令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題3 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題3 解答 解説

問題3

市街地での事務所ビルの新築工事において、各階を施工数量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の躯体工事工程表(基準階の柱、上階の床、梁部分)に関し、次の1.から4.の問いに答えなさい。

工程表は検討中のもので、型枠工10人、鉄筋工6人をそれぞれ半数ずつの2班に割り振り、両工区の施工を同時に進める計画とした。

各作業班の作業内容は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区同時に行う作業を示すが、作業A4、B4及び作業A8、B8については作業内容を記載していない。

各作業は一般的な手順に従って施工されるものとし、検査や設備関係の作業については省略している。
なお、安全上の観点から鉄筋工事と型枠工事の同時施工は避け、作業A3、B3及び作業A7、B7はA、B両工区の前工程が両方とも完了してから作業を行うこととする。

[ 工事概要 ]
用途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、地上6階、塔屋1階、延べ面積3,000m2
階段は鉄骨造で、別工程により施工する。
躯体工事工程表(基準階のは柱、上階の床、梁部分)



作業内容表(所要日数、必要総人数には仮設、運搬を含む)

1.作業A4、B4及びA8、B8の作業内容を記述しなさい。

(解答)

A4,B4:壁型枠 建込み

A8,B8:スラブ配筋

(解説)

配筋の順序は

柱 → 壁 → 梁 → 床

(垂直のもの)→(水平のもの)

型枠の組立順序は

墨出→柱→ 内壁→大梁→小梁→外壁→ 床版

   ↑            ↑

 柱配筋        壁配筋

覚え方

(鼻の大小が相当ゆかい)

「一級建築士 スーパー記憶術:原口秀昭氏より」

2.作業B6のフリーフロートを記入しなさい。

(解答)

2日

(解説)

フリーフロートとはその作業にだけ自由な余裕のことである。

B6の作業は、床型枠組立てであるが、

次の工程B7 梁配筋の作業の開始前に終了しておく必要がある。

作業A3及び作業B3が前工程が完了してから作業を行うことに注意して、

作業A3及び作業B3からA6及びB6作業の終了日数を求める。

A工区におけるA6作業終了日数が

1(A3)+ 5(A4)+ 2(A5)+ 3(A6)= 11日

B工区におけるB6作業終了日数が

3(B3)+ 1(B4)+ 2(B5)+ 3(B6)= 9日

よって、 11日 − 9日 =2日 となる。

3.次の記述の [  ]に当てはまる数値をそれぞれ記入しなさい。

A工区とB工区の施工数量の違いから、各作業に必要な総人数に差のある作業A1、B1から作業A4、B4までについて、最も効率の良い作業員の割振りに変え、所要日数の短縮を図ることとした。

ただし、一作業の1日当たりの最少人数は2人とし、一作業の途中での人数の変更は無いものとする。

このとき、変更後の1日当たりの人数は、作業A1は2人、作業B1は4人に、作業A2 は4人、作業B2は2人に、作業A3の人数は [ あ ] 人となり、作業A4の人数は [ い ] 人となる。

(解答)

作業A3の人数 [ あ ] : 3人

作業A4の人数 [ い ] : 8人

(解説)

・変更後の作業A1

   3人 → 2人

   2人で1日で十分である。

・変更後の作業B1

   3人 → 4人

   4人に変更すれば1日でできる。

・変更後の作業A2

   3人 → 4人

   4人に変更すれば2日でできる。

・変更後の作業B2

   3人 → 2人

   2人に変更しても1日でできる。

・変更後の作業A3及び作業A4の人数を求めるのが問題である。

次にB3に注目すると、5人で3日であるが、必要総人数が14人なので、少し冗長性がある、

7人にすると 2日で終了できる。

型枠工の人数は10人であるので、A3工区は3人となり 1日 →2日となるが、B3工区と同じ日数の終了となる。

次にA4工区に注目すると、5人で5日であるが、必要総人数が24人なので、少し冗長性がある、

8人にすると 3日で終了できる。

型枠工の人数は10人であるので、B4工区は2人となり 1日 →3日となるが、A4工区と同じ日数の終了となる。

作業A5〜A9、及び作業B5〜b9、及び作業C2はA工区、B工区とも同じ必要総人数なので、内容を図示すると以下のようになる。

【 工期短縮前 】

  ⇩

【 工期短縮後 】

よって、(始)〜(終)までの総所要日数は、コンクリート打設日1日を加えて、24日となる。

4.3.で求めた、作業A1、B1から作業A4、B4の工事ごと、工区ごとの割振り人数としたとき、(始)から(終)までの総所要日数を記入しなさい。

(解答)

 24日

(3.の解答参照)

 

令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題4 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題4 解答解説

