1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 環境管理 【傾向分析】②(記述例)

「建設副産物対策」の記述例を下記に示すので、
参考にして自分なりの解答をまとめて準備しておく。
①「発生抑制」
②「再使用」
③「再生利用」
④「熱回収」
⑤「適正処分」
それぞれについて、
「資材名等」「実施した内容」「結果とあなたの評価」
をまとめる。

①「発生抑制
[ 資材名等 ]◆型枠廃材

[ 実施した内容 ]
スラブの型枠として、合板型枠工法に代えてデッキプレート型枠工法を採用した。

[ 結果とあなたの評価 ]
型枠廃材の発生を抑制できたとともに、解体作業もなく、工期短縮にも有効であった。

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[ 資材名等 ]◆木くず

[ 実施した内容 ]
・現場製作の建具枠及び額縁を、工場生産品に変更した。
・木造和室の造作材について、
現場加工材からプレカット材に変更した。

[ 結果とあなたの評価 ]
現場からの木くず等の発生を抑制できたとともに、工期が1フロアあたり、5日間短縮できた。

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[ 資材名等 ]◆石こうボード端材

[ 実施した内容 ]
壁の石こうボードを使用場所の天井高さ 2,350mmに合わせて、プレカットして現場に搬入した。

[ 結果とあなたの評価 ]
石こうボード端材の発生が抑制できたととに、現場作業の軽減により工期短縮にも有効であった。

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[ 資材名等 ]◆軽量鉄骨及び石こうボードの端材

[ 実施した内容 ]
在来工法の天井を、システム天井に変更した。

[ 結果とあなたの評価 ]
軽量鉄骨や石こうボードの端材の発生がなくせ、現場加工の軽減により工期短縮にも有効であった。

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②「再使用
[ 資材名等 ]◆建設発生土

[ 実施した内容 ]
根切り工事で発生した良質な建設発生土については、社内で情報を共有し、他現場において埋戻し土として再使用した。

[ 結果とあなたの評価 ]
建設副産物を有効に再使用できたとともに、処分費用を大幅に縮減することができた。

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[ 資材名等 ]◆タイルカーペット

[ 実施した内容 ]
解体・撤去時に発生したタイルカーペットを新設の石張り床の養生材として再使用した。

[ 結果とあなたの評価 ]
ごみとなるものを有効に再使用できたとともに、仕上げ材の傷を防ぐことができた。また、養生材のコスト削減にも有効であった。

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③「再生利用
[ 資材名等 ]◆コンクリートがら

[ 実施した内容 ]
・根切り時に出てきた既存基礎のコンクリートがらを、現場にてクラッシャー処理を行い仮設道路の路盤材として再利用した。

・場所打ちコンクリート杭の杭頭処理で発生したコンクリートがらを、現場にてクラッシャー処理を行い仮設道路の路盤材として再利用した。

[ 結果とあなたの評価 ]
産業廃棄物となるコンクリートのがらを再利用できたとともに、仮設道路の材料費も縮減できた。

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[ 資材名等 ]◆石こうボード

[ 実施した内容 ]
専用のコンテナを設置することにより分別回収を行い、再生工場に引取りを依頼した。

[ 結果とあなたの評価 ]
再生工場にて再生することができたとともに、整然とした作業環境が構築され、作業能率も向上した。

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[ 資材名等 ]◆木材

[ 実施した内容 ]
・造作材のかんなくず・おがくず類は、リサイクル工場に引き取らせ、パーティクルボードの原料とした。

・解体工事で松杭が大量に発生したので、チップ化工場に引取りを依頼し、再生利用させた。

[ 結果とあなたの評価 ]
産業廃棄物の再生利用ができたとともに、処分にかかる費用も縮減できた。

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[ 資材名等 ]◆アスファルトコンクリートがら

[ 実施した内容 ]
駐車場の解体時に発生したアスファルト・コンクリートがらを、アスファルトプラントに持ち込み、再生アスファルトとして再生利用させた。

[ 結果とあなたの評価 ]
産業廃棄物を新設駐車場の舗装に再生利用でき、工事費を大幅に縮減することができた。

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[ 資材名等 ]◆木材、金属くず、石こうボードくず

[ 実施した内容 ]
木材、金属くず、石こうボードくずについては分別回収を行い、それぞれのリサイクル工場に持ち込んだ。

[ 結果とあなたの評価 ]
多くの資材を分別回収することにより再生利用に貢献でき、その結果、処理費用を大幅に削減できた。

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< 再生品の採用  >

[ 資材名等 ]◆再生砕石

[ 実施した内容 ]
・基礎や土間下の地業に再生砕石を使用した。
・場内仮設道路の舗装に再生砕石を使用した。

[ 結果とあなたの評価 ]
再生品を使用することができたとともに、リサイクル活動に貢献でき、コスト縮減にも有効であった。

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④「熱回収

[ 資材名等 ]◆木材

[ 実施した内容 ]
腐食したり、釘の処理が多く、再生利用が困難な木材については、サーマルリサイクル工場に持ち込んだ。

[ 結果とあなたの評価 ]
本来、廃棄物である木材から熱回収ができたとともに、産業廃棄物も削減でき、処分費用を縮減することができた。

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[ 資材名等 ]◆塩化ビニル材

[ 実施した内容 ]
塩化ビニル廃材を分別回収し、熱処理工場へ持ち込んだ。

[ 結果とあなたの評価 ]
発生する熱エネルギーを回収でき、エネルギーの循環に貢献できた。建設副産物を有効活用するのは、事業者の責務であり、今後も取り組んでいきたい。

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⑤「適正処分

[ 資材名等 ]◆木くず、金属くず、石こうボードくず

[ 実施した内容 ]
・許可を得た収集運搬業者及び最終処分業者であることを、許可証により確認し、委託契約の上、委託した。

・最終処分場までのルートを確認するとともに、マニフェスト伝票にて最終処分場で処分されたことを確認した。

[ 結果とあなたの評価 ]
・不法投棄もなく、適正に処分することができた。不法投棄を防止することは、排出事業者の責務であり、しっかり管理していきたい。

・マニフェスト伝票の確認により、不法投棄のないことを確認できた。不法投棄を防止することは、排出事業者の責務であり、しっかり管理していきたい。

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[ 資材名等 ]◆廃アスベスト

[ 実施した内容 ]
特別管理産業廃棄物管理責任者を設置し、処理計画の立案から行政への報告等の排出、最終処分に至るまで全般に渡って管理させた。

[ 結果とあなたの評価 ]
管理責任者に全般に渡って管理させたことにより、スムーズに最終処分まで確実に管理することができた。排出事業者(元請業者)として、今後も処分責任が曖昧とならないような管理を行いたい。

以上、参考まで
自分が経験した建築工事に関して、
指導的立場に立った工事に対してまとめておく。
2項目程度の記述が求められるケースが多いので、
ケースに応じて、最低3項目程度はまとめておく。

実践8 仕上工事1 外装1

1級建築施工管理技士 実践8 仕上工事 外装(1)押出成形セメント板

建物の外装は、その建物の顔になる大切なエレメントであり性能的には水密・気密・耐風圧・遮音・断熱・紫外線・日射そして耐候性などが要求される。
外装材の中で、押出成形セメント板、ALC板、複合金属板などの既成品は、メーカーが独自のディテールと施工マニュアルを開発・準備している。
また、メーカーは各販売店を傘下にもち、営業・施工図作成・工事を委託している。
メーカーによっては施工店に対する技術指導や教育、そして巡回指導を行い、品質確保に努めている。
建築施工管理者の役割としては、各販売店の担当者との打ち合わせとともに、早い段階から設計者や専門家を交えての検討会等を発足させ、現場の状況に即した問題点と対策を絞り込む必要がある。
メーカーによっては、かなり前からその標準ディテールが作成されている。すなわち、安定した品質提供を継続している。

