令和6年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説
建築工事における次の1.から3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を,それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし,1.から3.の解答はすべて異なる内容の記述とし,保護帽や要求性能墜落制止用器具等の保護具の使用,気象条件,資格,免許及び届出に関する記述は除くものとする。
また,使用資機材に不良品はないものとし,2.を除き保守点検に関する記述は不可とする。
1.バケット容量0.5m3 程度のバックホウ
記述例
①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。
②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。
(解説)
バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。
②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その_者に誘導させる。
③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。
2.工事用の仮設電力設備
記述例
①仮設電力の引込位置は、電力負荷設備の種類・位置を考慮して計画する。
②工事用電力使用の工程計画、負荷設備容量の山積みをもとに、受電容量を検討し計画する。
(解説)
その他、以下のもの等があるので、これを参考に具体的に記述する。
1)着工から竣工まで仮設電力の過不足がないように、仮設計画により、幹線の配線計画、負荷設備の配線計画について検討する。
2)工事完成までの支障のないように、仮設引込の配置、負荷設備の種類、位置について検討し計画する。
3.ホイール式垂直昇降型の高所作業車
記述例
①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。
②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。
(解説)
高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。
②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。
③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。
④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。
⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。
令和5年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説
問題2
建築工事における次の 1.から 3.の仮設物の設置を計画するに当たり、 留意すべき事項及び検討すべき事項を、それぞれ 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。
また、使用資機材に不良品はないものとする。
1. くさび緊結式足場
解答試案
・くさび緊結式足場の建地の間隔は、桁行方向1.85m以下、梁間方向 1.5m以下とする。
・くさび緊結式足場の地上第1の布の高さは、2.0m以下とし、布の上下方向の間隔は、2m以下とする。
など
基本的には、労働安全衛生規則 第571条(くさび緊結式足場)第1項を参照するとよい。
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2. 建設用リフト
解答試案
・建設用リフトの搬器に労働者を乗せない。建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある部分に労働者を立ち入らせない。
・建設用リフトのピットをそうじするときは、搬器の落下防止措置を講じる。建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、運転位置から離れさせない。
・最大積載荷重を現地に表示し、その機能と能力を十分に理解するとともに能力と使用上の制限事項等を厳守させて使用する。
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3. 場内仮設道路
解答試案
・資機材の運搬車両、工事用機械等、さまざまな用途の車両の通行を考慮し、道路の位置と幅員について検討する。
・地耐力を確認し、機械接地圧と比較検討を行う。なお、地耐力が不足している場合は、地盤改良工事を行う。
・杭打機など大型の工事用機械は接地圧が大きいので、整地後に切込砂利を敷き、十分転圧してから鋼板を敷く。
