016) バルコニーの手すりは丈夫に
集合住宅のバルコニー手すりは、子どもが落ちないようにつくるのはもちろんであるが、恐怖感がないように、しかもいつまでも丈夫で安心・安全な手すりにした。
1.手すりの足元は強固に固定する
最も確実で汎用性があるのは、バルコニー先端に立上り躯体に手すり支柱を埋め込む方法である。こうすると縦格子やガラス手すりなど自在である。
手すり支柱を両側の鉄筋の間に設置し、ひび割れ誘発目地底から鉄筋のかぶりを確保すると鼻先コンクリートの厚さは最小190mmとなる。スリーブ径70mm、支柱径50mmとし、150mm以上埋め込む必要がある。
手すり足元は錆びないようにSUS材とする。
2.転落防止には細心の注意をはらう
縦格子の手すりでは、縦格子の隙間から子どもがすり抜けて落ちてはいけない。格子の隙間は110mm以下、足元の隙間は90mm以下にする。
ガラス手すりは、ガラスが割れて落下しないように、合わせガラスを採用する。飛散防止フィルムは経年劣化があるので、特に外部には不適である。
バルコニーのエアコン室外機などが足がかりとなれば転落の危険がある。足を掛けないように三角帽子をかぶせるか、手すり高さを上げて足がかりから手すり天端までの間隔を850mm以上離すなどの対策が必要である。
3.窓から転落することもある
窓台が650mm未満の低い位置に窓を設けた場合、開けた時に転落しないように手すりを設けるか、サッシに開放制限のあるものを採用する。
4.その他の注意点
上階のバルコニーに当たった雨水が水滴となり下階の金属手すりに落ちると、騒音となる。水切り位置をあらかじめ調整し、手すりの部材を厚くしたり、手すり金物に消音材を充填するなどの対策をとる。