施工図のチェックと承認はゼネコンの役割

押出成形セメント板の場合、製品は60㎝を標準とし、現場に合わせて長さを切り合わせて、現場に搬入する。
したがって100%を工場で加工し、塗装まで仕上げてくる製品もある。
縦張りと横張り工法があり、いずれも標準的なディテールと施行マニアルが準備されている。
窓周り、パラペット周り、階段室の取り合い、設備開口部などの特殊部分はメーカーが用意しているディテール集を参考に、品質問題が発生しないように注意をする。
特にガラリから雨水が吹き込まないように、また吹き込んでも中の雨返しで戻るように、配慮が必要である。
建築施工管理者の役割としては、設計者と連携しメーカーの代理店に施工図作成を依頼し、取合い部分の確認を行い、承認することである。
施工図の間違いがあってはならないので、設計者、設備関係者、その他の関係会社との調整を十分に行う。
また、納期面では承認から現場搬入までの製作・輸送に必要な期間をよく打ち合わせをし、遅れないように発注管理する。標準的には30日間、繁忙期は45日間は必要とされている。
最近の流行として、90㎝の幅広のものや、外装タイル、外断熱、ソーラーパネル、壁面緑化との組み合わせなど、付加価値を高めたものも商品開発をされている。

外装工事の施工管理はどうするか

外装材の工事が正しく施行されないと、雨漏りだけでなく地震や長期間の材料劣化などにより、外壁材の応力のへの肩よりが発生し、割れや落下など第三者に被害を及ぼす事故につながる。
パネルの取り付けやシール工事は、専門の工事会社によってマニアル通りに行われるので、品質上の心配は少ないが、多くの問題はパネルの下地精度不良が絡んでいる。
下地が正しい位置になく、施工図の間違いなどで製品寸法が現場と合わない場合など、是正を省いてそのまま工事を進めることがあってはならない。
建築施工管理者の役割の中では、下地の精度を高めることが非常に大きい。
下地の制度は、
①墨だしの精度
②下地鉄骨の誤差
③躯体の誤差
の累積となる。
したがって、まずは躯体の精度が確保されて、初めて下地鉄骨の取付けへと進めるので、手順を踏んで施工品質管理を進めなくてはならない。
施工図の承認前に、下地鉄骨の精度を確保するためのディテールを確認し、前後左右の躯体の誤差を吸収する機能があるかを確認することも大切である。
建築施工管理者として、自信を持った施工管理をするためには、正しいプロセスを守り、妥協しない姿勢が大切である。下地の精度が目標レベルに達していれば、大方の品質問題が事前に解決できる。

正しくシール施工するには

外装の成形板は、比較的簡易な建物の外壁に多く採用されている。
その種類には、押出成形セメント板・ALC板・複合金属板等がある。
いずれも部材が既製品で、幅方向が決まっており、長さ方向をその工事に合わせて工場加工し、搬入後現場で取り付ける方法が一般的である。
どの成形板も、ディテールが比較的シンプルなため、気密性・止水性が弱点になりやすい。
従って、メーカーごとに推奨する取り付け方法が定められているので、メーカー指定マニュアルを遵守する。
一般的に、材料のメーカー保証が用意されているが、工法全体としてのメーカー保証内容を確認する必要がある。
幅方向は、製品によってはまったく外からのシールを必要としない製品もあるが、縦方向と層間部やエクスパンションジョイントは外からのシールに頼っている。
1次シールは、その材料とプライマの相性と接着性を必ず確認し、メーカー推奨の手順を守って正しく施行したい。
1次シールを超えてきた雨水の2次シールによる排水の仕組みは極めて大切になる。
今までの故障事例は、1次シール・2次シールともに不備なために発生している。
1次シールが切れても、雨水を2次シールで止めなければならない。
2次シールで特に大切な点は、最下部に設置する排水パイプである。1次シールを通過した雨水が、中空部を通過し、最後に排水パイプを通過して外部に排出される。
この機能をしっかり確保する。
日本シーリング工業会出版のハンドブックが参考になる。

ゴンドラ作業での注意点

シール工場や塗装工事が外部足場からの工事であれば、作業もしやすく、検査確認も容易である。しかし、最近ではシール工場を外部ゴンドラ作業で行う場合が増えている。
外部ゴンドラでの施行は密室と同じで、どうしても管理の目が行き届かず、正しく施工されているかが、簡単には確認できない。
したがって、ゴンドラ作業で外部のシールを行う場合は、どのように「管理の検査」を行うかを定めて、プロセス管理していくことが大切である。
そのためには日常の作業員や職長の自主管理と記録が重要であり、検査員の管理がそれに続く。
検査員による検査のポイントとして、
①シールの施行はそれはないか
②すでに付着が開いてないか
③シールの厚さは大丈夫か
なかの検査を行うことが大切である。
正しい1次シール工事、2次シールと排水計画、検査の仕組みを施工図と施工マニュアルに明確にし、関係者への周知徹底を図ることが重要である。

1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 環境管理 【傾向分析】③

経験記述 環境管理【傾向分析】

2016年の大阪府豊能町にダイオキシン廃棄物が巷を騒がせていましたが、このダイオキシン廃棄物って何か?

説明できますでしょうか?詳しくは難しい問題ですが、「特別管理廃棄物」と言っておけば間違いはないでしょう。

詳しくは、
環境省 特別管理廃棄物とは
を参照のこと。

今回は、環境管理に関連する法体系について記述します
建設環境関係法体系
●環境基本法
●循環型社会形成推進基本法
(基本的枠組み法)
の下に、主に8つの法律があり、
建設副産物対策及び処理に関する3つの法律も
そこにふくまれています。
●廃棄物処理法・・・・ ①
●リサイクル法 ・・・・②
○容器放送リサイクル法
○家電リサイクル法
●建設リサイクル法・・・③
○食品リサイクル法
○自動車リサイクル法
○グリーン購入法

廃棄物処理法
廃棄物の処理及び清掃に関する法律」・同施行令

[ 目的 ]
この法律は、廃棄物の排出を抑制し、及び廃棄物の適正な分別、保管、収集、運搬、再生、処分等の処理をし、並びに生活環境を清潔にすることにより、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ること
を目的とする。

[ 廃棄物の定義 ]

廃棄物
ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、
廃アルカリ、動物の死体、
その他の汚物または不要物であって、
固形状または液体状のもの。

一般廃棄物
産業廃棄物以外の廃棄物

特別管理一般廃棄物
一般廃棄物のうち、
爆発性、毒性、感染性その他の人の健康または
生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状
を有するものとして政令で定めるものをいう。

産業廃棄物
燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、
廃プラスチック類
その他政令で定める廃棄部をいう。
ここに、政令で定めるものとは、
紙くず、木くず、繊維くず、ゴムくず、金属くず、
ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず、
鉱さい、廃油、廃酸などをいう。

特別管理産業廃棄物
産業廃棄物のうち、爆発性、毒性、感染性その他人の健康または生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有するものとして政令で定めるものをいう。
ここで、政令で定めるものとは、廃酸、廃アルカリ、感染性産業廃棄物、特定有害産業廃棄物(廃PCB、廃石綿等)などをいう。

[ 産業廃棄物の排出業者の役割 ]
産業廃棄物の排出業者
(建設工事においては元請業者)は、その廃棄物を自ら適正に処理しなければならないとされているが、その処理を他人に委託することもできる。