令和4年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説
問題2
建築工事における次の1.から3.の災害について、施工計画に当たり事前に検討した事項として、災害の発生するおそれのある状況又は作業内容と災害を防止するための対策を、それぞれ2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とする。また、保護帽や要求性能墜落制止用器具の使用、朝礼時の注意喚起、点検や整備などの日常管理、安全衛生管理組織、新規入場者教育、資格や免許に関する記述は除くものとする。
1.墜落、転落による災害
解答試案
【 解答例 】
① 外壁タイル張り工事作業における足場からの転落事故を防ぐため、足場の作業床の幅は40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、かつ床材と建地との間隔を12cm以下とする。
② ダメ穴等の床開口部からの作業員の墜落事故を防止するため、大きな開口部分には手すりを設けるとともに、安全ネットの設置を計画する。
2.崩壊、倒壊による災害
解答試案
①足場計画において、建地脚部の滑動・沈下防止措置として、足場の足元は十分に突き固めて、平滑さを確認してから敷板を並べる。また、足元は足場用ベース金具で敷角材または敷板に釘止めとし、脚部には根がらみを設ける。
②枠組み足場計画において、筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の間隔及び締付け、壁つなぎのアンカーボルトは、躯体にしっかりと打ち込み、控えの間隔は、垂直方向は9m以下、水平方向は8m以下とする。
③風に対して倒壊防止の措置を取る。
(解説)
外部足場については、JASS2(仮設工事)5.2「足場の保守管理」などを参考にする。
3.移動式クレーンによる災害
解答例
①移動式クレーンが転倒するおそれがあるような軟弱地盤ではないか確認し、転倒するおそれがある地盤には、転倒を防止するための必要な広さ及び強度を有する鉄板等が敷設する。
②アウトリガーを有する移動式クレーンを使用する場合には、アウトリガーを最大限に張り出して作業を行う。
③移動式クレーンの上部旋回_体と接触するおそれのある場所、吊り荷の落下による危険がある場所へ立ち入り禁止の措置をとる。
令和3年1級建築施工管理技士 二次検定 問題2 解答解説
問題2
次の1.から3.の建築工事における仮設物の設置を計画するに当たり、留意及び検討すべき事項を2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.仮設ゴンドラ
(記述例)
平成29年度に出題された問題である。
①ゴンドラを設置するための突りょうは、取り付ける位置と形状に適したものとし、十分な強度を確保できるものとする。
②定格速度は、ゴンドラの作業床に積載荷重に相当する荷重のものをのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。
③ゴンドラの選定及び設置位置については、ゴンドラ作業の内容を十分把握・検討し、作業内容に最適な計画とする。
(解説)
・ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を確保する計画とする。
2.場内仮設事務所
(記述例)
平成25年度に出題された問題である。
①事務所本体、外構、埋設設備等の工事に支障のない位置とする。
②出来る限り作業の状況が確認しやすく、また資材の動き、人の動きが見える所とする。
[ 解説 ]
場内仮設事務所の計画での留意事項または検討すべき事項については、以下の①~③等がある。
①設計・工事事務所の現場の出入口に近く、かつ、現場の状況がよく見える位置に計画する。
②設計事務所と工事事務所の位置は、両者の打合せがスムーズにできるよう、近接位置とする。
③仮設事務所の位置は、工事の終了間際まで使用できる位置とする。
3.工事ゲート(車両出入口)
(記述例)
平成23年度に出題された問題である。
①ゲートの幅は、搬入を計画する車両が無理なく道路から進入可能な回転半径を確保し、ゲートの梁または上部枠の高さは、車両限界高さの3.8mを超える高さを確保することに留意検討して計画する。
②ゲートの構造として、歩行者が安全歩行できる滑り止めの仕上げを確保すること。また、車両出入口であることを示すがめのトラマークと表示看板や警報灯や警報設備等も検討する。
③ゲートとして安全に侵入者を防ぎ、完全防備な機能を備えていること。また、強風に対しても安全な強度を備えた構造を持つように留意し検討する。
④交差点の近くや交通量の多い道路を避けて配置し、ゲートそばの仮囲い板を透明にして、歩行者等が目視できるように留意、検討する。
(解説)
工事現場は、原則として危害防止のため仮囲いを設けなければならないが、資機材の搬出入のため、大型車両が出入りする。このために第三者との接点になるゲートの設置については、特に第三者災害をいかに防ぐかを第一として、留意、検討しなければならない。
