97)エレベーターの注意点
エレベーター、エスカレーターの設置は建築基準法及び国土交通省告示の他「昇降機技術基準の解説」(日本エレベーター協会)による基準を守り、建築確認申請が必要である。機械室が不要のエレベーターではエレベーターシャフトの上部に煙感知器を設けなければならない。設置場所によっては点検しにくい場合がある。
1.人にやさしいエレベーター
エレベーターはほとんど規格品が採用されて、内装など個性がなくなってきている。かごの内装は快適でビルの個性を活かしたものにしたい。石張りであればかご荷重に見込んでおく必要がある。かご内に手すりを設けると安心感がある。車椅子利用者にもやさしいように鏡を設けたい。鏡は設置のしかたでかご内を広く見せることもできる。かご内の停止階ボタンは入口の両側に設置したい。トップクリアランスとの関係もあるが、天井はできるだけ高くし、照明は間接照明で色温度3500K(温白色)がやさしくてよい。
エレベーターの扉はビルの中の玄関でもある。乗り場の枠とともにデザインしたい。枠は扉幅より広くして乗降しやすいのが良い。エレベーターホールの呼びボタンのプレートは周囲の壁を汚さないように大きめにしたい。
2.エレベーターシャフトの煙感知器
集合住宅や規模の小さいビルではエレベーター機械室のないエレベーターが多く使われている。この機械室レスエレベーターはトップクリアランスの上部に煙感知器を設け、エレベーターシャフトの外側から点検ができなければならない。エレベーターシャフトの頂部が梁で囲われている場合、点検が困難な場合もある。あらかじめエレベーターの確認申請を提出する前に点検が可能であることを確認しておく。
天井ふところの中に煙感知器の点検口を設けることができれば、エレベーターメーカーの既製品(点検口を開ければ煙感知器が一緒に出てきて点検が容易なタイプ)を採用することができる。
EVシャフトの煙感知器
3.外部エレベーターはシャフト内に雨を入れない
外部にエレベーターを設置する場合、雨がシャフトに入らないようにすることが重要である。台風などの強風時の雨を想定して、広い庇と防風スクリーンを併用し、入口前には排水溝を設けなければならない。かごの床も滑らない仕様にするなどの配慮が必要である。
外部EVの乗り場