委託にあたっては、次の基準によるものとする。

・廃棄物処理法による許可を得た収集運搬業者及び処分業者か、専ら再生利用の目的となる産業廃棄物のみの収集または運搬、処分を業として行う物等に委託する。

・委託契約は書面により行い、契約内容には次の事項を含むものとする。

・委託する産業廃棄物の種類及び数量

・運搬の最終目的地の所在地

・処分または再生の場所の所在地、その処分・再生の方法、及び処分・再生施設の処理能力

・その他環境省令で定める事項

[ 産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票) ]

・排出事業者は、排出量にかかわらず廃棄物の種類ごと、運搬先ごとに産業廃棄物管理票(マニフェスト伝票)を処分業者に交付し、最終処分が完了したことを確認しなければならない。

産業廃棄物管理票は、次の内容が記載されたものとする。

・当該委託に係る産業廃棄物の種類及び数量
・運搬または処分を受託した者の氏名または名称
・その他環境省令で定める事項
・管理票交付者(排出事業者)は、運搬、処分受託者から返送された管理票の写しを5年間保存しなければならない。

同じく、それぞれの受託者も管理票の写しを5年間保存しなければならない。

・管理票交付者は、毎年、管理票の交付状況などに関する「産業廃棄物管理票交付等状況報告書」を作成し、産業廃棄物の排出事業場を管轄する都道府県知事に提出しなければならない。

リサイクル法
資源の有効な利用の促進に関する法律」・同施行令

[ 目的 ]
この法律は、主要な資源の大部分を輸入に依存している我が国において、近年の国民経済の発展に伴い、資源が大量に使用されていることにより、使用済物品及び副産物が大量に発生し、その相当部分が破棄されており、かつ、再生資源及び再生部品の相当部分が利用されずに破棄されいている現状を鑑み、資源の有効な利用の確保を図るとともに、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資するため、
使用済物品等及び副産物の発生の抑制ならびに再生資源及び再生部品の利用の促進に関する所要の措置を講ずることとし、もって国民健在の健全な発展に寄与することを目的とする。

[ 定義 ]
副産物
製品の製造、加工、修理若しくは販売、エネルギーの供給又は土木建築に関する工事(以下「建設工事」という。)に伴い副次的に得られた物品をいう。
(放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。)

副産物の発生抑制等
製品の製造又は加工に使用する原材料、部品その他の物品の使用の合理化により当該原材料等の使用に係る副産物の発生の抑制を行うこと及び当該原材料等の使用に係る副産物の全部又は一部を再生資源として利用することを促進することをいう。(エネルギーの使用の合理化等に関する法律に規定する燃料を除く。)

再生資源
使用済物品等又は副産物のうち有用なものであって、原材料として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう。

再生部品
使用済物品等のうち有用なものであって、部品その他製品の一部として利用することができるもの又はその可能性のあるものをいう

再資源化
使用済物品等のうち有用なものの全部又は一部を再生資源又は再生部品として利用することができる状態にすることをいう。

指定副産物
エネルギーの供給又は建設工事に係る副産物であって、その全部又は一部を再生資源として利用することを促進することが当該再生資源の有効な利用を図る上で特に必要なものとして政令で定める業種ごとに政令で定めるものをいう。

建設リサイクル法
建設工事に係る資源の再資源化等に関する法律

[ 目的 ]
この法律は、特定の建設資材について、その分別解体等及び再資源化等を促進するための措置を講ずるとともに、解体工事業者について登録制度を実施すること等により、再生資源の十分な利用及び廃棄物の通じて、資源の有効な利用の確保及び廃棄物の適正な処理を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

[ 定義 ]

・建設資材
土木建築に関する工事に使用する資材をいう。

・建設資材廃棄物
建設資材が廃棄物となったものをいう

・分別解体など
第一号 「解体工事」
建築物等に用いられた建設資材に係る建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ工事を計画的に施工する行為

第二号 「新築工事など」
順次的に生ずる建設資材廃棄物をその種類ごとに分別しつつ当該工事を施工する行為

実践9 仕上工事2 外装2

1級建築施工管理技士 実践9 仕上工事 外装2 金属・ガラスカーテンウォール

高層ビルの外装はガラスカーテンウォールで設計されることが多くなってきている。
1970年代の超高層ビルの初期の時代から見ると外装材も変化してきている。
アルミニウム、ステンレスなどの金属パネルや、本石やタイルを仕込んだプレキャストパネルの多用された時代から、近年ではガラスが多用されてきている。
外装カーテンウォールはそれ自体多くの部材から成り立っており、その素材、取り付け方法における要求性能は、水密・気密・耐風圧・遮音・紫外線と日射対策が様々であり、その品質確保はきわめて専門性の高い仕事である。
また日本は地震国であり、耐震性には十分注意しなければならない。
そのような専門分野化する工事に対して、どのように管理をしていくかが、建築施工管理者に問われる。

詳細設計を実大性能試験で確認する

外装の金属カーテンウォールは、多種の材料の組み合わせて成立している。
例えば、複層ガラス・金属パネル・アルミ型材・ガスケットやシール材・ガラリパネル部分、耐風圧マリオン、そしてファスナなどである。
したがって、一般的には部材の取り合いが多く、複雑に部材が絡むので、入念な設計をすることは当然であるが、それでも雨水を完全に止めることや設計性能を確保することは容易ではない。
詳細設計が終わり、部材と部品の選択ののち、実大のモックアップで耐風水圧実験し性能を確認する必要がある。
どんなに注意深く設計しても、実大モックアップでは、不適合や問題が見つかることが多い。
実大性能試験は設計の問題に施工の問題が加わり、実際に近い状況となることから、建築施工管理者も関係者も含めて組立てから実験が終了するまで、小さな不適合も見逃さないように立ち会うことが大切である。
そこに発生した品質的な不適合は必ず原因を分析し、対策をとる。
設計の理解と施工性能確保のための最大のチャンスと捉えるべきである。

外装カーテンウォール工事の施工管理と漏水予防

一般的には、外装カーテンウォール工事で工事中に完全に漏水をなくすことは至難の技と言える。
最近でこそ工場でのアセンブリング率が高まりユニット化したものを使用するようになった。
それまでは現場でのノックダウン組み立てが多かったために、熟練した作業員が欠かせなかった。
現場では、数多くの部材を、順序よく正しく組み立てることが求められる。
その上で、各段階の性能がきちんと確認されることにより、はじめて、要求性能が確保される。
昨今の熟練作業員不足と価格競争の激化などの国際的な市場競争の中で、この業界も”ノックダウン”から”ユニタイズシステム”に大きく流れを変えた。
品質管理上も、要求性能を確保するために工場での組立て率を増やし、現場作業を減らす方向が望ましい。
現場ではユニタイズシステムのパネル間の処理に留める方向へと進化した。
一方、周知のごとく、現場作業は天候や作業員の技量によっては施行にばらつきがあり、ヒューマンエラーも発生する。
特に、外部のシール工事はゴンドラ作業になり、その足場の不安定さや作業環境の悪さから均一な施工が難しい。
また、きめ細かい管理や検査も手薄になる。
したがって、工事中の目視検査だけでは完全な漏水を見つけにくいので、作業員の教育や、QCサークル活動などでのプロセス管理を重視すべきである。
一方、工事中偶然に遭遇した暴風雨や台風は”実大実験”になる。
全数の目視検査によって重大なミスが見つかることがある。
もし漏水箇所が見つかれば、後日、外から更にその部分の調査を実行したい。
場合によっては簡単な気密テストを行い、その原因を調べることができる。
プラスティックの箱を作り、室内側を減圧しながら、外から色のついた水を散水することで、水の流れが確認できる。

