1級建築施工管理技士 過去問 平成28年 学科1

※   問題番号[ No.1 ]~[ No.15 ]までの 15 問題のうちから、12 問題を選択し、解答してください。

[ No. 1 ]
換気に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.在室者の呼吸による二酸化炭素発生量に基づく必要換気量は、室内の二酸化炭素発生量を、 室内の許容二酸化炭素濃度と外気の二酸化炭素濃度の差で除して求める。

2.室内の許容二酸化炭素濃度は、一般に 10,000 ppm とする。

3.室内外の温度差による自然換気量は、他の条件が同じであれば、流入口と流出口との高低差が大きいほど大きくなる。

4.風圧力による換気量は、他の条件が同じであれば、風上側と風下側の風圧係数の差の平方根に比例する。

答え

 2

建築基準法施工令第129条の2の6(換気設備)第3項、建築物における衛生的環境の確保に関する法律施工令第2条(建築物環境衛生管理基準)第一号により、室内の二酸化炭素濃度は、一般に1,000ppm(0.1%)以下とする。

[ No. 2 ]
伝熱に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.熱損失係数は、建物の断熱性能評価の指標であり、その値が小さいほど断熱性能が高い。

2.壁体の熱貫流抵抗は、熱伝達抵抗と熱伝導抵抗の和によって得られる。

3.熱放射は、電磁波による熱移動現象であり、真空中では放射による熱移動は生じない。

4.壁体の中空層(空気層)の熱抵抗は、中空層の厚さが 20~30 mm を超えると、厚さに関係なくほぼ一定となる。

答え

 3

熱放射は物体表面から射出される赤外線(電磁波)によって、熱が移動する現象である。放射による熱の移動には空気は必要ないため、真空中においても放射による熱移動は生じる

[ No. 3 ]
音に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.吸音率は、壁などの境界面に入射する音のエネルギーに対する反射されなかった音のエネルギーの比で表される。

2.剛壁と多孔質材料との間に空気層を設けると、低音域の吸音率は上昇する。

3.コンクリート間仕切壁の音の透過損失は、一般に高音域より低音域の方が大きい。

4.合板などの板状材料は、共振周波数に近い低音域の音をよく吸収する。

答え

 3

密で均一な材料でできている壁体の音の透過損失は、壁体の単位面積当たりの質量と音の周波数の積の対数に比例するので、高周波数域(高音域)より低周波数域(低音域)の方が小さい。なお、材料の透過損失は、コンクリートのような比重が大きいものほど、その量が増大する。

[ No. 4 ]
鉄筋コンクリート造の建築物の構造計画に関する記述として、最も不適当なものはど れか。

1.柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が大きくなるように計画する。

2.腰壁、垂れ壁、そで壁等は、柱及び梁の剛性やじん性への影響を考慮して計画する。

3.大梁は大地震に対してねばりで抵抗させるため、原則として梁の両端での曲げ降伏がせん断破壊に先行するよう設計される。

4.建物間に設けるエキスパンションジョイント部のあき寸法は、建物相互の変形量を考慮 する。

答え

 1

柱は、地震時のぜい性破壊の危険を避けるため、軸方向圧縮応力度が小さくなるように計画する。軸力と曲げを同時に受ける柱の短期軸方向応力度は、Fc/3(Fcはコンクリートの設計基準強度 N/mm2)以内におさめることが望ましい。

[ No. 5 ]
鉄筋コンクリート構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.梁のあばら筋に D10 の異形鉄筋を用いる場合、その間隔は梁せいの 1/2 以下、かつ、250mm 以下とする。

2.梁に2個以上の貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの 1/2 以下、中心間隔を両孔径の平均値の 2.5 倍以上とする。

3.開口のある耐震壁では開口隅角部には斜め引張力が、開口周囲には縁応力が生じるため、 前者には斜め筋、後者には縦筋及び横筋を用いて補強する。

4.柱のじん性を確保するためには、帯筋の間隔を密にすることや副帯筋を用いることが有効 である。

答え

 2

梁に貫通孔を設ける場合、孔径は梁せいの1/3以下とし、2個以上設ける場合は、孔の中心間隔は孔径の3倍以上とする。(計算による場合をのぞく)

[ No. 6 ]
鉄骨構造における接合に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.構造耐力上主要な部分に普通ボルト接合を用いる場合には、延べ床面積 3,000 m2 以下、軒高 9 m 以下、はり間 13 m 以下の規模等の制限がある。

