039)ALCパネルの注意点
ALC(軽量気泡コンクリート:Autoclaved Light -weight aerated Concrete)パネルは軽量で、断熱性があり、穴あけや切断などの加工が容易である。縦張りと横張りの工法があり、どちらも層間変位に追随するが、ALCパネルの目地は切れやすく、雨水が侵入する可能性がある。パネル厚さは支点間距離と耐風圧によって決まる。
1.ALCパネルの横張り
横張りはパネル幅に合わせて間柱を設け、パネル3段ごとに荷重を間柱に預ける。層間変位に対してはスライド工法で追随する。
パネル横張りスライド工法
2.ALCパネルの縦張り
縦張りは階高がパネル高さになり、パネルの自重は床で支持される。層間変位に対しては、ロッキング工法で追随する。
パネル縦張りロッキング工法
3.最下部は侵入水の排水をする
縦張りでも横張りでもALCパネルのジョイントはシールで止水する。シールが切れた場合、侵入水はALCパネルをつたって最下部に集まる。したがって最下部ではALCの下端はRCの立上りを設け、内部へ染み出さないようにする。
4.ALCパネルの外壁は下地金物をしっかり構造体に付ける
パネルの下地金物は、鉄骨加工工場で先付けされた下地取付け金物に、現場溶接で取り付けられる。その現場溶接がしっかりしていないと外壁強度不足になる。施工図には溶接箇所と溶接長さなど管理のポイントを明記することが重要である。
5.ALCパネルの仕上げ
ALCパネルの表面は水を吸って風化しやすいので、防水性の塗装や塗材などで保護する必要がある。ALCパネルにタイルを張る場合はモザイクタイルが望ましい。ALCメーカーの管理のもとにタイルを張らなければ剥落等保証ができなくなる。タイル張りは低層建物もしくはバルコニー付きの外壁などにするほうが賢明である。