シール工法の施工管理

高層ビルは、地震による挙動や台風などの強風、そして気温変化など厳しい自然にさらされる。
もちろん、それらに対応する設計法も進化してきている。
外装の面材が注目を浴びることが多く、金属・ガラス・石・タイルなどの組み合わせは多岐にわたるが、その接合部の詳細設計が軽視されることが多く、設計仕様書には一言”変成シリコン”としか書かれていない場合がある。
そして現状、それらの接合部の要求性能を達成するための手段として、まだほとんどの建物がシール材に頼っている。
新たな高層ビル時代をで迎えるにあたり、シール材も研究開発され進化してきており、ガスケット方式が増えているものの、その主流は現場施工のシール工法に頼っている。
どんな場合でも、シール材がその性能を十分発揮し、長期間性能を持続するためには、プライマの存在が欠かせない。
下地とプライマ、プライマとシール材の相性(接着性、化学的な相性)を実験や文献で確認することが極めて大切になる。
また、シール材は永久的になものではなく、時間の経過とともに、初期の性能が薄れてくる。
したがって、10年の保証期間に合わせた建物維持管理計画と定期的なメンテナンスが欠かせない。

高層ビルのガラス工事管理

高層ビルは大きな風荷重を受けるため、ガラスカーテンウォールで設計するとどうしてもガラスが厚くなり、並行してマリオンのサイズも大きくなるため、コストが割高になってしまう。
ガラスの厚みを薄く抑えるには、窓のサイズを小さくするかもしくは強度を上げるしかない。
設計者の後者を選ぶことが多い。
しかし、ガラスの強度を高めるには製造過程でガラスに熱を加えて強度を高める必要があるが、この簡単ではない。
焼入れした強化ガラスには、その製造過程での温度のばらつきや不純物の混入などで、微妙な内部応力の変化や異変分子の作用で自然破壊の発生リスクが伴う。
海外では、強化ガラスが高層ビルの外部使用に認められている国が多いが、日本においては、強化ガラスは割れた時に外に飛散する危険性から、外部使用が禁止されている。
そのため、近年高層ビルの外部仕様に”倍強度ガラス”が急激に広がった経緯がある。
しかし、倍強度ガラスもこの自然爆裂事故が報告されている。
原因が特性特定されて問題が解決し、指針が整備されるまでは、外部の窓には使用すべきではない。
したがって、高層ビルの外装には、しばらくはフロートガラスを主体にした複層ガラスで対応することになる。
日本での自然破壊の発生しない倍強度ガラスの開発には、それほど時間がかからないものと思われる。
そのほか、ガラスの施工管理上大切なことに、ガラスの切断誤差管理がある。
ガラスは現場の寸法調整ができない。
セッティングブロックとガスケットもしくは構造用のシールを通して、一体化される。
しかし、ガラスの切断精度が許容値を超えると、バックアップ材が傾斜したりすることで、シール材の必要な接着幅が確保できず、水密性・気密性・耐風圧性が確保できなくなる。
したがって、ガラスの寸法精度の抜取り検査をするなど十分に目を配る必要がある。

実践10 仕上工事3 外装3

1級建築施工管理技士 実践10 仕上工事 外装3 PCaカーテンウォール

1970〜2000年頃までは、花崗岩を打込んだPCaカーテンウォールが高層ビルの外装の主流だったが1992年バブル経済の崩壊とともに、本石打込みPCa板の外装がめっきり減ってしまった。
とは言え、外装材としては、花崗岩は高級感があり、耐久性優れた材料であり、日本でも再び復活するものと思われる。
日本の激しい自然環境である風・地震・温度変化に加えて、安全第一、生産性の向上など現場からの要求に対応するために、当時の技術者は血を絞り、実験を繰り返し、厳しい設計条件に対しても”自然な材料と近代建築の融合”技術開発に対し果敢に挑戦して、自分のものにしていった歴史がある。

石材の選別と管理は最初の仕事

石材を外装材に使用するには風雨や温度変化などの自然現象に対してより耐久性のある材料で選ばなければならない。
石材は自然の材料なので、色合い、班目にばらつきがある。
石材の成分には外装ざる敵しない鉄分が含まれる場合もある。
また、大理石や砂岩などの吸水性の高い材料は外装には適さない。
また、高級感のある外装材だけに、色合いと石の模様を管理し、白華(エフロレッセンス)や湿気による漏れ色を防止したい。
そのためには、製造過程で湿気が石材の中に回り込むことがあるため、石材の裏をコーティングして吸水を抑えるが、もともと吸水率の高い石材は選ばないことが大切である。
また、建物外装の各面ごとに”色あい合せ”をしてから、石の配置を決め、番号付け、そして梱包する必要がある。
できれば、石材の加工場で仮の敷並べ(ドライレイ)を行い、色合せ、模様合わせを行う。
また、PCa工場に石材が到着してからも、再度確認する必要がある。
PCa工場で材料が混在することもあるので、細心の管理を行うべきである。
さらに、経済性を追求するあまりに、石の厚さを薄くしすぎると反りや割れにつながるので、石材の種類やサイズにもよるが、25mm以上は確保したい。

裏麺処置の正しい施工と効果

花崗岩をPCa板に打ち込む場合、石の裏面にエポキシ材などで裏面処理をし、付着性を高め、剥離を防ぎ、エフロや湿気からくる”濡れ色”を防止する。
また、石材とコンクリートの接着をより確かにするため、物理的にステンレス金物で結合させることで、万が一の剥離にも備えることができる。
雨上がりの後、せっかく高級な石材を外装に使ったにもかかわらず、石の中に湿気が入ると、雨が上がっても部分的に濡れ色が残り、みすぼらしく見えてしまう。
この場合、湿気は石の後から石の中に毛細管現象で回る場合と、表面から回る場合があるが、石に裏面処理を施すことで裏から入る水分や湿気は止めることができる。
吸水率の高い花崗岩(中国産の花崗岩の吸水率は0.2〜0.35)などは、顕微鏡で見ても、表面にたくさんの穴が空いてることがわかる。
最近では石の表面に塗布することで、濡れ色を防止できると塗布剤(スカイパームなど)が普及している。

PCa板の上吊り型ファスナとその効果

外装PCa板の設計には下置き型と上吊り型の二通りがある。
通常、PCa(コンクリートプレキャスト)版では、下で支える下置き型が一般的に多く使用されている。
それは、コンクリートは圧縮材であるとする先入観念が優先しているのではないだろうか。
しかし、金属のカーテンウォールの場合は上吊り型の方が圧倒的に多い。
それは、建物のためには上吊りの方が設計要求品質に対応しやすく、安全施工に適しているからである。
PCa板であっても自重によるコンクリートへの引張り応力はきわめて小さいため、心配される部材の引張り亀裂が発生しない。
またPCa板における上吊り型ファスナの実績も増えてきている。
上吊り型ファスナ方式は、地震時のパネル同士のスライド性能に優れ、PCa板の自重による変形防止、大梁の長期クリープ変形が少なく、取付け精度管理が目視しやすい。
また現場では作用性に優れるため、通常の下置き型と比べて、2倍以上の取付け効果がある。
また、この工法はオープンジョイントの組合わせで面倒な外からのシール工事もなく、安全性も優れており、シリコンシールなどの汚れがないので、いつまでも本磨きの石の美観を保ち、究極の外装PCa板工法と言える。

1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 環境管理 サーマルリサイクルとは?