問題4
次の1.から4.の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、運搬、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1.杭工事において、既製コンクリート杭の埋込み工法の施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、養生に関する記述は除くものとする。

(記述例)

・掘削孔壁が崩壊することがないように、速やかに行う。孔壁の崩壊は高止まりの原因となる。

・孔壁や杭体を損傷することのないよう、鉛直に吊り下げた状態でゆっくり行う。

・建て込み後に杭が自沈するおそれのある場合は、固定ち具などにより杭を保持し、自沈しないように設置高さの位置で固定しておく。

・杭心ずれを低減するために、掘削ロッドの振れ止め装置を用いたり、杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り、掘削中や杭の建込み時にも逃げ心からの距離を随時確認をする。

一般的な施工精度の管理値は、杭心ずれ量が D/4 以下(D は杭直径)、かつ、100mm以下、傾斜 1/100以内である。

2.型枠工事において、柱又は梁型枠の加工、組立ての施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、基礎梁及び型枠支保工に関する記述は除くものとする。

(記述例)

・柱型枠建込み前に柱脚部の清掃水洗い等を行っておく。建込み後には、ごみ・おがくず等が入らない処置をとり、万ー入った時は水洗い、又はとがらせた鉄筋等で除去する。 除去が難しい場合は下部に掃除口を設ける。

・型枠に、足場や遣方等の仮設物を連結させると、足場等が動いた時に型枠位置がずれたり寸法が狂ったりするおそれがあるので、避ける。

3.コンクリート工事において、コンクリート打込み後の養生に関する施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。
なお、コンクリートに使用するセメントは普通ポルトランドセメントとし、計画供用期間の級は標準とする。

(記述例)

・コンクリート打込み後 5日間はコンクリート温度が 2℃を下らないように養生する。

・冬期等で著しく気温が低い場合は、打込み後のコンクリートが凍結しないように保温採暖をする。

・部材断面の中心部の温度が外気温より 25℃以上高くなるおそれのあるときの養生は「標仕」 6.13.4 によって行う。

「標仕」 6.13.4

(1) 内部温度が上昇している期間は、コンクリート表面部の温度が急激に低下しないよう養生を行う。

(2)内部温度が最高温度に達した後は、内部と表面部の温度差及び内部の温度降下が大きくならないように保温等の養生を行う。

(3)せき板等は、表面部と外気温の温度差が小さくなった後に取り外す。

4.鉄骨工事において、トルシア形高力ボルトの締付けに関する施工上の留意事項を2つ、具体的に記述しなさい。ただし、締付け器具に関する記述は除くものとする。

(記述例)

・トルシア形高力ボルトの締付け完了後の検査は、すべてのボルトについてピンテールが破断されていることを確認し、1次締付け後に付したマークのずれを調べる。

・ナット回転量に著しいばらつきが認められる群については、そのボルト一群のすべてのボルト のナット回転量を測定し、平均回転角度を算出し、ナット回転量が平均回転角度 ±45度の範囲のものを合格とする。

令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題5 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題5 解答 解説

問題5
次の1.から8.の各記述において、(a)から(e)の下線部のうち最も不適当な語句又は数値の下線部下の記号とそれに替わる適当な語句又は数値との組合せを、下の枠内から1つ選びなさい。
1.改質アスファルトシート防水常温粘着工法・断熱露出仕様の場合、立上り際の風による(a)圧は平場の一般部より大きくなるため、断熱材の上が絶縁工法となる立上り際の平場部の幅(b)300mm程度は、防水層の(c)層目に粘着層付改質アスファルトシートを張り付ける。
なお、(d)入隅部では立上りに(e)100mm程度立ち上げて、浮きや口あきが生じないように張り付ける。

1.(a) 正
2.(b) 500
3.(c) 2
4.(d) 出隅
5.(e) 150
(解答)

 2

立上がり際の風による負圧は平場の一般部より大きくなるため、立上がり際の幅500mm程度は、防水層の1層目に粘着層付改質アスファルトシートを張り付ける。

2.セメントモルタルによるタイル張りにおいて、まぐさ、庇先端(a)下部など剥落のおそれが大きい箇所に(b)小口タイル以上の大きさのタイルを張る場合、径が(c)0.6mm以上のなまし(d)鉄線を剥落防止用引金物として張付けモルタルに塗り込み、必要に応じて、受木を添えて(e)24時間以上支持する。

1.(a) 見付
2.(b) モザイク
3.(c) 0.4
4.(d) ステンレス
5.(e) 72
(解答)

 4

まぐさ及び庇先端下部に小口タイル以上の大きさのタイルを張る場合は、径が0.6mm以上のなましステンレス鋼線をモルタルに塗り込み、必要に応じて、受け木を添えて24時間以上支持する。(建築工事監理指針)