2.完全溶込み溶接による T 継手の余盛は、溶接部近傍の応力集中を緩和する上で重要である。

3.高力ボルト摩擦接合におけるボルト相互間の中心距離は、公称軸径の 2.5 倍以上とする。

4.溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を先に行う場合は両方の許容耐力を加算してよい。

答え

 4

溶接と高力ボルトを併用する継手で、溶接を後に行う場合は両方の許容耐力を加算できるが、溶接を先に行う場合は、溶接熱で板が変形し板材が密着せず、十分な摩擦力が得られないため、溶接の許容耐力のみとする。

[ No. 7 ]
基礎構造に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.直接基礎の地盤の許容応力度は、基礎スラブの底面積が同じであっても、その底面形状が 正方形の場合と長方形の場合とでは異なる値となる。

2.フローティング基礎は、建物重量と基礎等の構築による排土重量をつり合わせ、地盤中の応力が増加しないようにする基礎形式である。

3.直接基礎下における粘性土地盤の圧密沈下は、地中の応力の増加により長時間かかって土中の水が絞り出され、間隙が減少するために生じる。

4.地盤の液状化は、地下水面下の緩い砂地盤が地震時に繰り返しせん断を受けることにより間隙水圧が減少し、水中に砂粒子が浮遊状態となる現象である。

答え

 4

水で飽和した粒径が比較的均一な細粒度の少ない緩い砂地盤では、地震動によって振動を受けると流動化し、地耐力を失ってしまう。このような現象を液状化という。これは、地震の振動によって土中の間隙水圧が高くなり、土粒間に働く有効応力が 0 になると、せん断抵抗がほどんどなくなるため、地盤は液体状になり、重い構造物は沈み、軽い構造物は浮き上がる現象である。

[ No. 8 ]
図に示す長方形断面部材の図心軸(X 軸)に対する許容曲げモーメントの値として、正しいものはどれか。ただし、許容曲げ応力度 fb  は 12.54 N/mm2 とする。


1. 12.54 × 105 N・mm
2.  7.52 × 105 N・mm
3.  6.27 × 105 N・mm
4.  3.76 × 105 N・mm

答え

 1

許容曲げモーメント(Ma)は許容曲げ応力度( fb )断面係数( Z )で求められる。
Ma = fa × Z ・・・①
X軸に対する断面係数Zは、長方形断面部材の幅をb、高さをd とすると、
Z = bd2/6
ここに、b = 60、d = 100 を代入して、
Z = 60 × 1002 / 6 = 1 × 105(mm3)

設問より fb = 12.54( N/mm2)であるから、①式に代入して、
Ma = 12.54( N/mm2)× 1 × 105 (mm3)
= 12.54 × 105 (N・mm)
したがって、1が正しい。

[ No. 9 ]
図に示す架構に等分布荷重が作用したときの支点 A 及び B に生じる水平反力(HA、HB) 及び鉛直反力(VA、VB)の値として、正しいものはどれか。ただし、反力は右向き及び上 向きを「+」、左向き及び下向きを「−」とする。

1. HA = −32 kN
2. HB = −16 kN
3. VA = −12 kN
4. VB = +48 kN

答え

 3

AB間の寸法は与えられていないが、山形の斜面寸法と高さから、直角三角形の比(3:4:5)を利用し、それぞれの底辺の寸法は 4mと 8mになる。これを足し合わせることにより、AB間の寸法は12mとなる。等分布荷重が作用している場合には、集中荷重に置き換えて考える。等分布荷重の合力 R の大きさは、
R = 8 kN/m × 6m = 48kN
その合力Rの作用位置は、荷重範囲を1:1に分割した位置である。

次に、図のように、支点Aに水平反力HA、鉛直反力VA、支点Bに鉛直反力VBを仮定する。(支点Bはローラー支点であるので、水平反力は生じない)

つり合い条件式により、反力を求める。

ΣX = 0より、HA + 48kN = 0
HA = − 48kN
ΣMA = 0より、
48kN × 3m = -VB × 12m = 0
144kN・m − 12VB・m = 0
12VB・m = 144kN・m
VB = 12 kN
ΣY = 0より、VA + VB = 0
VA + 12 kN = 0
VA = −12kN

反力の向きを検討すると、VBは「 + 」の値であったので、仮定した反力の向きは正しかった。HA、VAは「 − 」の値であったので、仮定した反力の動きは逆であった。

HA = 48kN(←)
HBは生じない
VA = 12kN(↓)
VB = 12kN(↑)
したがって、3が正しい。

[ No. 10 ]
図に示す3ヒンジラーメンに集中荷重 P が作用したときの曲げモーメント図として、正しいものはどれか。ただし、曲げモーメントは材の引張側に描くものとする。

1.

2.

3.

4.