サーマルリサイクル(Thermal Recycle、熱回収)

廃棄物を単に焼却処理せず、焼却の際に発生する熱エネルギーを回収・利用すること

容器包装リサイクル法で認められた油化・ガス化の他、焼却熱利用、廃棄物発電、セメントキルン原燃料化、廃棄物固形燃料など一般に、リユース、マテリアル・ケミカルリサイクルが困難な廃棄物に対して行われる。
(技術的に困難、あるいは投入資源・コストに対し割に合わないなど)

概 要
日本において、循環型社会形成推進基本法では、廃棄物・リサイクル対策の優先順位を、

① リデュース
② リユース
③ マテリアルリサイクル・ケミカルリサイクル
④ サーマルリサイクル(熱回収)
⑤ 廃棄物としての適正処理

とし、経済財政諮問会議の「循環型経済社会に関する専門調査会
および産業構造審議会企画グループでは「サーマルリサイクルも有効なエネルギー回収手段としてマテリアルリサイクルと並んで位置づける」と提言している。

廃棄物を再資源化して製品とするには、必ず分別が必要である。これは、単一な原材料に分けなければ、品質が劣化して再製品化できないためである。

特に一般家庭から排出される一般廃棄物には、異物が混入することが多い。

プラスチック

プラスチックというものは単一な原材料ではなく、PE・PS・PP・PVCといった
原料単位で分別する必要があるため、プラスチックで分別したところでマテリアルリサイクルないしケミカルリサイクルすることはできない。

また、商品化されたプラスチック製品自体に2種以上のプラスチックが混ざっていたり、一見同じにしか見えないプラスチックを消費者が原材料単位で分別することは困難である。

そのため、原則として、廃プラスチックはリサイクルされることなく埋め立てられるか、サーマルリサイクルをするかの選択肢に限られる。

過去、プラスチック類の1つであるPVCが猛毒のダイオキシンを発生させる原因とされ、埋め立てられることが主流であったが、ダイオキシンの毒性に対して疑問が呈されると共に、PVCの分別法、ダイオキシンを発生させない燃焼法の確立によりサーマルリサイクルへの移行が進んでいる。

なお、ペットボトルや、ペットボトルのキャップなどを、分別回収すると、ケミカルリサイクルが可能である。ただし、運搬のために多大な石油を消費するため、リサイクルで生じる石油よりも、リサイクルのために消費される石油の方が、上回ってしまう。

熱エネルギー

プラスチックは埋め立てられてきた経緯から不燃物と考えられがちだが、純石油製品であり、石油や石炭と同等の発熱量を有している。

そのため、プラスチックをサーマルリサイクルすることで
大量の熱エネルギーを回収できる。

これにより、間接的に火力発電所で燃焼される原油の削減となる。
なお、1メガワット時の電力を火力発電するために必要な燃料は、天然ガス132kgに対してプラスチックを345kg。この場合の二酸化炭素の発生量は、
天然ガスによる燃焼時が360kgに対してプラスチックの燃焼時が880kgとする試算がある。

埋め立て・サーマルリサイクル

地球温暖化の観点から二酸化炭素を排出するサーマルリサイクルより、埋め立てる方が環境に優しいという考えも存在するが、サーマルリサイクルにより削減した原油の二酸化炭素量とある程度は相殺できる。

日本においては、さらなる熱効率の向上により、完全に相殺できるように求められている。

また、プラスチックは地中で分解されないため、埋立地が際限なく必要となり
循環型社会を形成できない問題がある。

ライフサイクルアセスメント

サーマルリサイクルはリサイクルの最終手段ではあるが、マテリアル・ケミカルリサイクルとの選択を考えるのに、ライフサイクルアセスメント (LCA) がある。
忘れてはならないのが、リサイクルをするためには輸送・再資源化の工程で
エネルギー投入が必要であり、二酸化炭素などの廃棄物も出ると言うことである。

もしも、
マテリアル/ケミカルリサイクルでかかる石油の量
> それらによる削減できる石油の量

このような状況が発生するのであれば、
サーマルリサイクルの方が適していると言える。

例えば、新たに石油から1本のペットボトルを作るのに必要な資源を1とした場合にペットボトルをマテリアルリサイクルし再生ボトルを作る場合の資源量が1を下回る場合はマテリアルリサイクルするべきである。

アルミ製品のマテリアルリサイクルが積極的に推し進められるのはこのためである。逆に1以上掛かってしまう場合、マテリアルリサイクルは本末転倒なので1本新造して使用済みボトルはサーマルリサイクルすべきある。

この場合、サーマルの方が1の資源で新しいボトル1本+燃料(になりうる廃材)を得ることができるので効率がいい。

ということである。

リサイクルか?

サーマルリサイクルというのは和製英語であり、欧米ではサーマルリカバリー (Thermal Recovery) と呼ぶ。

このことから、サーマルリサイクルはリサイクルではなく、環境に悪いものとする考えも根強いが、全てのリサイクルが環境に優しいとは限らず、日本におけるリサイクル神話の現れである。

リサイクルと称さない欧米の方が、サーマルリサイクルを早くから推進しており、広く行われている。

また、そもそも捨てるものを燃料として再使用していることからリサイクルではないとは言い切れず、加えて先述のLCAの問題ある。

よって、サーマルリサイクルが善か、もしくは悪かというのは対象は何なのか
どれくらい処理しなければならないのか周辺環境はどうなのか・・・など様々な条件によって変わってくるため一概には言えない。

例えば先のペットボトルの例で言うのであれば、ペットボトルをマテリアルリサイクルしようとすれば「砕いて、洗って、溶かして・・・」と言った工程がある。
その際、このハイブリッドカー用バッテリーリサイクル工程(工程が西日本を縦断している。)のように適切な処理施設が遠ければ
金と時間と資源の無駄遣いにもなりかねないのである。

実践11 仕上工事4 石工事

1級建築施工管理技士 実践11 仕上工事4 石工事 大理石・花崗岩

建築施工管理者にとっては、石工事の正しい施工法を見つける事はとても重要なことである。
建築材料としての石材は、金属とともに最高級の仕上げ材である。
しかも、石材は天然材なので、それぞれ性質が異なるために、材料の性質を知った上で取り扱う必要がある。
また、仕上げ方法や取付け工法も多種にわたっている。
最近では、壁は乾式工法が主流であるが、湿式工法もいまだに使われることが多く、床石はパサモル張りが主流である。

以下、石工事の施工管理のポイントを書き出す。

割付け図・施工図を作成しロスを低減する

大理石や花崗岩は、建築の仕上げ材の中では最も高価な材料である。
しかも、国外から輸入することが多く、製作・輸送期間も長いことから、追加発注が発生しないように充分注意しなければならない。
なぜなら、一度でも追加発注が発生してしまうと、海外からの運賃で高額な費用負担になるとともに、数カ月かかるので、完成の期日が遅れてしまう場合もあるためである。
石工事の施工で、一番大切なのは割付け図・施工図である。
割付け図を書く目的は、材料を正確に把握し、数量を積算し、カッティングリストを作成することにある。
もちろん発注前には設計者の承認を取得することが前提になる。
設計者は、石の割付け図・施工図にことさらこだわりを持つので、何度か修正や変更が発生する。
従って、製作期間・輸送期間と長期にわたっての調達になるので、十分な時間の余裕を持って割付け図と施工図の作成を開始しなければならない。
通常は、製作に2〜3カ月、輸送に0.5〜1ヵ月を要する場合が多い。
石を外国に直接発注する場合は、割付け図を作成する必要がある。
標準の石の大きさは、600 × 600 × 20mm、
300 × 300 × 12〜15mmなどのサイズが多い。
その場合は材料ロスが最小限になるように、割付を工夫する。
近年、現場内の分業化が進んで、現場マンが石の施工図作成に全くかかわらない場合が増えている。
石の施工店に作成させ、施工図係に調整を一任しているケースがある。これでは、納得できる細部の納まり管理、石の加工ミスの防止、無駄のない工程管理が到底できない。
施工管理者としては、施工図作成段階から関わって、品質・工程・原価管理のリーダーシップをとっていくべきである。