3.長尺金属板葺の下葺のアスファルトルーフィングは軒先と(a)平行に敷き込み、軒先から順次棟へ向かって張り、隣接するルーフィングとの重ね幅は、流れ方向(上下)は(b)100mm以上、長手方向(左右)は(c)150mm以上重ね合わせる。
金属板を折曲げ加工する場合、塗装又はめっき及び地肌に亀裂が生じないよう切れ目を(d)入れないで折り曲げる。金属板を小はぜ掛けとする場合は、はぜの折返し寸法と角度に注意し、小はぜ内に 3~6mm程度の隙間を設けて毛細管現象による(e)雨水の浸入を防ぐようにする。

1.(a) 垂直
2.(b) 200
3.(c) 200
4.(d) 入れて
5.(e) 風
(解答)

 3

長尺金属板葺の下葺のアスファルトルーフィングは軒先と平行に敷き込み、軒先から順次棟へ向かって張り、隣接するルーフィングとの重ね幅は、流れ方向(上下)は100mm以上、長手方向(左右)は200mm以上重ね合わせる。

長尺金属板を現場等で折り曲げる場合は、地肌に亀裂が生じないように十分曲げ半径を取り、切れ目を入れずに塗装、めっきを行う。(建築工事監理指針)

図13.2.7_下葺材の施工例

図13.2.8_下葺材の施工例(粘着層による仮留め例)

※建築工事監理指針 13章2節 長尺金属板葺より

4.内装の床張物下地をセルフレベリング材塗りとする場合、(a)度を一定に練り上げたセルフレべリング材を、レベルに合わせて流し込む。流し込み中はできる限り通風を(b)良くして作業を行う。施工後の養生期間は、常温で (c)日以上、冬期間は (d)14日以上とし、施工場所の気温が (e) 5°C以下の場合は施工しない。

1.(a) 硬
2.(b) 避けて
3.(c) 3
4.(d) 28
5.(e) 3
(解答)

 2

セルフレベリング材が硬化する前に風が当たると、表層部分だけが動いて硬化後にしわが発生する場合がある。したがって、流し込み作業中はできる限り通風をなくして、施工後もセルフレベリング材が硬化するまでは、はなはだしい通風は避ける。(建築工事監理指針)

5.PCカーテンウォールの (a)ファスナー方式には、ロッキング方式、スウェイ方式がある。
ロッキング方式はPCパネルを (b)回転させることにより、また、スウェイ方式は上部、下部ファスナーの (c)両方をルーズホールなどで (d)滑らせることにより、PCカーテンウォールを(e)層間変位に追従させるものである。

1.(a) 取付
2.(b) 滑らせる
3.(c) どちらか
4.(d) 回転させる
5.(e) 地震
(解答)

 3

ロッキング方式はPCパネルを回転させることにより、また、スウェイ方式は上部、下部ファスナーのどちらかをルーズホールなどで滑らせることにより、PCカーテンウォールを層間変位に追従させるものである。

6.塗装工事における研磨紙ずりは、素地の汚れや錆、下地に付着している(a)塵埃を取り除いて素地や下地を(b)粗面にし、かつ、次工程で適用する塗装材料の (c) 付着性を確保するための足掛かりをつくり、(d) 仕上りを良くするために行う。
研磨紙ずりは、下層塗膜が十分 (e)乾燥した後に行い、塗膜を過度に研がないようにする。

1.(a) 油分
2.(b) 平滑
3.(c) 作業
4.(d) 回転させる
5.(e) 硬化
(解答)

 2

塗装工事における研磨紙ずりは、素地の汚れや錆、下地に付着している塵埃を取り除いて素地や下地を平滑にし、かつ、次工程で適用する塗装材料の付着性を確保するための足掛かりをつくり、仕上りを良くするために行う。(JASS18)

7.居室の壁紙施工において、壁紙及び壁紙施工用(a)でん粉系接着剤の(b)ホルムアルデヒド放散量は、一般に、F(c)☆☆☆☆としている。また、防火材の認定の表示は防火製品表示 (d)ラベルを1区分(1室)ごとに(e)枚以上張り付けて表示する。

1.(a) 溶剤
2.(b) シンナー
3.(c) ☆☆☆
4.(d) シール
5.(e) 2
(解答)

 5

昭和44年、当時の建設省住宅指導課長通達の「現場施工後の防火材料の表示については各室又はこれに準ずる用途上の区分ごとに少なくとも2カ所以上に表示マークを付すること。」に基づき行われている。

8.コンクリート打放し仕上げ外壁のひび割れ部の改修における樹脂注入工法は、外壁のひび割れ幅が0.2mm以上 (a) 2.0mm以下の場合に主に適用され、シール工法や(b)Uカットシール材充填工法に比べ(c)耐久性が期待できる工法である。
挙動のあるひび割れ部の注入に用いるエポキシ樹脂の種類は、(d) 質形とし、粘性による区分が(e) 粘度形又は中粘度形とする。

