張る場合はモザイクタイルに限る。タイル張り用のECPにポリマーセメントでタイルを張る工法が一般的である。タイルを張るとECPに反りが発生しやすい。ECPは薄いので強風時の風圧による変形によって剥離の可能性がある。このため弾性エポキシ接着材でモザイクタイルを張る工法が多くなってきている。そちらの工法でもパネルの支点間距離を小さくして変形を少なくするように考えたい。

②ECPに塗装をする場合、ECPの表面は平滑であるので、塗装で金属パネルのような表情も可能である。メタリック塗装を現場施工すると、足場の影響による色むらになるケースもあるので、工場塗装も検討する。また、フッ素クリアー塗装でECPの素材感を出す仕上げの場合はECPの吸込みの違いによる色むらなどにも注意が必要である。

1級建築施工管理技士 外壁工事 金属板の注意点

建築品質 パネル外壁


041)金属板の注意点

金属板の外壁には、ステンレス(SUS)、アルミ、鋼板などがある。金属板の外壁におけるトラブルは錆や表面処理の耐久性、止水納まり、雨の音、断熱、熱膨張によるひずみ、層間変位対応に関するものなどがある。

1.パネルの耐候性と耐風圧強度の確認

どんなサイズの外壁パネルであっても、風圧に対してパネル自体が変形しないか、風圧をどう下地に伝えていくか、パネル補強リブや取付けボルト径やピッチを確認する。また、パネルの耐候性は素材と表面仕上げによる。特にアルミの表面処理の仕様は最低でも公共建築工事標準仕様素やJISに適合させる。

2.大型金属パネルはカーテンウォール(CW)にする

大型金属パネルは躯体の層間変位に対応できるようにCW型材を用い、パネル間のジョイント部は水密性を確保する。パネルとCW型材はスタッド(溶接ボルト)を用いてナット留めとする。パネルの裏面には防露・防音材(ひる石)を吹き付ける。

3.小型金属パネルはビス固定の部をルーズにする

小型パネルは取付けビスを1ヶ所固定とし、他をルーズにすることで、熱膨張と変位に対応できるようにする。曲げ加工したパネルや切板パネルのジョイントは基本的にはシール納まりとなる。下地金物は防錆し、取付けビスはSUS製とする。

4.スパンドレルは水切りでジョイントする

スパンドレル(取付けビスが隠れるように成形した金属板)の外壁は層間変位や熱膨張にはそれ自身が変形などで柔軟に対応する。下地ボード(必要に応じて耐火ボード)の上に防水シートを張って、スパンドレルを施工する。水平ジョイントは水切りを設けるが、水切り上下のスパンドレル小口部はケミカル面戸(隙間塞ぎ)を挿入する。仮設足場繋ぎ部やコーナー部は張り終い(被せ張り)を考慮する。