色合いと模様合せ

大理石や花崗岩の工事の中で、もっとも尊重されるのは、色合いと模様合わせである。
“ブックマッチ”と呼ばれているが、本を開いた時のように左側と右側、上と下の模様が連続する合わせ方がブックマッチである。
もっとも難しい工法のひとつである。
最近の主流は、既製品の小さめの石を壁や床に張る方法であるが、その場合は色合いと模様はあえて合わせないで、シャッフルして使用するようにほうがよい。
欠けや割れについては工場で選別してから梱包して運び込む方法が一般的である。
仕様の厳しい海外工事等の場合では、あらかじめ工場で色調統一を行うための選別を行うことがあるが、特別仕様である。
工場での一次選別では不揃いなものが混ざることがあるので、現場で二次選別を行う。
その場合は、工場から届いた材料を開封後、現場の空きスペースで敷き並べて不、不揃いなものを取り替えてから張る方法がとられる。
それらを行うか否かは、設計者や管理者との調整を行って判断することになる。
世界には多種多様な石材がある。
それらはきちんと施工管理することで、天然の素晴らしい色調を現すので、建築施工管理者の力量が表れる工事のひとつである。

外壁の石張りと留意点

建物の外壁に石張りする場合は、さらに注意が必要である。
張り石表面の汚染、目地部の割れ、張り石の浮き・剥離・張り石の裏面の湿気からくる濡れ色、目地部からの白華、コーキングの剥がれなどの故障例がある。
材料選定に関して、外壁には吸水率の高い大理石や砂岩の使用は控える。
花崗岩の中でも吸水率の高い材料は、故障が多いので避けるべきである。
施工法は、最近では乾式工法が一般的になっている。
30mm厚さの花崗岩もしくは大理石を直接ステンレス製のブラケットで支えて、ダボピンで、1枚ごとに固定していく方法で、ヨーロッパ発祥の工法である。
乾式工法は多くの品質問題を解決してくれる工法なので、コスト的には高価だが急速に普及した。
日本は地震が多く、温度差も大きいので、乾式工法の目地は、動きの許容できる変性シリコンが使われている。
目地はエキスパンションジョイントのシール材の中には、揮発性故に石を汚染するものもあるので、プライマとシール材の選定は注意深く行う必要がある。
1990年代初めに考案され、現在の主流になっているのは、層間変位吸収型の金物で、ルーズ穴によりスエイする方式のものである。
形状が簡素化され部品数が削減されているために、作業能率が上がり、コストも抑えられてきている。

石の汚れに対する対策と養生の励行

石工事は、取付けが終わっても、工事の終わりにはならない。
その後の汚れや傷を防ぐための養生が重要である。
例えば、吸殻が雨に打たれると、そのアクでせっかくきれいに張った床石などを汚してしまうことになる。
それらは、いちど石材に入り込んでしまうと取り除くのは困難である。コーヒーなども同様に、シミが取れないので気を付ける必要がある。
天然の石は、顕微鏡で見ると微細な巣だらけである。産地は生成の起源によって、それぞれ異なる性質がある。火山の噴火によってできる花崗岩などは、産地によって吸水率に大きな差が見られる。
白い大理石のビヤンジカララなども、浴室に使用されることが多いが、骨材は使用された水によっては、数ヶ月後に黄変し、取り替えざるを得なくなくような事故例の報告もある。
天然の材料は、常に施工のリスクを抱えているので、その材料の今までの事故例を十分調査して対応することが大切である。
最近では、石の表面に塗布するフッ素シラン系塗布剤が使用されるようになってきた。
> フッ素シラン系塗布剤

アクアシール

花崗岩や大理石の表面に塗布含浸させ、毛細管現象を抑えるメカニズムで、今まで問題だった裏面からのアクや、湿気やアルカリなどの吸上げを完全に防止できる効果がある。
また、防滑処理のためのフッ化水素系の塗布剤も使用され始めた、
床仕上げに使用されている本磨きの花崗岩は、人の動線にあたる部分の転倒防止の措置が必要で、そういった部分に処置を施すものである。
いずれにしても、石工事はできるだけ工事の終盤に行うように計画するが、それでも工事が完了するまでに、汚れたり傷ついたりする危険があるので、十分に養生することが必要である。

1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 合理化【傾向分析】

近年の経験記述の定番のひとつである「合理化」に関する記述について
まとめたいと思います。なお、29年度は「品質を確保した上での」
「合理化」となっているので、注意が必要です

=======================
チェックポイント1
労働生産性向上と施工の合理化の意味の違いを理解する。
チェックポイント2
社会的背景との関連性とは、どのようなことか理解する。
チェックポイント3
実施した内容、理由、結果について、
文末の現在形と過去形の使い分けを理解する
=======================

合理化とは? それを採用することによって、
①原価を抑える
②品質を向上する
③工程を短縮する
④安全性を高める
ことにつながるような工夫をすることです。
作業員の高齢化、労働力の減少、熟練工の不足等の社会的背景から考えると、その手法としては、工法の簡略化現場作業の軽減(工場生産品の採用)などの記述が一般的です。
その他、新技術の導入などの記述も考えられます。
本試験では。「労働生産性向上」と「施工の合理性」について出題されています。

1.労働生産性向上

1)「労働生産性向上」記述上のポイント

「労働生産性向上」とは、「作業員1人・1日当たりの出来高を向上させる」ことです。具体的に言うと、投入する労働力を一定として、出来高を向上させることです。

その手法としては、作業員の指導・育成による作業能率の向上、作業能率につながる現場施設の整備、合理的な施工方法の採用(工場生産、加工を含む)などが考えられます。施工の合理性と内容は類似していますが、「作業員の指導・育成」、「現場施設の整備」なども含めて、幅広い記述ができます。

2)「労働生産性向上」で過去に要求された記述

①工事概要であげた工事に対して

対象項目(工種など):職種または工種
実施した内容    :実施した内容
それを行った理由  :労働生産性に結びつく理由
結果と評価     :結果とその評価
(平成14年)

②工事概要であげた工事にかかわらずあなたの考えとして

方策:今後の労働生産性向上の方策
社会的背景との関連性:社会的背景との関連性

※社会的背景との関連性とは、現在の社会状況を踏まえた方策の有効性を記述する。例えば、「墜落災害が建設現場での死亡事故で一番多い現況において、先行吊り足場による工期短縮は、安全面の確保からも有効である」など。

3)「労働生産性向上」で要求される記述

平成14年度には
「作業員の指導・育成」、「現場施設の整備」が出題されましたが、「合理的な施工方法の採用」についても記述練習をしておきたいものです。それぞれについて2例程度ずつ、「工種等の対象項目」、「実施した内容」、「それを行った理由」、「結果と評価」をまとめておきましょう。また、方策については、「社会的背景との関連性」も記述できるようにしておきたいものです。

4)「労働生産性向上」の記述例

①作業員の指導・育成
②現場施設の整備
③合理的な施工方法の採用

[ 工種または職種 ]
[ 実施した内容 ]
[ それを行った理由 ]
[ 結果とその評価 ]

①作業員の指導・育成
—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆タイル工事

[ 実施した内容 ]
墨出し、定木塗り、張付けモルタル塗りの手順を標準化するとともに、熟練工と手元でグループを作り、役割分担を明確に定めた。

[ それを行った理由 ]
作業を標準化し、効率的にすることにより、作業能率が向上するとともに、役割分担を明確にすることで、作業のバッティングややり忘れを防止できるため。

[ 結果とその評価 ]
正しい手順で各々に適した作業を分担することにより、労働生産性が向上したとともに、若手職人の技術向上にもつながった。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆内装工事

[ 実施した内容 ]
共同住宅の内装工事について、工種別に作業エリアを明確にし、作業場所の各工種の進捗状況を作業員自らチェックリストに記入、確認させた。

[ それを行った理由 ]
作業エリアを明確にすることにより、他作業との輻輳(ふくそう)がなく、労働生産性向上につながると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
他業種との輻輳作業もなく、作業能率が向上したことで、労働生産性向上につながったとともに、1フロア当たり3日間の工期短縮となった。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆左官工事、タイル工事他