1.(a) 1.0
2.(b) V
3.(c) 耐水
4.(d) 硬
5.(e) 高
(解答)

 1

樹脂注入工法は、ひび割れ幅が0.2mm以上 1.0mm以下の場合に主に適用される。

令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題6 解答解説

令和3年 1級建築施工管理技士 二次 問題6 解答解説

次の1.から3.の各法文において、[  ] に当てはまる正しい語句を、下の該当する枠内から1つ選びなさい。
1.建設業法(請負契約とみなす場合)
第24条
委託その他いかなる [ ① ] をもってするかを問わず、[ ② ]を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。

① 1.業務、2.許可、3.立場、4.名義、5.資格 
② 1.報酬、2.利益、3.許可、4.承認、5.信用 
(解答)

 ① 4

 ② 1

第24条(請負契約とみなす場合)

委託その他いかなる名義をもってするかを問わず、報酬を得て建設工事の完成を目的として締結する契約は、建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。

2.建築基準法施行令(建て方)
第136条の6
建築物の建て方を行なうに当たっては、仮筋かいを取り付ける等荷重又は外力による[ ③ ]を防止するための措置を講じなければならない。
2.鉄骨造の建築物の建て方の [ ④ ]は、荷重及び外力に対して安全なものとしなければ

③ 1.事故、2.災害、3.変形、4.傾倒、5.倒壊 
④ 1.ワイヤロープ、2.仮筋かい、3.仮締、4.本締、5.手順 
(解答)

 ③ 5

 ④ 3

第136条の6(建て方)

建築物の建て方を行なうに当たっては、仮筋かいを取り付ける等荷重又は外力による倒壊を防止するための措置を講じなければならない。

2 鉄骨造の建築物の建て方の仮締は、荷重及び外力に対して安全なものとしなければならない。

3.労働安全衛生法(元方事業者の講ずべき措置等)
第29条
元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な [ ⑤ ]を行なわなければならない。
2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反していると認めるときは、[ ⑥ ]のため必要な指示を行なわなければならない。
3(略)

⑤ 1.説明、2.教育、3.指導、4.注意喚起、5.契約 
⑥ 1.衛生、2.是正、3.改善、4.安全、5.健康 
(解答)

 ⑤ 3

 ⑥ 2

第 29 条(元方事業者の講ずべき措置等)

元方事業者は、関係請負人及び関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の規定に違反しないよう必要な指導を行わなければならない。

2 元方事業者は、関係請負人又は関係請負人の労働者が、当該仕事に関し、この法律又はこれに基づく命令の 規定に違反していると認められるときは、是正のため必要な指示を行わなければならない。

3 前項の指示を受けた関係請負人又はその労働者は、当該指示に従わなければならない。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題1 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)

問題1

建築工事の施工者は、設計図書に基づき、施工技術力、マネジメント力等を駆使して、要求された品質を実現させるとともに、設定された工期内に工事を完成させることが求められる。
あなたが経験した建築工事のうち、品質を確保したうえで、施工の合理化を行った工事を1つ選び、工事概要を具体的に記述したうえで、次の 1.及び 2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

[ 工事概要 ]
イ.工事名
ロ.工事場所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、
延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、
主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、建物規模、
主な改修内容及び施工数量
ニ.工期 (年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場

1.工事概要であげた工事において、あなたが実施した現場における労務工数の軽減、工程の短縮などの施工の合理化の事例を2つあげ、次の①から④について記述しなさい。

ただし、2つの事例の②から④は、それぞれ異なる内容を具体的に記述するものとする。

① 工種又は部位等
② 実施した内容と品質確保のための留意事項
③ 実施した内容が施工の合理化となる理由
④ ③の施工の合理化以外に得られた副次的効果

解答試案

工事の概要 [ 略 ]

1)事例1

① 工種又は部位等:鉄筋工事、型枠工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

躯体工事の工程短縮と品質確保のため、鉄筋工事において、梁鉄筋先組工法を採用した。また、型枠工事においては、床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用した。デッキプレート工法は所定の方法で十分に固定され安全であるか確認できるように留意した。

③施工の合理化となる理由:

鉄筋を先組みすることにより、現場作業が軽減できるので、作業効率が上がり工期短縮につながる。また、トラス筋付きデッキプレートを使うことにより、現場での配筋作業・型枠解体作業が軽減できる。

④ 副次的効果:

地組で配筋できるため、施工精度を高くすることができ、各梁の配筋検査も余裕をもって行え、配筋の品質確保につながる。

2)事例2

① 工種又は部位等:木工事(内部間仕切り壁下地)

