1級建築施工管理技士 内装仕上 ALC内壁はスライド工法

建築品質 内装仕上工事


77)ALC内壁はスライド工法

ALCパネルの内壁・間仕切り壁は内装仕上げに施すことから、ALCは動かない方がよい。ALCが動くと仕上げひひびが入ったり剥離する。よって、層間変位に対して下部を固定し上部をスライドさせるスライド工法とする。施工図ではまずALCの固定方法を確認する。

1.ALCの内壁はスライド工法で床と一体にする

ALCはフットプレートなどで床に固定する。躯体が変位するとき、ALCは床と一体で、上部がスライドする。躯体との隙間(伸縮目地)が変位量より小さいとALCが損傷する。特にALCが直行する取合い部は、ALCどうしが衝突しないように、変位量に見合う伸縮目地が必要である。伸縮目地部は耐火性能、遮音性能を確保するためにロックウールを充填し、できれば両面シールとする。鉄骨造では特に変位が大きいため、躯体取合い部や直行壁部分の伸縮目地寸法は最低でもパネル高さの1/100は確保したい。


躯体が変位したとき

2.開口補強は壁と一体にする

ALCの壁に出入口などの開口部を設けるときは、山形鋼(アングル材)などの開口補強を設ける。この開口補強の縦部材を上部で工程すると変位を吸収できないので、開口まわりでALCが損傷するだけでなく、ドア枠も変形し開閉できなくなる恐れがある。スライド工法では、開口補強は壁(床)と一体にし、補強縦部材の上部は上部支持金物とスライドするように納める。

3.仕上げボードはALCの伸縮目地と位置を合わせる

ALCをスライド工法にすると、仕上げボードをボンドで直接壁に張る工法(GL工法)を採用することができる。この場合、ALC10枚ごとの伸縮目地部と同位置に目地を設ける必要がある。ボードの目地を目地を設けたくないときは、GL工法とはせず、ALCと別に軽量鉄骨(軽鉄)下地を立ててボードを仕上げる。階段室のALC壁にボードを張る場合は、軽鉄下地とする。GL工法は地震時に剥落し、階段を塞ぐ可能性があるので採用しない。よって、有効幅等の問題もあるので、計画時に下地及び仕上げ方法も十分に検討しておく。


ALCスライド工法