令和2年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説
実施日:令和 3年 2月 21日(日)
問題2
次の 1.から 3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ 2つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や要求性能墜落制止用器具などの保護具の使用、気象条件、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.外部枠組足場
解答試案
[外部枠組足場]
①建地脚部の滑動・沈下防止措置として、足場の足元は十分に突き固めて、平滑さを確認してから敷板を並べる。また、足元は足場用ベース金具で敷角材または敷板に釘止めとし、脚部には根がらみを設ける。
②筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の間隔及び締付け、壁つなぎのアンカーボルトは、躯体にしっかりと打ち込み、控えの間隔は、垂直方向は9m以下、水平方向は8m以下とする。
2.コンクリートポンプ車
解答試案
①転倒防止の為、アウトリガは常に両側を最大に張り出し、アウトリガジャッキは受盤木を敷いて完全に設置させる。
②圧送中の閉塞や破裂がないように、打込み・締固め作業と連携した無理のない吐出量による安全な圧送・配分作業を行う。
3.建設用リフト
解答試案
①建設用リフトの搬器に労働者を乗せない。建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所に労働者を立ち入らせない。
②建設用リフトのピットをそうじするときは、搬器の落下防止措置を講じる。建設用リフトの運転者を、 搬器を上げたままで、運転位置から離れさせない。
③(訂正有)最大積載荷重、 最大搭乗人員を現地に表示し、 その機能と能力を十分に理解するとともに能力と使用上の制限事項等を厳守させて使用する。→ 建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。
④搬器の昇降及びワイヤロープの走行により作業員の危険が生ずる恐れのある箇所は、 囲いを設け立入り禁止と する。
⑤安全装置が機能を発揮できるように、常に整備されているかを確認する。
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建設用リフトについては、
クレーン等安全規則第 181,182,184,185,186,187,188 条及び第 190 条に次のように規定されている。下記のうちから、安全に使用するための留意事項を、2 つ 具体的に記述する。
(使用の制限)
第181条
事業者は、建設用リフトについては、厚生労働大臣の定める基準(建設用リフトの構造に係る部分に限る。)に適合するものでなければ使用してはならない。
(巻過ぎの防止)
第182条
事業者は、建設用リフトについて、巻上げ用ワイヤロープに標識を付すること、警報装置を設けること等巻上げ用ワイヤロープ の巻過ぎによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
(過負荷の制限)
第184条
事業者は、建設用リフトにその積載荷重をこえる荷重をかけて使用してはならない。
(運転の合図)
第185条
事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、建設用リフトの運転について一定の合図を定め、合図を行なう者を指名して、その者に合図を行なわせなければならない。
2 前項の指名を受けた者は、同項の作業に従事するときは、同項の合図を行なわなければなら
ない。
3 第一項の作業に従事する労働者は、同項の合図に従わなければならない。
(とう乗の制限)
第186条
事業者は、建設用リフトの搬器に労働者を乗せてはならない。ただし、建設用リフトの修理、調整、点検等の作業を行なう場合において、当該作業に従事する労働者に危険を生ずるおそれのない措置を講ずるときは、この限りでない。
2 労働者は、前項ただし書の場合を除き、建設用リフトの搬器に乗ってはならない。
(立入禁止)
第187条
事業者は、建設用リフトを用いて作業を行なうときは、次の場所に労働者を立ち入らせてはならない。
一 建設用リフトの搬器の昇降によって労働者に危険を生ずるおそれのある箇所
二 建設用リフトの巻上げ用ワイヤロープの内角側で、当該ワイヤロープが通っているシーブ又はその取付け部の破損により、当該ワイヤロープがはね、又は当該シーブ若しくはその取付具が飛来することにより労働者に危険を生ずるおそれのある箇所
(ピット等をそうじする場合の措置)
第188条
事業者は、建設用リフトのピット又は基底部をそうじするときは、昇降路に角材、丸太等の物をかけ渡してその物の上に搬器を置くこと、止め金付きブレーキによりウインチを確実に制動しておく等搬器が落下することによる労働者の危険を防止するための措置を講じなければならない。
(運転位置からの離脱の禁止)