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

仕上げ工事の工期短縮のため、内部間仕切り壁下地に、パネル枠(壁の長さ、高さに合わせた材木枠内に胴縁を組み込んだもの)を採用した。必要なピッチで胴縁が入っているか、施工図にて十分に確認を行った。

③ 施工の合理化となる理由:

工場内生産品の間仕切りを取り付けるだけなので、造作大工の手間が省略_化でき、工期短縮につながる。

④ 副次的効果:

内部間仕切り壁の品質が均一に保たれ、作業員の技量によるばらつきがなくなるため品質が確保できる。

3)事例3

① 工種又は部位等:コンクリート工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

最上階屋根パラペットのプレキャストコンクリート化を行った。屋根スラブには水勾配があるので、パラペットの部位によって鉄筋の差筋に注意した。

③ 施工の合理化となる理由:

予め工場にて製作することにより、現場での配筋工程を大幅削減することができた。

④ 副次的効果:

プレキャスト工場で製作することにより、現場で施工するよりも高い品質を確保するできた。

4)事例4

① 工種又は部位等:型枠工事、鉄筋工事

② 実施した内容と品質確保のための留意事項:

型枠工事、鉄筋工事において床型枠にトラス筋付きデッキプレート工法を採用して施工の合理化を実施した。品質確保のため床開口の大きさ、補強等はメーカーの仕様に従うこと、コンクリート打設前に、上端筋、下筋筋、ラチス材等を切断しないことなどに留意した。

③ 施工の合理化となる理由:

トラス筋付きデッキプレート工法は、デッキプレートとトラス筋が一体となっているので、コンクリート打設時には型枠として、硬化後にはトラス筋がスラブ主筋となる構造であり、型枠工事と鉄筋工事を同時に施工できるので合理化となる。

④ 副次的効果:

鉄筋と型枠デッキの一体化により、配筋の乱れが少なく、かぶり厚さが一定で精度のよい配筋が可能となる。

2. 工事概要にあげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験に照らして、施工の合理化 の取組みのうち、品質を確保しながらコスト削減を行った事例を 2つあげ、①工種又は部位等、②施工の合理化の内容とコスト削減できた理由について具体的に記述しなさい。

なお、コスト削減には、コスト増加の防止を含む。
ただし、2つの事例は、1.②から④とは異なる内容のものとする。

解答試案

事例1)

①【 工種 】:外壁石張り工事

②【合理化の内容】

湿式石張り工事を乾式石張り工事に切り替えて施工した。

【コスト削減できた理由】

外壁石張り工事の工期を大幅に短縮できたので、総合的にコストの削減につながった。

事例2)

①【 工種 】:内装工事

②【合理化の内容】

外壁内側の仕上げについて、壁のモルタル塗りを石こうボード直張り工法に変更した。

【コスト削減できた理由】

モルタル塗りと比較して材料の搬入、養生期間が少なく工期短縮がはかれてコスト削減につながった。

事例3)

①【 工種 】:外壁改修工事

②【合理化の内容】

集合住宅の修繕工事における外壁改修工事において、枠組み足場による足場工法からゴンドラによる無足場工法に変更して、施工の合理化を実施した。

【コスト削減できた理由】

足場の組立て、解体の作業が不要となり、ゴンドラの設置費用に比較して、過大な足場の組立て、解体費用がなくなることによるコスト削減ができた。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題2
次の 1.から 3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ 2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や要求性能墜落制止用器具などの保護具の使用、気象条件、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.外部枠組足場

解答試案

[外部枠組足場]

①建地脚部の滑動・沈下防止措置として、足場の足元は十分に突き固めて、平滑さを確認してから敷板を並べる。また、足元は足場用ベース金具で敷角材または敷板に釘止めとし、脚部には根がらみを設ける。

②筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の間隔及び締付け、壁つなぎのアンカーボルトは、躯体にしっかりと打ち込み、控えの間隔は、垂直方向は9m以下、水平方向は8m以下とする。

2.コンクリートポンプ車

解答試案

①転倒防止の為、アウトリガは常に両側を最大に張り出し、アウトリガジャッキは受盤木を敷いて完全に設置させる。

②圧送中の閉塞や破裂がないように、打込み・締固め作業と連携した無理のない吐出量による安全な圧送・配分作業を行う。

3.建設用リフト

解答試案

①建設用リフトの搬器に労働者を乗せない。建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせない。

②建設用リフトのピットをそうじするときは、搬器の落下防止措置を講じる。建設用リフトの運転者を、 搬器を上げたままで、運転位置から離れさせない。

③(訂正有)最大積載荷重、 最大搭乗人員を現地に表示し、 その機能と能力を十分に理解するとともに能力と使用上の制限事項等を厳守させて使用する。→ 建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。

