1級建築施工管理技士 建具工事 鋼製建具は錆びやすい

建築品質 外部建具


059)鋼製建具は錆びやすい

雨がかりにある外部鋼製建具は雨が入りやすい。特に上枠や丁番部分から入りやすい。また、縦枠の足元や扉の下端や錆びやすい。

1.外部鋼製建具には必ず庇を計画する

外部鋼製建具は雨がかりにしないことが重要である。大きめの庇を設ける必要がある。庇が設けられない場合は、大きめの水切りを設ける。


外部鋼製建具のポイント

①セミ・エアタイト(JIS A4702 A-3仕様)とし、枠に気密材の合成ゴムを入れる。

②縦枠足元は h=300mm程度までステンレス(SUS304)とする。

③くつずりはSUS304 t=1.5mmを縦枠下に通して両端部は蓋をする。縦枠とくつずりは裏側で水密溶接し、止水を確実にする。

④扉下端も錆びやすいので、表面材の鉄板を曲げ込む納まりとする。

⑤ヒンジはSUS丁番を用い、枠に取り付けた補強板に固定する。枠内部の丁番と補強板まわりはシールする。ピポットヒンジは腐食するので外部扉には採用しない。

⑥外部側の枠見付け寸法は25mmを確保し、丁番と壁の間に隙間を設け、枠のシールが確実に施工できるようにする。

⑦外壁同面おさまりの鋼製建具は上枠部にSUS水切りを設け、二重シールおさまりとする。

2.外部鋼製建具の内開きには排水溝を設ける

やむをえず内開きのドアにするときは、雨がかりにしないことはもちろんであるが、次の対策が必要である。

①完全エアタイト(JIS A 4702 A-4仕様)とする。締まり金物はグレモンハンドルとする。

②雨がドアに吹きつけた時を想定して、扉両サイドと扉下部に水返しを設ける。

③下枠部やコーナー部からの雨水侵入に対して、くつずりに排水溝を設け、排水する。逆流防止弁付きの排水口を設ける。