第190条
事業者は、建設用リフトの運転者を、搬器を上げたままで、 運転位置から離れさせてはならない。。
2 前項の運転者は、搬器を上げたままで、運転位置を離れてはならない。
令和元年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説
問題2
次の1.から3.の建築工事における仮設物について、設置計画の作成に当たり検討すべき事項を、それぞれ2つ、留意点とともに記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1.荷受け構台
解答試案
__【 荷受け構台 】
① 資機材の搬出入に適した位置に設け、揚重機の能力、揚重資機材の形状・寸法・数量に応じた形状、規模とし、積載荷重等に対して安全な構造とする。
② 材料構台兼用の場合、工事の進捗度に応じた資機材のストック量を想定して積載荷重を検討する。
③工事の進捗しても施工がし易いように、施工手順を考慮して設置位置を決める。
④揚重材料の大きさ、重量に耐えられるように留意する。
2.鋼板製仮囲い(ゲート及び通用口を除く)
解答試案
__【 鋼板製仮囲い 】
①風圧による倒壊防止対策として、支柱間隔を適切に保持し、控えパイプ及び 埋込み材を堅固に固定する。
②工事現場内からの雨水等が流出しないように、幅木やコンクリート製の土手を設置するなど、すき間のないような構造とする。
③使用材料は、鋼鈑の高さに応じて、断面性能を確認のうえ、許容耐力以下で使用する。
④鉛直部材間の緊結状態を確保する。
⑤敷地地盤の形状に合わせて、雨水、泥の流出防止を図る。
3.工事用エレベーター
解答試案
【 工事用エレベーター 】
①停止階には必ず出入口及び荷卸し口の遮断設備を設ける。
②昇降路は人が出入りできないように、また、積荷の落下、飛散がないように外周をネット、金網等で養生する。
③設置場所周辺の作業内容を考慮し、作業員及び長尺の資材等が昇降路内に入らないよう養生囲いを設ける。
④ロングスパン工事用エレベーターは、搬器の傾きが、1/10の勾配を超えないうちに、動力を自動的に遮断する装置を設ける。
⑤昇降路の出入り口の床先と搬器の出入口の床先との間隔を、4 ㎝ 以下とする。
平成30年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説
問題2
建築工事における次の 1.から 3.の災害について、施工計画に当たり事前に検討した災害の発生するおそれのある状況や作業の内容と災害を防止するための対策を、それぞれ2つ具体的 に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とする。また、安全帯や保護帽の使用、朝礼時の注意 喚起、点検や整備などの日常管理、安全衛生管理組織、新規入場者教育、資格や免許に関する記述 は除くものとする。
1. 墜落、転落による災害
解答試案
【 解答例】
(1) 外壁タイル張り工事作業における足場からの転落事故を防ぐため、足場の作業床の幅は40cm以上、床材間の隙間は3cm以下、かつ床材と建地との間隔を12cm以下とする。
(2) ダメ穴等の床開口部からの作業員の墜落事故を防止するため、大きな開口部分には手すりを設けるとともに、安全ネットの設置を計画する。
2. 電気による災害
解答試案
【 解答例】
(1) 鉄骨溶接工事における感電事故を防止するため、交流アーク溶接機はほこりの少ない場所に設置し、専用アース線または躯体鉄筋等にアースを確実に設置する。
(2) 工事作業員の感電事故を防止するために、キュービクル、変圧器などを設置する際は、仮囲いを施して取扱責任者以外の立入りを禁止する。
3. 車両系建設機械による災害
解答試案
【 解答例】
(1) 路肩、傾斜地でのブルドーザーの店頭事故を防止するため、転倒のおそれがある箇所に、あらかじめ誘導員を配置し、その者に誘導させる。
(2) 外壁補修工事における高所作業車の転倒または転落による作業員の危険を防止するため、地盤の傾斜や地耐力を確認した上で、車両よりアウトリガーを張り出す。
平成29年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説
問題2
建築工事における次の 1.から 3.の仮設物について、設置計画の作成に当たり、留意又は検討すべき事項をそれぞれ 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、申請手続、届出及び運用管理に関する記述は除くものとする。また、使用資機材に不良品はないものとする。
1. つり足場
解答試案と分析
各設置計画の作成にあたり、留意または検討すべき事項としては、以下のもの等がある。これらを参考に具体的に記述する。
1. つり足場
(記述例)
①つり足場の作業床は、幅40㎝以上とし、かつ、工具や材料の落下防止のため、すき間がないように計画する。
②作業床の高さが、鉄骨工事ボルト締め等の作業に適した高さとなるように、つりチェーンの長さを選定する。
③積載荷重は作業床に対して1.47 kN/m2(150kg/m2)程度と計画する。