④搬器の昇降及びワイヤロープの走行により作業員の危険が生ずる恐れのある箇所は、 囲いを設け立入り禁止と する。

⑤安全装置が機能を発揮できるように、常に整備されているかを確認する。

————————————————

建設用リフトについては、

クレーン等安全規則第 181,182,184,185,186,187,188 条及び第 190 条に次のように規定されている。下記のうちから、安全に使用するための留意事項を、2 つ 具体的に記述する。

(使用の制限)

第181条

事業者は、建設用リフトについては、厚生労働大臣の定める基準(建設用リフトの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。

(巻過ぎの防止)

第182条

事業者は、建設用リフトについて、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープ の巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

(過負荷の制限)

第184条

事業者は、建設用リフトにその積載荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない

(運転の合図)

第185条

事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、建設用リフトの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。

2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければなら

ない。

3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。

(とう乗の制限)

第186条

事業者は、建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。ただし、建設用リフトの修理、調整、点検等の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者に危険を生ずるおそれのない措置を講ずるときは、この限りでない。

2 労働者は、前項ただし書の場合を除き、建設用リフトの搬器に乗ってはならない

(立入禁止)

第187条

事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、次の場所に労働者を立ち入らせてはならない

一 建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所

二 建設用リフトの巻上げ用ワイヤロープの内角側で、当該ワイヤロープが通っているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しくはその取付具が飛来することにより労働者に危険を生ずるおそれのある箇所

(ピット等をそうじする場合の措置)

第188条

事業者は、建設用リフトのピット又は基底部をそうじするときは、昇降路に角材、丸太等の物をかけ渡してその物の上に搬器を置くこと、止め金付きブレーキによりウインチを確実に制動しておく等搬器が落下することによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。

(運転位置からの離脱の禁止)

第190条

事業者は、建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、 運転位置から離れさせてはならない。

2 前項の運転者は、搬器を上げたままで、運転位置を離れてはならない

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題3 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題3
次の 1.から 8.の各記述において、記述ごとの箇所番号①から③の下線部の語句又は数値のうち最も不適当な箇所番号を 1 つあげ、適当な語句又は数値を記入しなさい。
1.つり足場における作業床の最大積載荷重は、現場の作業条件等により定めて、これを超えて使用してはならない。
つり足場のつり材は、ゴンドラのつり足場を除き、定めた作業床の最大積載荷重に対して、使用材料の種類による安全係数を考慮する必要がある。
安全係数は、つりワイヤロープ及びつり鋼線は ① 7.5以上、つり鎖及びつりフックは② 5.0以上、つり鋼帯及びつり足場の上下支点部は鋼材の場合③ 2.5 以上とする。

解答

① 10以上

労働安全衛生規則第562条第2項より

つり部材の種類   安全係数

つりワイヤロープ  10以上

つり鎖(チェーン) 5以上

台付けワイヤロープ 4以上

玉掛けワイヤロープ 6以上

労働安全衛生規則第562条(最大積載荷重)

事業者は、足場の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、かつ、これを超えて積載してはならない。

2 前項の作業床のい最大積載荷重は、つり足場(ゴンドラのつり足場を除く。以下この説において同じ。)にあっては、つりワイヤロープ及びつり鋼線の安全係数が 10以上、つり鎖及びつりフックの安全係数が 5以上並びにつり鋼帯並びにつり足場の下部及び上部の支点の安全係数が鋼材にあっては 2.5以上、木材にあっては 5以上となるように、定めなければならない。

2.地下水処理における排水工法は、地下水の揚水によって水位を必要な位置まで低下させる工法
であり、地下水位の低下量は揚水量や地盤の①透水性によって決まる。
必要揚水量が非常に②多い場合、対象とする帯水層が深い場合や帯水層が砂礫層である場合には、③ウェルポイント工法が採用される。

解答

③ディープウェル工法

ディープウェル工法は、必要揚水量が非常に多い場合、対象帯水層が深い場合、帯水層が砂_礫層である場合など、ウェルポイント工法で処理できない場合に採用する。(建築工事監理指針)

3.既製コンクリート杭の埋込み工法において、杭心ずれを低減するためには、掘削ロッドの振れ 止め装置を用いることや、杭心位置から直角二方向に逃げ心を取り、掘削中や杭の建込み時にも 逃げ心からの距離を随時確認することが大切である。
一般的な施工精度の管理値は、杭心ずれ量が① D/4以下(D は杭直径)、かつ、② 150mm以下、傾斜③ 1/100以内である。

解答

② 100mm

杭の施工精度として、一般的に「施工完了後の杭頭の水平方向の位置ずれは D/4 かつ 100 mm以下 」また「杭の傾斜は 1/100 以内」である。(JASS 4)