答え

 1

各節点を図のようにする。点線は外力及び支点反力の作用線を示す。同架構は静定構造物であり、外力と支点反力は上図のようにつり合っている

① C、E点にはモーメントが発生するが、それぞれの節点でモーメントがつり合っていなければならない。したがって [ 3 ] は誤り。

② 力が左側から右側に作用しているので、梁材C〜D〜Eの曲げモーメントは右上がりのモーメントとならなければならない。したがって[ 4 ]は誤り。

③左側柱のモーメントは、柱中間に外力が作用している。A点の水平方向反力は、右側から左側に向かっている。B〜C間の曲げモーメントは、この水平支点、反力、及び外力(P)により、C節点に向かって減少する形状となる。

以上により MA = MD = MF = 0なので、各点の曲げモーメントを直線で結ぶをと下記の曲げモーメント図となり、 1 が正しい。

[ No. 11 ]
セメントに関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.高炉セメント B 種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いたものに比 べ、耐海水性や化学抵抗性が大きい。

2.早強ポルトランドセメントは、セメント粒子の細かさを示す比表面積(ブレーン値)を小さくして、早期強度を高めたセメントである。

3.エコセメントは、都市ごみ焼却灰を主とし、必要に応じて下水汚泥等を加えたものを主原料として製造される、資源リサイクル型のセメントである。

4.フライアッシュセメント B 種を用いたコンクリートは、普通ポルトランドセメントを用いたものに比べ、水和熱が小さく、マスコンクリートに適している。

答え

 2

粒子の細かさは比表面積 = ブレーン値(単位:㎝2/g)で表し、粒子が細かいほど質量当たりの表面積は大きい。ブレーン値の値が大きくなるほど細かく、早期強度が得られるが、発熱によるひび割れ等の弊害を伴うことがある。

[ No. 12 ]
鋼材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.SN490B や SN490C は、炭素当量の上限を規定して溶接性を改善した鋼材である。

2.TMCP鋼は、熱加工制御により製造された、高じん性で溶接性に優れた鋼材である。

3.FR 鋼は、モリブデン等の元素を添加することで耐火性を高めた鋼材である。

4.SS材は、添加元素を極力低減した純鉄に近い鋼で、強度を低くし、延性を高めた鋼材である。

答え

 4

SS材は、一般構造用圧延鋼材のことである。設問の記述は、低降伏点鋼のことである。

[ No. 13 ]
左官材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.せっこうプラスターは、乾燥が困難な場所や乾湿の繰返しを受ける部位では硬化不良となりやすい。

2.セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物にドロマイトプラスターを添加した材料である。

3.セメントモルタルの混和材として消石灰を用いると、こて伸びがよく、平滑な面が得られる。

4.しっくい用ののり剤には、海草又はその加工品と、水溶性高分子がある。

答え

 2

セルフレベリング材は、せっこう組成物やセメント組成物に骨材や流動化剤を添加し、セルフレベリング性を付与して、これを床面に流し簡単に均すだけで平滑精度の高い床下地をつくるものである。

[ No. 14 ]
日本工業規格(JIS)に規定される金属製折板屋根構成材に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.梁と折板との固定に使用するタイトフレームには、ボルト付きタイトフレーム、タイトフ レームだけのもの及び端部用タイトフレームがある。

2.折板の結合の形式による区分には、重ね形、はぜ締め形及びかん合形がある。

3.折板の耐力による区分には、1種から5種の5種類があり、1種が最も耐力が大きい。

4.折板の加工にはロール成形機を用い、折曲げ部分には適当な丸みを付ける。

答え

 3

折板の耐力による区分には、1種〜5種の5種類があり、5種が最も耐力が大きい

[ No. 15 ]
内装材料に関する記述として、最も不適当なものはどれか。

1.構造用せっこうボードは、強化せっこうボードの性能を満たしたうえ、くぎ側面抵抗を強化したもので、耐力壁用の面材などに使用される。

2.ロックウール化粧吸音板は、ロックウールのウールを主材料として、結合材及び混和材を用いて成形し、表面化粧加工したものである。

3.ゴム床タイルは、天然ゴムや合成ゴムを主原料とした床タイルで、独自の歩行感を有し、耐油性に優れている。

4.コルク床タイルは、天然コルク外皮を主原料として、必要に応じてウレタン樹脂等で加工した床タイルである。

答え

 3

ゴム床タイルは、天然ゴム、合成ゴム等を主原料とした弾性質の床材料で、特性は次の通りである。
①ゴム特有の弾性がある。
②耐磨耗性が大きい。
耐油性に劣る
④熱による伸縮が大きい。