(解説)
・つり足場上の作業に必要な人員、資材等の荷重に対して、十分な強度を有する計画とする。
・墜落災害防止対策として、手すり、中桟等を設け、落下防止ネットを張る計画とする。
2. 起伏式(ジブ)タワークレーン
解答試案と分析
各設置計画の作成にあたり、留意または検討すべき事項としては、以下のもの等がある。これらを参考に具体的に記述する。
2. 起伏式(ジブ)タワークレーン
(記述例)
①鉄骨建方等の作業において、ジブ等が作業上やむを得ず敷地境界に接近、または越境する可能性がある場合には、その関係者と事前協議し、必要な防護措置を行う計画とする。
②クレーンの選定にあたっては、立地条件や施工条件及び機械の種類・能力を十分考慮した安全なものを計画する。
③クレーンは、その能力を超えて使用してはならないため、揚重条件を把握したうえでしっかりと荷重計画を行う。
3. 仮設ゴンドラ
解答試案と分析
各設置計画の作成にあたり、留意または検討すべき事項としては、以下のもの等がある。これらを参考に具体的に記述する。
3. 仮設ゴンドラ
(記述例)
①ゴンドラを設置するための突りょうは、取り付ける位置と形状に適したものとし、十分な強度を確保できるものとする。
②定格速度は、ゴンドラの作業床に積載荷重に相当する荷重のものをのせて上昇させる場合の最高の速度をいう。
③ゴンドラの選定及び設置位置については、ゴンドラ作業の内容を十分把握・検討し、作業内容に最適な計画とする。
(解説)
・ゴンドラを使用して作業を行う場所については、当該作業を安全に行うため必要な照度を確保する計画とする。
平成28年1級建築施工管理技士 実地検定 問題2 解答解説
問題2
次の 1.から 3.の設備又は機械を安全に使用するための留意事項を、それぞれ 2 つ具体的に記述しなさい。
ただし、解答はそれぞれ異なる内容の記述とし、保護帽や安全帯などの保護具の使用、資格、免許及び届出に関する記述は除くものとする。
1. ロングスパンエレベーター
2. 高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
3. バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)
解答試案と分析
1.__ロングスパンエレベーター
【記述例】
①荷物を載せるときは、定格荷重(最大積載荷重)以上の荷を載せない。また、転がりやすい荷にはロープ掛けをするなど、荷台から荷が_落下、飛散しないようにする。
②荷台から荷物がはみ出すような積込み方をしない。
(解説)
ロングスパンエレベーターを安全に使用するための留意事項としては、ほかに以下のもの等がある。
①作業員を搭乗させる場合は、接触事故を防止するため、その搭乗範囲に堅固なヘッドガードと積載物との遮断設備を設ける。
②搬入器具を積卸しする時は、ロングスパン工事用エレベーター等が停止してから行う。また、墜落の危険があるときは、安全帯を使用して機具の取り込みをする。
☆労働安全衛生規則の改正(2019年2月1日施行)により、安全帯の名称は墜落防止用器具となる。以下2の改正内容も同じ。
③搬器周囲の手すり、中桟、幅木等の設置状況、損傷の有無について、始業前に点検する。
2.__高所作業車(クローラ式の垂直昇降型)
【記述例】
①作業床上で走行操作する高所作業車の走行にあたっては、平坦堅固な場所で誘導者の配置、合図を行い、適正な速度制限等必要な措置を行う。
②作業床上での脚立・はしごを用いての作業、伸び上がったり、身を乗り出しての無理な姿勢での作業は禁止する。
(解説)
高所作業車を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①垂直昇降型以外の高所作業車の作業床上では、安全帯を使用する。
②設置地盤面に不陸がある場合は整地を行い、接地圧に対する地盤の強度が不足する場合は鉄板を敷くなど転倒防止の措置をとる。
③高所作業車は、合図を定めてその合図により誘導する。
④過積載をしない。特に上昇後の荷の受渡しによる過積載がないように留意する。
⑤作業範囲内を立入禁止区域に指定する。
3.バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)
【記述例】
①作業開始にあたっては、現場条件に対する作業指示等の事前連絡、打合せを行い、運転者と作業員の意思の疎通を図り、相互理解を深めることに留意し、作業手順の重要性について関係者に十分周知させる。
②路肩の崩壊など非常事態の際に退避できるように、クローラの走行を法面に直角に合わせて掘削する。
(解説)
バックホウ(バケット容量 0.5 m3 程度)を安全に使用するための留意事項としては、他に以下のもの等がある。
①ダンプトラック等への掘削土砂の積込みは、荷台の後方から旋回して行うようにし、旋回角度を小さくする。
②路肩、傾斜地での掘削など、労働者に危険が生じるおそれがあるときは、誘導者を配置し、その_者に誘導させる。
③旋回範囲内の接触事故を防止するため、カラーコーン等により区画を行い、監視員を配置する。