4.鉄筋工事において、鉄筋相互のあきは粗骨材の最大寸法の 1.25 倍、① 20mm 及び隣り合う鉄筋 の径(呼び名の数値)の平均値の② 1.5倍のうち最大のもの以上とする。
鉄筋の間隔は鉄筋相互のあきに鉄筋の最大外径を加えたものとする。
柱及び梁の主筋のかぶり厚さは D29 以上の異形鉄筋を使用する場合は径(呼び名の数値)の③ 1.5 倍以上とする。

解答

①25mm

鉄筋相互のあき寸法は、次の値のうちの最大のもの以上とする。

・粗骨材の最大寸法の 1.25倍

・ 25mm

・隣り合う鉄筋の平均径の1.5倍

(異形鉄筋の呼び名の数値)

5.型枠工事における型枠支保工で、鋼管枠を支柱として用いるものにあっては、鋼管枠と鋼管枠との間に① 交差筋かいを設け、支柱の脚部の滑動を防止するための措置として、支柱の脚部の固定及び② 布枠の取付けなどを行う。
また、パイプサポートを支柱として用いるものにあっては、支柱の高さが 3.5mを超えるときは、高さ 2m 以内ごとに③ 水平つなぎを2方向に設けなければならない。

解答

②根がらみ

「 支柱の脚部の固定、根がらみの取付け等支柱の脚部の滑動を防止するための措置を講ずること」(労働安全衛生規則第242条 第2号)とされている。

6.型枠の高さが① 4.5m以上の柱にコンクリートを打ち込む場合、たて形シュートや打込み用ホースを接続してコンクリートの分離を防止する。
たて形シュートを用いる場合、その投入口と排出口との水平方向の距離は、垂直方向の高さの約② 1/2以下とする。
また、斜めシュートはコンクリートが分離しやすいが、やむを得ず斜めシュートを使用する場合で、シュートの排出口に漏斗管を設けない場合は、その傾斜角度を水平に対して③ 15度以上とする。

解答

③ 30度以上

シュートはたて形とし、やむを得ず斜めシュートを用いる場合は、傾斜角度を30度以上とする。これは、コンクリートの横流れを防止するためである。

7.溶融亜鉛めっき高力ボルト接合に用いる溶融亜鉛めっき高力ボルトは、建築基準法に基づき認定を受けたもので、セットの種類は1種、ボルトの機械的性質による等級は① F8T が用いられる。
溶融亜鉛めっきを施した鋼材の摩擦面の処理は、すべり係数が 0.4以上確保できるブラスト処理又は② りん酸塩処理とし、H 形鋼ウェブ接合部のウェブに処理を施す範囲は、添え板が接する部分の添え板の外周から 5mm 程度③ 外側とする。

解答

③内側

JASS6より

8.鉄骨の現場溶接作業において、防風対策は特に配慮しなければならない事項である。
アーク熱によって溶かされた溶融金属は大気中の酸素や① 窒素が混入しやすく、凝固するまで適切な方法で外気から遮断する必要があり、このとき遮断材料として作用するものが、ガスシールドアーク溶接の場合は② シールドガスである。
しかし、風の影響により② シールドガスに乱れが生じると、溶融金属の保護が不完全になり溶融金属内部に③ アンダーカットが生じてしまう。

解答

③ブローホール

風の影響で発生しやす溶接不良はアンダーカットではブローホールである。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題4 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題4
次の 1.から 4.の問いに答えなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、材料(仕様、品質、保管等)、作業環境(騒音、振動、気象条件等)及び作業員の安全に関する記述は除くものとする。
1.タイル工事において、有機系接着剤を用いて外壁タイル張りを行うときの施工上の留意事項 2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地及びタイルの割付けに関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①接着剤の1回の塗付け面積は3m2以内で30分以内に張り終える面積とする。

②接着剤は金ごて等で厚さ 3mm程度に平坦に塗布し、所定のくし目ごてを用いてくし目をたてる。

2.屋根工事において、金属製折板屋根葺を行うときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。

解答試案

【 留意事項 】

①タイトフレームの幅、板厚および必要溶接長は、想定される風荷重に対する必要強度で決定されているので、遵守する。

②小梁などの母材に直接タイトフレームを溶接する際には、ショートビートにならないよう溶接長40mm以上を確保する。

3.内装工事において、天井仕上げとしてロックウール化粧吸音板を、せっこうボード下地に張るときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①せっこうボード張りの目地と、ロックウール化粧吸音板の目地の位置が重ならないように、50mm以上ずらす。

②接着剤は15点以上の点付けとし、塗布量は 1m2当たり150~180gを標準とする。

(解説)

