1級建築施工管理技士 過去問題 H26 実地1

平成26年度 1級建築施工管理技術検定 実地 問題1


問題1

建築物は、現場施工による一品生産である。生産現場である作業所では、着工前に発注者のニーズ及び設計図書から建築物の要求品質を事前に抽出し、「重点品質管理目標」を設定して施工にあたる。
あなたが経験した建築工事のうち、建築物の要求品質をつくり込むため、重点的に品質管理を行った工事を1つ選び、下記の工事概要を具体的に記入した上で、次の1.から2.の問いに答えなさい。
なお、建築工事とは、建築基準法に定める建築物に係る工事とし、建築設備工事を除くものとする。

[ 工事概要 ]
イ.工 事 名
ロ.工 事 場 所
ハ.工事の内容
新築等の場合:建物用途、構造、階数、
延べ面積又は施工数量、
主な外部仕上げ、
主要室の内部仕上げ
改修等の場合:建物用途、主な改修内容、
施工数量又は建物規模
ニ.工期(年号又は西暦で年月まで記入)
ホ.あなたの立場

1.工事概要であげた建築工事において、設計図書などから読み取った要求品質を実現するために行った品質管理活動2つあげ、次のからについて具体的に記述しなさい。
ただし、2つの品質管理活動の内容は、異なる記述とする。

①.設計図書などから読み取った要求品質と、それを実現するために定めた重点品質管理目標を、それぞれ具体的に記述しなさい。

②.①の重点品質管理目標を達成するために設定した、施工プロセスにおける品質管理項目とそれを定めた理由を、具体的に記述しなさい。

③.②の品質管理項目について、どのように管理したか、実施した内容を、具体的に記述しなさい。

解答試案

1)品質管理活動1

要求品質:外壁の防水性能
重点品質管理目標
外壁のコールドジョイントの発生ゼロ

品質管理項目
打設中のコンクリート打重ね時間間隔の管理
定めた理由
打設中のコンクリート打重ね時間間隔が長いと、
コールドジョイントが発生し、
そこからの漏水は外壁性能に大きく影響するため。

実施した内容
コンクリートの打込み継続中の打重ね時間間隔(外気温25℃未満で150分以内、25℃以上で120分以内)を厳守するため、打重ねが発生した部分に関しては、打重ねまでの時間を記録、管理した。

2)品質管理活動2

要求品質:外壁タイル接着力
重点品質管理目標
外壁タイルの浮き、はく落の完全防止

品質管理項目
密着張りの張付けモルタルの時間管理
定めた理由
張付けモルタルの可使時間を超えてからの施工は、タイルの密着性に悪影響を与え、タイルの浮きやはく落の原因となるため。

実施した内容
張付けモルタルは、一度に塗り付ける面積を2m2以内にして、塗付け開始後15分で進捗を確認した。
さらに20分以内で張り終えたことを確認し、チェックリストに記録した。

3)その他の事例

要求品質:建物の居住性
重点品質管理目標
内装建具の開閉不良クレームの根絶

品質管理項目
建具枠の施工精度の管理
定めた理由
建具枠の対角寸法差や倒れが大きいと、室内出入口の建具の開閉性が悪くなる。
また、当該建物は共同住宅であるため、建具の開閉性は居住性にも大きく影響すると考えたため。

実施した内容
建具枠について、
対角寸法差は対角測定治具により3mm以内、倒れは下げ振りより2mm以内であることを確認し、チェックリストに記録した。

(解説)
「要求品質」とは、建物の持つ重要な性能のことで、鉄筋コンクリート造の耐久性、外壁タイルの接着力、建物の居住性、断熱性能、屋上防水性能などがあげられる。また、「重点品質管理目標」は、その達成度が測定できるようなものを示す。

2.工事概要であげた工事にかかわらず、あなたの今日までの工事経験を踏まえて、次の、①、②について具体的に記述しなさい。

①.作業所における組織的な品質管理活動は、どのように行ったら良いと思いますか、あなたの考えを記述しなさい。

②.組織的な品質管理活動を行うことにより、どのような効果が得られると思いますか、あなたの考えを記述しなさい。

解答試案

①各人の役割を文章で明確にするとともに、1工程完了など社内調査を行い、手直しのない状態で次工程に引き継ぐシステムを構築することが必要であると考える。

②顧客の信頼が得られ社会的な評価を高めることができるとともに、工事に携わる者全員がより良い品質の建物を施工することを意識することで、全体としてスキルアップにもつながると考える。