[ 実施した内容 ]
新規入場時や毎日の定例打合せ時に、作業場の片付け・整理整頓を行うよう徹底して指導した。

[ それを行った理由 ]
作業場内を整理整頓することにより整然とした作業環境が構築され、作業能率が向上すると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
整理整頓したことで、材料などの位置が明確になり、作業能率が向上し、労働生産性向上につながったとともに、安全な作業環境を構築することができた。

②現場施設の整備
—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆仮設工事

[ 実施した内容 ]
作業通路と作業スペースを明確に区分し、テープなどで明示した。また、通路近くに資材置き場を設け、資材の移動をスムーズにした。

[ それを行った理由 ]
作業員の通行と作業範囲を区分することで、輻輳を避けることができ、また、スムーズな資材の移動により、それにかかる時間を短縮でき、労働生産性の向上につながると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
資材の移動に伴う時間が短縮でき、労働生産性の向上につながったとともに、安全面にもおいても有効であった。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆仮設工事

[ 実施した内容 ]
作業員休憩場所として、外部にテント(3間×6間)を張り、日陰を作るとともに、冷水を常備した。

[ それを行った理由 ]
工期が夏期になるので、休憩時間を日陰で過ごすことにより、疲労回復、作業能率向上につながると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
休憩時間の疲労回復を促したことにより、労働生産性が向上したとともに、熱中症対策にも有効であった。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆仮設工事

[ 実施した内容 ]
揚重用の建設用リフトに代えて、作業員も乗れるロングスパンエレベーターを採用した。

[ それを行った理由 ]
ロングスパンエレベーターは作業員も乗ることができ、作業員の移動時間を短縮でき、揚重作業を効率的に進めることができると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
揚重時間を短縮でき、労働生産性の向上につながったとともに、資材搬入をスムーズに進めることができた。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆防水工事

[ 実施した内容 ]
ピット内の内壁・天井の防水作業において、十分な換気を行うことができる送風機と、十分な明るさを確保できる仮設照明を設置した。

[ それを行った理由 ]
作業に適した明るさの確保・新鮮な外気の取入れにより、作業員の作業能率が向上すると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
照明により細部の施工も問題なく行うことができ、作業能率が向上し、労働生産性が向上したとともに、酸素欠乏を防止でき、無事故で工事を終えることができた。

③合理的な施工方法の採用
—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆山留め工事

[ 実施した内容 ]
山留め支保工を水平切梁工法から地盤アンカー工法に変更した。

[ それを行った理由 ]
地盤アンカー工法は切梁が不要なため、クラムシェルからバックホウに掘削機械を変更することにより、労働生産性の向上が見込めると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
スロープを用いてダンプを根切り底に下ろすことにより、バックホウにて直接掘削土の積込みができ、労働生産性が向上したとともに、バックホウを用いたことにより掘削作業の安全性も向上した。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆左官工事

[ 実施した内容 ]
工場内の土間コンクリート押さえにおいて、機械ごて(トロウェル)を採用した。

[ それを行った理由 ]
工場内の土間コンクリートの面積が 700平米と広く、施工時期も8月で土間コンクリートの仕上げ作業が間に合わないと考えたため。

[ 結果とその評価 ]
機械ごてを用いることで労働生産性が向上し、左官工を2名減らして進めることができたとともに、高温下での手作業の軽減により作業員の健康面にも配慮することができた。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆防水工事

[ 実施した内容 ]
防水改修工事において、アスファルト防水を改質アスファルトシート常温粘着工法に変更した。

[ それを行った理由 ]
アスファルトの溶融時の常温管理などがなく、熱防水工法と比較して簡単な工法であることから、労働生産性が向上すると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
労働生産性が向上したとともに、煙や臭気の発生もないことから近隣クレームもなく、スムーズに工事を進めることができた。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆軽量鉄骨工事

[ 実施した内容 ]
軽量鉄骨壁下地について、スタッドは工場にて長さ L=2,700 にプレカットしたものを現場に搬入した。

[ それを行った理由 ]
当該建物は共同住宅で住戸内の天井高さは同じであり、プレカットしたスタッドを使用することによって、現場内での作業を軽減できると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
現場での作業を軽減したことにより労働生産性が向上したとともに、軽量鉄骨の端材の発生も大幅に抑制でき、整然とした作業環境を構築することができた。

—————————————–
[ 工種または職種 ]
◆内容建具工事

[ 実施した内容 ]
全居室の入口に採用する内装建具は、発注者及び監理者の承諾を得たうえで、現場寸法合せの注文品から同一寸法の既製品の木製建具に変更した。

[ それを行った理由 ]
当該建物は共同住宅で内装建具の本数も多く、既製品の木製建具を採用することにより、現場作業を大幅に軽減でき、労働生産性の向上につながると考えたため。

[ 結果とその評価 ]
建具製作のための現場計測、建込み後の微調整もなく、大幅に労働生産性が向上したとともに、既製品を採用したことにより、ばらつきのない品質を確保することができた。

以上、参考にして、自分が経験した建築工事に関して、指導的立場に立った工事に対してまとめておきましょう。2項目程度の記述が求められるケースが多いので、最低3項目程度は必要かと思います。

1級建築施工管理技士 二次検定 経験記述 品質管理【傾向分析】①

近年の経験記述の予想のひとつである「品質管理」に関する記述について
まとめたいと思います。
なお、29年度は「品質を確保した上での」「合理化」となっているので、注意が必要です。

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チェックポイント1
「重要品質」と「管理項目」の違いを理解する
チェックポイント2
PDCAサイクルを繰り返すことにより、
品質は向上すること理解する
=======================

品質管理とは?
品質水準の安定と向上を図ることであり、試験では主に、「設計図書の品質を確保するために、施工上どのような活動をしたか」といった記述が求められます。

「品質管理」の記述上のポイント
品質管理では工事概要の他、2題出題されます。
・1題目
工事概要であげた工事現場で経験したこと
・2題目
工事概要であげた工事に関わりなくあなたの考え

出題は平成18年、20年、23年、26年、28年ですが、解答の仕方は細かく指定されています。
特に最近では、重要品質に条件が付いているので、事例の選択にあたっては、注意する必要があります。

「品質管理」で要求される記述
工事概要であげた工事現場で経験したことについて

「重要品質・要求品質」(H18,H20,H23,H26,H28)

「重要品質となる理由」(H20,H28)

「重要品質管理目標」 (H18,H20,H23,H26)

「管理項目や留意事項」(H20,H23,H26)

「管理項目が重要品質確保に有効な理由」(H18,H20,H23,H26)

「実施した内容」(確認や記録の方法を含む)(H18,H20,H23,H26,H28)

のいずれかを記述することが要求されています。
全てが出題されても解答できるように、
自分の経験を上記6項目に分けて整理しておく。

「重要品質・要求品質」とは建物の持つ重要な性能のことで、

・鉄筋コンクリートの耐久性
・建物の寸法精度
・外装仕上げの美観性
・外装タイルの接着力
・建物の居住性
・内装(内壁)仕上げの美観性
・断熱性能
・屋上の防水性能
などがあげられます。

「重要品質となる理由」とは(★現在形で表記する)
特に、住宅系の建物であれば、居住性の確保との関連など

例)屋上の防水性能の確保は、居住性を高める大きな要因となるため。

「重要品質管理目標」とは
重要品質を確保するための目標を記述します。
目標という観点から大きく捉えると、「不具合をなくす。強度を確保する。」
という主旨の内容のにすると記述しやすいです。