室内天井せっこうボード下地へのロックウール化粧吸音板張り工事における施工上の留意事項としては、他に以下のもの等がある。

①段違い、目違い、すき間、角欠けがないように、丁寧に張り付ける。

②ステーブル(白塗装品)の打込み後は、ステーブルの浮きがないことを確認する。

③ステーブルの打込み方向は、仕上げパターンの方向と平行にする。

4.断熱工事において、吹付け硬質ウレタンフォームの吹付けを行うときの施工上の留意事項2つ、具体的に記述しなさい。ただし、下地に関する記述は除くものとする。

解答試案

【 留意事項 】

①上吹きの際は、ウレタン発泡機により施工面から500mm〜1000mm離し、施工面に対して直角にスプレーアガンを維持し、硬質ウレタンフォーム原料を2回目の吹き付けにより所定の厚さに仕上げる。

②厚み不足の場合は、必要な厚みになるように積層吹きする。但し、各層の厚みは 25mm以下に抑えて施工当日の施工層厚みは 80mm以下とする。

令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題5 解答解説

令和2年度 1級建築施工管理技術検定 実地 解答例

実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題5
市街地での事務所ビルの内装工事において、各階を施工量の異なるA工区とB工区に分けて工事を行うとき、右の内装仕上げ工事工程表(3階)に関し、次の 1.から 4.の問いに答えなさい。
工程表は計画時点のもので、検査や設備関係の作業については省略している。
各作業班の作業内容及び各作業に必要な作業員数は作業内容表のとおりであり、Aで始まる作業名はA工区の作業を、Bで始まる作業名はB工区の作業を、Cで始まる作業名は両工区同時に行う作業を示すが、作業A4及び作業B4については作業内容を記載していない。
各作業班は、それぞれ当該作業のみを行い、各作業内容共、A工区の作業が完了してからB工区の作業を行うものとする。また、工区内では複数の作業を同時に行わず、各作業は先行する作業が完了してから開始するものとする。なお、各作業は一般的な手順に従って施工されるものとする。
[ 工事概要 ]
用 途:事務所
構造・規模:鉄筋コンクリート造、
地上6階、塔屋1階、
延べ面積 2,800 m2
仕上げ:床は、フリーアクセスフロア下地、
タイルカーペット仕上げ
間仕切り壁は、軽量鉄骨下地せっこうボード張り、
ビニルクロス仕上げ
天井は、システム天井下地、
ロックウール化粧吸音板取付け
なお、3階の仕上げ工事部分床面積は 455 m2
(A工区:273 m2、B工区 182 m2)である。

1.作業A4及び作業B4の作業内容を記述しなさい。

解答

上記の仕上げ工事の項目より「ビニルクロス仕上げ」とあるので、

作業A4及び作業B4の作業は「壁ビニルクロス張り」

と考えられる。

2.作業B2のフリーフロートを記入しなさい。

解答

フリーフロートとはその作業にだけ自由な余裕のことである。

B2の作業は、壁せっこうボード張りであるが、

次の工程B3 システム天井の作業の開始前に終了しておく必要がある。

A工区におけるA3作業終了日数が

2(A2)+ 5(A3) = 7 日なので

B工区におけるB2作業のフリーフロートは

7 – 2(B1)- 3(B2)= 2 (日)

となる。

ただし、A2及びB1にフリーフロートがないことに注意する。

3.(始)から(終)までの総所要日数と、工事を令和3年2月8日(月曜日)より開始するときの工事完了日を記入しなさい。ただし、作業休止日は、土曜日、日曜日及び祝日とする。
なお、2月8日以降3月末までの祝日は、建国記念の日(2月11日)、天皇誕生日(2月23日)、春分の日(3月20日)である。

解答

総所要日数 24日

工事完了日 3月15日

[ 解説 ]

クリティカルパスは以下のようになる

1(C1)+3(A1)+2(A2) +5(A3)+3(A4)+4(A5)+3(B5)+2(B6)+1(C2)

=24日

これにより、土曜日、日曜日、及び祝日を除いた日をカウントし、3月15日となる。

4. 次の記述の [  ] に当てはまる数値をそれぞれ記入しなさい。
総所要日数を変えずに、作業B2及び作業B4の1日当たりの作業員の人数をできるだけ少なくする場合、作業 B2の人数は [ あ ] 人に、作業B4の人数は [ い ] 人となる。ただし、各作業に必要な作業員の総人数は変わらないものとする。

解答

あ.3人

い.2人

[ 解説 ]

・B2の作業内容は壁せっこうボード張りで、 1日あたりの作業人数は 5人である。

B2の作業は、3日 × 5人工であるのに対して、B2の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、5日ですればよい作業である。

∴ 3日 × 5人工 = 5日 × 3人工

・B4の作業内容はビニルクロス仕上げで、 1日あたりの作業人数は 4人である。

B4の作業は、2日 × 4人工であるのに対して、B4の作業に対してはフリーフロートが 2日あり、4日ですればよい作業である。

∴ 2日 × 4人工 = 4日 × 2人工