例)屋上からの漏水の発生をゼロにする。

「管理項目や留意事項」とは
重要品質を確保するために管理した項目を記述します

例)「建物の寸法精度の確保」のための「鉄骨の建入れ精度の確保」の管理などが考えられます

例)アスファルト防水下地の含水率

「管理項目が重要品質確保に有効な理由」とは
(★現在形で表記する)
管理項目(または実際に行ったこと)の内容が、なぜ重要品質の確保に有効なのかを記述します。

例)下地の含水率は防水層の接着性に大きく影響し、下地不良はふくれ・破損を招き、雨漏りの原因となるため

「実施した内容」とは
(★必ず過去形で表記する)
管理項目について良好な結果を得るために、現場において実施したことを記述します。

例)
コンクリートの乾燥状態を高周波水分計を用いて、コンクリート下地の含水率(8%以下)を確認し、チェックリストに記録した。
8%以下は記載しない
(現在、JASS8 には 8%という数値規定はない)

———————————————————

(2)の問題
工事概要であげた工事関係なく、あなたの考え方を問う問題について
「品質の良い建物を提供して施主の要望実現や満足度向上をするにはどうしたらいいか?」ということについて問われています。

品質管理の問題に関しては、会社全体としての取組みについてまとめるのが
望しいと思います。

実践12 仕上工事5 タイル工事

1級建築施工管理技士 実践12 仕上工事5 タイル工事

日本ほどタイルの施工法や材料の改善について研究されている国はない。

タイルは建築の仕上材としては3000年の歴史をもっている。ローマ時代の遺跡でも多く発掘されていおり、エジプトにおいては4500年の歴史がある。
建築材料としてのタイルは、デザイン性・耐熱性・耐久性などたくさんの優れた素晴らしい特性をもつ。
日本の建築材料としての歴史は、明治の後半から銭湯に使われて、昭和に入ってからは建築物の外壁へと拡大した。米国のフランク・ロイド・ライトの設計した旧帝国ホテルのスクラッチタイルが流行のきっかけにもなった。
しかし、日本は寒暖の差が激しく、湿気も多い。
特に外壁に使用したものには、過去、剥離やエフロなどの問題が多数発生した。
近年、モザイクタイルと45二掛けモザイクタイルの普及が著しく、メーカーや施工店、ゼネコンの努力により、材料・専用の接着剤や施工法の改善が急速に進んだ。
タイルの弱点である剥離・剥落、白華などの問題点が解決し、施工能率の向上、熟連工不足などの対策も進んだ。

タイルの種類と工法選択

日本では建物の外装にタイルが選ばれることが多い。落ち着いた焼き物タイル色が街並みに適応し、景観が長期間変わらないなど、優れた建築材料である。
一方、タイル工法はいく種類もあるので、タイルの形状によって、また建物の規模と構造によって、最適な工法を選定する必要がある。
中規模の事務所ビルの場合、もし建物の構造がRC造もしくはSRC造であれば、一般的に躯体工事が終わってから、後張り工法を選ぶ事が多いが、その場合は剥離・剥落、白華現象、施工の張りムラである平滑度不足のリスクが発生する。
もし構造体がS造であるならば、迷わずPCa板にして、工場でタイルを打ち込んでくる方が故障は少なく、平滑度も格段に向上する。
SRC造の場合、外壁をハーフPCa板にして、工場でタイルを打ち込む工法の選択もある。そうすれば、剥離・剥落リスクは解決でき、工期の短縮、よって工費の節約もできる。
タイルの種類によっても工法が変わってくる。モザイクタイルや45二丁掛けタイル、小口タイル、二丁掛けタイルの場合は、現場での”後張り”でも、工場での”打込み”でも、両方が可能である。
しかし、大きな四丁掛けタイルになると、打込みはできないので、専門家の指導のもとでの後張りもしくは乾式工法が望ましい。
また、タイルの吸水率と不具合の発生は因果関係が深い。吸水率が5%以上のものは外部に使用することができない。
湿気などで白華や白粉問題のリスクが高まる。
逆に吸水率が1%以下の磁器タイルなどで、タイルに裏足がないと、モルタルとのなじみが薄く、剥離を引き起こしやすい。

45二丁掛けの正しい張り方と点検

最近のビルやマンションの外壁タイルは、45二丁掛けタイルが普及し、バブル崩壊まで主流であった小口タイルや二丁掛けタイルは激減している。
厳しいコスト競争で、モザイクや45二丁掛けタイルに移行してきている。
また、それまでは必須であったモルタルによるタイル下地造りも変化し、最近ではコンクリート躯体への直張り工法が主流になってきている。
高圧洗浄工法の普及で剥離・剥落のリスクが減少したことや、コンクリートの平滑性技術が高まったこと、及びコストの低減がその背景にある。
しかし、コンクリート躯体に45二丁掛けタイルを直張りするには、コンクリート型枠の制度確保はもちろん、コンクリート表面の埃は汚れを高圧洗浄などで十分除去し、不陸を調整するなどの下地処理を完全にしておく必要がある。
下地処理が十分行われない場合は、仕上がりの不陸問題、剥離・剥落などの品質問題に発展する。
45二丁掛けタイルは通常、圧着張りを行う。
張り代に4~5mm程度のモルタルを塗布し、2mm程度になるまで木辺で叩き込むのが一般的である。
目地材料は専用の目地材を使用し、スポンジのふき取り仕上げを行う。タイルの裏や目地の空隙ができないように管理する。
空隙は白華現象を発生させる。
そのほかのタイル、小口タイルや二丁掛けタイルの場合は、改良圧着工法が望ましい。その場合はコンクリートの表面を洗浄し、モルタル下地を作る。タイルの張り代はタイル厚さのほかに5~6mm控えて専用のビブラートで振動を与えて張り付ける。
タイル裏面にもモルタルを塗りつけておいて、付着性を高める。
タイルには裏足のある材料を選び、タイル面と下地の面の両方にモルタルを塗ってから張り付ける。そして、ビブラート器具で振動を与えて、接着力を高める方法である。この方法は、タイルの不陸が出やすいので、平滑度を確保するための字熟練を必要とする。
張付け材料は一般的にはモルタルノロが多い。タイルメーカーによっては、専用接着剤などの開発を行っている。そのほかに、混和剤などで張り付ける範囲によって、効果時間を調整できるものも使用している。
どの組み合わせがもっともふさわしいかはケースごとに異なるので、最終的には引張り試験やモックアップによる平滑度確認などのプロセスを踏んで決定するのが望ましい。
タイルの付着確認には引張り試験を行う。付着強度は0.4PS/mm2以上を狙うが、高圧清浄により0.8PS/mm2以上が確保できる。

タイル張り施工図と納まり

建築施工管理者の重要な役割にタイル割り施工図の作成がある。その目的は、バランスのとれた美しいタイル割付けが目的であるが、そのほかに
1.平物や役物などの数量算出と材料の発注、
2.タイルの割付けに沿ったサッシュなどの
取付け位置の確定
3.エキスパンションジョイントや笠木や
コーナー役物などの納まりの確定
などである。
タイル割付け図がない場合、タイル工が現場で適当に割り出すので、不揃いは切りものが不自然に発生したり、目地幅が均等でなかったり、また不陸により張りムラが発生したりするなど、せっかくのタイルのよさが生かされないの、避けるべきである。
そのほかに、建築施工管理者として気を配ることに、工程計画がある。タイル工の仕事が一定期間連続するように、計画と準備が望まれる。
タイル工もまとまってできる環境があれば、仕事の能率も上がり、施工手順も守られて、結果的にいい仕事につながる。
近年、十分な建築施工管理者を配置できない場合や分業化で、タイル施工図も専門家に任せる場合が増えているが、建築施工管理者としては、施工図のチェックや工程計画の立案ができるように経験と知識を備えてく必要がある。